
今年もやりました、土佐あかうしに出会ってもらうシェフツアー!
できるだけ毎年実施している、まだあかうしをご存じない料理人を高知に連れてきてしまい、あかうしはもちろんのこと、高知の様々な食材に触れてもらう。その上で、自分でそれら食材を使って料理をしてもらう! 毎回、複数人の料理人が参加し、しかも初対面の人達もいるので、この料理パートが実に緊張感溢れるものになるのだ!
冒頭の写真が料理バトルロイヤル後の写真、そしてこの写真が、高知空港に到着した最初の時の写真。みなの顔の落差が違うね。今回のメンツも素晴らしいです。
アンティカ・オステリア・デル・ポンテ 當間一貴 料理長
サバティーニ・ディ・フィレンツェ 小柴大輔 料理長
スーツァンレストラン陳 井上和豊 料理長
On The Table Chinese 平賀大輔 オーナーシェフ
naturam 杉浦和哉 オーナーシェフ
食堂かぶら 當島修弥 オーナーシェフ
津村美稲 パティシエ
Bobby Chinn ボビー・チン オーナーシェフ
メイソン・フローレンス コーディネーター
どーですか! すんばらしいでしょ?
この中で、デル・ポンテ&サバティーニのグループでは、以前から土佐あかうしを使ってくれている。それ以外の料理人さんたちは、おそらく初めての土佐あかうし。高知に来るのも初めて!という方もいた。
空港からマイクロバスにて、本山町へ。そう、あの「川原であかうしが水浴び」が観られる唯一の放牧地、中町牧場である。
いい具合に、まだ幼い子牛ちゃんがいます。
「あー しまった、おやつに乾草とか持って来たらよかった」 あ、そうだよね、ルーサンのキューブとかポッケに持ってたら、牛の方から寄ってきてくれるもんね。次回からそうしよう。
茂みの中に佇んで、身じろぎもしないベテランメス牛がいる。下の写真の左から二頭目。
「あの牛、もうすぐ出産なんですよ。あまり眼につかない暗い藪の中で産もうとしているんだと思います」
と中町君。
そんなデリケートなタイミングの牛さんをあまり刺激しちゃいけないね!
こちらでは、食堂かぶらの二人が、放牧地に生えている野草、、、というか、ひっつき虫の樹だな!に夢中。
さて、この放牧地は繁殖牛の地。繁殖の現場をみたらこんどは肥育です。山をグングン登って土佐町高須へ!
JAが出資してできた牧場、れいほく未来!
今後、生産者が高齢化して離農していく中、JAが法人経営する農畜主体がどんどん主流 になっていくだろう。高知県の土佐あかうしシーンにおけるその先駆けだ。
JA出資型農業生産法人「(株)れいほく未来」事業紹介動画
https://youtu.be/EJdlEP3Qia4?si=5G-PNNoBFk59aiPU
渋谷でオン・ザ・テーブル・チャイニーズを営む平賀さん、あかうしに積極的に手を伸ばす。ここでは産まれた子牛を母子放牧するのではなく、早いうちから親から話して哺育するので、ここで生まれた牛は人によく懐くのです。
あかうしの特徴、見分け方などを学んでもらった後は昼食。
10人以上のパーティーが入れる店があまりないので、アウトドアメーカーのモンベルが営むモンベル・ハーベステラス本山へ。
この頃になると、初対面の緊張が解けて、料理人同士うちとけてきます。
さすがモンベル、土佐あかうしを使ったカレープレートがある!
ピッツァもなかなかにおいしそうだった。
さあ、高知市内へもどって、買い出しだ!
買い出しの主戦場はもちろん、高知市が誇る直売所「とさのさと」。ここは何がいいかというと、とさのさとが巨大な直売所で農産物・畜産物・水産物まで揃うことに加えて、横には地元資本のスーパーであるサニーマートも控えていることだ。つまり何でも揃うってこと。
サバティーニ小柴シェフ、直売所に陳列にきてた生産者のおばちゃんに四方竹のことを教わっているの図。高知のおばちゃんはノリが良い!
他のシェフ達も「こんなのあるのか!」「これ使ってみたい」など、物色しまくり買いまくり。
なお、とさのさとにも精肉売場があり、高知県産の黒毛和牛や土佐あかうしも売っているのだけれども、料理人に使ってもらうお肉は三谷ミートにお願いして、ドカンと準備してもらっている。
さて、そんな食材をひっさげて、高知市内の繁華街である帯屋町にあるキッチンスタジオ「カナウ」へ!
民生用のIHヒーターしかないんですけど、料理人さんたち、本当にスミマセン。
お詫びに、この人が家から自前の炭火焼きコンロを持ち込んでおります(笑)
高知県畜産課の公文ちゃん、もうすっかり獣医師というより、あかうし専門肉焼キストとしての顔の方が濃いのである。
さあ~て すんごい顔ぶれの料理人達が入り乱れての料理合戦が始まった!
あかうし肉は三谷さんが持って来ているので使いたい放題です。
「あのね、5~6㎏ありますから、食べきれないと思いますよ!」と三谷専務。いやいや、過去の事例では使い切っちゃいますからねぇ、、、このトロ箱にいっぱいのお肉が料理人たちに振り分けられた!
おもしろい動きをしていたのが、アンティカ・オステリア・デル・ポンテの當間シェフだ!
「な、なにやってるんですか當間さん!?」
「あ、これね、あかうしを昆布締めにしてみようと思って。絶対旨くなると思うんだよなぁ、、、」
なんと、昆布締めである!
その横で、有楽町のサバティーニ・ディ・フィレンツェでトスカーナ料理を任される小柴シェフが、旨そうなパスタの準備をしてくれている。
下処理しているのはニンニク! そう、直売所で小柴さんには「高知のニンニクはね、長宗我部の時代に朝鮮半島から持って来たという逸話がありましてね、在来種なんですよ!ほら皮が赤いでしょ?」と話しておいたのだ。「それじゃ買ってみます!」と。
こりゃパスタが楽しみだ!
そして、海外から参加のボビー・チン氏も「俺も作るぜ!」と、ウズラの黄身を分け始めた。
公文ちゃんが火起こしした炭火グリルでは、でっかい「ぼたナス」が焼かれている。二子玉川の大人気フレンチ「naturam」の杉浦シェフが「なんですかこのデッカいナスは!」と目を輝かせて買ってきたのだ。
ぼたナスは高知の在来種。普通のナスの3~5倍の大きさで、果肉は程よい締まり方、加熱するとトロトロして甘い、焼きナスのために生まれてきたような美味ナスなのである。
みてくださいこのジュクジュク感! このまま焼きナスで食べてもいい!
世界のガストロノミーシーンで活躍する日本通のメイソンも、興味津々で観ている!
さあそして渋谷セルリアンタワーでスーツァンレストラン陳を率いる井上シェフが、静かに熱く、自分の料理の準備をしている!
四川飯店グループといえば麻婆豆腐、麻婆といえば、葉ニンニクが欠かせない!
高知は葉ニンニク王国だが、この時期はまだそれほど出回っていないからなぁ、、、と思っていたら、とさのさとに超早く出荷している人がいて、手に入れることができたのだ! 期待が膨らみまくる!
その横では、平賀シェフが、脇谷さんのトゥーランドット仕込みの(平賀さん、同グループに20年以上在籍)、肉の下処理を始めていた。
そう、下味をつけて片栗粉まぶして、油を回すアレだ。あかうしと中華、どうなるんだろう!?
そして食堂かぶらの當島君は「僕は、あかうしの肉巻きおにぎりをやります!」と。
でも、ただの肉巻きおにぎりじゃない。
高知も新米の時期。地元で穫れた「ヒノヒカリ」か「にこまる」か、、、と思いきや! 使うのは何と香り米! しかも普通は香り米をふつうのうるち米に二割くらいまぜればよいものを、「100%香り米です!」と!!!!!
いったいどんな肉巻きおにぎりになるのか、、、
そんな中、先陣を切ったのは、井上シェフだ!
※ピンボケゴメン。
■黒醋辣牛肉(あかうしサーロインの黒醋唐辛子炒め)
いやーーーーーこれ旨い! 黒酢の酢豚を牛肉、しかもあかうしでやりました!という感じに見えるだろうけど、あかうし肉に衣をつけて揚げているわけではない。黒酢ソースもおもいのほか爽やかで、濃すぎない。ゆえに、あかうしの味わいがしっかりたのしめるのだ! 最高のスターターである。
さてお次は、、、
出ました、當間シェフのあの「昆布締め」である!
土佐あかうしサーロインの昆布締め、ブシュカンかけ
生の状態で昆布締めにしたあかうしサーロインを焼いて、そこにブシュカン(仏手柑ではなく高知特有の丸い香酸柑橘)をジャッと絞った一品だ。
「シンコとブシュカン食べてぇ~ あ、ブシュカン見つけた!」と、とさのさとでブシュカンを見つけて光速のスピードで買っていた當間シェフ。もうあかうしに合わせると決めていたんだろう。
これがまた、旨い!
あかうし肉に、ふんわりと奥ゆかしい昆布のあの風味がしっかりと移っている。それを生かすためだろう、あえて肉の表面に強い焼き色はつけていない。ブシュカンの果汁もやわらかな酸味と風味なので、肉の風味、そして昆布の香りが活きている。あなた、若い頃はさぞかしブイブイやってたでしょ!?という感じの當間シェフなのだが、実に繊細な仕立てをする漢である。なお、わたくしめと同い年。みつけたぞ、ここにも同年輩!
料理ができたら、ひとまずみんなでわーーーっと集まって食べる! この一時が最高である。
そんな喧噪の中、ボビー・チンが赤身度の高い肉を叩きまくっている!
なにができるんでしょうね、ノーコメントです。
さあそして、二子玉川naturamの杉浦シェフ!
「やまけんさん、杉浦さんの肉焼きがスゴいです!」と慌てて僕を呼んでくれた井上さん。駆けつけたら、ホントにすばらしいキュイッソンであった!
そこに、あのぼたナスの焼きナスを載せていく!
自然と、當間シェフがお手伝い。料理人同士の流れるような連携が清々しい!
わわわ うまそ~う!
土佐あか牛 もも肉と ぼた茄子のグリエ 炙り葱とぶしゅ柑のコンディマン
ひゃーーーーーー やべえ、これは旨いです!
絶妙な火入れのあかうし肉に、焼きナスのトウモロコシのような香ばしさと甘いジュース、そして酸味の効いたブシュカンソースと炙った葱の芳ばしい香り。最強だなこれは、、、
みながわーっと寄って食べて行きます。 モテそうな料理を作るな、杉浦さん、、、
後半に続きます!