やまけんの出張食い倒れ日記

本日、アメリカ・カナダ・アイルランドからの輸入牛肉の月齢制限が撤廃される通達があった! 日本の牛肉業界のパンドラの箱が開くのか、それとも変わらずなのだろうか。

EUmeat

いよいよ来た。

本日付で厚生労働省の医薬・生活衛生局食品監視安全課からの通達「生食監初0517第一号」で、米国・カナダ・アイルランドとの協議の結果、対日輸出プログラムが改正されたことを受け、この三国から輸入される牛肉の月齢制限が撤廃されることとなった。

これまでは30ヶ月齢以上の肉は輸入されず、結果的に25ヶ月齢未満の若い牛の肉しか日本に入ってきていなかった。その制限が撤廃される。

何度も書いてきたが、アメリカ・カナダは違うが、EU圏で美味しい牛肉といえば、肥育期間の長い牛の肉。フランスではとくに経産牛を好む傾向があり、去勢牛や未経産牛はそれほど好まれない。ただ、日本へは30ヶ月齢以上の牛の肉は輸入できなかったため、これまで経産牛が入ってくることはなかった。

今回、ヨーロッパはアイルランドだけだが、これを契機に今年中に他の国々の月齢制限も撤廃される見込みだということが、知人経由で伝わってきている。

さあ、これからどうなるか。

僕個人としては、ヨーロッパで美味しいとされる長期肥育の牛の肉が入ってきて欲しいところだが、大多数の日本人の好みに合うかどうかはわからない。日本人は箸で切れる柔らかいサシ入り肉を好む人がまだまだ多いように思うが、そうしたヨーロッパの長期肥育肉はサシを入れず赤身度高く育てるのが普通だからだ。

おそらく輸入業者としても危ない橋は渡らないだろう。ただ、一部のフレンチまたはイタリアンでは熱狂的に支持される肉が入ってくる可能性があるのだが、、、

ともあれ、まだいまの時点での撤廃はアメリカ・カナダ・アイルランドだけだから、これがもっと拡がっていくのを楽しみにしている。

日本の牛肉シーンは、まだまだ若い(というか、幼い)と思う。自分も含め、広い振幅で牛肉を美味しいと思えるように、感度をアップグレードしていきたいものだ。

まずはアイルランド産牛肉は完全なるグラスフェッドが中心。長期肥育牛を食べてみたいと思うが、さて入ってくるだろうか。