いやー 15年ぶりですよ、飛騨高山、、、2008年3月に講演で訪れているのを最後に、足を運べていなかったのだった。しっかし、大好きなんですよ高山。街の雰囲気が好きなこともあるけど、人がいいんですよね、、、岐阜県内にあって、飛騨はちょっと違う感じがする。
この日は名古屋から特急ひだ1号で移動。もうひとつ、北陸新幹線「はくたか」で富山まで行き、そこから高山へというルートもあるが、この日は日本海側に大寒波襲来の日なので、そちらはやめておいた。
名古屋からしばらくの間は、雪が見えない。
「なーんだ、大丈夫そうだな」
と思っているうちにどんどん車窓の風景が変わっていく!
じつを言うと、この名古屋から高山へ至る路線の風景が、僕は大好きだ。日本の風景の美がギュッと凝縮されている気がする。
さて、高山駅に到着。
駅前に降り立つ。週刊アスキーの「旅三昧」から考えると20年か。さすがにその頃とはだいぶ変わってしまった。ルネ・ラリックの作品などを贅沢に集めた飛騨高山美術館は閉館してしまったそうだし、水先案内任をしてくださった駅前の土産物店の店主に挨拶しようと思っていたのだが、駅の真ん前にも関わらず、更地になっていた、、、隣の土産物店で聞いたら、廃業して居も少し離れたところに移ってしまったそう
しかし、変わっていない場所もある。旅三昧の企画で訪れた「キッチン飛騨」だ!
年間400万人以上の観光客数を誇っていた飛騨高山で、客の胃袋を満たす食材の代表的なものといえば飛騨牛だ。その飛騨牛を食べさせる店はその辺にごろごろしているけれども、正直言って焼肉店などで「旨いっ!」と言える店は少ない、、、まあ、そこには飛騨牛を巡る根本的な問題もあるのだけれども、それはお茶を濁しておく。
そんな中で、キッチン飛騨はしっかり肉を見て買い、寝かせた肉を焼いてくれる店なのだ。
当時もてなしてくださったシェフは会長となり、店長は社長となっていた。ただ、関連会社の飛騨ハムの業務をメインにしておられるようで、会うことは叶わなかったが、店の佇まいは以前と同じである。
11時半の開店と同時に入店。現在の店長さんが、「山本さんが書いて下さった記事、見つけておきました‼」と見せてくれる。
そう、これは週アスではなくて、週刊文春のお土産ページで声がかかったときに、キッチン飛騨の缶詰カレーを推薦したときのものだ。そうそう、言い忘れていたが、この店の名物が缶詰カレー。なぜか、店でカレーは出していないという謎があるのだが、この缶詰カレーがとてもおいしくて、帰ってからも買わせてもらっていた。それを文春で書いたわけだ。
「おかげさまでよく売れたそうで、前任者はこのページをファイルして、お客様にみていただいていたようです。」
とのこと!それはよかった~!
まずはハムサラダ。というのも、キッチン飛騨のグループ会社が飛騨ハム。ロースハムやウインナー、結着タイプのハムなどいろいろ作っている。この店でグリーンサラダを頼んではいけない!
これ一皿でビール二杯飲めます(昼なので飲まなかったけど)! ハムがしっかり肉々しくて、ハムという食品本来の塩せき感がしっかりある。おいしいです!
さて、ステーキはサーロイン、リブロース、フィレミニョン、テンダーロイン、そしてシャトーブリアンとあるのだが、サーロインとテンダーロインを150gずつ盛り合わせてもらった。ちょっと贅沢である。
キッチン飛騨のステーキの火入れは少し変わっている。肉の表面に軽く焼き目をつけたらブランデーでフランベをして、その後、併行して炒めていた香味野菜の上に乗せて、ドーム型の蓋をかぶせる。これで蒸し焼きにする、ブレゼという手法で火を入れるのだ。
「いろいろ試したが、この方法が飛騨牛の味を引き出せる。」と、会長が仰っていたのを思い出す。
さて、久しぶりの飛騨牛。
うん、しっとりよい火入れ加減です。間違ってもレアで食べるのはお薦めできない。火を入れることで肉の旨みや香りが活性化するのに、刺身状態で食べてどうすんの!?という感じ。この時はミディアムでお願いしました。うん、おいしいです。
ふだんは味のチェックとか仕事がらみが多いから塩だけで食べることが多いけど、今回はそうではないので、ステーキソースをだぶだぶにかけていただく。実はキッチン飛騨のこのステーキソースが旨い!肉と一緒に炒めていた香味野菜にソースを絡めてご飯に載せると、最高に美味しいのである。
「それと、じつは缶詰カレーの味をちょっと変えまして、、、以前の小麦粉たっぷりのバージョンからちょっと変えているので、ご賞味いただきたいと思いまして。」
と、ミニカレーをつけてくれた!ありがとう!!!!!!
うん、おいしいではないですか新バージョン。基本的な味の方向性は旧バージョンと一緒で、やはり油脂分も小麦粉ルー分がちょっとライトな方向を向いている。より現代風のカレーとなっているのだから、佳いと思います。
おいしかった!
なかなかに嬉しい出だしだったのであった。
■キッチン飛騨
http://kitchenhida.com/