大洲市で開催した「味見会」という大イベントの和菓子・米加工品部門で2位になった澤山繁子さんのお宅を訪ねた。もうね、見ておわかりの通り、どでーんとでかくて素晴らしい農家さんのおうちです。
「まあまあ、そんな撮影なんてされると思っていなかったから、、、」
すみませんねぇ、いつもいきなりなんですよこういうのは。
大洲市は餅つき文化がまだまだ残っている地だ。農協の部長さん宅では、地域の人達に頼まれて配る分を含め、凄まじい分量の餅を搗くという。そのまま食べるだけではなく、いろんな具と砂糖を練り込んだ餅を煉瓦のように切り出し、かきもちにする。薄く切って乾燥させて、揚げたり焼いたりするわけだ。
そんな風に、食文化に餅が重要な位置を占めているだけあって、いま営業している直売所では餅加工品が結構並んでいる。澤山さんはこれまでも直売施設で餅を出品して大人気の方だ。
澤山さんがお得意とするのが、さまざまな素材を練り込んだ餅。味見会の会場では餅関係の商品がいろいろ並んだけど、その中でもひときわ人目を引いていた。だって、とても美しいし可憐なのだもの!
オレンジ色のものはみかんを、黄色はモチキビ、紫はたしかタカキビなど、色の出し方に工夫があるそうだ。
よもぎ餅も、なんだか綺麗でしょう?

どの餅も澤山さんが早朝4時頃から蒸して、搗いて、ひとつひとつをあつらえていく。ここがその作業場だ。
ちなみに漬物以外の食品製造には保健所からの許可が必要で、免許を取るためにはいろいろなハードルがある。農家が誰でも加工食品を出品できればいいのだけど、例えば家の台所とは別の水回りや作業場が必要となる。難しいのは、一つの施設は一つの目的の使用に限定される。例えば和菓子で許可を受けたところで惣菜を製造してはいけない、という具合だ。この辺は各市町村で事情が変わるが、、、
農家さんだと、もともと作業場にすることを想定して広くしてある家が多いので、取り組みやすいとは言える。それにしても、整理された作業場。
お餅を焼いていただく。
年代物の手あぶりが実にイイ!
どのお餅にも、あんこが入ってます。
おいしーーい!
実は僕は、餅はあまり得意ではない。雑煮には餅を入れてくれるな、といつも母や嫁さんに言っていた。けれども、こうやって甘くして食べる餅はそれほど嫌いじゃない。
直売所がオープンする4月後半にはだんだんと暖かくなるだろうけど、餅は旨いはずだ。このカラフルな餅になにか新しい色を加えて欲しいと思うんだけど、さて何が楽しいだろうなぁ、、、
昼飯は、茶蔵(さくら)にて焼きカレー。
以前から「大洲バーガー」という、地産モノのバーガーがあるということは聴いていたのだけど、初めて訪ねた。
けど、、、 カレーってのがメニューに載ってたら、まずは喰いたくなっちゃう僕。会えなく陥落して焼きカレー。
うん、表面はカリッと焼きが入れられていて、なかなか美味しい。
大洲バーガーは、市内の養豚農家が手がけているネッカリッチ豚のカツを使ったバーガーだ。
ネッカリッチは炭素をベースにした添加剤で、餌に混ぜるといわゆる獣臭が減少する。淡麗な味の豚肉が多いが、それを作るときに有効な資材だ。僕は食べなかったけど、食べた人間は「うーん、、、まあまあ」とのこと。そうね、ちょっと価格からするとボリュームが足りない感じはする。焼きカレー頼んで佳かった(笑)
チャンポンと言っても長崎チャンポンのような汁そばではないよ。2007年の過去ログにも書いたが、この大洲市においてはやきそばとご飯を炒めたいわゆるそばめし的なものを「ちゃんぽん」と称するのだ。
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2007/02/post_969.html
上記を見ていただければおわかりのとおり、大洲市における「ちゃんぽん」は、隣町にある八幡浜チャンポンなどのものとは全くの別物なのだった。
さて、大洲市に出来る新しい農産物直売所だが、すでに着工し、着々と工事が進められている。正式オープンは4月後半になる。もう、待ったなしだ!

いろんな人と会い、どういう商品を出してもらうかを調整している。今回の直売所を運営するJA愛媛たいきはかなり広域の農協なので、西へ行ったり東へ行ったり、移動だけで相当に時間がかかる。けれどもその分、山も川も海も平地も全てある!幅の広い食材や料理がある。それが強みなのだ。
さて、夜。
市役所周辺の商店街。ここが目抜き通りです。
役所の河野さんに連れられていったのは、鉄板焼き「さおや」。ここは、表題のちゃんぽんを食べられる店で、過去ログにあるみゆきとはまた違った味つけのが楽しめるそうだ。
地ダコのブツ切り塩焼きから始まるが、中はとろりとレア、外はパリッと焼き上げていて、鉄板焼きならではの美味しさだ。
牛のタタキ。
サシ入りまくりでないほどよい赤身。交雑牛だろうか。
「うちの牛すじ煮は、関東とかの味とちょっと違うから食べてご覧」
と言われて頼んだ牛すじ。
あっ これはイイ! 麦味噌の甘さとプンと特有の香りがする、柔らかい味のスジ煮だ。トロトロ味噌煮や醤油煮〆系の味ではない、さわやかで甘やかな味わい。焼酎が進みます。
豚レバー焼きは甘辛味でご飯が欲しくなる。
豚のおろしポン酢。
ちゃんぽんに行く前に、お好み焼きも。
さてその頃、鉄板の上ではチャンポン焼きが始まっていた!
大盛り二つを頼んだら、みよこのご飯の量!
麺投入!
オリジナルソースをとろりとろり。
完成である!
左側上に、鉄板にこびりついたおこげを削いだものがある。これはお願いしておかないと載注らないので注意。

これは旨いですよぉおおおおおおおおおおおおお
級グルメ的な楽しみだけども、実はこの日、もう一杯大盛りおかわりをして、ヤロー3人でむさぼってしまった。
大洲市の隠れたB級グルメはやっぱこれでしょう。ソースの味、麺の太さなどで無限の可能性があるちゃんぽん。私は好きであります。
愛媛から帰ってきました。今月・来月は出張がゴガガガッと入っているので、もうこれ以上の仕事は無理。申し訳ありませんがこれから、メールや電話などのレスポンスが如実に悪くなりますので、ご了承くださいませ。以上、業務連絡。
最近、ブログ読んでくれている人と会うと、よくきかれることがある。
「この頃アップしてる写真て、E-P2で撮ってるんですよね?」
そうか、カメラの話題が出た後は、そのカメラに切り替えたと受けとめる人が多いんだな。
えー
現在、メインのカメラはニコンのD700です。E-P1は、写真撮影を想定していない出張時や、スナップ写真用という位置づけで使ってます。先日、オリンパスの人とお話しする機会があったんだけど、赤皮を貼った僕のE-P1を見て「こんな色遣い初めて見た」と驚いておられた。しかも、着けているレンズがフォーサーズ用の25mmf2.8なのをみてさらに「渋い選択です」と。ちょっと嬉しくなっちゃった(笑)
さて
コンパクトデジカメを使ってきたけど、もうちょっといい画質で撮影したくなったという人は多いだろう。そういう相談をよく受ける。その際に「最近やまけんが採り上げてるE-P1とかE-P2っていいんでしょ?」と訊かれることも多い。背面液晶を見てフレーミングして撮影するなど、コンデジとの共通点が多いから、親しみ深いのだろう。
個人的には、そうしたミラーレス機と呼ばれる新興勢力もいいのだけど、総合的にはデジタル一眼レフがいいんじゃないの?と思う。だって、歴史の長さが違う!ミラーレス機はまだ数台しか出てきていないこれからの文化であるのに対して、一眼レフは銀塩カメラ時代から連綿と続いてきた歴史のなかで磨き抜かれている。正直、どの会社の入門機を買っても満足出来るはずだと思う。
ちなみにデジタル一眼レフだったら何がいいの?という問いには、こう答えている。
「周りに教えてくれる人がいるなら、その人が持ってるのと同じメーカーの入門機がいいんじゃないかな」
彼氏でも彼女でも家族でも友人でもいいんだけど、カメラ始めるなら師匠が居た方がいい。マニュアル見て操作を覚えるよりも、実際に撮影しているのを見た方がすぐに習得できる。その場合、操作体系が同じカメラを持っていた方がいいに決まっている。だから、すぐには別れない相手(笑)を探して、その人のカメラのメーカーの入門機を買えば、間違いはないだろう。その方が、レンズも貸してもらえるしね。
でも、デジタル一眼レフはミラーレス機より大きいし、オリンパスかパナソニックのミラーレス機を買いたいという人もいるだろう。現状では、「もすこし待て」という感じだ 。
E-P1とE-P2は趣味性の高いカメラだ。高級感のあるボディで所有欲も満たされる。画質も、フォーサーズ機のフラッグシップであるE-3よりも佳いと思う。けれども、価格も含め、コンパクトデジカメからのステップアップ組にすぐさま薦められるわけではない。
おりしも本日のカメラ系ニュースを見たら、海外のオリンパスWebサイトで新製品らしきティザー広告が出始めたそうだ。どうやらPENシリーズの新製品がまたもや出るようで、デジカメWatchの記事には「内蔵フラッシュがついている可能性もある」というようなことが書いてある。あーそれ、いいなぁ、と思う。だからオリのカメラを欲しいなと思う人は少し待ってもいいかもしれない。
現状で、コンデジからのステップアップ組に薦められるマイクロフォーサーズ機は、パナソニックのGF-1だ。なにせ、パナレンズとの組み合わせでは絶対的にフォーカスが速い。PENシリーズは基本的に静物向けと割り切った方がいい。
で、フラッシュの話だ。PENシリーズには内蔵フラッシュのあるモデルがまだない。だから、光をまとわせたかったら、どうしても外部ストロボをつけなければならない。クリップオンストロボでもいいけれども、そうではなくて半逆光を作ると綺麗に写る。
そうやって撮影した料理の写真を今出てる週刊アスキーに掲載している。けど、みたらすっげーちいさくなっていたので、ここに掲載。
東京バルバリの小池君に頼んで作ってもらったものだ。乳飲み小鳩のロースト!
ちょっとオーバー気味になってしまった(ゴメン)。けど、ストロボ利用の雰囲気は出てるかな。
やっぱりストロボのワイヤレスコントロールができると、グンと幅が拡がるのに、と思うわけだ。オリンパスの次機種に期待!
本日ずっとアクセスできなかったり、過去ログのいくつかが画像が表示されなかったりしています。実は週末にブログエンジンの載っているサーバーを運営会社さんが移設してくれたのですが、その環境で不具合が出ていました。
で、とりあえず直っていますが、写真のほうは徐々に復旧していきます。まずは本日アップできなかった雑穀料理教室の件、ご覧下さい!
来る2月27日(土)、赤坂のクッキングスタジオにて、岩手県の雑穀・ヤマブドウを使った料理教室を開催します。
「これを受講したら、家で雑穀三昧のホームパーティーが開ける!」
という内容を目指したんですが、正直それ以上の内容になると思います。だって、講師はホールフード協会主宰のタカコ・ナカムラさん。
■ホールフード協会 http://www.whole-food.jp
特別ゲストは、昨年まで二戸駅前で「雑穀茶屋 つぶっこまんま」で腕をふるっていた雑穀料理家・安藤なおみさん!
実は某日、本番に向けて料理の試作・試食をさせていただいた。場所はタカコさんのご自宅。ちなみにタカコさんのパートナーはアクアパッツァの日高良美シェフ。レストランスタッフでもご自宅に招かれたことはあまりないということが多いらしいので、これはもの凄い機会だ(笑)
さて、当日食べられる、いや教えてもらえる雑穀料理のラインナップは、こんな豪華な内容だ!
◎タカコ・ナカムラさんのメニュー
【料理】
・アマランサスの3種類のブルスケッタ(バジル、豆味噌、アンチョビ)
・たかきびとおからのカバブ
・ひえのグラタン
【デザート】
・りんごのやまぶどう煮タルト
・山ぶどうの洋かん
【飲み物】
・山ぶどうのバンショー
◎安藤さんのメニュー
・雑穀おにぎり
・ヒエッシュフライ
・へっちょこだんご
・まんまサンド
・雑穀茶
これ、すごくない!? さっきの「これを受講すればホームパーティーが開ける!」は、嘘じゃないッス。手に入る食材で前菜からデザートまでをきっちり学ぶことが出来る!しかも、タカコさんによる洋風の皿から、安藤さんの手による郷土の味まで幅広い。
では、タカコさんが教えてくれる雑穀料理を紹介しよう、、、
・アマランサスの3種類のブルスケッタ(バジル、豆味噌、アンチョビ)
パンの上に塗られているのは、アマランサスを使ったディップ!

それも、バジルソースや豆味噌、アンチョビにてそれぞれ風味をつけている。豆味噌がまたイイ味わいを出しているのだ!
・たかきびとおからのカバブ
こいつが、雑穀と野菜とは思えないほどにコッテリ食べた感があるケバブ!
何が中に入ってるのか、わからないでしょ?肉を食べているかのような錯覚に陥る、ボリュームのある串焼き。けれども全部菜食!ベジタリアンの方にはストロングにリコメンドしたい!
・ひえのグラタン
実は、当初の予定では違う料理をやるはずだったのだけど、この日タカコさんがおまけとして出してくれたのがこのグラタン。
す、す、すんげぇ旨い! ヒエをソースにしているのだけど、あっさりしているのに、メイン料理としての満足感がでかい!ソースの下のラタトゥイユのようなトマト煮を野菜だけにすればベジタリアンメニューだし、肉を入れてもまったく違和感がない。
そして今回、すごいなぁと思ったのが、このヤマブドウを使ったデザート。
みてくださいよこれ、、、
二種類作ってくれた中から一つ選ぶのだけど、リンゴタルトを今回はチョイス!
【デザート】
・りんごのやまぶどう煮タルト
スミマセン、当日はつくらない右側の木の実タルトをメインに撮影しちゃったけど、リンゴタルトは左側のです。色でわかるように、ヤマブドウ果汁で煮ている!ブドウ果汁の酸味がリンゴとマッチするのだ。
そして、、、普通僕はようかんなんて食べたくないんだけど、これはいけた!
・山ぶどうの洋かん
小豆ではなく白豆を使った、ライトなようかん。ブドウ果汁のおかげか、羊羹というよりも洋菓子の感覚だ。
これに、ホットワインのようなバンショーで決め!
【飲み物】
・山ぶどうのバンショー
これに加えて、雑穀王国である岩手県二戸市の安藤なおみさんから、こんな料理のレクチャーを受けられます。
◎安藤さんのメニュー
・雑穀おにぎり
・ヒエッシュフライ
・へっちょこだんご
あと、まんまサンド と 雑穀茶。
どーですか。もちろんこれらを食べてもらいます。料理教室&食べる会ですな。基本的に、前で作っているのを観てもらう形。何名か、実際に作るのをちょっと体験してもらうかもしれません。
当日は、雑穀生産者の高村さんと、ヤマブドウ生産者の下河原さんも駆けつけてくれます!
いつもながら盛りだくさんの内容ですが、雑穀・ヤマブドウに興味はあるけど、入手方法もわからないし、とっかかりがない、と言う方はぜひ来ていただきたいですね。
実施要領は下記です!
タイトル: 岩手食材の魅力を探る~雑穀・やまぶどう料理教室
日程: 2010年2月27(土) 14~17(13:30受付開始)
会場: 赤坂テーブルスタジオ・タキトー・クッキングスクール(赤坂)
人数: 30名
内容:
・雑穀・やまぶどう生産者の話
・料理研究家と岩手県二戸市・久慈市の食の匠の料理教室
講師: タカコナカムラ氏
岩手・食の匠安藤氏
会費: 5000円
メニュー:
◎タカコ・ナカムラさんのメニュー
【料理】
・アマランサスの3種類のブルスケッタ(バジル、豆味噌、アンチョビ)
・たかきびとおからのカバブ
・ひえのグラタン
【デザート】
・りんごのやまぶどう煮タルト
・山ぶどうの洋かん
【飲み物】
・山ぶどうのバンショー
◎安藤さんのメニュー
・雑穀おにぎり
・ヒエッシュフライ
・へっちょこだんご
・まんまサンド
・雑穀茶
お申し込みは下記フォームからお願いします。応募多数の場合は抽選となります。
http://my.formman.com/form/pc/0uxkBfXn6ZADZlNU/
2月3日の23:59までにお申し込み下さい!

昨年はホント、堀江純一郎シェフには世話になってしまった。短角牛を食べる会の関係で、合計すると3回、腕をふるってもらった。しかもそのうち2回は一般向けじゃなくプロの料理人向けだ。さぞかしやりにくかったことだろう(笑)
そして昨年、西麻布「ラ・グラディスカ」を辞した堀江君が奈良で店を開業するということを聴いたとき、まあ誰もが思っただろうけど「大丈夫か?」と僕も思った。でも、成功するだろうな、とも思った。なぜかというと、La・毛利という成功例があったからだ。
La.毛利は東京で唯一の市民農園レストランといえる存在だけど、今の場所に至る前は、練馬区の保谷駅前の小さな店だった。それが、最寄り駅などなく、車、タクシーなどを使わなければいけないアクセスの悪い場所に移転するということになったとき、僕は真剣に留めた。しかし、、、開店以来予約の取れない店になり、いまもそれは続いている。
つまり、周囲が「辞めた方がいい」と思うような条件の大勝負の場合、こける時はこけるのだろうけど、万が一上手くいった場合には、余人には及びもつかないほどの成功をおさめることがあると考えるべきなんだろう。
そう思ったら、奈良の東大寺前で勝負するという堀江君の考えは、あながち間違ってはいないんだろうな、とも思ったのだ。
で、
結局のところ彼がオープンした「イ・ルンガ」は大成功を治めている。実は開店日に行こうと思っていたのに案の定出張で行けず、その後ずるずると先延ばしにしていたのが、ようやく行けることになった。
JR奈良駅から、土産物屋が並ぶ通りを歩く。
さらにまっすぐ行くと寺社仏閣がある界隈に。しかしながら僕は神社以外にはあまり関心がないので、スススッと進んでしまう(笑)
中学校の修学旅行以来、一回か二回しか奈良に足を運んだことがない。やっぱり鹿だよなぁ、イメージとしては、と思ったとたんに鹿がいっぱい居る!暗くて写真は撮れなかったけど、バンビちゃんだらけだったのであった。
そんな道を抜けたりしながらお店へ。ディナータイムに行くなら、暗くなるからタクシーで行った方がいいね、これは。ランチタイムなら、JR奈良駅からぶらぶら歩いていくのでよいと思う。
え?
ここなのか!?
とビックリするような、大通りにそのまま面した豪邸風の門構え。そこにぼうっとイ・ルンガのロゴが浮かび上がっている。
これはもう、しつらえからやられてしまった感がある!なんと素敵なエントランスなんだろう、、、
門をくぐるとまたびっくりするほどの庭が。

これがイ・ルンガの夜バージョンだ。
東大寺の目の前というロケーションのこの家、数年前まで個人宅だったという。それを、その本人から借り受けたということだそうだ。

こんな個人宅があるのか?というような調度。完全にこれはリストランテの風格だ。
日が暮れて見えなかったけれども、庭がまたすごいのだそうだ。
オープン席ばかりではなく、個室も充実している。いちばんスゴイのは茶室だな。
いやー ここでも食事したいものだ!
今回はばしばし写真撮るよ!と連絡したので、気を利かせて個室をとってくれた。心おきなく写真を撮らせてもらったのである。
メニューを見たが、東京のリストランテと比べたらビックリするほど安い!
「おまかせで、いろいろ出してよ」
「ん、わかった」
という会話だけだったんだけど、ほんとにいろいろ出てきたのである。料理の名前は写真撮りながらだったので間違っているかもしれないけど、ご容赦。
■熟成ジャガイモのスープ 白子のフリットと天然キノコのせ
ねっとりとしたピュレ状になった下の地が熟成ジャガイモのスープだ。もちろんここで使われている熟成いもというのは、北海道の村上農園のものだ。この日はキタアカリ。村上農園では早ければ数週間ごとにお奨め熟度の芋が変わるから、もしかすると次に訪れたときには違っているかもしれない。それにしても、もともと村上農園との出会いは堀江君が紹介してくれたんだった。
上に乗ったフリットはタラの白子(だと思う)。その下にキノコが二種仕込まれている。
ジャガイモと白子と天然キノコなんて組み合わせにはあまりぴんと来ないけれども、実に絶妙に合う。白子の旨みとネトッとしたピュレの甘さに、少しぬめりのあるキノコの食感と香りがアクセントとなるのだ。
■鹿肉の岩塩包み焼き
岩塩包み焼きは、堀江君が得意とするところだ。短角のこれは数回食べさせてもらった。鹿肉はあんがいシンプルな風味だから、これくらいの量で十分。
■ホエー馬のタルタル
これ、文句なしに素晴らしかった!

ホエー馬は、村上農園の近くの牧場で育てられる、ホエー(乳清)を給餌した馬の肉だ。堀江君がこれを絶賛しているのに、僕が行ったときにはいつも品切れしていたものだ。
このタルタル、口に含むとなにやら海の味がする。魚醤かアンチョビかが練り込まれている!(アンチョビでした) その代わりタルタルでよく使われるケイパーはなし。肉に十分な酸味が折り込まれているから使わなかったのだろうか。いやもう絶品。これは興奮した。
んで、次の逸品が本日のベスト3に入る皿だ。
■天然有頭エビのソテー 菜の花の蜂蜜ソース
美しいねぇ、実に美しい皿だ!

菜の花の蜂蜜のソース、という響きと、このべっこう色を赤らめたような、エビとシンクロした華やかな色のソースが、甘さだけではなくふくよかな旨みを讃えている。絶妙に火入れされた有頭エビは、頭の殻の中の部分、味噌と芯がほんのりレアだ。その味噌の部分をチョイと身肉になすって口に入れると、新鮮な海老ならではの香りがプアンと立つ。
下に敷いた菜っ葉もたしか奈良特産のものだ。フォカッチャでソースをぬぐって食べる。殻ももったいないからバリバリよく噛んでいただきました。この海老、一本といわず5本くらい食べたかったね!
そうそう、パンも面白い趣向が凝らされている。
左上がフォカッチャ、右にあるダークなのが、なんとはったい粉のパン!はったい粉の香ばしい風味の香る、ちょっと懐かしいパンだ。手前のロールは甘やかなブリオッシュ。ブリオッシュ以外はおかわりできる。
■アマゴのコンフィ ハーブ風味
じっくりコンフィされているアマゴらしくホックリした食感。でもわりに淡泊な風味なのを、外側に巻いた生ハムが塩気と旨みを補っている。下に敷いたちじみほうれん草との相性よし。
■宇陀ごぼうのパートフィロ包み焼き 地卵のスクランブルエッグ
これもベスト3に入る一皿!
宇陀ごぼうというのはこの辺における名産だそうだ。トリュフがド派手にひらひらフリルになっているけど、パートフィロのサクサクの中に包まれたごぼうのブロード煮(?)の香りの方がトリュフより強い!
しかも、下に敷いてあるスクランブルエッグとの相性がすこぶるいい。卵とごぼうって、柳川鍋のような卵とじとかしか使ったことがないから気付かなかったけれども、ものすごくいいコンビになる食材だったのだなぁ、と驚いた。
それにしても宇陀ごぼうって美味しい。これを、岡山の神原ごぼうでやっても旨いだろうなぁ。でも残念ながら、今年度の森崎家の神原ごぼう出荷は終わってしまったらしい。こんどこの宇陀ごぼう産地も観に行かないとな。
そして、堀江君のパスタと言えばこれ、のタヤリン。
■自家製タヤリン サルシッチャとラグー
この繊細な細さ・薄さの卵麺を食べるといつも思うんだけど、堂々たる体躯にちょっとふてぶてしいような(失礼)堀江君の手から、なんでこんなにデリケートなバランスの料理が出てくるのか不思議だ。
パスタもう一品は、イタリアの「うどん」(笑) ロンブリケッリ。
■ロンブリケッリ ムール貝とアサリのラグー
うーん こいつぁいいね!
貝のラグーって旨いよねぇ、と思っていたけど、ロンブリケッリみたいなある種退屈になりそうなパスタに吸わせると、うどん感はどこへやら、実にイタリアンの文脈になる。やっぱりうどんぽいけど違うんだな。きっちりイタリアのパスタなんだなと思う。
それにしても、色鮮やかで華やかだ。
ラ・グラディスカは照明がかなり暗かったので、こういう華やかな料理が映えなかったけど、この店はそれより若干明るめだ。あ、もちろん写真はフラッシュを焚いて撮影しているので、こんなに明るくはないよ!けど、明るめの雰囲気で堀江君の皿をみるとまた旨そうでいい。
デートの女性向け照明は料理が美味しく成さそうに見えるから、飲食店としてはやんない方がいいと思うんだけどね。
■カボチャのリゾット フォアグラのマリネ添え
これ、本日のベスト3には入らなかったけど、ベスト5までには入る。 って、何皿食ってるんだ、という感じですな、まあ、どれも微妙にポーションは少なめに作ってもらってるのです。
西洋カボチャの粒状・粉状の黄色い海に、アルデンテの大粒イタリア米が絡まっている。それだけだと退屈になっちゃう甘いリゾットだけど、上にノルンッと溶け出さんばかりになっている薄切りのフォアグラが、退屈さを吹き飛ばしているのだ。

ソース自体がポルトの香りがするのだけど、このフォアグラマリネを口に含んだときに、ものすごく複雑な洋酒の香りがブアンッと鼻を刺激するのだ!
あとで堀江君に聴いたら、「ええとね、マルサラとポルトと、、、」と5種くらいの酒を挙げていた。フォアグラは「ケチってるのかよ!」というくらいに薄ーい薄いカットなんだけど、その量が実に黄金律。いや、いいものをいただきました。
そして、、、
これも堀江君の代名詞。「イタリアでのミシュラン一つ星は、この料理でとったようなもんだよ」と彼が言う一品。
■アニョロッティ・ダル・プリン
プリンていうのは、あのお菓子のプリンじゃなくて「摘んで作る」みたいな意味らしい。

前の店で食べたときよりなんだか輪郭がビシッとはっきりとしている感じ。ローズマリーの香りが効いて、詰め物の肉にちょっとしたスパイシーさを与えてくれる。バターのソースが、イタリア南部とはぜんぜん違う文化圏の味を醸し出している!
ここで、本日最強の赤登場。
肉料理は、牛と、なんと雷鳥。もちろんサンダーバードこと雷鳥は輸入物ではありますが、堀江君、にやっと笑って「すっげー臭いからね。匂うよ!」と言って厨房に去っていく。そういわれるとすげー期待してしまう(笑)
■庄内牛の赤ワイン煮 クミン風味

短角牛のセミナーをやってもらう際に試作した中に赤ワイン煮があったので味の傾向はわかって居ると思ったけど、予想を裏切ったのがクミンの風味。
カレーっぽいじゃん!
普通なら飽きちゃいそうになる牛の煮込みを、楽しく食べきることが出来た。
そしていよいよ、メインイベント。
■本日のジビエ 雷鳥のロースト
ほぉうっとため息が漏れてしまう。ジビエの中でも、鳥類に関しては一皿に全ての要素を盛り込むことができるところがいい。胸肉を中心にモモ肉、手羽、そして内臓類。骨でブロードをとってソースにする。野生の鶏の、色んなものを食べているのが味と匂いになる。この雷鳥。堀江君が言っていたように、すっごい匂いが強い!
けれどももちろんそれはいい匂い。美味しそうなひねた匂いだ。
この匂い立つソースの深い旨み。胸肉の切り身でソースをぬぐいながら食べると堪らない。見ての通り胸肉の上にははっきりした大粒の塩が振られていて、ビシッと味を決めている。
この写真では見えにくいが、ササミの筋繊維の心地よさがまたイイ。モモ・手羽のシコッとした強い弾力ある食感は、ブロイラーのかみ切れるモモ肉に慣れた顎に新鮮な抵抗だ。
そして内臓。「わぁ、甘くてとろーりとろけるわ」というのと逆の方向を向いたレバーの苦みが、生き物を食べているリアルさを思い出させてくれる。
これらをいただきながら先の赤ワインを口にすると、強い個性が拮抗して世界観を替えてくれる。
本日のNo.1は間違いなくこの一皿。仕込みも火入れもソースも、そしてカッコイイ盛りつけも素晴らしかった!本エントリ冒頭に置いたこの雷鳥の写真、ここんとこ撮影した中で最高の一枚かもしれない。
さて、コースはここで終わりなんだけど、、、
なんっか、まだパスタが食べたいんだよね、、、乾麺が。
とつぶやいたら、「ホントですか?」といわれながら調理場に打診してくれた。
■アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ
これ、写真じゃわからないかもしれないけど、極太麺です!
バシッと一本芯が残って、歯にクキックキッとくっつくのを感じながら噛む。旨いねぇ、、、
「これ、2mmの麺だよ。」
と笑っていた堀江君。以前パスタの話をしたときに「日本じゃみんなよくあるブランドのものばっかり。つまんない」と言っていたけど、いまでも同じなんだな。
さすがに満足! もう一口ずつしか 食べられないけど、ドルチェも面白いものを出してもらった。
■ドルチェ

塩キャラメルのジェラートと、ドーム状の菓子がなんだったっけ?カタラナではなかったとおもうが、ゴメン、思い出せない、、、

こちらは、彼が奈良に来てから多用している日本のハーブ「ヨモギ」のプリンだ。イチゴはアスカルビー。 ヨモギのほろ苦みと独特の香りが、つるんと甘いプリンを引き締めて大人の味になっている。
いやー もうくえねぇ! 堪能しました。ごちそうさま!
他のお客さんが帰った後、しばし語らい。
ここに来るまで彼はいろいろあった。しかし、全てがビタッとはまって、大成功をおさめている。これはけっしてフロックではない。
それにしても面白い料理人だ。ご存じの方も多いと思うけど、彼は国語の教員免許を持っている、なまなかではないインテリジェンスを持った男だ。(ちなみに店名イ・ルンガは奈良県を意識して「斑鳩(いかるが)」ともかけているという。
すでに奈良県庁の食材関連部署からの接触も多いというが、県産品のPRの場に使いたいのだろう。山形県がアル・ケッチァーノの奥田シェフに多くを背負わせたように、堀江君にも期待がかかっている。でもまあ、それはそれ。
「俺、奈良のものしか使わないなんてやだから。いままでどおり佳いものはどこのでも使ってくよ。」
それ、それでしょやっぱり。佳いと思います。
「そうそう、もうこの店には頼れるやつが居るから、俺、東京はいつでも行けるよ。おーい!」
と呼んでくれたのが、イタリアで7年間修行をしてきたというヒロさん。

今日のロンブリケッリは彼が作ったそうだ。旨かったですよぉ。じゃあ、今年も心おきなく堀江君を東京に呼ぼうと思う。
堀江純一郎38歳(だよね?)。まだ40を迎えても居ないのにこの充実した時を迎えている。イタリアでミシュラン一つ星を獲った男は、いま日本ではとりあえず無冠だ。さてこれからどこまで躍進するのだろうか。立派な同世代の行く末を楽しみにしたい。
■撮影機材
ボディ:ニコンD700
レンズ:AF-S24-70mmF2.8、60mmF2.8マイクロ
フラッシュ:SB-900、ニッシンDi866
さる1月18日、赤坂のタキトークッキングスタジオにて、土佐あかうしを食べる会を開催した。これは一般公募のものではなくて、料理人と料理メディアのみの、クローズドな会として開催したのだが、実にものすごい顔ぶれが集まった。イタリアン、フレンチ、日本料理の分野で、名店と呼ばれる店、新進気鋭の店、さまざまなシェフが集まってくれた。短角の時もそうだったが、牛肉というメインになりうる素材への関心を観た思いだ。
主催となる高知県側のスタッフもなんと12人が駆けつける。都内のクッキングスタジオにて、事前準備。ちなみに肉の試食会をすると、どうしても口を洗いたくなる。営業前のシェフもいるので、ワインというわけにもいかない。そこで、高知の乳業メーカーでありこのブログには何回も登場している、吉澤文治郎さん率いるひまわり乳業さんから、海洋深層水を提供していただいた。ありがとうございました!
腕をふるうのは横浜・馬車道のヴィノテカ・サクラのシェフ、榎本隆二シェフだ。イタリアンの文脈で肉料理はお手の物。これまでも試食会をきちんとしてくれたり、実に意欲的に取り組んでくれた。
今回使う土佐あかうしの肉は、なんと貴重なメス!4ヶ月に一頭出るかでないか、という感じのはずだが、よくぞ確保してくれた、、、肉の業者さんは高知で土佐あかうしの普及に尽力する三谷ミートさんだ。
実は先日、三谷さんが面白いことを言っていたのだ。
「あのね、土佐あかうしはと畜後の解体の時点と、熟成してからとでは、サシの出方が変わるんだ。実はと畜解体して、格付をするときには「うん、A2だな」と思っていたのが、しばらく熟成しておくとサシが出てきて「あれ、A3レベルだ」ってなるんだよ。もちろん全部の個体がそうじゃないけど、そういうことがままある。今回のも、最初はこんなにサシがビッシリ入っていなかったよ!
えええええええええええええええええええ
それホント?
土佐あかうしは、現状の格付下ではA2がメインで、ぽつぽつA3が出るくらいだ。しかし、僕が目にする土佐あかうしの肉は「これ、結構はいってるじゃん」と言うのが多かった。だから不審に思ってはいたのだ。格付後にサシが増えることがある肉、土佐あかうし。また一つ伝説ネタが増えた。
ところで今回は、料理の付け合わせや薬味などに使う野菜を全て高知県産にした。高知県はちょうど今頃の野菜産地としては国内随一といっていい。
あらかじめ仕込んで置いたもの以外の刻みが急ピッチで進む。ちなみにアシスタントスタッフの要は、山之内千夏さん(左から二人目)。神奈川県藤沢市で料理教室を展開している。この人もイタリア北部で修行した凄腕なの だ。
今回も様々なお客さんが来てくれた。その中でも、一番遠くから来てくれた、とっても嬉しい出会いがこの方。
なんと京都から「瓢亭」の高橋義弘さんが駆けつけてくださったのだ!僕が連載を書いている「専門料理」を読んで、編集者経由で「ああいう会、すごく興味あるんですよ」と仰っていたということが耳に入ったので、お声がけしたのだ。まさか本当に来てくれるとはなぁ、、、
日本料理の世界では、現状では牛肉はメインストリームの食材ではない。仲のいい日本料理人さんも「ごくたまーに、出入りのある業者さんに持ってきてもらうだけ。僕らにはメキキができんから、「ええの持ってきて」って頼むけどね」ということだった。
でも、日本にこれだけ畜肉を食べる文化が根付いてきて、日本料理でもこれまで通りと言うことはないだろう。高橋さんのご参加はその思いを強くした。
さて、開会。僕のご挨拶後、まずは高知県の畜産野郎である公文さんから、土佐あかうしとは何かという話。
公文さん、口がはえぇ~!30分に90分くらいの内容を詰め込んでる!ギャグを織り込んでるんだけど、あまりに口調が早いのでこちらが反応する余裕がないままに進む(笑)
そしていよいよ試食の開始である。
■黒毛和牛との食べ比べ: うちもも カルパッチョ 葉ニンニク添え
観ておわかりだろうが、手前が土佐あかうし。上が鹿児島で生まれ、高知で肥育された土佐の黒毛和牛。色味は黒毛のほうが深いのだけれども、食べてみれば一発で違いがわかる。今回、土佐あかうしのメス肉を1ヶ月程度熟成させたものを持ってきているので、きめが細かく複雑な味。「心地よい酸味」と参加者が書いてくれたような深い酸味を有していた。黒毛のほうは、思った通り、食後におもーく感じる脂。
ちなみにネギのような軸があるが、これは塩ゆでした葉ニンニクである。
•バラ肉 グリル ユズ風味のグレモラータかけ

今回使ったバラ肉はかなり脂肪層にボリュームがあった。

黒毛和牛なら、グリルで脂を落としたとしても相当にくどいはずだ。しかし、そうならないのが土佐あかうしのいいところ。土佐あかうしは、脂に不飽和脂肪酸が多量に含まれ、スッと溶けて、口から消えていく遺伝因子が多いことが科学的に判明しているのだ。
筋切りもしていないのでギュッギュッと噛みしめるような繊維感を感じながら、脂がシュッシュッとにじみ出てくる。その脂はキレが異様によく、すっと消えていく。食べてももたれることが全くない肉なのだ。
ちなみに上にかかっているのは、葉ニンニクと柚子の皮を細かく刻んだグレモラータ。これがパンチと清涼感を与えてくれた。
■土佐文旦のサラダ

まだハウスものだけど、ゴージャスな香りのする土佐文旦とフルーツトマトのサラダ。
■ サーロインのタリアータ 花ニラ・文旦のマルメラータ添え

サーロインは牛肉の華といえる部位だ。だからレストランからの注文が集中する。けど、土佐の年間と畜数は1000頭以下。どうしても足りない。だから、他の部位とのセット買いをしていただければと思う。
実は今回、品数が多くて進行が押していたこともあり、シェフを少しせかすことになってしまったようだ。若干、焼きが甘い。もう少し火を入れて、余熱で中心部がしっとりいけばよかったのだが、申し訳ないことをした。でも、勿論サーロの旨さは十二分に出ていた。
■すね肉のボリート フルーツトマトとハスイモ、四万十川産青のりのバニェットソース添え
ボリートは以前、短角牛を堀江純一郎シェフに料理してもらったときも出てきた、イタリア風おでんといえる煮込み料理だ。今回のポイントはなんといっても付け合わせのバニェットソース。四万十川の青のりをふんだんに使っている。海藻を好まない国民性だと受け入れられないだろうが、日本人には堪らない、清流の海苔の香りと酸味が一体化した、美味しいソースなのだ。
ゼラチン質たっぷりのすね肉、煮込むとホロホロと崩れる。来場したシェフから「煮込みに使いたい」という声が上がっていた!
■外もも 米ナスとトマト煮 ショートパスタ和えグラタン仕立て


これはもう、観ればわかりますな。コッテリしたラグーを吸ったフジッリ、むっちゃ旨かったです!
と、こんな感じでフルフル5時まで買いは続きました。ご参加いただいたシェフやメディアの皆さま、本当にありがとうございました!
いよいよ来年は、南国土佐へ産地ツアーを敢行する予定です。これはおそらく一般の方も、、、お楽しみに!
新宿ヨドバシカメラに行くと、以前は秋葉店にいたA君がカメラ売り場に販売員として立っている。もちろん、オリンパスのブースの前が彼の定位置だ。カメラマンでもある彼は撮影の仕事とヨドバシの仕事をこなして、嫁さんの故郷であるバリ島と日本を行ったり来たりしている。
バリでE-P2で撮ってきたという写真をみせてもらって驚いた。ものすごいシャープだし、色再現もいい。うっそー なんでこんな風に撮れる?と思ったら、レンズが違った。
「キットレンズのオリンパスのものより、今の時点ではパナソニックのレンズのほうがシャープですね。パナのGH-1やGF-1に着いている14-45mmというレンズなんですけど、ごく平凡でF値も暗いレンズですけど、これがイイ!第一、AFの早さがオリンパスのものより早いんです。」
うわっ! ぐらっと来た! オリンパスはとにかくズームレンズのいいのを早いトコ出してくれないとダメだ。今年中に広角の9-18mm、そして高倍率ズームの14-150mmに期待したい。
それにしてもE-P2はブラックボディが今ひとつ気にくわなかったので、いま流行の「貼り皮」を買った。クロコダイル・レッドという色だ。早速貼ってみたがいかがだろうか。結構セクシーな仕上がりになったんじゃなかろうか。
上記写真に着けているレンズは、マイクロフォーサーズ規格のレンズではなくて、フォーサーズ規格のレンズだ。25mmF2.8。フルサイズ換算で標準レンズの50mmとなる、非常に使いやすく画質もよいレンズ。しかもパンケーキレンズで小さい。Mフォーサーズ機に着けるとアダプター経由で装着しているので大柄になっちゃうけど、それでも現時点ではこのレンズ以外の選択肢がない感じだ。本音を言うとパナの20mmF1.7をすごーく使いたいのだけど、、、ちょっと投資額がかさみすぎてきているから我慢。
このレンズを着けて歩くと非常にいい感じで撮れる。
アートフィルター「ジオラマ」で撮影。こういう、遠近感が凝縮された写真にジオラマフィルターを使うと非常に決まる感じだ。
うん、やっぱりこのレンズとのマッチングがいいのかな。
それと、仕上がり効果をi-Finishにするのがこのカメラを楽しく使うコツかもしれない。今日は、そのi-Finishの設定をいじって、シャープネスを一段高くした。
深川は牡丹町の公園には、その名の通り牡丹が一杯植えられている一角がある。開花期にはクラシックカメラを持ったおじさんたちがずらっと三脚を拡げて撮りに来るスポットだ。
この寒波の中、牡丹はすでに若芽を萌芽していた。
このすさまじい寒波による低温に感応したんだろうか、もう、春の準備を始めている。
帰って、熊本のキエツさんが送ってくれた馬のスジ肉を圧力鍋で炊いて凍らせておいたのを解凍。大根、セロリ、玉ねぎ、にんじんと煮て、一つの鍋にはドミグラスソースでハヤシライスに、もう一つの鍋はカレーにした。カレー&ハヤシのあいがけ。しかも馬スジ肉。アキレス腱とか入っててぷるんぷるん。最高に旨かった。
嫁さんからもらったクリスマスプレゼントは、立派な木製のフォトフレーム。けっこうデカイ。いままでプリントしておいた僕の写真の中から数枚を額装してくれた。
実は、自分の写真を額に入れるのは初めてだ! くすぐったいような気分。でもとても嬉しい。自分の家の中に自分が撮った写真を飾れるなんて、嬉しい。
さて
明日は土佐あかうしを食べる会を開催する。早く寝ようか。
宮崎プロジェクトをやっていると、とにかく橘通周辺の名店を端から廻る感じになる。
「今日は蕎麦、いきましょうか!美味しい店ありますよ。僕が一番気に入ってる店。」
と、寿司一平の村岡さんが連れて行ってくれたのがここ。
橘通りから、チキン南蛮の元祖的なチェーン店である「おぐら本店」のある小径に入り、おぐらの向かいにある。
暖かいところで蕎麦?と思う人も多いかも知れないが、九州だって四国だって、山間部はそれなりの冷涼さになる。蕎麦産地も多い。宮崎の蕎麦産地はまだ廻ったことがないが、、、それでも蕎麦文化はどこにでもあるものだ。
天麩羅そばを所望。

む、きっちり江戸前の喉越しと香りである。美味しい。天麩羅も見事。
なんか最近実感するのだけど、やっぱり老舗というところはそれなりの理由があってずーっと残っている店だなと思う。ま、いい立地にあるから、まずくても潰れない店ってのもありますけどね。
さて一軒で昼飯は終わらない。すぐ近くにある「パパのカレー家さん」へハシゴ。
ここで一つ失敗をしてしまった!
この店、焼きカレーという、グラタンのように天火で焼いたカレーが名物らしいのだが、それをしらず普通のカレーを食べてしまった!
次回、雪辱を期したい。だって、なかなかに旨いカレーだったから、、、
夜はまた、西タチ最強のバーの呼び声高い(我々の中で、ですが)「美和」へ。
僕がちょろっと前回のブログで書いたのを頼りに、探しに探してこの店にたどり着いた人がいるらしい(笑)。どうでしたか。ママの語りを楽しめましたか?
この店、ママ一人でやってるのに、乾き物がほとんど出ず、つまみを自分で作っている。感動しちゃったのが、カレーがムチャウマなのだ!
普通はパンで出すが、たまにご飯も出してくれるそうだ。今度俺は白飯を買って持参で行こうと思ってる。すんげー旨い。
その後まだ続く。ママが、店がはねて3時以降になっても空いてる、パスタなどが美味しい石伊食堂というのがあると教えてくれた。
なんとナイスなロケーション!

深夜にもかかわらずきっちり美味しいイタリアン!
そして最後は、宮田武虎と共におきまりの釜揚げうどん「おだまき」。
やっぱこれだぜ!
そんなこんなで宮崎の夜は更けていくのだ、、、
毎年恒例の、食生活ジャーナリストの会のシンポジウム、今年は表題のようなテーマです。著名な池上さんがメインゲストなので申し込みも多く、席数も限られています。もし「ぜひ聴いてみたい」という方は早めにお申し込みください。
僕もカメラマンをおおせつかったので(笑)会場内を歩いていると思います。
食生活ジャーナリストの会(JFJ)
――ジャーナリスト・池上彰氏と考える――
第19回公開シンポジウムのご案内
そうだったのか!
キューバと北朝鮮の農業
平成22年1月24日(日)14時~
東京ウィメンズプラザ大ホール
【企画趣旨】
日本の農業が転換点にある現在、農業のあり方がさまざまに模索されています。
世界に目を向けると、人口の急激な増加、農地面積の限界、水資源の減少などが深刻です。過去においては、人類は同様の問題を科学技術の発達、たとえば、肥料や農薬を開発して単位面積あたりの収穫量を増やすことなどによって、何とか解決してきました。
しかし、ここにきて、それも限界に達していると指摘されています。すでに、深刻な飢餓状態が、地球の至る所で、貧困層だけにではなく中間層にまで広がりつつあります。
一方では、高くても安全で安心な食料を求める人たち、あるいは、食べ過ぎが原因で病気になる人たち、まだ食べられる食料を廃棄してしまう人たちもいて、食料問題はきわめて複雑化しています。
ジャーナリストの池上彰氏は、世界中を駆け巡って取材し、さまざまな問題をきわめてわかりやすい言葉で、私たちに紹介しています。
キューバ共和国は、世界で唯一「有機農業を実践し成功させている国」といわれています。日本とは国家体制も民族も経済力も気候もまったく異なる国・キューバの農業や食料事情はどうなっているのか?“先進国”といわれている日本が、発展途上と評されている国から学ぶべきことはないのか?
また、キューバと同様に自由経済の国ではない北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の農業や食料事情はどうなっているのか? キューバと北朝鮮ではどこがどう違うのか? なかなか情報が入ってこない両国を、実際に訪問取材した池上氏が、だれにでもわかる言葉で報告します。
食生活ジャーナリストの会(JFJ)公開シンポジウム
●日時……平成22年1月24日(日)シンポジウム14:00~16:00(受付13:15)
名刺交換会 16:00~16:30
●場所……東京ウィメンズプラザ(B1)大ホール(東京都渋谷区神宮前5-53-67)
電話 03-5467-1711(代)
●交通………JR山手線・東急東横線・京王井の頭線:渋谷駅下車徒歩12分
地下鉄銀座線・半蔵門線・千代田線:表参道駅下車徒歩7分
☆国道246号線のオーバルビル前の看板が目印です。
●シンポジウム詳細
14:00~15:10 基調講演……ジャーナリスト・池上彰氏
(休憩)
15:20~15:30 問題提起……食生活ジャーナリストの会 代表幹事・佐藤達夫
15:30~16:00 全体討論
※全体討論では、池上氏と会場参加者(JFJ会員、ジャーナリスト、参加企業、食の研究者、一般参加者など)との間で議論を深めます。
・コーディネーター…佐藤達夫(JFJ代表幹事)
・司会進行……………村松真貴子(JFJ副代表幹事)
●参加費
食生活ジャーナリストの会会員……無料
農政ジャーナリストの会会員………無料
一般…1,000円 学生…500円 団体(10人以上の団体)…800円
●お申し込み
JFJ事務局メール jfj-shoku@t-net.ne.jp
FAX 042-554-3887 JFJ事務局 行き
冷たい雨のそぼ降る中、車を走らせて富山市の田畠という地区へ。

ガソリンスタンドか、とおもいきや、JAのSSの跡地を借り受けて、ここで活動している女性グループがあるということだった。
農事組合法人 味彩おおやま。味彩は「あじさい」と読む。この地域はなんといっても米作地帯であり、主力の商品は餅。
これ、なんだかお分かりだろうか。北陸や北国の人たちならよく知っているだろうが、、、
餅(これは黒豆昆布を刻んだものをいれたものだ)をうすく切って干す。
このへんの寒~い冷気のなかで干しておくと、凍って溶けてを繰り返して、内部に気泡のようなものが沢山できてくるのだろう、こいつを焼くと、こういうお菓子になるのだ。
愛媛県大洲市で食べたカラフルなやつと似たものもある。
北陸ではご年配の方が「ああ懐かしい!」と飛びつく商品だそうだ。
もひとつここの名物がなんとモロヘイヤ茶とモロヘイヤせんべい。
せんべいとかうどんはよくあるんだけど、さすがにモロヘイヤを茶にしたものは初めて観た!
「センセ、これをPETにしたのがあるんだけど、知名度がなくてまだあまり売れてないのよぉ~」 とおっしゃる。
うん、まず名前が悪い! モロヘイヤのお茶だってのが、ぜんぜん伝わってこない。あと、冷やして呑むよりは、リーフのまま急須にいれて温かいのを呑んだ方が美味しいね。
そしてこのグループの目玉商品のもう一つが、みょうが寿司。
この地域はみょうがが特産だそうだ。みょうがの最大の産地である高知県産品に比べると、歯切れがよいという。そのみょうがを夏場に大量に漬けておいたのを使って押し寿司を作る。みょうが漬けの刻んだやつを寿司飯に混ぜたものを台にし、上にはこれもまた富山名物のマスの切り身、そして姿のママのみょうが漬けを一つ載せ、笹で包む。
とっても綺麗な一口(いや、二口くらいかな)サイズの押し寿司だ。
マスは北海道から仕入れるそうだが、それ以外はほとんどが地元産で、もちろんそれを手作りしたものだ。一つ125円だったかな?安いと思う。
「あまり安いって言ってくれるひと居ないんですよ~ でも、高いっていいながら買った人が、食べて慌てて走ってきて「もっと買う」って言う人が多いんですけどね(笑)」
そういうだけあって実に美味しい。みょうが漬けは絶妙な酢加減で〆られていて、しゃきしゃきとした食感がいい。
そして、もう圧倒的に米飯が旨い。寿司飯のネッチリした食感、甘みは最高である。コンビニ商品とは5次元くらいの隔たりを感じてしまう美味しさだ。
お寿司や餅商品をつまみながら懇談。
最近は評判を聞いたスーパーなどにも並ぶそうだが、若い層はなかなか買っていかないという。それはそうだろうなぁ。量より質を求めるご年配の女性が買っていくのがメインだろう。けど、これは大食いガテン系野郎にもアピールする味である。もったいない!
ということで、ぜひこれをミルフィーユ的多層にしたものと、あとおにぎり形状のものが欲しい!と訴えてきた。食いたいですよ、これ。
本日の仕事にはまだ間があるので、名物のます寿司ミュージアムへ。
わっぱに笹の葉をつめる工程はやはり人力だ。おしむらくはお酢がミツカンなんだよなぁ。ミツカンでもいいんだけどさぁ、日本酒の蔵がこんなにあるんだから、地元のお酢とか、無いんだろうか。
さて、昼食はお願いをして、回転寿司(笑) 北陸の回転寿司は旨い、、、
白エビ。
地甘エビ。
これがシラサエビ。初めて聞いた名前。これで180円、、、美味しい。まだまだ識らない食材ばっかりだ。
さてその後、農業関連の施設へ移動。仕事が2時からなのでちょっと時間つぶしにこれをかいているわけです。
この施設の図書館で面白いものを発見。

「農業情報学会」という組織があるが、これがまだ学会になっていなかったころ、「農業情報利用研究会」と称していた。僕はこの会でえらくお世話になり、そして今があると思っている。
この本にもたしか僕の原稿が載ってなかったっけ?と思ったら案の定、載っていた。
97年度はまだ僕は大学院生だったんだなぁ、、、
それにしてもいま読み返してみると時代が全く違う。検索エンジンといえばこの頃はYahoo!またはLycosだったようだ。Lycosですよ!うーん、、、
しかもこの日、僕を案内してくださった西川さんは「えっ やっぱり農業情報学会に関わっておられたんですか!? あそこで活躍しておられる二宮正士さんは私の元・上司のようなもので、、、」
この業界、どこまで狭いのか。二宮さんは生涯忘れられない、僕の恩師である。なんか、しみじみしてしまった、、、
今夜からはどうも雪になりそうな気配。
さて、ではそろそろ仕事してきます。
富山市は朝から雨。昨晩着いたときにはそれほど寒くなかったが、今朝は冷える!
本日午後からの仕事なのだけど、「雪で交通が大変なことになるかもしれないので、前泊して欲しい」と言われたのだ。しかし蓋を開けてみたら「全く問題なさそうですね、、、」ということに。
じゃあ美味しいものでも食べて!と思ったが、月曜日は祭日だったんだよね、、、もう富山駅前に着いた段階で、街の灯は消えていました。残念、、、白エビとゲンゲを食いたかった、、、
富山には5年前に来たときのことをよーく思い出す。ある情報システム企業の関係で来県したのだが、担当者のお名前が「宗玄さん」。
、、、あの日本酒「宗玄」の蔵本のご親戚にあたるという。そんな方に水先案内をしていただき、白エビ料亭、カレーうどんの吉宗、そしてカレー「デリー」を廻った。
しかし!初めてのことだったけど、撮影したCFカードのデータが飛んでしまったのだ!あまりのことにへなへなと崩れ落ちてしまった。特に、「吉宗」のカレーうどんはバリ旨であったし、湯島「デリー」の珍しいのれん分け店である富山デリーも、ご主人とお会いできて最高だったのに、、、もったいないことをしてしまった旅だったのである。
さてと
昨日は羽田に行く前に、嫁さんと原宿へ買い物。嫁はなんと原宿育ちで、あのへんに帰ると落ち着くという、普通の人とは正反対の感覚を持っているのです。
ちょっと一休み&おやつと思って、これもまた5年ぶりの店へ。カフェ・マスミヤはサンドイッチが美味しい店だ。10メートル進むのも大変な竹下通りの裏手に、とても静かな裏道があって、そこにヒョコッとある。ブログの読者さんが「いい店だから行ってみてください」とメールをくれて、原宿にある協力会社の帰り道に寄ってみた。まともなサンドイッチを出す店だった。
でも、場所が場所だから、男一人で入るのもためらわれて足が遠のいていた。この立地に5年も店を続けるのは並大抵のことではないと思う。あってよかった!立派立派!
久しぶりにパンで腹一杯にしてみようかと、クラブハウスサンドとアボカド・シュリンプサンド、そしてミネストローネとクラムチャウダーを。
注文が入ってから焼き始めてくれたチキンがどっかーん!と入ったクラブハウスサンド。1000円は高いと思うかもしれないが、このボリュームと内容だから納得できる。向こう側にコールスローとポテトチップが添えられている。ポテチはいらないから、コールスローがもっと欲しいな。
ほおばるのが、とても大変です(笑)

パンはライ麦か普通のイギリスパンか選べる。パンも吟味されていて、美味しい。
アボカドシュリンプのほうも分厚い。
定番の組み合わせだが、850円(だったかな)に見合う量のエビが入っていた。
嫁さんがあまり食えなくて、僕がほとんどこのボリューミーな二人前を食べることとなった。腹一杯です。
で、最近、E-P2を持ち歩いている。この日はマイクロフォーサーズ用のズームレンズをつけて持ち出した。

E-P1を買ったときにこのレンズも購入したのだけど、いままでこのズームレンズの描写が気にくわなくて使っていなかった。しかし、E-P2 になってから使用回数が増えるかもしれない。それは、 i-finish という、写真の仕上がりをちょっと派手目にしてくれる機能があるからだ。 i-finish とは、キヤノンでいえばピクチャースタイル、他のメーカーでも「風景」とか「ポートレート」とか、仕上がりを目的別に変えてくれる機能だ。
このズームレンズ、画角の幅が広くなるのはいいのだけど、はっきりくっきりした描写が得意なオリンパスにしてはいまいちな描写だと思っていた。それが、このi-finish を選ぶと、全体のトーンはそのままに、食べ物や野菜などをくっきり色も鮮明に写してくれる。上のサンドイッチ写真はすべてi-finish 。 ストロボを焚かないで、その場の灯りだけで撮影するとくすんでしまうところを押さえている。非常によい機能だ。
あとはたまに外れるAFの問題だけだな、、、背面液晶ではピントが合って見えるのに、帰ってPCでみたらピントが外れていたりする。頼みますよぉ、、、
さて、では行って参ります。本日帰京予定。
前回のエントリから続きます。(前回分を読んでないと前後関係わからないかもです。)
『明日への選択』編集部・編
価格: 735円
http://www.seisaku-center.net/modules/shop/index.php?main_page=product_info&products_id=100
山本 そして、食品価格に対する感覚の狂いと、「消費者は社会の主役」という考え方が合体すると、「消費者のために、食品は安くあるべき」ということになる。最近は新聞やテレビでよく「食」の問題が取り上げられますが、その際、この「消費者のために、食品は安ければ安いほどよい」というメッセージが盛んに流されています。
2007年、世界的な穀物価格の高騰や原油価格の高騰の煽りを受け、パンや麺類や乳製品が値上がりしますということになったときに、テレビに出てくるコメンテーターは「生活が苦しい消費者は大変ですよね」などと言っていた。しかし、これはまったく誤ったメッセージです。だって、一番苦労しているのは消費者ではなく、農業や食品製造業の現場ですよ。特に酪農をはじめとする畜産農家は飼料が高騰してとてもやっていけない状況になった。それなのに価格は小売や流通が支配しているので上げることができず、離農や夜逃げが相次いだ。そのことには全く触れないで、いつもいつも消費者だけが苦労しているという情報だけが流されるのは、著しくバランスを欠いている。
日本はもう十分に消費者中心の社会になっているのだから、今一番言及されないといけないのは、農業の現場やメーカーや流通業者の現状の厳しさだと考えます。
さらに、政府の施策は今、消費者の方を向いているように見受けられるけれども、その方向性は大間違いだと言いたい。例えば、福田元首相は昨年の年頭所感で食品表示問題を取り上げ、「これからは消費者主導、生活者主導の世の中にしていきたい」という趣旨のことを述べました。けれども、私は官邸のホームページでそれを見た瞬間、「逆の方向に向かなければならないのに、何を言っているんだ!」と、本当に怒りを憶えました。それはどういうことか。
昭和三十六年(一九六一)制定の農業基本法に代わり、平成十一年(一九九九)に新たに制定された「食料・農業・農村基本法」という法律があります。そこに「消費者は、食料、農業及び農村に関する理解を深め、食料の消費生活の向上に積極的な役割を果たすものとする」(第十二条)と、消費者の責務が定められているのをご存じでしょうか。おそらく誰も知らないと思いますが、ひっそりと消費者の役割を規定しているのです。しかし、今の世の中の流れは明らかにこの法律に違反していますね(笑)
消費者は「食の安全・安心」や食料自給率の向上ということに関心を持つようになったと言われているけれども、それは食品偽装事件などが発生した時だけです。ほとぼりが冷めれば「食の安全・安心」なんて忘れてしまって、スーパーが「円高還元セール」とかをやると、安い輸入食品に群がる。ましてや農業や農村のことなんて想像すらしていないと思います。
今の日本では、モノを買うときには小売店で買うことがほとんどで、それを作った生産者の顔を見ることがない。ですから、消費者は商品がこれまでより安く買われると困る人がいることを実感できなくて、安さばかりを求めてしまうのも当然かもしれません。しかし、だからこそ政府が率先して、適正な価格が守られなければ、結局よい食が失われ、消費者にツケが来るのだということをきちんとしたメッセージを送らなければならない。でも、それとは反対のことをやっているから、私は怒っているわけです。
―― 消費者が、そうしたことをきちんと考えられるようになるためには、何が必要なのでしょうか。
山本 そうですね、まず度を超して安すぎる食品には、理由というか、何か裏があるということを知らないといけないと思います。
例えば、ある大手スーパーが「二九八円弁当」というのを売り出してテレビなどでも話題になっていますけれども、そういった安い弁当に使われている食材はどこから来たのかと考えてみる。「一括調達や効率的な生産で安さを実現」などと説明されるだけで自給率なんてまったく出てこないけれども、国産のものはお米ぐらいで、他の食材は多くが輸入物ではないでしょうか。
―― 安全面ではどうなんでしょうか。
山本 それなりの企業が販売していますから、おそらく法的に義務化されている安全性は確保しています、ということになるでしょう。でもこれまでの歴史で問題を起こしてきた食品は、問題化する前はすべて合法だったということを忘れてはならないと思いますよ。
『日本の「食」は安すぎる』という私の本にも書いたことですが、食品加工業界にいる友人は、コンビニやファストフードなどで食品を見るときには、必ず頭の中で原価計算をやるというのです。そして自分が基準値として持っている「ヤバイ線」を越えて安すぎるものは絶対に買わない。普通よりも安いということはどこかに皺寄せがいっているからで、それはだいたい人体に影響がある、と。
私はその話を聞いてから、安い食品には一切手を出さなくなりました。ここのところの景気後退で食費を節約しようと一〇〇円台のバーガーや、いわゆる298弁当のような超低価格弁当がよく売れているようですが、私はとても食べようという気にはなれない。原価のことを考えれば、そうした価格でよい原料を使用できるはずがないからです。
先ほどの話ですが、そうしたものは食品衛生上、定められている基準は全て満たしているはずです。いまや企業の行動は衆人監視されるようになりましたので、ミートホープのようなことはもう出来にくい。またよく消費者が不安を抱く添加物についても、法的な基準値以下に抑えてはいるでしょう。つまり「この食品は食べても問題ない」とされる内容になっている。けれども、それは巧妙にギリギリの線上で、最低限の「安全性」が確保されているにすぎない。そうしたものを組み合わせて一つの食品にしているわけだから、非常に複合的な添加物の塊になっているだろうと思います。それを継続して食べることのリスクは、まだよくわかっていないわけです。自分が実験台になりたいということでない限り、勧められませんんね。
山本 さらに、安すぎる売り方をしている事業者は、生産者やメーカーを叩いてその価格を実現している。このことは一番知ってほしい問題です。
少し前に、ある大手スーパーが「価格にもっと敏感であるべきだと反省しました」という全面広告を新聞に出しました。彼ら自身は「頑張ってます。消費者の味方です」というようなメッセージを出しているつもりなんでしょう。でも、こんな欺瞞はない。なぜなら彼らは生産者、メーカー、流通業者に犠牲を強い、絞り尽くすことによって、値下げを実現させている。消費者の前ではいい子ちゃんぶっているけれども、彼ら自身は痛くもかゆくもないのです。
日本では、食べ物の値段を生産する側が決められない土壌があって、消費者に接するスーパーや外食などの買い手が強過ぎるのです。その食品を作るのにどれだけコストがかかっていても、スーパーのバイヤーが「うーん、やっぱこの商品は一二八円でしょ」といえば、それで値段が決まってしまうことが多い。そんなの断ればいい、と思うかもしれませんが、断ると今後の取引に影響が出る可能性もあるから、たいていの場合は承諾せざるを得ない。毎日食卓に上るような、青果物、漬物、納豆、豆腐といった日配品は、まず店頭価格ありきで、店舗の利益をきっちり引いた上で納入価格が決定され、逆に生産者側の採算は加味されないというのが普通です。
―― それも結局は、消費者が安い食品を求めた結果だと。
山本 そういうことです。低価格に慣れてしまった消費者が安い食品を求めるから、スーパーは安い価格を実現しようとして、輸入物を使ったり、生産者やメーカーに圧力をかけたりする。
このように食品が製造されて消費者の手に渡るまでの連関を「フードチェーン」と言うのですが、このフードチェーンという「食の構造」の中で最も力を持っているのは、間違いなく消費者であり、「消費者が求めるものを消費者が求める価格で実現する」ということが至上命題になっているのです。
このような構造の中では、メーカーは自分の身を守るために何らかの方策をとらざるを得ません。例えば、それまでは使用していなかった添加物を使用して賞味期限を延ばしたり、素材のレベルを落とした穴埋めとして各種調味料で味を添加したり。それでも耐えられなければ、廃業するか夜逃げするか。あるいは食品偽装に手を染めてしまうところもある。
食品偽装については一言付け加えておきますが、言うまでもなく食品偽装は犯罪行為であり、法に基づいて罰せられなければなりません。ただ、こうした食品関連の偽装・虚偽行為を最終的になくしたいと考えるのであれば、消費者の側が必要なコストは正当に支払うということがどうしても必要です。事件を起こした企業の糾弾や、管理の仕組みや法整備といったことだけを求めていては、また必ずどこかに皺寄せが出てきて、同じような犯罪に手を染める人が出てくるでしょう。
―― とはいえ、この経済危機です。現実に食品が高くなるのは困るという人も多いと思うのですが……。
山本 もちろん、エンゲル係数が四〇%以上になってしまっているというご家庭の方が、「困る」と言うのは当然でしょう。
しかし、日本ではエンゲル係数はもう長いこと二五%以上になっていません。昭和初期には五〇%以上だったエンゲル係数は、九〇年代にはいり二五%台に突入し、近年は二二%前後という低い水準で推移しています。つまり、おカネの使い道は、主に食べ物以外に振り向けられているのが現実で「食品の値上げが困る」というのは実におかしな話なのです。
ちなみに、家計に占める食費は減少の一途を辿っていますが、電気代と携帯電話による通信費用は右肩上がりになっています。特に後者はもの凄いことになっているはず。「食費が大変で」という前に是正すべきところはあるはずです。
どういうわけかこの国の消費者は、節約というと真っ先に食費を削ろうとする。携帯電話には月一万円近く支払っているのに、日々口にする豆腐や納豆や調味料には十円の差を大きく感じる。本当に不思議な話です。人は食べなければ生きられないし、毎日食べているものは私たちの身体をダイレクトにつくっている。そんな大事なものに投資をせず、十円単位の差額をケチってレベルの劣る食品を選択し続ければ、十年後、二十年後に身体に何らかの影響が出てくることは十分予想できる話でしょう。
それに、食費を浮かせるとか節約するとか簡単に言いますが、先程言ったように、人間は消費者と生産者という二つの顔を持っている。不景気のもとでは、消費者も苦しいけれども、ものをつくる人、運ぶ人、売る人も一様に苦しい。消費者を立たせれば、生産者・メーカーが潰れる。それが続けば、安心・安全な食品は手に入らなくなるし、農業・農村は崩壊してしまいます。
それでもいいというのが、この国の国民の選択であるならば、それも仕方がない。けれども、やはり農業・農村は大事で、自給率がこんなに低いようではダメだというのであれば、農村部に住んでいる人たちが「うちのばっちゃんがあんなに苦労して作っているんだから、そんな安く買ったらよくねえべや」と、少しくらい高くても地元の農産物を買って食べているように、今こそ消費者は国産を「買い支える」という行動に出なければならない。
例えば、皆さんがスーパーに行って、三個一パック九八円の納豆と、国産大豆を使用した一四八円の納豆とが売られていたら、一四八円の納豆を買ったとする。「五〇円も高いじゃないか!」と思うかもしれませんが、三人家族が平日の朝ごはんに毎日納豆を食べたとしても、五〇円×二十五日程度で差額は一二五〇円です。喫茶店で三〇〇円前後のコーヒーを四回節約すれば、国産大豆を使用した納豆を買えるし、それは日本の農業を元気づけることにもなる。価値としてどちらのほうが高いのか、ということです。
―― つまり、国産の農産物や食品を買うことは、国や地域の経済を循環させ、ひいては消費者にも還元されることになるわけですね。
山本 それを「経済の地産地消」と言うようですが私は非常に賛同しています。
今、お店に行って見ていると、一玉二五八円の青森産ニンニクと、一ネット十個入り二五八円の中国産ニンニクとがあったら、消費者はみんな中国産のニンニクを買って行く。確かに、一ネット二五八円の中国産ニンニクの方が「安い」「お買い得」だと思うのはわかる。でも、安いと思って中国産を買えば、そのおカネの大部分は中国へ行ってしまうわけです。一方、「ちょっと高いな」と思っても、青森産のニンニクを買えば、そのおカネは、流通段階と生産者段階で落ちて、どこかの時点でこの日本の中で、あるいは地域の中で還流されて自分の所に戻ってくる。流通業者も生産者も、一方では流通、生産の活動をしながら、他方ではそれで得た所得を消費にあてているわけですから。
逆に言えば、輸入食材で安いものを作って売っている小売店は、日本の富を海外へ流出させ、日本の国力を低下させるのに加担しているとも言えるんじゃないか。その安い食品を買う消費者が一番悪いということですが……。
いずれにしても、「新鮮で、安全で、おいしい食品を、安い価格で」などとムシのいい話は世の中にはない。安全でおいしい食品を食べたいなら、必要なコストはきちんと負担する。日本の消費者がそういう成熟した消費者にならない限り、食料自給率の向上も、農業再生も、そして食の状況がよくなることもあり得ないと思いますね。
(了)
以上、原文からちょっと加筆・修正しました。二年ちかく前のものなので、ちょっと時代にそぐわない内容もあるかも知れませんが、、、今のほうがもっと状況悪くなっているように思えます。
もうすぐ2月号が発売されてしまうので、まだ読んでない人はぜひ手にして欲しい。
信じられないような赤い土でできるごぼう。岡山県高梁市の神原(こうばら)地区でのみ収穫できる神原ごぼうというものだ。この土質でないと栽培できない。品種は普通の長根種の、例えば滝川理想とかを使うのだけども、この土質で栽培するととにかくシクーッと絶妙な歯ごたえで、いささかの筋っぽさも感じさせない食感のものができる。
市場に出荷すると、神原地区のものだというだけで倍以上の単価になる。そんな伝説のごぼうが本当に伝説になりかかっている。もう神原地区でごぼうを生産する農家さんが3軒しかないのだ。
今回、誌面での撮影は名取さん。dancyuの他にもJALの機内誌などで印象的な写真をよく撮っておられる凄腕カメラマンさんだ。後日ブログでも書こうと思うが、次の号が出るまでに、ぜひdancyu本誌を手にとっていただきたいと思う。(寿司特集も旨そうだ!)
![]() | dancyu (ダンチュウ) 2010年 01月号 [雑誌] プレジデント社 2009-12-05 by G-Tools |
ここ数年、中国を中心に諸外国のずさんな食品製造体制を騒ぎたて、「安心・安全」という言葉を踊らせてきていた日本の食が、また「安けりゃいいや」という方向に戻りつつあるのを実感する。
昨年11月の生鮮野菜の輸入量は4,4800tで、前年と比べて24%増えたそうだ。このペースでいけば、「開発輸入」という流れが本格的になった94年の輸入規模になるのではないかという観測もあるそうだ。(12月26日付け日本農業新聞「論説」より)
円高と不況によって、しばらくアレルギーのあった輸入野菜に対し、「そろそろ使おうか」という感覚の緩和があるように思う。それはまず家庭ではなく飲食店の業務用から始まる。彼らには表示義務がないからね。そして加工食品。いまや、家庭で料理を作る率がかなり下がっているから、外食・中食が輸入野菜を使い始めれば、国産はどこへやらということになるだろう。
「日本の食は安すぎる」という主張をしている僕に対して、最近いろんな人が「不況によって貧困率が上がり、食品をこれまで通りの水準で購入できない層が増えた今、そんなことを言っていいのか?」という趣旨で物言いをつけてくる。
腹が立つ。だいたい、僕にそんなことを言う人自身は、そこまで貧していないのにもかかわらず、生活防衛に躍起になっている。貴方はお金を使うべき立場なんじゃないですか?と言いたい。今の日本は、お金を持っている人までが全くお金を使わず、安いものを売っているところへ流れる。結果、外国で製品を造っている安売り産業ばかりにお金が集まり、日本の中で日本の素材で勝負しようとする製造業者や流通業者にお金が還流しない。そんな負のスパイラルに陥ってしまっているではないか。
ということをいちいち愚痴っても仕方がない。
昨年、日本政策研究センターという、民間の政策シンクタンクから依頼があって、機関誌に掲載する記事のインタビューを受けた。ちなみにここは主に自民党に対する政策アドバイスをしている。サイトを見ると、「小沢独裁を一日でも早く止めさせよ」とかなり過激な主張もある。断っておくが僕は、今回の選挙は民主に入れたが、自民党ひいきでも民主党ひいきでもない。食に関するよい政策をしてくれる政党に入れますよ。で、政策に少しでも主張を反映して欲しいと思ってインタビューを受けた。
今回それがブックレットになったそうだ。
『明日への選択』編集部・編
価格: 735円
http://www.seisaku-center.net/modules/shop/index.php?main_page=product_info&products_id=100
で、インタビューの採録の依頼の際に、「原文をWebで公開していいですか?」と尋ね、OKをいただいたので、ちょっとずつブログ上に掲載してみたい。一から書くと本当に気力・体力を消耗するので、これはありがたい。ちなみに、Web掲載にあたり文章に大幅に手を入れたのでご容赦いただきたい。
ということでまずは導入編を。
(続きは下記↓をクリック)
「新鮮で、安全で、おいしい食品を、安い価格で」などとムシのいい話はどこにも存在しない。「必要なコストはきちんと負担する」という成熟した消費者にならない限り、食の安全も、食料自給率の向上も、農業再生もあり得ない。
山本謙治(農産物流通コンサルタント)
世界的な経済危機の煽りで景気が後退する中、消費者を呼び込もうと、小売・外食業界が食品の「値下げ合戦」に躍起になっている。消費者にとって有り難い話として受け止められているが、本当にそうなのだろうか。わが国の食料自給率や農業の立て直しということを考えてみた場合、手放しで歓迎というわけにはいかないのではないか――。
そんなことを考えつつ、農産物流通コンサルタントとして活躍されている山本謙治さんに取材を申し込んだ。山本さんはこれまで、それぞれの立場がまったく異なる農業、流通、販売の現場で仕事をしてきたユニークな経歴を持つ方。現在、本業の傍ら、人気ブログ「やまけんの出張食い倒れ日記」、『日本の「食」は安すぎる』(講談社+α新書)などで、日本の「食」の問題について、独自の立場から発言を続けている。
その山本さんに、食料自給率の向上、農業再生という視点から、消費者の在り方について聞いた。
山本 日本の農業を立て直すとか、自給率を向上させるという時に、重要な問題がいくつかありますが、中でも食品の価格というのは最も重要なポイントです。ですから、マーケティング関係者や流通業界などに呼ばれたりすると、私はあえて「食の安全・安心を確保し、農業を復興させるためには、今の食品価格を少なくとも一・五倍、できれば二倍くらいに上げなければ無理です。そうすればみな一息ついて、佳いものを作りますよ」と言います。そうすると聴衆は「もっと違う結論はないの?」と、複雑そうな表情を見せます。
彼らが期待しているのはたぶん、テレビのドキュメント番組が巧妙に作りだした「生産者の様々な工夫や企業努力によって、良質な食材・食品を低価格で提供できた!」といった類の物語でしょう。しかし、そんなムシのいい話は、どこにも存在しないのです。
私がこんなことを言うのは、今の日本の食品価格は「架空の価格」であると考えているからです。そもそも食品の価格というのは、事業者がその食品を販売することで、手にした利益で自分が生活できる。また再生産もできる。それが適正価格であるはずです。
ところが、バブル崩壊後の九〇年代から、「開発輸入」というものが行われるようになって、安い輸入品が溢れるようになり、食べ物の値段に対するわれわれの感覚は狂ってきた。開発輸入とは、例えばスーパーや弁当業界が弁当を売るときに、国産の原料を使うと高くなるから、中国やタイ、ベトナムといったところから加工食材を輸入して、それで弁当を作って販売するということです。「二九八円弁当」とか「一〇〇円バーガー」といったものすごく安い食品が世の中に出回っているのはそういうカラクリがあるからです。これらの食品は、本来的には作りだし得ないものです。だから「架空の価格」。そういうと「グローバルな世界の中では、架空も何もないだろう」と経済人は言うでしょう。けれども食の問題は経済の観点だけでは割り切れないということは、ここしばらくの間に発生した沢山の事件からもわかるはずです。
さて、「架空の価格」が乱舞した時期が、あくまで過渡的なものだったら大した問題にならなかったでしょう。しかし、現実には外国から輸入した安い原料で作るということが常態化して「架空の価格」の時代が現在まで十五年も二十年も続いてしまっています。僕が怖いのは、この「架空の価格」時代に生まれたり、思春期を送っていた子供たちが、いまや社会に出始めて「食べ物は百円で買える」という感覚を当たり前に持っている。つまり、「架空の価格」を食べ物の「標準価格」だというふうに思い込んでいるわけです。だから、去年のように食料品の値上げが相次ぐと、「高い」というふうに感じてしまう。
しかし、本来の適正価格から言えば、今の日本の食品価格というのは決して高くはないし、むしろ「安すぎる」がゆえに様々な歪みを生じさせている、というのが私の基本的な考えなんです。
―― 消費者の食品の価格に対する感覚は狂っていると。
山本 はい。もちろん、私だって消費者ですから、商品が安く買えるに越したことはない。けれども、人は誰でも消費者であると同時に、なんらかの職業に就いており、生産者でもあるはずです。そこから言えば、モノの価格が安くなることは消費者としては好ましいけれども、生産者である身からすれば自分の作った商品が安く売られるのだから、無条件で喜んでもいられない、ということに気付くはずです。
もう一つ、日本の消費者の感覚を狂わせているものがあります。それは「消費者は社会の主役だ」という考え方、あるいは消費者は「弱者」「被害者」で「保護」されるべき存在だという考え方です。
そうした考え方が、一体いつ頃から出てきたのかということを考えてみると、先程の開発輸入が始まったのと同時期でしょうか。例えばアメリカのノードストロームという百貨店では、お客様にノーと言わないサービスを提供するという「ノードストローム伝説」というのも喧伝されていましたね。これこそ小売業の鏡だと。そのあたりから「お客様は神様だ」とか「顧客第一主義」とか「消費者主権」だとか、そういうことが前面に出てくるようになったような気がします。
言うまでもなく、企業側の姿勢として顧客を大切にするのは当然のことです。しかし、社会というのは消費者だけで成り立っているのではないのであって、消費者も、生産者も、メーカーも、流通業者も、すべて対等の立場であるというのが本来の在り方だと思うのです。ところが、今はあまりにも消費者にバランスが傾き過ぎている。誤解を恐れずにいえば、消費者をあまりにも尊重することで、却って不当に「増長」させてしまっているのではないでしょうか。
例えば、テレビショッピング業界にいる私の友人の話では、最近はいわゆる組織的クレーマーだけでなく、全く普通の人までがクレームをつけてきて、その商品なりメーカーなりを意図的に攻撃しようとする悪質なクレームがあると言っていました。
またスーパーで実際にあった話ですが、買い物をした消費者が「このぶどうの表面にふいている粉って農薬じゃないの? 分析してよ」と持って来た。八百屋だったら、「奥さん、大丈夫だよ」と一言でおしまいの話です。ところが、このスーパーは悪い噂が立つとチェーン全体に影響すると恐れたのでしょう、「分かりました」とその消費者の要求を唯々諾々と受け入れ、分析に回したという。なんでも、今ではその種のクレームが絶えないらしく、大手では「お客様相談」の名目で年間数千万円にものぼる予算をつけているそうです。こんなに消費者を甘やかしている国というのはないですよ。
ヨーロッパを旅行すると、こんなに消費者にヘイコラしていないですよね。例えばイタリアでは、昼間は飲食店も銀行も窓口が閉まっていることが多い。日曜日なんて店は開いてないし、バス停には時刻表もない。サービスがそんなものだと国民も分かっているから期待をしない。サービスをしている側も無理なことはしない。対照的に、日本ではコンビニを二十四時間営業させるために弁当会社は人を集めてフル稼働。かつては夜中に弁当なんて作っていなかったのに、みんな集団工みたいに夜中の二時、三時に運ばれてきて、黙々と弁当を作っている。しかも、そうやって作った弁当の一定量はあらかじめ売れ残ることを想定し、廃棄を前提として作られているのです。
要するに、消費者に本当にそういうニーズがあるかどうか分からないのにみんな先回りしてサービスを向上させているために、サービスを提供する側の人達にも、環境にも物凄く負荷をかけている。結局、この日本は誰のためだか分からないサービス向上のために国民みんなが疲弊している……。日本は思い切って、国全体のサービスレベルを意識的に少し落としてみるということを試してみるべきなのかも知れません。
(つづく)
おせち料理のたぐいはそれほど好きではない僕が、唯一これを食べなきゃ正月が来ないと感じるのが、「なます」だ。それも、通常の耐病総太り系の青首大根じゃなくて、神奈川の三浦大根でつくるなますじゃないと美味しくない。
三浦大根を千切りにして塩をし、しんなりとさせておく。金時にんじんも同様。数時間おいて浸透圧で出た水をきっちり絞る。このとき布巾に包んでぎゅーっと徹底的に絞るというやり方もあるけど、それをやっちゃうと大根の繊維がクタクタに抜けちゃう感じがして僕はすかない。あくまで手でぎゅーっとやって、まだ絞れるなという状態で終わりにする。
甘酢は飯尾醸造の富士酢プレミアムに通常の富士酢、砂糖、雑煮用の一番だし、塩を鍋で温め、砂糖が溶けたら冷ましておく。これを合わせて、岡山の直売所で買ってきた、つまり純国産の金胡麻をよーく炒ったのをタップリと合わせる。本当はここに油揚げの細切りを加えるともっと旨いけど、日持ちしなくなっちゃうので今回はパス。
大晦日の晩に甘酢に漬けて、でかいボウルに入れたのをベランダの天然冷蔵室(笑)においといた。今朝食べて、きっちり旨かったので安心。正月ダー。
富岡八幡宮にお参り。おみくじは吉だった。ありがたい。
「ものは八分目。度を過すともの皆悪となる」
とある。うーむ それって僕にしてみるとやっぱり食べること?ですな。今年は量を控えていこうと思います。
夜のご馳走は、昨日の蕎麦に引き続き、山形村の新井谷のおじちゃんが送ってくれた熊肉。クマですよ熊。若いイノシシ肉と並び、おそらくこの世で最も美味しい肉の一つでしょう。
スライスされているものがぎっしり詰まっている。これ、ほんと貴重な肉。ありがとうね、おじちゃん。
やっぱりこいつは、猟師のウチマギさんが得意とするマタギ焼きにするしかないでしょう。
まずはにんにくをおろしたものをからめる。ウチマギさんは時間をかけてゆーっくり混ぜていた。
そこへ日本酒を投入。
ここに醤油を加えるだけ。砂糖は加えない。外部から加える旨みは醤油と酒のみというわけだ。
はい、よーく揉んだらあとは焼くだけ。やっぱこいつは網で焼かないとダメだぁ。
いつもはこういう、食卓が汚れちゃったりするのを嫌がる嫁も、「熊肉!」と目を爛々と輝かせている。
もうね、最高!やっぱり臭み無し、噛み応えはあれども堅くも無し。芳醇な、豊かな野生の旨さがブワッとダイレクトに脳髄に突き刺さる。肉を食らうと言うことは、これなんだよなぁ。猟師の方に感謝の念。そして命を分けてくれた月の輪熊にも感謝。
ということで、美味しいスタートを切りました。2日は実家に帰ってきまーす。