やまけんの出張食い倒れ日記

今週土曜日、日本一高い牛丼を食べる会、始動!

自分でもあきれるけど、寝たら直った。仕事だ仕事!

さて
首都圏に7万7,000人の会員をもつ、食材の宅配グループ・大地を守る会が主催で、面白い企画が立ち上がっている。

「日本一高い牛丼」

という企画だ。

大地は、ずーっと前から岩手県の産地とともに短角牛の生産と流通に取り組んでいる。何回か書いているけど、短角牛は肥育期間の大半を放牧で育てることができる牛だ。代表的な産地である岩手県山形村では、肥育期間の後半に与える濃厚飼料さえも国産のものを与えている。肉質はサシがあまりはいらず、赤身中心、そして含有するうま味は黒毛和牛の数倍になるというものだ。
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前にも書いたが、黒毛和牛はコーンや大豆などの濃厚飼料を食べて育つが、それらは95%以上が輸入物だ。「和牛」とは言うけど、遺伝子と育つ場所が日本というだけではないか。そしてその最上品は、肉のほとんどが脂なのだ。それをマズイと言うつもりはないけど、対極にある肉を評価するモノサシが出来てしかるべきだろう。

で、しばらく前から短角牛がひそやかなブームである。味のわかってる料理店では短角の引き合いが強く、品薄状態だという。おりしも、子牛価格が空前の高値になっているので、短角の成牛価格も高くなっている。けど、それでも農家は中々儲からない(子牛を仕入れる際の価格が高い割に、精肉価格はそこまで高騰しないから、差し引きで損をする訳だ)。

そんな中、岩手県山形村の生産者数人が立ち上がって、面白い企画をしようじゃないかというのだ。

「やまけんさん、日本一高い牛丼って銘打って、短角でイベントをやりたいんですよ!」

と、山形村の若き肥育農家・カッキーから連絡があったのは数ヶ月前だ。カッキーは、ちょっとビックリするほどのいい男で、しばらく前のソトコトにも大きく写真が出ていたなぁ。

ということで、日本一高い牛丼を食べる会、だ。僕も土曜日13:30の回に参加する。アルキメーデのキーコ、井のなかの工藤ちゃんも一緒だ。もし関心のある人は、下記ページをよく読んで、どんぶりは各自持参で広尾の「山藤」に集まろう!

■大地を守る会 日本一高い牛丼
http://www.daichi.or.jp/pc/press/06112001.html

ちなみに、3000円の牛丼というと高いというイメージあるが、メニューを見てみたらコースになってるから、実は全然高くない!

■メニュー

・ メインに先立ち
神田長平さんの新潟産コシヒカリのおにぎり。薄塩で新米を楽しんで。


・ 岩手県山形村短角牛の牛丼
赤身のおいしさに定評がある貴重な短角牛使用。生産者は柿木敏由貴さん。米は神田長平さんの新潟産コシヒカリ。大地を守る会生産者の玉葱、調味料は1年以上醸造した国産丸大豆醤油と国産洗双糖使用。

・ 椀物 まめぶ
岩手県久慈市(旧山形村)郷土料理。くるみを地粉でくるんだ「まめぶ」。出汁には、松茸より貴重な国産天然しめじを使用。

・ サラダ 朝採れサラダ
大地を守る会生産者の東京有機クラブのスイスチャード、ルッコラなどを使用。農薬不使用。

・ お新香 東京有機クラブの阪本さんの白菜漬け柚子風味
白菜の白と柚子色、こんぶの深い緑が目に美しいお新香

・ 玉子 お好みで。THAT'S国産平飼卵
平飼でのびのびと、穀物の飼料は100%国産で育てた「THAT‘S国産平飼卵」使用。黄身の色が非常に珍しく、淡いレモン色になっています。

・ メニューよりお好きな飲み物1杯

すごいメニューだ!
例えば一緒に出てくる料理「まめぶ」はそれだけで1500円くらいはとれる料理なのだ。実は。
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根菜類と、山で獲れたホンシメジ(スーパーで売っているブナシメジとは天と地ほどに違う)で出汁をとり、そして中に入れる団子には、なんと黒砂糖とクルミが入っている!ちょっと他の地域にはない極上の味のする椀モノなのだ。正直、これを食べるためだけにきてもいいくらいだ。というのは、山藤でもホンシメジの干したものが山形村から届くことは少ないのだ。

また、平飼い卵の色にも注目だ。
最近の外食産業でやたらオレンジ色の濃い黄身の色をした卵がある。イメージ的に栄養価が高そうな感じがするだろうが、あれは飼料に色素の強い素材を入れることで簡単に実現するものだ。例えばパプリカ粉末など、オレンジ色の色素が含まれるものを投与すれば、黄身の色は簡単にコントロールできるのだ。そんなことをして意味があるのか? ここで食べられる平飼い卵は、そういう余分なものを排除し、国産資源のみで育てている卵だ。

ちょうど山藤で卵焼きを作ってもらったときの写真があるので載せてみよう。
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見た目は淡い黄色(レモン色)なのだが、味は驚くほどに濃い。それを味わって欲しい。

ということなので、3000円という価格は全く高くないゾ!

俺は土曜日、13;30の会に行きます。
短角牛を食べて、生産者と語らうことができる機会はそうない。ぜひオフ会並のイベントにして挙げたいと思う。ちなみにあと20人程度で〆切になると思うので、お申し込みはすぐ。