もう樋口直哉君が公開しているyoutube動画で観てくれた人もいるかもしれないが、、、
大学院での研究でアメリカ調査にいっていた、弊社スタッフのいっちーが、JUST Eggを土産に買ってきてくれたのだ。
※ボトルの左底部分がベコッってなっててゴメン。
JUST Eggは豆由来原料をベースにした、いわゆる代替卵。PETボトルに液卵状で入っている製品だ。
中国では販売されているのだが、日本では販売されていない。コロナ禍の最中に、アメリカでどんどん市場を拡大していたので、気になって入手を試みたのだが、日本では買えなかったのだ。
せっかくだから、料理研究家である小説家でもあり、農水省のスーパー広報部隊である松本純子の夫でもある樋口直哉君に「いっしょに食べくらべやろうよ。」と声をかけた。
JustEggの裏面をみると、水とムング豆タンパクとキャノーラ油、そして味わいを卵のようにするためだろうか、さまざまなものが入っている。
「乾燥オニオンにニンジン色素、ターメリックも入ってるのか。増粘剤にゲランガムを使ってますね。あとはトランスグルタミナーゼか。ナチュラルフレーバーってなんだろう?」といった感じで分析する樋口くん。そのうち、樋口作の代替卵製品ができるかも!?
そう、代替卵も代替肉も、あるていどの設備があれば作れないこともないんだよな、、、いま教えている新渡戸文化短期大学で、今度やってみようかな(笑)
さて今回、食べくらべ比較として、本物のたまご(山梨県の放牧卵)と、同じ代替卵製品として国内発売されているキューピーの「ほぼたま」をオムレツで食べくらべることにした。
JUST eggをボウルに出す。液卵そのものという感じである。色が淡いのはアメリカらしい。ていうか、日本のたまごの色が濃すぎるんです。みなさん、たまごの色は餌で色出ししているだけで、オレンジ色にするのは簡単なのですからね。「色の濃いたまごはいいたまご」っていうのはまったくもって違いますからね!
スプーンで少しこのまま味わうと、少し豆の粉っぽい風味もあるけれど、まろやかで卵のような風味を感じることが出来る。
さあこれを樋口くんがオムレツに巻いてくれます!
「おおっ 固まるのが早いなぁ、、、たまごとはやっぱり違うゾ!」と樋口くん。
「うーん、なんとか巻いたけど、これだと服部学園では『不合格!』って言われちゃいます」と。
そして、比較用のキューピー「ほぼたま」。
こちらも液卵状製品。豆乳加工製品をベースにしたものと製品ページに書いてあるが、じっさいには脱脂アーモンドパウダーが原料となっている。メチルセルロースが使われているので、加熱すると固まる性状があるのですな。
こちらも、さきのJUST eggよりフライパンにくっつきやすいものの、なんとかオムレツに巻いてもらう。
こちらの固まり方も本物のたまごとは少し違うものの、扱いやすさはあったようだ。
これに加えて、本物のたまごオムレツも。
三種そろいぶみ。ちなみに、三種とも軽く塩をひとつまみ加え、サラダ油で焼いただけだ。
そして、豆乳を少し加えてスクランブルエッグも三種作ってもらって、同時に食べくらべ。
スクランブルエッグは温度が重要なので、精密調理ができるIHヒーター「Repro」にて加熱。
さてJUST eggのオムレツを味わうと、多少は豆っぽい風味が香るものの、素材としての卵の味わいにかなり近い。
トロリとしたスクランブルエッグにしても、たまごっぽさがちゃんとあっておいしく食べられる。何より「卵のように固まる」ということは明らかで、その風味もかなりたまごを感じさせるものだった。
続いてほぼたま。じつはこれには「植物性たん白加水分解物加工品」が入っている。大豆などを塩酸で加水分解し、中和したもので、アミノ酸の固まり。うま味調味料的なはたらきをするものだ。なので、加熱しただけですでにだし巻き卵のような味がついている。また、JUSTeggよりとろみの強い食感がある。ただし、スクランブルエッグにした時には、なにやらポタージュが固まった感じの、やや卵とはかけ離れた食感のものとなってしまった。
これら代替卵二種を食べた後に放牧卵のオムレツを食べると、やはり「食べ慣れた本物の卵はおいしいなあ」という感想を抱く。ただ、それでは代替卵二種がまずいのかと言われると、決してまずくはなく、むしろおいしい。先に書いたように、食べくらべは塩ひとつまみで調味をほとんどしなかったので、ここに出汁や醤油などの調味料や違う素材を加えれば、代替卵と本物のたまごの差は縮まるだろう。ていうか、何も言わずに出したら「おいしい卵料理だね」と言われるかもしれない、と思えるできばえだった。
撮影係(?)のマツジュンももぐもぐ。
ということで、最期に「もう一回、JUSTeggでオムレツ巻いていいですか?さっきのだとちょっと悔しい、、、」ということで!
こんなかんじでーす!
まあしかしですね。
ムング豆をつかおうがアーモンドを使おうが、よしんば大豆をつかったとしても、日本国内で生産された植物性たんぱく質原料で製造した代替製品が出てこないと、サステナブルっていえるのかね、、、と思ってしまう。
現在、大豆を原料とした代替肉製品も、ほとんどが海外から輸入した脱脂加工大豆を原料としているんだよね。熊本のDAIZは国産大豆を原料としているけど、そうしたものが本筋なんじゃあないだろうか。
「やまけんさん、メシ、食べてきますよね? ヴィーガンボロネーゼ作ってあるんで」
えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
キノコ類を細かく刻んでミートソース状にしたボロネーゼ。かかっているのはチーズではなくアーモンドをグラインドしたもの!
うまいよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
樋口くんありがとね。また食材研究やりましょう。
マツジュンが撮影・編集してくれた動画、是非ご覧下さい。