やまけんの出張食い倒れ日記

北海道の美瑛町は、通過するだけじゃダメだ! 美しい景色を見たら、町に泊まっておいしい料理を味わって、美瑛に農泊しよう! その1


農泊という言葉をご存じだろうか。簡単にいってしまえば、農山漁村で、飲食・宿泊・体験をセットにして提供することだ。この農泊、単なるかけ声ではなくて、訪日観光客が2000万人を超えた2016年に国が提唱し、法整備が進んだれっきとした事業である。インバウンドを拡大するためには、これまでの観光地や宿泊施設が単体でサービスをするだけでは、お客のニーズを満たすことはできない。だから農村を核として、地域の様々な業者が連携して農泊を実現しようということなのだ。2022年度には621地域が確認できるので、今ではもっと多くの農泊地域があるはずだ。

その一つが北海道の美瑛町だ。


北海道の中心に位置し、旭川と富良野の間にある町である。この美瑛という町の名前を識らずとも、その美しい風景をGoogle画像検索でみれば「あっ ここか!」とわかるはずだ。



おそらく日本人の多くが「北海道ってこんな感じの場所」と思い浮かべる風景が美瑛町なのである。ちなみに、北海道全土が美瑛のように美しい、わけではないので要注意。

この美瑛町で、新たな農泊が生まれようとしている。2023年3月「びえい農泊DX推進協議会」が立ち上がり、美瑛町で和牛生産とジャージー牛による酪農生産を行うファームズ千代田を中心に、さまざまな業種が連携して「美瑛に泊まる」という仕組みを作ろうとしているのだ。

「えっ 美瑛ってこんなに素晴らしい風景があるんだから、すでに有力な観光地なんじゃないの?」

と思われるかもしれない。じつは美瑛は、旭川や富良野から車でやってきて、景色だけ楽しんで、そのまま通過されてしまうことの多い街なのだ。ドキッ! たしかに僕も、富良野のカレー名店「唯我独尊」のマスターやラーメン「とみかわ」を訪ねたりするときに、美瑛を「通過」して楽しんできた。しかし、美瑛町に一銭も落としていない!


実は美瑛町の美しい風景の多くは、地元の有志達の好意で維持されている。純然たる好意である。それなのに、風景写真を撮ろうと人の畑に侵入したり、大切な作物や自然の植生を傷つけ改変したり、交通の邪魔を平気でするような観光客が後をたたない。せめて観光客は、美瑛町にお金を落とすべきなのだ。


しかし、美瑛に泊まろう、おいしい食事を楽しもう、しっかりと時間をとって観光しようと思ったとしても、柏原光太郎さんが「これからのツーリズムに必要なもの」として提起する「いい宿、いい食、いい観光」がそれほどない。これが美瑛町の課題だった。

そこで、先の農泊の推進協議会が生まれたということなのである。この協議会を立ち上げた中心人物の一人である石川史子さんから「やまけんさん、泊まりに来て!」とお誘いを受けたので、昨年中に寒い美瑛を訪れた。そして、「美瑛ってこんなに素晴らしいのか!」と驚いた!

その顛末をお伝えしたいと思う。


旭川空港から車で20分程度だろうか、美瑛の町に入る。まあこの美しい山並みがクッキリ見えて、最高の天気である。ほんとうに空気が澄み切っている、、、が、むちゃ寒いので窓は開けられない(笑)


街中に入り、びえい農泊DX推進協議会の拠点となっているコンテナ型の宿泊施設へ到着。ニコニコしてフライパンをもっているのは協議会の宮澤君。

「雪が凍っちゃって危ないんで、お湯で溶かしてるんですよ!」とのこと。別に変なヒトなのではありません、、、いや、ヘンか(笑)



施設に入ると、実に綺麗で快適。このスタイルのコンテナ型の宿泊施設を農泊のために投入していこうということらしい。この厳しい冬を乗り切れたのだから、断熱性もしっかりしているのだろう。いいな、俺も欲しい。全国の数カ所にこれを置いて、複数拠点にしたい!


「じゃあやまけんさん、さっそくですけど美瑛のいいところを廻りましょう!」(石川さん)

と車に分乗し、また移動。めざすは「あらいふぁーむ」。



あらいさんは、昔はバリバリの営業マンで、茅場町あたりで働いていたそう。それが北海道へきて「ここで暮らしたい!」と一念発起して移住。そして、農家さんのもとへ修業に入り、数年後に美瑛で独立したという。


あらいふぁーむにつくやいなや、コンテナハウスから同行していたチョン テウ君が「あ、それじゃ、キムチの状況みましょうか」と。


チョン テウ君はいまアンダー30で注目を集めているモダンコリアン料理を得意とする料理人だ。Chef-1グランプリなどで活躍しているのでご存じの方もいるかもしれない。彼も石川さんに引っ張られて、美瑛に足を伸ばして韓国料理のワークショップなどをしているそうだ。えっ なんで美瑛でモダンコリアン? と思ったら、、、

「やまけんさん、いま日本に海外から観光に来ている人の三割以上が韓国のひとなんですよ。彼ら彼女らが喜ぶ料理って、やっぱり日本のそのままの料理ではないんです。でも、日本の味にひと味足すだけでもまったく喜び方が変わります。そういうアドバイスをしに来たんですよ。」


という。なるほどぉ、、、ちなみに石川さんが彼をフィーチャーして開催したワークショップが下記だ。

■リンクドファーム美瑛:韓国料理人、チョン テウさんの事業者向けワークショップを開催 | Food Field Creative|フードビジネスコンサルタント
https://ffcnippon.com/2023/11/01/%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%89%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%A0%E7%BE%8E%E7%91%9B%EF%BC%9A%E9%9F%93%E5%9B%BD%E6%96%99%E7%90%86%E4%BA%BA%E3%80%81%E3%83%81%E3%83%A7%E3%83%B3-%E3%83%86%E3%82%A6/

このワークショップで漬け込んだキムチを、漬け込みのかなり初期段階で、味見させてもらった。


ん、、、

旨い!

最初に感じるのはハクサイの爽やかな甘味だ。そこからビリッと辛みが効き、ヤンニョムの複雑なうま味が展開していく、、、


「じつはこれ、ヴィーガン仕様なんですよ。いろんな人たちが食べられるように考えて、素材を活かしたらこうなりました。」

えええええええっ まじ!? そうとは思えない爽やかなコクが出ている。このⅠヶ月後にまた食べたいと、心の底から思ったのである、、、


さて、観光もしっかりと。はい、青い池です。


湖面が凍結してしまっているので、映える写真は撮れませんでした、、、って、俺の腕ではどうやっても映えないけどね。それにしても、この水中に残されたカラマツも、かなり朽ちてきている気がする。


数年後には失われてしまうかもしれないね。また、綺麗に見える時期に再訪したいものだ。今度は三脚を持ってくるぞ!

おつぎは白ひげの滝へ。


素晴らしい風景、、、遠景の山の稜線に雪が風に舞っているのが美しい! あ、この写真は同行のカメラマン・畠田くんにマンフロのBefree三脚を借りました。ありがとうね!


と、お腹も空いたので、フェルム・ラ・テール美瑛へ。


「バターチーズサンド」が超・有名な店「ラ・テール」の、ファームレストランである。


このバターチーズサンドをあとでいただいたのだけれども、、、禁断の味だね、、、すばらしくおいしい!


この店のレストランで、美瑛の味を盛り合わせたランチをいただく。


まずは、この美瑛での農泊プロジェクトの中心にいある、ファーム千代田のミルクが飲めるというので、一杯いただく。


ジャージー牛を、粗飼料多給で育て搾乳しているファーム千代田の牛乳、とてもおいしい。ジャージーだと、コクがありすぎて飲み疲れてしまうことがあるのだが、適度なコクでのみやすい!

そして、このミルクからつくったバターがついたパンの盛り合わせ!


いや最高においしい、、、


菊芋のポタージュといっしょにパンをいただくが、パンばかり先行して食べてしまうではないか!!!!

「お待たせしました、びえい豚と美瑛のお野菜のグリルです!」


美瑛には地元の養豚業者は二軒あるそうだ!そうだよね、北海道は本来、豚肉文化。


美瑛豚、とてもおいしい。脂質がよくて、肉の部分もふっくら保水性が高い。ソースとの相性もよく、おいしく最後までいただきました。



やや日が落ち始めた頃「じゃあやまけんさん、ファーム千代田の綺麗な丘を観ながら、今日のお宿にいきましょう!」と声がかかる。

そう、ようやく今回のたのしみであるファーム千代田とお宿にいけるのである。(つづく)