やまけんの出張食い倒れ日記

TPPに対して、僕らは「TTP」で戦うことにした。 T(ちゃんと)T(たべもの)P(プロジェクト) 国産飼料で育てた平飼い卵のお話しからスタートです。

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ここのところ、「大地を守る会」のカタログやWebストア向けのコンテンツを書くということを、けっこうな頻度で仕事として請け負っている。大地を守る会とは古いつきあいだ。それにらでぃっしゅぼーやが上場して、生産者と消費者の方ではなく株主を向いた流通になってしまった現在、きちんと第一次産業と消費の仲立ちをできる流通団体としては、大地を守る会に肩入れするしかない。

もっとも大地を守る会も、何を考えているのか上場を目指すと宣言している。藤田会長が証券会社や社会起業家とか呼ばれる人達に吹き込まれたのだろうか、非常によくない傾向だ。大地の築き上げてきた流通は、市場原理という、自由だけれども社会に格差や歪みを生みだす世界とは違ったスタンスの流通であることに意義があるのに、その市場の中に入ってしまったら、スタンス自体を変えねばならないではないか。株式市場においては株主の意向が最高位にあるわけだから。

まあ、おそらくいろんな関門があるので上場は無理なんじゃないかと思うけど、出来るとしても絶対しない方がいい。したらもう俺もサヨナラだ。そんなん屁でもないだろうけど。 けど、いまはまだ上場してないから、この瞬間、俺は正面から大地を守る会を応援する。

で、、、

大地を守る会の広報にして後輩でもあるO女史から笑える企画が持ち込まれたのだ。

「あのですねヤマケンさん、TPPに対抗してTTPというプロジェクトをやろうと思うんですけど、取材記事を担当していただけませんか?」

んんんんんんんんんんんんんんんんんん? TPPじゃなくてTTP? はい、T(ちゃんと)T(たべもの)P(プロジェクト)を略してTTP(笑)

あまりにばかげてるがセンスいい、と思った。それに、大地を守る会で気になってる生産者さんやメーカーに正面から会いに行ける!ということで、一も二もなく引き受けた。

その第一弾が先頃公開された。

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http://www.daichi.or.jp/ttp/

コンテンツはいくつかあって、藤田会長が各界の著名人と語り合ったりいろいろな企画がこれからばんばん立ち上がっていくのだけれども、3番目の「Know」という「ちゃんと、たべもの、の秘密」という部分が、わたくしめが各地の生産者・メーカーを訪ねて取材したコンテンツとなる。

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いま公開中の第一弾は、That's国産平飼い卵の生産者である本田孝夫さんを訪ねた記事である。

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実はこの取材、2月中に終えていたもので、さあ原稿書くぞと言う時に3.11の震災があった。その関係でいままでずれ込んでいたのだが、ようやくアップだ。TPPの驚異はまだ全然去っていないので、こっちはこっちで戦うぜ、という感じだ。

やっぱり、経済がたべものを規定してはいけないのだ。我々がたべたいものがあって、それを実現するためにどのような経済や社会を築き上げていくかと考えねばならないのだ。

そんなことを訴えられるような記事を書いていこうと思うので、まあ読んでみて下さい。なお、記事の〆は美味しい卵かけご飯です。卵の黄身の色は、淡ければ淡いほど佳いと、僕は思う。

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ところでTTPのほうのコンテンツには登場しない写真なんだけど、地鶏のJAS規格よりも飼育密度の低い、広々とした鶏舎の中で撮影した写真が、ちょっとビックリするような「一条の光が差す」ものになっている。一瞬だったので撮っている時は気づかなかったのだけど、、、

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この光が、日本の第一次産業と食に差す光であることを祈る。