やまけんの出張食い倒れ日記

Profoto A10と、便利な折りたたみソフトボックスOneTikシリーズ


昨年の交通事故を機に、「人は偶発的な事故でいつ死んでもおかしくないのだから、悔いの残らないように最高の環境を整えよう」と決意し、撮影時に使用しているフラッシュをGODOXからProfotoという北欧の優良なメーカーのものにしたという話しを以前書いた。モノブロックタイプはB10Xというものにしたのだが、クリップオンタイプのフラッシュもこの際ということでA10にした。

Profotoにしてよかったのかというと、まあまあ満足している。光の質ははっきりとよくなったし、一回TTL調光で撮影してからマニュアルモードに変更すると、TTLの結果で決まった光量でそのまま光ってくれるというのは楽だ。ただ、発光させるためのコマンダーがGODOXと比べ高価なくせにできることが少ないなど、正直言うと総合点的には微妙であって、それまで使っていたGODOXのままでもよかったかもね、と言う気もするわけだが、、、まあもう移行してしまったので、5年くらいはこの環境で行こうと思っている。

ところで、フラッシュの灯体はいいとして、その光を直接あてるわけではないので、フラッシュの光を拡散させるディフューザーをどうするのか問題は残る。多くの場合、折りたたみ傘方式の先駆者であるSDソフトボックスを使用するが、90×90cmは割りと大きいので、仕事以外の時は持ち歩きを躊躇する。そんな時に使っているのがこれだ。

OneTik(ワンテイクと読むらしい)というシリーズで、RimeLITEというブランドからでている製品だ。この製品の特徴は、同社のWebや動画をみてもらえればすぐにわかる。

そう、ワンタッチで開いて畳んでが出来るもので、なかなかに革新的。そしてプロフォトを使っている人ならあれっ?と思うだろう。実はこの製品があまりに便利だからか、プロフォトは自社ブランドでそっくりな製品を世に出したが、それはこのメーカーのOEMなのだ。

いま日本ではこの製品はもう販売されていない。それは、プロフォトブランドの製品しか出さない方針になったからのようだが、マークがプロフォトになっただけですっげー高い(笑)。ぼくはまだ銀一にこのONE TiK製品が残っている時に買ったので、いくぶん(かなり!)安価に買うことができた。料理撮影のメインライトとして使うには24インチ(直径60cm程度)は少し小さい。ただ、アクセントライトに使ったり、仕事でない撮影の時にはとても使い勝手がよく、運びやすい(リュックにギリ入る)ので使用頻度が高い状況だ。

使用シーンはこんな感じ。


NISSINデジタルのスーパーライトスタンドと組み合わせている。本筋ではないけど、このニッシンの超軽量スタンドが出てからと言うもの、本当に幸せ。カーボン製のスタンドはいろいろ中国製メーカーが追随しているけれども、組み立て精度やジョイント部の緩まなさなど、どうみてもこれ一択だと思う。

ところで上の写真と前の写真どちらにも、A10とスタンドを結ぶ赤いゴム紐が見えただろうが、これは必須! プロフォトのA10などクリップオンタイプの製品は、マグネットを介してアクセサリーを装着する。「かなり強力なので脱落しません」といわれることが多いのだが、ご覧のようにフラッシュを装着したスタンドを移動して、地面に置くなどの衝撃を与えると、高確率で落ちます。取材時に何度も落とした、、、ので、冒頭の写真をみると傷が付いてるのがわかると思う。中古で売れないじゃん、、、とガックリ。

というわけで、ゴム紐でスタンド部分と接続して、落下を防いでます。これはシンクタンクフォトの製品。便利!

上記は高知県の土佐あかうし産地ツアーの際に、スタジオ岡村さんが営む「はるのテラス」でランチをしながらベルガモット製品のプレゼンをしていただいたときのもの。

A10を発光せずに撮影するとこんな感じ。


外光が明るいため、店内の人達が暗く落ちている。そこで、先のONE TiKを漬けたA10を発光させると、、、



このように、人の目でみて自然な感じで撮ることができるわけだ。 多くの人が「その場の明かりでカメラのシャッターを押せば、人が見たままに写せる」と考えているのだけれども、残念ながらそうではない。カメラは人の目と比べると性能が段違いに低く、また人の視覚は脳内補正が入るので、「見たまま」を再現するのは難しい。カメラマンはこうやってフラッシュの光を足すことで「見たまま」を再現するのだ。なお、フラッシュなしの写真にくらべ、色が暖かく補正されて見えるが、これもフラッシュの光を足していることで、カメラで設定しているホワイトバランスがただしく表現されているからである。太陽光に近い特性で光ってくれているということで、A10ももちろんだが、このソフトボックスもなかなかよい光の素性だ。

なお、このA10+ソフトボックスで料理を撮ると、、、



このように、大皿三枚とかの集合写真でなければ、かなりいい感じに撮影できる。ちなみにセッティングは下の写真(公文ちゃんがOM-1で撮影してくれた)をご参照。


コツは上写真よりもっと直角のトップライトにして、もっと高さを下げて料理にググッと寄る。そうすることで環境光を遮ってフラッシュの光だけで撮影できるし、ディフューズ効果が上がるのだ。

ONE TikのWebを観ると、24インチ以上のサイズの製品もあるようなのだが、日本に直接輸入はされていない。しかも結構なお値段なのだが、90cmの製品にはかなり関心あり。これなら仕事でも使いたい。なんつってもワンタッチだから、本当に運用が楽なのだ。プロフォトマウント向けのもの、誰か輸入販売してくれないだろうか、、、



ということで、最近使っている撮影機材の話し、でした。