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2004年09月07日

怒濤の沖縄旅程を観よ!

 本日から、生まれて初めての沖縄に行って来る。初めてだというと結構びっくりされるのだが、本当にこれまで沖縄には縁がなかった。

 コーディネートしてくれたのは、大学の同期であり、食い倒れ日記読者であり、沖縄出身の卓である。こいつとは付き合いも長いし、仕事も一緒にしたことがあるし、嫁さんも僕の知り合いだし、何かと縁がある。

「ヤマケン、まだ沖縄行ったこと無いんだろ?行く時は俺がコースを組んで、アテンドしてやるよ!」

と言ってくれていたのである!

それが成就する。彼が組んでくれた旅程は怒濤のように食い倒れるコース満載だ。一日何食食べるんだろうか、、、

沖縄でも日々アップロードするぞ!お楽しみに!

常夏の楽園・沖縄を食べ尽くす! 第1日目 すば「淡水」

 沖縄に来た!空港に着くやいなやモワッという熱気に包まれる。ロビーに出ると、帰り便をのキャンセルを待つ人々で一杯である。こりゃ大変だ、、、台風を心配してくださったみなさん、どうもありがとう。全然大丈夫です。俺はですね、強烈な晴れ男なのですよ。

 外に出ると、親友の卓と、その沖縄時代の親友であるキッペイちゃんが迎えに来てくれている。

「ようこそ、沖縄へ!」

「いやぁ 熱いねぇ!」

「二人とも運がいいよ。台風一過で、明日からは完璧に晴れるよ。」

そう、台風は行ってしまった。

さて
県の公務員であるキッペイちゃんは、卓と俺と加賀谷の沖縄ツアーのために、3日間も休みを取ってくれた。彼の勤め先はなんとあの高級リゾートであるブセナリゾート開発である。今は97%の稼働率らしい。俺は食い倒れが目的なのでそんなのは必要ないのだが、、、

「まず早速、沖縄のそばを食べてもらおうと思って。」

やった!望むところである。

「旅程を組んだ時には、有名な首里そばという店にしたんだけど、実は正統な味ではないんで、もっと地元の人が行くような店にしようと思って。」

といって彼が来るまで連れて行ってくれたのが「淡水」という店だ。空港から車で15分くらいか。全くの住宅地にポツッと建っているプレハブ作りの質素な構えである。

この「すば専門店」というのがいい味出してる。

そう、琉球語では「お」という母音は存在していなかったそうで、正式にはソバではなく「スバ」なのだそうだ。


店内は簡素ながら綺麗な作り。労働者ばっかりというイメージではない。まだ11時なので、開店したてで混んでいない。

メニューは当たり前のことながら沖縄そばしかない。

じゅうしいというのは混ぜご飯だそうだ。

「まあこっちの人にとってソーキはご馳走ですから、ソーキソバがいいでしょう。」

という説明が。ちなみに下写真の右がキッペイちゃん、左が卓である。

ということで僕はソーキソバ大盛りとじゅうしい、みんなは普通盛りのソーキソバという注文を。最初からガツンと行っておくのである。

程なくして出てきたのがこれだ!

じ、実に旨そう! 淡い色の出汁に、美しい平打ち太麺がタップリだ。このドンブリが運ばれてきた時、3人から「おおっ」という声が。普通盛りと比べて2倍くらいの麺量なのだ。すげぇ。

出汁をすする。昆布出汁と豚かなにかの出汁が混じっているのか、じっくりと地味ながら深い味わいだ。かなり旨い。これは、毎日食べられる健康的な味である。

麺を啜る。太く噛み応えタップリの麺だ。卵の風味はあまりないが、非常にしっかりとした小麦の香りがする。

「こっちの麺は、内地のそばと違って噛んで楽しむ麺なんですよ。」

たしかにそうだ。がっちり噛みしめて旨い!

「これに、お好みでこのコーレーグースーをかけてください。島とうがらしを泡盛に漬けたモノです。酒の匂いつきますけど、旨いんですよ」

コーレーグースーを少しまぶして麺を啜ると、強い刺激感と泡盛の風味が出汁に合わさり、鮮烈な風景が眼を通り過ぎた。こいつぁイイ!

ちなみに「じゅうしい」も旨い。しいたけが沢山入っていて、旨味だしタップリである。

しかし、いきなり極太倍量の麺はなかなかにハードだ。けど旨い!てことで、汗をダラダラ流しながら完食。最初からハードな出だしだが、これだけ旨い料理なら大歓迎である。

勘定を済ませ、外に出る。

この店、地元民イチオシのすば屋である!最初からこんなディープな店でよかった。ぜったいに観光客は分からない店だわ。

その後、天ぷらを食べる。

こっちの天ぷらは、衣がやたら厚くもちもちしており、かつ味が付いている。一つ45円とバカ安である。


これをつまみながら車を走らせる。甲イカの天ぷら、弾力が最高。

正体不明のもずくの天ぷらもなんだかふんわりして旨い。

大丈夫だろうか?もうハラがパンパンだ、、、

そして今、ホテルにて休憩中。これからすぐ、沖縄ダチ連中との夕べに行くのである。

2004年09月08日

常夏の楽園・沖縄を食べ尽くす! 第1日目の夜 その1「洋食味処 こうちゃん」

 そばを食べた後は、観光農園で熱帯植物を眺めつつパッションフルーツワインを一本あけ、ドラゴンフルーツ2つを4人で食べる。ドラゴンフルーツの苗、というかサボテンだから挿し木でどんどん増えるのだが、500円でどっさり入った苗が売っている。持って帰りたいが、関東では無理だなぁと思い、やめておく。
 観光村に行き、プロのエイサーを観て楽しんだ後は、ホテルで一瞬休憩をした後にすぐさま飲み会である。


 居酒屋「音」に卓、キッペイの仲間がワイワイと集まってきた!皆、最高にいいヤツである。ビールはほんの一杯だけ、すぐさま泡盛の水割りに。こちらでは泡盛のことを「しまー」という。島の酒だからだろう。この「しまー」を、「お通り」という作法で飲むのが宮古島の伝統文化だそうだ。

「お通り」は、座の中の一人が親となり、挨拶の口上を述べて杯を干す。そして、座の一人一人に杯を一杯ずつ親が注いで回していく。この杯には親の気持ちが入っているので、これをきっちりと飲み干し、「ありがとう」と返す。そして一巡すると最後に親がもう一杯干して、次ぎの親を氏名する。この連続である。とにかく皆、強い!きっちりと飲み干していく。日頃はそれほど飲まない僕だが、成り行き上ガンガン飲んでいく。しかし、限りなく陽性のエネルギーに満ちた場なので、全く負担にならない。

そういえば、沖縄の居酒屋は安い!ビールやチューハイが100円とかで飲めて、つまみの料理も350円均一という安さだった。350円のつまみ類と言ってもきちんとした料理だ。

■スクガラス豆腐
 このスクガラスというのは、小魚の塩辛みたいな、渋いひねりの利いた発酵食品だ。これを、沖縄特有の堅い豆腐に載せて食すのが旨い。

 スクガラス、こちらの若い人たちはあまり食べないということだが、実に味わい深かった。

■もやしチャンプル

■ゴーヤーチャンプルー

■グルクンの唐揚げ

■ヒラヤーチー

さてこれらを食し、お通りも8人がそれぞれ親になり一巡した後、次の店へと移動。

「やまけん、旨いもん食わせるよ!」

とキッペイが連れて行ってくれたのが、見た目にはイタリアンか?という感じの小さな洋食屋だ。

■洋食味処 こうちゃん

キッペイ、卓らは超・常連という感じ。

奥の座敷に通り、待望のオリオンビール生を早速やる。すると出てきたのはタコスだ!

「ここ、実はタコスが有名なんだよ」

なるほど、沖縄ではタコス屋というのが珍しくない。関東とかではメキシコ料理屋というカテゴリしかないが、沖縄はタコライスもあるし、タコス屋という業態が成り立つわけだ。

このタコス、皮がパリッとしたタイプのものだが、皮の焼き加減といい、ミートのスパイス旨さといい、サルサソース、サワークリームとの相性も抜群で最高な気分になる。タコスにかぶりついて半分くらい頬張り、オリオン生を口蓋に注ぎ込む。オリオンの軽さとタコスのスパイシー感、そして沖縄の夜の空気が混ざり合って、俺はどこにいるのかという浮遊間を味わう。

この後、仔牛肉のソテーにパルミジャーノをかけたモノなどが出てくる。

イタリアンともテックスメックスともつかぬ料理の中に、すごいひと皿が出てきた!

「やまけん、これ、なんだかわかる?」

「わからんよ、、、何だいこれ?」

「これはねぇ、鰻オムライスだよ!」

なんと!凄まじくそそる一品だ!
スプーンで割ると、卵などがまぶされたライスの上に鰻が載ってカリカリにソテーされている。そこにデミグラスっぽいソースがデロッとかかっているのだ。これは度肝を抜かれる。

味は濃厚。米の固さ、まぶされている卵衣、上にかけられたソースが絡み合って、鰻の濃厚さに全く対抗的な全体像になっている。

「う、うめぇなこれ、、、」

「そうだろ?こうちゃんはこの辺じゃ有名なんだよ。」

実に素晴らしい! と、そこにマスターの「こうちゃん」が顔を出す。

そして卓に「お父さんから、何でも俺のおごりで飲んでもいいよってことですよ」と。そう、川端卓の親父は、沖縄ではちょっと知れたテレビ制作関連の大物なのだ。どの店にも顔が利くらしい。さっそく親父さんのおごりでシャンパンを飲む。シャンパンって、一気に酔いが来る。ちょっとフラッと来たが、気を取り直し次ぎの店へと進む。

「次ぎは山羊を食べに行くぞヤマケン!」

永遠に終わりそうにない夜なのであった、、、

2004年09月10日

常夏の楽園・沖縄を食べ尽くす! 第1日目の夜 その2 ビーフステーキ「ジャッキー」

さて
沖縄を訪れる観光客をビビらせる食べ物といえば山羊汁だろう。その独特の香りというか獣臭はかなり強い。その山羊汁を食べに行こうと言われたのだが、10分ほど歩いて移動してたどり着いた店はすでに閉まっていた。

「残念! 閉まってたら仕方がないね!でも、旨いステーキハウスならあるよ!」

な、なに?ステーキ?

「やまけん、まだ行けるの?じゃあ行こうか、ジャッキー!」

そういって歩き始めると、同行6人の足が反対方向を向いた。山羊料理店からほどなく、裏路地に「ジャッキーステーキハウス」の電飾があった。

「この辺じゃ有名だね、この店を知らない人はいないよ!」

とキッペイ。

どうも、沖縄といえばジャッキーというくらいに有名らしい。女性陣もかなり食っているのに、「食べよう食べよう」と飛び跳ねながら入っていく。ドアの前にはこんなポスターが。

車をジャッキアップしている絵があり、「力がつきます! ジャッキー」 という凄まじいセンスのコピーだ! そっちのジャッキーかよ!

さて入店すると、素晴らしいアメリカ式のビルボードタイプのメニューがある。


「ハムエグ」 とか 「MISO SIRU ミソ シル」 とか書かれているのが溜まらなくイイ!

筆頭に書かれているのはテンダーロイン。

L 1900円
M 1700円
S 1500円

というラインナップだ。その下のニューヨークステーキが

L 1400円
S 1300円

これにライスとサラダが付いてくるらしい。

「テンダーロインはね、ヒレ肉みたいに脂が乗ってない、サッパリしたヤツ。これが旨いよ」

というキッペイだが、残念ながら俺はギトギト・こってりロース派なので、ニューヨークステーキのLにする。

「え、本当にL食べるの?200gだよ?」

というが、食べてみたいではないか。これに加えてスパゲッティというのも頼んでみた!

 ほとんど待たずに出てきたのは、熱々の鉄板の上に盛られたミートソーススパゲッティだ。

スパと言ったら何が出てくるのかと思ったが、ミートソースが主流らしい。チーズをどっぷりかけていただくと、缶詰ではない、きちんと厨房で仕込まれたミートソースだった。

これを半分程度やっつけていると、目の前のNちゃんが頼んだCランチが出てくる。

夜なのにランチってとこがいいでしょう」

 おお、そういえば夜なのにランチ!このパターン、福井県のソースカツ丼の名店「ヨーロッパ軒」と同じだ!夜中でも頼めるランチがあるというこのパターンには何かがあるに違いない。
 果たしてCランチは素晴らしい代物だった。ひと皿にトンカツとハンバーグ、サラダとご飯が盛り込まれているのだ。

これがなんと、450円なのだ!うーん 沖縄ってどういう処なんだ!

そうこうしているうちにジューという音と共に、ステーキがやってきた。200gのロース肉がミディアムレアになってやってきたのだ。ちなみに、焼き加減とパンorライスは選ぶことが出来る。

 このステーキに「絶対このソースが合う!」といわれたのが、写真左端の「ナンバーワンソース」だ。

ドロリと濃厚で少し赤みがかったこのソースをかける。肉を大きく切り分け、ガフリと頬張り、噛みしめる。

控えめながら豊満な肉汁が口いっぱいに溢れ、ナンバーワンソースの酸味がかったスパイシーな味と香りと混ざって、まさに肉を食っているというパワーがみなぎる。このblogを書いている真夜中現在、また食いたくなってきてしまった!

 この肉とスパゲティをやっつけている最中、前にいたNちゃんが食いきれないらしく、トンカツとハンバーグ、白飯の半分ずつを乗っけてくる。こいつもやっつけてガッツリと食い終わった。

俺もほぼ、限界点である。

「よく食ったねぇ やまけん! 沖縄は気に入った?」

まだ一日目だっていうのになんだこの濃さは!最高に気に入ったゾ!どうもありがとう!!

ジャッキーを出て、ビーチサイドホテルへ。部屋につくとたまらずバタンキューなのであった。これが一日目の顛末でした。

常夏の楽園・沖縄を食べ尽くす! 第2日目 沖縄のハンバーガーインはココで決まりだ!「A&W」

 一日目の腹一杯加減から立ち直る間もなく起きる。ホテルの朝飯はセルフサービスの珈琲とパン。味気ない食事なので、珈琲だけにしておこうと思ったが、ついついパンも食べてしまう。さて、9時過ぎにキッペイと卓と落ち合い、第2日目の始まりである。

「やまけん、まずはルートビアでも飲んでみる?」

「ルートビアって、、、アメリカとかにある、アルコール無しのビールだっけ?」

「ん、そうだね。まあこれを内地の人が飲んで『美味しい』っていってるの観たことがないけど、沖縄の人たちは普通に飲むよ。」

面白そうじゃないか、、、

「ルートビアはね、A&Wっていうチェーンで出してるんだ。元はアメリカのハンバーガーチェーン」だったみたいだけど、もう資本関係はないみたいだね。日本の企業としてやってる。沖縄の至る所にあるよ!」

と言っている内に1店舗が見え、通り過ぎる。マクドナルドより敷地面積の広そうな店だった。

「またすぐ出てくるからさ、、、ほら、あった!」

ずいぶん現代的な造りの店で、古き良きアメリカを想像していた僕はちとがっかりだが、とにかくハンバーガーチェーンなのだ。ハンバーガーもかなり旨いらしいので、頼んでみよう。

「ルートビアと、ベーコンエッグチーズバーガー。」

「ルートビアは初めてですか?」

「そうですね初めてです。」

お味見されますか?」

え? 味見? そんなのいいのか??

そう、ルートビアは好き嫌いがあるので、味見をしてから、ということらしいのだ。まだ飲んだことがないのでもちろん味見を所望する。ドキドキである。目の前のビアサーバーみたいなのから、お姉ちゃんが小さなジョッキに注いでくれたそれは、褐色のコーラ然とした液体である。違いはビール並みに泡が発生しているところか。

グッと飲むと、、、

あれ?これ、ドクターペッパーみたいな味じゃん!

「そうだね どっちかっていうと似てるよね。僕たちにはこっちのほうが当たり前だけどね。」

気に入った。ルートビア、大ジョッキで所望である。

ハンバーガーが出来る前にまずはこいつが出されてきたのである。ジョッキをつかみ、グビッと大きく一口飲み込む。炭酸の刺激と薬みたいな風味、甘みが舌と喉の味蕾をなでていく。

「旨いじゃん、この飲み物!」

「そうか、旨いか。やまけん、あの店内広告みてみな。ルートビアはお代わり自由なんだよ!」

なんと! このルートビア、お代わり自由であった!どうなっているんだろう、、、

ハンバーガーも運ばれてくる

このハンバーガー、きちんと生タマネギが挟まれており、レタス、トマトもきっちりと入っている。更に間にかけられている白いマヨネーズがソソル。

一口かぶりつく。ちゃんとしたバンズにパティである。

「旨い、、、きちんとしたハンバーガーだな!」

「うん、マクドナルドが安売り路線に走った時も、このチェーンは追随しないで独自路線を歩んだんだよ。」

素晴らしい、、、

バーガーを食い、ルートビアをもう一杯お代わりをする。店のお姉ちゃんが、凍ったジョッキになみなみとルートビアを注いでくれた。二杯以上は飲めないな、、、しかし大満足のチェーンである。

一日の幸先のよいスタートを切ったのであった。そして午後、この日最大のヤマ場が訪れるのである、、、

http://member.blogpeople.net/TB_People/tback.jsp?id=00575

2004年09月11日

常夏の楽園・沖縄を食べ尽くす! 第2日目 驚嘆の一撃! コッコ食堂「地鶏ソバとオムレツ丼」

 さて朝食後は一路北部へ。この日は名護市に泊まって、沖縄北部を満喫することにしているのである。

「北部編は、高校時代の仲間のチカシちゃんにアテンドしてもらうからさ!」

この沖縄の日々で強く感じるのは、卓と地元の仲間達との付き合いの深さである。卓の高校時代の親友であるキッペイは、卓の「内地からのダチをもてなしたい」という呼びかけに応じて、この旅行プランを作り、そして本当にそのプランが実行可能かどうかを確認するため、車で全コースを廻ってくれたのだという。

「”気持ち”があるかどうかが大事なんだよ」

というのがキッペイの決め言葉だ。気持ちを大事にするのが沖縄なんだよと言うのだ。もう、僕と加賀谷は彼らに参ってしまった。沖縄は、飯が旨いし気候もいいけど、何より人が素晴らしい。

「じゃーやまけん、海洋博みていこうね!」

と、あの有名な水族館でジンベイザメやマンタを観て、園内の熱帯植物園を冷やかした後、昼飯。僕の九州の弟分からコメントがついている、沖縄そばの名店と言われている岸本食堂に行くのだが、残念ながら閉まっている。

「うーん 残念だけど、もう一店、旨いっていう評判の店があるから行ってみようね。鶏そばらしいんだけど、、、」

といって車を走らせること10数分。道脇に「地鶏そば コッコ食堂 あと○○キロ」という、素朴というか稚拙な手書きの看板を便りにするが、「あと2キロメートル」という看板の100メートル先くらいの広場に、「コッコちゃん食堂はここ」というような看板がみえる。

讃岐うどんの名店にこういう秘境系の店が多いが、沖縄でもありそうな予感がしてくる。手書き看板はお世辞にも旨そうなシズル感が皆無である。

大体、「営業中」という看板が雨ざらしで風化しつつあり、常に出ているに違いない風情を漂わせている。このアバウト感、買いである。


車を降り、全く店舗などなさそうな小径を下る。かなり心配になる寂れた道である。歩きながら我々一同、探検でもしている気分になる。

程なく一件の小屋が出てくる。本当に「小屋」である。と思ったら、「地鶏」という看板が出ているので、ここが「コッコ食堂」だとわかる。もうこの時点で我々のワクワク感は頂点に達しつつある。

幼稚園のような下駄箱に履き物を入れ、プレハブ内に足を踏み入れると、そこは畳敷きの食堂であった。


テーブルを囲む若い女性陣が立ち上がり、「いらっしゃいませぇ~」と迎えてくれる。はっきり言って若い女の子が4,5人いるとは思えない環境なのだが、何なんだろう?時間は11時半過ぎで、僕らが最初の客らしい。

壁をみると、当然ながら手書きの切り抜き品書きがある。

黄金そば 600円
地鶏オムレツ丼 2000円
鶏飯 1000円

ん? 地鶏オムレツ丼がなんで飛び抜けて高いんだ?と思ってよく目をこらすと、2~3人前と書いてあった。うーむ フツフツと闘志がみなぎってくる。
キッペイが聴いたという評判は黄金そばだろう、これは旨いらしいというのだから、押さえだ。しかしオムレツ丼ってのは、面白そうである。

「黄金そばとオムレツ丼だな、、、みんなも食べようぜ!」

「いや、、、やまけん、俺たち全然腹減ってないよ、、、」

という卓とキッペイを尻目に、おねーちゃんにオーダーを通す。僕と加賀谷はフルサイズの鶏そば、きっぺいと卓は二人で一つの鶏そば、そしてオムレツ丼を一つである。

、、、さて、、、


ここからが長かった。

待てども

待てども


何も出てこない!


バイトのねーちゃん達は5人くらいいるんだが、食器洗いでもしているのか、一向にそばを持ってくる気配がない。


「パイナップルお食べ下さい!」


とパインを切ったモノを出してくれたが、俺たちはそばとオムレツ丼が食いたいのである。結局、都合20分は待っていただろうか。これも沖縄時間だろうか。

そして他のお客さんも3人くらい入ってきたあたりで、ようやく黄金そばが運ばれてきた!

「おまたせしましたぁ~」

なるほど!予想通り、卵がふんわりと麺の上に乗っかっていて、その上には鶏肉を甘辛く煮しめたものが鎮座している。

「うーむ 綺麗なプレゼンテーションだ、、、 いただきますっ!」

スープを啜ると、これはもうきっちりと鶏のスープである。なんだか、沖縄に来てから鶏スープを飲むのは久しぶりな気がする。やはりカツオだし+豚肉だしという組み合わせが多いんだろうか。

鶏肉はジューシーに煮しめられていて、ソーキとはまた違った旨さだ。卵はあらかじめフライパンかなにかで炒められているらしく底に焦げ目が付いている。フンワリとして旨い卵。これを崩しつつ、水面下から麺を引っ張り出すと、コシのある太い麺がお目見えする。音を立ててすすり込み口いっぱいに頬張り噛みしめると、慈愛に満ちた優しい味がする。

「おおお、、、 こういう方向性もアリだなぁ、旨い!」

そう、旨いのである。コッコ食堂、おそらく養鶏業者が直営している店だろう。鶏肉、ガラ、卵は無尽蔵に入手できるに違いない。果たして、バイトの女性に訊いてみたら「マスターの弟さんが養鶏農家さんなんですよ」とのことであった。

と、そうこうしているうちに、本日最大のショッキングひと皿が出てきたのであった!

「オムレツ丼(↓)でーす」

みよ、このスケール感! おそらく使われている卵の量は8玉くらいあるだろう。その下に敷かれたご飯の分量は、たとえて言えばジャポネの「親方」より少し多いくらいであろう。とにかくどでかいオムレツは鶏肉と青菜が混じっており、それがご飯に乗せられた上から中華風の甘辛醤油餡がかかっている。

このあまりの迫力に、我々一同は笑うしかない。

「本当に驚いた時とか、想像を遙かに超えるものに出会った時、人間は笑うしかないんだね(笑)」

というシャープな一言は、卓の言である。

そうこう言っても始まらないのでがっつりといただくことにする。結論からするとこのオムレツ丼、かなりイイ線いっている。大量の卵には、沖縄特有の野菜である「ふーちばー」(よもぎ)が入っていて、くどさやしつこさを緩和している。オムレツの中にはやはり鶏肉が入っていて、これでもかこれでもかと言わんばかりの攻撃である。

「ん~ 旨いからみんなも食え!」

と3人の別皿によそうが、「やまけん、俺、すこしでいいよ!」とキッペイと卓は早々とギブアップしている。

しかし、僕と加賀谷はかなりいい食べっぷりを見せたと思う。とりあえず、これがきっちりと完食させていただいた証拠写真である。

「沢山たべましたねぇ~」

とおねーちゃんが下膳に来る。

「バイトさんなんですか?」

と訊くと、面白い答えが返ってきた。

「うーん 私らは元々は週末にこの店にご飯を食べに来たんです。そうしたらマスターが『手伝いに来い』っていうんで、面白そうだから来てしまいました。」

なんだそりゃ!
どうやらこの店、沖縄内でもちょっと噂になっているらしく、各地から食べに来る人がいるらしい。しかし、客をバイトにハントするあたり、ここの親父はかなりヤルな。

「そんな成り行きで働き始めるなんて、てーげーでしょ?」

はい! 「てーげー」とは「もう、たいがいにしろ!」の「大概」の意らしい。その「てーげー」という口調が何とも素人臭さを感じさせ、佳い。

気に入った! ちなみにあまり触れなかったけど、そばはマジで旨かった。オムレツ丼は、基本的には5人くらいで食べる用だと思う。しかしこの量と味であれば、かなり人気は出るだろう。この絶妙なロケーションも、食い倒れの観点からいえば非常に面白い。

「ごちそうさまでした!」

会計をすませ、来た森の脇の道を歩いて登る中、不思議ワールドを満喫したという充足感で一杯になったのであった。

ルートビアについての補足情報by卓

A&Wのルートビアについて、あまり考えずに書いていたら、今回の水先案内人である卓から補足メールが届いたので掲示しておきます。

blog読みました。ルートビアについてだけど『アルコールなしのビール』という表現がありましたが、それはちょっと誤解を招く恐れがあるかと。原料も製法もビールとは異なるので、ちょっとあるサイトの解説を引用して送ります。


ルートビアの原料は、ハーブです。カフェインレスで保存料無添加のヘルシードリンク。カンゾウ(甘草:リコリスの根。消化を助けたり咳を緩和する)、マシュマロウ(タチアオイ:咳をとめ整腸や不眠解消に効果)、サルサパリラ、バニラ、などなど。
名前は、薬草類の根「ルート」と、1919年当時アメリカで公布された禁酒法により、アルコールを含んだ飲み物の販売が禁止されたため、それに替わる飲み物という歴史的背景に由来するものです。

どなたかがコメントにも書いて下さっている通り、健康的な飲み物なんですなぁ!
安心してたっぷり飲もう!(笑)

そういえばなかなかコメント返事かけませんが、あまりにタイトなスケジュールなんで申し訳ありません。帰ってからまとめます、、、

常夏の楽園・沖縄を食べ尽くす! 第2日目 名護の夜は居酒屋から山羊汁へと漂う。

 うーん まだこのblog、2日目までしかかけてないんだなぁ、、、ちょっと飛ばし気味に行こう。

 「てーげー」(←分からない人は一つ前のエントリを読むこと)な店、コッコ食堂でそばとオムレツ丼をやっつけた夜は、名護市内で飲むことに。

「やまけん、ひーとぅー食べようね。」

ん?なんだそれ?

「ひーとぅーはね、イルカだよイルカ。」

なんとシュールなことだろうね。今まで僕らは、水族館で愛らしいイルカショーを観ていたのだ。でも、イルカっていうのは実は鯨類だし、鯨肉と思えばどうってことはない。

 そういえばいまだに捕鯨に関しては世界的に反対の動きがある。僕はこのblogで政治的なことを書くことは控えているのだが、ことメシに関することだけは声をあげておかねばならないな。僕は捕鯨には賛成。鯨が多くなりすぎて、その内に世界の水産資源が枯渇するぞ。鰯の不漁の遠因もそこにあるのではないだろうか。
 ということで、食い倒ラーは日本の文化的料理、鯨肉を積極的に味わおうね。

さて
 今夜の一軒目、居酒屋「春海」の前に、チカシが待っていてくれた。

チカシは、やはり卓とキッペイとの高校時代の親友で、名護市役所に勤めるナイスガイだ。

「よくきたねー、blog読んでるよ! こんどオーパに連れて行ってくれ!」

こんなにも遠いところで僕のblogを読み、オーパのカクテルを飲みたいという人にあって、嬉しくなる。やっててよかった、と思う瞬間だ。

店に入り座敷に座り、早速オリオンビールの生で乾杯する。

軽いテイストのオリオンは、沖縄のムワッとくる暑さ、ゆるさの中で飲むと最高である。

「ひーとぅー食べようね、ひーとぅー」

と、メニューに載ってる料理類をあらかた舐めるように頼んでいく。

■ヒートゥー炒め(時価、といっても安い)

ヒートゥーは大量のニンニク、ニラ、モヤシと炒められてくる。脂身であるコロの薄切りと肉の薄切りが双方等量に炒められてくる。味は濃厚、独特の鯨臭があるが、これが旨い。オリオンとはバカに合う。

■マグロの酢みそ和え

この辺では、刺身には酢みそをかけることが多い。マグロのブツにも酢みそで和えるのがよくやる料理法なのだそうだ。これががっちりマッチして旨い!よく考えてみたら「ぬた」そのものなんだが、沖縄のそれは少し違う。しーくわーさーが付いてきたのでこれを絞ると、鮮烈な香気と酸味が湧き出し、食が進むことこの上ない。

■魚(名前ワスレタ!)のバター焼き


ケースにドンドンと並べられていた鮮度の高そうな魚から、バター焼きをしてもらう。衣を薄く着けてカリッと焼かれ、ニンニクが利いたバター焼きは実に美味。やはりその土地なりの調理法が確立されているのだな、と強く感じる。

もうこの辺で相当にいい気分。チカシとはダチである。また、この日は粟国(あわぐに)というキッペイの仲間が来ており、彼が農業改良普及員であることから、相当に専門的な話に入った。翌朝は彼の手引で北部の農場をいくつか見学させて頂けることになって、非常に楽しみなのであった。

================================================

「よし、じゃあ山羊汁食べに行くよー!」

名護市役所のチカシが先頭に立ち、僕らを誘ってくれる。山羊についてはこの北部の名護市周辺でかなり名物となっているらしい。ここに来る前に乗ったタクシーの運ちゃんも、

「この辺だったら名物は山羊だね。勝山っていう地域のが旨いよ。山羊の睾丸はね、言ってみればトロだね。旨いよ。あと、スープが最高なんだけど、飲むと血圧が異様に上がるから、病気の人は呑まない方がいいね。」

など、かなり凄まじいパワーを予感させるようなセリフを連打してきたのだ。すんげぇ楽しみなのであった。

春海から歩くこと10分くらいの間に、チカシは自分の街・名護市礼賛を続けていた。

「名護はね、田舎的な要素と都会的な要素が両方あっていい街なんだよ!もっとここを愛する人を増やしていきたい!」

と厚く語るのであった。卓の友人達は皆、沖縄をよくしていくための最前線の仕事をしている。無論、県職員や市の職員である以上、本音と建て前があるはずだし、うまく自分の意が通せない局面も多いだろう。しかし、自分のクニを語るその口調は例外なく熱い。僕のような、あまり根がない人間にはとてもうらやましくなる瞬間だ。でも僕はこういう「人」が好きだ。沖縄がいいところなのだ、と言うよりは、こいつらが居るから沖縄はいいところなのだと思う。
「さあ、この店だよぉ!」

いやぁ びっくりした!このストレート極まりない店名を観て欲しい。

「名護山羊料理店」

である。ほんと、こういう名前の店があったら、他の店は成り立たないね。

入店すると、いい感じにタガのはずれた感じのおばちゃんが座敷に通してくれる。

「どこで飲んでたの?春海?あそこは鮮度いいから美味しかったでしょ?じゃあ、山羊刺しつまんで、山羊汁飲むかい? 泡盛は?」

と我々につけいるスキを与えずにコトが進む。泡盛の水割りを飲みながら店内を見回すと、シュールなことに山羊の頭部分だけの剥製が我々をつぶらな瞳で見下ろしている。うーむ 食欲減退の気味あり。

 大体、この山羊屋に入店したときから、獣臭が凄まじいのだ。なんというか、、、獣の匂いである。しかし、チカシやキッペイは全く動じていない。やはり沖縄の人にとってはこれがソウルフードなのだろう。

と、山羊刺しが運ばれてきた。

「これはね、ショウガを溶かした酢醤油で食べるんだよ。皮の部分と肉の部分があるから、交互に食ったり、一緒に食べてみて。」

と、酢醤油に漬けて皮と肉を頬張ってみる。

コリコリとした皮の部分。思ったより匂いはきつくない。僕にはこれは美味しいな。ただし量はあんまり食べられない。
 なぜなら、厨房からこの後に運ばれて来るであろう山羊汁の匂いが辺りに充満し、獣香が鼻孔を攻撃してくるのである。

 果たして、おばちゃんによって運ばれてきた山羊汁は、もう見た瞬間にグロッキーになるような盛りであった。

 皮身の部分と肉の部分、スペアリブ的な骨付き部分が入っている。汁はドロリと白濁していて、獣臭はかなり漂ってくる。フーチバー(ヨモギ)が入っているが、この香りがかなり獣香を中和してくれている。思い切って肉を口に運んでみる。


、、、ん? 肉自体はあまり臭くないし、味もまろやかだぞ? 脂身はトロトロ。肉自体にはそれほどむかつく獣臭はないような気がする。皮の部分もトロリとしていて、嫌な食感は全く無い。

「あれれ、旨いじゃないの、山羊汁!」

汁を飲むと、ドロリと脂・ゼラチン質が溶け出した中に山羊のエキスが詰まっていて、超濃厚である。これで明日の朝は大変なことに、、、って、男4人の雑魚寝部屋なのだが、、、どうしよう。

山羊汁をガンガン食っていく。肉は全部たいらげた。ただ、汁はちと飲みきれん。飲みきったら大変なことになりそうな予感がする。

「やまけん、この店の山羊汁には、なぜか内臓が入ってないね。本当は内臓が一番旨いんだよ、、、今度は、ホンモノの内臓入りの汁を食べに行こうねぇ」
とキッペイが教えてくれた。そうか、そうなのか、内臓、かなり強烈そうだがぜひ行きたいゾ!

さて実はこの翌日、チカシは誕生日なのであった。なので、この山羊料理店で0時を越すまで飲む。0時になり、チカシを皆で祝福する。嫁さんのさつきちゃんもかなりいい感じに飲み、みんなとワイワイやっている。

嬉しいなあ、、、こういうの。日々、いい仲間が一杯出来ていく。今日はコッコ食堂で驚きのドンブリも食ったし、イルカも食ったし山羊も食った。イイ一日だった。明日は何が食べられるだろう?と思いながら、ホテルに帰還。皆より先にバタンQのやまけんであった。

2004年09月13日

常夏の楽園・沖縄を食べ尽くす! 第3日目 その1 沖縄パイナップル新世紀 驚きのクリームパインを食べた

 朝、名護のホテルで目が覚めると、少し雨が降っているが穏やかな天気だ。僕は昔から晴れ男で、だいたい何かのイベントの時には天気予報を覆すことが多いのだが、今回も外に出る時は雨があがることが多い。今回もそれを期待したいと思いながらホテルの玄関を出ると、昨晩初めて会って意気投合した粟国(あわぐに)が手を挙げて挨拶を寄越した。

 粟国は農業改良普及員という役職に就いている。県の職員として、各市町村の農業者への各種支援・指導をするのがその業務だ。いわゆる農協にも営農指導員というのが居るが、普及員は県職員なので、栽培技術の指導もする一方、役所の裏方的仕事も回ってくる。また、全国各地で農業の形態や政治性も違うので、普及員と農業者の関係は様々だ。今回、この沖縄の地での普及事業がどのようになっているのかを観ることも関心の一つなのであった。

「今日は大宜見村の方にいって、クリームパインを食べましょう。ピーチパインはもう季節が終わってしまっているので無理なんですけど、、、」

大宜見村は名護からまた北部にある村で、「シークヮーサー」を特産としている。

■大宜見村Webサイト
http://www.vill.ogimi.okinawa.jp/top.asp

彼が今、情熱を燃やしているのは、この大宜見村周辺で栽培されている「クリームパイン」などの差別化品種をもっと売っていきたいということなのだ。

「知ってましたか、パインにも色んな品種があるんですよ!通常の品種だけでも最盛期に食べたら凄く美味しいのに、クリームパインというまろやかな品種と、ピーチパインという桃みたいな味がする品種があって、奥が深いんですよ。」

全く知らなかった! パインは熱帯作物なので、九州までしか足を踏み入れていなかった僕には未知の世界だったのだ。

「実は沖縄でもパインにはちょっと寒い環境です。だから、熱帯~亜熱帯に比べると、一本の株から獲れるパインの量は少ないんですよ。収穫期が毎年ずれ込むのが難しい作物ではあります。作ること自体はそれほど難しくないんですけどね。」

ステアリングを握りながら粟国は熱を込めて語ってくれた。街道から山道に入ると、背の低い、アロエベラの葉が茂ったようなパインの畑が観られるようになる。

「最近、パインは樹にいくつも成ってると思っているコが多いんですよね、、、修学旅行生とか来ると必ず数人はいます。パインはご覧の通り背の低い株の先にニョキっと実が付きます。パインの株自体は一度植えると数年は実をつけてくれます。この辺ではだいたい4年は保たせます。台風なんかにも強い品種があるので、農家は重宝しているんです。僕はこのパイナップルの育種を試験場でやっていたことがありますけど、毎日食べていたけど飽きませんでしたね。メロンなんかとはまた違う美味しさだし、すごく安いし、なんでもっと人気が出ないんだろうって思います。」

「そうだねぇ、本州ではあまり国産パインを食べるっていう習慣がないよ。認知自体がないよね。スーパーで並んでいるのは輸入物ばかりで、すじばっていて美味しくないのが多い。」

「ドールとかデルモンテは、自社選抜したいい品種を持っているんです。けど、日本で熟したパインを食べる方が絶対に美味しいですよ!あ、着きましたね、ここです。」

山の中腹に、農家直販所のような小屋が建っている。数人の農家さんが中で商品を売りながらくつろいでいる、選果場を兼ねた小屋だ。コンテナ詰めされたパインが並んでいる。こんなに多くのパインを観たのは僕も初めてだ。

「あら、粟国さんどうもぉ~」

「すみません、クリームパインを食べさせて頂きたくて、、、」

「はいはい、一つ割りましょうねぇ」

と、世間話をしながら奥様がパインを刻んでくれる。もうクリームパインも収穫の末期にさしかかっているということで、タイミングがまにあってよかったとホッとする。

 通常のパインは熟すると外皮が茶色くなるが、クリームパインは濃い緑色のままだ。なので、熟しているかどうかを判断するのは結構難しいらしい。果たしてこの断面はどのような色なのだろうか。

「はい、これがクリームパインですよ。」

なるほど!確かにクリームのような乳白色だ。画像では比較対照がないとわからないだろう、こちらが通常のパインだ。

雨の日の暗い画像でこれだけ差があるのだから、眼で見たらかなりインパクトのある違いである。

葉付きのままで縦に綺麗に剥かれた(この農園オリジナルの剥き方らしい)クリームパインを一本口に運ぶ。持つ前からジュースが滴り出しているのにかぶりつく。「シュクッ」とかみ切ると、果肉が弾け、ジュースと鮮烈なトロピカル芳香が一気に口腔から鼻孔に抜けていく。

「おおぉ~  お? 酸が押さえられていて、本当にクリームっぽい!」

これはびっくりである。パインの酸は強烈で、タンパク質分解酵素を多量に含むため、口の中での刺激が強い。しかし、このクリームパインはまろやかな味で、ゆっくりと味わうコトが出来る。果肉の柔らかさとジュースの量はハンパではない。香りもまろやかながら、強烈な印象を残す味だ。

通常のパインを食べる。もっと鮮烈な香りと酸味。こちらはあの慣れ親しんだパインそのものの、上質ゴージャスバージョンである。

「やっぱり通常の品種もムチャクチャ旨いなぁ、、、これ、本州では全然お目にかかれないよぉ。輸入品とは全く違うじゃん。」

「そうでしょう?なんでもっと食べられないのか?って思いますよ。いま、贈答用の化粧箱も作っていて、来年からは本州向けにも販売していきたいんで、ぜひ協力してくださいよ!」

当然当然、了解なのである。こんなに旨いパイン、しかも品種違いでピーチ、クリーム、そして通常のパインが一玉ずつあれば、とんでもなく楽しめるデザート群になること間違いない。

問題は価格だ。沖縄から東京に送ると、送料だけで1500円くらいになってしまう。パインは一玉500円未満なのに、、、やはり、本州の卸が引き受けて、分散していくのが一番なのだが、沖縄は台風県だけに収穫量や時期が大きくぶれることが多い。そうなるとスーパーなどでは扱いにくいということで、安定供給可能な輸入物が扱われている現状だ。

「粟国君、俺も宣伝するからこれ、ぜひ軌道に乗せようよ!」

「ぜひぜひ!」

ということで、食い倒れ日記は沖縄パインを応援する。来年の時期には、パインの共同購入でもやってみるか?

 生まれて初めてというくらいにパインを沢山たべて、口の中のタンパク質が分解酵素のおかげで少し溶けたようで、ひりひりする。帰り道、ドラゴンフルーツ(ピタヤ)農家の畑に寄ってもらう。あいにく農家さんは留守だったが、農業改良普及員というのは、農家と付き合いが深い場合は、留守宅でも畑にどんどん入っていく。

「あ、これ、パッションフルーツですね」

おおお、、、樹になっているパッションは初めてだ。

で、こっちがドラゴンフルーツ農園だ。これが実なので、見たことがある人は多いだろう。

この実が付いている樹と、その畑がかなりシュールだ。ドラゴンフルーツ、実はサボテンの実なのだ。

どうだ?結構シュールでしょう、、、サボテンがうねうねとくねり立ち、ショッキングピンクの実がそこここに成っている。このドラゴンにも、白と赤以外にクリーム色の品種があって、「これも凄く美味しい。」ということであった。うーん奥が深いぞ熱帯フルーツ。

これだけ見たところでタイムオーバー。一路、11時からの約束であるオリオンビール工場に向かう。

「パインは情熱を持てる作物です。こんなに美味しくて安いんだから、もっと沖縄県民にも食べて欲しい。実はそんなにパインを意識して食べている県民って少ないんです。」

熱を込めて語る粟国君は、僕が観てきた改良普及員の中でも実に好感の持てる人だった。パインを食べながら観ていたのだが、農家からの信頼も厚く、誠実だ。

「でも、あんまり人と付き合うのは苦手なんですよ。本当は一人で釣りでもしていたい。」

という粟国だが、そんなこと言うな!沖縄パインをもっと打ち出していこうじゃないか!協力は惜しみません。

 いつのまにかスコールが去って乾きかけた路麺を、4駆が疾走する。日本は狭いと言うが、自分はまだしらぬ農業があったことを、痛感するのであった。

名護名物といえば実はこれ! オリオンビール工場を見学した!

 さて、昨晩世話になったチカシいわく、「名護市の最大の名物はオリオンビール!名護に工場があるから、名護で飲むのが一番旨い!」ということだ。そのオリオンビールには無料で見学ができる。見学後にはなんと、工場できたてのビールを試飲できるのだ。

「昔は飲み放題だったらしいんだけど、飲み過ぎて車運転した人が事故を起こしたみたいで、一杯しか飲めなくなってしまった」

ということだ。一杯で十分!是非飲んでみたい!

 オリオンの工場入り口で粟国に別れを告げ、キッペイと卓と一緒に工場に入る。女性が説明をしてくれながら工場見学。本州にいるとオリオンの名前はほとんどきかないが、沖縄ではこれがなければ始まらないという銘ビールである。
 たしかに初日からオリオンの生を飲む機会が多いが、実に最高に爽快で旨い!どこで飲んでもギンギンに凍りついたジョッキに生が注がれ、ジョッキのあまりの冷たさにビールが少しシャーベット状になりながら口に流れ込んでくる。癖のない軽いアタリは、軽快な喉ごしと相まって、一気に極楽感を現出させるのだ。

 ビールも醸造なので発酵させる。オリオンでは40日間の発酵を経て、市場に出回ることになる。発酵が済んでボトリングした後は、あとは鮮度がものをいう。近ければ近いほど旨いのは当然。だからこのお膝元で飲むのが最高ということだ。

 見学コースを一巡し、試飲コーナーで女性が生ビールを注いでくれる。つまみもオリオンオリジナルのナッツだ。

透明感あるビールをググッと飲む。

「おおっ! なんだか香ばしい感じがするぞ!」

そう、ホップの香りが、居酒屋で飲む生より強く香る感じがするのだ!工場で飲むビールが違うというのは、真実であった。

運転をしてくれる卓は残念ながら飲めない。悔しい顔をしていた。スマン!
すっかりご機嫌になって、次なる聖地へと向かう。

それは、、、

「タコライスのキングタコス」

である。

2004年09月14日

タコライスチーズ野菜は二次元的味覚の極地か!? 「キングタコス」

「よし、やまけん、キングタコスでタコライス食べようねぇ」

キッペイがニヤリとしながら次なる聖地巡礼の宣言をする。そう、かなり期待度満点のタコライスである。

 実は僕は、メキシコ料理があまり好きではない。「あまり」というところがポイントで、嫌いな訳でもない。今まで行ったメキシコ料理店では、いくら食べても味覚に満足感を感じないのだ。量的な満足ではない、舌で感じる旨味のストッパーがないというのだろうか。昆布に含まれる旨味成分であるグルタミン酸が全く入っていない味なのだろうか。

 それでも、この和洋折衷の極みと言えるタコライスには興味があった。タコライスは、タコスに使われる具(レタス、チーズ、スパイスで炒めた挽肉)をご飯にかけたものである。これがめっぽうイケルという。東京でも各所で食べられるので体験をしてはいるが、どれもそんなに言うほどのものではなかった。しかし沖縄県人はみな「タコライス」と言うのだ!その違いを知りたい!

「やまけんをキングタコスに連れて行ったらどのくらいたべるかねぇー」

「チーズ野菜大盛り食わせようか?メニューには大盛り無いけど、やってくれるからね。」

「チキンバラバラもつけて欲しいね!」

等々、キッペイと卓、加賀谷が話しをしている。その顔がまた満面の笑みである。これほどまでに彼らを幸顔にするキンタコとは一体どういう店なのか!

「ここから歩くよー」

米軍基地横の駐車場に停めて、繁華街となっている中を少し歩く。米兵向けの歓楽街で、横文字の看板ばかりだ。昼間なのでどの店も開いていないのがまた更に旅情をそそる。

「あー 来た来た、ここだよヤマケン。」

 店自体は、色々と言われてきたので大きな店なのかと思ったら、路地裏の小さな店構えであった。実はさきほど店の前に車を停めに来たら無理だったので駐車場に車を回した。その間にお客さんが入ったようで、僕らが入る余地がない。店内を伺うと、テーブル席が3つしかないのだ!

「えええ 有名店なのにこれしかテーブルが無いのかぁ」

「ちょっと待とうね~」

 窓から覗くと、おねーさん二人が談笑している。あの駐車場までの短時間に3組の客に料理を出したのだろうから、相当な早業処理であることがうかがい知れる。

 これが店の外に出ているメニューだ!沖縄の店ってなんでこんなに安いんだろう、、、

「やまけんはタコライスとチーズバーガーと、チキンバラバラを食べようね!」

うーん それ、食いきれる量なの?とかなり不安にはなるが、受けて立とうじゃないか。程なく手前側のお客さんが食べ終わり、テーブルが空いたので入店。

「やまけん、そういえばここにもルートビアがあるよ!」

おおお!この旅ですっかり好きになったルートビアがあるではないか!あれはA&Wの専売特許だと思っていたのだが、他の店にも供給されているんだな。

「じゃあ、一番大きなサイズで飲もう!」

「うそっ スゴイ量入ってるけど飲みきれるの?」

そう、昔マクドナルドで羨望の的だった、コーラが一番沢山入るバッグ(カップではない)いっぱいに入ってくるらしいのだ。

そうこうしているうちにまずチキンバラバラ(500円)がすぐに供される。すでに揚げているものを出すからだが、500円とは思えないほど肉が多い!

ていうか、これはほぼ鶏の半身分くらいはあるだろう。加賀谷がこれをみてゲラゲラ笑っている。

「やまけん、これ食ってくれ~」

いやしかしこの量を一人では無理だし、みんなで分け合う(ちなみに最終的には僕は二切れ食べた)。割とあっさりした味のチキンで、尖った味がするわけではないが旨い。

と、このチキンをやっている間に、カウンターに凄まじいモノが置かれた。

「チーズバーガー出来ましたよ」

デカイ! バーガーもいろいろ観てきたが、これほどデカイのは初めてである。2メートル先のカウンターに置かれた瞬間に、そのでかさにヤラレタ。

今回思ったのだが、写真だとこの迫力は伝わりにくい。食べ物から出ている圧倒的なオーラというか、空間を占有している位置エネルギーが迫ってこないのである。けど、とにかくデカイのだ。横に置いてある卓の携帯電話のスケールで考えて欲しい。

とにかくこれには燃えた!食ってやる!

バーガーバンズは信じられないほどの大きさだが、フカフカした生パンで、それほどみっしりと詰まっている訳ではない。これなら最後まで行けるだろう。ただしそれはタコライスの量による、、、と思ったら、出てきたタコライス!

もう笑うしかない。凄まじい量のライス、ミート、チーズそして雲に届かんばかりのレタスである。卓、キッペイ、加賀谷は大笑いである。心から幸せを感じているような笑顔である。

「やまけん、これタップリかけてね」

と、サルサソースがなみなみと入ったケチャップ入れが回される。そうか!タコライスにはソースがかかるんだった!レタスの上にソースをぶっかけ、雪崩が起きないようにスプーンでガッツリとタコライスを頬張る。

驚いた! すんげー辛い!

サルサソースがハンパじゃなく辛い。トウガラシが効いている!しかし、その辛みが味蕾に直撃した後は、チーズのまろやかさとレタスの爽快なシャキシャキ感、そしてミートの旨さとご飯の甘さが一挙に口に拡がる。

「旨い! 旨いよこれ! 生まれて初めて美味しいタコライスを食べたよ!」
これは素晴らしい。今まで食べていたのは非タコライスであったとはっきり言える。キンタコ、実に旨いのだ。とにかくサルサソースの辛さと酸味が食欲をかき立てる。サルサがなければ、チーズ、ミートと、平板な二次元的味覚で終始してしまうところだろう。そこにサルサが介在することで、味世界が完結している。無論、サルサも辛さがなければ二次元的味空間に留まるのだが、この辛さと酸味の配合は絶妙と言うほか無い。

とにかく天を衝く量である。ガンガンと食べ進む。2口ごとにサルサソースをぶっかけていたら、すぐにソースが無くなってしまう。

「ソースもっと入れて!」

とキッペイが取り替える。ソースはバカ辛い!なので、火を鎮めるためにルートビアを補給する。そうそう、ルートビアはこんなバッグいっぱいに入ってくるのだ!

とにかく旨い!ハンバーガーは皆が一口ずつ食べた後は全部僕がやっつける。これにもサルサをぶっかけ、食いきった。加賀谷が最初のチキンで飛ばしすぎたか、「満腹になってきた」と言う。皆ペースが落ちるが、僕はかなり快調。
実は僕は

「米には強い」

のである。肉のごときタンパク質の塊だとこうはいかないが、米はいくらでも食べられる。タコライスチーズ野菜、チキンバラバラ2ピース、バーガー
5分の4をしっかり食べきった。

「ヤマケン、、、食ったねぇ、、、」

食べたよキッペイ!旨かった!
これだけ食べても、タコライスチーズ野菜600円、チーズバーガー350円、チキンバラバラ500円だ。安い!

しかも、ここのサルサソースは最高に旨い。

「他の店も美味しいトコあるけど、キングタコスの味はオリジナルなんだよね。」

是非とも、東京に進出して頂きたいと思うのだがなんとかならないか? 満腹な腹をさすりながら車に移動する。その道すがら、ぼんやりとした意識の中で考えた。

 タコライスにしてもなんにしても、米国駐留によりもたらされた食文化は、やはり平面的、二次元的な味覚世界が多い。肉中心のイノシン酸により築かれた世界と言えるだろう。これが日本的味覚の代表であるご飯と結びつけられ生まれたのがタコライスである。これは文句なしに旨い。おそらく人間の快楽中枢にそのまま刺激として突き刺さってくる要素がタップリと混入されているのだ。そして、これもポイントだが、非常に安い。
 初日から食べてきて、この二次元的空間を楽しみまくっているわけだが、沖縄の郷土に伝わる3次元的な味空間にはいつ出会えるのだろうか。若干の不安を感じている僕が居た。

 そしてその答えは、明日第4日目に、僕らの眼前に提示されることになったのだ。

2004年09月15日

常夏の楽園・沖縄を食べ尽くす! 伝説の沖縄在来豚・アグーを食べる「Gen」

 沖縄にいる最中に、このblogではおなじみの長島農園の勝美君からメールが来た。

「島豚のアグーを絶対食べてきて! 黒豚っていうのはバークシャー種のことを指しているけど、本物の黒豚は沖縄のアーグ。沖縄行ってるんだったら食べてきて!」

おお、アグー! それは、沖縄に存在した混じりけのない在来種。ルーツは当然ながら中国。ということは、このblogでも登場した金華豚の血の入った豚のような、中国系の豚である。

アグーについてはこのページがきちんとした情報を載せていた。

■九州沖縄農業研究センター
沖縄在来豚「アグー」
http://konarc.naro.affrc.go.jp/okinawa/letter/topic3/sub2topic3.html

戦後、ランドレースやバークシャーといった西洋種が流入してくる一方でアグーが絶滅寸前になっていたのを、少数のアグーを交配させて増やしてきたという歴史がある。それでも現在、100頭余りしか純血種が存在していないらしい。このため、「戻し交配」という技術を用いて、純粋なアグーの遺伝子を持った豚に近づけていく努力も続けられているということだ。

 このアグーが食べられる店があるのか?とキッペイに訊いたところ、

「アグー食べたいの?じゃあ夜にいこうかね!」

と、力強い返事をもらったのである。キングタコスの残滓が胃袋や直腸でその存在感を誇示している最中で、皆の表情は暗かった(笑)ものの、これは食べておこうということで即決。キングタコスから約4時間でアグー詣でになったのだ。

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■炭火焼と泡盛 GeN
沖縄県那覇市久茂地2-6-23
Tel:098-861-0429
http://www.wagyu-gen.com/

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座敷に上がって品書きを開き、とにかくアグーばかりを注文する。内地の感覚からすれば普通の価格もしくは割安だが、沖縄では高い水準だろう。

あぐーかるび 780円
あぐーロース 880円
あぐー豚トロ 680円

といった感じである。

 何だか沖縄にきて初めて、「通常の店」に来た感じだ。というのは、店員のお兄ちゃんがバイト慣れしていないのか、オーダー時の会話の反応が鈍く、かなり気が利かない。でも、後から来たおねーちゃんは乗りがよかったので、個人差だな。

「うん、ここはサービス的には沖縄っぽくないね、でも肉は美味しいから!」
まさしく肉は旨かった!

アグーは中国系、ということは、肉に含まれる旨味成分量はハンパではないはずだ。また、脂はきめ細かく甘い、香りのよいものだろう。そう思っていたら、予想以上の肉質だった。

カルビを網に拡げると、脂がジュワッと滲み出てくるが、脂が溶けて流乏してしまうわけではなく、きちんと固体が残っている。

焦げ目が軽く付いたのを口に運ぶと、臭みのないが独自の綺麗な癖を持つ香りが拡がった。

「おお! 旨いじゃないの、アグー!」

カルビも旨かったが、あごの下肉である豚トロも旨かった。肉の旨味は本当に濃い。これは素晴らしい豚だ、、、こいつのラフテーは極上に旨いだろうな。
カルビを3人前追加して、泡盛と一緒につつく。気づいたのだが、泡盛の水割りは、豚の癖と脂をさっと流してくれる。沖縄文化は実に簡潔!

「旨かったね! じゃ、山登りと川下りに行こうかね!」

と、キッペイの案内を頼りつつ、僕らは夜なのに、山と川に行軍し、そして堪能したのであった。

2004年09月16日

常夏の楽園・沖縄を食べ尽くす! ポーク玉子おにぎりを首都圏でもぜひ導入して頂きたい!


 沖縄や鹿児島に行ったことがある人ならよくご存じだろうが、その食卓には「ポーク」いわゆるランチョンミートが多用されている。僕なんか、沖縄は今回が初めてなのに、ランチョンミートの代表格である「SPAM」が大好きで、しょっちゅう買い込んで焼いて醤油をからめてご飯にのせて食べていた。

 このSPAM、東京で買うと、450円くらいするのが普通だ。しかし、なんと沖縄ではこの半額以下が普通なのだ! ということで、今回はこのポーク缶をしこたま買って帰るというのが、もう一つの目的であった。

 キッペイと卓にお願いしてスーパーに連れて行ってもらう。

「やまけん、今日はちょうど安売りやってるよ。一人3缶までだけどね。」

とみてみると、、、なんと!一缶198円ではないか


重いのもなんなので6缶をとりあえず購入。素晴らしいぞ沖縄! しかし、ポーク缶はSPAMだけではない。観たことないメーカーのものが多数ある。例えば沖縄ではもう一つ、チューリップというブランドが有名らしい。

また、あまりにそそられるのが、業務用の缶詰だ。ムチャクチャにデカイ!

思わず買ってしまいそうになったが、食いきれない内に悪くしてしまうこと必至なのであきらめた。

 さて、このポーク缶を使った沖縄料理に、「ポーク玉子」がある。なんのことはない、ポークの薄切りを炒め、卵焼きに添えるだけなのだが、これが沖縄料理の本にも載っていることもある。つまりハムエッグとかベーコンエッグと同じようなカテゴリなのだろう。それに驚いていたら、もっと感動したのは、

「ポーク玉子おにぎり」

なるものが、どこのコンビニに入っても必ずあったことだ。

これがそのポーク玉子おにぎりだ。これはローソンに売っていたものだ。

みておわかりのように、四角いおにぎりになっている。比較対象がないので分かりにくいだろうが、通常のおにぎりの1.5倍くらいはある、大型おにぎりである。値段も190円程度で、ちょっと高め。

早速買った。通常のポーク玉子だけではなく、「ポーク玉子あぶら味噌」というのがあったので、こいつを購入。あぶら味噌とは、沖縄特有の肉みそと思えばいい。滅法旨いご飯の友だ。大ぶりのおにぎりにかぶりつくと、こんな断面になっていた。

うーんこいつは食い応えがある、、、ちなみにこのポークは「チューリップ」ブランドのものであった。割とあっさり風味で、これも旨いと思った。

この夜以降、僕は必ず一日1つはポークおにぎりを食べた。下の画像は、港の売店に売っていたもので、やはりあぶら味噌入りのおにぎりだ。


ちなみに表示カロリーもかなり高めであったため、さすがに一度に1つしか食べなかった。これ、かなり旨いのよ。

セブンイレブンの超・名作おにぎりである「照り焼きソーセージ」は、このスパムおにぎりをモチーフにしたものだというのは有名な話だ。しかし、どうせならモロにこのポーク玉子おにぎりを本州でも出して欲しい。よく朝のコンビニにどどっと入るガテン系労働者をみかけるが、彼らに人気がでること間違いない。少なくとも、俺は買う。

ちなみに、SPAM缶を198円で買ってホクホクしていたら、最終日に加賀谷と立ち寄ったスーパーでは、150円で売っていた! うわーん 観なければよかった、、、

さて、話はいよいよ、最大のクライマックスである4日目に突入する、、、

2004年09月17日

常夏の楽園・沖縄を食べ尽くす! 第4日目 ついに来た大本命! 沖縄的3次元味空間が眼前に拡がった! イラブー料理「カナ」

 ようやく沖縄4日目である。かつてこれほどに濃密な食い倒れ旅行をしたことがないので、書く方も大変なのだが、どうか読者さんもついてきて頂きたい。何せこの4日目が大本番だったのだから。コメントにレスつける余裕もないのだがご理解頂きたい。

 4日目の日中は、加賀谷と二人でフリータイムだ。卓とキッペイも、ほぼ僕にフルアテンドしてくれているので、そのままだと自分や家族とのの時間が持てないからだ。ただしこの夜は、卓の親父さんが懇意にしているという琉球澱伝統料理の店に連れて行って頂ける。

「ヤマケンがイラブーを食べたいっていうので、地元でも評判の店を予約しておいたよ。レンタカーで行っておいで!」

イラブーとは、猛毒を持つエラブウミヘビのことだ。古来、沖縄ではこのイラブーの燻製を珍重し、滋養強壮のために食べてきたという。ということなんだが、別に滋養強壮とかが目的じゃなくて、とにかく旨いらしい。以前、敬愛する東京農業大学の小泉武夫先生が、

「これこれ、このイラブー汁は、日本の宝ですよぉ!」

と叫びながら汁を飲み、滝のような汗をしたたらせていたのをみて、「いつか絶対に食うゾ」と決意していたのである。

卓がコーディネートしてくれたのは、「カナ」という店だ。

「すんごく小さな店で、わかりにくいところにあるみたいだから、レンタカーを借りてカーナビをセットするところまでは僕がやるから。」

と、卓は朝、親父さんとともにレンタカー屋まで同行してくれる。どこまでもいいヤツなのだ、卓は。沖縄での卓は、本州でみるビジネスバリバリ系の彼と全く違って、空気がゆったりとする。なんだよ、これが本来の卓なんじゃないか、と思いホッとするのであった。

「じゃ、いくよ~ん」

加賀谷が運転する車で県庁前の「パレットタウンくもじ」を出て、一路北へ。沖縄の幹線道路は今回の旅で大体巡ったので、理解できた。今日の道程も、2日目の名護へ通じる道だ。やはり沖縄は車社会で、旅にも車がないと十二分に楽しむことが出来なさそうだ。僕は諸般の事情で数年前に免許取消しになってしまったので、誰かと来なければいかんなぁ。

さて カーナビと格闘しながら、青い空の下、快適なドライブをしばし楽しむ。道が空いていたので、1時間しない内に目的地近辺に到着。しかし、幹線道路から一本入ったらただの田舎道で、どこに店があるのか全くわからない!勘で探したら、やっと小さな看板を見つけた。

「ふうぅ~ やっとついたね、、、」

しかし、車を停めた道からさらに奥に入っていくようだ。ほんとに店があるのかよぉ~と不安になる。

そういえば加賀谷はこの旅にDVカメラを借りてきて、僕が食い倒れる様を撮りまくっている。この写真でもカメラを構えている彼が居る。加賀谷は常々、「やまけん、食い倒れは動画に残すべきだ!」と言っているのだが、なかなかそうしない僕に業を煮やしたようである。

どんどんと道を歩いていくと、行き止まりになって民家があり、覗いてみると、店の玄関があった。


■カナ
沖縄県北中城村字屋宜原515・5
098・930・3792
月・日曜日休

玄関をあけると、予想通り民家のつくりで、居間と座敷にそのままテーブルを置いてあるという風情だ。お客さんが2組居たが、店の人は見えない。靴を脱いで上がると、厨房に親父さんがいらっしゃったので、「予約していたものです」と伝え、座敷に座らせてもらった。しかし、ちゃんとオーダーが通っているのかどうかが全くわからないのでまた厨房を覗くと、オバアがいた。

「あ、予約してきた方ね。うん、ごめんね、まだもう一人の店の人がきてないもんだから、忙しくてねぇ。イラブー汁定食でいいのね。待っててね」

というようなことを琉球の言葉で、そしてかなり沖縄時間で話してくれる。このオバアが実に力が抜けていていい感じだ。

さてそこからがまた長かった。コッコ食堂もそうだが、沖縄の飯屋では待つことが嫌いな人は楽しめないかも知れない。我々が入店した後も数組の客がきたのだが、皆不安になるらしく、おばあに色々確認しにいっている。その内に店の手伝いさんが到着。どうやらこの店では基本、おじい&おばあは料理に徹し、仲居さんが上げ膳下げ膳をやるということらしい。ちょっとホッとする。

このエントリを読んでカナに行こうという人は、ゆめゆめ焦らぬよう。沖縄時間を心に持って行動されたい。

なんてことを言いながら、僕は昨晩に抱いた疑問を消化できぬままでいた。その疑問とは、「アメリカからの流入による2次元的平面味空間ではない沖縄料理はどこへいっちゃったの?」ということだ。いや誤解しないでいただきたいのだが、この二次元空間は大好きである。A&Wなんか毎日通いたくなったし、キングタコス万歳だ。しかし、この沖縄には、それらが流入してくる遙か以前から存在していた伝統料理があるはずだ。それを、味わいたいと思っていた。このイラブーは完全な郷土食だから期待していいのだろうけど、どうなんだろう?

そんなことを考えながら、待ち時間、全く手持ち無沙汰で、外の景色を見たりしながらなんとなくやり過ごす。加賀谷もあまり話をせず、数日間の沖縄でのテンションを調整するような、静かな時間、、、

それが、一気に破られることになった!


「おまちどおさま!イラブー汁定食ね!」


おおおおおおお
これがイラブーかぁ! 写真でみるよりも映像でみるよりも、ショッキングな見た目である。スープは濃く濁った茶色で、見るからにゼラチン質豊富だ。昆布の巻いたヤツがドスドスと入っており、この写真では見えないがテビチ(豚足)も豪快なのが2塊入っている。そして上部に見える黒い棒状の物体がイラブーである。

特に、このイラブーの皮の見た目はちょっとグロいなぁと思ってしまいがち。お世辞にも食欲をそそるとはいえない外観だ。これは、イラブーを乾燥させ燻製にしているからなのだろうが、なんだかゴムホースみたいな見た目である。

「おおお、、、よっしゃ、食ってみるか、イラブー!」

まずはイラブーの肉をつまむ。加賀谷、DVカメラを構えた。緊張の一瞬!

びっくりした。想像できないほどに柔らかい!

皮目の部分はトロリと溶け、中からホックリとした茶色の身がでてくる。この身のホコホコ感を感じながら噛みしめると、実に豊かな味わいのダシが、肉ジュースが、口の中に拡がった!

これは 旨い! これだ! これに出会いたかったんだ!

スープを啜る。 加賀谷と顔を見合わせる。

「おおぉっ、、、 なんだよこのスープ!」

正直、こんな奥深い、旨味の強いスープを飲んだことがない。昆布やカツオ出汁も入っているだろうが、圧倒的な味わいを出しているのはイラブーから滲み出るエキスである。その旨味はこれまでに味わったことがないものなので、何とも表現できない。僕は初めて自分のボキャブラリーを恥じようとしている。

しかし本当に、このイラブーの肉ほど、見た目と食味のギャップがあるものはないだろう。ほとんどの人が、この黒い鱗片が見える肌を見るだけで、ゴムホースのような食感を想像するはずだ。しかし、事実は全く正反対で、柔らかく香ばしく、まさしく肉である。滋味がこんこんと湧き出る泉である。

以降、ほとんど加賀谷とも会話をせず、とにかく汁を啜り、オカズを食べる。

てびち(豚足)が多量に入っているので、二人とも口に含み、骨をとってコツコツと皿に空けていく。この豚足に