やまけんの出張食い倒れ日記

今年は攻めてる岩手県より、あたらしいリンゴブランド「冬恋」とどく。

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岩手県から、スペシャルなリンゴが届いた。「冬恋」というのだけれども、これは品種名ではない。品種名「はるか」で、岩手大学の先生によって選抜され、2002年に種苗登録されたものだ。

なぜ品種名で売らないのか。たしかに「はるか」はよくある名前で、柑橘でも同名のものがあり、また馬鈴薯(ジャガイモ)でも美味しい、ポテトサラダ適性の高い同名の品種がある。が、それが理由ではない。

岩手県内で現状244名の生産者たちが出荷する「はるか」は、もちろん岩手県産「はるか」で通常に販売される。しかしの中の極めつけに品質の高いものだけをより分けて「冬恋」として販売するのだ。

その基準は、まず糖度16度以上ということ。もちろん非破壊糖度センサーで計測する。次に蜜入り指数2.5以上。みついりしすうってなんだ?と思われるかも知れないが、おおむね2以上だと、蜜が多く入っていると考えてよいだろう。2.5以上というのは、どういう切り方をしても蜜がみえる、というくらいの数字と思えばよいとおもう。

このため、一本の樹になる実の数を極端に減らす。その減らし方はなんと人気品種「ふじ」の6割程度まで摘果してしまうという。そうまでしても冬恋と名乗れるのは全体の40%程度だそうだ。

二つの基準を担保するためにはセンサーを通す必要があるため、専用の選果ラインが動き出さなければ、正確に測って「はいこれが冬恋です」ということができない。その選果ラインが動き出すのが12月1日からだったのだが、じつは毎週土曜日のNHKラジオの僕の担当するコーナーでこのリンゴを紹介するため、11月後半に送ってもらう必要があった。

「選果ラインを通していないので、一個一個を手で測る糖度センサーで計測して送ります」

とイリーガルな方法で検査したものを送ってもらい、収録した。むろん、割ってみたらみつがビッシリ入っていた。

その甘さだが、本当にお菓子のように甘い。かつ、洋菓子のようななんともいえない香りがある。甘酸っぱいのではなく甘く薫り高い。それがこの冬恋の特徴だ。

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店頭での価格は1玉1000円程度になるらしい。それが高いか安いかは、食べた人にしかわからない。フルーツ専門店などでみかけたらぜひ一度食べてみて欲しい。もしくは、今週中にうちの事務所に顔出してくれたら、食べられるかもしれません。あと5玉ほどありますよ(笑)