やまけんの出張食い倒れ日記

激烈 クラテッロにノックアウトされた!

 結婚の前後、いろんなところからいただきものをしました。皆さんどうもありがとうございました。その中でも「最大」のブツをいただいたのが、無二路である。

「お祝いに、ちょっとデカイものを送りたいんですよ、、、」

と意味深に笑う大塚オーナー。うーむ重いってなんだろうなぁ、、、

と、届いてみて仰天した。 なんと生ハムの塊一本である! それもただの生ハムではない。ハモンイベリコなどの高級ハムと並び王者と称されるクラテッロである!

クラテッロは、豚の尻の肉(腿肉ではない)を塩や白ワインなどで漬け、豚の膀胱に包んで吊して熟成するという特殊な製法の生ハム(正確にはサラミ)だ。ポー川の近くで作られていて、作るのに手間がかかるし熟成の成功率も高くなく、高価で希少なものだ。

「お店でも使ったことはないんですけどねぇ、買えるみたいなんで送りました!」

ひええええ コレはビックリである。

僕としたことが執筆や仕事に追われていて、そのデカイ全景を撮るのを忘れてしまった!悔やまれる。4キロの肉塊はこんなにも質量があるのかという感じである。

さすがにこれを夫婦だけで食べるわけにはいかない。ということで、今週末の披露宴でお手伝いをしていただく方々をお招きしてパーティを開いたのであった。

クラテッロは膀胱に包まれているので、紐を切って膀胱を外した。お世辞にも膀胱部分はいい香りとは言えない。全部皮を剥くと手がネチネチになった。うーんマジで旨いのかなぁと心配になる。

表面近い部分はかなり水分が抜けて堅い状態。包丁で少し削いでみるが、サラミの堅いヤツという感じであまり美味しくない、、、 うーん これはどうしたものかと焦りながら少し熱めに包丁で削っていくと、中からピンクの肉断層が覗くようになった!


ここを削いで食べてみたら、、、

ぬおおおおおおおおおおおおおおおお
旨い!

凄まじく旨い!


こんなにネットリと肉の香りがする生ハムはなかなか出会えるもんではないだろう!びっくりした! 本当に素晴らしい熟成香である。感動してしまった、、、

生ハム(正確にはサラミ)って本当に不思議だ。究極的には塩漬けにした肉を吊すだけ。ただ、気候風土が全く違うので日本の高温多湿な環境では作りにくい。イタリアならではの文化だ。その深さにはびびってしまう。

半分近くまで切った断面がこれである。持っているのは、クラテッロ切り係になってもらった本城しんのすけ校長先生である。クラテッロ、切るのがすごく難しいのである。スライサーがないと本当の旨さは味わえないだろうなぁ、、、

色の濃い、水分脱水されたところは少し硬めで風味も乏しいが、とにかく中心部のネットリした部分の香りと味は言い表せない。最高である。この日以降、そのまま食べ、パスタに載せ、ホットサンドにし、来客に振る舞い、、、としているが、1ヶ月経つ今でもまだ食べきっていない。

僕も最高の友人にはこれを送ろうかな、と思った。
無二路の大塚オーナー&マダム、本当にどうもありがとうございました!ご馳走様でした!