Panasonic GF9 + 42.5mmf1.7
日比谷線広尾駅から歩いて1分という好立地にあった「山藤」が、通りを挟んだ向かい側に移転してもうあと3ヶ月で一年か。アラカルト主体からコース主体へと切り替わったけれども、この辺ではとてもリーズナブルに、そして質のよい素材をシンプルに火入れした、良質な和の味を楽しめる店であることは不変だ。
かつては大地を守る会の直営店だったが、その後、服部学園が運営している山藤。でも相変わらず大地の生産者の素材を多く使っている。それは有機だから安全安心ということではなく、美味しいから。実に納得感のある素材選びをしている店だ。
ある日ここで、オイシックスドット大地の藤田会長と、統合前からオイシックスにいた僕の大学の後輩でもある星君と呑み。
この日は個室だったので、中国製のLEDライトを光源に持って行く。
「ほう、それは撮影用？やまけんはそうやって、この店や大地を応援してくれているからなあ。」
と藤田会長。
以前も書いたと思うけど、会長とは、僕が大学二年生の頃からのお付き合いだ。その辺のことはこのエントリをごらんあれ。
会長の対面には、星君。会長とちゃんとお話しするのはじめてということで、会長の著書「大根一本からの革命」を前日に読んできたという真面目さがいいよね（笑）
この日も「会長、そんな人生を送ってきたのですか！」という驚きの連続だったようです。いいねぇ、オイシックスドット大地は多様性をはらんできましたね。
端境期も終わり、関東の産地から美味しい野菜が届くようになってきた。小平市の川里さんのトマト。ピンク系品種の柔らかでデリケートなお味、美味しゅうございます。
藤田会長は僕の親父と言っても不思議でない世代なのに、僕などより断然に柔軟な思考の持ち主で驚く。いつも僕の言説に
「やまけん、それは覇権的な思考の物言いだぞ」
「お前までそんな狭量な考え方をするのか」
と言われる。そのたびに反論できず「うっ」となってしまう。僕をよく識っている人なら僕の頑なな一面も識っているだろう。そんな僕が「自分をあらためよう」と耳を傾ける数少ない一人がこの人なのです。まあ、逆らえませんわ。
焼き茄子とジュンサイの椀、茄子のあまい汁が出汁に溶け出して乙な味です。ジュンサイもやっぱり温めて食べるのが美味しいよね。
今回初投入の中国製LEDはホワイトバランスを合わせるのがとても難しい。色味が違うけどお許しを。十分大きいので光が回るのはよいのだけれども。
お造りは三陸のホタテとヒラメ。さっくりしたホタテの身がよいです。
そして焼き魚は、待ってましたの久慈市山形町産のヤマメ。
新井谷のおじちゃんが獲ってくれた絶品です。何が絶品て、山形町の川の水質が綺麗だから、身肉の香りに透明感がある。うまく骨を除いて食べてもいいけど、僕は頭から骨ごと丸かじりで全て食べます。
胡瓜酢との塩梅もよし。も少ししたらアユかな。
これまた三陸産の煮穴子が美味しい。
星君は日本酒を料理に合わせて頼んでいた。僕はあまり呑まないようにしているが一口だけ分けて貰っていた。この日の酒で一番すきなのはこれ。なぜかやっぱり協会7号で醸した酒が好きなんだよね。
賀茂ナスの田楽、これも小平市の川里さんのところだという。東京でつくった賀茂ナスだが、これが驚くほどにトロリと美しい身質で、味わいも濃くて美味しい。田楽味噌にチョンとのせた和辛子がきいてまた素敵。
仕上げはいつも安定の、カッキーこと柿木君の短角牛。添えてあるメークインのフライがまた美味しかった。ここまで撮ってカメラのバッテリーが切れて、土鍋ご飯は撮れませんでしたゴメン。
オイシックスドット大地がもうすぐらでぃっしゅぼーやと一緒になって「オイシックス・ラ・大地」となるけれども、多様性を呑み込んでどんな風になっていくのか。
楽しみにしてます。いつまでも第一線にいてください藤田さん。
