すっかりクラウドファンディングという資金調達法が市民権を得ているが、なかには「これ、応援する必要ないじゃん」というのもあり、詐欺まがいのモノもあり(現にいまIndiegogoで僕も引っかかってしまった)、正直そんなに好きになれない。
が!
これは応援しなきゃな、、、と言うのが出てきた。
九州のうどんといえば、全般的にコシがないうどんであることが多く、香川県のさぬきうどんとはまさに対極的なうどん体験を得ることができる。なかでも僕がよく足を運んだ宮崎県のうどん文化はかなり面白く、朝6時からうどん店が開いており、そこに朝食にうどんを食べに来るお客がかなり入っているようなところから始まり、地域によってさまざまなうどん文化が存在している。この辺が面白くなってしまい、とうとうそば・うどん業界の年一回刊の業界誌「そばうどん」の2015年号に「コシなし宮崎うどんをやまけんが追う!」という特集を書いてしまったくらいだ。
その特集の中では、「この店も登場させたい!」という店が多々あったのだが、紙幅の関係で載せられなかった店もある。「大盛うどん」もそのひとつだ。
それにしてもイイ名前だよなぁ、、、「大盛」だぜ!? 食い倒ラーなら男でも女でも、入らずにはいられないよね。
この写真を撮影したのは2012年のこと。宮日新聞のお正月版に対談記事を掲載したいので、ということで会場となる都農ワイナリーへ向かう途中だ。記者の海老原さんと、宮日新聞の写真部エースの戎井さんと一緒だった。
あっ ピント外れてる、ゴメン。戎井さんがもってるのは天下のLEICA M9ですよ。
宮日新聞は写真部にLEICAを支給しているんだね!
「いえいえ違います、これは個人用です!」
それはともかく、、、
つい頼みたくなっちゃうおいしそうな天ぷらに、、、
ケースの中にはもちろん魅惑のお寿司など炭水化物祭り!
もうさすがに価格は改定されていると思うけど、2012年の段階でもこれ、すんげー安いよね。宮崎ってほんとうどんが安いんです。お店が大変だから、値上げ、しようよ。
大盛うどんの特徴、それはこのこゆい汁だ。汁の特徴をつかむには具無しのほうがわかりやすいだろう、ということで、この時頼んだ蕎麦(宮崎ではめずらしい)を。
そう、汁の色が黒い! のである。
宮崎のうどん店の多くがいりこベースの出汁に酒類と甘味と醤油を合わせたものを汁としているが、だいたいにおいて、丼中の奥深くまで見通せるくらいの淡い色合いだ。ところが大盛うどんの色は、関東のうどんつゆのごとく濃い。
といっても、塩っぱいわけではない。そこが絶妙の塩梅で、呑んでみるとほどよい塩味、あまっこく麺がわしわし進む味わいになっている。
肉うどんに天ぷらにたまごに、、、と追加しまくった一品。僕の欲望の果ての姿である(笑)
純白だったうどんが汁の色でこうなる。
麺の断面をみれば、もとは白いことがわかるでしょう!
いや、これがもう、美味しいのなんの、、、
「やまけんさんのブログで、いろんなうどん店にいってらっしゃることは知っていたんですが、ぜひ大盛うどんの味も知って欲しいと思いまして!」とエビちゃん。いや、ほんと、これは素晴らしい店です。
そんな、大盛うどんがコロナ禍の影響をもろに受けて、苦境に陥っている。それを打開すべく、うどんの製品化のための設備を整え、オンライン販売やスーパー店頭での販売を行う準備にかかる投資のため、クラウドファンディングに挑戦している。目標額が400万円、あと9日間で残り55万円となっている。
■https://camp-fire.jp/projects/view/404249?list=coming_soon
先日、宮田武虎の葬儀で行ったときには、東京から行って帰って、で何もする時間がなくてうどんも食べられなかったので、大盛うどん食べたい。ということで、ぜひここはプッシュしておきたい。うどん3種×2食セットにいろいろ付いてくるやつもあるし、なんとこれまたお付き合いのある都萬牛をつかったうどんすきもあると言う。
ぜひ応援してあげて欲しい。
さぬきうどんも旨いけどね。でも、うどんのコシなんかいらないってときもあるんですよ。宮崎うどんの魅惑的な世界をなくしてはいけませんね。食の世界は多様であるべきだ! クラファン成立を祈ります。