非常に唐突に感じる人も多いだろうけど、、、僕の本業である農産物流通・ITコンサルタントとしての顔の方での、重要な仕事を発表させていただきたい。
いま、食の事件・事故が多々起きているが、その中でも最も原初的な素材である農産物の世界ではどんな種をまき、どんな肥料を投入し、そしてどんな農薬をどれくらいかけたのかということをきちんと記録することがマストになっている。これを「記帳」という。
この記帳のための仕組みはいろいろあるのだけど、最も一般的なのは「紙に書く」というものだ。専用のマークシートなどに書いたものを、OCRなどで読み込むというのが、現在日本で最も普及している仕組みだ。
そうしたシステムは、JAなどが構築し、生産者に紙の配布などをしている。けれども、個人農家や規模の小さい農業集団には、そこまでコストをかけることができず、導入が進んでいないのが現状だった。
で、、、
僕は農業情報という分野の研究・ビジネスをこれまでやってきた。学生時代から常に思っていたのは、「農業版のOfficeとも言えるようなソフトウェアを作りたいなぁ」ということだった。
その夢を、ようやく叶えることができた。
ここに、誰でも無料で使用できる農作業記帳ソフトウェア、「畑のあしあと for W-ZERO3」を公開する。
■公式ホームページ
http://www.yamaken.org/ashiato/index.html
どういう経緯で、どういうメンバーでこのソフトウェアを制作したのかは、上記Webで観てもらえればおわかりになると思う。
正直いうと、当初想定していた内容よりも超・オーバースペックになってしまった。果たして使いこなせる人はいるんだろうか。けれども、農林水産省が配布する農薬DBファイルを読み込ませれば、農薬情報は自動入力ができるなど、使いやすさをきちんと追ったものにはなっている。
で、これは実は、PCを母艦にして、ウィルコムのスマートフォンであるW-ZERO3を畑にもっていって記録するというシステムだ。ただし、W-ZERO3をPHS通信で使用する必要は、今のところ機能にもたせていない。つまり、情報端末としてW-ZERO3を買って、通話コースは解約してしまっても使える。端末としてのW-ZERO3は非常に安価だと思うので、ぜひ試して欲しい。型落ちのモデルでもOKだからね。
フリーソフトなので、あまり手厚いサポートは期待しないで欲しいのだけど、もし周りにこういうソフトに関心がある人がいたら、お薦めしてくださると嬉しいです。
最後になるが、この公式ホームページは、盟友の加賀谷が、Bind for Weblifeを駆使して作ってくれたものだ。ここに謹んで御礼申し上げたい。加賀谷、サンクスでした!
「じゃばら」という柑橘をご存じだろうか。和歌山県の北山村で発見され、栽培されている柑橘類で、同地では薬味として様々な料理に使われるものだ。10年ほど前、このじゃばらで村おこしが試みられ、かなり人気を呼んで現在に至る。僕も前前職の時代にこのじゃばらの名前は聞いていたけれども、実際に味わったのはごく最近のことだ。
東京農工大の客員教授をしている福井さんが、「ぜひ一緒に飯を食べたい。ついては門前仲町の匠にて寿司など食べませんか」というお誘いを打診してくれたのが2ヶ月ほど前。その席に彼はこのじゃばらの果汁を持ち込んでくれた。折しもシンコの季節。シンコにじゃばら果汁を軽く塗ったものを握って貰って堪能したのだ。
「このじゃばらを、もう少し違う商品に開発したいと思ってるんです。力を貸してください」というお話しをいただいたのだ。きけばこの北山村という地は、南紀白浜空港からさらに車で二時間半かかる、陸の孤島的な場所である。しかも和歌山・三重・奈良の三県が入り組んだ飛び地に存在する、不思議な場所なのである。
いや、、、本当に遠かった。それが実感だ。しかし、それだけに他所では味わえないものがいっぱいあったのだ!
実は南紀白浜空港には初めて降り立った。和歌山はよく行くけれども、こちらの方面は足を踏み入れたことが一度、しかも陸路でしかなかったのだ。
途中通ったこの川は、河原を掘ると温泉が出てくるというところ。道を歩くのは水着を着た男女で、河原に降りて掘って湯を出し、それに浸かっているのである。
「北山村の隣村に千枚田があるんですけど、観に行きますか?」
と言ってくださったので、ぜひぜひ、と思ったら、隣村でもたっぷり30分以上かかる場所なのであった(汗)
刈り取りはほぼ終了し、刈り干しもだいたい終了しているシーズンだった。
さて北山村に到着。村長さんにご挨拶。
実はここに至るまで、この旅路がいったいどういう仕事に帰結していくのか、ほとんど福井さんには教えて貰っていない。きっと、そういうスタイルなんだろうと思って、半ばそういうブラックボックス状態を楽しみながらここまで来たのである。
で、北山村が直面しているのは、キラーコンテンツである「じゃばら」の魅力を、もっとしっかりと外に向けて発信していくということに加えて、北山村ならではの文化を振興させていくために、刺激が必要だということだった。詳しくはまだここには書けないが、実に面白いプロジェクトを数本立てて、この山間地ど真ん中の北山村からいろんな文化を発信しようとしているのであった!
ま、それはいいや。とにかく「じゃばら」である。
村が管理する園地で、じゃばらが一面に植えられている。一部は転換中有機で、来年度には完全な有機農産物としてJAS認証を取得可能になるようだ。
これがじゃばらの花。実に可憐だ、、、
そして、じゃばらがたわわになっている光景は実に賑やかなものだった!
以下、じゃばらポートレート群である。
なんだか、不思議に非現実的な写りに見えるだろうが、これは明るい日中に、日光と逆方向からフラッシュを焚く、いわゆる日中シンクロという技術で撮影しているからだ。この日は非常に日差しが強かったので、f16で撮影している。さすがにオリンパスのレンズは優秀で、くっきりした画質を得ることができた。カメラボディはE-3。もっともっと評価されていいカメラだ。
中央の赤いのは、このじゃばらの花の蜂蜜を採っているところ。「じゃばら」ドリンクはすでに大人気を博しているのだけれども、これに地元産の蜂蜜を甘味料として使った飲料品を作ろうじゃないか、ということなのだ。素晴らしい!
町中(というより「村中」のほうがいいのか?)に戻り、このじゃばらを最初に発見・育種した人のご自宅に向かう。あいにくと留守だったのだけど、じゃばらの最初の樹が生えていた場所を見せていただく。
ここに、最初の樹が生えていた、という。ちなみに他県でも「じゃばら」を商品化しているところがあるようだが、どうも「あれ、品種がちょっと違っちゃってると思うんですよ、、、純粋なじゃばらではないと思う」というようなこともあるらしい。じゃばらはこの北山村で生まれた。とにかくそれは確かなことらしい。
それにしても、北山村は山の世界である。神社や滝、美しい川の景観に囲まれている。あまりに豊かすぎて、しばらくはどこにも動かないでもいいや、ここにずっと居たいと思ってしまうポイントが、そこかしこにあるのだ。
さあ、メシだ!
北山村のお母さん達が、地元の味を今日してくれる「かからの店」を訪れると、可愛いお母ちゃんが出迎えてくれたのである。
(つづく)
いよいよ来週、全国の納豆業者さんが集まる会合で講演をする。講演前の午前中は、全国60メーカーの納豆をずらりと並べて品評会をするという。全品を一粒ずつ食べて廻って評価するというこの恐ろしい企画に、僕ももちろん参加する(笑) もう納豆観るのもイヤになっちゃうらしい。
その会の方々が、毎月素晴らしい納豆を送ってきて下さる。今月は宮城県の川口納豆さんだ。
経木ではなく 、納豆の鮮度・品質が保持される特殊な紙を使っているらしい。しかも「村松博士製法」という特殊な製法だという。調べてみたら盛岡高等農林学校(現岩手大学農学部)で教鞭ととっておられた村松舜祐さんだという。納豆に関する様々な発見および開発を行った人らしい。なんと僕の大好きな納豆・豆腐メーカーである太子食品の先代社長もこの製法で始めたらしい、、、
そんな村松博士製法で醗酵したのがこれら納豆である。 
これがレギュラー製品。中国産大豆とのことだが、実はこれが非常にバランスのよい味だった。送ってきてくれた5ラインナップのなかで最も美味しいと思ったのがこのレギュラー品であった。
北海道産鈴丸大豆。しっかりした噛みごたえを残した 納豆だ。美味しいが、少しツンとした美人という印象。
カナダ産中粒大豆は、どちらかというと大味に感じた。やっぱ僕は通常のレギュラー品が最も醗酵も廻っており、美味しいと感じた。
納豆は、まず裏を返して、菌による醗酵が全体に廻っているかを観るべし。そして、何もつけず、かき混ぜたりせずに一口味わうべし。納豆は芸術品である。そう教えてくれたのは、大力納豆の坂詰さんである。これについてはまた書くこともあるだろう。
とにかく川口納豆、この紙の包みも含め、気に入りました。ご馳走様でした!
きれいなライムがぎっしりと詰まった箱が、和歌山の「サンライズみかんの会」の津田君から送られてきた。
レモンとは全く違う、爽やかで何となく奥ゆかしさのある風味を持つライム。国産品があるということを知らない人も多いだろう。国産品は当然、輸入品にくらべれば少し高い。けど、味にかんしていえば、全くもって段違いである。
柑橘類で最も重要なのは、適切な状態に熟していることではないかと思う。イタリアで食べて、あまりのみずみずしさ、甘さ、そして立ちのぼる香りに死ぬほどビックリしたタロッコオレンジは、輸入段階では湯に浸けて衛生上の問題を処理し、そこからまた一定期間を経て日本にやってくるので、日本で食べると信じられないほどにスカスカのマズイものになってしまう。
ライムについても同じだ。国産だと「農薬をかけてる回数が少なそう」とか「防かび剤を使ってなさそう」とかいう感想を持つ人が居るだろうが、そんなのより断然「味がいい」のである。大分のカボスもそうだが、出荷前まで樹上に置いてあるから、果汁にうま味が溜まる量が、輸入と比較すれば多いということなんじゃないかと思う。
我が家では、タイ料理でよくみかけるような切り方をして、全ての料理にシュッと絞っていただく。味噌汁に柑橘を搾るのは大分カボスで教わったけど、ライムでも旨い。
しばらくはライム漬けになりそうだ、と思ったら、今朝 事務所にカボスが届いていた(笑)
まだグリーンの柑橘を味わういい季節だ。
長野にもいよいよ稲刈りシーズンが到来しようとしている。東御(とうみ)市にある永井農場では9月25日頃から、主要三品種の稲刈りが始まるそうだ。
稲穂にぐぐっと寄ってみると、産毛がうぶうぶと生えているのがわかる。籾(もみ)は意外にしっかりした構造物なのである。
畦に綺麗な白い花が咲いている、、、どこかで見た花だと思ったら、これはニラだ。
「この辺じゃ、田んぼの周りにニラを植えてよく食べているんですよ。もう野生化しちゃってますけど、、、うちの親父もたまにニラを刈ってきて、味噌汁に入れたりしてます。」
とのこと。そうか、ニラを植えておくのか。ニラはユリ科植物の宿根草なので、植えておけばずっと自生してくれる。だんだん細く硬くなり野生化していくが、その方が香りがワイルドで旨かったりする。
今回の永井農場訪問は、雑誌「専門料理」の取材だ。11月号を楽しみにしていて欲しい。永井君の農場では、実に希少な米を栽培しているのである。
それにしても同い年の永井君とは初対面から気が合ってしまい、この数ヶ月の間にかなりの頻度で会っている。 これからの農業を支える実力を持った、でかくて優しくて頼もしいオトコなのである。
さて
東御市から最も近い地方都市は上田らしく、宿は上田駅前にとった。
「やまけんが地のもの、ローカルなものを食べたいっていうんで、僕らにとって本当に日常的なものを食べてもらおうと思って。」
といって夜のはじめに連れて行ってくれたのが、ここだ!
肉うどん「中村屋」。
「あのね、ここでいう”肉”っていうのは、馬肉なんですよ!」
おおっとそうか、そうなのか!
信州は、昭和の中頃くらいまでは馬に荷役をさせていた地方である。その農耕馬をつぶして食べる文化が当たり前のようにある、ということなのであった!
「もうね、この辺の人たちは本当に当たり前にここにきて肉うどんを食ってます。おれも米を配達するときに娘を連れてここで食べたり。ごくごく普通なんですよ。」
なるほど確かに店内も大衆食堂の造りで、格式張ったところは全くない。現場仕事系の作業服来た男達、ご老人夫婦、おばあちゃん、など本当にごく一般の人たちが、肉皿と呼ばれる馬肉の煮込みをつつき、肉うどんをすすっている。
「まずは肉皿!これがうどんにも載るんですけどね」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
なんとも頼もしいプレゼンテーション!これ一皿で相当楽しめそうである。
馬肉は大好きだ。繊維が柔らかく、ホックリあっさりしていて非常に旨い。複雑な旨味をまとった牛肉よりも、はるかに健全な味がすると思う。
「はい、じゃあお約束の馬刺しです」
ううむ 美しい。
熊本などで馬刺しを食べるときに、仕上げに穀物で肥育をかけたのでろう、びっしりとサシが入ったものを見かけることもあるけど、これくらいの程よいサシがいい。しかも馬肉の脂はさらっと溶けて実に美味しい。上田と熊本との違いは醤油。甘さのないたまり醤油みたいだ。これでいただくと実にすっきり。ショウガを乗せてもっとシャッキリ、ピンと背筋が伸びる。
「はぁ~い 肉うどんで~す」
といって運ばれてきたのがこいつだ!
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
旨そおおおおおおおおおおおおおう!
小ぶりな丼いっぱいに入ったゆで麺に、最近の讃岐うどんブームによって関東ではもはやあまり観られないような醤油色の、濃い汁が絡んでいる。そして容赦なくのせられた馬肉は、薄切りではなく「馬肉片」とでもいうべき存在感である!
ぐあっ やられたっ
俺の大好きなプレゼンテーションである!
写真を撮るのももどかしく、汁に麺をよぉくからめて啜り込む。
うんっ 甘辛い! 厳しい冬の季節を堪え忍ぶためのスタミナ食であることがわかる甘辛さである。上品な関西風の透明ダシでは絶対に出し得ない野太さ。この汁で白飯が食いたい!
馬肉の煮込みで染み出てきた、肉が濃縮された煮汁がこのうどんつゆにも使われているのだろう。馬肉片と葱、うどんを絡ませながら
ズバババッ ズビビブッ と一心不乱に麺を啜り込む。
「うまいなぁ、 うまいよぉ!」
と漏らしながら。
「僕らにとっては本当に普通の食べ物なんだけどね。やっぱり他の地域とは違うものがあるんだね。」
そう、この日本、どこに行ってもまだまだ食べたことがないものに出会うことができる。そういう意味では日本は広い。地方都市には判を押したようにファーストフードのチェーン店が建ち並ぶけど、まだまだ地方文化レジスタンスは健在である。
それにしてもこの店、価格も大衆店である。
気に入った!次回は昼間に、うどん大盛りとさくら丼(←謎)で攻めてみたい。
ごちそうさまでした、、、
「さてと、、、地のものが食べられるかどうかわかりませんが、気の利いた小料理屋とかがある繁華街があるので、ちょっと足を伸ばしてみましょう。」
どこもそうだけど、鉄道の駅の周辺には繁華街はないのである。ちょっと足を伸ばして上田の繁華街へ。いろいろ歩いてみる。洋食「ベンガル」のカレーに惹かれるが、あいにくもう閉店してしまっている。夜が早いなぁ。
「じゃあ、ほんとに小料理屋にいってみましょうか。」
と入ろうとしているのが、ちょっと敷居の高そうな店である。おいおい永井君いいのかよ。

迎えてくれたのはほんとに素敵な女将さん。 
「地のものねぇ、、、今日はあんまりそういうのがないんだけど、鮎せんべいと、バッテキでも食べてみる?」
バッテキ? 何ですかそれは、、、あああああ 馬のステーキね! 食べます食べます!
環境保全型農産物の基準で栽培された信州産の美山錦で醸された純米酒をいただきながら、美味しい酒肴をいただきました。
ぱりぱりの鮎の干物を骨まで食べられるように炙った鮎せんべい。小さな一枚で酒がグイグイと空いてしまいます。
刺身も美味しゅうございました。黄金アジ、コチ、赤イカ。
永井君と、カメラマンの大山君もニッコニコ。
だって女将のなおみ姉さん、実に知性溢れる方で、話しが面白い!
「はい、これがバッテキ。」
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
またまたナイスなプレゼンテーションである!
馬肉ステーキ、ホックリ柔らかくて落ち着いた味で、ソースと絡んでうまい!
牛肉の柔らかさはサシの脂が溶けることで得られるものだけど、馬肉は肉の筋繊維そのものが柔らかいのだろう。実に旨し。白飯喰いたし、、、
さてこの女将・なおみ姉との会話の中で、大盛り上がりになっちゃったことがある。
「今回はどういう取材だったの?」
「柴田書店っていう料理の本ばかり出しているところの取材なんですよ」
「あら、柴田さん?そうなの、、、 私、柴田さんの方々、何人か知ってるわ。」
ふううん
こういう話しになった時点では、まあ柴田書店の人がこの店にきて名刺交換したりとか、それくらいなんだろうなぁ と、たかをくくっていたのだが、、、
「●●さんっているでしょ?」
「ああああ それは僕が入社する前に「専門料理」の編集長だった方です!」(大山君)
「△△さんは?」
「あ、現社長です、、、」
え? すげぇ人たち知ってるのね、、、何で?
「うちの父がいろいろ仕事でご一緒してたのよ」
「え、なおみ姉のお父さんってどんな人?」(やまけん)
「あ、たしか中村屋っていうカレー屋さんの料理人さんですよね?」(永井君)
え?
中村屋って、、、
えええええええええええええええ 新宿の中村屋かぁ???????
「そうなのよ。今もまだ総料理長やってるのよね。」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
なんだそりゃぁあああああああああ!!!
目の前におわすのは、あのカレーの聖地の一つ、新宿中村屋の総料理長の娘さんであったのだ!
僕とカメラマン大山君は開いた口がふさがらない。大山君は柴田書店から出ているカレー本の撮影を全編手がけたこともある人で、自他共に認めるカレー好きである。そして僕はもちろん、新宿中村屋2Fのカレーが大好きなのである!
「あらそうなの。でもね、私は中村屋のカレー、食べるとおなかが痛くなっちゃうのよ。スパイスが強いのかしらね。そうそう、いいものがあるからあげるわ。」
といって奥から持ってきてくれたのがこれ!
えええ? 中村屋のレトルトカレーは最近よくみかけるけど、コールマンカレーのレトルトなんてあったっけ?
「これ、あまり流通してないものみたい。私は食べないから上げるわ。仲良く分けてね」
マジスカ!?
もう、どうなっちゃってるのって感じである。
「『専門料理』ってこの本ね。この号にうちの父が載ってるわ」
いまのしつらえと全然違う「専門料理」。なんと1996年である。もちろん大山君も入社前。いやーそれにしてもすごい。なおみ姉の口から出てくるのはアラン・シャペルや村上信夫さんだとかの逸話である。うーん どこにどんな人がいるのか、全くわからん。それにふと出会えるのが人生の楽しさというものだろう。
笑えたのは、ここまで僕らを連れてきてくれた永井君が
「で、中村屋のカレーって、旨いんですか?」
なーんてのたまったことだ。いいよいいよ、次回、連れてくよ!
なおみ姉、いい酒、いい料理、そしていい話をどうもありがとうございました!
また、来よう、、、
この後、〆のラーメン「こうや」。こってり塩ラーメンとスパイシーカレー(すっかりカレーが食いたくなってしまったのだ)にて〆ル。
こうして夜は更けていったのだった。
引き続き釧路にて。バーA Oneの相田クンの店でいい夜を過ごし、カクテル飲み過ぎでちょっとふらふらになりながら帰る。そういや僕のことを、酒飲みと思っているひとが居るようだが、実は僕は酒を飲むくらいなら、そのカロリー分ご飯を食べた方がいいと思ってしまうような人間だ。もちろん酒は好きなのだけど、究極論をいえば飯の方が好き。だから5杯もカクテルを飲むのはけっこう意外といえる感じなのであった。
帰り際、Aone店長に釧路の旨いラーメン屋はどこ?と訪ねると、いつも相田クンが行く店をおしえてくれた。
「この時間だと、釧路っぽいラーメンの店は閉まっちゃうんですよ。ここはこってり系です。」
以前も書いたが僕はそんなにラーメンは食べない。あまり高い頻度で「うめえ!」と思うラーメンに出会うこともない。けど、酒を飲むと無性にからだがグルタミン酸を求めるのもまた事実。
こってりしてそうでするすると飲めるスープ。中細麺も食べやすく、なかなかの仕上げになりました。ご馳走様。
さて翌日は相田クンが付き合ってくれて、釧路の観光市場的なところへ。
「勝手丼っていうのがあるので、やってみましょう。僕も初めてなんですよ」
勝手丼とは、まずご飯を買い求め、市場内の各店で旨そうなネタがあれば、それを乗せて貰ってどんどん自分ごのみの海鮮丼にするという趣向だ。
こんな感じで、場内のほとんどの店が刺身を盛りつけている。ただ、いいネタは安くないので、ウニとか鮭のケイジとかの切り身を乗せると、結局最終的には2000円とかになっちゃう感じだ。
味は、、、
まあ、ね。雰囲気を楽しむものだな。
ネタが旨くても、それをどう盛りつけて、どう食べるかで全然変わっちゃうんだよなぁ。
「これだったら、僕が取引してる、信頼できる魚屋さんにネタ頼んで、店で作った方がいいですね!」
そうだよね。
それにしても勝手丼、ちょっと不完全燃焼である。
「じゃあ、もう一軒、釧路といえばこれ!という店にご案内しますよ。僕はもう食べませんけど、、、」
と相田クンが連れて行ってくれたのが、ここ!
レストラン「泉屋」。釧路の学生なら誰もが食べたことがあるソウルフード、それがここにあるという。
その名は「スパカツ」。
スパゲティミートソースにドカンとトンカツが載っているものだそうだ。
実に大衆食堂的な、いい感じに渋い店内。僕は無謀にも「スパカツの大盛り!」と頼んでしまった。
しかし、、、運ばれてきたのは予想以上にドカンと盛り込まれたスパとカツであった。
で、でけぇ、、、それもカツがデカイ、、、
ちなみにジュワジュワジュワと鉄板にソースが弾けてものすごいことになっている。
そして、、、
こいつが実に美味いのダ!
イロモノ的に考えていたけれども、ミートソースがしっかりと「おかず味」になっていて、ガンガンと麺を食べ進めることができる。ただ、無茶苦茶に熱いので、食うのに時間がかかる、、、
通常このてのソースがカツにかかっている場合でも、トンカツをしっかり食べきるだけの濃い味のソースには余り出会えない。結果、卓上の中濃ソースをかけちゃうことが多かったのだけど、このスパカツのミートソースはなかなかに濃ゆくて、カツをきっちり食いきるだけの濃度を持っている!
しかし、、、勝手丼でご飯大盛りを頼んだのが今頃になって効いてきた。
久しぶりに半分以上残してしまった。
「持ち帰りできますか?」「はいどうぞ」
とパックをいただいて持ち帰る。東京で冷えたのを食べたけど、これがまたグー!
ちなみに、横でOLやサラリーマンが食べていた「泉屋スパ」なる、塩味系のがまた旨そうだった。ジャポネのロメスパ系である。うま味調味料たっぷりな感じだと推測するが、次回は是非これを食べたいと思ったのだった。
それにしても釧路は楽しかった。相田クン、また遊びに行かせてください!
相田君、という名前を覚えている方は2005年からこのブログを観てくれている人だろう。北海道は釧路にあるバー「A One(エーワン)」のオーナーバーテンダーであり、2005年に開催されたフレアーテンディング・カクテル・コンクールの日本代表である。フレアーテンディングというのは、トム・クルーズが映画「カクテル」でやっていた、アレである。その他詳細はぜひ過去ログをご覧いただきたい。
■2005年10月23日
世界バーテンダー協会 FCC部門出場者 相田君はどう戦ったか!
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2005/10/fcc_1.html
その相田クンは、現在もバーを営みつつも、レストランまで出店し、こちらもなかなかの盛況だという。その話は聴いていたが、なかなか僕が釧路に出かける機会がなく、現地訪問は先延ばしになっていた。ようやく足を釧路に伸ばせたのはこの6月である。帯広に仕事があった僕を、「それなら帯広まで迎えに行きますから!」と、二時間かけて車で来てくれたのである!
帯広から釧路までは車で約二時間の道のり。その間に、あの素晴らしきシシャモがとれる浦幌を通り、我が友・本城しんのすけの出身地である音別をも通り過ぎ、名前だけしか聞いたことの無かった白糠(しらぬか)を抜けていく。
「釧路は寒いですよぉ、まだストーブつけてる人も居るくらいですから!」
という相田クン、ちょっとふっくらしたかもしれないが(お互い様だけどネ)、全く変わることがない!
「まだ夜まで時間もありますし、釧路湿原でも観ていきましょう」
ということで、釧路の自然に対面することとなった。
釧路が初めてだから、釧路湿原も初めてなわけだが、実に素晴らしい!
まずは湿原が一望できる展望台まで、15分ほど歩くと、、、
こんな大パノラマが目の前に現れるのである!
「この辺に住んでると、こんなスゴイ自然がすぐ近くにあるから、東京に行ったときに本当に大変です。暑いし人は多いし、自然はないし、、、僕は3日居ると、ちょっとおかしくなりますね」
というのは本当だろうなぁ、と思った。何せスケールが違う。東京の環境が嘘のように涼しく爽快な風が吹くこの地に、ずっと居たいと思ってしまった。
「釧路はすごく経済的に落ち込んでいて、大変です。けどね、出て行く人も多いけど、この釧路が好きだって言って頑張って根づく人達もたくさんいるんです。僕の店なんか、ほとんどリピーターです。常連の人達に支えられています。だから、東京のバーに比べると圧倒的にアットホームな雰囲気だと思いますよ!」
というのは本当だった。まさにアットホームというのが当てはまる店作りを彼はしているのである。
さて、釧路のホテルにチェックインして、まずは去年に開業したレストラン「Berge A One」(ベルジュ エーワン)へ向かう。
店は、大きな川のほとりの、絶好のロケーションに建っていた。
■レストラン ベルジュ・エーワン
釧路市川上町2の2の12
0154・65・7788
ご覧の通り、横を流れる川を窓から眺める席が最もこの店のスイートスポットといえるだろう。デートで使う人も多いという。
そして常連客および飲み助は二階へ。バーカウンターがしつらえてある。
いやあ、いいお店じゃないの相田クン!
「いやー スタッフに恵まれたというのが大きいですよ」
という相田クン。一人では何もできないことを知っている彼は、スタッフ教育に非常に熱心なのだ。
確かに、一杯目のギネスを注いでくれた女性スタッフは、もうすぐチーズの勉強のため、店を離れるといっていたけれども、いい注ぎっぷりを見せてくれた。
よぉくみると四つ葉マークが見えるかな?
そうこうしている間に、カウンターが常連の皆さんで埋まり始める。
、、、すべて若い女性である。 いい店作ってるなぁ、相田クン。
「観てくださいヤマケンさん、メニューには載ってない刺身定食とか食べてるでしょ(笑) これがうちの店ならでは、なんです。」
ほんとだ!カルパッチョとかじゃなくて刺身定食だ! 俺もそれ食べたい、、、というわけにはいかん。ベルジュのお手並み拝見。
さてこの店のシェフは、相田クンの同級生である。このシェフの料理の専門分野を聴いて、あとでビックリすることになるのだが、、、ひとまず食べたいものをどかどかと頼んだ。
以下、僕の久しぶりの暴食記録。
■炙りサーモンのおろしマヨソース 
■ザンギ三種盛り
ざんぎ、といってわかる人は北海道出身。そう、鶏の唐揚げである。
何と言っても特徴的なのは黒ザンギ!イカスミを練り込んで辛く仕上げている。
■ラムの唐揚げ
揚げ物連続。北海道といえば羊だ。全国的に生ラムが流行だけど、北海道が本場。
一口サイズのラムを甘辛く揚げて、特製ソースにチャッとつけて食べるのが旨い!
■マーボー豆腐
ん?やたらと本格的な麻婆豆腐である!頼めば檄辛にもしてくれるというこの麻婆、四川風ではなく広東っぽい。
ここで種明かし、、、
実はこの店のシェフは中華料理出身なのである!
だからメニューには本格中華料理がかなり載っている。
■エビのマヨネーズソース
もちろんこんな料理もお手の物。
しかし一方で、イタリアンなパスタも楽々こなすのである!
■ナスのアラビアータ
もちろん、味もいい!
旨いので、パスタ連続オーダー。
ちなみに、こんなに食い進むことができるのは、出てくるのが異様に早いからだ。感覚的には、チェーン展開している居酒屋のスピードに匹敵するほどに早い。
「釧路の人はですねぇ、とにかく料理が出てくるのが早くないと怒るんですよ!コース料理だっていっても、最初から全部並んでないと怒るくらい(笑)」
ということだが、本当にダンダンダンと出てくる。こりゃ、本州出身の料理人はとまどうだろうなぁ。
■塩辛クリームパスタ
個人的に最も気に入ったパスタがこれ。旨いぜ、、、まねしてみようっと。
■オムレツカレー
もちろんカレーも缶詰ではなく、シェフが仕込んだもの。
オムレツは、どこかやっぱり天津飯的なふんわり感がある!
■サンラータン
ここまできたら中華もガンガン攻めたい!ということでサンラータンをハーフでオーダー。ちなみに全ての料理はハーフで注文できる。こんなに食えるのもそういうわけである。
そして〆はこれだ。
■チャーハン
言うことナシ、、、もうお腹がはち切れんばかりです。
とにかくオーダーから出てくるのが異様に早い!ぜひそれは体感していただきたい。それにも増して驚いたのは、、、ものすごく安いのである!
こんなにきっちりしているのに、500円とか600円とか、信じられないような価格帯である(ただし上の写真は2008年6月時点。今は改訂しているかもしれないので、御了承下さい)。
「いや、ヤマケンさん、これは釧路では高い方かも知れないんです。釧路では、だいたい呑んで食って4000円以上だと高いといわれてしまうんですよ。」
ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
そりゃあ、、、大変だぁ、、、
食べたもの全て、実に実に美味かった!この価格でいいのぉ?倍じゃないのか?と問いたくなるような内実であった。実にまったくものすごい話だ。東京で稼いで、釧路で飯を食うか!
こちらがシェフ(左)。掲載した全ての料理をなんと中華鍋で作っているという!右は日本料理を担当するスーシェフ。この二人のコンビで、実にインクレディブルなスピード&味が実現しているのであった! 実にお見事と言うほかない!
本当にこの店、素晴らしい。ただ、僕のような旅行者からすれば、もっと釧路っぽい料理を出してくれても佳いなぁ、と思った。
「うーん、そうなんですよねぇ、、、でも、毎日来ていただけるのはやっぱり地元のお客様なんですよ。そうなると、釧路っぽいものよりも今のメニューのようなものが喜ばれるというのが本当なんです、、、」
ああ、そうか!
僕のごとき旅行者が釧路を、ベルジュエーワンをたくさん訪れればいいが、日常的には地元の人達がこの店に集うのだ。それならば、もっと旅行者が増えればいい。そして、旅行者に対しては、地元の鮮魚や郷土食をラインナップした、別バージョンのメニューを出すというのも手だよね。
「ええ、そういうことであればできますね!」
ということなので、ぜひ釧路に行く人は、ベルジュエーワンに「予約をして」行くべし。旅行者で、だいたいの予算を言って地元の味を味わってみたいといって下さい。素晴らしい海産物や郷土色が並ぶに違いない。あ、でも忙しいときには対応できないと思うので、あくまで「お願い」レベルの話として受け取って欲しい。
さて、腹は死にそうに満腹である。でも本日のコースはまだ途上なのであった。
「じゃあ、バーA Oneの方に移動しましょうか」
ベルジュから歩くことたったの2分! 釧路の繁華街の小路に、もはや釧路では伝説のA Oneがひっそり建っている!
なんと「ほろ酔い通り」である!
この小さな小路の小さな店にて、世界大会に出場したバーテンダーが腕を磨いていたのである。
■バー 「A One」
http://www9.plala.or.jp/aone/
まずはこの店の一番人気という、生の果実のパルプをたっぷり残したカシスオレンジをいただく。
グラスの下から照明が照らされるようになっていて、幻想的な感覚。
なんとも格好いい店だ。外の「ほろ酔い通り」の風情との対比が実に佳い!
ちなみに、人材育成に力を入れる相田クンが、店長を任せている女性がまた実にシャッキリシャキシャキといい仕事をしてくれる。彼女のオリジナルカクテルは実に美味かった! 
さていよいよ本日のメインイベントである。
「相田君、フレアーテンディング、やってくれる?」
「もちろんです!」
フレアーは、カクテル1800円から対応してくれる。もちろんどんなカクテルでもできるワケじゃない。彼の持ちネタで対応できるボトルというのがあるのだ。なので、彼のお薦めでオーダーして欲しい。
久しぶりに観る彼のフレアー、やっぱり見事なものだった。技術のギリギリ限界までつきつめた世界大会の時よりは、ボトルの軌跡の高度が低かったりはする。けど、ほとんどミス無く演じきった彼には、やっぱり見かけからはみえない生真面目さと確実性を重んじるパーソナリティが伺えた。
言葉は要らないな、以下、彼のパフォーマンスの雰囲気を少しでも届けたい。
伝わっただろうか!?
、、、んなわけないわな。ぜひ、エーワンに足を運んでいただきたい!
最後に、派手なフレアーではなく、じっくりと彼のカクテルを呑みたくなって、マティーニを所望。
タンカレーとビーフイーターを半々に使う彼のマティーニの切れ味は、やっぱり鋭かった!
ちなみにこの時、すでに二次会まで呑んでいたであろう人達が店内に溢れ、大騒ぎをしていた。でも、店長が「すみません、他のお客様が居ますので、、、」と声をかけると、「あっ ゴメンナサイねぇ!」と僕に対しても謝ってくれた。
そんなの当然のことかも知れないけれども、なぜか東京では感じられない、人と人のあたりまえなコミュニケーションの暖かみを感じてしまった。釧路の空気は冷える。とても寒い。しかし人は温かいようだ。
最後のカクテルを飲んでいる時、常連客の女の子が「あっ家の鍵を無くした!どこに置いてきたんだろう!家には入れない、どうしよう、、、」という事態になる。店員全員が必死になって各所を探す。彼女が乗ったタクシー会社に電話で照会するだけじゃない。一月前に店に入り立ての女の子はタクシーに乗った場所から店までを歩いて探すように相田クンが指示するのを僕は観た。
数分後、タクシー会社から発見の連絡。よかったよかった、、、
平穏に戻る空気。
けど、そこには平穏な暖かい空気を創り出そうと努力する店の思いがあったと思う。
釧路を訪れる人は、ぜひこの二店を訪れて欲しい。そして、この記事では伝わらないであろう、暖かい空気を味わって欲しい。
先日、新宿伊勢丹のフェアで「ブリのあつめし」を親子で出しに来たブリ養殖家の村松さんが、明日のブロードキャスターに出演するという。あ、いま確認したら、村松さんがというよりは、彼が率いる「活き粋船団」という団体が、である。
■活き粋船団
http://www.ikiiki-saiki.jp/index.html
きっと放送内でいろいろあると思うけど、今年前半に週アスの連載むけに取材した際の写真を余り載せていたかったので、ここに披露。
明け方、ブリの養殖場に出航。
蒲江漁港は、内湾は非常に穏やかで、栄養が豊富なのか、たくさんの魚が生息する素晴らしい環境だ。
その湾を出たところに養殖用の生け簀がある。この中に5000匹のブリが養殖されている、、、と記憶しているけど、間違ってたらスミマセン。
一つ一つの生け簀は小さく見えるが、海の非常に深いところまで続いている。これもまたお金のかかる財産。
ブリの活け締めをしている人達。
生きているのをすぐに締めて、氷水のなかにザンザンと放り込んでいく。これを漁港ですぐさま大きさ別にわけて、氷詰めして出荷する体制をとっているのだ。
「最近は本当に原油高で燃料費があがり、餌代もあがり、本当に大変になってきたわい」とつぶやいているかのような村松さん。
そんな彼が「船団」でやっているのは、ブリを産地で加工し、価値を高めて販売することだ。しかも、通常は捨てられるアラや頭までも美味しく調理し、商品化している。
これが、特製のタレに漬けられ、あの「あつめし」になるのだ。
「船団」の頒布会員になると、こうしたブリなどの加工品が届く。非常に美味しいので、是非試して欲しいと思う。ちなみにこれら商品は、決して”安い”と思うような価格ではないと思う。けれどもこの価格こそが「漁師が食っていける価格」である。そのベンチマークとして受け取ってもらえればいいのではないだろうか。その代わり、味と安心性(安全性は当たり前なので)は、彼らの保証付きである。「養殖」はイヤだと思っている人に、ぜひ試してもらいたいものだ。
ちなみに、写真にある「がんこ漁師の熱めし」の、村松家バージョンをいただく。
これが熱めし。
これに、熱々の鰹だしを注ぐ。
ブリに熱がはいって半生になり、うま味が増して、もう最高である、、、思い出しただけでもよだれが、、、
ブロードキャスター、みたいけれども僕は明日から秋田県にいくのでみられない。ぜひ皆さんご覧下さいませ。
ちなみに、蒲江漁港の集落の人達が祀る神社でのお祭り風景。
漁師さん達は、出航する際、湾内からこのお社に拝礼して、湾を出て行くそうだ。神様だけではなく、我々消費の側も漁師を守っていかなければならない時期にさしかかっている。
日本の魚食文化は実は危機に瀕している。それが伝わる番組であることを祈りたい。
雑穀を使った食品が静かにブームになっている。しばらく前までは、輸入物の雑穀がほとんどだったが、最近は国内産地のものが使われている商品も出回り始めていて、活況を呈してきた。だいたい、「雑」などと書いているけれども、ヒエやアワ、キビなどは実にものすごいポテンシャルを秘めた穀物なのだ。時代がようやく追いついてきたといえるだろう。
そんな雑穀の世界で、岩手県北部は重要な位置を占める。他の地域と何が違うかと言えば、それは一言。
「昔、この辺ではコメがとれなかったから、雑穀食うしかなかった」
ということだ。温暖化でじゃんじゃんと産地が北上している今からは想像もできないが、日本全国で潤沢にコメが栽培できるようになったのはそれほど昔のことではないのだ。そんな岩手県北~青森の蝦夷文化圏では、とにかく必然的に雑穀を食べてきた歴史的蓄積がある。そこらの新興雑穀産地とは重みが違うのである。
そんな地域で、ひときわ大きな存在が高村英世さんだ。初めてお会いしたときには、いきなり40分くらい「雑穀と蝦夷とこの地方の食」についてレクチャーをいただいた。
「もうね、これを理解していただいてからでないと、私は取材を受けたくないんです」
と強い意志を持つ高村さん。その半世紀を伺うと、自然とこうべが垂れてしまう。その詳細は、これからのほぼ日刊イトイ新聞の連載で明らかになるだろう。なかなか充実した企画になっているので、僕も楽しみだ。
■ほぼ日刊イトイ新聞 「雑穀の人。」
http://www.1101.com/store/zakkoku/index.html
で、10月5,6日に岩手ツアーに参加する皆さんは、この高村さんの畑にお邪魔することになるのだ。10月にはすでに収穫シーズンになる(もう、終わってるかも)わけだが、雑穀の種を蒔いて、どのように生育してきているのかを追っておくことは重要だろう。
まず、これが種まき前の圃場だ。
二戸市内から山を少し登ったところ。一山の区画が高村さんの畑だ。高村さんのすごいところは、日本で最初に雑穀で有機JASの認証を取得していることである。それは、この環境が他からの農薬散布の流入の心配がほとんどないこともある。もちろん、雑穀はそれ自体が非常に肥料の要求率が低く、かつ病害虫にも強いという特性もあるのだが。
ヒエの種は極めて硬い殻に包まれている。だから、長期貯蔵にも耐えうるのだ。従ってこれを脱穀するのは骨が折れる。コメと同様の精米器では難しいらしい。
このヒエの種を、播種機を使ってコロコロと種まきしていく。
この時期は見渡す限り更地だった。これが6月初旬だった。
それが、2ヶ月後の8月初旬には、、、こんなになっているのである!
「どうですか!雑穀の力はすさまじいんですよ!」
という高村さん。ちなみにこれはアマランサスだ。
こちらはヒエ。もう高村さんの背丈くらいまで伸びている。ちなみに、乾燥したヒエの実はよく見たことがあるだろうが、まだグリーンの未熟状態のヒエを見たことがある人は少ないだろう。これがその自然の造型だ。
きれいにスパイラルを描いている。尖った実にもっと寄りで写した方が佳かったかな。
この高村さんのすごいところは、脱穀から選別・袋詰めまで徹底して自分でやっていることだ。
ピンセットを使って毎日遅くまで石などの混入物を取り除く作業を手で行っている。そのために、白内障になりかけているくらいだというから心配だ。そこまでしなくていいですよぉ~と言いたいところなのだが、それが高村さんの信念なのだから仕方がない、か、、、
ちなみにお隣にいらっしゃるのが奥様で、タカキビを使った「へっちょこだんご」の作り手として、地元でも有名な方だ。おしどり夫婦である。
こんな生産者さんが丹精こめた畑を観に行くのだ。皆様心してくださいませ。畑に遊びに行くんじゃなくて、あくまで「見せていただきにあがる」のだから、真摯に向き合いに行きましょうね。
ちなみに先ほど、応募者全員の抽選を終えた。78名のみなさん、後ほど連絡が行きますが、恨みっこ無しでお願いいたします。
うーむ 表題の件、告知後一日で40人以上の申し込みが来てしまいました。定員35名なのでもう抽選だ、、、
ということで、
すみません来週月曜日までではなくて、締切早めます。今週金曜日の11:59までとします。夜ではなくて昼の11:59です!お間違いないよう、、、
青森に向かう機内、なんともいえずエロティックな夕焼けが佳い。
翌日朝からの仕事なので前泊なのだけど、弘前は大好きな街だ。なんといってもあの美しき霊峰、岩木山があるのだから、、、高校卒業後、自転車で東北の祭りや郷土芸能を求めて廻っていた時がある。青森では津軽三味線の師匠さんのところに図々しくも居候させていただいた。その先生の鞄持ちをしているとき、先生が
「津軽三味線の心はね、岩木山の風景とは切り離せないんだ」
と言っていたのを思い出す。その岩木山では、毎年「お山参詣」という行事があって、太鼓と擂り鐘と篠笛で「登山囃子」を奏でながら岩木山に登る。下山時には「下山囃子」を奏でながら降りてくる。このお囃子が実に素晴らしいもので、3人一組での登山囃子コンテストなんてのがやってるくらいだった。和太鼓をやっていた僕は、夢中になって耳コピしたものだ。ドンドコドコドコドーンコドンドン、という感じ。
さて弘前市内に着くと、駅前がなんだか開けている感じ。でも、食料品売場でウインナーとかの試食で腹を満たしていたイトーヨーカドーとかはちゃんとまだある(笑)
「いい店、教えて貰ってきましたよ」
という連れが連絡したのは、居酒屋「土紋」。地方のイタリアンやフレンチのブームを創り出した凄腕ライターである井川直子さんが教えてくれたという。うーむそれなら絶対に旨いはずだ!
日本酒がずらずらと並んでいるが、実はこの店、地元弘前の酒造である三浦酒造の醸す「豊盃(ほうはい)」という酒を中心にラインナップしている。もちろん純米!これをかたっぱしから呑みつつ、青森ならではの酒肴をいただいた。
身欠きニシンの味噌漬け、ニシンの切り込み、ホヤの塩から。そして豊杯。
冷酒は苦手な僕だが、芳醇どっしりフルボディなこの酒は、冷やですっきり呑むのががちょうどいい。塩気の強い肴がグイグイと酒を進ませる。
それにしてもこの店、実にドカンと素晴らしい盛り方で肴をだしてくれる。長芋とんぶりを頼んだら、大きな鉢に一杯、長芋の線切りととんぶりを盛り込んでくれる。ちなみに長芋は青森の特産品である。帯広の長芋とはまた違う品種、違う味。
ホタテにタコの刺身。津軽といえばホタテである。
イカの一夜干し。肉厚、うま味たっぷりで佳し。酒、進ム。
名前忘れたけど、青森の銘柄豚。
脂サッパリ系の、餌と飼養管理にこだわった感のある豚バラ。
最高に旨かった漬物達。あまりに旨すぎてもう一皿追加。なんといってもダイコンで鮭の塩漬け切り身をはさみ、麹で漬けたのが最高。そう、北陸のかぶら寿司を想起させる漬物だ。
居酒屋チャーハン、にはたっぷりミズとナメコが入っている。お腹いっぱいです。
井川さんに教えて貰ったことを伝えると、「あらそうなんですか」と驚きながら、おかみさんの口からは知ってる編集者さんや食ライターさんの名前がボンボンでてくる。あーなんだ、やっぱみんな通ってるのね。納得しました。
ほんとに旨かった!今度は豊杯以外の酒にもチャレンジしたいのであった。
滋賀県は僕にとって、なじみがあるようで少ない地域だ。僕の母方の叔母一家が長浜、彦根に住んでいたので、子供の頃に数回足を運んだことがある。鱒の釣り堀にいったとき、従兄弟のお姉ちゃんの方にばかり魚がかかり、僕はビリでしかも小さいのしかかからなかったので泣いた。田舎に遊びに来ているにも関わらず教育パパだった叔父さんが目を光らせる勉強タイムがイヤで嫌でまた泣いた。子供の僕はよく泣いていたのだ。
先日、講演で東近江市に招かれた際、滋賀というか近江という地域は、こんなにも田圃の風景が美しいところだったか、と電車の中で身もだえしてしまったのだ。
米原からローカル線で八日市駅に向かう間、すぐさま電車を飛び降りて写真を撮りたい!という風景ばかりだった。とくに八日市駅に着く3分前くらいの風景、忘れられない。ああ、稲刈り前にもう一度行きたい、、、間に合わないな、こりゃ。
「まず先生に、この辺の蕎麦を食べて貰わないと行けないですわ」
と 、迎えに来てくださった方が永源寺蕎麦という、生産者さんがやっている蕎麦屋に連れて行ってくださる。
永源寺というのは東近江市にある重要な寺らしい。その周辺で蕎麦を栽培する生産者組合があり、組合で運営しているのがこの店だという。
なんとこの店、 一日に15回転以上する店で、蕎麦のシーズンにはもの凄い行列になるという。この日は実は定休日だったのに、僕が来るということであけてくれたという、、、マジ?
そりゃたくさん食べないと罰が当たる!ということでまずは天麩羅盛り蕎麦の大盛り。
うううううううううううううううううううううううううううううううううううううむ
実に美味い!
滋賀県の蕎麦って旨いのね!ビックリした。秋の新蕎麦を控えて、今頃の昨年度産の蕎麦粉は、最もコンディションが悪くへたってしまっているはず。でも、そんなのみじんにも感じさせないほどにすがすがしい香りがし、そしてハッキリわかるほどに甘い。つゆはもう少し辛汁でもいいかなぁと思うけど、近江スタイルなのだろう。これもまた佳し。
生産者が打つ店って結構あるけど、美味しいかどうかは本当に人による。けど、この店はすげーレベルが高い。リピーターが多いのも頷ける話だ。
思わず天麩羅そば大盛りを食いながら、「もう一つ大盛り!」と追加オーダー。するすると腹に入ってしまった。
いやーマジで旨かった。この店にはぜひ再訪したいものだ。もうひたすら盛り蕎麦を食い続けたい。
「先生、そうしましたら、デザートにジェラートを、、、」
と、またもや移動。
「いまから行くのが、酪農家の奥さんがやってる池田牧場というジェラート屋さんです。本当に苦労されていたんですが、いまや国道から店までずっと車の行列が続くような、、、」
ええええええええええええ
近江ってところは、山の中の店に行列ができちまうんだなぁ。素晴らしい!
さて国道からグワッと山を登っていったところに、なんとも癒される風情のお店が。
■池田牧場
http://www.ikeboku.com/
なんと人気店ゆえ、店は夕方には締めてしまう。ここでも閉店後なのに滑り込ませていただいてしまった。
この方が池田牧場の奥様。ほんっとに苦労して店をやってこられたらしい。
「ここ数年でようやく軌道に乗りました、、、」
軌道に乗るもなにも、やっぱりそれはまずジェラートが旨いからである。ご主人が育てたホルスタインの生乳を低温殺菌したものでジェラートを作る。さっぱりした軽い乳脂肪分、口溶けのよさ、そして口には嫌みが残らない美味しいジェラートだ。茶色はエスプレッソ。美味しいけれども、これはプレーンで食った方がいいな。
で、実はこの隣りに建っている香想庵という店舗では、鹿肉や川魚のコースを出していて、これまた大人気だそうだ。こっちにいきたかった、、、けど、ここも夕方早くに仕舞っちゃうのである。
「鹿肉なんて」と、当初は全然お客さんが入らなかったそうだ。地域番組などで取り上げられて火が付いたらしいが、全く勿体ない話だ。いま、全国で森林に餌がないのか、鹿や猪、熊が里に下りてきている。畑の作物を食い荒らすので、これは間引かなければならない。でも、間引いた獣は食べてあげないと、処理にも困ってしまう。ジビエなのだから食べるのが吉。そうじゃないとハンターも食えないしね。
ということで是非ここもまた再訪したいのであった。

池田さんご馳走様でした!
そうして東近江の役場ホールにて講演。会場の入り口には今まで僕が書いた著作や連載していた雑誌、農業新聞の掲載誌などがずらっと並んでいる。
「頑張って集めました!」
と言ってくれた中田さん。どうもありがとう。なんだか嬉しかったです。
今度は景観を撮影するためだけに行きたいなぁ、と心から思った近江出張であった。そういやこの辺は日野菜など、カブの在来種が多いところだしね。
必ずや再訪を!ご馳走様でした!