やまけんの出張食い倒れ日記

なんと、食い倒れ日記の初期の写真がNFTアートに!? SFC時代の恩師・藤幡正樹さんが仕掛けたMy First Digital Data展のそうそうたる面々になぜか僕も出品しております!

藤幡正樹キュレーション NFT企画「My First Digital Data はじめてのデジタル」 | 3331 ART FAIR 2022 特別企画展

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藤幡正樹さんは、日本のメディアアーティストとしてはパイオニアと呼ばれる存在だ。その藤幡さんには頭が上がらない。なぜかといえば、慶應の湘南藤沢キャンパス(SFC)で僕が創った「八百藤」というサークルが成立するとき、顧問を引き受けてくれた人なのだ。

いまでも思い出す。入学してすぐ、アドバイザーグルプの先生である奥出直人先生の部屋をノックして「キャンパス内で畑をやろうと思っているんで、相談に乗って下さい!」とお願いしに行ったところに、当時37歳の藤幡さんがいたのだ。

「へぇ~、面白いじゃん、カンパしてあげるよ」とすぐに数千円のカンパをいただいた。のみならずそれ以降、「畑どうなの?」と興味を持ってくれた。それどころではない。僕の有機農業の師匠である熊本のぽっこわぱ耕文舎に「僕も行ってみたい」と言い、本当に一緒に行ったのだ。バイオダイナミック農法の世界に触れて、藤幡さんは大いに感じるところがあったようだ。

そして、たんなる学生の集まりだった畑をサークルにしようというときに、顧問を引き受けてくれる先生が必要になった。藤幡さんにお願いに行ったら「顧問とかさぁ、本当はイヤなんだよね。けど、畑なら仕方ないか」といって、引き受けてくれたのだ! かくしてSFCに八百藤というサークルが生まれたのでした。本当にありがとうございました。

前置きが長くなったが、藤幡先生はスゴい人である。そのバイオグラフィーを概観するにはどこがいいんだろう、とおもったが、ご本人のWebよりICCのほうがよさそうだ。

■藤幡正樹プロフィール
https://www.ntticc.or.jp/ja/archive/participants/fujihata-masaki/

こんな藤幡さんからむちゃくちゃ久しぶりに、いきなりメッセージがとんできた。

「My First Digital Data展という展示をやるんだけど、初めて撮影したデジカメ写真を集めています。やまけんも参加しませんか?」

どんな展示かは、これをご覧あれ。

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1990年代から始まるデジタルカメラの出現は、カメラ付き携帯電話の登場とともに、写真の世界にパラダイムシフトを起こしました。 本展では約30名の出品者が「初めてのデジカメ」というテーマで、過去に撮影した写真を発掘し、出品します。初めてデジタルに遭遇した時の驚きや動揺、パーソナルな瞬間を切り取ったデジタル画像をNFT化して販売するという試みです。
販売方法は、2021年に藤幡正樹が「Brave New Commons」として実施した「参加者の総数で購入価格が下がるシステム」を発展的に導入いたします。この時には、初期設定で100万円の作品価格をつけた1980年代のマッキントッシュの画像データに、912人の参加者が集まり、最終的な購入価格が1,096円まで下がりました。 この度実施する「My First Digital Data」では、日本円に代わって仮想通貨「イーサ(ETH)」での販売が実施されます。
販売は「3331 ART FAIR 2022」(会期:2022年10月28日(金)プレビュー/29日(土)・30日(日) 一般会期)とWebサイトで同時にスタートし、2023年4月30日(日)まで継続実施します。販売終了後、初期設定価格を購入者数で割り算したものが、最終購入価格となります。
昨今の価格の高騰や現代美術との接続によって話題を集める「NFTアート」のムーブメントとは一線を画す、藤幡正樹による独創的なプロジェクトとなります。ぜひご参加ください。

≫プレスリリース My First Digital Data_PR_221015
≫Webサイト 「My First Digital Data」 http://mf22.3331.jp/
※10月25日公開、購入は10月28日から
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<出品作家>
伊藤穰一、エキソニモ、沖啓介、桂英史、久保田晃弘、小池一子、佐藤卓、辛酸なめ子、高嶺格、高山明、タナカカツキ、谷田一郎、都築響一、寺田克也、ときたま、中村政人、永原康史、萩原朔美、八谷和彦、藤幡正樹、古川日出男、松井茂、松本弦人、山本謙治 他
総勢30名を予定

<開催概要>
「My First Digital Data はじめてのデジタル」展
□会 期:2022年10月29日(土)12:00-20:00 ・ 30日(日)12:00-18:30
※入場受付は開場30分前より/最終入場は閉場30分前まで
※10月28日(金)15:00-20:00は招待者限定のプレビュー
□会 場:3331 Arts Chiyoda 1F 3331 Gallery
□主 催:「My First Digital Data」事務局、3331 Arts Chiyoda
□入場料:「3331 ART FAIR 2022」入場チケットが必要です
一般 2,500 円/シニア(65歳以上)2,000 円/学生(大学生・専門学生)1,000円
前売り(一般のみ)2,000円
≫前売り券はこちらから https://artsticker.page.link/3331af22_qr

□Webサイト: 「My First Digital Data」 http://mf22.3331.jp/
※10月25日公開、購入は10月28日から

<本プロジェクト「My First Digital Data」について>
「初めて撮ったデジタル写真」という問いは、すでに遠い銀河の向こうにかき消えてしまった。 あの「アナログ/デジタル論争」はどこへ行ってしまったのか、、。僕たちはどうやってアナログからデジタルへ移行したのか、その軌跡を辿り、メディアの変遷を追跡してみること、それがこの展示の趣旨である。そこにあるのは技術の進化ではなく、僕たちの経験である。

デジカメの変遷はセンサーとメモリーの改良の歴史だ。センサーは80年代にビデオ用途で先行していたが、最初の波は90年代中途に起こる。次々と新製品が発売になり猛烈な市場獲得争いに入ることになる。その後、2000年に入ってから「写メール」が爆発的に流行、さらにスマートフォンが市場に投入されると、2015年頃にはデジカメの役割が終わる。およそ20年間の激動であった。

デジカメの出現が視覚芸術史に及ぼした影響がいまだ計測されきっていない現在、この展覧会はその価値の転換開始地点として、いずれ見出されることになるだろう。今ここで起こっていることは、もう後戻りできない歴史的事件である。 ーー藤幡正樹
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藤幡正樹(本展キュレーション)
メディア・アーティスト。80年代はコンピュータ・グラフィックス、90年代はインタラクティブアートやネットワークをテーマにした作品を制作、その後GPSを使ったフィールドワーク・シリーズを展開。現在はARによるBeHereプロジェクトを継続中。1996年アルス・エレクトロニカ(リンツ、オーストリア)で日本人初のゴールデン・ニカ受賞。1989年から2015年まで、慶應義塾大学、東京藝術大学で教鞭を執る。現在、UCLA客員教授。
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<購入の流れ>
◉作品は、仮想通貨「イーサ(ETH)」にて販売します。
◉購入にあたっては、プロジェクト・ウェブサイト(https://mf22.3331.jp)において、MetaMask等の仮想通貨ウォレットとの接続が必要です。実際の購入では、作品価格+ガス代が引き落とされることになります。
◉本NFTの販売は「申込人数が増えると、購入価格が下がる」という「サブディビジョン」方式で販売しますので、購入者が増えれば増えるほど、一人あたりの購入価格は下がります。
◉販売は「3331 ART FAIR 2022」会場とWebサイトと同時にスタートし 、2023年4月30日(日)まで続きます。
◉最終購入価格は販売終了後に決定されます。2023年5月以降、購入時の支払い金額との差額は、プロジェクト・ウェブサイトから「クレーム」することで、各自のウォレットに取り戻すことができます。この時にもガス代がかかりますのでご注意ください。

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ということで、これ、なんと販売するんですよ。

でもさあ、初めて撮ったデジカメ写真ってもう発掘できないっす。僕が覚えているのは、それこそSFCの3年生の頃、アップル社が学生向けに、プロジェクト単位でMacなどのマシンを貸し出してくれる(ていうかもらった)プログラムに参加した時に供与されたQuickTake150っていうカメラ。アップル独自のファイル形式で、もうそのデータもおそらく、MOディスクかなんかに保存していると思うけど、MOドライブないし、もう読めないや。ちなみにそれに映っているのは、当時ぼくが保健室に意味もなく行って世間話をしていた綺麗な女性、それとちょっとの畑の写真である。あー、見返したくなってきた。

で、その辺を追いかけるのはやめて、このブログの初期の写真を使うことにした。このブログもカメラの変遷があるのだけれども、最初はカシオのEXILIM S1という単焦点の薄型カメラを使っていた。これはピントが固定焦点で、ちょっとでも寄ってしまうとピンボケになってしまう。しばらくそれを使っていたが、業を煮やしてキヤノンのIXY Digital Lを買ったのだ。このカメラは接写ができて、とても画質が佳かった!一台紛失して、もう一台買ったもんな。

その、IXYでマクロ撮影ができるようになって、「すげー!」と有頂天になって撮影した一連の写真を出展することにした。

下記サイトがそのデータが集まったWebサイトだ。そうそうたるメンバーである。その中で僕の食い倒れ写真だけがアートと無関係である(笑)

■My First Digital Data
https://mf22.3331.jp/

藤幡正樹キュレーション NFT企画「My First Digital Data はじめてのデジタル」 | 3331 ART FAIR 2022 特別企画展

会期中にNFTでの購入ができるようになるそうだ。買う人が多ければ多いほどやすくなっていくという、いままでにない仕組み、だそうだ。まあ、僕の作品に買う価値があるかどうかはわからないのだけれども(笑)。でも展示はとても面白い。さきほど会場をみてきたが、Webで観るのと違って、とても壮観だ。この週末、御徒町と秋葉原のちょうど間に、ぜひ足を運ばれたい。

ちなみに、、、

御徒町から来るなら、アトリエデリーでの食事もお薦めだ。今秋は牡蠣のビリヤニとアナゴのパコラ。

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整理券方式なので、御徒町からまずはアトリエデリーへ行って整理券をもらい、時間を指定。きっと一時間以上待ちになるだろうから、その間に展示を見ればいいという寸法だ!

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牡蠣のビリヤニに、濃厚な牡蠣のグレイヴィをかけるのがもう最高!

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今週末は御徒町へ!

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