やまけんの出張食い倒れ日記

日本でいちばんまっとうな学食、埼玉県飯能市の自由の森学園で、おいしく安心できる食事を作り続けてきた泥谷千代子さんが亡くなった。千代子さんがいない世界線なんて、考えたくないよ。

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愛媛の病院に入院しているときに入り、ベッドの上でしばし言葉も出ず茫然としてしまった訃報だ。僕の人生を決めた母校であり、食に関して大きなめざめを作ってくれた自由の森学園にて、開学当初から食生活部を牽引してきた泥谷(ひじや)千代子さんが亡くなった。

千代子さんと自由の森学園の食生活部のことは、このブログで何回も書いている。そして、家の光協会から発刊された単行本となり、それがまた早川書房から漫画版として出版されることもなった。

僕は自由の森学園の二期生。いまから34年くらい前っつうことか。当初、まだまだオペレーションも味も(!)安定していなかった食堂の料理だが、何年もかけて自由の森独特の調理作法を磨き、無投薬の豚肉や鶏肉、有機農産物、無添加系の調味料などで膳を構成していた。それで400~500円に抑えるのは、至難の技だったろう。学校からの理解を得ながら、類をみない食堂運営をしていた。その中心にいたのが千代子さんだ。

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千代子さんにみせてもらった、食堂始まって以来記録されている食事提供ノート。

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最近も、年に1~2回は会っていたし、アレルギーに悩む妻のために人参ジュースを送ってくれたり、こちらからは短角牛大嵐君のお肉を送ったりしていたのだが。残念なことに、大嵐君のお肉は食べてもらえなかったそうだ。本当に残念だ。

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千代子さんがもうこの世にいないなんて、いまだに信じられない。そして、彼女がいない跡を埋められる存在は、どこにもないという当然のことに、打ちひしがれる想いだ。太陽のような人だった。そして、年齢を聞くと「えええっ!?」と驚いてしまうほど、いつになっても少女のような人だった。

もう天国で、大好きな政秋さんと再会していることでしょう。千代子さん、忘れませんから。これからも世界がちょっとずつでもよくなるよう、力を貸して下さい。ご冥福を祈ります。