昨日のお肉となった牛の掛け合わせ、FacebookやTwitter上でいろんな人が頭を捻って下さいました。
粗飼料中心の飼料で900kgまで育ってくれ、A2番(とは思えませんが)のサシが入る組み合わせ、、、父方か母方のどちらかに黒毛が入っているのだろうなとは想定がつくでしょうが、もう片方はいかに、ということになります。
ことヒントを言ってしまうともうわかっちゃうのですが、この肉の産地は熊本県です。といえば、、、
そう、この牛は褐毛和種熊本系×黒毛和種という組み合わせの、和牛感交雑種です。去勢牛で28ヶ月飼育されたもの。本日、事務所スタッフと学生バイトで試食させていただきました。
塩は当てずに焼き、ホイルに包んで寝かせ、最後に表面を軽く焼きという方法です。
ちなみに試食時にはテイスティングシートを用いて、参加者が評価を記入し、もろもろ分析できるようにしています。
今回のお肉、ほとんどグラスフェッドに近い状況で28ヶ月飼育されたこともあって、脂を焼いたときにはグラスフェッドに特有の香りが漂いますが、肉を口にしてもそうした気になる香りはほとんどありません。グラスフェッドは臭い、と思っている人が多いようですが、正確にはグラスフェッドには臭いものもあるが、良質なものはそんなことはないということだと思います。
さて肝心のお味は、とても心地よい食感、A4以上のサシによる、おかしなほどの物理的柔らかさはないものの、赤身中心なのにみっちり結合した硬さという感じはなく、柔らかみがあります。
香りは淡く爽やかですが、風味が弱いと感じる人もいるかもしれない。濃厚飼料中心に育てた肉専用種の肉は芳ばしい香りするもので、それに慣れた人にはものたりないかもしれません。でも、グラスフェッドに近い赤身が好きな人にはまったく問題にならないでしょう。
うまみに関しては、すこし淡く感じました。ウェットエイジングでの熟成は20日間ほど経ているので、とくにこれで評価して差し支えはないと思うのですが、個人的にはもうすこしパワーのあるうまみが拡がってもいいかなと思いました。
なんにしても、あかクロというあまりやらない交雑ですが、ほどよくサシも入り粗飼料で育ってくれる肉として、じつに可能性があるのではないかと思いました、あとはどうやってその価値を高めていくかなのですが、そこが一番難しいですよね。
いや、美味しかった。
そして午後、矢継ぎ早に、つぎに試食しなければならない肉が2種届きました。
夕方も焼くか、、、