やばいの来ちゃってます。
カメラとレンズの常識を塗り替える意欲的なメーカーであるSIGMAから、発表された瞬間から話題沸騰した小型のカメラfp。
僕のiPhone Plusと比べてこのサイズ感。もちろんコンパクトデジカメに比べれば厚みがあって重いのだけど、これはAPS-Cでもなくマイクロフォーサーズでもなく、35mm版フルサイズのカメラなのだ。スゴすぎる!
参考までに、僕の手はかなり小さい。ふつうの成人男子ならカメラボディは掌にすっぽり入ってしまうだろう。
しかも面白いのは、このfp、モジュール型カメラ。つまりボディには最小限の要素しかないのだが、そこにいろんな機能を持つパーツを足していくことで、どんどん発展する。たとえばストラップを通す環がつく部分に、ハンドグリップをねじ込むとこうなる。
持ちやすい!
フラッシュを装着するための通信モジュールをつけるとこうなる。
なかなかにかっこいい! このように、目的に応じてさまざまなモジュールを追加していく形で、カメラをオリジナルなものに発展させられるわけだ。しかも、このモジュール構造に必要な設計図はオープンとなっているので、サードパーティーが参入することもできるし、いまなら個人で3Dプリンターなどを駆使すれば、アクセサリーを自作することも可能である。じつに面白いコンセプトだ。
もちろんこのように小さくした分、そぎ落とされた要素も多い。一番大きいのは、メカシャッターが搭載されておらず、電子シャッターオンリーだということ。これ、カメラのことをよくしらない人にはなんのことやらわからないかもしれない。
シャッターを押し込むとカシャコンと内部で音と動きがある場合、メカシャッターという機構が動いている。これによってシャッタースピードなどを制御できるのだが、機械部分が動くので、振動が発生して画質低下につながることもあるし、故障の原因にもなりうる。また、この機構のためにボディの小型化ができないこともある。
電子シャッターはそれに対して、シャッターの機械部分をなくして電子化したものだ。うわすげえ、それで解決じゃん、と思いたいところだが、問題がある。電気信号の伝達速度は早いといえ、写真の光情報を電子化するセンサーはいまや2400万画素以上に達している。これを一度に記録することはまだ技術的に難しくて、おどろいたことに1列目からよーいどんで電気信号を読み出す方式を採っている。
その方式だと、動いているものを撮影するさいに不具合が出ることがある。高速で移動する物体を撮ろうとした場合、電気信号を読み出しているうちに、物体が動いているので、形がぐにょっと伸びたような、変形した状態で映ってしまうのだ。扇風機を電子シャッターで撮ってみれば、サルバドール・ダリの絵の様なシュールに溶けた様な羽を観ることができる。
ということで、電子シャッターのみ搭載なので、超高速物体を撮るとか、高速道路の車窓から風景を撮ると、変な写真になってしまうかもしれない。
ただ、そんなシーンはとくに撮らないよ、ということであれば、何も問題は無い。
同時発売の45mmf2.8でオフィス内を撮影。f2.8の開放は、実に味がある。エプソンのインクジェットプリンタ(月額1万円!実にお得。)がふわっと浮いている。ボケも綺麗で、これが味のあるレンズってやつかと実感する。
外部フラッシュを使用した。じつはさきの電子シャッター問題もあって、シャッター同調速度が1/30以下という恐ろしい条件なのだが、、、
特に問題ありませんね。f2.8だとフレアがかった様なふわふわ感があるが、これも味。
これをf8まで絞ると、とたんにハッキリシャッキリしてくる。絞り値の変化で絵のトーンも変わる、楽しめそうなレンズだ。
ただし、45mmはすこし広角よりということもあって、被写体のパースがつきやすい。料理にどこまで適正があるか、これから観ていきたいと思います。