さあて後編です。産地視察を終えて向かったのは、盛岡市の県庁近く、映画館通り。
このニッカツビル4階をワンフロアまるごと使った、「ヌッフデュパプ」。
みんなワクワクドキドキです。
ワインを楽しむ店だけれども、こここそが岩手の郷土食材を美味しく楽しめる店であること間違いなし!
右が中村昌シェフ。これまでなんども僕のイベント・セミナーを手伝っていただきました。特にいわて牛セミナーの際は助手として入っていただき、感謝感謝!肉焼き技術も素晴らしいことをわかっているので、今回の会場にとお願いしたわけです。
「いやもう、すごいプレッシャーでしたよ。もし肉焼きに失敗したら岩手でこの仕事続けてられないな、くらいな。だって、みなさんこの試食で店で使うかどうか決めるんですからね、、、責任重大です」
ということで、今回はきちんと料理の手順、オペレーションなどを紙に書き出してシミュレーションしてもらったというわけだ。本当にどうもありがとう!
さて、会が始まりました。最初の40分ほどは僕から、いまなぜ短角を使う意味があるのかというプレゼン。これはねぇ、みなさんおそらく「なるほど!」と思っただろうけど、参加してくれた人だけへの秘密。ここでは飛ばします。
さあ、早速やりましょう。まずは主要4産地のウェットエイジングの肉の食べ比べ。右から二戸短角、山形町短角、盛岡短角、岩泉短角。
すべてウェットエイジングで食べ比べて、やはり味が違うね、と。 そう、産地によって与えている餌の内容が違うので当然、味は違います。
牛肉の味を決める要素は多々あるけれども、絞り込めば
品種×餌×育て方×熟成=牛肉の味
だと私は考えます。今回は品種も育て方も短角で共通しているので、4つの主要産地の餌の違いをダイレクトに味わうことができるという会なのですよ!
BGMもないシーンとした中、全料理人がもくもくと4種の肉を食べ比べます。
配布したテイスティングシートに自分の感じたとおり、香り、赤身の味わい、脂の味わい等を5段階評価し、自由回答欄には数値化できない特性を書いて貰います。
それにしても、中村シェフの火入れ、完璧です!
食べ進んでいくタイミングで、各産地から育て方、餌の内容などの紹介を。
「なるほど、雑穀のカスを与えているからこういう味なのか、、、」
「2シーズン放牧だとこう変わるのか!」
「濃厚飼料中心に育てても、仕上げに放牧をするとこんなにあっさりした味になるなんて!」
などなど、さまざまな感想が湧いてくるわけです。
さて、お次はお待ちかねのドライエイジング!