いやー 今月の柴田書店はかなり飛ばしてる。
巻頭特集は、あの、エル・ブリなどで修行し、驚くようなペルー料理を日本に紹介した太田哲雄シェフが最近取り組んでいるアマゾンのカカオについての長編インタビューだ。フェアトレードも超えた、料理人レベルを超えたエシカル調達の物語である。必見。
そして、同じ出版社とは思えないほどに内容の違う「月刊食堂」。
読んでない人はわからないかも知れないが、「専門料理」はハイレベルのシェフ向け、「月刊食堂」は外食チェーン向けの誌面だ。ほんと、中身は違います。この月刊食堂の今月の特集が素晴らしく面白い。
「失敗と再起に学ぶ」とあるように、外食チェーンでいっとき栄華を誇り、そののち裏切りや失敗によって地獄を見た経営者達のインタビュー特集だ。なかでも、巻頭には「ちゃんと」グループ総帥だった岡田賢一郎さんのインタビュー。
しかもそこでは終わらない。岡田さんを慕う人達が、彼に思うこととエールまでフォローしている。
また岡田さん以外にも、「つぼ八」創業者の石井誠二さんなど、さまざまな「成功と挫折」を味わった人達のインタビューを集めている。よくこんな企画できたなぁ!
これは、外食チェーンのことにもあまり関心が無いと思っている人でも興味深く読める内容だ。ぜひ手に取っていただきたい。
ちなみにこの二誌に、僕は連載を書いてます。専門料理の方は、今回は映画「おくじら様」の監督である佐々木芽生さんのインタビュー。
くじら食については海外から糾弾され、日本人は「日本の食文化だから」と反発するという図式が繰りかえされてきている。でも、「文化だから」とうなるだけではまったく事態は改善しない。では、欧米社会にたいしてどのような態度をとるべきなのか。そうしたことにお答えいただいています。
月刊食堂の連載は、「熟成肉バイブル」が出たこともあるけど、ドライエイジドビーフの現況について。
ぜひこれらも楽しんで下さい。
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