マグネット式のフィルターを探していた。というのも、NikonZシステムを充実させていく中で、いくつかの問題にぶち当たったのだ。まず、いま主力レンズとして愛用しているZ50mmf1.2。
NikonのZシステムを使うならマストバイだぜ!と言えるレンズなのだが、F1.2という超ド級の明るさゆえ、青天の屋外で絞り開放の写真を撮ろうとすると、ほぼ確実に露出オーバー(明るすぎて真っ白な写真になっちゃう)になってしまう。うれしいことに愛機となったZ9はシャッタースピードが最速で1/32000秒という速さなので、ISO感度を64にすればおそらくなんとかなる、とは思うのだけれども、、、Z6だと全然シャッタースピードで解決できまへん!
そこで出てくるのがNDフィルター。減光するためのフィルターですね。風景写真で、海面が綺麗に写ってるのはNDフィルターを使って超秒露光をして撮影しているわけです。
たとえば作家の鈴木智彦さんを撮影させていただいた下の写真は、オリンパスE-M1markⅡに12-200mmf4レンズをつけて撮ったものだが、通行人(のフリした編集者なんですけどね(笑))だけブレてみえるように、NDフィルターをつけて1/10秒で撮影した。
その間、このボディとレンズの組み合わせだと5段分は手ぶれ補正が効くので、築地場外市場の看板とかはブレずに止まっている。鈴木さんには「動かないでいてください!」とお願いした。鈴木さんもジャーナリストで写真を撮る方なのですぐに理解して下さり、ブレずに写ってくれて、通行人だけがボケたわけだ。と、NDフィルターの解説が長すぎた。
「じゃあ、フィルターつければいいじゃん」
はい、その通り。でもね、これからレンズシステムを組んでいこうとすると、どんなフィルターにするか迷うんですよ。とくにここのところ興味があったのは、マグネットでカチャッと脱着できるフィルターシステム。いちいちねじ込む方式で脱着するフィルターだと、交換に時間がかかるので、チャンスを逃しがちなのだ。
なーんて思っていたら、あの宮崎県が全国に誇る、変態的カメラショップであり用品メーカーでもあるよしみカメラが、マグネットタイプのフィルターを出してるじゃないですか!
それがこのB.Wayのフィルターだ。一木社長にメッセージして「どうなんですか!?」と聞いたところ「いい製品だと思いますよ。よろしければ使って、お好みに合うようならブログに書いて下さい」と。ありがたいっす。
そして、好みに合いました。
なんかいろいろあるなあ、と思うかもしれないけど、フィルター自体はND8、ND16、そしてC-PLフィルターである。あとはそれをマグネットで脱着するアダプターと、口径の違うレンズに装着するためのステップアップリングだ。
NDフィルター二つと、、、
C-PLフィルター(左下)だ。
このフィルターをレンズに直接つけるのでは、ない。まずは、レンズにマグネットの仕込まれたアダプタを装着。
写真は、50mmF1.2。大口径レンズなので、フィルター径も82mmという大きなものだ。そこに、アダプタが着いた状態。
ここに、たとえばC-PLフィルターをこうやって近づけると、、、
カチャッ
と気持ちよく磁力でくっついてくれる!
この状態で振り回しても、フィルターが外れることはない。で、C-PLのCはサーキュラーという意味で、くるくる回してフィルターの効きを調整する。マグネティックでくっついている状態から、スーッと簡単に回すことができる。
これはいいねえ!
しかも!
こんなことも可能だ。
おわかりだろうか。C-PLフィルターの上にNDフィルターを2枚、重ねている。つまり3枚のフィルターをつけているのだが、これがまた簡単にくっついて、簡単に外せる。ねじ込み式フィルターで実際にこの運用をすると、もうイライラするほどに時間がかかってしまうものだ。
というわけで、実戦投入。下の写真をみて、シチュエーションがわかるだろうか。
じつはこの日、雨が降ってます。どうしてもこの日のうちに、穂が垂れる田んぼで米袋をもってもらった写真を撮る必要があった。雨とは思えない感じで。そこで、50mmf1.2にC-PLとNDを着けて、左前から透過アンブレラを通したフラッシュを焚いている。絞りはf2だが、NDがないと露出が飛んでしまうのだ。そしてC-PLのおかげで雨の天気でも、濡れた稲の乱反射を抑えて撮ることができたと思う。C-PLとNDの双方がないと成り立たなかった写真だ(ここに掲載したのは本番写真ではありませんけど)。
お次は、短角牛だ!
はい、これが撮りたかったヤツ。 50mmF1.2で超ドピーカンの青天。とてもじゃないが絞り開放では撮れない条件だったが、NDとC-PLを重ねて撮ることで、みごとf1.2で撮影できた。
ボケが、、、来てます。
そして、C-PLを最大限に効かせると、青空の濃さが!
来るんですよね、、、
なんか、オリンパスブルーみたいな感じ、ちょっと非現実的なくらいの濃さになる。
そうそう、ここは釧路市の音別町の北十勝ファーム。我が友・本城しんのすけの生誕地でもある(笑)
ちなみに、「フィルター無しだとどうなるの?」っていう比較写真を撮っておくべきでしたね。ゴメン、現場ではとてもそんな余裕なし。
けど、一緒に持っていった70-200mmf2.8は、口径が違うのでフィルター着けられなかった。ステップアップリングというのがあれば口径が違っても着けられるのだけど、このレンズ用の口径のはもっていなかった!ということで、フィルター無しだとこんな青空です。
ね、ちょっとアッサリでしょ?
北十勝ファームの主である上田金穂さんと、牛飼いになるために生まれてきたという存在、中村こずえちゃん。
とまあ、こんな感じです。
ところで標題に「注意しなければならないこと」というのがある。それは何かというと、マグネット式の脱着ゆえ、なんらかのショックが加わると、意識していないのにフィルターが外れて落っこちてしまうことがあるということ。
実は京都で一度、C-PLを落としました、、、
「あー、こりゃ無くしたな、、、」と落胆。そしたらなんと! 撮影した田んぼの端に落ちていたそうで、被写体である生産者さんが、「みつけたよー」と届けて下さった! ありがたやーーーーーー
でも、ぜーんぜん落ちたのに気づかなかった。ということで、俺みたいな不注意野郎も少ないとは思うけど、気をつけて下さいネ。
色んなメーカーのマグネット式フィルターシステムが出てるけど、よしみカメラがお届けするB.Wayのシステム、お進めできます!よしみカメラのWebでぜひみてください!
意外に買いやすい価格なのでちょっと驚くと思う。 一木さん、これスゲーいいわ。これからも使わせていただきまーす。
■よしみカメラ B.Wayマグネティックフィルター
https://yoshimi.ocnk.net/product-list/35