この間の帯広のエントリでラーメンサラダのことをちらっと書いた。
ラーメンサラダとは、茹でた中華麺を水で冷やし、水を切ったのを野菜サラダと一緒に盛りつけて、ドレッシング(ゴマベースが一般的なようだ)で全体を和えて食べるものだ(と認識している)。北海道ではだいたいどの居酒屋に入っても食べることができるこのメニュー、僕は帯広で大好きになってしまって、よく食べるようになった。
そうしたら、上記のエントリを読んだ「望月製麺所」の社長である泉田さんから、どさどさっと北海道産小麦を使ったぜいたくなラーメンサラダ用の麺・タレセットが送られてきたのだ!
「ラーサラ三郎」というポップなネーミングのこの製品、ラーメンサラダのポータルサイトなるものから飛び出したプロジェクトの商品らしい。そのラーメンサラダのWebはこちらだ。
■ラーサラ三郎
http://www.ra-sala.com/
で、内容物はこのとおり、中華麺とごまドレッシング。
この麺、北海道産小麦100%で、ホクシンと春よ恋という二品種をブレンドしたものだそうだ。ゴマドレッシングにもきっちりこだわったということで、さっそく家で造ってみた。
とりあえず野菜ばっかりだが、、、
レタス・キュウリ・ミニトマト・人参・タマネギスライス・モロヘイヤの湯通しタタキ。
ちなみに僕が毎日、肉肉肉!な日々を送ってると思っている人もいるようだが、実際いは自宅で食べるのは圧倒的に野菜です。家に来たらわかるよ。
さてここにドレッシングをかけていく。
あとはもうかき混ぜて食べるだけだ。
あのですね、一言で言って、
「極めて旨い!」
モチモチして、きっちり粉の香りもする道産小麦の麺は実によい。ゴマドレッシングは見た目よりこゆい味で、しっかり野菜などの素材にも味をつけてくれる。野菜はきちんと水気を切っておくのが吉だな。やっぱりラーサラは実に最高。
こちらは同じく道産小麦100%使用のざるらーめん。スープがきっちりとラーメンスープの濃縮版になっているのがポイント。
みよ、この見事な麺!
群馬の「だんべうどん」のときにも書いたけれども、僕はこれから、国産小麦の復権が始まると思っている。どうしたって海外産の小麦の価格高騰がおさまらないのだから、国産へのシフトは進むだろう。しかしそれだけじゃなく、やっぱり用途によっては国産小麦の方が旨いということになるはずだと思っている。
北海道の空知では、ホクシンに続く新しい小麦品種が育成されていて、さぬきうどんに使われているASW(オーストラリアン・スタンダード・ホワイト)に対抗できるくらいのポテンシャルがあるそうだ。これについては9月か10月に観に行ってみたいと思っている。
ざるラーメンももちろん旨い! 気持ち、もう少し濃縮スープの量が欲しかった。そしたら、麺を食い終わった後に、ゆで汁を注いで割りスープとかできるでしょ。泉田さん、どうでしょうか。
送ってもらった御礼をしようと電話したところ、なんと偶然にも業界の会議で東京にいるとのこと!そして翌日14時の飛行機で帰るという。実はその日、僕も14:55発の飛行機で広島に向かうところだったのだ!ということで、銀座の蕎麦「流石」にて邂逅。
泉田さん、すげー面白い人だった。どっちかというとデザイナー系の出身。奥さんの生家が製麺所だったということで、北海道の登別にて製麺所を切り盛りする。商品開発やPRなどは、ほぼ泉田さんが考えているのである。
流石の蕎麦は気に入ってもらえたようでよかった。僕は明日、いただいた道産の蕎麦を茹でます。
泉田さん、ご馳走様。ラーサラ、最高ですよ!食べたことない人はぜひ通販で買って試してあげてください。これからは国内産の原料を、高くても突っ張って使っている業者さんを応援してあげなきゃいけない。でもそれは悪いことじゃない。だって単純に旨いんだから。
先日の地震は東京にいてもびっくりするくらいの揺れを感じるものだった。朝、すぐに二戸市浄法寺の杉澤君に、被害などないか、という連絡をいれた。
「ん~ ここんとこ地震が多いんですけど、うちの方は岩盤が厚いらしくて、ほぼ被害はなさそうです」
ということだ。ひとまずは安心。もちろん、浄法寺の短角牛の肥育体制に関してだけの話であり、近隣地域では地震により難儀している人もいるだろう。速やかな復興を祈るばかりだ。
ああ、後もう少しで地獄の報告書作成が終わる、、、ともうろうとした気分の中、久々に欲しいコンパクトデジカメが出るらしい!
■パナソニック LUMIX DMC-LX3
http://panasonic.jp/dc/lx3/index.html

今まで、パナソニックのデジカメは使ったことがなかったんだけども、これはスゴイですね。何と言ってもレンズが、、、ライカのズミクロンシリーズでなんとF2.0! あ、でもそれは広角側か、、、と思いきや、望遠端でもF2.8! すげー! しかも手ぶれ補正も強力らしいので、かなり撮影の自由度が高くなりそう。
コンパクト機は、リコーのGR-Dを買ってしばらく使ってから、なんとなく使わなくなってしまった。28mmという広角の画角が個人的に好ましくなかったことと、ISO400くらいにするとノイズが致命的に多くなって、がっかりしてしまうということがその原因だった。
しかし、このLX-3はCCDも1/1.63型と大きく、しかも画素数を1,010万画に押さえることで、受光面積を確保して感度を高めたという。サンプルを見る限りではかなりシャープな画質だ。
うーーーーーーーん
仕事地獄から逃れたら、自分へのボーナスとかなんとか言って買ってしまいそうな予感がしてしまうのであった、、、
先日、二戸に行った際、帰りがけに駅前の雑穀茶屋「つぶっこまんま」に寄ると、
「あら、ヤマケンさんに渡すものがあるからって、駅にいったわよ」
とのこと。改札に行くと、安藤さんが包みを持って待っていてくれた。雑穀料理の中でも、結局はこいつが一番旨いと思うおにぎり。そしてタカキビの団子「へっちょこだんが」の汁粉。そして、箱が入っていた。
「うちで採れたサクランボ。美味しいと思うから食べてね」
家に帰って箱を開けてビックリした。等階級でいえば「特秀」クラスであることは間違いのない、超・大粒で形の揃ったサクランボだ。これを市価で買ったら、一箱6000円はくだらないだろう。うーむ 直美さんありがとう、スゴイものをいただいてしまいました。
アメリカンチェリーも美味しいものだけれども、やっぱりサクランボの繊細な甘さには叶わない。このドでかいサクランボを作り出す技術に、名品種・佐藤錦をコルト台という台木に接ぐというものがある。台木と佐藤錦の相性で、味のよい大玉が多量に着果するらしい。もちろんその分、高度な栽培技術を要するとのこと。
二戸の産直所には「コルト台使用」という札の着いたサクランボがたくさん売っていた。そこで、ちょっと傷モノの安いのを数パック買って帰ろうとしていたところだったのだが、とにかく直美さんの家のさくらんぼはものすごい気品に満ちあふれた、まさに宝石のようなものだった。
つつしんで、嫁さん以外の誰にもあげずに独占していただきました。ご馳走様でした!
4月18日のエントリでお届けした、群馬県の富士見村で、群馬県産の小麦粉を石臼挽きしてうどんを供する「だんべうどん」のエントリ。
これからは地粉の香りに満ちたうどんの復権が始まるに違いない! 群馬県勢多郡富士見村 「だんべ」 のキンピラゴボウ入り肉汁うどんは、むせかえるような地粉の香りに満ちていた!実は結構これを読んでわざわざ富士見村に足を運んだ人が多かったらしく、ご感想メールなどいただいた。
そしたらつい最近、だんべのご主人からは御礼の電話がかかってきた。
「いや社長(←なぜか僕のことを社長と呼ぶのだ)、おかげさまで、テレビが取材に来てくれました!とのこと。」
テレビは本日のテレ朝「スーパーJチャンネル」で、18:19~くらいからだんべのことが紹介されるらしい。
スーパーJチャンネルのスタッフも僕のブログをみて取材に行ったそうだ。そういうことならもっともっと地方のよい店を紹介していかないといけないな!
僕は仕事があるので番組観られそうにない。残念だが、家にいる人はぜひ見てあげて、そして足を運んであげて下さいな。まだもっと佳くなる伸びしろを残した店だけど、今の時点で十分に美味しく、楽しめる素晴らしいうどんです。
本ブログでもかなり以前から濃密に登場する産地の一つが、北海道は十勝平野の農協組織であるJA幕別町だ。過去ログをみれば、ここでの水先案内人として必ず出てくるのが岡坂さんとノムさん。思えば、前の会社にいた頃に出会っていたのだった。当初は農林水産省のプロジェクトを手伝っていただいたのだが、彼らにとってはなんらメリットのない、大変な作業をおつきあいいただいた。それ以降、つかず離れず、いろんな面からおつきあいが続いている。
しかし、講演に行ったのは初めてだ。呼んでくれてどうもありがとうございました。(とはいっても6月の話です)
この日はノムさんは、全国から集まる市場関係者の対応に大忙しだったので、岡坂さんと成田さんがお相手をしてくれた。この店は、彼らとうち解けるきっかけとなった「蕎麦 いつき」。幕別町の蕎麦もまた旨い。ここで僕は鶏肉ゴボウ蕎麦&豚丼のセットを2人前くらい喰って、課長(当時)をあぜんとさせ、それをきっかけにジリジリと仕事をおつきあいいただけるようになったのである。
あのときの「喰うことで俺の記憶に残ったのはお前が初めてだ」という言葉が忘れられない。
これがその思い出のとりゴボウ蕎麦である。北海道ではやっぱり暖かい蕎麦が旨い。
岡坂さんが今担当している、長芋の新品種である「わねんじょ」のとろろ蕎麦。普通の長芋よりも純白度が高く、なによりひげ根が一切ないつるつるてんの長芋。糖度が若干高く爽やかな味なのである。
講演終了後、帯広市内で飲み直し。
帯広の居酒屋に必ずあるメニュー、それはラーメンサラダ。
これが存外に旨く、いつも頼んでしまう。おそらくラーメンもゴマドレッシングも全て業務用で同じモノが出回っているんだろう、どこでくっても同じレベルの味で、逆に安心。
〆はいつもどおり、夜の町の中心街にあるロイヤルビル1Fの立ち食いそば屋にて、天麩羅カレー月見うどん。
この店のカレーはなぜか激うま。ご主人の奥さんが家で仕込んでいるらしいが、普通の家庭風カレーなんだが、実に滋味溢れる旨さなのである。
バターの不足が続く中、十勝ではチーズの方に力が入っている。
チーズ工房NEEDS
http://needs-kashiyuni.com/
よくある、パンチのない味のチーズかと思ったが、ハードタイプのはコクがあり、カマンベールタイプのものもきっちりと個性があって美味しかった。カチョカバロはこれから食べます。ご馳走様でした!
この週末は短角牛関連のイベントが目白押しだった。土曜日は京都の焼き肉「南山」で、関西の飲食業界の方々が集まる短角牛食べ比べ会。これについてはもう少し時間ができたら詳細レポートします。
合間を縫って、京都大学で助手をしている友・大石の先導で田鶴さんの農園に。夏場はわりと恒例となってきた。
今年はキリンビールのCMが賀茂ナスを採り上げているが、実はあれ、田鶴さんとこの賀茂ナス使っているそうだ。昔、大石家で、田鶴さんとこの賀茂ナスを僕が麻婆ナスにしたら「おいおいもったいない、、、」と大石は嘆いていた。でも賀茂ナスの麻婆ナスは旨いんだよね。
もう収穫の終わりになってきた賀茂ナス。ナスは長期間収穫できる作物だが、祇園祭の時分を超えると種が大きくなって、料理やさんから嫌われるのだそうだ。

かぼちゃの表面をひっかいて傷をつけておくと、自己修復でコルク質に盛り上がってくる。これを利用して字を書いたものを、祭りで配るらしい。

さて、仕事仕事!
納豆業界の講演を引き受けることになった。講演料を安くする変わりに、10ヶ月いろんなメーカーから納豆を送りますということになったので、そりゃ面白そうだと引き受けることに。
そして先月から、月の10日に段ボール一箱の納豆が、各所から送られてくることに、、、
納豆メーカーは、原料大豆の高騰と、包材の高騰でかなり大変だと思う。納豆や豆腐などの日配商品は利幅が狭く、鮮度が要求される厳しい商品カテゴリーだ。けれども、日本の食卓を支える基盤といってもいい食品群でもある。ぜひとも歯を食いしばって頑張って欲しいし、それ以上に消費者は多少の値上げは許容して、買ってもらいたいと思う。
4種類食べ比べ。何もつけずに食べ、タレをつけて食べ。1パック45g程度たから230g程度は食べることになる。食べる仕事は結構大変なのである。
やっぱり大粒納豆は旨い!
小粒納豆は舌触りやのどごしがいいけれども、豆の味がするのは大粒だ。
ちょっと時間ができたら、各社さんの納豆をきちんとレポートしたいと思う。
いやーさすがに俺もヤキがまわりました。
帰宅して靴を脱いで「?」

見事に左右違う靴で町中を歩いてしまった、、、
会社にスーツと革靴を置いておいて、お客さんによって外出時に着替えたり履き替えたりしているのだけど、こんなのは初めてだ。自分でも笑ってしまった。疲れてるなぁ、、、
お口直しに朝、会社に向かう途中の花。
僕は自分でもビックリするくらいに、食べることができない植物については全く識らない。
花なんて、基本的な品種でも名前を全く識らない。
だから、世の中にこんな綺麗で不思議な咲き方をするあじさいがあるとは思わなかった、、、
葉の形状からするときっとアジサイだとおもうんだけど、スゴイ花だ、、、4分ほど立ち止まって撮影してしまった。この花について詳しいこと識っている人、教えてください。 
農水省の地下第一食堂といえば、用事が終わった後についついふらっと入ってしまう場所だった。もちろん、旨いわけではない。けれども160円で食べられる盛りそばなんて、どんなに美味しくなくたって、今時文句のつけようがない。
「けれどもね、もっと国産の素材をきちんと使ったものを推進していきたいんですよ!」
と意気軒昂におっしゃるのが、本ブログではおなじみになりつつある、自給率向上に燃える農林水産省の参事官・塩川白良さんだ。ちなみに「白良」で「しらら」さんと読む。実にユニークなお名前である。
「やまけんさんね、あの食堂をリニューアルします! 国産度の高い食材を使ってくれる業者さんを募って、いまデザイン中なんですよ!」
という話は聴いていた。それが完成したということで足を伸ばしてみた、、、のは、短角オフ会を実施した6月23日である。もうちょっと旧聞に属する話で申し訳ない!
塩川さんにご案内いただいて会場に入ってみると、テレビなどマスコミがごった返している。きけば農林水産大臣がやってきて試食をするのだという。そうかそうか、、、と思いつつ、このプレス発表でしつらえられた卓上をみやると、国産率の高い食材を使った料理が並んでいる!
食堂内には3業者が入っていて、「和食・どんぶりのおはち」と、「おむすび権兵衛」と「そば・うどん藪伊豆」というラインナップになっている。なんとあの藪伊豆である!過去ログの国会議員食堂編で僕が「藪伊豆オーバー!」と叫んだあの藪伊豆の蕎麦が農水でも食べられるのか!
ちなみに食堂ということもあり、蕎麦・小麦の割合5:5の蕎麦であるが、国産率を高くして450円という価格に抑えている。外国産のそば粉を使ったものがもっと安く提供されるらしいが、ここに来るならやはり国産率の高いものを食べた方がいいだろう。

「おむすび権兵衛」は最近認知度が上がってきたおむすび 専門店で、ここのおむすびは旨いな、と前々から思っていた。社長さんの口上を聴く限りでは、産地と直接契約取引をして、その産地の人を店員に雇用したりしているらしい。
和食の「おはち」のメニューを見ると、これを国産素材100%で造るのは、結構大変だろうなぁ、と思える内容だ。鯖、ゴボウ、白和えの豆腐など、この辺を正直に国産に限定するとなると、通常の職員食堂の価格じゃなくなっちゃいそうだ。でも、こういう部分から国産化を進めなければ、「和食」といえないよなぁ、という心情がある。「おはち」にはぜひ頑張っていただきたい!
大臣が来場し、セレモニー。もちろん司会進行は塩川さんだ。広角レンズで撮ったから、頭の形が変に写っちゃってゴメンナサイ~!
大臣、3店舗の食事を一口ずつ試食。
「試食だけで、全部は食べられないから、もったいないなあ。ちょっと包んでおいてください」
と言っているのはとてもよかった。
にこやかに食堂のことばかり話しているところで、無粋な記者が
「食の安全が疑問視されている状況で、飛騨牛の偽装事件が発生しましたが、どのようにお考えですか!?」
などという、本当にセンスのない質問をとばす。思わず苦笑する人が多かった。大臣、落ち着き払って受け答えしていたが、そんなおおぐくりな、しかも答えようのない質問をとばす記者のセンスを疑う。あなたみたいのが騒ぐから、食品騒動が不必要なまで過剰に増幅されていくんじゃないか?
セレモニーはつつがなく終了。今度はきちんとお金を払って食べに行きますね。
ちなみにこの食堂は農水省に用事のない一般人でも入場可能だ。詳細は下記リンク先を参照のこと。
仕事の合間を縫って二戸へ。実はきたる14日(月)に、都内某所で短角牛のイベントを開催する。23日に行ったオフ会とは違い、お客さんを料理人&料理マスコミ限定とするものだ。
当日に調理をするのはなんと、、、ラ・グラディスカの堀江純一郎シェフ。今、イタリアンの世界で、しかも肉の焼き手として注目されている人である。その準備もあり、新幹線に乗って二戸へ。社内では原稿三昧。
20:47に到着後、すみやかに短角亭へ移動し、当日お話しする講演内容を打ち合わせしながら食事。
写真は、本当は昼にしか出ない短角牛丼ランチセット。これが実に好評だという。確かにカルビなど焼いたのがどさどさと載っていて旨い!
翌日の二戸は、雨の予報だったが、駅周辺では晴れ間まで見えていた。![]()
二戸駅前から浄法寺行きのバスに乗って30分くらい上ると、市役所の浄法寺支所に到着。僕の短角母子を世話してくれている杉澤君と落ち合って、山に登る。
山の天気はめまぐるしく変わる。残念ながら登り出すとすぐにガスがかかっていて、一種幻想的な雰囲気のなかに短角の群れがいた。
ええと、やまけんちゃんの牛はどれだったっけな、、、と探す。短角の群れはだいたい45頭くらいで、その中に一頭、雄種牛が入っているというハーレム状態だ。
短角に限らず、牛は群れるのでだいたいの位置を把握しておけば、広大な面積の牧野をあっちこっち廻る必要はない。
「日差しが強いと林の中で涼むから、外から見てもよくわからないんだ。今日はかえって探しやすいよ」
とのこと。
「ああ、いたいた。あれがさちちゃんだよ!」
おお、本当だ、「さち」だ!
僕が命名した「さち」。3ヶ月ほど逢わないうちに、いかつい身体になってたらやだなぁと思っていたが、さすがに雌牛だけあってそんなことはない。
やっぱりうちの子はかわいいぜ~
しかし、、とても気になることが起こっていたのだ。さちに限らずこの牧野には母子関係にある牛が10組くらいいるのだけど、子牛は乳を飲みたいので、母のところにすり寄っていく。近くに母牛がいない時には、「もぉおおおおお」と声を上げて母を呼ぶ。そうすると母牛もなんらかのコミュニケーションを返して、ご対面となることが多い。
しかし!
僕がオーナーとなっているこの母牛ちゃんは、さちに乳を飲ませようとしないのだ!
さちが彼女を見つけて近寄っていく。乳にむしゃぶりつこうとしているのだが、、、
母はぷいっと去っていってしまうのだ。
哀れ取り残されるさち、、、
なんてこったい!
最初のうちは僕も冗談ぽく杉澤君に「おいおい、育児放棄かよ」と言って笑っていたのだが、そのうち杉澤君がマジ顔で「うーん本当に乳を飲ませたがらないでいるなぁ」という。
どうやら、彼女の乳がちょっと腫れている状態らしい。
「本当はそういう、張っている時ほど乳を飲ませた方がいいんですけど、彼女はまだ初産だからそういうことがわからないのかも知れないね。」
えええええええええええええええ
なんだよぉ、、、そんなのありなのか、、、
ちなみにその周りでは当たり前のように授乳風景が繰り広げられている。
牛は愛情細やかな生き物だそうで、1年以上乳を飲ませるらしい。草も食べるし乳も食べる。それで大きく育ってくれる生き物なのだ。
でも、僕の母牛は今、さちに乳を与えてくれない。かといって愛情をかけていないわけではないらしく、隣りに寄り添ってはいる。
でも、さちがお乳を求めると、プイッと移動してしまうのである。仕方なくさちは草をたべる。でもお乳が飲みたい。「おうううぅうううう」と悲しそうに泣く。みていて切なくなる光景だ。
あろうことかさちは、他の牛さんの乳にすり寄っていくようになった。
「もらい乳」である。これは通常は成功せず、追い払われてしまうそうだ。事実この時すり寄っていった雌牛は、まだ未経産牛だった(妊娠したことがない雌牛ということ)ので、乳に吸い付いたとしてもなんにも出てこないのである。
うーむ
牛さんの世界にもいろんなことがあるらしい。
「まあ、次の衛生検査でいろいろ調べますから、また対策しておきますよ」