佐賀である。なぜ「リベンジ」か、というのはというのは、まだブログというシステムがなかった頃、この食い倒れ日記がメールで150人くらいに送りつけられていた時のエントリまでさかのぼるのである。
http://www.yamaken.org/kuidaore/20020308saga.html
懐かしいぜ、、、この頃は今以上に「書く」衝動が強くて、このテキストなんか、一通り廻った後に1時間くらいで一気に書き上げているはずだ。2002年といえば6年前。やっぱりいろいろと文体とかにも違いがあって、自分でも面白い。後半に出てくる、深刻な夫婦げんかしてた一家はどうなっているだろう。あの女の子も、多感な思春期に入っていることだろう、、、
さて、佐賀では畜産関係者に対する講演だった。
黒毛和牛中心の佐賀県の肉牛事情をしりつつ、「これからは赤身でしょう」という話しをずーっとしてしまった。でも、皆さん寝ないで聴いてくれてありがとうございました。
んで、終了後。
「山本先生は佐賀ではあんまりいい思い出がないみたいで、、、」
とみなさんが仰る。も、もしかして、、、
「『失意の佐賀編』は関係者みな読みました。あの辺は旨いラーメン屋はないんですよぉ、、、」
えええ、読んでたの?
「先生に何か喜んでもらえるモノがあるかと思ったんですけどね、佐賀牛でもご満足されないみたいですから、、、」いやいやそういうわけではないのですが、、、
そうした会話をするなか、佐賀の皆さんの口から数回でてきたのが、ローカル食である「井出ちゃんぽん」。どうやらこの辺の人たちがラーメンと同様に愛するのが、佐賀ではこの味がチャンポンの主流という「井出ちゃんぽん」らしいのである。
「じゃあ、そこ寄って帰りますわ」
「いえいえそれならお送りしますよ! 本当は佐賀からはちょっと遠い郊外に本店があるんですえkど、佐賀市内にも支店ができているみたいなので、、、」
ということで向かったのである!
ちゃんぽんは650円、、、でもね、やっぱりここは「ちゃんぽん野菜めん大盛り」850円でしょう!
待つこと4分くらいであろうか、調理場から、ものすごい盛りの丼が運ばれてくる、、、これが井出ちゃんぽんの野菜めん大盛りである!
ちなみに並盛りとの差はこんな感じ。
たっぷり盛られた野菜に絡んだスープの味は、まろやかな豚骨ベース、これをおかずとして白飯が食えるという味である。そして東京ではあまりお目にかかれないチャンポンめん、僕は大好き。ラーメンとは違い、かみしめる食感がたまらない。このストロング麺がスープに絡むわけだが、麺も野菜もぎっしり入っているから、スープ量は多くない。その多くないスープ量できっちり麺を食べさせる必要があるからだろう、実にこってりまったりしたスープ味で、これだけの麺量を食べ進むための推進力としてまったく不足を感じない!![]()
ちなみに卓上にはウスターソースの器が。
「もしかして、佐賀県民もチャンポンにはソースをかけるんですか?」
「そうですねぇ好みですが、、、やる人もいますね」
おおおおおおおお 熊本は氷川町の「みやべのちゃんぽん」のように、ちゃんぽんにウスターソースというのは佐賀においても愛されているのであった!チャンポンのまったりしたスープに、酸味と甘味をソースで加えることで、またアクセントが変わって食べ勧める推進力になるのである!
![]()
実に美味しゅうございました。勿論すぱっと完食。
今度はぜひ、まだ未体験の唐津に行って、海産物まみれになりたいものだ。
お世話になった皆様、ありがとうございました!
久々に大イベントである。現地まで来てくれれば、あとのバス移動費と飲食代は全部県がもつよ、という、岩手県ツアーを開催します。名付けて「いわて生産現場探訪ツアー」。
僕が短角牛のオーナーになったこともあって、岩手県の二戸振興局と久慈振興局が一緒になって「じゃあ、現地オフ会みたいなのやってもらいましょう」ということになったのだ。
内容はまさにゴージャス!
まず、国内では有数の、JAS有機認証を取得した、雑穀の神様である高村さんの畑におじゃまし、収穫直前のヒエやアワを見学。
そして雑穀茶屋「つぶっこまんま」にて、雑穀のお膳を昼食にいただく。
そのまま一路、浄法寺の稲庭岳に登り、短角牛が放たれている牧野に行く! ![]()
夜は勿論、「短角亭」にて短角牛を食べる!おそらく他ではなかなか出会えない、短角牛の内臓もこの日は食べることができるはずだ!
二日目はヤマブドウの生産現場見学と、久慈市の短角牛放牧風景、そしてあの郷土食「まめぶ」の試食も予定している。6日(月)の20時に解散予定だ。
このイベント、シェフ、料理雑誌等、そして一般の人向けである。上限35名程度になると思うが、現地までの移動費と宿泊実費以外はすべて岩手県が負担してくれるというものすごいツアーである。参加ご希望の方は、後日正式に申し込み手順をお知らせしますので、とりあえず日程だけは確保を!
では、佐賀~福岡出張に行ってきます!
今年で3年目になるアグリフードEXPOというイベントが、ビッグサイトで今日と明日の二日間開催されている。ビッグイベントになってしまったFoodexなどよりもちょっとだけ土くさい、いい感じの農業生産法人などが集まるイベントだ。
アグリフードEXPO2008
8月26~27日
http://www.exhibitiontech.com/afx/
このイベントも、最初の頃は各地からおそるおそる参加したという呈の出展者もすごく場慣れしていない感が強くて、それが逆に新鮮でいい!という感じだった。けど3回目にもなると、みな見せ方を工夫してくるものだなぁという感じだ。今日、ささっと歩いて、顔なじみを訪ね歩いてきた。一般の人も入れるので、行ってみるといいと思う。僕の「日本の食は安すぎる」に掲載させていただいたところがかなり多く出ており、試食させてもらえるしね。
※会場内は「写真撮影禁止」という札が出ていた。不思議に思って事務局にいって、写真撮影の許可を願ったところ、「各ブースの人から許可を得ればOK」とのことだった。本エントリに掲載する写真はすべて撮影許可をもらって掲載するものです。
■青森県の常盤村養鶏農業協同組合(トキワ養鶏)
青森のトキワ養鶏は、僕の本でもかなり関心を持たれる率の高い産地だ。物は何かというと、、、
そう、飼料用米の玄米を食べさせた卵、「玄米玉子」である。数日まえに朝日新聞の生活面に掲載されたので知っているひとも多くなったと思う。朝日の記事を書いたのはNさんという女性で、ここのところよく取材先でニアミスする、実によく勉強されている方だ。
しかし常盤村は玉子だけではない。養鶏・養豚、そしてそれらから出てくる糞尿を肥料化し、野菜や果物まで栽培している。しかし最も秀逸なのは、ハムソー、ベーコンなどの畜産加工品だ。
現在でもコープなどで販売されていると思うが、ここのベーコンやハム、ソーセージは文句なしで素晴らしい。合成●●●といったものをほとんど使わずに、実に美味しい商品を生み出している。現在、全国の夏場の気温上昇が激しい中、東北とくに青森の優位性はこれから高くなってくる。畜産においても、野菜栽培についても、稲についてもだ。これからのトキワ養鶏は見逃せない。
この方が常田さん。つい先日あったばかりだから、顔を合わせて笑ってしまった!
■JA日向 みやざき地頭鶏生産部会
宮崎県は入り口近くに大きなブースを構えているが、その一角に、JA日向の大堀さんがみやざき地頭鶏(じとっこ)のブースで出張っている。
ここの地頭鶏については過去ログご参照のこと。
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2008/04/ja.html
地鶏品種であるみやざき地頭鶏は、胸肉が圧倒的に旨いのが特徴。もれなく胸肉のタタキを試食できるので行ってみよう。
■ひまわり乳業(高知)
さて、
今回このイベントに初出場のひまわり乳業。過去、週刊アスキーで採り上げたとおり、ここはノンホモ・パスチャライズ牛乳を中心に生産する、四国の乳業メーカー。山地酪農も支援しており、低温殺菌の方式として、日本では珍しい連続殺菌法をとっているので、非常に美味しい牛乳製品がうみだされる。そして、その生乳で造るヨーグルトが実に美味い!
とりあえずこのひまわり乳業のブースにきたら、「不思議なヨーグルト食べたい」といってみるといい。何がすごいのかというと、おそらく日本では珍しい「ノンホモ・パスチャライズならではのヨーグルト」なのである。なにが違うかは、こうご期待。かなりビックリすると思うゾ。
この方(黄色いジャンパー着ている人)が社長の吉澤さん。ぜひ声をかけてあげて欲しい。
■静岡県 ネクト(お茶)
静岡県の農業法人協会の合同ブースでは、懐かしい顔が多くて立ち去りがたかった。静岡市内のお茶生産組合「ネクト」は、オンラインショップのページの立ち上げに携わったところだ。
べにふうきは、様々な健康効果がささやかれる特殊なお茶。試飲もできるので立ち寄ってあげて欲しい。
■静岡県 富士宮市 青木養鶏
オフ会参加者にはもうおなじみ、「駿河シャモ」を生産する青木さんである。
実は青木さんは静岡県の農業法人協会の会長さんなのであった。今回は駿河シャモではなく銘柄鶏の出品だそうだ。試食してみよう!
■六星 (石川県)
過去、かぶら寿司のエントリで書いたことがある、コメ主体の生産者組織が株式会社となった「六星」。就農塾をやったときに、新規就農ブログを書いてもらったタケが所属している。元気にやっているようで、パンフにも写真が載っていた。
石川は米どころ。もち米かと間違われることが多いというほどにモチモチした食感のコメをわっぱ飯に加工したものが今回の目玉のようだ。たしかにもちもち感強し!旨い!
■ポークランド 小坂町
秋田県と岩手県の県境にある町・小坂町。ここは養豚が盛んなことと、そしてホルモン幸楽の支店があるので僕は数回足を運んでいる。ポークランドは、農水関連の調査で行かせていただいているが、「桃豚」ブランドでイオンなどに出荷している優良な養豚企業だ。
■大分乾しいたけ
ここはできれば避けて通りたかった、、、
シイタケを持ってにっこり笑っているSさんは仕事のクライアントさんである。すみません、原稿かけてなくてゴメンナサイ!
■木次乳業
これもまた僕の本を読んでくれたひとならなるほどと思う、木次乳業。おなじみ加納さんである。島根でお会いするよりも、東京の催事で会うことの方が多い(笑)
1月31日には、この木次乳業の育てるブラウンスイス種の乳牛の肉を、他の和牛と食べ比べる会を開催する。関心のあるひとはどーぞ。
■りぞねっと (米粉麺)
最後に、いま評判を呼んでいる米粉製品だ。以前、山形県の高畠にて農協青年部に対する講演をしたとき、「これ、食べてください」ともたせてもらった米粉麺。それを造っているのがこの高橋さんだ。
堂々たる風格だが、実に思い切りと商才をもつ人だ。なにせ、いま彼のリゾネットでの米粉麺販売は絶好調。
この汁なし担々麺が実に美味いので、試食させて貰うといいだろう。
米粉麺にも、発芽玄米を使ったものなど様々なバリエーションがある。米粉パンもふくめ、今後の利用の方向性は実に広い。
ということで、見所いっぱいなアグリフードエキスポ。もし覗きに行くなら、声もかけてあげてくださいませ。
久しぶりに、水野氏と会う。なんとお互いの嫁さんが学友だったことが判明したり、接点が異様に多いのである。共通に仕事でお世話になっている編集者さんがいたりするので、そのK女史経由で、僕は水野氏の近況を聴き、彼は僕の近況を聴くという、間接的情報交換(笑)が成立していたのである。
それにしてもここ数年の水野氏のカレー関連プロジェクトの快進撃は停まらない。ユニットである東京カリ~番長の活動も「呆れるほどに最初から変わってないんですけど」ずっと続いている。変わらずに続くというのは、実はすんごく難しいことだから、素晴らしいことだと思う。
イベント以外には出版が目白押しだけど、彼の著作の中でピカイチと思うのは下記二冊だ。
| カレーの法則―スパイスマジックでつくる | |
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この本では、カレー作りの体系化がなされていて、その体系化のあり方が見事。こういうカレーをつくりたければこの方程式、という感じに解説されている。単に美味しいカレーの作り方、ではなくて、カレー料理のシステム化をしようとしているというわけだ。
それと、最近の傑作がこれ。
| 感動!炒カレー いつものルウだけで。未体験のうまさ。 | |
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「夢民」のように、炒めた具材にシャバシャバのルーを注いでできあがりというスタイルのカレーを愛好する向きには、この本はかなり面白いと思う。つまり、カレーといえば煮込むというのが常識のように考えられているけれども、市販のカレールーは特に煮込まなくても味が完成されている。だから、具材は炒めて美味しい状態にしあげ、そこに茹で溶いたカレールーを注いで、軽く煮てできあがりというスタイルのカレーレシピだ。これが実に的を射ており、最近の我が家のカレーは全てこの方式に移行しつつあるのだ。
ちなみに、6月に出たばかりだから最新刊といえるのがこちら。
| 初心者的カレーの鉄則 | |
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先の「カレーの法則」の内容もかなりここに集約されているらしいので、初心者にはこちらの方が取っつきやすそうだ。それに、さきの「法則」はすでに2年前。水野氏はこの2年間でインドに行ったりいろんな遍歴を経ているから、こちらを読んだ方が全く新しい基軸になっているはずだ。

ちなみに今回は水天宮の「シャンティーキラ」でカレーを食べた。まだ彼が行ったことがないというので、お連れしたのである。ここは「日本橋ぼんぼり」や「東京バルバリ」を運営するシャンティーオブライフが出している。つまりカレーのレシピはほぼバルバリの小池シェフがやっているのだけれども、実はしばらく前から本場インド人シェフが参入!
実は彼は、日本の某有名カレー店のシェフをしていた。
「えっあの店の!?」
と僕も水野氏もビックリ。メニューには二品~四品くらいの、ほんもののインドカレーが載っている。その中のソフトシェルクラブのカレーというのがあって、こいつが超・絶品であった!水野氏も「これは初めて食べる味ですよ!」と絶賛していた。
お互いに繁忙なのでランチ時に設定したこの邂逅、ずいぶんと深く多岐にわたった話をしてしまった。彼も僕も似たスタンスが一つあって、それは「本業以外」の部分の活動をどうしていこうかね、ということだ。彼にとってはカレーは本業ではない。僕にとっても食い倒れ日記は本業ではない。でも、お互いその本業ではない部分での活動が、人生の重要な推進力となっている。そのバランスをどうやって保っていけるのか、とか、仕事とのバランスとかについてあーだこーだ喋った。その辺のことを素直に話できる人ってそういないからだろう。話し込んでしまい、気づいたら2時間経っていた。
「じゃ僕、明日は○○でカレーイベントなんで、これから現地入りします」
え、まじ!?
すげー人だ、水野仁輔。今度、自宅でカレー、食わせてください。
ありがとう!
和牛には黒毛和種、短角和種、そして褐毛和種、無角和種の4種類がある。褐毛は正式には「あかげ」と読むらしいが、この褐毛和種を育てている地域が主に二つある。一つは有名な熊本のあかべこ。阿蘇山で放し飼いの風景を見たことがある人も多いだろう。
そしてもう一つが高知県。山間部が多い高知県内では、放牧で牛を飼う山地酪農をしているひとが結構いるのだけれども、肉牛である褐毛和種についても、母牛と仔牛については放牧で育てているところがある。
今回は高知県の畜産試験場で、本物の褐毛を見せていただいた。のみならず食った!
これは雌牛。ブラウンスイスにもにたチャーミングな牛ちゃんだ。
冒頭の写真はこの褐毛種を肥育した去勢牛のサーロイン。みておわかりのとおり油が相当に載っている。これは、黒毛和種と同じように穀物で肥育しているからだ。いってみれば、短角牛と黒毛の中間くらいのサシの乗り方。アミノ酸のうま味もたっぷり。実に美味しいけれども、個人的には粗飼料のみで肥育した褐毛を食べてみたいと思った。
今回の店「はがじぞう」では、なんと超希少な、褐毛のタンを食べさせていただいた!すげー旨い!健康な和牛のタンは、食感がシャクシャクしていて最高である。
この褐毛種を粗飼料肥育してみたい、、、
一頭、飼うから粗飼料だけで育ててくれませんか?とお願いして帰ってきた。
短角牛の次は褐毛か、、、来月は阿蘇の褐毛和種も見学にいきます。

ホロホロと崩れそうな白身肉に、グリーンの鮮やかなペーストが添えられている。いったいこれなに?と食べてみてビックリ、肉質は実にホロホロと気持ちよく崩れ、実に味わい濃ゆく、軟骨のバリバリ感も味わえる逸品である。緑のペーストの適度な酸味と強い刺激のある香りは、身肉の独特なクセを押さえてあまりある。
これ、 実はエイの肉である。エイはもともと、死ぬとアンモニアを発生させて腐敗の進行が遅くなるので、内陸ではサメの肉とともに重用されたという。けれどもこのエイは鮮度の佳いものを茹で上げたもののようで、実に上品かつパワフルな味であった。
「これはヤマケンに、うち(竹鶴酒造)の社長から差し入れ。ワシは今日は行けんから、せめてこれを食わせてやってくれって持たせれくれたんだよ」
と、広島空港に迎えに来てくれた石川タツヤンが言う。ありがたいものだ。
竹鶴酒造は広島県竹原市にある伝統ある酒造で、今や純米酒好きで「竹鶴」の名を知らぬものはいない銘酒を産み出している。石川達也は、30代でこの蔵の杜氏に就任した若きホープ、というより、40代半ばにさしかかった今はもう中堅か中核といったほうがいいだろうか。竹鶴と僕の関係は過去ログにあるので、関心のある方はぜひどうぞ(懐かしいなぁ、2004年のエントリだ、、、)。
■広島・竹原に名門酒造あり~ 竹鶴酒造 極秘潜入酒池肉林ルポ的私信 その1
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2004/03/post_181.html
さて今回は出張の前泊で、タツヤンのご自宅へ泊めていただくことに。これもまた2004年3月26日のエントリにあるけれども、4年ぶりになるのか!過去ログみると、俺もタツヤンも、そしてタツヤンの美人奥さんである良枝ちゃんも若いなぁ!
それにしても、久しぶりなのだけれども、石川家の超重要日本酒専用冷蔵庫(でもたまに今日のおかずとかが入る)は、レアな酒で埋め尽くされていた。
「この美和桜っちゅう酒が本当によく頑張っていてねぇ、実にいいんだよ」
ということでいただく。
むうぅ、、、
確かに綺麗な飲み口ながらストロングな酒! 食中酒としてもいいし、酒だけでも最後まで呑みきりたくなるような佳い酒だ。
しかし面白かったのは、タツヤンが「実はねぇ、このところ一番注目してる酒がこれなんだ」と出してくれた酒だ。
これ、なんと大手酒造メーカーの「沢の鶴」の酒である。「山吹色」は酒の色で、白い磁器の猪口に注ぐとたしかに山吹色である。純米酒ファンならいうまでもないだろうが、酒には本来色がつく。これを炭濾過すると綺麗な透明になり、端麗ですっきりした、雑味のない味になる。しかしそれは逆に、酒本来の味である渋みやうま味を除去していることにも繋がる。まあ、好みだけどね。
「山吹色の酒」は、大手メーカーである沢の鶴が極力濾過を抑えて造った商品だ。しかも純米、そして生もと! これは珍しい!そして、、、確かに旨い。実にまともでまじめな酒の味がする。紙パック酒として出ている商品は買う気になれなかったけれども、これはイイ。
「ある会でこの酒の製造担当の人に出会ったときには、嬉しくって激賞しちゃったな。こういう商品が大手さんから出ることで、日本酒好きの幅が拡がればいいよね!!」
とタツヤンは言う。自分の酒が売れることよりも、他人が佳い酒を造る方が嬉しそうな、限りなくいい人なのであった。ちなみに彼が上の写真で着ているTシャツは、北千住の焼鳥「バードコート」のものである。そう、まじめな人はまじめな人を知る。バードコート野島さんとタツヤンもまた友なのである。
さて、エイである。
広島ではエイは茹で上げて蓼酢で食べるそうだ。
「蓼酢がビリビリと辛いかもしれんけど、それがまたエイの肉に合うンよ」
という。
この蓼酢、竹鶴社長が自分で蓼をごりごりとすり鉢で擂って造ってくれたものだそうである。ありがたや、、、社長、ゴチになります。
刺激的な辛さがあるという蓼酢、移動中に揮発してしまったようで、それほどビリビリとは来ない。しかし、これぞ日本のハーブペースト。粗野で高貴な香りがする!酢味噌の味とマッチして、独特の香りがするエイの肉に実によく合うのであった。
心づくしの食卓を囲む。タツヤン&良枝ちゃんの二人の息子達も元気いっぱい。いつか彼らも酒造りに関わるのだろうか。
痛飲しながら世はふけていったのであった。
そして翌日。
僕はあの伝説の店に向かった。
そう、これも2004年くらいから読んでる人か、「やまけんの全国出張食い倒れガイド」(4×4マガジン社)を買ってくれた人しかわからないネタだが、、、
広島冷麺の元祖、「新華園」である!
おそらくムックとしては初めてであろう、同店を記事にさせていただいてから、実に初めての訪店だ。がらっと引き戸開けると、おやっさんと奥さんと娘さんが僕をみて
「あらっ 一人で来たの?」
と歓待してくださる。ここの作法通り、まずはカウンターに勝手に腰掛けたりせずにベンチに向かおうとすると、おやっさんが「いいから早うここにきんさい」と目の前のカウンターに通してくださる。素晴らしきご縁に感謝。久しぶりにいただいた冷麺は変わらぬ味。まっとうな作り方、余分なうま味の一切ない切れのよい辛みダレ、時間が経っても美味しい麺、山ほど載せられたキャベツが甘い、素晴らしい冷麺であった。
広島は佳い。9月17日には、消費者向けの畜産に関する講演で再訪します。いまから楽しみだ。
■山形97号名称募集ページ
http://www.nmai.org/97go/index.html
山形県の稲作研究者が総力をあげて育種しているのが「山形97号」という米の新品種だ。10万分の1という競争を勝ち抜いてきた、選りすぐられたエリート。僕はこの山形97号の戦略会議のメンバーなので数回食べているが、確かに気品のある甘味とうま味、適度な粘りは素晴らしいポテンシャルだと感じた。
こうした新品種は、数年かけて育種され、農林登録をしてから大々的に栽培が始まる。実は今は、生産者に作ってもらうための種籾を増殖する時期であり、今年度もそれほどたくさんは収穫できない。正式なデビューは平成23年なので、まだ先の話なのである。けれども準備はしておかなければならない。んで、いまから名称募集キャンペーンなのである。関心のある人、名前つけのセンスがある人、ぜひ応募していただきたい。
以下、山形97号の玄米と精米のポートレートである(笑) 勿体なくて、炊けません。

大分県佐伯市の漁港町・蒲江(かまえ)でブリやハタを養殖する漁師・村松一也さんのことは過去数回掲載したことがあるが、実に「これぞ漁師!」という豪快な体躯と話し方、そして大胆かつ繊細な行動を起こすお人だ。


その村松さんから嬉しい知らせが届いた。
8月13日から18日まで・・・なんと!盆の最中に!
東京新宿伊勢丹にて「大九州展」なるイベントがあります。
我が活き粋船団も初めて新宿伊勢丹に出展しますので・・・初のメルマガで皆様にお知らせしようと思った次第です。
お食事も「熱めし定食」などを準備しております。
物販は、漁師自慢の魚を使った加工品です。
おお! あの「あつめし」を食べることができるのか!
熱めしとは、こういうものである。
薄く切ったブリの切り身を特製の醤油ベースのタレに一晩漬けたものを、熱々の白飯の上に並べ、葉ネギと海苔、お好みでわさびを載せていただく。半分くらい食べ進んだら、、、
ここに湯気が立つ鰹だしを注ぐ!
茶漬けとなり半分ほど火が入り人肌になったブリの切り身とご飯、そして薫り高い出汁をさらさらと啜ると、、、
旨い!
こんなに旨いブリの食い方があったのか!?と思うほどの味だ。
このあつめし、一食の価値ありな食べ物だ。お盆中に在京の方はぜひ、新宿伊勢丹へ行っていただきたい。僕は残念ながら、京都~青森~高知の連戦中で、行けそうにない。
村松さんは息子さんと一緒に出店している。ぜひ声をかけて欲しい。
今、魚の養殖は非常に難しい局面に立っている。いうまでもなく原油の高騰に加えて、えさ代がいままでの2倍近くに上がってきているからだ。知らない人も多いだろうが、養殖魚の餌も輸入穀物が主体となる。トウモロコシ・大豆・麦が高騰しているということはこの餌原料も高騰しているということに他ならない。
養殖魚をイメージで嫌う人がいるが、天然魚はどこの海域で何を食べて育っているかわからない。対して養殖は、陸上の畑のように人間がコントロールできるものだ。だから素性の見え方は養殖魚の方が高いといえる。肉に比べて飼料効率は高いなど、養殖を抜きにして魚食を考えることはできないと言っていいだろう。もし、この辺の事情を知りたければ、村松さんにストレートにきいてみるといい。真摯に答えてくれるはずだ。
僕は先般、漁師の一斉ストライキの際に、各マスコミが非常に冷ややかな報道姿勢だったことに非常に違和感を覚えた。
「結局補助金めあてなのね」
というような声を、いろんな場所で聴いた。
けれども、補助金が出なかったらどうなるかといえば、消費者が直接負担する(店頭での価格が高くなる)ことでしか、漁師が生きていく方策はない。でも、一部報道にもあったとおり、現在の流通システムでは量販店などが店頭価格を決定する力を持っており、消費者に対しては安値で訴求しようという姿勢を崩さないため、価格は上がっていない。
このままでは漁師は、生業を辞めるしかない。企業努力でカバーできる範囲ではないのだから。そうしてこの国の豊かな魚食文化は間違いなく失われていくのである。
でも、あえていいたい。
補助金を交付することで日本の食が一つ支えられるなら、安いものではないか?
各地に建設されている新しい高速道路の建造費をそっちに回す方が、国民生活上重要でないの?
僕はそう思う。
みな、農林漁業は補助金を使いすぎだという。
けれども、いくらなら使いすぎでないワケ?
食は、市場経済のなかに組み込まれてはいけない。市場経済の中で、倫理は守られないと思うから。食にはお金がかかる。でも、お金の使い方として、食より大事なものって、あったっけ?
漁業・農業生産者に対する燃料費等について、補助金が交付されることを、僕は望む。村松さんの一杯の「あつめし」を食べながら、そんなことを考えてみてはいかがだろうか。
温暖化の影響か、日本の産地も大幅な気候変動に見舞われている。従来、「ここは●●が美味しいんだよ」といっていた産地が、日中の気温が上がってしまうことで栽培好適地ではなくなるというケースが本当に多くなってきている。
作物の美味しさに最も直結するのは日中と夜の寒暖差だ。イメージとしては、日中に光合成したエネルギーが、夜間も暑くなってしまうと消費されてしまうという感じ。だから、昼と夜の温度差が大きければ大きいほどよい。山間地の米が旨い理由はそれだ。で、長野の東御市周辺は、そういう意味では面白い産地になりつつあるのだと思う。
永井農場は、マルイの溝口さんから紹介していただいた。その前から、ウェザーバケットの横山社長からも「意欲的で面白い農家さんがいますよ!」と教えていただいていたので、会うべくして会ったなぁ、という感じだ。
ずどーんと大柄な体躯にオーバーオールがトレードマーク。永井進君は、僕と同い年の37歳。この年代、最近スゴイやつにあたりまくりだ。
永井農場は米20ha、酪農25頭、畑作、ブドウといった複合経営をする農業法人だ。スタッフはみな若く、女性率も高く、実にエネルギーに満ちた経営体だ。
右側は農場町である永井君のお父さん。これまたオーバーオールがよく似合う!
その永井農場の中でワイン事業部としてあったものを、さきごろ独立した会社として発足させたのがリュードヴァン Rue de Vin という会社だ。その中心人物が小山英明さんだ。
写真はそのブドウ畑。シャルドネ、カベルネ、メルローなどの各種ワイン用ブドウが栽培されている。その栽培理論をいろいろ伺ったが、実に素晴らしいものだった!
200本しか製造されていない、2007年度のシャルドネをいただく。なんとその産地であるブドウ畑の目の前で飲むのだ。
うーん、コレ本当に日本のワイン?と叫んでしまった! 非常に強い凝縮感。これは遠からずものすごい評価を得ることになるんだろうなぁ、ということが約束されたような味だ。
一泊二日の旅で凄まじく色んなところを廻ったのだけど、最も心に残ったのはこの東御市の環境だった。
さて、これから大阪~滋賀~京都~青森~高知の連戦。今週は東京にはほとんどいません。
農林水産省から、H19年度の食料需給表が公表された。
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/fbs/index.html
一般の人は「平成19年度食料需給表のポイント」をみればいいと思う。

このように、カロリーベースでは1ポイント増加、39%から40%になった。これによって「よかったよかった、自給率は上がりつつある」というムードになりそうだが、現時点では全くこの国の食に関する改善が反映されたことではないので、注意が必要だ。
昨年度はあまりにいろんな事件が起こり、中国からの生鮮野菜等の輸入が激減した。それによって国内産地に代替した分が上乗せされたということもあるはずだ。しかし、たったの1%ですよ。誤差範囲に過ぎません。それでも見た目上は30%台ではなくなるので、安心してしまいそうでそれが怖い。
でも、上の画像を見る限り、状況としてはもっと悪くなっているのである。
(2)生産額ベース というのをみて欲しい。国内消費仕向額は781億円増となっている。これは食品の値上げが効いているのだと思うが、一番下をみて欲しい。
○食料の国内生産額は前年度から2,601億円減の10兆38億円(前年度2.5%減)
うーむこれはやばいぜ、、、という数字だ。
さきほど、農水省の塩川参事官ともお話ししたのだけども、カロリーベース自給率は消費者が指標としてみるもので、生産額ベースは、国の生産者の状況をみるものだ。
つまり消費者的には野菜や米の国内生産量が上がって「1%も自給率が上がったわ!」と嬉しいだろうが、食品の価格は以前よりも減少しているのである。昨年度は米の価格が下落し、生鮮野菜の価格も下落傾向だった。畜産の場合は、輸入飼料が高騰したことで、生産者の利益がほとんど出ないところまで追い詰められた。
金額をみて欲しい。2,601億円もの額が消えてなくなっている。生産者は本当に苦しんでいるのだ。
短期的にみれば自給率がアップしたようにみえるが、この状況があと5年も続けば、高齢な生産者が離農し、新規就農者は「儲からないからやーめた」ということになり、造る人がいないという最悪の形で自給率が再び減少に転ずる可能性もある。
消費者も大変だろうが、生産者が生活できなくなったら、食の基盤自体がなくなってしまう。だから、高くても国産の食品を買ってげてください。そしてマスコミは、これ以上庶民に偏重した報道で、食品価格が上がることを批判しないで欲しい。
国は、消費者だけでは成り立たないのだから。