ブラ3日目、ピエモンテーゼ牛の生産者訪問の後はブラの街に戻り、食科学大学の卒業生がブラの街を案内してくれるという趣向。
まず「ここに入りましょう」と促されたのが、薬屋さんのように薬缶が並ぶ店。何かと思ったら、スパイスショップなのだという。Sardo&Quaglia という、ブラでは有名なスパイス&ハーブ&アロマショップだ。
左のシニョーラが店主のテレジーナさん。客の好みを聞いて調合する達人なのだそうだ。
もともとは腸詰め(サルシッチャ)用のケーシングや調合スパイスを調整していたらしいが、彼女の代になってから幅を拡げ、各種スパイスやハーブ、アロマまで仕事を拡張。小さなショップだが、実は工場があり、卸売がメインの仕事である。
わかりますか?納豆が売られていた。でも「NATTO MISO GIAPPONESE 250g 7€」とあるが、納豆なのか味噌なのかちょっとわからない(笑) 値段からすると納豆かなあ。
あらかじめ発注しておいてくれたようで、特製スパイスミックスをいただく。何に使えばいいんだろう、、、ちょっと、わからなかったのだが、とりあえず肉にかけてみよう(笑)
テレジーナさん、あ、写真の水平がとれてなくてゴメンナサイ。
お次は、イタリア食科学大学の卒業生がブラで営むリストランテ「テオシント」へ。
テオシントとはトウモロコシが属するイネ科の植物分類。
ここではヘーゼルナッツの食べ比べや、ブラ名物のサルシッチャ・ディ・ブラのテイスティングを楽しめた。
そして、コースの最後はスローフード運動が始まった場所と言われる店、オステリア・ボッコンディヴィーノへ。
ブラの建築は、通りに面した間口はとても小さいのだが、そこをくぐると広い中庭があって、その中庭を囲むように建物が配置されているところが多いようだ。イタリアではこれが普通なのかな。城壁に囲まれたお城の作りを、庶民の家も踏襲しているのだろうか、興味深い。
ここでスローフード的食材のレクチャー。
終了後、いったんホテルに戻って、夜はまたここボッコンディヴィーノで会食だ!
スローフード運動が生まれる前夜、創始者であるカルロ・ペトリーニや中枢のメンバーが夜な夜なこの店に集い、議論を交わしたのだという。
ここでスローフード協会のスタッフで、ブラジル出身の学者でもあるカイロさんと合流。彼が女性陣にワインをセレクトしてくれていた!
本日の品書き。といっても、この店のコースはほぼ決まっているようで、アンティパストは肉の前菜三種盛り、プリモはアニョロッティ・ダル・プリンのローズマリー風味、セコンドはウサギの一皿だ。
肉の前菜三種盛りは、この辺で前菜といえばこれ、のサルシッチャ・ディ・ブラ(さっきも食べた)、カルネクルーダ(タルタルね)、そして今回初めていただいたラルドだ。ラルドは豚肉の背脂の部分を塩漬けにして長期間熟成したもの。
どれもピカイチにおいしかった! とくにラルドが素晴らしい。口の中でとろけ、芳香が立ちのぼる。
ワインは、この地方に来たのだからバローロかバルバレスコだよね。僕はバルバレスコをいただいたが、実にすばらしい、深みと奥行きのある味わいだった。
アニョロッティ・ダル・プリンもこれまで食べた中でピカイチ。
お皿に入っているスローフードマークがきらり。そう、実はこのボッコンディヴィーノがある建物こそ、スローフード協会の本拠地だそうで、事務局や出版部がはいっているそう。
さてこれがセコンドのウサギ料理だ。
ぜんぜん予想と違った! Tonno di Coniglio con verdurine という料理なのだが、トンノとあるので、イタリアでよくあるツナとマヨネーズソースをミキシングしたソースを、ウサギをローストした上にかけたものだろうと推測したのだが、、、野菜には南蛮漬けのような甘酸っぱい、アグロドルチェを思わせる味付け。蒸したウサギ肉をツナのようにほぐして甘酸っぱい味付けでいただくというものなのだろうか。
イタリアではじめて食べる味で、経験値が上がりました。
そして、この店で絶対に食べないと! と世界のシバタさんからも教わった、パンナコッタ。
たしかにこれは素晴らしかった! ただただ煮詰めたクリームで構成されているかのような、シルクのような舌触り。一回は食べておくべきパンナコッタでしたね。
いい夜でありました、、、