Nikon Z6 + PC-Eマイクロニッコール85mmf2.8
大学の後輩が専務を務めることもあって、太子(タイシ)食品の製品は何か面白いものが出ると送ってくれる。今日は事務所に6つの穀物から成る新製品の納豆が送られてきた。きけばなんと創業80周年の記念だそう。おめでとうございます!
太子食品は、関東ではスーパー店頭で、正方形フォーマットの豆腐商品である「北の大豆」や「箱入り娘」、「一丁寄せ生豆腐」といった商品が売られているので観たことがある人もいると思う。ぼくはかなり前に日光の豆腐工場を見せていただいて、正直唸ってしまった。もちろんタイシより美味しい手打ち豆腐は多々あるけれども、工場で大量生産する豆腐でここまで美味しい商品をつくることができるメーカーは他にないだろうと思う。
面白いことに、これが東北、青森や岩手に行って「太子食品がさ」というと、地元の優良企業であるためほぼみんな必ず知っているのだが、その識り方が「納豆のタイシね」というものなのだ。
「えっ 豆腐ではなくて?」
「ん~、タイシっていったら納豆だよ」
そうなのか!
じつは太子食品は1940年、青森県の三戸にて「工藤商店」という納豆の製造販売業からスタートしているのだ。だから、じつをいえば納豆商品にもなみなみならぬ力が入っている。
この六穀納豆も、技術的に難しい商品だ。というのは、大豆と他の五穀(ヒエ、キビ、黒米、赤米、アマランサス)はすべて発酵条件が違うので、大豆と一緒に「ヨーイドン!」で蒸して納豆菌を繁殖させても、うまく納豆として成立しない。それをどうやって克服したかというと、
「大豆と各々の雑穀を、それぞれが最適な状態になるよう別々に蒸して、合わせました。」
かーーーーー めんどくさいことを!
しかも、通常なら一度に大釜で大量に作った蒸し大豆を機械でパックに詰めて発酵させるのだが、、、
「雑穀がでん粉を含んでいるため、いわば糊のような粘り気が出てしまうんですね。それで、機械で自動的に盛り込むことができないんです。仕方がないので、職人がひとつひとつ手で盛り込んでおります。そこから発酵となります」
うがーーーーーーーーーーーーーーー でたよ、東北人の几帳面・生真面目さが炸裂! そんな面倒な納豆商品、ないだろ!?
「はい、そのため日産1000個しかできないため、スーパー店頭にお届けできず、通販を中心に発売しております」
一日1000個しかできないの!?それじゃあ、太子食品が得意とする量販店には、店舗限定でなければ出せないじゃん!本当に商売が下手だ、、、
でもね、それがいいところなんですよ。
ちなみに、商品のできは文句の言いようがない。大粒大豆はきちんと蒸されていながらも、食感と豆の風味がしっかり残っている。糸引き具合も良好で良く粘り、香りもとても心地よく過発酵の気配はみじんもない。他の五穀の発酵具合も含め、とてもおいしいのだ。
しかもやっぱり太子食品、付属のタレはアミノ酸不使用のタレである。
いまのところネットでしか買えないようなので、興味がある方はぜひこちらから。
■太子食品公式オンラインショップ https://www.taishi-shop.jp/