
料理人達と土佐あかうし、そして高知食材の夜はまだまだ続く。
おつぎは、中華の平賀大輔シェフだ。
平賀さんはWakiyaグループで20年以上務めた後に独立。渋谷のOn The Table Chineseを率いている。よく観たら着ているTシャツが、店オリジナルである! 友人のデザイナーに依頼して作ったものだそうだ。
ブシュカン(だったかな?)を薄くスライスし、皿に敷いておく。そこに、炒め物をしようとしているのだろうか、とにかくいろいろな食材を刻んでいた。おそらく今回のメンバーの中で最も食材点数が多い!
火力の弱いIHでフライパンを煽らせて、ホント申し訳ない! でもこれもまた普段見られないシェフの姿。
そして、井上シェフにも手伝ってもらって、Wakiya一派と四川飯店グループのコラボ!? お二人は、コンテストであるREDへの出場で仲良くなったそうだ。ちなみに杉浦シェフもその一人。
さきほど、下味に片栗粉、油を吸わせていた肉を炒める。「油通しするとクドくなってしまうので、今日は炒めます」とのことだった。
ここに、火を入れていたいろとりどりの野菜を投入!
すかさざ、合わせ調味料を注ぎ入れる。
手前のお椀にはいった白っぽいのはチューニャン? と聞いたら「いえ、これ白味噌を溶いたものなんです」と! 白味噌!?
煽ってフィニッシュ! 二人で仲良く盛り付け。
できました、、、
土佐あかうしと高知の恵み炒め
四方竹にナス、赤ピーマンなどの高知の野菜がふんだんに使われている。味付けが実に優しいのだが、複雑なミックスをしていることがうかがえる奥行きのある味だ。おいしい! なんといってもあかうし肉が柔らかで、これぞ中華の下ごしらえの成果だと膝を打つ。そして四方竹のコリコリ感がアクセント。
「ここにね、ミョウガをこんな風にデコレーションすると、脇谷さん風の盛り付けになるよ」と!
なるほど、これが脇谷さん風か!
さて、その横でボビー・チンが料理をどんどん進めている。
ジャーナリストでありコーディネーターでもあるメイソンがボビーに味見させてあげている!
ハンバーグの種です。
この後、いろんな薬味を合わせて火を入れていただきます。
土佐あかうしのタルタル風 ボビー仕立て
滑らかな土佐あかうしの肉質が実においしい。
この頃にはボビーもすっかりシェフの環に溶け込んでいた。
ボビーはシェフという枠に収まらない、マルチに活躍するひと。彼の店にも行ってみたい!
さあ、そしてもう一人気を吐いていたのが、食堂かぶらの當島修弥くん。
高知の在来キュウリなどを刻み、彼自身が仕込んだ醤をもちいてまずはおつまみを作ってくれた。
この醤に関心を持ったのかボビー、かれが持って来た三種の調味料を味見!
その當島君が心血注いでつくっていたのが、、、
まずは香り米100%のお米に枝豆を炊き込んだご飯!
香り米は、ジャスミンライスやバスマティのような香ばしいトウモロコシ様の香りがするお米。でも、長粒種ではなく日本らしい中粒の米だ。高知県では昔からこの香り米が発現する地域があり、楽しまれてきた。ただし、通常の品種からすると収量が少なく貴重なものなので、普通のお米に1割~2割程度混ぜるというのが普通。そこを、100%香り米にしてしまった贅沢なごはんだ!
「枝豆の香りとマッチすると思いまして」というが、本当にマッチするだろう。鍋の蓋を取った途端に香りがブワッと辺り一帯に充満する。
「これが香り米か~!」とみなが驚く。
さて、この香り米ご飯を、、、どうするかというと、おにぎりにして、、、
そう、土佐あかうしのサーロインのすき焼き用スライス肉で巻いて、超豪華な肉巻きおにぎりにしてしまうのダ!
大判なすき焼き用肉、これ1個いくらで売ればいいおにぎりなんだろう!?
これを焼いたのはおそらく外のグリル! だったので、僕が室内の撮影をしている間に、見事に焼き上げたのだろう(観られなくて残念!)。こんなのできちゃいました!
土佐あかうしサーロイン巻きおにぎり
いやーーーー控えめに言って最高でしょ。上に塗られているのは、彼自身が作った調味料である醤をベースにしたタレだ。調味料を自作する料理人が増えてきているが、これは明確に他との差別化になると思う。
この肉巻きおにぎりが、(あたりまえだけど)超絶旨い!
焼けたあかうし肉と醤という黄金コンビの中から、フワッと穀物香がする枝豆ご飯が覗く。うーん、一人一個じゃなくて3個くらい食べたい!
さて、ご飯も出たことだし、そろそろ〆だ! 厨房ではサバティーニ・ディ・フィレンツェの小柴さんがパスタをアオっている!
それを面白げに見つめるシェフ陣。異業種交流は楽しい!
スパゲッティ 土佐あか牛、えのき茸とやっこネギの
アーリオオーリオペペロンチーノ仕立て
いやもう、、、旨い! としかいいようがない。このパスタ、あっという間に皿から消えてしまった! パスタってやっぱズルイよなぁ(笑)
やっこねぎはいわゆる青ネギで、これは高知市内の香美(かみ)地区の生産者が栽培しているもの。なんだかとても奥行きのあるうまみがあって、麺が進んでしまう。いったいこれ、どんな味付けなの!?と小柴シェフに聴いたら、、、
「ごくふつうのアーリオ・オーリオペペロンチーノです!」と。マジで?
「あ、エノキとかあかうし肉とかの、うまみが濃い素材もいれているからだと思いますよ。」
本当にそれだけであんなに旨いパスタができるのか、、、なんだかパスタにいろいろ入れて味が定まらなくなってしまう自分を恥じる次第だ。
さて、ここでスーツァンレストラン陳の井上シェフが、おもむろに動き出した!
伝家の宝刀、麻婆豆腐である!
でも、いつものやつとちょっと違う感じ、、、
インドで言うテンパリングを始めたのか、いきなり厨房内にブワーッと刺激的な香りが充満し、みんなが咳き込む!
その香り油をじゃああああああっと流し入れて、、、
豆花牛肉(牛バラの白い麻婆豆腐)
そう、ここにはトウチや甜麺醤といった、麻婆豆腐に定番の調味料が使われていない!
「あかうしバラ肉の味をストレートに味わっていただこうと思いまして。」と井上シェフ。
いやこれ、初めて食べる味だなぁ、、、ジワジワと滋味深い。醬の味でたべさせる麻婆ではなく、あかうしから染み出たうまみと葉ニンニクの香り、山椒と唐辛子の油の風味を味わう料理だ! 當島君が炊いた枝豆香り米ご飯にかけて3杯くらいいただいてしまった。
時同じくして、デル・ポンテの當間シェフが2皿目。
土佐あかうしサーロインのタリアータ、ハーブオイル
あかうしのタリアータにエシャロット、エストラゴン、レモン、オリーブオイルを細かく刻み込んだソースをかけたものだ。これがまた爽やかな香りが食を進めて最高!
「これ、ハーブオイルって言ってますけど、何にでも合うんですよ。魚でもおいしいし。肉にクセがあるときでもこのオイルで隠せます。」
と軽~くいうが、エシャロットの刻みの細かなど、やはりプロの技がちりばめられていると感じた。
しかしここまで来ると、みんな300gくらいはあかうし肉だけでも食べている状況。もう腹一杯、食べられない、、、
そんな泣き言、この人の奮闘をみれば吹っ飛びます。
食堂かぶらのパティシエール、津村美稲さん。なんと彼女が取り組んでいるのは、土佐あかうしの脂で作るスイーツ! 上の写真は、フィナンシェの型にバターではなくあかうしの脂を塗っているところ。
そして、真っ先に始めたのが、下の写真の奥側の鍋で、あかうしの脂身を溶かして、ヘット(牛脂)をとることだったのだ!
そう、土佐あかうしの脂は融点が低いことが遺伝的なレベルで証明されている。この風味豊かな動物性油脂で、どんなスイーツができるのか!
まずはこれだ!
土佐あかうしの脂で揚げたかりんとう饅頭
あかうし脂でカリッカリに揚げたかりんとう饅頭! 本当にカリカリ。常温で固形に固まる油脂だからこそ、こうした菓子作りには向いている。ちなみに中に詰まった餡はサツマイモ餡だ! 最高に旨い~
そしてもう一品!
フィナンシェ・土佐あかうしの脂
いやこれ素晴らしいでしょ!!!!! フィナンシェにたっぷりつかわれるバターの代わりに、あかうしの脂を使っている。
[「ちゃんと形になるか不安だったんですけど、、、」というが、しっかり生地が立ち上がっている。
銀座ウエストの金子シェフにも食べていただきたかった、、、
「まだ暖かいので、フィナンシェっぽくないかもしれません。冷やした方が本領発揮するんですけど」というが、待てません(笑)
表面はカリッと感があり、そして中はふわふわ。さいっこうにおいしい!
食堂かぶら、喫茶かぶらのパティシエール、凄腕である。そして、あかうし脂はスイーツにも佳い!
メイソンが感激した面持ちで「素晴らしかったよ、ナイスコーディネーション!」といってくれたけど、俺、この人達を連れてきただけなんだよな。ホント、みなさんありがとう。
こうしてこの日の一次会、終了。このあと、バッフォーネに移動して青野シェフのジェノベーゼを食べ、その後、料理人達は夜の高知の街へと消えていったのである、、、みんな、ありがとう!