やまけんの出張食い倒れ日記

カメラの世界がほんとうに戦国時代に突入した!いまいろいろ話題になっているカメラの新製品群のことを理解したいビギナーさんへ。

イタリア・スペインより帰国してからというもの、いろんなプロジェクトが押しも押して、ぜんぜん時間がとれずブログも書く余裕がありません。そんな中、本業の仕事の世界でも色んなことが起こる中、それよりも「えーっ、そういうことになるの!?」と驚くような展開が出てきているのがカメラ業界です。いや、ホントにビックリ。

このブログの読者のおよそ15%がカメラの話題を目当てに読んでくれているということもありますが、やはり今の状況について触れないわけにもいかないでしょう。ということで、、、

これからカメラ界の勢力図が大きく変わる可能性がでてきました。そのことについてかみ砕いて書きたいと思います。

2000年代からこれまでは、第一次カメラのデジタル移行期とも言える期間。そこでは、フィルムを使用したカメラで主流だった一眼レフ機という仕組みはそのままに、化学変化で像を記録するフィルム部分を、電気信号で像を記録するセンサーに置き換えたものが主流でした。つまり、記録部分は大きくデジタル化したけれども、それ以外の部分の構造は大きく変わらなかった。

その世界では、技術的な蓄積がある昔からのカメラメーカーが優位性を持っているわけで、カメラのシェアは基本的にキヤノン・ニコンの二強と、それにつづくいくつかのメーカーという構図がひきつづき踏襲されてきたわけです。

なぜひきつづき踏襲されてきたかと言えば、カメラというのはボディとレンズが交換式のものが主流で、レンズが変わると撮れる絵が変わる。だから、カメラ好きになっていくとどんどんレンズを多く取りそろえるようになっていきます。ところがこのレンズ、メーカー間の互換性はあまりないのが普通です。だから一つのメーカーに決めて、その対応レンズを購入していくことになる。このように囲い込み政策がカメラメーカーの基本的な姿勢だったのですね。

2000年台前半のキヤノンもニコンも、このレンズ資産を活かすことができるデジタル化をしてきました。だから、両陣営のユーザーも基本的には他のメーカーに移動しない(浮気しない)というのが基本姿勢だったわけです。

ところが、2018年後半のこのタイミングで、この状況が変わろうとしています。それはミラーレス化の流れです。先ほど、2000年代初頭からこれまでに主流のカメラは一眼レフという仕組みと書きました。レフというのは反射という意味で、カメラのボディ内に鏡があって、レンズから入った光を、のぞき窓であるファインダーに送る役割をしていました。つまり光学的に像を人の目に届けていた。そうすると鏡なのでみたままの光を目で感じることが出来、さまざまなメリットがありました。

ただ、レフ機構はどうしてもボディがデカいという欠点がありました。それがある故にボディもレンズも大きくならざるを得ない。ただ、それはそんなもんだから仕方がないでしょうと割り切ってここまでやってきました。そこにミラーレスという技術が出てきます。2008年、2009年に、PanasonicとOLYMPUSがあいついでミラーレスカメラというものを投入します。ミラーを廃して、そこにセンサーを配置し、ファインダーには電子的な映像を表示する仕組みです。これだと、とにかくレンズもボディも小さくできるというメリットを提示し、専用のレンズマウント規格であるマイクロフォーサーズを採用して連合を組みました。

ただし、まだミラーレス黎明期ということもあり、大きな動きになるには時間がかかりました。

そこにもうひとつの流れが生み出されます。そう、ソニーです。2013年、ソニーはα7というミラーレスカメラを投入します。このカメラは、マイクロフォーサーズ規格より大きな35mm版センサーを採用した、初の本格的なミラーレスカメラでした。一般的に、センサーが大きいほど良い絵を得ることが容易になります。ソニーは、本気を出してこの世界をシェアを獲りに来ました。ゼロからレンズを揃えて、この35mm版ミラーレスの覇権をとりに来たのです。

その間、キヤノンとニコンは一眼レフデジタルという技術を磨き続けてきましたが、2016年あたりからソニーのミラーレスのシェアが無視できないレベルになってきます。そしてこの2018年秋、とうとうキヤノンとニコンも35mm版ミラーレスカメラを投入することになったというわけです。

それじゃあ、またこの二大巨頭がまた覇権を撮っていくのではないかというと、そこがわからないのです。というのも、キヤノンもニコンもミラーレス化によって、レンズの規格を変えることになったからです。いままで所有していたレンズもアダプタ経由で装着は可能ですが、両社の新しいレンズ規格はよりパワフルで、以前よりも高性能で軽量なレンズを生み出すことが可能です。

しかし、そうなると「いままでキヤノンだったけど、この機に他のメーカーに移行しようかな」という気分にもなる人が出てくる。そう、ここでガラガラポンが起きる可能性が出てきているわけです。

そのガラガラポンに「えええっ まじかよ!」というメーカーが新しい陣を構えようとしています。それがライカ-パナソニック-シグマ連合です。ライカというのは35mm版フォーマットを生み出した老舗メーカーで、世界的に圧倒的な知名度とブランド力を持っています。ただ、高くてふつう買えません(笑)

パナソニックはそのライカの少し廉価版カメラをライセンス生産していた付き合いもあったのでしょう、ライカが発表したLマウントというレンズ規格を採用した35mm版ミラーレスカメラを投入するとみられています。

しかもそこに、素晴らしいレンズと独自方式の高精細な写真を撮ることができるカメラを持っているシグマが参戦します。いま、一番ワクワクする展開を秘めているのがこのライカ-パナソニック-シグマ連合かもしれません。

そういうわけで、いままさにカメラ業界は沸き立ってます。これからカメラを始めようという人達が羨ましくてなりません(笑)

ではそんな人達はこれからどのカメラを持てばいいのでしょうか。これから出かけますので、時間があったらまた書きたいと思います。