やまけんの出張食い倒れ日記

食いしん坊の会 at 神泉「アルキメーデ」


アスキー総編集長のF岡さん、デジタルハリウッドの櫻井先生、そして辻調理学校の小山先生と、何があっても誘いを断れない人たちが集う「食いしん坊の会」。実はこの会の趣旨は、

『美味しいものをダシにして交流会をやっていけば、いつか渡辺満里奈に会えるんじゃないか』

というもので、それが目的なので渡辺満里奈さんがなにかの間違いで参加してくれるようなことがあったら、終了解散ということなのであった。いやー オトナの集まりですな。末席に座らせていただけて光栄です。

前回は僕に店選びの役が廻ってきたので「井のなか」(ブログに書く余裕がなかったけど)。そしてなぜか今回も僕が選ぶことになったので、重の店「アルキメーデ」をセレクトした。アルキメーデ、10月と11月は「なぜか不調だった」らしいが、12月は連日満杯、この1月に入ってからもかなり予約が入っているという。よかったねぇ、軌道に乗って。

日本でイタリアンの有名店に勤めながらも、目的意識をもってイタリア南部のシチリア島に行き、3年間リストランテで修行を積んできたキーコこと重の個性が、最近になってこなれた感じで出せるようになってきていると思う。食材も、「野菜はほとんどが長島農園。たまにすごいの送ってくるんだよ~」と楽しそうだ。実際、前菜が野菜中心になり、実に充実してきている。いま、イタリアンでたっぷり腹一杯食べたい人にはここしかない!という感じの店だ。

お腹減った集団も続々到着。この会に来る、とくに女性陣は本当に食べ物に対する嗜好がとても強いというか素晴らしい! 店の紹介のしがいがある強力メンバーなのである。

さて前菜のトップは、懐かしいシチリア風の、デュラムセモリナ粉のパンにオイルと塩、チリ、オレガノを振ったものだ。

硬質なセモリナ粉のバリッとした食感となんともキレのいい独特の粉の香りが堪らない。
つづく前菜盛り合わせは、小さなグラタン皿に6種類盛り合わせで供されるのが最近のスタイルだ。

全部旨いけど、中でもカポナータが最高に旨い。他の店で食べるカポナータには、けっこう水分シャバシャバの野菜煮込みに堕しているのが多いけど、本当は茶色くなるまでしっかり揚げたナスにネットリとトマトやナッツが絡む、コッテリマッタリとした激旨料理なのである。それと、画面上列の左端にみえるハム状のもので茶色いフィリングを巻いたもの。これは鹿熊さんのところの豚肉をハム状(おそらく塩豚にして茹でたものだと思うが)のスライスで、トンナート(ツナ)のペーストを巻いたものだ。シチリアではよくこうやって、ツナをペーストにしたソースで豚肉を食べる。日本ではなかなか出ない発想だけど、これがまた妙にマッチして旨い。

トリッパの煮込みをジャガイモに載せて。

インボルティーニ(魚や肉で何かを巻いて揚げ焼きしたもの)の具はなんだっけ?忘れたけど旨かった!

イカのスミ煮。舌が真っ黒に染まるのをいとわず、女性陣はみなバクバク食べている。ブラボーである。

さあパスタだ!
今回は重が気合いをいれてくれて、定番のイワシとフェンネルのパスタがグレードアップしている。

黄金色に輝く麺、そう、生地にサフランをしこたま練込んだ手打ちのタリオリーニなのである!

金色に輝く草原のような、、、パスタだ!
いやしかし絶妙な歯ごたえ。手打ちパスタは食感がヤワヤワになりがちだが、しっかりと生地の水分量と練込み技術でいい歯ごたえを残していた。イワシパスタの名品といっていいだろう。

そしてこの店のスペシャリテといっていいだろう、ペスカトーレの登場である。

見事なまでに汁気の少ない、魚介の複雑な旨みが全て太めのリングィーネに吸い込まれた硬派なパスタだ。重の優れたところは、20人分を一気に出そうが、1人前を作ろうが、味がぶれないことだ。シチリアのホテル・ネッチューノという老舗ホテルの厨房で、100人単位のバンケットを日々経験していたからだろう。

そういえば一昨年に重といっしょにシチリアに行ったとき、この修業先のホテル・ネッチューノに顔を出した時、オーナーの老婦人が「キーコ!」と懐かしそうにキスをし「この子はすごかった」と、偶然居合わせた新聞記者に説明していたのを思い出してしまった。

女性陣も大喜びしてくれているようだ。
隣の木之下貴子アナ、男性並に食いまくってくれた!

ちなみに僕の左隣には、はなまるテレビの海保アナが座っていたのである。うーむ 両手に花とはまさにこのことだ。

他の席でもみな、ご満悦。

さて、肉だ!

この日のメインは、、、

「えーとね、羊とイベリコと、もうひとつ、たまには変わったもん食べさせた方がいいだろうと思って鳩(ハト)にしたよ。」

おおおおおおおおおおお
ハトである! しかも、ハトの肉グリルとともに、ハト肉のブロードを使ったリゾットも添えられている!

ハトのグリルは、肉の全てが超新鮮なレバーのような、程よい血の味がまわっており、濃厚で臭みも全くなく、旨い! 年末に強烈なパンチを食らってしまった感じだ。
ラムもイベリコも旨いけど、この日の衝撃はこのハト肉だった。

いやー満腹。参加者の皆さんもご満足いただけたようだ。
どうやら今月に発売される料理関係雑誌にこの店のパスタ4品が掲載されるらしい。
また予約が取りにくくなってしまうかも知れないが、この冬、獣肉をがつがつ食べたい向きは、その旨を伝えながら楽しんでみるといいだろう。

シチリア料理「アルキメーデ」
渋谷区神泉2-8小島ハイツ1階
03-5489-6850

キーコ、ご馳走さん。