やまけんの出張食い倒れ日記

今年はいわて短角和牛の未来をあらためて考え直すメモリアルな年に! 岩泉~久慈~二戸の三大産地を一泊二日で廻る!

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9:52到着の新幹線「はやぶさ」で盛岡到着。岩手県が全国に誇る、赤身牛肉の雄・短角和牛の主産地を廻る旅のはじまりだ。2006年あたりから短角に出会った僕も、短角牛の母牛を所有することになって、深くコミットするようになった。そして霜降り肉一辺倒だった牛肉の世界で、赤身ブームが起き始めた数年前、赤身と言えば短角だという共通認識をシェフにもってもらうことができた。

しかし、10年てのは短いようでいろいろあるもので、いままた短角牛をめぐって様々な「状況」ができてしまっている。これだけ牛肉ブームなんだ、みな儲かってるだろうと思うのは素人です。いま、この高値の中で、肉牛農家はかなりあえいでいて、経営を辞める人達が増えているのだ。

それをなんとかしよう、やっぱり短角は岩手の宝ものなんだから、ということを再認識するためのプロジェクトを企画中だ。今回はそのとっかかりとして、主要産地の面々と情報交換という位置づけ。じつはそれ以外にもディープな理由があるのだが、それはいまは書けないのでまた今度。

さて、盛岡駅到着後、お出迎えの皆様が気をきかせてくれて「福田パンによりますか?」と言ってくれたのだが、店前にいくと残念ながら行列ができている。

「最近、休日は店の外まで並んでますよ、、、」

というから、破竹の勢いだ。ファンとして嬉しいが、入れないのはちょっとツライ、、、横目でみつつ、一路岩泉町へ。

 

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早坂高原に入ったところで見覚えのある景色に出会い、「ちょっと停めてもらえますか!?」。

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Nikon D800 + SIGMA 20mmf1.4

ここは、、、短角牛が食べるデントコーン・サイレージ用のトウモロコシを栽培する畑じゃないか! そう、このエントリの中頃に出てくる畑がそれだ。

■日本人が「食べて佳い和牛」プレミアム短角牛を食べるチャンスが二つ! 「美味サライ」で一頭丸買い通販の開催と、そして銀座・ベージュ東京にてプレミアム短角のスペシャル料理が期間限定でお目見えする!
https://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2009/05/1670.html

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なんと懐かしい、、、「よく覚えてますね」と言われたけど、この印象的な山並みがみえる風景、忘れられませんね。

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岩手はまだ気温が上がりきっていないので、今年のデントコーンの播種はまだ先だ。

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さてまずは昼食を兼ねて、宮古振興局から一時間半かけて来てくれた現場担当者さん達と会食。

場所は、、、

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そう、岩泉町の名パスタ&ベーカリーカフェ(?)、「ぶるっく」。さきのベージュ東京のジェロームシェフがやってきたときもここで、短角の肉を焼いたのでした。

まだ開店前なので外でぶらっとするけど、地元の人からすれば「普通の景色」であるこのまわりがすでに美しい!

 

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なんなんでしょうかこの萌出でるような春の兆しの光景。

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OLYMPUS E-M1 + 40-150mmf2.8

この岩泉の景色に魅せられて移り住む人が居るのもよくわかる、、、

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さて開店です。

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ママさんが「今日はね、1000円でっていわれてるから、自家製パン食べ放題と、パスタね」。

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二戸市産のハチミツをとろーりとかけたパン。

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そして自家製ブルーベリージャムをどこんと載せた全粒粉パン。

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たいへんに美味しゅうございます!

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しかも小鉢のサラダが、アスパラかと思いきや、、、

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アスパラでなくて、山菜の「うるい」だわ!

「そこで生やしてるのよ。あ、パスタはアスパラとベーコンのクリームだけど、アスパラもうちのだから」

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細っこいアスパラだからあまり味無いかな?とおもったら大違い! 穫りたて(収穫後1時間)だから味も香りも甘さも素晴らしい!

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えー いつものとおり私はもう逸品追加。干しエビのピリ辛。

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アッサリ目のオイルベースでこれも美味しいが、てっぺんに乗ってるトウガラシをガリッと囓ったらむちゃくちゃ辛い!

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「おかあさんこれここで育てたナンバン??」と尋ねたら「そうだよ!」と。いやー 岩手の山間部のトウガラシは辛いです。

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楽しく懇談しつつ短角の最新情報を仕入れ、生産者さんたちとの情報交換会へ。

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僕の短角牛第三子「草太郎」を育ててくれた畠山利勝さん。

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岩泉は肥育農家が7人だったのが、一人減って6人になってしまった。そして、今年からは肥育部門はもう一人減ってしまう。(繁殖経営に専念するということで、離農ではない)。いろんな課題があるのだが、やっっぱり一番は子牛価格の高騰で、肥育農家の収益が出ないことだ。

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ご覧の通りH25あたりから子牛価格はうなぎ登り。そうすると、子牛を仕入れて大きくして出荷する肥育農家は、仕入れコストがこれまでの約3倍になっていることになる。その分、売値も連動して高くなればいいのだが、そうはならない。これは岩泉だけではなくて、他地域もみな同じ状況にあえいでいるのだ。

もちろん、ただ指をくわえてみているわけではない。いろいろと施策を考え、今年から実行していく。

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岩泉と宮古振興局のみなさんに感謝。またすぐお会いしましょう!