やまけんの出張食い倒れ日記

スペイン・カタルーニャ州のピレネー山脈のふもとにオーガニック畜産を視察に行く。カタルーニャの人達は優しく温かく、そしてメシは旨いよこりゃ!!! その2

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さておよそ3時間の長い道のりを経て、カタルーニャのピレネー山脈の麓にひょっこり出てきた町についた。住宅地の密集する地帯からすこし離れたところ、工場などが連なる、けれどものんびりした周りの綺麗な地域に、La Pobla de Segurという屠畜施設がある。

 

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ここは交差汚染を避けるため、午前中にオーガニック畜産物を受け入れ、午後に一般的な豚や牛などをと畜するという流れをしている。

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説明をしてくれたエステルさん。事務方の責任者だそう。

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屠畜施設はどの国でも、中まで撮影させてはくれない。ので、写真は外からのこれくらいでご勘弁。

このと畜場の規模感、なんとなくわかるだろうけど、とても小さなもの。一日あたりの処理可能頭数は牛が6頭、豚は12頭、羊またはヤギであれば64頭とのこと。

EU共通のオーガニック基準で、家畜の生体を搬入した後、係留は12時間以内と決まっている。搬入時にはすでに生体が綺麗に洗浄されていなければならないというのがEU基準で、畜舎からの糞尿が着いている場合は受け入れられないそうだ。ちょっと日本と違うかな?

と畜の際、一頭に引き離されるとストレスに感じる家畜に関しては数頭ずつ移動させるなどアニマルウェルフェア的配慮がなされている。

すでに朝5時から屠畜が行われていたため、枝肉が3畜種かかっていたのを見せてもらったが、ヨーロッパは少しずつ日本のカット方法と違う。たとえば豚は半枝に割るのではなく、お腹側からアジの開きのように開いて、頭もつけたまま。スペインでは豚は頭など全てを食べるからだという。

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みんなで記念写真!

次は、このと畜場から歩いて5分かからない同地区に建てられた加工施設へ。

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あたりはこんな感じです。

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空気の澄み方がすごい!この辺に住んでる人が東京にきたらすぐに窒息しちゃいそうなくらいに澄み渡った冷たい綺麗な空気です。

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こちらが加工施設。手狭になったため、左側に増床する準備が進んでいる。つまりかなり上り調子ということだ。

加工会社の社長であるマークさん登場。

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なんかスペインっぽい男である!

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じつはこの時、オーガニックの肉牛農場にも行けるはずだったのだが、積雪が50センチ以上で入れないということに。ほんとうに残念!

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工場内は、ボールペンも異物混入のおそれになるので持ち込み禁止。その代わり、メモ用にあとで異物検出しやすいボールペンを貸してくれる。

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このブランドマークがここのオーガニック畜肉製品である!

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手前の大きな枝は雄牛。もちろんこちらでも月齢の長い雄牛はミンチ材にしかならないとのこと。

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安く売るためのブル(去勢をしないで、12ヶ月程度で300~400kg程度にして売ってしまう)かメス、どちらにしてもかなり若齢の牛をコストをかけずに、それほど熟成もせずにスーパー等向けに真空パックで販売するスタイルである。

メス牛のロース断面をみせてくれる。スペインも、フランスとあまり変わらず、赤身重視の品質基準。

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こちらはすこし脂が入っているだろう?とマークはいうが、日本から比べたらぜんぜん入ってません。この辺の目の違いをどう理解するかが、ヨーロッパ食肉事情との付き合い方で重要なところだ。

あたりまえだが枝には識別シールが添付される。

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こちらも枝肉断面。

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真っ赤です。これがヨーロッパ人にとってのよいお肉。ただ、その格付けに関しては、今後変わっていくかもしれないね、という含みもあった。

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枝から各パーツに解体する作業台。

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枝が搬入されます。

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はい、プロの仕事の始まり!

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ヨーロッパではロースのカブリを取っ払ってしまいます。

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これらの製品はEU圏内と香港に出荷されている。

さて、重要なポイントである価格。スペインやドイツともに、牛肉の場合はオーガニックと通常品で3割程度増しくらいで、それほど価格差が無いという。代わりに、豚肉は人気が高いため、通常品の3倍の価格であるという!

なんじゃそりゃー!!!

これも価値観の大きな違いである。

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さて、こちらは最終日を迎えました。これからミュンヘン市内に出ます。