※この記事執筆後、新機種が発表されましたので、記事末尾に情報を追加しました。
この記事を書いたのが2017年の12月。ということは、まだ3年しか経ってないのに、24TBがいっぱいになっちゃうのね、、、
■会社に予算15万円で大容量24TBのNASを設置。いや~便利ですね!外部とのデータの受け渡し、大量の画像バックアップがとても楽!
https://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2017/12/29511.html
デジカメで日々撮影する人の悩みと言えば、写真データがどんどん増えて、ハードディスクなどの記録メディアの増設が必要になっていくこと。上の記事では初めてSynologyのNASを導入したのだが、このときは8TB×4台をRAID5で運用。単純計算では32TBだけど、RAID5にすると、一台のHDDが壊れたとしても復旧が可能になる代わりに1台分の容量がその仕組みのために使われる。つまり24TBしか実質使えないわけだ。
しかも、これは理論値であって、フォーマットして運用し始めると、実際に使える容量が減って、18TBを超えたあたりで「使える容量がなくなりました」と警告が出てきてしまった。なんてこった、、、
写真データは日々増えており、このままだとバックアップができないままPC内のHDDに溜まっていってしまう。ということで、増設することに。
その増設方法には何通りかのシナリオがある。
①現在使っているSynologyのNASのHDDを、8TB以上のHDDに入れ替える
SynologyのNASをRAID5で運用している場合、一本のHDDを抜き取って、そこにより大きな容量のHDDを入れ替えていくという方法がある。ただしこの場合、一本だけ大きなHDDにしてもだめで、全部のHDDを入れ替えない限り全体の量は増えない。つまりHDD入れ替えになるのでお金がかかる。
②ベイ数の多いNASに移行する
現在4本のHDDで運用しているが、これをもっと多いベイのNASに載せ替える。SynologyのNASは、HDDの順番さえ間違えなければ異なる機種間で中身の引越ができる。そこに一台ずつHDDを追加していくことで増設が可能だ。
この二つのシナリオで検討したが、将来性を考えると②しかない。というのも、当初使っているDS418Jという機種はホームユースまたは小規模オフィスを念頭におかれているため、最大で10TB×4台=40TBまでしか増設できない。そうなると、けっきょくすぐにまた買い換えが必要になってしまいそうだ。
探す条件は下記。
・現在稼働しているHDD×4をそのまま移植する予定。従ってSynologyのNASであること。
・使用者は5人以下、小さなオフィスで、写真と動画撮影を業務としているため、画像と動画データの管理がメイン。Webサーバとしての利用はない。
・同じ8TBの IronWolfを増設したいので、HDD搭載数が最低でも5ベイ以上のものであること。
・拡張ドライブDX517を使用できること。
候補となったのは下記だ。
DS1817
DS1621+
DS1520+
この中ではDS1621+ が最も新しいモデルで、なんとRyzenCPU採用の高性能な機種だ。もはやNASというよりPCと言った方がいい。そう思ったのだが、、、いつもPCやネットワーク機器を買うツクモ本店に相談したところ、「追加アプリの仮想OS機能や、Webホスティングなど、本来のNAS用途以外を意識した多目的ビジネス向けの機種なので、オーバースペックかも。」と。
「NASをディスクスペースとして使用することがメインで、今後もHDD台数が増加傾向なのであれば、DX517を追加するにも6万円前後かかりますので、10GbEも最初からついているDS1817を選んだほうが良いかと思います。」
とのことだった。たしかにそうだ、、、8ベイあれば64TBまで増量できるのだから、しばらくは安泰だろう。そしてもうひとつ、10GbEがついてるのか!調べてみると、他の二機種は増設カードを追加購入しないと10GbE化できない。
よし!
ということでDS1817を購入。税別108000円でした。
これまで使用していたDS418Jを開けて、HDDを移植します。
DS418JのHDDベイはネジで取り付けだったのだけど、、、
DS1817のHDDベイは取り付けにネジを使用しないでよいものになっていた!
ワンタッチで留められるのでとてもよい。
これを4台差し込んで移植完了。
これをネットワークに繋いでNASのOSをインストールし、バックアップしていた設定ファイルを読み込ませたところ、何の苦労もなく元通りのフォルダ構成やユーザーアカウントで使用できるように。すばらしいね。
そんで、現在あたらしい8TBのHDDを5本目として追加中。設定に数日の時間がかかるため、まだ全体の容量は増加していないけど、来週には6TB分は増えていることでしょう。これでしばらく運用したいところ。
さて、もうひとつのテーマが高速データ転送化。これまでのDS418は1GbEだったので、データのコピーなどのやりとりは遅かった。速度はこんな感じ。
これを10GbE化する。そのためのネットワークカードと端子はちゃんとDS1817には装備されている。
上の2つのポートに10Gbと書かれているのがそれだ。
ただし、うちのLAN環境はまだ10GbE化していない。さいわい、高速化したいのは僕のデスクトップPCだけで、他はみな無線LANで繋いでいる。ということで、これまで使用しているルータはそのまま活かして、スイッチングハブだけ10GbE化し、デスクトップPCとNASを繋ぐことに。
スイッチングハブはNetgearの XS505M-100AJS。36000円(税別)程度。
PCも10GbE端子が必要なので、ネットワークカードを。Asusの XG-C100Cにした。
LANケーブルも対応のものに変えねばならないので、バッファローのCAT6a対応品に。
さあスピードはどうなったか!
■使用前
■10GbE化後
やった! 7倍以上の速度に!
しかも、NASの基本性能も上がったので、動作がすばらしく速くなった。なので、これから試したいのは、デスクトップPCのPhotoshopから直接NASのドライブにある写真データを読み込んで、内蔵HDDのように使うことだ。それができれば、PCに膨大なHDDを積まなくてもよいようになる、、、かな? 反対に、NASへのランダムアクセスが多くなるので、NASのHDDが飛んじゃう可能性も高くなるので、どちらがいいか考えているところなのだけど。
今回の投資は税抜で17万円程度。決して安くないが、満足だ。
そして、データ量が多くなっていくことが確実なカメラマンのみなさんには、こうアドバイスしたい。
「どうせ増設が必要になるんだから、NASを買うなら最低でも6ベイ以上のモデルを買った方がいいよ」
あと、使用するHDDは4TBとかの小さいものではなくて、8TB以上にしといた方がいいと思うな。容量が大きいものはだいたいヘリウム封入モデルなので、長持ちするからね。
SynologyからDS1817の後継機というか、8ベイモデルの新機種が発表されました。
なんとCPUには組み込み用RIZENが搭載されており、パフォーマンスが相当向上していると思われます。
ぎゃーーー、なんてこった、、、と僕が思っているかというとそうでもありません。というのは、公式ページの説明には「HDD/SSD、10GbE ネットワークアダプタカード、拡張ユニットは別売りです。」と書かれています。
そう、僕が買ったDS1817では内臓されていた10GbE ネットワークアダプタカードが、この新機種では別売りなんです。ではその別売りカードがいくらくらいかっつうと、けっこうするんですよね、、、
ね。そうなるとこちらの予算からすると4万円程度の価格差があるので、そんなにガッカリということにはなっていません。この辺の性能&総額予算を秤にかけながら選んでみて下さいネ~!