やまけんの出張食い倒れ日記

最高に清々しい環境に生まれ変わったはたやま夢楽「ジローのおうち」に泊まった! そして土佐ジローフルコースは一段も二段もおいしくなっていた!


このブログでは何度も採り上げてきた土佐ジロー。全国の地鶏品種のなかでも珍しい、たまごがよく食べられる地鶏である。土佐ジローはとても小さい鶏で、ブロイラー品種が50日で3~4キロに育つのに比べ、なんと120日育てて2キロにもならないという効率の悪い鶏でもある。そこから生まれるたまごもとても小さめで、市販の鶏卵のS玉よりちっちゃい。しかしその小ささと、黄身の味わいが強いこともあって人気を呼んでいるという興味深い存在なのである。


ちなみに、かの京都の南禅寺「瓢亭」でお料理をいただくと瓢亭玉子という名物料理が出てくるが、本店でいただくそれは土佐ジローのたまごである(本店と日比谷店のみ)。

しかし、たまごが人気の鶏であっても、もちろんお肉も生産される。というのも、たまごを産むのはメスだけだが、どうやってもメスだけでなくオスも生まれてしまう。そのオスを淘汰するのではなく、お肉にしてあげないと生命がもったいない。そんな思いから小松靖一さん・圭子さん夫妻が始めたのが土佐ジローのオスの肥育である。先にも述べたように、身体が小さいということは、採れる肉も少ない。それでも食鳥処理のコストなどはブロイラーと変わらず、いやもっと高くつくので、どうしても割高なお肉になってしまう。

しかし! その土佐ジローのお肉は、むちゃ旨い! これは、いろんな料理人さんに食べてもらって「ん!?これは他の鶏の肉と違う、、、」と言う反応を数々得てきての評価である。だから、はたやま夢楽(むら)の小松夫妻の育てる土佐ジローのお肉はコアなファンがついてきた。


そのお肉を食べられる場が、高知県の安芸市内を流れる川をずーーーーーっと上っていって「この道の先に、本当に人が住んでるんかいな!?」と不安になってからさらに30分後にようやく現れる「ジローのおうち」であった。それが、様々な事情から初代の地を退くことになり、クラファンなどを駆使して、新たに自分達が一から新生「ジローのおうち」を立ち上げた。ようやくそこへ泊まることができた!



なお、小松靖一さんはもともとは大工さんですからね。これを建てるときもきっとイニシアチブをとったのだろう。


この日はまだ寒かったので屋外でハンモックという感じではなかったけれども、春先や秋は最高なのではないだろうか!?

それにしても、以前もたいがい山の中だったけれども、より一層、山になりましたなんというか、マイナスイオン空間。都会で通奏低音のように聞こえてくる人工的な音が一切しません。

玄関をくぐると、ホールには土佐ジローの鳥スープ缶やアヒージョ缶詰め、レトルトの鶏スープ粥など、ジロー関連商品がズラリと並ぶ。いや、よくぞここまで一軒の養鶏生産者がつくってきたよなあ。


ちなみにここ、一泊二食付きのいわばオーベルジュ(?)形式が基本だけど、お昼ごはんをいただくだけというのも可能だ。ただし、完全予約制なので、くれぐれもいきなりいかないように! いきなり行って「食べるものがご用意できません」って場合、下まで降りるのにすげー時間かかります(笑)
詳細はちゃんと公式ページをご覧下さいませ。

■ジローのおうち公式ページ
https://tosajiro.com/stay


ま、昼ごはんだけ食べに行くのもいいけど、やっぱりここは泊まりが基本です。ちなみにお泊まりできるは二部屋、つまり一日に二組限定。


以前の「ジローのおうち」に来たことがある人なら「うわ、すげーコギレイになった!」と思うこと間違いなし。


ていうか、すばらしく綺麗な建物になりました。


宿について、すぐにお風呂に入らせてもらったんだけど、、、


この風呂がもう最高!

泡とか水流コントロールし放題、いい感じの照明で、マジで、温泉か!と思うくらいの気持ちよさ。カメラを中に持って入って撮ればよかったと思うほど、極楽な風呂体験、、、

きけば、風呂の設備メーカーから「ここをショールーム的にしたいので、ご注文のものよりハイグレードな風呂をつけます」と申し出があって、最高級グレードの設備になったとのこと!!!

詳しくはこちらをご覧あれ。

■ジローのおうちのお風呂
https://tosajiro.com/blog/n20230314-8316

さて風呂を満喫したら、、、


食堂にて「土佐ジロー尽くしコース」のはじまりだ!


炭火焼きコースと極みコースがあるが、初めて行く人はぜひ極みコースを。炭火焼きに加えて水炊きや雑炊までついてくる、全部入りコースです。腹パンになること間違いなし。いや、炭火焼きコースでもそうなんだけどね。


また、課題であったお酒もかなりかなりのグレードアップ。ビールは全国のクラフトビールの生を4種、シーズン替わりで飲めるように!


さてコースはボーンブロススープから始まり。


そして、土佐ジローの稀少部分である、トサカ、ササミ、そして白子(精巣)が!


もちろん、生で食べてはイケませんよ、しっかりこのように土佐ジローのスープでしゃぶしゃぶしていただきます。地鶏の白子の味わいを識らない人も多いだろうが、一度食べたら「えええっ、これはおいしい!」と漏らす人の多い部位なのです。


さあそして!


食べられる部分が全部位盛り込まれた地鶏炭火焼きの始まり。これは3人前です。


まずはお宿のスタッフが焼き手本を見せてくれる。「モモはこうやってください、ムネはこんくらいの時間で、内臓は、、、」と、ジローを焼き続けて何十年の靖一さんのガイドをお聴き下さい。


んで、途中からお客さん自身で焼くという楽しさが待ってます。



ジローのモモ肉、歯に心地よい弾力が伝わってくる。はたやま夢楽の自家製ユズ果汁をつけてたべるもよし、絶品の自家製柚子ごしょうも最高のマッチングだ。

われわれ、ここの柚子ごしょうが好きすぎて、瓶の半分くらいを使いきるの図。


 


なお、靖一さんと圭子さん、またはスタッフさんの誰が焼くかはその日の配置次第。みなエキスパートなのだが、それぞれで味わいが少しずつ違う!これが面白いんだけど、肉は焼き手によって大きく味を変える。それはもちろん善し悪しではなく、その日の出会いということです。お楽しみに。


いやもう 最高に旨い!

塩をして焼くだけなのに、なぜこんなにも旨いのだろう、、、


今回、初めての食べ方がこれ。


ジローのモモ肉を、ジローたまごにつけて味わう方法! このジローたまごはもちろん、小松夫妻が育てたジロー親鳥のたまごです。


もうおわかりですね、極楽の味です。


味の説明の要らない画というのは楽だ(笑)。すき焼きにたまごの愛称はだれにでもわかるだろうが、塩をして焼いた土佐ジロー肉はスッキリした旨みなので、たまご(の黄身)の油脂分がくどく感じない。お互いを挽き立て合う旨さがそこにある!

もうひとつ最高なのが、土佐ジローのアヒージョ!



アヒージョという料理が日本に根付いて久しいが、これはまさに地鶏肉に合う料理ですな。マッシュルームや貝類のアヒージョが具材として美味しいと思うけど、食感があるものが美味しいと言うことだ。ブロイラーでは出ないコシのある弾力が、地どり肉にはある。それがアヒージョの具材としてマッチする。



土佐ジロー肉の上品な味わいに上質のオイルとニンニクの香りがからみつくと、凶暴に旨くなる!

しかもそこにトサカや砂肝も投入。これまた食感の強い食材だけに、アヒージョとの相性抜群なのである。



「お好きな部位を入れて楽しんでください。炭火焼きを食べながらアヒージョも楽しむというのが好評ですよ。」

とのことで、肉の乗った大皿から、炭火焼きにするか、アヒージョにするかを悩んでしまう結果に。でも大丈夫、お肉の追加も可能です(笑)




たっぷりと炭火焼きとアヒージョを堪能したら、もう腹パンだけれども、〆にやっぱりこれをいただかないと。


もちろん、土佐ジロー肉をとじているたまごは土佐ジロー卵です。

ちなみに、鶏茶漬けもおいしい!


それでは飽き足らず、唐揚げも追加の図。


ちなみに食べてはわたくしやまけんと入交、萩原の三名です。40代と50代前半のオッサン三人でガッツリ食べきりました。なんかねえ、土佐ジロー肉はガンガン食べられちゃうんですよ。マジで。


ちなみにこの後、お庭で満腹の腹を伸ばしながら素晴らしい星空を満喫したのだけれども、三脚もってこなかったので手持ちでしか空を撮れませんでした。まあ、星系写真をやったことほとんどないのでゴメンナサイ。



そんで朝食の写真を撮り忘れたのだけど、なんとこの日、僕らは「昼飯もここで食べて行っちゃおうか」と、、、(笑)
通常、お昼もコース料理が基本なのだけれども、この日はたまたま予約が入っていなかったので、、、単品では普通頼めない土佐ジロー料理を!


もちろん、スープは土佐ジローの出汁である! とてもおいしい。


あと、これ旨かったなあ、けれどもメニュー名を失念。



特別に出してもらった土佐ジロー胸肉のチキンカツ。


シコシコした食感がすばらしくて、若鶏との違いがよくわかる!


「私たちのまかないでよく食べるんですけど、これのカツ丼もおいしいんですよ」と圭子ちゃん。いやそれ、オンメニューして下さいよ。

ということで、はたやま夢楽が装いを新たにしたジローのおうち、高知の自然のなかでおいしい地鶏肉を満喫できる、最高のオーベルジュとなっています。車必須だけども(安芸駅からタクシーで来るツワモノもいるらしいが)、ぜひ足を伸ばして下さいませ。