やまけんの出張食い倒れ日記

昨年はコロナ禍のため、入荷が難しかったヴェネト産のホワイトアスパラを、今年は食べられる幸せな春!

2021-04-02-11-24-55

登馬商事の窪田さんが「今年は無事入荷してますよ~」という、北イタリアはヴェネト産ホワイトアスパラガス。昨年の春はコロナ禍が猛威をふるい始めた頃で、航空便も重要性の高い人の往来や医薬関係品にふりむけられてしまい、食材はあとまわしにされてしまったこともあって、輸入が途絶してしまったわけだ。いまだに、運輸は大変なシフトが組まれていると思うけれども、それでも今年は入ってきてくれたことに感謝!

2021-04-02-11-25-37

イタリアでホワイトアスパラガスといえば、水の都ヴェネツイアを首都とするヴェネト州。通常なら収穫から1週間はかかってしまう輸入を、イタリアの通関業者との協議までして、土曜日の朝に掘ったアスパラを水曜日には日本国内の店舗に届けることができるという体制を構築した。ホワイトアスパラは湿度と温度をきちんと管理すれば鮮度が下がりにくいので、このスケジュールであれば、ばっちり理想的な美味しさのアスパラを食べることができる!

2021-04-02-11-27-53

しかも、正直言って輸入ホワイトの方がいいな、と思えることがある。というのは、向こうのホワイトアスパラは土盛りの生産方式のものが入ってくるのだ。

春先になって、若芽が伸びてくるタイミングでそのまま日にさらして緑色にいろづいたものを収穫するのがグリーンアスパラガス。それに対してホワイトアスパラは軟白させるため、また一手間かかってしまう。昔ながらの方法は、土を盛るというもの。先日ここで書いたウドの場合は陽の当たらない穴や溝で遮光して育てるが、昔ながらのホワイトアスパラ栽培は、若芽が伸びてくるところにうずたかく土を盛る。頭が出てきそうだな、というところを見定めて、先に刃の着いたコテのような道具を使い、根をザクッとカットして収穫するという職人芸で生産と収穫をしてきた。途中で折れたりしたら価値が下がるので、職人芸である。

2021-04-02-11-28-26

ただ、土を盛る方法は、どの程度伸びているかという見極めができないことと、作業が大変ということがあって、だんだんとやる産地が減っている。近年では、ハウス内に紫外線を遮光するフィルムを張って、そこで軟白させるやり方が中心となってきた。ただ、僕の感覚からすると、土を盛って軟白させたホワイトアスパラの方が美味しい気がするのだ、、、

で、このヴェネト州の輸入アスパラは、完全なる土耕栽培、土盛りの栽培である!国産の遮光フィルムでの栽培ものより明らかに美味しいと僕は思います。

2021-04-02-13-03-12

美味しく茹でるためには、ピーラーできっちり一周、皮を剥く。木質化してしまった根本の部分をカット。この、剥いた皮と根本の部分も捨てずにあらかじめ大鍋で茹でて、味を出しておく。塩もしっかりしましょう。レモンなど香酸柑橘を半割程度いれて茹でておきます。そこに根本から入れて茹でる。

2021-04-02-13-21-48

茹で時間は、ヨーロッパではグズグズに茹でるのが美味しいとされるので22分!だそうだけど、窪田さんいわく「日本人はもっとしゃっきりした食感を好むので、7~8分くらいでいいと思います」とのこと。シャクッとした食感を残したいならそうですな。

僕は意外と柔らかめが好きなので、10分程度。

2021-04-02-13-21-29

なんでゆで卵がのってるのかというと、これが北イタリアの食べ方だそうで、ゆで卵を潰して酢、オイル、塩、胡椒でソースを作って一緒に食べる!

2021-04-02-13-10-20

2021-04-02-13-11-11

たしかに最高のマッチング!

ただ、僕はやっぱりオランデーズソースがいちばんホワイトアスパラをおいしくたべられる味付けだと思っているので、、、

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

自宅でなんちゃってオランデーズソースを!

半熟ゆで卵を作って、NZの香り高いグラスフェッドバターをたっぷり湯煎したものをあわせ、にごり富士酢プレミアムと塩、胡椒、そしてアサツキを少量加えてフードプロセッサーで回したもの。最高に美味しくできました!

ということで、ホワイトアスパラ、4月後半までが美味しい時期なのだそう。登馬商事は小売はしていないので、イタリアンレストランなどでみかけたら頼んで下さいませ!