やまけんの出張食い倒れ日記

広尾の有機和食 山藤にて、スペシャルまかないのちらし寿司をいただく。お店で出せばいいのに!と言ったら「こんな手間のかかるもの、作れない」といいつつ、ランチで食べられるらしいぞ!

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定期的にやってくる「山藤」のまかないへのお誘いをいただく。3月3日の節句にちなんで、ちらし寿司、、、

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そりゃ、何があっても行きますよ!

山藤では、従業員自身のためのまかないでも手を抜くことはない。おふくろダイコンが美味しい時期のみ作る、種を手造りするおでんや、若手のナオキが作るカレーにならび、僕が楽しみにしているのがちらし寿司。和食の技法で具材をすべて丁寧に準備するこのちらし寿司は、正直言って、その辺の寿司店で食べるより美味しいかもしれません。

まずは、山藤の新メニュー候補であるレンコン揚げ。

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え?辛子蓮根!?とおもいきや、そうではない。美味しい出汁を煮含めたレンコンの穴にアズキを詰め(いや、アズキを詰めたレンコンを煮ているのかもしれないが)、衣をつけて揚げている。

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これはね、紙に巻いて手で持って、かぶりついて欲しいんだよ、と。

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あ、箸で持つのと違って、レンコンのズッシリ感、そして温かさが伝わってくる。

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レンコンは盛大に糸を引く、サックリ系の金沢レンコン。噛むと煮含まれた出汁がシミッと出てきて、実に美味しい!しかも、穴に詰めたアズキのでん粉質がまたいい仕事している。

このレンコンに味変してくれと出てきたのが、白和えの衣のようなもの。

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これを載せると見事に味変!豆腐ベースのころものうま味が加わって、実にパワフルに。これ、出汁を精進にすれば、ヴィーガンメニューだね。すばらしく美味しいし、ボリュームも感じられていい!

あ、でも今日はこれでお腹いっぱいにしちゃいけないんだった。

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まかないなのにお椀。フタに乗っているのはフキノトウのガク。これを椀に落として、、、

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おおぶりの蛤のうまみたっぷりの椀が素晴らしい。フキノトウの香りがふわり、ウドのツンとした香りもフキと同系で、マッチングの妙。

さあて、いよいよ本題のちらし寿司である!

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うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

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メガトン級のうおおおを捧ぐ!

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贅沢に、成清海苔店の最上の切り海苔をブワッと載せて。

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どうしても寿司といえば海鮮ネタに目が行きそうだが、生魚は使われない。絶妙な甘辛に煮られた穴子と海老がこれでもか!と載せられている。ただ、日本料理の技法を大切にする山藤のちらし寿司のおいしさは、むしろ手を掛けて下ごしらえされたかんぴょうや玉子焼き、レンコンにニンジン、ナバナにゴマといった具材への細かな心配りから発せられていると思う。

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どれも下味がついているわけだが、それらが酢飯と合わさって口に入った段階で、味と香りが立体的に立ち現れるのである。これぞ、日本料理としてのちらし寿司!

なんとデザートは、本物のわらび粉を練ったわらび餅!

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これ、本当にまかないなんでしたっけ!?

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トゥルンと喉奥を心地よく流れていくわらび餅、、、至福の時。

山藤は、派手さはまったくないけれど、最上級といってよい素材を用いて日本料理に真摯に向き合う、素晴らしいお店です。春の味覚を楽しみに行ってみて下さいませ。

さて、このちらしずし、「こんなに手のかかるもの、店では出せないよ!」と言っていたが、なんとランチで期間限定で食べられるそうだ。

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ぜひ行ってみてちょうだいな!

梅さん、及川さん、なおき、榊さん、いつもありがとう!