あの世界最高峰の品質を誇る胡椒「クラタペッパー」の倉田さんを囲む会、倉田さんの壮絶な人生の闘いと愛情にノックアウトでしたねぇ!

2018年6月30日 from 食材,首都圏

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胡椒はれっきとしたスパイスである。肉の嫌な風味を消し、味を変化させるものだ。だから、肉の食べ比べを行う場合には、僕はかならず料理人さんに「胡椒は振らないで下さい」とお願いをする。肉そのものの味を識るべきときに胡椒を使ってしまうとまずいからですね。

けれどもそれはあくまでテイスティングの時。料理をするときは胡椒を活かしていただきます。その胡椒の世界で近年、カンボジア産の「クラタペッパー」が有名になっているのをご存じだろうか。

その名の通り倉田さんという日本人がカンボジアで持続的な産業を作ろうと決意し、もともとは世界最高品質といわれた胡椒の生産に取り組む。だが、ポルポト政権に起因する内戦で苦しめられたカンボジアでは、胡椒生産は衰退し産地ブランドは消失していた。そこから並ならぬ苦闘の末にブランドを確立し、いまクラタペッパーはまごうことなき最高品質の胡椒として流通している。

実を言うと僕の会社の経理を担当してくれているH女史は、クラタペッパーの普及に一役買っている料理研究家の先生から定期的にクラタペッパーを購入しており、その関係で僕も何度も買ってきた。胡椒の成分で有名なのはピリッと辛みが来るピペリンだが、辛いだけではなく風味や味わいがきちんとある胡椒で、たしかにこれを振ってしまえば、腐りかけのよろしくない肉も食べられてしまうかもしれないと思うできだ。

そのクラタペッパーを日本で取り扱う法人に、お世話になっている吉祥寺イノサンクの木村先生がお手伝いすることとなったということで、倉田さんを囲む会に出席させていただいたのである。

そして僕は、世界最高の胡椒と、それを挽くための道具を手に入れたのである。

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場所は広尾「LA BISBOCCIA」(ビスボッチャ)。広尾でメシを食った後、五反田の家までぷらぷら歩いて帰る途中になんども「すっごいかっちょいい店だなあ」と思いながら横を通っていた。中に入ったら、実に大店(おおだな)で、イタリアっぽい空気充満!

囲む会は大入り満員、別室を埋め尽くしていた。

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倉田さん、エネルギッシュこのうえありません。それと、人の名前をハッキリと覚えている方だった。だって、初対面なのに「やまけんさん、クラタペッパーのことをブログに書いていただいているのをみました!」と。

ええっ書いたことあったっけ!?

と思って自分のブログを「クラタ」で検索したら、あったあった!

やまけんの出張食い倒れ日記:ブラックペッパーチキンカレーを作って、あらためて黒胡椒というスパイスの個性を識る。無自覚・無意識に「塩、コショウ」をするなかれ!

この一文で僕を覚えているなんてすごすぎる!そのあと、彼の元を訪れる人達に「あーー●●さん!●年前にあそこで会いましたね!」というふうに、よどみなく話している。おれなんか全然人の顔と名前が一致しないのに、、、素晴らしいです。

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この日の料理はすべてに胡椒がフィーチャーされていた。

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というのも、会場のラ・ビスボッチャのオーナーさんと、若き井上料理長によればイタリア料理に胡椒は欠かせない重要な要素であるとのこと。

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もともと胡椒は王侯貴族の食べ物。料理の味を決めると言っても過言ではない、と。

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井上料理長もクラタペッパーでなければでない味があると感じたそうだ。

じつは倉田さんも井上料理長も三重県出身。と言うことでこの日の食材は三重県産が多かった。太刀魚のカルパッチョも胡椒がたっぷり挽かれているが、それで太刀魚の個性を損なうことはない。むしろ繊細な身肉の味わいと豊富な脂が引き締められてよい。

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桑名から取り寄せたというハマグリのズッパも、胡椒がたっぷり。

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ハマグリのパワフルなうまみに胡椒の辛みと香りが入ることで、異次元の美味しさが口内に創出される。美味しい。ラ・ビスボッチャの料理は実にシンプルで王道で素直な味わい。それゆえ深みをかんじる。

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カラマリと野菜のフリットに、何気なく添えられているのは、生胡椒のフリット!

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これは素晴らしいね。ちなみにクラタペッパーの生胡椒の輸入は、冷凍でが始まっている。ただし、業務店がメインだ。というのもロットを大きく捌かなければならないので、コンシューマパックを作るのがなかなか難しいらしい。

「世界で生の、房になったままの胡椒を野菜として食べる文化はカンボジアと、それに隣接している国々しかないと思います。これが本当に美味しい。もっと気軽に食べられるようにしたいと願っています」とのこと。ほんと、生胡椒は最高だよね!ぜひもっと気軽に買えるような仕組みを構築していただきたい!

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パスタは2.3mmくらいある極太のスパゲットーニ。どこのメーカーの麺だろう?とても風味があって美味しかった。カチョエペペのぺぺとは、トウガラシではなく胡椒のことだそうだ、道理で!

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メインは牛肉のヒレステーキにペッパーをたっぷり。ちなみにラ・ビスボッチャではキアニナ牛を扱っているので、ビステッカを焼いてもらうことも可能だ。

僕にとってフィレはどちらかというと魅力を感じない部位なのだが、クラタペッパーと合わせると刺激があるのでしたが退屈しない。イケますね!

倉田さんのカンボジアでの死闘は、いろんなインタビュー記事がネット上にあるので、ぜひ検索して読んでみて下さい。倉田さんご本人を前にすると、何度も色んな意味で人生の死線をくぐり抜けてきた人特有のエネルギーを感じます。

そして、胡椒という実にベーシックなスパイスに秘められた、産地間での違いをまざまざと見せつけられてしまいます。クラタペッパー、すごい品質です。

おっとここでサプライズ。

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なんとこの日は倉田さんのご妻君のお誕生日!

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いいシーンでした。クラタペッパーのあのシンプルで素朴に見えていい感じのイラストやロゴは、彼女の手によるものなのである。

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感心したことに、ドルチェはイタリアの味!って言うほど識ってるわけじゃないけどさ、すっげー甘いの!日本の「これ、甘すぎなくて美味しい~」といういまどきのよくわからないスイーツ判断基準をぶっ飛ばすズドーンとくる甘さ!これこれ、これですよ。実に美味しい! 頼むからカッサータ作ってくれ!

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サービスの要であるイタリアはマルケ出身のヴェスペリーニ・ヴェリア。ケ、ヴェッラ!

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会の終了後、クラタペッパーの販売も行われたのだけれども、まだまだ家にストックがあったので今回は、、、と思っていたら、是非とも買いたいものがあった!

それは、、、

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倉田さんが腰につけたホルスター状の皮ベルトに包まれた、ペッパーミル!これを取り出しては、参加者の皿に「はいっ」とカリカリ挽いて胡椒を振っていたのである。 それってやっぱりプジョー製のミルですか?と尋ねると、「違います!日本製です!」と。

面白いことに、カンボジアのペッパーは現行のプジョー製ミルでは、味が最大限に引き出されないそうだ。というのも、カンボジアでしっかり生産する場合、他産地よりも熟すのに時間がかかるため、粒の径が大きくなってしまう。その結果、プジョーのミルの臼だと、合わないのだそうだ。

カンボジアの胡椒生産が隆盛を極めていた以前、プジョーの歯はカンボジアの胡椒に合ったサイズ感だったそうだが、その後カンボジアの内戦によって胡椒生産が衰退し、他産地に移動してしまった際、ミルの臼のサイズをそちらに合わせて今に至っているそうだ。

で、倉田さんが使っているのは、燕三条のメーカーのIKEDA製のもの。おそらく下記だと思うけど、倉田さんいわく「ロットによって差がある」とのことなので、悪しからず。

IKEDA(イケダ) ペパーミル 6103
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この日は、倉田さんが確保しているいいロットのものを分けてくれたので、速攻で買いました。上のアマゾンの価格より高かったけど、よい刃のロットだと確実なので、それなら全然問題ないっす。

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帰ったら、プジョーと挽き比べをしてみようと思う!うちのプジョーだって、愛する編集者のカンキさんからいただいたものですからね、よく挽けるんですよ。

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倉田さん、とにかく熱い人だった!そして、エシカルな思想を自分の行動で具現化するすごい人であった。出会いに感謝。

そうそう、すでに挽いた胡椒を買っている方に強く言いたいのだけれども、ペッパーミルで挽く胡椒はまったく別物ですよ。

そしてもうひとついいたいのは、黒胡椒はどんなものも同じではなく、美味しさ、香りの違いがハッキリとありますよ!

嘘だと思うあなた、ぜひクラタペッパーを一度買ってみてください。

購入はこちらから。アマゾンでも出てきますが、公式ではありません。産地を持続的に支えるためにもぜひ生産者直で買いましょう。

KURATA PEPPER / クラタペッパー

いやそれにしても美味しい店だった。またこようっと。