渋谷から歩いても行ける距離に開店した元・無二路のシェフである重康彦(しげやすひこ)の「アルキメーデ」。開店したといっても、「二人しか居ないからさぁ、一日2組くらいしかお客さんとれないよね。」などといっている。それどころか、「お客さんが『もういいよ』っていうくらいに超満腹にさせて、一年に一回だけ来てくださるような店でいいんだ。」なんて、商売にならんことばかりいうキーコ(重のシチリア修業時代の愛称)なのである。でもまあそんなことにはならんだろう。オフ会の申し込みはすごい勢いで定員を突破してしまった。今回は抽選が面倒なので、半分は先着、半分は適当に抽選とした。結果、過去のオフ会参加者がけっこう多い会となったのである。開場の19時半前後、どやどやと皆が現れ、19人がぎっちりとテーブルに収まった。
「キーコ、皆さんに挨拶!」
「えー やっぱり俺が出なきゃダメ?」
などと言いながらも重の登場に皆、喝采。
「えー 今日はみなさん、とにかく満腹になって頂きたいと思いますので、頑張って食べてください。」
の声に皆笑う。
そしてせっかくなので奥さんにも登場していただく。
彼女も実は無二路で働いていた人だ。つまり重とは職場結婚。無二路に足を向けて眠れませんなぁ。
そんなこんなで宴の始まりである。
この日は、中央の2人がけテーブルにものブロックストロボを設置させてもらい、撮影席とさせてもらった。
席に座ることとなった西川さん夫婦には面倒をかけてしまったが、ご夫婦双方が愛媛県出身ということで、愛媛話におおいに盛り上がってしまったのである。
■前菜
まずは豚のリエットと、重スペシャルの一つであるレバーペーストだ。
無二路時代から「これだけでお腹を一杯にしてもいい」と激賞されたこの二品。リエットの豚肉には、鹿熊種豚場のかくま豚を使っているので、あっさりふんわりと仕上がっている。
レバーペーストをつけるパンは、店内で焼いた丸パンに変更されていた。
キーコのパン焼き技術はかなり高いので、これもまた佳いと思う。そういえば無二路でも、新シェフの嵯峨山君の手による美味しいパンをいただいた。やはりパンは店で焼くのが一番なのである。そのパンにたっぷりレバペをのせてバクッと食べる!

「うおっ 美味しいです美味しいです!」
と西川君大喜びである。初めて食べる人には、この野菜がたっぷり入ったトマト風味のレバーペーストは衝撃的な味らしい。

ニンジンのズッパ。もちろん野菜は全て長島農園だ。しかし「すべて」ってのは結構すごい。鹿熊種豚場のかくま豚にしろなんにせよ、ほとんど産直農畜産物でメニューを構成しているというのは結構たいへんなのだ。ただしそれが可能であれば、素材のポテンシャルによって店の水準は確実に変わる。ニンジンズッパ、ニンジンのコクと甘み、そして嫌気のない香りが素晴らしい。
さて
無二路で培われた10種以上の前菜攻撃は健在。アルキメーデでは、小さなグラタン皿に盛り込み数種出すというスタイルに変更された。
ナスのパルミジャーナだが、実は本日使うナスは全て僕が調達したものだ。なんていってもナスには最近凝っているのである。この日は、大阪の卸売業者である東果大阪さんから、泉州の水ナスと米ナスを取り寄せたのだ。カポナータには米ナスが投入されたわけだが、コクがあって旨いと重も激賞だった。このパルミジャーナには、果肉と味のしっかりした長島農園ナスが使われている。
そして極めつけのナス料理がこれだ!
なんと水ナスのカツレツである!
泉州水ナスを輪切りにしたものに香草を混ぜたパン粉をまとわせ、揚げているのだ。水ナスをこうして食べるという発想は僕も初めてだ。これが強烈に旨い!ナスには適度に火が通り、あの水ナス特有の甘いジュースがジュワッと染み出てくる、一品となった!この一品は出てきたらすぐに食べないといけない。
まだ前菜の途上である。しかしこの日の参加者はみな量を食べることができる人たちばかり(笑)
皿はじゃんじゃん綺麗に空いていくのである。
シチリアで食べたカジキのインボルティーニも登場。はっきり言ってシチリアで食べるより旨い。
さてようやくパスタである!
■パスタ
まずはカジキのファルファッレだ。これにはシチリア名物・チーズの代わりに、香ばしく煎ったパン粉をまぶして頂こう。
美味しい。けど、このあと定番のアレが来るんだから、一皿目はアーリオ・オーリオ系の方が佳かったかな。とにかくアレのインパクトがすごいんだから、と思っているうちにアレ登場。
キーコスペシャルのもう一皿、ペスカトーレである!
魚介、特に貝を数種類投入して複雑な旨みのブロードを生成し、太麺のリングィーネに吸わせるこのペスカ、絶対にはずしてはいけない。いままでこんな旨いペスカトーレを食べたことがないという味なのだ。
この日はつぶ貝、マテ貝なども入ったゴージャス版。オープニングパーティの時のペスカトーレは若干煮込みが足りずシャバシャバで不満が残ったのだが、さすがにこの日はビシッと決めてきた!一分の隙もない旨さである!
「美味しい!」
そこかしこからの声連発。いうことなしだ。
さあそして肉が登場。
ちなみにこの重い肉のプレートを持ってくれているのは、この日フロアに手伝いできてくれた、過去ログに何度も登場するkisshこと岸崎氏だ。僕を吉祥寺「李朝」に連れて行ってくれた張本人である。
この肉を見た瞬間、参加者一同席を立って走り寄る!
シャッターの嵐である(笑)!
さあ、これがセコンド(主菜)である!
肉ヤキストとしても素晴らしい重のラムのロースト、そしてかくま豚のカツレツだ。上に載っているオレンジ色のミニトマトは長島農園のオレンジパルチェ。凄まじい甘さになるミニトマト品種だ。そしてカツレツの下に敷いてあるのが、この日ぼくがJA幕別から特別に調達したスペシャル食材、インカのめざめの2年熟成ものである。インカのめざめとは、最近少し有名になってきたジャガイモの品種で、果肉が濃い黄色、そして栗のような香りと甘さの芋だ。
これを越冬させると、でん粉が糖化して甘くなるのだが、せいぜい1年越冬ものが出回るに過ぎない。しかしJA幕別では実験的に2年貯蔵をしているのだ!あと20箱程度しか残っていないが、これが実に最高の芋になっている。特別に一箱をアルキメーデに送ってもらったのである。
さてこの日の羊は、無二路時代からみても最高のできばえだった!

臭みのない肉質、美しいロゼに熱の通った官能的な食感、そしてなによりキーコ特製のソースが最高に旨いのである。

ふんわりした食感に肉質のきめ細かいかくま豚のカツレツも最高だ。淡麗淡泊な味わいが、シチリア料理らしからぬ繊細さを呼び起こしている。
そして、インカのめざめも最高に旨い!
「な、何ですかコレ?」
「ジャガイモの味じゃないですよ!!」
「甘い! 凄まじい甘さです!!!」
と絶叫する参加者達。 JA幕別のノムさん岡坂さん、やはりインカ2年熟成は素晴らしいですよ。
しかし驚いたことに、このセコンドまでほとんどの人が皿を残さない。2名くらいが持ち帰りを表明したのみで、そのほかはみな全て皿が綺麗に片づいてしまっているのである!素晴らしい健啖家集団である!
さてドルチェである。
この日キーコがスペシャルなドルチェを作ってくれた。
「俺も初めて作ったんだけどさあ、新しい仕入れ先がイタリアの香料とかかなり持ってるんで、旨そうナノ作ったよ!」
なんとロールケーキである!
ピスタチオを練り込んだスポンジでリコッタクリームを巻きこみ、そしてたっぷりとシロップを吸わせる、あの適度にシャバシャバなシラクーサ名物・カッサータのロールケーキ版だ。この周りに、オレンジ風味のリコッタサラダクリームを塗りたくって完成。
もう一方はルバーブのトルタ。
面白いことにフランスの「タルト」はイタリアでは真逆の「トルタ」になる。ワールドカップであんなことになっちまった両国の関係のようだ。
コレが完成系。アイスクリームはこれもカッサータ風のリコッタチーズのジェラートだ。
このドルチェについては、もう何も言うことはない。キーコ流カッサータロールは、昨年2月にシチリアにいったとき、どこで食べたドルチェよりも旨かったのだ!
いやー
マジで堪能!
参加者一同もぴかぴかに光った素晴らしい顔をしている!
キーコの新しい店、アルキメーデは、ハズレのない店である。アクセスは便利とも不便とも言える店だが、一度足を運んでみてはどうだろうか。
当面、厨房内に2名しかいないので、あまり客を取ることができない。一日2-3組が限度だろう。すでに予約の電話が鳴り響いているようだし、早めに行きたい人は予約必須だ。
シチリア料理「アルキメーデ」
渋谷区神泉2-8小島ハイツ1階
03-5489-6850
ということで第五回オフ会、無事終了であったのだ、、、
週アス総編集長であるF岡さんに、かねてから「食いしん坊の会ってのがあってね」と聴かされていた。かの名門料理学校であるエコール辻の要職にあられる小山先生とデジタルハリウッドの櫻井さんが中心となって、美味しいものを食べるという会だという。その会が新宿御苑前の中華料理店で行われるということで、参戦させていただいた。
ちなみに
このブログでも採り上げさせてもらい、かつ東京版食い倒れ日記の表紙写真にもなっている築地「旨いもん屋」は、もともとF岡さんに連れて行ってもらった店だが、ここを最初にF岡さんに教えたのは小山先生なのである!小山先生とはまったくの別件でエコール辻を訪れた際に初めてお会いした。当然「初めまして」と挨拶させていただいたのだが、小山先生は笑って「ブログで観てるからなぁ」とおっしゃられる。なんと東京版食い倒れ日記も買って頂いているという。この小山先生が実に面白い方であることは、それ以降だんだんと認識していったのだ、、、
さて
はっきり言ってF岡さん、小山さん、櫻井さんら妙齢の男子中心の会であろうと想定していったのだが、さすがにそんな無粋な会ではなく、美味しい料理に感度高く、かつ麗しき女性陣が集う、実に目の保養になる会だった。F岡さん小山さんありがとうございました、、、
会場となった「古月」は、本店を上野・池の端に仰ぐ支店だ。
■古月
http://www.kogetu.co.jp/mall/index.html
(新宿店)
http://www.kogetu.co.jp/mall/yume014.html
古月本店のご主人がちょうどこの日、大阪の辻調に授業にいかなくてはならないということで、お弟子さんが鍋を振る新宿店にて、ご主人による特別メニューをいただけるということになったそうだ。新宿御苑周辺を久しぶりにぶらつくと、面白そうなミニコミ本をもとめてこのあたりの専門書店に足を運んでいた高校生時代を思い出す。そしてこの辺はかなり名店が集中する地域なのである。丸ノ内線新宿御苑駅を地上に出たらすぐに御苑のほうに歩き、御苑外周を少し歩くと、「古月」は上品に、静かに佇んでいた。
会の面々が集まり、新参者の挨拶をさせていただいて茶をすすりながら特別メニューを眺める。
各料理の下にその郷土が書かれている趣向だが、山東、上海、北京、潮州、四川とそれぞれバラバラで関心をそそる。だいたいにおいてこういう時には前菜の出来が全てを暗示する。
運ばれてきた前菜盛りは、すでにそのたたずまいから旨そうで、つまらない分析心は吹き飛んでしまった!
申し訳ないことに料理の名前と内実が一致しないのだけれども、鴨肉を漬け込み焼いたものに甜麺醤をつけて食べるのが異様に旨い。適度に脱水し新たな旨みをまとわせた鴨肉は、それだけ一皿大量に食べたくなってしまうものなのだ。写真がぼけてて失礼。
次に出てきたのが鶏と豚の内臓である。
古来中国では精肉よりも内臓肉を珍重したとものの本で読んだことがあるが、その逸話に違わぬすばらしい一品!実はこの日最も印象に残ったのが本品である。ヌーベルシノワ的美しさのある盛りつけだが、盛られているのはガツと砂肝。質実剛健な造りだ。
砂肝を口に運ぶ。念入りに油通しされているのか、砂肝特有のジャリジャリ感があまり感じられず、柔らかくクニュッとしながらも超弾力を発してカリッと音のする食感が素晴らしい、サーチャー醤のような風味かと思ったが、聴いた限りではごくシンプルな調味らしい。
そしてビックリしたのがもう一本のガツの旨さである!
豚の胃袋であるこのガツは鮮度がよく、内壁部の食感がコリッと見事に決まっている。旨みも十分、いい仕入れをされていると思う。
次に、冬瓜の出回り時期であるこの季節には定番といえるスープだ。
冬瓜をくりぬいた中に湛えられているのは、フカの軟骨と卵白のスープだ。冬瓜は農家に特注して大きさ・形をそろえてもらっているという。通常は大きめのものをくりぬき数人分にするが、一人一人に出すためにこうしているとはなんとも贅沢なことだ。身体を冷やす瓜類だが、こうして熱をかけることである程度陽性に転じ、腎臓を暖めるので、食べる機会があればこの季節に食べておいた方が良い。
で、このスープが実に絶品!丸鶏だろうか、滋味深く柔らかい丸みのある味わいのスープだ。湯が美味しい店ははずれない。食いしん坊の会のメンバー一同口数すくなく、冬瓜の皮の縁までスプーンでひっかき、実を食べている。
次にでてきたのが、仕込み豆腐にもずくのような藻が入った一品だ。砂漠でしか生えないという特別な藻
の植物だそうだが、春椿という感じが料理名に入っていることからわかるように、常緑の葉が豆腐に一枚載っている。初めての食材だ、、、
それ自体丁寧に仕込まれているであろう、控えめにしかし明らかに中華の旨みが加えられた豆腐の断面にその藻が仕込まれている。もずく様ではあるが風味は明らかに違い、もっと植物的、草のような風味、印象がある。でも深く分析する余地もなくトロトロと溶けてしまったのでこれももっと食べてみないとわからん!中華は食材もあまりに広い範囲に膨大に点在している。日本の野菜のルーツは、そのかなりを中国大陸経由に負っているから、正直言って互しがたい。しかも中国の農産物は土質のせいか、味が全体的に荒々しい濃さを主張する傾向がある。そういや僕は中国にはまだいっていない。いつか全州を回ってみたいものだ。
さて主菜の登場だ!
この土鍋料理が本日の極めて忘れがたい一品となる。このトロトロの流体の下に煮込まれているのが、豚の頭肉である。
もう一品はニガウリと牛肉の煮込みだ。
ご飯が出てきたので、せっかちな僕は両方ともかけて頂いてしまう。どちらかというと牛肉とニガウリの一品はそれほど新鮮みがない。実際、丁寧な味には感じたが、想定の枠を超えないものだった。
しかし!
豚の頭肉の煮込みがあまりに素晴らしかった!
このとろとろの流体の正体はなんとおから。3リットルくらいのおからを鍋で煎り続けることで水分が飛び、茶色く色づくまで煎りあげることで香ばしさが生じる。もとは大豆だからね。そして、豚の頭の部位ごとに食感と火の通りが違うため、別々のタイミングで煮込み、オカラに旨みをたっぷりと吸わせて供するわけだ。
ぷるんぷるんとコラーゲン層たっぷりの豚頭肉から旨みが溶け出ている。白飯にその煮汁をにじませながらかっ込むと、よくある三枚肉の煮込みなどとは数段奥深さの違う旨みがジュルッと染み出てくるのだ!本当に内臓肉、頭肉は旨い!噛みしめるたびに旨みが発せられる。これを生むためにどれだけの時間がかかるかと思うと頭が下がる。この料理が食べられるなら御苑まで喜んで足を運びたい!
「いやぁ~ マジ旨ですよ!」
調子に乗ってお代わり2杯。4杯目はさすがに「申し訳ございませんもう白飯が、、、」と無くなってしまったが、あと一杯食いたかった!
この古月新宿御苑店の料理長である加藤さん(左)と、右はその二番手をしておられる女性で、なんと辻調の卒業生さんであった。本当に見事な料理でしたよ、、、
この日の中華は本物であった。というのは、この時期に滋養のある料理を出そうとすると、かならず茶色を基調とした地味な色味のものになってしまう。それをいやがりきらびやかな色彩の料理を出すのは空虚だ。本日の料理は全て茶色かくすんだ色づかいだった。これは虚ではなく実をとるという店の方針だろう。そして食後の満足感は、中華街の定番料理を食べるコースとは別種の、清々しいものがあった。
デザートの亀ゼリーをいただいて閉会。
美人度高く、半ば合コンかと半分期待半分恐々としたが、女性陣もひたすら旨いメシをかっ込む豪女ばかりであった。こういう会にしては久々にいい会で楽しませて頂いた!
「じゃあ、僕の中島みゆきを聴いてよ」
という小山さんに着いていく。櫻井さん、F岡さんによれば「ちょっと他じゃ聴けないよ」ということだったのだ。その歌は、、、
まさにオリジナルであった。
何を歌っても小山オリジナルになってしまう。
モー娘。の楽曲でさえも小山オリジナル、別物となっていたのである!
聴かずに帰った方々は、確実に損をしている(笑)
本当にオトナの夜を堪能した、久々に無条件に面白い一夜であったのだ!
一つ前のエントリの茄子食べ比べ会用の茄子調達に走っている。賀茂茄子はれっきとした京都の上賀茂から調達できそう。巾着茄子も、小林さんの畑が復旧できるかどうかはわからないが調達は可能。水茄子も大丈夫。そして新潟と山形の小ナスを引っ張る予定。定員にまだもう少し余裕ありますのでぜひご参集下さい。
さて
表題の、東京カリ~番長・水野仁輔さんから新刊をいただいた。
![]() | カレーの法則―スパイスマジックでつくる 水野 仁輔 日本放送出版協会 2006-07 by G-Tools |
よい本だ、、、
何がよいかというと、カレーの構成要素というか方程式を簡潔にこう定義しているからだ。
(素材+だし)×スパイス+隠し味=カレー
僕は農産物の味を決定づける方程式を
品種×産地×栽培方法
としているけど、カレーの場合はこうなのかと、参考になった。
またスパイスの使い方についても「スパイスマジック」なる独自理論を展開しているので非常に参考になった。水野さん、分析が好きというか、非常に理論的にカレーに向き合っているのである。
しかし何より良いのは、料理写真はほとんど彼自身が作ったカレーが写っていることだろう。
以前お会いしたときが、たしかこの本の制作中だったはずだ。
「毎日NHK出版のキッチンスタジオでカレー作ってますよ」
とおっしゃっていた。
魂の入った本だと思う。さっそく週末は我が家もカレーだな。
水野さん、献本ありがとうございました!
※申し込み連絡先、書き忘れていました(汗) 追加しましたのでご覧下さい。
今年初頭に、ぼんぼり京橋店(現 東京バルバリ)にて開催した食材塾を覚えておられるだろうか。
この、参加者全員が大根ヅケになった企画の第二弾を、茄子で行いたいと思う。
ここんとこ僕の処に集まってきた茄子達を、ぜひ皆さんにも味わって欲しいという思いから、ちょっと時期的には合わないものもあるのだけど、なんとか集めたいと思う。
時間はまだ未定ですが14時くらいからの予定。
茄子に関心のある料理関係者さんなど、ぜひおいで下さいませ!
■概要
実施日時:8月6日 午後(時間未定)
実施場所:アルキメーデ
テーマ案:ナス 6~8品種を生/揚げ/焼き(一部、蒸/漬)でテイスティング
定員:18名
会費:8,000円
■内容
茄子の解説と品種説明
食味監査
休憩
試食会(シェフによる簡単な茄子料理の試食)
講評会
■当日試食する品種(仮)
・丸茄子
賀茂茄子(京都)
長岡巾着茄子(新潟)
・小ナス
梨茄子(新潟)
丸小茄子(山形)
・中茄子
千両(岡山)
・米茄子
米茄子(大阪)
・水茄子
泉州水茄子(大阪)
他2種程度
お問い合わせ、申し込みは下記↓をクリックしてください。
申し込み・問い合わせは田中あて(chihiro@goodtables.jp)まで、メールにてお願い致します。
申し込みメールには、
お名前
メールアドレス
ご職業
ご参加に際して一言
をお書き下さいネ!
前回は28人ご参集頂いたんですが、今回は会場都合で18名程度です。抽選になる可能性もありますので、ご了承下さいませ!
速報版でしか書いてませんが、シチリア料理「アルキメーデ」の場所と電話番号、解禁になったので掲載します。
「アルキメーデ」
渋谷区神泉2-8小島ハイツ1階
03-5489-6850
夜の営業のみ。
日曜日休み
オーダーはコースのみで、6000円程度。
これで誰でもぜったい腹一杯、、、
お子様連れは申し訳ないのですが不可
店内禁煙
どす。
井の頭線の神泉駅から歩いて10秒!
駐車場は近くに有料パーキングがあるらしい。
来月には混み合うでしょう。重の料理を好きな方は予約を!

久方ぶりの郷土系B級グルメ全開のフレンドにてイタリアンとカレーイタリアン、餃子をいただいて、さすがに満腹で死にそう。ホテルにいったんチェックインして一休みし、夕食を迎えることにした。
「やまけんさん、夕飯なんですけど、豚肉専門の焼肉やさんにお連れしたいんですよ。ラーメン店を展開している人がやまけんさんに会いたいっていってるんで、、、」
おおーう 肉か!
新潟に来て肉というのもなんだなぁと思ったが、新潟の豚事情は余り知らないし、それもまた一興か、と思いありがたく受けることに。
そして夕刻、まだ日の落ちない時間に着いたのが「ホームラン堂」という新しめの店だった。

■ホームラン堂 長岡場所
新潟県長岡市南七日町50-2
0258-46-0039
店にはいると、奥の座敷に親しみやすい顔の兄さんが座っていた。
「よお、どうも~」

この方、見覚えのある人もいるだろう。特にラーメン好きな人たちは知っておられるのではないだろうか?
新潟一円と東京の蒲田に「ラーメン処 潤(じゅん)」を展開している、その名も松本潤一さんだ。
ご存じの通り僕は余りラーメンを好きではないので、彼を知らなかった。でも、彼が作っているラーメンは食べてみたい!と思わせるものがこのあと数時間で速攻的に醸成されたのである!
「いやぁ、ジン君がね、『やまけんって人を連れてきたいんだけどいいですか?』っていうから、俺、本も買って持ってるよ!っていったんだよ。不思議なもんだねぇ、、、」
なんと潤さん、僕のブログのみならず本の読者さんだったのだ!ビックリである。
「ここはね、ラーメンだけじゃなくて豚肉専門店やりたくて作った店なんですよ。新潟には越後もち豚っていうのがあってね。そこときっちり一緒にやりましょう、ってことになったんで。」
おお、もち豚かぁ!
と感動している間に、豚肉盛り合わせの皿がやってきた!

圧巻!
越後もち豚とは何か。これは豚の品種名ではなくブランド名だ。全国に「もち豚」と称するブランド豚がたくさんあるのだが、これは「和豚もち豚」というブランド牛を展開している、グローバルピッグという養豚グループのものである。僕は機会あって、赤城にある本部に視察にいったことがある。養豚業とは結びつかないような近代的施設の中でビシッとしたスーツで対応してくださった社長の姿が忘れられない。
畜産とくに養豚業は、農産物とは違い計数管理がきちんとできる業種だ。母豚の受精、子豚の生存率、育成豚の増体率などの数値をきちんと把握し適切な管理をしていくことが重要であり、逆に言えば農産物よりもシステマティックに管理のできるものなのだ。グローバルピッグのグループ農家では、すべてある優れたコンピュータソフトウェアを導入して係数管理をしている。それに、豚の品種(かけあわせ)や、どのような飼料を使うかということが掛け合わさって味が決まる。グローバルピッグでも特定の種豚を指定し、餌もレシピをきちんと決めてグループに安定した品質のものが渡るようにされている。
結果、「もち豚」ブランドの肉はたいがいの豚肉より美味しいと思う。
その新潟のグループが送り出しているのが「越後もち豚」だ。最近、ビールのキリンがキャンペーンで47都道府県の旨いものをプレゼントしているようだが、新潟で選ばれているのがこの越後もち豚であった。
「あー よく知ってますねぇ! そう、もち豚だからできたんですよ、この店は!特に内蔵系がほんとに素晴らしいの。レバーなんて豚レバーとは思えない旨さですよ!」
とおっしゃるだけあって、確かにどの肉もキラキラしている!

なんとこれはレバーに網脂を巻き付けたものだ!
ちゃんと素材に手を入れていらっしゃるのである。

これが豚タン。

牛タン不足のあおりで豚タンの売れ行きがいい様だが、味は牛とは全く違う。もちろん違う良さがあるという意味だ。食感が幾分こりこりしているので、それを活かす味付けが求められるところだ。
「うちではね、溶岩板を使って肉を焼くんですよ。これだと焦げ付かないし肉に均一に火が通るんだよね。」
と、運ばれてきた溶岩版がコンロの火で熱せられたのを確認した後、肉投下!
ジュワワアッっと汁が爆ぜる!

週アス取材でもあるので、八木澤カメラマンのフラッシュが連発で光る!
軽く火が通ったところで口に運ぶ。コリッとした豚タン特有の弾力に、強めの味付けが映える。
「旨いッスね! 鮮度がムチャクチャいいです。」
「いやーそりゃ 肉の熟度と鮮度にはこだわってますよ!」
そう、熟成がきちんと進んだ肉を出すというポリシーらしく、それには養豚場や食肉処理場との緊密な関係が不可欠だ。そう言う点でみても、ここの肉はハズレがない!
くだんの網脂レバー。

焼くと網脂は溶けて形が無くなり、脂の濃い香りがレバーの風味に溶け込んでいく。
「うおっ これホントに豚レバー?」
八木澤さんが驚く。
ここからはもう乱戦模様だ。豚トロ、ホルモンなど溶岩板に乱れ打ちの様相となった。

そしてこの間、潤さんとのトークが面白くて白熱しまくり!
肉の食い方の話からそのほか素材の話、ラーメンの話まで縦横に走りまくったのである。これは絶対にラーメン潤・蒲田店に足を運ばねばなるまい。

「うん、どうせいくなら蒲田店にいって欲しいな。頑張ってる店だからさ。テレビとかで採り上げられたりしたけど、ホントに気合いいれてるから。」
ちなみにこの店、サイドディッシュがまた旨い。
モツ煮込みは、もち豚のモツの素材がいいのと処理が旨いので、臭みもなく旨みたっぷりである。味噌の甘めな塩梅もよし。

ちゃんと出来合のものではなく作っているという焼売も旨い。

そして圧巻はレバースモークだ。

レバーが旨いんだから不味いわけがない。奥の深いほろ苦さと甘さ、塩気が混じり、思わず酒が進んでしまう。
「潤さんこれ、あまりスパイス使わないで塩と胡椒と砂糖中心でしょ?」
と聴くと、にまぁ~っと笑って
「うん、そう。やっぱり単純なのが一番旨いのよ!」
と返してくれる。たっぷり2時間満喫・満腹である!
「いやぁ 嬉しいねぇ!なんかグルメの評論家って嫌いなんだけど、やまけんちゃんはよく食うからいいよ!」
とお褒め頂く。
「あのさ、ぜひ連れて行きたい店があるんだけど! こっから30分くらい車でいくんだけど、三条ってところにいいバーがあるんだよ! 新潟に?っていうようないいバーでね。そこのバーテンダーが創作したカクテルで、コンテストでも優勝しているやつがあるから、飲みに行こうよ!」
ジンがこれを聴いて「え?いまから三条ですか?」と目を丸くする。「いいじゃん俺が持つからサ」と潤さん、まさに豪放磊落である!
さてタクシーで30分、三条の駐車場に車を入れると、そこは本当に地方都市の繁華街。特有の夜の香りが漂っている。

「何軒か連れて行きたい店があるんだけどね、、、あっ今すれ違ったのがその店のマスターだよ!なんだ、もう飲んでやがんのかぁ、、、」
など、三条・夜の町散策をしながら、バー「ラスティーズ セカンド」に入店する。

オーナーである女性バーテンダー、梨木さんが作ってくれた「ブラックトルネード」はマジで旨かった!

黒いリキュールであるオパールネラ ブラック サンブーカを使ったこのカクテル、どことなく薬草系の香りがする。もしかして、僕がオーパ門前仲町店でよくいただく「ドクターM」に使われているイエーガーマイスターが入っているのでは?と質問すると、
「そうですそうです、入ってますよ!」
という!そうかぁ、俺好みのはずだ!
■ブラックトルネードのレシピ(サントリーさん)
http://www.suntory.co.jp/cgi-bin/wnb/cktl.pl?ID=black_tornado
「な? この感覚はけっこうすごいと思うんだよ。」
いや本当に。
しかし最終的にはマティーニを飲まないと、そのバーテンダーさんの実力がわからない、なんて通ぶった台詞を胸の内に、カウンターに移動してマティーニを作って頂く。

これがもう文句無しの絶品だったのだ!
キレのいい、そして粒子の細かいジンとベルモットの複合体である。ビビッた。

新潟のポテンシャルは本当に高い!
「そうだろ?新潟ってすごいところなんだよ!俺はそれを伝えたくて、、、」
潤さん、よーく伝わりました。
今日一日で回った関要肉店、小林さんの茄子畑、フレンド、ホームラン堂、そしてラスティーズセカンドと、全てそれぞれの世界の標準を軽く上回るすばらしさである。なんという豊饒の地なのだ、長岡は!
疲れが出たか、仲卸ゆえの朝型で参ったか、ジンが寝ている。厳かにタクシーで長岡まで帰還。明日は上越である。さてどんな出会いが待ちかまえているのだろうか。
いやぁ
アルキメーデ、間違いなく良い店になります。
素晴らしい一夜でした、、、
集まった面々も、凄まじい質量の料理を全て平らげ(二名のみ肉を持ち帰ることになりましたが)、キーコも大満足。
まずは速報版で画像だけみておいてくだされ、、、
水ナスのカツ!絶品。
肉に群がる面々、、、(汗)
セコンド。ラムとかくま豚のローズマリーフリット。もう何もいうことはない。
以前のエントリで、素晴らしく美しい、愛情いっぱいのキノコの写真を撮り続けているWebを紹介した。
■KINOKO WEB
http://blog.goo.ne.jp/kinokoweb
この KINOKO Web を運営しているのは大作さんという方で、すでにキノコの本を数冊出版されている方である。
大作さんのキノコ写真は僕にガツンと衝撃を与えた。ビシッと全体に合ったピント、資料としての価値、そしてそこに留まらない、キノコを愛してるぜ~という感情が伝わってくるなにかが、そこにあったのだ。
この人に会いたい!
そしてキノコを撮影しているところを見たい!
と思っていたら、そのエントリを読んだ数人の方から、「千葉菌」という研究会組織のことをお伝え頂いた。
「千葉菌類談話会」という、キノコ研究者の会があり、そこに入会すると、年数回開催されるキノコ観察会に参加でき、情報交換ができるのだという。そしてそこに大作さんも属しており、デジカメ講座を開いたりしているのだという。
農産物流通の現場では、キノコは菌茸(きんたけ)類といって、多くは栽培ものしか扱えない。野生の茸はあまりに希少で、しかも採集量が少ないため、対象になりにくいのだ。しかし、野生のキノコの不思議な世界が、多くの人を魅了しているということは知っていた。野菜・果物とはまた違う、ものすごく面白い世界だろうな、と思っていたのだ。
これはぜひ参加させて頂くしかない!
ということで、先日行われた「千葉菌類談話会観察会」に参加を申し込んだのである。
この会は、千葉県の佐倉市にある城址公園にて、その公園内でキノコを見学するという会である。
当日は凄まじい晴れ模様で、気温も30度以上になり、参加者のおひとりが「おそらく最も過酷なキノコ採取タイミング」と言っておられたほどである。

会場の部屋に入り、入会手続きをさせて頂き、事務局の先生にご挨拶をすると、、、
「あの方が大作さんですよ」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
憧れのキノコ写真マスターである!
「おおおお、初めまして!よろしくお願いします! ちょっと今日の午前中に撮った写真を数枚撮影してからキノコ採取に回りますから、よければご一緒に!」
うおおっ
さっそくその撮影テクニックを見せて頂けるのかぁ!
もうしょっぱなから興奮しまくりなのである。

大作さんにはキノコ図鑑を作るという目標があるらしく、資料価値のあるキノコ写真を撮影する必要があるようだ。そのため、きちんとスケールを図るための撮影環境を整えておられる。
例えば、カメラは三脚ではなく、下に置いた標本を見下ろすような専用の固定台(でかい!)を机に設置しておられた。上の写真に入りきっていないが、目盛りの刻まれた柱が画面右上に立っているのがわかるだろう。そこにキヤノンのEOS5Dをレンズを下方に向けて固定しておられた。シャッターは手ぶれ防止のためか、延長コードを接続して手元で操作している。レンズはEF-100mmマクロだ。
「前は、EOS KISS Dの初代機を使っていたんですよ。5Dにしたのは、大きなキノコを撮影するときに画素数を稼ぐためです」
とのことだった。
そして標本はガラス板状に置き、スケールを標本横に並べて撮影をしておられた。大作さんの写真は最終的に背景を切り抜いて使用されるので、白バックで撮影するのが基本とのことである。実はこの標本の置き方や小道具の使い方に相当なノウハウが詰まっていた。100回聴くより1回観た方が早い。最初の1時間で僕は深く学ばせて頂いた。

ちなみに照明はコメット社のストロボ1灯を用い、ダイレクト光をトレーシングペーパーで和らげて使用していた。あまり陰を出さないように光を回しておられるのだった。
「お待たせしました、じゃあキノコみにいきましょうか!」
と大作さん、ツナギに着替えて出発である。
僕は、キノコ観察というのは、きっと散歩のようにぶらぶら歩きながらだと思っていたのだが、集結した方々の装備をみて浅はかな自分の考えを悔いた。皆さん、アウトドア仕様であられる。ジーンズなんぞ履いてきた自分を恨めしく思ってしまった。
さて佐倉城址公園はとても美しい自然環境が残された地だった。

そして、街道から一歩入った公園内に、こんなにもおびただしくキノコや菌類が生息しているのかとビックリした。
「キノコはね、東京でもどこでもみられますよ。おっと、ここにもあった。」
おおおおおおおおおおおおお
これは、クモにとりつき生えるキノコだという。このキノコの根本をたどるとクモが居るのである。名前は、、、失念致しました。さっそく撮影。

こうした撮影には三脚が必須である。ピントを奥まで合わせるため、F15くらいに設定。フラッシュは使わないので、シャッター速度は4秒くらいかかってしまう。だから三脚必須。また、しゃったを指で押すとぶれる可能性が高いので、セルフタイマーで撮影だ。
「おー よく撮れたじゃないですか」
と大作さんにほめて頂き、舞い上がる。
その後、2時間ほど回るが、前日の土砂降りであまり良いコンディションのキノコが見つからない。そんな中、小さなキノコを見つけてシャッターを切ってみた。


途中で遭遇したニホントカゲが綺麗だったので、これも撮影。

採集の時間が終わると、みなで解説会。千葉県立中央博物館の学芸員であられる吹春先生が、キノコの解説をしてくださる。

僕はキノコ初心者なので全くわからないーーーー
しかし面白い!
食べられるキノコが多いというのもあるけど、本当にキノコの生態は複雑で神秘的だ。
しかもお話を聞いているとこんなエピソードが。
「このキノコは以前は食用といわれてましたが、最近になって中毒例が出て、もしかすると毒性を持っているのかもしれないということで研究中です、、、」
というように、キノコとはまだまだ研究が現在進行形な世界であるらしいのだ。怖いけど興味深い。今後、ぜひいろいろ教えて頂きたいということで皆さんとお別れした。
後日、買おうと思っていた本が、大作さんから届いた。
![]() | 見つけて楽しむきのこワンダーランド 吹春 俊光 山と溪谷社 2004-08 by G-Tools |
大作さんが写真を撮り、吹春先生が解説を書かれている本だ。
大作さんの素晴らしい写真が、キノコの原寸大で表示されている。解説もわかりやすく、僕のような初心者が取っつきやすい本だ。興味のある方はぜひ科って読んでみて頂きたい。
大作さん、吹春先生、そして千葉菌の皆様、素人を迎え入れてくださいまして本当にありがとうございました!
長岡のジンからショックなニュースが飛び込んできた。
ここ連日の雨で信濃川が警戒水域を超え、河川敷の畑・水田は残らず冠水しました。 もう解除されましたが信濃川に架かる長生橋も通行止めになってたくらいですから、近年では珍しいくらいの増水です。小林さんの畑はちょっと高い位置にあるのですが、完全に水没してます。
今日で水が引けばまだ何とかなるかもしれませんが、当分巾着ナスは絶望的です。
なんと、数エントリ前で書いた小林さんの畑が完全に水没してしまったということなのだ、、、
ナスは生命力が強いので、すぐに水が引いて太陽がでれば、樹勢が回復すると思うのだが、どうだろうか。もしかすると、小林さんの今年の巾着茄子の収穫が、もうゼロということもありうる。これが自然に隣接する環境で営む農業の恐ろしさなのだ。農家は常に、1かゼロかの瀬戸際にいる。
小林さんの畑が復旧することを心から祈っています。もし復旧したら、新潟県外にも通販をしてくださいね。ジン、続報を待っています。
いやぁ、久しぶりに興奮大爆発である。やっぱりこういう地域食・B級ネタは燃えるなぁ、、、
巾着茄子三昧を味わった後、小林さんとお別れした後、ジンが車中で言うのだ。
「やまけんさん、長岡市民のソウルフードを食べませんか?「イタリアンと餃子」っていうんですけどね、、、」
「イタリアンと餃子」?なんじゃその組み合わせは、、、?
ジンがクックックと笑みを浮かべているということは、なにかひねりがあるに違いない!
「もちろん行こうじゃないのぉ!」
ナス三昧におにぎり数個でけっこうお腹はふくれているものの、こうした話に乗らない僕じゃない。

大きな街道を走っていると、ロードサイドの大型店が建ち並ぶ中、「フレンド」というレトロ(というか本当に古い感じ)調な看板が見える。

「ここですここです!」
とジンが駐車場に入っていく。

ドライブスルーと書かれた店外受取所があるが、見た目はケーキとかの製造直売工場みたいな建物である。そしてメニュー板には、イタリアンと餃子が確かに書かれている。へぇええ、スパゲッティのファーストフードか、それは珍しいな。銀座・ジャポネ、大手町・リトル小岩井のようなものだろうかと思いつつ入店する。

店内は客席が異様に広く、テーブルやソファが60~70席くらいあるだろうか。
アメリカンな接客カウンターにメニュー群が立ち並ぶ。

ちょうど、昼のピークが過ぎ去った1時くらいということもあってか、女の子が一人で切り盛りしているようだ。さっそくメニューを見てみる、、、

餃子・イタリアンが各300円である!安いねぇ、、、
しかしその取り合わせすごいなぁ。

その横にはカレーイタリアンなるものも。
「じゃあ、イタリアンと餃子、カレーイタリアンで行きましょう!」
とオーダー。すると店の女の子が、厨房奥の鉄板でジャッジャッと炒め始めた。

そして数分後、、、
衝撃の一品が僕の眼前に置かれたのである!

む?

こ、これって、、、
焼きそばじゃないか!
焼きそばの上にラグーのようなソースがかかっている!?

そしてこっちは、焼きそばの上にカレーソースがかかっている!?

餃子は、かなりきちんとした餃子だが、、、

これが長岡市民のソウルフード、「イタリアンと餃子」なのである!
ぐぁああああああああああああああああああああああああああああ
久々の衝撃だ! ハートを打ち抜かれた!
もう、カメラマンの八木澤さんも興奮しまくりである。
「いやぁーこんなベタなのって久しぶりだよ」
ジンも、はしゃぎまくる僕たちをみながら大笑いしている。
「俺たちがガキの頃って、このフレンドに入って、イタリアンと餃子とソフトクリームっていう黄金のトライアングルを食べるのが夢だったんですよ(笑)。おそらく長岡市民すべてが食べているのがここのイタリアンです。」

なるほどぉ、、、本当にソウルフードなんだな。
さてこのイタリアン、はっきり言って大好きな味である!

中太の、歯ごたえを残した蒸し麺を、薄味にソースで炒め焼きそばを作った後に各種ソースをかけるというこの手法、かなり買いだ!確かに中華では焼きそばに餡をかけることがある。ただその場合には、麺自体にはそれほど濃い味付けをしないのが普通だ。その伝からいえばこのフレンドのイタリアンは実に独自なものだと言える。創業者さんは偉い!

しかも笑ってしまうのは「カレーイタリアン」である。焼きそば上にカレーソースがかかっている。ということは「イタリアン」という要素が何も入ってないにもかかわらず「カレーイタリアン」なのである(笑)
素晴らしいではないか!
ソースの味はチープな感じだが、週に一度食べたくなる味である。僕はカレーイタリアンのほうを気に入った。
ちなみに餃子のできはかなりよい。
自前の工場で作って居るんだろうけど、野菜餡がたくさん入った、非常に良い味出してる餃子である。
「この店はかなりこだわっている部分もあるんですよ。ドライブスルーは、実はマクドナルドより古い歴史があるそうです。日本で初めてドライブスルーを始めた店なんじゃなかったかな。休日は今でもドライブスルーに車が鈴なりになることがありますよ!」
なんと!
時間的に閑散期にきてしまったから僕らだけしか店内にいないが、この地域の子供連れ家族には大人気の店なのだそうだ。そういえば壁に「幼稚園・学校の遠足むけ注文承ります。雨天キャンセル可能です」という張り紙がかかっている。50個、100個単位で子供達に配られるイタリアンのテイクアウト箱が目に浮かぶ。それにしても「雨天キャンセル可能」が実に味を出している。

コーヒーもなんだかこだわっているみたいだし、この店、実に面白いのである。長岡に1週間くらい滞在する用事があれば、毎日通って全メニューをオーダーしてみたいと思ってしまった。

これまた実にチープで良い感じの味わいのソフトクリームを食べながら店を出る。この店、ハプニング的に寄ったわけだけど、あまりに気に入ってしまったので、後日、本部に取材許可をいただき、この時のことを週刊アスキー誌面に載せさせて頂いた。こういう地域食が、僕は大好きなのである。
その後、町中に入ってから、フレンドの店舗を発見!写真だとわかりにくいだろうけど、、、

「実はこういうタイプの店がもう一軒あって、そこではなんとホワイトソースをかけたやつもあるんですよ!」
まじ?
また行きたい店が増えた。
新潟県長岡市のソウルフード「イタリアンと餃子」は、本当に心に響く地域食であったのだ。

関要肉店のメンチ&コロッケを味わい、さっそく満たされた気持ちでいる車中。ジンは幹線道で大きな川の橋を渡り、その川縁の緑地帯に車を走らせる。大きな川の河原は、冠水のおそれがあるものの、土壌が肥沃でかつあたりに民家もなく、農地としては最適な場所である。その広々とした空間に、濃い緑と紫のツートンカラーが生い茂る一角があった。そう、昨年のエントリから出てきた巾着茄子を生産して下さっている農家、小林幸一さんの畑だ。

挨拶もそこそこに、畑を見せて頂く。
一段目の実が収穫中で、三段目くらいまで着花しているという走りの時期。すでに茄子の樹勢は旺盛だ。

この時期はまだ首都圏で曇天が続いていたが、新潟は少し晴れ間が覗き、生育が旺盛になっていたということであった。
「今年も割と調子が良いですよ。今は樹勢が強い時期ですからね、これからしばらくこんな感じで育っていきます」
着果している巾着茄子の姿が、その生育の勢いを物語っている!

ヘタと実の部分の間が、黄緑色の部分と、やや薄目の紫、そして黒紫色と三段階の色変化になっていることがわかるだろう。この差が大きければ大きいほど、茄子の生育が旺盛なのである。つまり紫色のアントシアン色が発現する余裕がないくらいに実が大きく肥大しているということだ。それにしてもこの実、巾着状の筋がくっきりと入り、ずしっと重そうな見た目、たまらない美人果ではないか!

「うちはねぇ、ほとんど化学肥料を使わないで有機、堆肥やボカシだけで栽培してます。そうじゃないと思ったような茄子ができないんですよ!株間や畝間の堀り方とか、いろいろ工夫してます。」
という小林さん、もう巾着茄子に対する熱情が全身から弾けだしている!

小林さんが使っている種はずいぶんと原種に近いようだ。この花のつぼみにビシビシっとそびえるトゲの生命力を見て欲しい!
また、葉面にも画鋲のごときトゲがブツブツと出ていて、なまじな観光気分で訪れた客を刺しまくる。

週刊アスキーの撮影用に獲ってもらった巾着茄子はズシッと掌にその存在感を刻むものだった。泉州の水茄子や新潟の焼き茄子など、中が膨満としている軽い茄子の対極にある、密度の高い身肉だ。

それにしても素晴らしい茄子畑だ。丹精という言葉がこれほど似合うところもない。

土質はご覧の通り川縁にありがちな砂泥に、長いこと有機肥料を施して土壌改良をしてきているとのことだ。水はけがよく、かつ肥持ちのよい理想的な土質に近づいてきているという。農業は1年や2年の短いタイムスパンでは結果が出ないのである。
「さあ、うちで茄子料理を用意してますから、行きましょう!」
そう、なんとこの日の昼食、小林家にて茄子づくしを頂くことになっているのである!

畑からそう離れていない小林家に上がると、そこはもう茄子ワンダーランドであった!

我が家で、こうやるのかな?と試行錯誤した蒸し茄子、そして素揚げ茄子と甘味噌が並ぶ!
よく考えてみたら、本場新潟は長岡で巾着茄子を食べるのはこれが初めてなのである。

蒸し茄子は、「皮付きのも美味しいし、皮を剥いたのもまた美味しい、だから両方」ということでツートンカラーである。

ショウガ醤油につけて頂く。巾着茄子特有のアクが、蒸かして冷やすことによってか、なぜか甘みと旨みに変容し、独特の風味を醸している。色んな茄子を蒸かして実験してみたが、この巾着茄子ほどに身肉がしっかりして、かつ濃厚な風味を漂わせる茄子はなかった!

素揚げした茄子が綺麗に並ぶ。この食べ方は実はしたことがなかった!

「この甘味噌もね、うちで作ったんですよ。」
と奥様がころころと笑いながらおっしゃる。実はこの甘味噌が超絶・絶品!素揚げ茄子に載せて頂くと、これだけでご飯が3杯は食べられるくらいの旨み世界になるのである!

こうして思い出しながら書いているだけでもたまらない、食いたくなってきた!
もう一つの長岡郷土野菜、かぐらなんばんと一緒に味噌炒めにした巾着茄子は、シコシコという独特の食感を残していて、実に興味深い、茄子っぽくない仕上がりになっていた。

「山本さんはクジラは食べられるかしら?」
と奥さんが出して下さったのが、、、
「ふふ、これが長岡名物なんですよ!」
とジンが笑う、クジラ汁であった!

クジラのコロの部分(皮と、その下の脂身を干したもの)を戻し、巾着茄子と共に味噌仕立ての汁にしたこの一品、実に滋味深い! クジラのコロの絶妙な油分が汁に溶け出し、コクと独特の鯨肉の香りを添加している。それによって、ただのみそ汁とは一線を画す料理に仕上がっているのだ。しかもそこに巾着茄子の、煮込んでも溶けない、シャクシャクというはっきりした歯触りが加わるのが楽しい。思わずお代わり。

奥様はこの辺では由緒正しい家のご出身であられるそうだが、実に明るくコロコロと笑いながら、素晴らしい料理を披露して下さった!
「もう、いつもうちの人は熱中し出すと止まらないんですよ。」
「わはは、まあそうだけど、あんたらは熱心だねぇ、、、こんなにうちの茄子で驚いてくれる人は初めてだよ」
と半ば呆れられる僕だった。
「はい、おにぎり食べて下さいね。中には巾着茄子のみそ漬けが入ってますよ」

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
きらきらと光っているようなおにぎりだ!

大きくかぶりつくと、意外に歯ごたえのある具に歯がめり込む。そして適度な塩気と甘い味噌の香り。巾着茄子は身肉がみっちりと密度が濃いので、漬け物素材としても非常によいのである。その漬け物も、浅漬けではなく本漬けに耐えるものなのだ。感動していると、みそ漬け、粕漬け、そして芥子漬けを出してきて下さる。

蒸かし茄子に適した初期の収穫が終わって生育の後期になると、実が堅くなる。そのころの規格外品を漬け物にしていくそうだ。地元の企業がこの巾着茄子の漬け物に取り組んで商品化をしている。昨年僕もいただいたが、芥子漬けがマジではまるほどに旨いのだ。
それと、茄子には関係ないけど、ビビッタのがこのきゅうりだ。

何気なく出して下さった浅漬けキュウリを囓ったとたん、ジンと目を合わせて「おおっ」といったきり沈黙してしまった。あまりにも旨いのである!
キュウリの旨さとは、その大部分が食感である。食感を左右するのは、皮の硬度と中の身肉の硬度の差異である。市販されている主流のブルームレスキュウリは、皮が固いので日持ちがする。だから流通しているわけだ。しかしこのキュウリを塩漬けすると、浸透圧で中の水分がある程度出て行く。中の身肉は脱水されてふにゃっとなる。しかし皮は固いままだ。従って通常のキュウリの漬け物は、皮が固く中が柔らかい、グニャボリっという食感しかしない。しかし、自根栽培をしていたり、昔から伝わっている自家採取の品種を作っている農家のキュウリは、皮の硬度が身肉とそれほど変わらず、相対的にキュウリ全体が柔らかにポリッと歯切れよい食感になる。こうしたキュウリは生でももちろん旨いが、塩をして適度に脱水するとえもいわれぬ漬け物になる!これは食べたことのある人にしかわからない世界だ。
そしてこの小林さんが何気なく卓上に並べてくれたキュウリの浅漬けのすごいこと!
長岡の市場仲卸をしているジンまでもが「ムムッ?」と声を挙げたことからも、勘違いではないことがわかるはずだ。
「こ、これって小林さん、すごいキュウリですよ、、、」
「そうかい?何本か作ってるだけなんだけど、、、自根だからかね。」
「こ、これって出荷してますぅ??」(←ジン)
「してるさぁ、少ない量だけど、、、」
いやマジで素晴らしい!
芸術的なまでの皮の歯触り。断面写真をみていただければ、その薄さがおわかりだろう。頭がからっぽになりそうなポリッとした食感とキュウリの香りのバランスが最高なのだ。実は後日、NHKラジオの食材でキュウリを特集したとき、小林さんのこのキュウリを送ってもらった。もちろんスタジオでは大絶賛であった!

市場業者も驚く生産農家、小林さん。あくまでマイペース、自分が作りたいものを、作りたい方法でひたすら生産する。書ききれないほどの金言をいただきながら、とにかく茄子を食べまくった(笑)!
長岡で巾着茄子を生産している農家さんは、もちろん小林さん一人ではない。でも、ジンは僕を連れて行くなら小林さんと決めていたようだ。それは、お会いしてみてよーくわかった。やはり人の熱が、作物に同化されるのである。巾着茄子の名農家・小林さんの名前を忘れてはならない。
また今年もシーズンになれば、ジンが巾着茄子や梨茄子の産直販売をしてくれるだろう。そのときはここでお伝えしたい。
とにかく小林さん、本当にご馳走様でした!素晴らしい茄子料理、そしてキュウリでした!未だに忘れられません、、、
本日午前中に、茄子が続々と到着。京都は上賀茂の生産者・田鶴さんから賀茂茄子が。新潟は長岡のジン君からは、名農家である小林さんの巾着茄子と梨茄子が。そして昨日届いた水茄子の4種。家の中がいきなり濃いアントシアン色に染まった感じだ。
しかし茄子ってなんて美しいんだろうか。本当にこの濃い黒紫色がセクシーだ。照り照りと輝くその色にくらっと来てしまう。レンズをいろいろ変えながらショットを重ねてしまった!
■巾着茄子
■梨茄子
■賀茂茄子
■水茄子
どうだろう?
でもこの茄子4種は、日本に膨大に点在する茄子品種のごくごく一握りだ。
全ての品種を集めたらどうなるんだろう、、、と、思わずにはいられない。実際は、一時期に集めるのは不可能に近いんだけど。
最近の僕の夢。
全国の郷土野菜の写真図鑑を作りたい、、、
早くしないと、幻の品種が本当に幻になってしまうから。
水茄子と共に、福村さんが「これは旨い枝豆でっせー」と送ってくれたのが、大阪府八尾市の枝豆だ。八尾市といえば関西における枝豆の大産地である。
ちなみにご存じだろうか、枝豆は卸売市場の中でも特別な存在感のある作物なのだ。

卸売市場という場所は、「セリ」によって野菜や果物を売買するところ、と社会科の教科書には書いてあると思う。しかし今日、多くの卸売市場でセリの開催が減少している。商品が産地から届く前の段階で、スーパーなどの大口顧客が「どれそれを何ケース」というように予約的に買い注文を入れている(先取りという)ため、売手と買手が対面しながら値を競りあう「セリ」は形骸化しているのが実情なのだ。
しかしながら、必ずセリが行われる品目も存在している。
事前に数量などを決める先取りが成立するためには、ある程度品質にばらつきがないモノである必要がある。しかし、比較的高額で、品質に生産者による差があるなどの場合には、面倒でも現物を見ながらセリを行う必要があるのだ。その代表格はメロン。もちろん、マスクメロンとよばれるアールスメロンだが、これはセリで生産者番号によって値が大きく変動する。
そして、枝豆もそうなのだ。むろん、スーパーで一袋300円程度で売られているものではない。枝付きで入荷する、市場の近郊産地の朝獲りの枝豆は、生産者番号によってセリにかけられる市場が多いのだ。もちろんそれは料亭等の高級な需要対応なのだけど、、、
枝豆ほど、味に差が出やすい作物も珍しい。旨い枝豆とまずい枝豆では歴然と差が出てしまう。
実は数日前、スーパーの店頭で4つの産地の枝豆が並んでいた。一番高いのを買い求め、さっそく茹でて食べたが、、、信じられないほどに味がなかった。豆自体の生産方法か、流通段階の温度管理の問題か、、、
枝豆の場合、栽培段階で美味しいものができるか否かというのを左右するのは、土質である。豆科の植物は、根に根粒菌というのが付いていて、これが空気中の窒素を固定して、自分で肥料を生成してくれる。従って肥料をあまりやらなくても育つ。だから肥料の投入量はあまり多くないので、土質の善し悪しが第一条件だ。
次に鮮度が命である。どんなによい土地で生産された枝豆でも、数日後に食べたのではまったく味が落ちてしまう。食べるタイミングは早ければ早いほどいい。言い換えれば、遠い名産地から数日経って到着したものより、無名の近隣産地の朝獲れの枝豆の方が美味しいことが多々あるということだ。
さて
枝豆を美味しく茹でるのはなかなかに手間が要る。重要なのは火の通し加減と塩味の加減だ。適度に塩味の染みこんだ枝豆にしないと美味しくない。
時間があれば、まずボウルに枝豆を入れて粗塩を振り、水を少しかけてザクザク揉む。産毛をとって食べやすくするためだ。産毛を水で流したら、豆の鞘(さや)の両端を少し切る。大量に茹でたい時は気が狂いそうになるが、そうすると塩が滲みて良い塩梅になりやすい。切る時間がない場合は、やや濃いめの塩を湯にいれて茹でる。
ゆで加減は、こればかりはつまみ食いしながら適切なタイミングを計るしかない。ただし若干「まだ堅いかな」と思うくらいで火を止めた方が佳い。なぜなら、この後、水にとったりしてはいけないからだ。よく茹でた枝豆を冷水にとって急冷するのをみかけるが、旨みが逃れてしまう。ざるで湯を切ったら、広い皿にとってうちわで扇ぐなどして、あら熱をとろう。だから、少し堅めにゆであげておくのだ。
あと、一粒食べてみて、塩加減が足りないようなら塩を振ってしばらく置く。しばらく置くと、浸透圧で豆にも塩が滲みて佳いあんばいになる。
こうして丁寧に茹でた枝豆はプリンとしてまっこと旨い!
佳い枝豆は、香りと味が濃い。佳くできた豆は旨み成分をたっぷりと含んでいるのだ。ビールが無くても、皿一杯に盛った枝豆が無くなるまで食べてしまう。
さて最後に皆さん、枝豆がなんの豆だか知っているだろうか?
いまだに、「えーウソでしょ?」と言われることが多いのだが、、、
枝豆は、大豆の未成熟な実です。
枝豆を放っておくと、秋頃に立派な大豆になるのです。
生育途上の豆を味わうなんて、贅沢なことだ、、、
ぜひスーパーや八百屋で、色んな産地の枝豆を食べ比べてみて頂きたい。きっと大きな差が見つかると思う。
大阪は東部市場の卸である東果大阪の福村さんから、泉州の水茄子が届いた。来週のNHK第一ラジオの「ビュッフェ131」の特集が茄子だからだ。この水茄子と賀茂茄子、巾着茄子を採り上げることにしているのだ。
僕はこの茄子という果菜が大好きだ。
栄養価は実はそんなに高くないし、あってもなくてもいいような存在ではある。しかしこの日本で、キュウリや大根についで、地品種が多様に存在する作物だと思う。新潟や山形などの茄子王国では、多種多様な茄子がそこかしこに見られるのだ。そういう、品種の多さ・おもしろさを伝えられればと思う。
で、水茄子である。
市場から送ってくれるということは、すなわち小分けしていない箱でくるということだ。3列×5列の15個、大きな水茄子が入っている。この季節の風物詩である水茄子を色んな食べ方で楽しみたいなら、ドサッと箱買いするのが乙ですぞ。
水茄子の形はなかなかユニークだ。千両のような長卵型でもないし、賀茂茄子のような丸茄子でもない。強いて言えば京都の山科茄子を大きくしたような形状だが、どういう系統なのだかは僕にはよくわからない。育種の先生にいろいろ訊いてみたいものだ。
この水茄子は、大阪の泉州の名物であることはよく知られている。一般に「泉州でしかこの水茄子はよく栽培できない」と言われるが、泉州以外の産地でも作られてはいる。ただ、泉州のような旨い、水を多量に含んだ水茄子に仕立て上げたのを味わったことはない。やはり土質と栽培方法において、泉州ならではのオリジナルがあるのだろう。
テレビなどで紹介されているのを見た人もいるだろうが、なんで水茄子と呼ばれているかというと、とにかくその実に多量の水分を含んでいるのである。下の写真は、切った水茄子を握りしめたものだ。手にしずくが付いているのがわかるだろう。絞って水が滴り落ちるほどなのだ。
で、泉州の生産者のものは、この汁が透き通る甘さなのだ!渋みやえぐみの全く感じられない、爽やかさまで香る素晴らしいジュースなのである。これが泉州と他産地の水茄子の大きな違いだと言える。
食べ方は、基本は生で刺身(縦半分に切り、それを横にかまぼこのように切って刺身醤油で食べる)だが、包丁の金気を嫌うので、木のへらなどで切り込みを入れて手で裂くというのが奨励されている。こうすることで断面が微細な凸凹になるので、醤油などが絡みやすくなるということもあるだろう。ただし手で裂いた身には、醤油よりも酸味をきかせたドレッシングの方が合うような気がする。ということでさっそくドレッシングで軽く和えていただく。水茄子の、水分で膨満とした身肉を噛むとシュワッとジュースが染み出てくる。そのジュースとドレッシングの酸味が和して、あまりに旨い!本日のみで5玉食べてしまった。
しかし意外に知られていないのが、この水茄子を加熱して食べると旨いということだ。
長島農園から届いたトマトでソースを作ってパスタに和え、そこに多めのオリーブオイルで火を通した水茄子を加える。実は水茄子を加熱すると非常に美味しく食べられるのだ。おそらくそう言うと多くの人が「もったいない!」と言うだろう。実際よく言われる。けど、そういう食べ方をしたことがない人に「もったいない」などと説教されるいわれはない(笑)試してみれば、もったいないどころか「何で今まで食べたこと無かったんだろ」と言うはずだ。水茄子のジュースが保たれたまま加熱され、身がトロトロになり、モロッと口の中で崩れていく感覚はあまりにも官能的なのだ。これを高温の油でさっと揚げるともっと旨い。煙が出るくらいに油の温度を高くして、水茄子を投入すると水分が凄まじく爆ぜるので蓋をする。表面が茶色くなるくらいに火が通ったのを食べてみると、これはもう悦楽の味なのだ。
泉州水茄子の時期は今が最盛期だ。一時期にしか食べられないものだ。思い切って箱買いしてみるのもいいのではないか。大阪近隣でなくても、八百屋さんや、市場が近くにある人は、仲卸に数日の余裕をもって頼めば買えると思うゾ。
表題の件、当選者さんにはメールで連絡を差し上げました。
一応確認をしてくださいませ。
キャンセルが出た時は、すでにご連絡をいただいていた方々優先で、情報を回しますね。
よろしくお願いします!
ふらふらです。
宮崎の人たちはなんだか本当にパワフル!
腹も一杯だが人のエナジーも凄まじくて、気持ちも一杯。
そして自然と農地のパワーも凄まじいのであった。