やまけんの出張食い倒れ日記

あなたも土佐あかうしのオーナーに!? 四国カルストの放牧場で遊び、粗飼料を多給して育った土佐あかうしの共同オーナー制始めます。6人の料理人があかうしを料理して、こんな素晴らしい夜となった! その3


いつものごとく、間が空いちゃってスミマセン。テンション再上げして行きまーす。Kitchen g3の山口君(なお、Kitchen g3はバーガー&ビストロOcci(オクシ)にリニューアルしました)のハンバーガーで「うおおおっ」となったところに、まったく違う料理が来ます。それが、、、冒頭写真の!

■土佐あかうしのハツのアンティクーチョ!

である!

作り手は鈴木こうや君。渋谷を根城とするバーテンダーグループのSGグループのswrl(スワール)にてシェフとして腕を振るっていた料理人。あの米澤文雄門下生であります。いまは店を持っていないけれども、今回、期待のホープとして呼びました。


大量の玉ねぎを刻んで、サルサを造る鈴木君。

なんつっても、、、彼が手に持っているのは!


土佐あかうしのハツ!


新鮮ブリブリなやつであります。それを刺身で食べる、なんてことはいたしません。だってプロ料理人たちだもの。


絶妙な火入れを通じまして、ハツの旨さとプリンプリンな食感が最大限に発現したアンティクーチョが! で・き・ま・し・た~!


なお、アンティクーチョとはペルーの大人気料理で、牛ハツを串に刺して、各種スパイスで味付けして焼いたもの。これを鈴木君が、米澤門下生らしく、様々なスパイスの香りに満ちたものに再構築!


ごらんのとおり、ユズ果汁でマリネされたタマネギみじん切りのサルサに大量のクミンが混じっている。こいつが、あたたかなハツを異空間の味わいへと昇華する!
旨いぜ!

そして、今橋シェフがもう一品!

■土佐あかうしの牛タン焼き ローブ風


「いや、タンを切って焼いただけです、、、」と笑う今橋さん。


でもねえ、皮付き牛タンを綺麗に掃除して、火入れはすべてフライパン、フレンチシェフらしく、丁寧にアロゼして仕上げてくれた!




ちなみに僕も必ず自分の牛(短角や土佐あかうし)のタンは手に入れることにしているが、輸入牛タンとは全然違う味なんだよね、、、もしオーナーになったとしても、一頭を二分割で共同オーナーになる場合、これは争奪戦になるね(笑)

さて、鈴木こうや君がもう一皿! 今度はなんとベトナム料理!

■土佐あかうしモモ肉のバインミー



なーんかパンケーキの生地みたいなの焼いてるなーって思ってたら、これだった!


直売施設「土佐のさと」で買ってきたミントや香草類を駆使して、旨いなますも盛りつけてできたこのバインミー、実にサイコーである!



さあそして!


最初から最後まで背中で写り続けるこの男!



そう、瓢亭の高橋義弘君がいったいなにやってんだか、ぜんっぜんわからなかった!



その料理がいきなり登場!

 

■土佐あかうし肩ロースと野菜の炊き合わせ 柚子味噌添え


なんとなんとなんと!

僕が気楽にも事前に「義弘君は炊き合わせとかお願い~」とかしちゃったものだから、すさまじく手のかかる料理をしてくれてしまったのだ!

「肉と野菜の炊き合わせなんて、簡単じゃないの?」と思うだろうか。いやいやいや、あのですね、京都の日本料理の老舗中の老舗の手による料理ですよ。野菜はかぼちゃ、ねぎ、人参、ししとう、なす、谷さんのミョウガなどあるが、それらすべてを別々火入れして、味を含ませてます。それを最後に、炊き合わせてあるんだからね! むちゃくちゃ手がかかってる!


しかもですね、、、この炊き合わせするときの出汁が秀逸。

「これ、高知のトマトでとった出汁なんです。昆布は天然のものが気候変動によってとれにくくなってるでしょ。鰹節も、後継者不足の問題とかありますよね。日本料理がこれまで頼ってきたものがなくなってしまう可能性もある。そういうことを考えて、柔軟に出汁をとっていくことが求められると思うんですよね。トマトの出汁は、肉にも野菜にも合うんですよ」

という義弘君の言葉通り、何も言われなければ「優しくすっきりした味わいながら、うまみの芯のある出汁」として正体不明である。言われてみれば「とまとかぁ、、、」と、他の料理人がみな驚いた顔をする味わいだ。

最適な塩梅で出汁が煮含まれた野菜と、これまたピッカピカの火入れがなされた土佐あかうし肩ロース肉を一緒に頬張ると、なんとも笑ってしまうほどにおいしい世界が拡がる。


考えてみれば、瓢亭でいただく鯛のお造りには、造り醤油とともに特製のトマトウォーターを使ったトマト醤油が添えられることが多い。これも、彼のひとつの表現なのだ。しっかし、それはともかく、肉焼きの素晴らしさ、みてください。日本料理にも肉焼き技術が必須になってきていることを知って欲しい!


さてこの間、客席にはすばらしいドリンクが配られていた。その番頭をしていたのが代々木上原クインディの塩原弘太オーナーだ!


塩ッちゃんはサービスマンである。「僕は、料理ではなくドリンクのサーブで貢献したいと思います」と言っていたが、実に素晴らしい! ご覧下さいこの、フラワーアレンジメントのごとき素敵なグラスの中身を! 直売所「とさの里」で買っていたのはこの材料だったのか!


実は塩ッちゃんによれば、「以前、料理研究家の松田美智子先生が、花を買われてましたよね。それをみて、ああ素晴らしいなと思ってたんです。」とのこと。

そうそう、2021年度の産地ツアーで、松田先生が素敵なしつらえをしてくださったのだ。

■晴天の下、高らかに土佐あかうしの産地を巡るシェフツアー開催! このメンツが集まったこと、素晴らしくね!? 新たに生まれた横の繋がりへ、まずはあかうしに逢いに津野山畜産公社へ! - やまけんの出張食い倒れ日記
https://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2022/03/30419.html


そしてこれが塩ッちゃんスペシャルカクテル!


もち、高知県産の焼酎を割ってます。いやもうこれが最高! 乾杯の音が鳴り響きます。


そしてみんなで食事タイム! これだけの料理人が集って料理を造りあって、という機会をみることはなかなかできないでしょう!


でも、これで終わりじゃないのだ。

「高山くーん。あのむちゃくちゃ旨いカチョエペペ、作って!」

とお願いしていたので、、、極太2ミリ麺で、大量のカチョエペペを作ってくれた!



極太スパゲッティとオリーブオイル、パルミジャーノ・レッジャーノ、そしてむちゃくちゃな量をガリガリと挽いていた黒胡椒!

「それにちょっとだけ、ガーリックオイルを加えると旨いんですよ」とのこと! いや、マジで旨かった。高山君ありがとう!



このあと、片付けをして、本来は閉まっているはずのかもん亭へ。





いつまでも、話が尽きることはなかったのでした、、、ひとまずここまで!