やまけんの出張食い倒れ日記

満を持して、フランスでいま肉を食べるなら足を運ぶべき店、パリの隣町ブーローニュの新星「ベルチュ」」柳瀬シェフに逢いに行く! 欧州中から彼が吟味した牛の肉を自家熟成し、焼き上げる。シンメンタールがこんなにおいしかったとは驚いた!

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さて、今回の旅では「うわーーー 最っ高に旨い!」と飛び上がるようなレストランにはまだ足を運んでいなかった。そりゃそうだ前半は産地ツアーであり、「牛」に特化した視察だったからだ。しかしこれからはむしろその牛の肉がどのように流通しているかの旅に切り替わる。そのトップバッターとして、今回特別に依頼していたのが、日本人シェフの柳瀬充君が開いた「ベルチェ」訪問だ。

柳瀬くんはもともとフランスで修行している時にあのステーキレストランの名店「ル・セヴェロ」と出会って衝撃を受け、オーナーであるウイリアム・ベルネ氏のものとに「手伝いに行っていいですか?」と直談判。もちろん無給で通い詰め、その肉の扱いを学んだ男だ。その経歴が買われて、ル・セヴェロ東京店の初代シェフとして腕を奮っていたのはご存じの通りだろう。

その柳瀬くんが勝負の場として選んだのはやはりフランス。独立の準備をしている時に、アンズコフーズの金城社長が企画したイタリア・スペインビーフ視察に彼も参加したため、僕も知遇を得ることができたわけだ

その後、パリの隣町であるブーローニュに「ベルチェ」というステーキハウスをオープン。やったなあ、行かなきゃなあ、と思っている矢先に、伊勢丹新宿店のフランスフェアに来日。

■精肉関係者は、伊勢丹で開催中のフランス展イートインコーナーで、「ベルチュ」柳瀬シェフの欧州牛肉食べ比べセットを食べに行った方がいい。これから日本に入ってくる「かもしれない」肉の姿が見えるから!https://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2019/04/29818.html

その時にやはりこれはフランスで会わないと、と確信したわけである。

そういうわけで、パリのラーメンを堪能した夕食は、ブーローニュへ。パリ中央から15分ほど車で走るので、Uberを使うといいでしょう。ちょっと、鉄道とかだとアクセスわかりません。

ところで、今回の滞在は、ラーメンエントリに書いたとおり、中央も中央のパリ1区。

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ルーブルとかエッフェル塔とかが綺麗にみえたりするスポットが近い地域でしたが、、、

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あ、凱旋門がみえますね。けど、こういうのにまったく興味の湧かない私、ほとんど写真撮りませんでした、、、

おっとこちらはエッフェル塔の足!

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だってね、僕のブログにそんなの期待する人、いないでしょ!?

というわけでブーローニュ到着。

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いい感じの八百屋と肉屋を通り過ぎて、、、

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マンションが並ぶ路を歩いて行くと、この路面店「ベルチェ」に遭遇します。

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Vertus(ベルチェ)

45 bis Rue d'Aguesseau
92100 Boulogne-Billancourt

電話:01 41 31 24 08

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もうすっかりフランス人化した柳瀬くんが「どうも!」と迎えてくれました。

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この店は、中澤さんも、オリヴィエもはじめてだそうだ。

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小体な店だが、すでに肉好きの地元民に愛されているそうで、こうしている間にも店の前を通る人達が店の外に掲示したメニューを覗き込んで興味深そうにしていく。

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「昨年後半にオープンしてから、だいぶ認知していただけるようになってきたと思います。僕がヨーロッパを歩いて出会ってきた生産者の食材、これは肉だけではなく、野菜やバター、ワインに至るまでですが、その中から気に入ったものを取引させてもらっています。」

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「肉は、産地でカーカス(枝肉)の状態でしばらく水分を抜いてもらったあと、骨付きの状態で納品してもらい、この店の熟成庫でねかせます。肉の状態によってその期間はまちまちですが、60日ねかせることもあります。ちょっといまバタバタしてて、お見せできる状況ではないんですが、、、」

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「本日たべていただく3種のお肉です。いちばん奥からシンメンタール種、50日熟成しています。真ん中がノルマンディー牛で、F1だと思いますが、これも50日熟成。右側のヒレ肉がガリシア牛40日程度の熟成です。」

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

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この、完璧なまでに牧草しか食べてないよという脂色なのにもかかわらず、フランスではちょっとみない霜降りの入ったシンメンタール!ジュクジュクに熟成しているようにみえる。

それに対して、、、

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シンメンタールと同時期の熟成期間なのに水分がだいぶ残っているようにみえるノルマンディー!

そして必殺技であるガリシア牛のヒレ!

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いやこれは愉しみである。もちろんどれも経産牛の肉なので、日本で食べることはできない。さてこれがどんな味になるのだろうか。

さて、ちょっと驚いたのだけれども、柳瀬シェフといえば肉!としか考えていなかったが、彼の料理はとてつもなく美味しいと言うことが判明。

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小さなポーションで出されたセロリアックのポタージュは根セロリの甘さと香りが芳醇、食欲をむちゃくちゃに刺激してくれる!

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アスパラガスのオランデーズソース。細いアスパラだな、と油断していたが、実に味わいが濃い!

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オランデーズも、十分なコクがありながらさわやかで重くない!

隣のオリヴィエも「ムムッ」と思ったようで産地を確認して「うん、あそこらへんのアスパラはいま最高に美味しいからな!」とご満悦。

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ちなみにソムリエさんも日本の方で、この二人で回しているそう。ワインもペルフェクトな評価でした!

さて、お肉は、、、ということろで外出しなきゃいけないので、続きます!