宮崎へ派遣されていた某県の獣医師の友人が「自分は今日で終了」という連絡があった。
「今日にもワクチン接種農場の殺処分を終える勢い。携わったものとしてはあと数日残ってケリをつけたいところだが、県から却下されたので帰ります」
とのことだった。このところ公式発表では発生件数がゼロという日が10日間続いていることもあって、終息が見えてきたか?という雰囲気が流れ始めている。報告されていないような事例があったりするのではないか、とか野生動物は大丈夫か、などなど、不安はあるものの、確実に進展はしているようにみえる。
実際、現場で防疫・殺処分を担当していた人たちが言っているのが、「初期の混乱期からずいぶん手順が洗練されてきつつある。やはり日を追うごとに経験値が上がり、それを他のスタッフに伝える手段も講じられているからだと思う。」ということだ。
いま問題になっているのは、家畜自体ではなく、その糞尿の問題だ。家畜は毎日糞尿をうみおとすわけで、口蹄疫ウイルスはその中で条件によっては数日~数十日生き延びる可能性がある。しかし現状では糞尿の適切な処理までは手が回っていない。口蹄疫発生農場には糞尿をシートで覆うなどの処理を始めているが、発生はしていないがワクチン接種をした農家までは手が回っていないのが現状らしい。しかし「なんだ早く処理しなよ」と無責任に言うわけにもいかない。糞尿処理は畜産においてもっとも重労働で、清潔度を守ることが難しい作業だからだ。
畜糞はどんなものでも、産み落とされた生の状態から数日間で発酵を開始する。初期の段階で90度以上まで温度が上がる。このあたりで発酵の状況によってひどい悪臭が発生することが多く、ハエなども寄ってくる。大変だろうが、ぜひ乗り切っていただきたい、と何の力にもなれないコメントをするしかない。作業の大変さを想像しつつ、ほんと、早く終わって欲しいと願うばかりだ。
本日付の日本農業新聞の特集「抑えろ口蹄疫(下)」では、携帯電話にもウイルス付着の可能性があるため、ビニール袋に包んで携帯・使用し、作業後の消毒時に袋ごと消毒液につけることができるようにすること、という実際的なことが写真入りで解説してある。こうしたことも、実際の現場からでないと産まれない話だ。今回の口蹄疫がきちんと終息した段階で、ものすごい防疫技術のデータベースができることだろう。
それはともかく、宮崎県の苦悩はこれからだ。以前に、心配していたとおり、県内で口蹄疫のワリをくって客足が遠のき、深刻な経営難に陥った他産業のひとたちが「俺たちも補償してくれないのか?」という憤りを感じている状況は実際に多いらしい。いろんな話が聞こえてくる。
僕が気になっているのは宮崎県の財政の状況だ。しばらく前に、県の口座に24億円程度しか残っていないという話がきこえてきた。他県の関係者からすれば「それはほぼ何もできないといっても過言でないほど、逼迫した状態」だそうだ。さらに農協関係者から訊いたところによれば、今年度の補正予算等では農林水産業でなんらかの事業が行われる可能性は低いということ。つまり口蹄疫対策でほぼ県の財政を使い切ってしまっているということだ。
まず、今の段階でまだ宮崎県に国からろくにお金が行ってないらしいというところが「?」というところだ。山田農水大臣、できるかぎりのことはするとかいう曖昧な言葉ではなくて、はやく払ってあげなよ。こういう状況が続くと、一部の人がささやいている「参院選で民主党に入れない限り、お金あげないよ」という示威行動ではないのかという噂が、本当なのではないかと思われるんじゃないだろうか?僕はもしかするとそういうえげつない行為をしているのかもしれないなぁ、となかば信じつつあるのだけれども。
ソースカツ丼の聖地は福井県福井市と群馬県の桐生市で、これが日本でのオリジナルといっていいだろう。これに対して信州の駒ヶ根などリンゴ産地では、リンゴの有効活用方策としてソースへの利用が促進され、ソースを使う料理としてのソースカツ丼が産まれた。昨今の新興B級グルメでは、必ずしもその地域で昔から食べられているわけではないものが出てくることがあるが、信州のソースカツ丼はそういうものとは違い、すでに地域でかなりの需要や文化を生み出している、立派な郷土食と言えるだろう。
なーんて前口上はどうでもいい!
恵那川上屋のスタッフが信州に新しく開いた「信州里の香工房」の視察に赴く昼餉は、彼らが思わず「あそこに行くの?」とたじろぐ「志をじ」。
店内はペコちゃんとかキューピーちゃんとかザクヘッドとか、きっちゅなフィギュアや古物がごわっと陳列された座敷だが、まーそれもいい。この店のソースカツ丼の盛りはかなりスゴイのだ!
大中小とある中で、僕を除く3名がきれいに大・中・小を頼んでくれた。ので、比較可能だ。大にはバンがどでかく、かつ厚みもたっぷりなロースの一枚肉を豪快にあげ、ソースにドポンと着けたのを切り分けたのがこれでもかと乗っている。
小との大きさの差はこんな感じダ!
女性にはもう全然小で十分なボリューム。ちなみにさきほどから、何も乗っていない小皿がついているが、これは「いま食べないカツをよけておく皿」である。福井県のソースカツ丼は丼の蓋を裏返してそこによけておくが、ここでは小皿である。
で、僕はじつは大を頼んだわけではない。特製志をじ丼というのがある。それはトンカツに加えてエビ・ホタテ・サクラというのが乗っている。サクラとは、これまた信州の郷土の味である馬肉。そりゃあこれしかないでしょう!と頼んでみたのだ。
サクラ、エビ、ホタテをよけてみても、どんぶり上のトンカツ占有率はこんなに高い!
驚いたことにこの店のロースはさっくりほっくり、上質な肉質。叩いて筋切りしているのか、程よく噛みきれるいい食感なのである。そして群馬や福井のドライ系のソース味に比べると、リンゴが多量に使われているソースだからだろうか、甘やかである。それでも同席して大を食べてくれたS氏によれば「他の店より甘さが抑えられていると思います」とのことだ。
さくら、つまり馬肉カツは豚に比べるとちょっと堅め、モモ肉だろうか?噛み応えがあって美味しいが、噛み応えの分、急速に満腹になっていく(笑)
福井・群馬のソースカツ丼にはないキャベツの千切りが、脂まみれになる口内をさっぱりさせてくれるので、案外最後まで行けますぞ。ただし、初めての人は僕のように「ぜんぶ入り」の志をじ丼を頼みたくなるかもしれないけれども、これはやっぱりふつうのソースカツ丼を頼むべきだと思った。
というのは、エビ・ホタテって、別に信州で穫れてるワケじゃないし、ソース味で美味しくなっているかというと、少し微妙。とくにホタテは二つも乗ってくるのだけど、一個で十分。これならば実に洗練されたジューシーな豚ロースのカツを最後までわしわしと食べた方がいい。事実、細身のS氏は、カツ2きれを僕とK氏にスルーパスしてくれた以外は、最後までするすると食べていた。
しかしこの店、実によい。美味しいし、それにおかみさんの接客がいいのだ。人気店なのにおごっていない。他のお客さんとの会話を見ていてそう思った。
ということで昼飯まだの人はぜひソースカツ丼を!
ここ岐阜県恵那市は栗の「低樹高栽培」という仕立て方の発祥の地。いまや全国の栗産地がその仕立て方を習いに来る総本山だ。
その低樹高栽培をする農家の中から、厳しい基準を満たす一握りの生産者だけが「超特選栗部会」という組織に入ることが出来る。そして、その超特選栗部会をこれまで支えてきた地元の菓子製造企業である恵那川上屋がその超・大粒な栗を契約取引している。
こちらがその取引実務をするJAの組合長さんだ。
恵那川上屋にて、4年ぶりに工場長の桑島さんとお会いする。なつかしー 週アス読者は覚えておいでだろうか。
僕が日本で一番旨いと思うモンブラン、栗山。
マロンクリームは、この辺の名物「きんとん」である。パティシエがつくるものとちがって、甘すぎない。栗の風味がブワンと香るようになっている。通販でも買えるが冷凍のもので、生のものには叶わない(でも通販品も旨いけど)。
この恵那川上屋、種子島に砂糖工房をもっている。自前で砂糖を造っている菓子メーカーって、全国にいくつあるんだろう?
これは、黒糖と白糖のあいだに位置する、「菓子屋がつくった黒糖」。ほどよい夾雑物の味がいい。
懐かしいひととき、そして新しいチャレンジを見ています。
金曜日、さちの内臓肉が山長ミートに届いたと連絡があった。どれもこれもかなりつやつやのよい状態だそうだ。短角牛は無理な肥育をしていないから、内臓廃棄率が非常に低い。やはり不健全な肥育をされている牛の場合(特に黒毛)、肝臓などがダメになっていることが多い。だから内臓食べるなら、短角はおすすめだ。ただし内臓を入手できる処理場は限られている。
で、今回のさちのと畜後は、処理場でしばし熟成をかけるのでまだ山長ミートへ入荷はしていない。ただし内臓は鮮度が命なので、いち早く入荷したというわけだ。
さちの内臓肉、こんな重量だったそうだ。
| 部位 | 重量(kg) |
| タン | 1.1 |
| サガリ | 1.3 |
| ハラミ | 2.8 |
| レバー | 7.5 |
| ハツ | 1.3 |
| テール | 1.6 |
| 小腸 | 6.5 |
| 大腸 | 1 |
| センマイ | 1 |
| ハチノス | 0.7 |
| ギアラ | 1.4 |
で、これを買ってくれたお店を紹介したい。
■岩手県
先日、岩手の激うま冷麺「もりしげ」を案内してくれた工藤君が、地元盛岡で焼肉店や居酒屋を営むコラゾンカンパニーに、小腸と盲腸、テッポー、レバー6.6kgが行ってます。
「グループ店で刺身で出しますよ!」
とのこと。ぜひ、ダイワロイネットホテルの向かい側「にっかつ」「楽」そして盛岡近郊の「菜」に足を運んでいただきたい。
■東京
東京では、あのラムの自家製パンチェッタをつかったアマトリチャーナという大傑作パスタを創り出した「神楽坂しゅうご」の広瀬しゅうごシェフが、サガリとハラミを注文してくれた。
焼肉屋でも大人気のこの部位をつかってどんな味を出してくれるのか、非常に楽しみである。なお、出てくるのは7月に入ってからだそうだ。ハラミとサガリ一本ずつなので2.5kg程度しかない。すぐに無くなる可能性もあるので、食べたいというひとは予約をおすすめする。
そして、8月4日に東京バルバリで開催する「さちの肉を食べる会」では、先に挙げた内臓のうち、タンとテールを覗いたほとんどの部位を食べることができるので、いまからご準備いただきたい。後日、応募受付のエントリ書きます。
■大阪
さて、関西では大阪のドゥ・アッシュ中田シェフがオックステールを所望してくれた。
「さちのテールは
こってりと!古典的な赤ワイン煮込みにします。出来上がったら料理写真送りますね。」
とのこと。これも要予約のはず。僕はここしばらく大阪へは行けなさそうなので、誰か食べたら、感想きかせてください。テールは一本しかないので、アッシュさんにしか行っていません。
ということで、まだまだ「食べられる情報」書いていきます。 本日は名古屋経由で岐阜へ。まだ時期じゃないけど栗と戯れてきます。
新刊です!これまでこのブログでも数回採りあげてきた、僕の母校である自由の森学園の食生活部のこれまでの軌跡を書いた本です。
今回は、表紙から見返し、口絵から本文内のものまですべて写真は僕が撮影(学校全体写真だけは違うけど)したものだ。なにげにそれが一番嬉しかったりする(笑)
著者ではなく編著者になっているのはなぜかというと、今回の本は同じく自由の森学園の後輩と分担して書いたからだ。だから、このブログを読み慣れている人は、「あ、この部分はヤマケンじゃないな」とおわかりいただけると思う。本の内容をあれこれ紹介するよりも、前書きを引用したほうがいいと思うので、掲載する。
はじめに
いまから26年前、「自由の森学園」というユニークな学校が埼玉県飯能市の山の中に産声を上げた。テストの点数による序列評価を廃し、服装規定などの校則も全くなく、生徒の自主性を尊重した教育を行うというコンセプトは、その当時には非常に革新的で話題を呼んだ。体育の時間には和太鼓や郷土の民舞を教え、染色や木工といった表現に関わる授業に力を入れた、非常に面白い学校である。
編著者の山本は、この自由の森学園ができた翌年に入学した2期生だ。そして1,2,3章を担当した増谷は6期生。自由の森の黎明期ともいえるその頃は、教師も生徒もまだ手探りで「自由」と向き合う混沌とした時代で、刺激的な高校生活を満喫させてもらった。しかし、卒業から20年以上経ち、食の現場で働く私が高校時代を顧みた時に驚きを覚えるのは、自由の森学園の食堂のあり方だ。
学園では全国から生徒が集っていたため、いくつかの寮があった。そこに住む寮生の3食と、通学生のための昼食をまかなう食堂では、当時から化学合成農薬を使用しない農産物や契約栽培のお米、投薬をしていない肉を仕入れ、400円程度でまったく無添加の伝統食を生徒に食べさせていた。漬物や梅干しも自家製、菜種の圧搾油を惜しげ無く揚げ物に使い、ハム・ソーセージには発色剤を用いないものを仕入れるという徹底ぶりだ。もちろん化学調味料も一切使用しない。

今から観ても先駆的と思うのは、国語科や数学科といった教員の部門と同様に「食生活部」という組織があったことだ。調理師や栄養士によって構成される食生活部はこの26年間ずっと、中高生は何を食べるべきかを議論し、全国の食材を選りすぐり、そしてその食がどのような意味を持つのかということを生徒と対話してきた。
思えばこの食堂から私の舌は良質な教育を受けていたのである。もちろん私だけではなく、多くの卒業生が自由の森学園の食堂に郷愁を覚えている。「いまから思えばすごい食事だった」「あのカレーがまた食べたい」そんな声がよくきこえる。いまだに学校行事の見学に来て、食堂に顔を出す卒業生も多い。在学中は「もっと肉が食べたい!」「味が薄い!」などと不満の声を上げていた生徒が、卒業後にふとしたきっかけで自由の森の食堂で食べていたものを思い出し、自分の食のあり方を見直す。そんなことが起こっている。自由の森学園の食堂は、食べるということを通じた教育の場だったのである。
いま、崩壊しようとしている日本の食文化に大きな関心が寄せられ、食に関する教育の必要性が叫ばれている。「食育」という口当たりのよい言葉が蔓延し、各地で動きが起き始めている。ただ、その多くがなぜか幼稚園から小学校あたりまでの教育でストンと途絶えてしまっているように思う。食育的な取り組みは、中高生という子供から大人へと変わる間に位置する世代にとってこそ重要なものではないだろうか。しかし、現状の一般教育の文脈では、中高生に向けた食の取り組みは活発ではない。ここに、国レベルの大きな見落としがあるとしか思えない。それが、本書を世に出すにあたっての問題意識である。
もちろん、自由の森学園の食生活部の活動は順風満帆だったわけではない。それどころか苦難の連続であった。経緯については本文内で触れるが、調理師の経験が全くない人たちが集まり、便利な加工食品や調味料を使わずに、数百人分の食事をいきなり作るのだ。山本や増谷が在学していた頃は、関係者も「あの頃は実地で実験をしていたようなものだわ」などと言っていた頃である。必ずしも美味しいとは言えないものも卓に上っていたことは否めない。
しかし、26年という歳月の中で食生活部は着実に技術とノウハウを蓄積してきた。開校当初は外部から購入していたパンもいまや自前、それも天然酵母で焼き上げる。
うどんなど麺類も製麺機で自家製麺する。

実は本書の執筆のために改めて自由の森学園の食堂で食事をとったのだが、驚くほどに美味しくなっていた。「無添加」や「天然素材」という言葉から受けるストイックな印象はそこにはまったくない。日々飽きずに食べることが出来る美味しい食事が、実はとことんまで考え尽くし、吟味された食材で作られている。卒業生のひいき目かもしれないが、中高生に向けた理想的な食のあり方がここにあると思う。
本書が食の教育に興味を寄せる一般の方々や、全国の教育・食育関係者、そして学校給食の世界で様々な問題に直面している方達へのメッセージとなれば幸いである。そして、本書を読んで、自由の森学園の食堂で食事をしてみたいと思ったら、学校に電話をした上で足を運んでいただければと思う。きっと、他にはない食の風景が観られるはずだ。
と、こんな本だ。6月26日あたりから書店に並び始めると思う。毎度のことだけども、amazonではもう書誌データは行っているはずなのに、表紙画像がでてこない(笑)
以上、とりあえず速報です。また、目次など載せますね。さて、次の本にかからねば、、、
二戸の稲も、一週間以上の生育遅れが出ているようだ。今年は大冷害になるのではないだろうか、とても心配だ。とにかく、食に関してはいろんなことが起こる年である。これでは終わらないだろうけれども。
それにしてもこの世では本当に説明のつかないことがいろいろと起こるものだ。今朝、目が覚めてから数時間は昨晩に感じていた、どんよりとした重さを両肩と首の付け根に感じていたのだけれども、午前中の過ごす中のある一瞬を境に、それがフッと消えた。もしかすると、その瞬間にさちが逝ったのかもしれない。と無理矢理こじつける気もないけれども、ふと視界が開けた感じがした。
午前中はベビーリーフ生産の現場で意見交換をしつつ、昼飯を食って杉澤君と再会。天気がよければ牧野に上ろうかと思っていたけれども、まだ雨がぱらついていたので、下界へ降りて、東京へ戻ることにする。
さちの肉を、一片も残すことなく「さちの肉」として食べてもらうために売るのだ! そうすることでしか彼女の命をいただいたことをあがなうことができないからね。
それにしても東京は暑いです。岩手に戻りたい、、、
朝、起きると嫁さんから「さちを今から母牛にするってできないの?」と言われる。これまで何回も自問自答し、そのたびに「いやちゃんと食べるサイクルまでやって初めて畜産を理解できる」と思って否定してきたこと。けど、やっぱり最後の最後までぐらっとくる。
さちが女の子で産まれてきたから、ここまで苦しむのかもしれない。オス牛として産まれてくれば、去勢されて肉になる以外の人生(牛生)はないわけだから、こんなにも苦しい思いはしなかったかもしれないのだ。さちには、子を取るための繁殖用雌牛になるという選択肢もあった。その選択肢をふさいだのはこの僕自身なのである。
二戸に到着し、二戸支庁浄法寺支所の畜産担当・杉澤君と落ち合って、解体後の肉を扱ってくれる山長ミートへ。
その道すがら、にやにやしながら「報告することがあるんですけどね。」という。
実は数日前に、僕が所有する母牛「ひつじぐも」(さちの母親ね)についての調査が県の方から入ったというのだ。
「県の担当者から照会依頼がきた2件のうちの一件がやまけんちゃんの「ひつじぐも」でした。何でかって聴いたら、ものすごい育種価が高い血統だというんですよ!」
育種価とは、牛が遺伝的に受け継いだ「よい肉を造る能力」といっていい。家畜の質の多くが血統で決まるわけだが、餌を食べて肉を多く造り出す能力、ロースの芯の大きさ、バラ肉の厚み、皮下脂肪の厚み、そして霜降りの度合いなどを総合的に分析して、高い能力を持っている牛を選抜して種牛にしていくわけだ。それを判断するための指標が育種価だ。
僕の「ひつじぐも」はその育種価がやけに高いらしい。実は、ある種牛の育種価が抜群に高いということがわかったのだが、その遺伝子を持つ牛で生きているのはひつじぐもとあと一頭しかいないらしい。それで調査がきたということなのだ。
「やっぱり、やまけんちゃんの母牛は、さちを最初に育てるときに乳房がつまっちゃうくらいに乳量が多かったり、生まれてきた仔牛がみんないい体格だったりしたから、母牛としての能力は高いと思ってたんだよね。」
僕が短角牛オーナーになる際にひつじぐもを選んでくれたのは杉澤君だ。はからずも彼の牛の潜在能力をはかる眼力が証明されたとも言えよう。
さて育種価が高いということは、これから出荷するさちの肉もかなり期待できるということだ。ただしその期待というのは、「日本の牛肉の格付け上で高得点となうる可能性」だ。もしかすると、けっこう霜降りかもしれないということなのである。
うーん
サシはあんまり入らなくていいぞ、さち。
「今回、肥育をした漆原畜産から山長ミートが契約で買い取り、それをスターゼン三戸工場で処理してもらうという流れになるんです。だから、山長ミートさんのほうでトレーサビリティの確認書類を提出する必要があるんで、判子もらいにいきますね」
肉牛の巡るルートは複雑だ。ものの流れはふつうこうなる。
繁殖農家→肥育農家→と畜場→買う人(精肉業者など)
ただし今回は、肥育農家である漆原さんと買う人である山長ミートが契約取引を行っているからだろう、山長ミートがスターゼンへ出荷するという形になる。
いつもお会いする専務に加え、久しぶりに社長もいらっしゃった。
山長ミートの社長室には、古い写真が飾られている。
昭和初期くらいだろうか、短角牛のセリを行っている風景だ。この頃は野外で行われていたんだなぁ、、、
これがスターゼンに提出する生産履歴の申告書。僕の名前が書いてある! ああ、とうとうなんだなぁ、、、と思いながら、さちを世話してくれている漆原牧場へと向かう。
「さっちゃんにお別れしなよ」
牛舎にはいると、一番こちら側にさちがいた。
立派な体躯。オスの去勢牛にくらべれば一回り小型だけれども、肉の美味しさはメスの方がまさると言われているから、それでいいんだ。
ここからの移動はすべて角と顔に紐をかけて、人力で引っ張っていくことになる。そのための紐をかける。あらかじめ引っ張れば輪が締まるようにした紐を棒きれにひっかけて角にいれていく。
一度目はうまく引っかからなかったが、二度目に成功。鉄柱に結わえて、口全体も縛る。
さちが動揺しているのがわかる。なにかがいつもと違うのを察知しているのだろう。
トラックが農場へ入ってくる音がする。JAにお願いしていた家畜運搬車が到着したのだ。
JAの担当者さんも含め三人で引っ張るがなかなかでてくれない(それはそうだ)。 ここから車に移すまで写真、ありません。なぜなら僕も紐を引いたから。僕自身が手を使わないと意味がないからね。
さちが踏ん張って動かないのを、ほい、ほいと声をかけ、ぴしぴし叩きながら少しずつ歩かせる。10分くらいかかったろう。ロープを腕に巻き付けて曳くけど、全く動かない。
そこで僕の口から出た言葉。
「さち、大丈夫だからな、大丈夫。」
と言った瞬間、はっとした。いや、大丈夫じゃない。これはさちにとって死出の旅なのだ。それなのに「大丈夫だ」なんて声をかけて俺は何を言ってるんだろう。
そう、0.000001秒くらいの間に葛藤。けれども紐をひく手は休められない。なんとか車まで行くと、以外にすんなりとさちはステップを登っていった。
家畜運搬車にはおがくずが敷かれている。口の紐をかなり短く鉄柱に縛っているので、さちは足をたたんで寝ることはできない。おそらく立っているほうが安定するのだろうが、申し訳なく思ってしまう。
さちはこれまで、僕が会いに行ってもプイと向こうを向いていたものだけども、いまこの瞬間、ジーッと僕を見ている。自分がどうなるのかを訊いている目だ。ごめんな、俺はお前を畜場に連れて行くんだ。そう思うとなんとも言いようがない気持ちになる。これは言語化できない重さを持った感情だ。
そんな僕を見て杉澤君がちょっと笑いながら言う。
「まあ、最初にさちが産まれたときに「どうする?母牛に回す?」って訊いたときにやまけんちゃんが「いや、食べないと畜産のサイクルを理解することにならないから、肉牛にする」って言ったんだもんな。実感してるだろ?」
うん、僕はまさしく実感している。
あまり役に立っていないらしい番犬ちゃん。この子は、経済動物ではないのだ。
さて、出発だ!
今回のと畜・解体処理は青森県の三戸市にあるスターゼンにお願いした。県を超えるとはいっても、実は三戸は二戸の隣だから、地理的にはぜんぜん近い。30分でついてしまう。
しかも、スターゼンは内蔵肉を希望すれば、洗浄代のみで引き取ることができるのだ。「え?それ当然じゃないの?」という人もいるだろうが、出荷者が内臓肉を持って帰ることができると畜場は意外に少ない。岩手県内にある大手の処理場があるのだけれども、そこはなんと3頭出荷したら一頭分だけ戻しますよというやり方で、非常によろしくない。従って僕はそこには一切出すつもりがない。
スターゼンに着いた。
なお、今回はスターゼンにと畜・解体のみをお願いしている。食肉処理をする施設は多くの場合、卸売を行う業者が運営していることが多く、販売までその運営者が行うことがほとんどだ。ただ、今回のさちの場合は僕が全ての肉を販売するので、処理だけを依頼したわけだ。
ここが家畜の係留所だ。すでに搬入されたホルスタインなどが係留されている。
家畜運搬車に入るのをあれだけ嫌がっていたさちが、ここではするすると出てきてくれた。きっと移動で疲れたんだろうな。
しっかりとロープをゆわえて、書類をスターゼンの担当者さんに渡す。これで終了。
さて、お別れだ。
鼻面に手を当てるとあたたかい。牛って本当にあたたかい体温を持つ生き物だ。この体温が10数時間後には無くなる。僕はさちを肉にするのである。その意志決定は僕がした。
「お別れは済みましたか」
うん、と応えて二戸に戻る。ホテルに入ると、グググッと重い疲れが方の上から圧してくるのを感じる。一眠りして起きると、さらに身体が重い。なんなんだこれは。漆原さん、山長の社長さん、杉澤君と食事をするが、アルコールが暴力的に効いて、気持ちよくない。早々に引き上げてベッドに入った。
今日23日、さちは命を失います。僕はありがたくこの子の肉を、残さず有意義にいただこうと思います。もうしばらくお付き合いください。

詳しくはまた後ほど。心身に澱が溜まったような疲れを感じます。
ちょっとだけ、寝ます。
2008年の4月に、僕の所有するメスの短角和牛「ひつじぐも」から生まれた「さち」が、明日22日に出荷となります。「出荷」とはと畜場への道のり。22日中に青森県三戸市のと畜場に係留され、23日にと畜・解体となります。
生まれてから約28ヶ月齢。さきほど、さちの世話をしてくださっている漆原さんに電話してみたところ、
「だいたい720kgくらいかな。去勢牛に比べたらちょっと小型だけど、どーんと張ったいい感じの体型になってるよ。まあ、明日は一緒にご苦労さん会をやりましょう。」
とのことだ。そう、明日僕は先週末に引き続き、朝から岩手入りしてさちの出荷に立ち会います。既報の通り、と畜解体の現場もきちんと見届けようと思ったけれども、と畜場の規則でそれは無理とのこと。彼女が肉に変わっていく過程は観ないで過ごす一泊二日となります。
今回、口蹄疫の関係でもよく出てきた言葉だが、「経済動物」という用語がある。家畜として飼っている牛・豚・鶏などをいう。愛玩する対象としてではなく、その労働力や乳・肉・または毛や皮などを経済利用するものの呼称だ。つまりさちは経済動物である。
これも以前書いたかもしれないが、ある会合で畜産専門の大学の先生と話をしていた時に、こんな話があった。
「最近、乳牛や肉牛のことを話す時に「牛さんが」というように擬人化したり、「牛さんごめんなさいね」なんて話しかける関係者がいる。牛は経済動物なんだから、そんなふうな言い方はダメだ」
とかなり激高しておられた。ふうーん、そういうものなのか、と思ってその場では何も思わなかったのだが、しばらくしてから、このことばかり頭に浮かぶようになった。僕の尊敬する獣医氏・松本大策さんは、自分の患畜や始めてはいる農場で牛に触る時には必ず声を掛ける。
「牛さん、ちょっと触っていいかな?いいよね?失礼するよ-。うんうん、ちょっとこの辺かゆいかな?掻いていい?あー、ちょっと皮膚が荒れてるね」
なんて声を掛けながらコミュニケーションをとっている。かれは必ず「牛さん」というのだ。それが彼の獣医としてのポリシーなのだろう。家畜に関する学問の世界と実務の世界とは意識にずれがあるのかもしれない。
そして僕は、やはり家畜を経済動物として扱うだけではなく、日本人が「牛肉は牛の肉なんだ」と再発見することが必要だと考えている。
「牛肉」
と
「牛の肉」
では、「の」という一字が入るだけなのに、あまりに世界が違うと思わないだろうか?
スーパーの精肉売場に並ぶ牛肉のパックをみても、そこから大きな体躯をした牛の姿は想起されない。それでは、すべての商品から金銭的な記号しか受け取れないではないか。うん、それは売る側にとっても買う側にとっても、ある種都合のよいことなのだ。血を想起させないから、売り買いしやすいわけである。
しかし23日にこの世からさちの生命が消えたあと、残るのは「さちの肉」である。僕は「牛肉」とは最後まで呼ばないことにする。
さてこのさちの肉については、どこぞに出荷するのではなく僕がすべて売り先を決めて販売するということにした。既報の通り、半身分(約150キロ)はレストランへ、半身分は消費者の皆さんへ焼き肉パックにして通販する。
正直、レストラン向けに販売するのがこんなに大変だとは思わなかった!価格は以前ここに掲示したとおりだが、人気のある部位(リブロース、ヒレ、外バラ)はすぐに引き合いがあったけれども、肩ロース(\4400/kg)や内バラ(\1650/kg)は残りまくっている。現在、150kg中の102kgが売れていて、48kg程度が残っている。
まあ、残った分は焼き肉セットの原料に充当できるのでそれはそれで心配していないのだけれども、それにしても大変だ。黒毛和牛のように膨大なロットがあれば、サーロインだけ欲しい店とスネだけ欲しい店など、取引が均衡するから商売になる。けれども、短角牛や土佐あかうしなどの希少種になると、一ヶ月にと畜できる頭数がきわめて少ないからそうそう調整は効かない。
そういう苦労を識るために短角牛を飼い始めたのだけれども、十二分にその苦労を感じている今日この頃だ。そして、たかだか一頭売るのもこんなに大変なのに、口蹄疫で被害を受けている宮崎県ではいったいこれがどんな規模の手間になるのだろうか。考えるだけでも苦しくなる。
それはともかく、さちの肉を仕入れてイベントを打ってくれる店を紹介したい。
まずは、岩手県の短角和牛に多大なる理解を示し、一頭丸買いを続けてくれている京都の焼肉店、「きたやま南山」さんだ。長いこと、関西方面の友人から「俺にも短角食わせろ!」というプレッシャーを受けていたのだけれども、ぜひ南山においでくださいませ。 下記のイベントには僕も参加します。
◆7月31日(土)「宮崎の畜産応援チャリティ食事会」を開催します。◆
私たちが日ごろお世話になっている食ジャーナリストの山本謙治さん
(通称やまけん)が育てた短角牛を分けてもらい、食事会を開催します。
会費7000円。(収益金全額を口蹄疫と戦ってくださっている畜産関係者
応援のために寄付します。)
午後3時~「日本の食力を支えるために私たちにできること」をテーマに、
やまけんさんからお話をいただき、午後5時から交流食事会。
やまけんさんの短角牛ほか様々な牛のお肉をいただくのですが、多くの
方の思いが集まり、とても熱い会になりそうです。
詳細は、南山のHP
http://www.posh.jp/t2/ex/lu.php?w=bhh54zbuvk&i=12814R154436&t=0&l=4n2anguq8
をご覧ください。
それと、大阪は心斎橋の「ドゥ・アッシュ」の中田シェフからも「ぜひ肉を売ってください、真心を込めて焼きます!」という連絡が。
こちらにも肉が届くのは、7月後半になるので、それ以降にぜひ「さちの肉を食べたい!」といって予約していただければと思う。
そして、東京では、、、
一昨年にプレミアム短角牛の全部位食べよう会を開催した「東京バルバリ」にて、ひさびさにやります。「さちの肉を食べる会」。詳細はまたお伝えしますが、8月4日(水)の夜に店を貸り切り開催です。東京在住でご関心ある皆様はぜひ、日程あけておいてください。35人限定です。
ということで、、、明日の朝から行ってきます。
明日の夜、さちとのお別れの写真をアップしようと思います。
仕事までの時間がちょっとあるので、JAいわて中央から豪華なことにお二方の案内で東和町周辺を探訪することになった。といっっても今回の花巻はJAいわて中央の管内ではない。大きな会場がないという都合でこちらに来たと言うことで、実際の管内の視察はできない。
けれども嬉しいことにJAいわて中央に務める菅野さんがここ東和町出身でいまもここからJAに出勤しているというローカルな人。ということでたっぷり東和町のローカル食を探訪することにした。
実はこの東和町町並みに踏みいるは初めてじゃあない。以前、dancyuのパン特集をしたときに、僕は岩手県が誇る「福田パン」と、ここ東和町にある「粉ひきのゴーシュ」を取材し執筆した。福田パンはすでに僕が大好きなパンやだったけれども、粉ひきのゴーシュは初めて。そしてすさまじい衝撃を受けたのである。そのことはこのエントリの後にまた書く。
で、その取材の後に町を散策したのだけど、その時に入ったのが味噌・醤油の「佐々長(ささちょう)」。
名峰・早池峰山の水を使って仕込んでいるという味噌と醤油が有名なところだが、実はこの店にしかないローカル食があるという。二戸振興局の田野島さんが先日、この辺にご一緒した際に教えてくれたのだが、「シルバー」という面白い名前の惣菜パンがあるというのだ。
「なんかねぇ、、、春雨サラダをはさんだようなものなんですけどね、、、なんでシルバーって言う名前かわからないんですよ」
これをぜひ食べてみたい!と思って店に突入! 奇跡的にあと一個だけ残っていた!
うーむ、、、 田野島さんのいうとおり、「春雨サラダをはさんだパン」だ、、、
はい、味もまさにそのとおり「春雨サラダを挟んだパン」でした。 でも、午前の遅めの段階でもう一個しかないってことは、売れてるってことなんだよね。この辺じゃあやっぱりこれが市民権を得ているわけである。
さて。
「この辺の名物、、、たこ焼きですかねぇ、、、「まつば」っていうお店があって、そこのが醤油を刷毛で塗って食べるもので、美味しいんですよ。」
むぅ、たこ焼きとな! なんか全っ然、ローカル食っぽくないけど、ここはやっぱり郷に入っては郷に従えで、、、
たこ焼きは、なんだか個数が結構あって15個入りである。そして説明書きを見て「あ、やっぱり立派なローカル食だ!」と得心がいったのだけど、ソースではなくて醤油だれ、それは先ほどの佐々長の醤油を使ったタレなのだ!なるほどね。
プレーンタイプがこれ!
青のりはかかっていない。これに、ステンレス缶に入ってくる醤油ダレを刷毛でぬる。
いや潔い外観。口に運ぶと、しっかり焼き込まれた生地の中にコロッとタコが入って、噛みしめるとキュッと香りが立つ。醤油ダレは多めに書けた方が美味しい。紅ショウガがアクセントになっていて、飽きない味だ。青のりがないと、生地の甘さとタコの香りがしっかりと感じられるものだなぁ、というのが発見。
マヨタコバージョンもある。けど、2皿で30個。小振りなサイズだけども3人で10個ずつたべるのはけっこう腹一杯になる(笑) 菅野チャン、「小さいんですよ」っていってたけど、けっこう大きいぜこれ。
この店はラーメン屋さんなのだけれども、色んなものが置いてある。米粉と砂糖を練って型に入れて蒸した「きりぜんしょ」という菓子もあって、興味を引いたのでたべてみた。なんと「コーヒーマーブル味」だ。
コーヒーマーブル味が実に美味しい(笑)
それにしても「きりぜんしょ」ってなんだその名前?
「私、”きりぜんしょ”って全国的な名前だと思ってました。」と菅野チャンがいうので爆笑。しかもその後、「ガンヅキは共通語ですよね?」というのでまた大爆笑。「ガンヅキ」ってのは、岩手県内でいう蒸しパン、蒸しカステラのごときものだ。これだからローカル食は愉しい。
東和町が誇る豆腐屋さん「吾助堂」にて油揚げを買う。あと二つしか残ってなかったからよかったぁ、、、
これがどんな意味を持つ油揚げなのかは、後に説明しよう。
さてメインディッシュは、この辺で美味しい外食と言えばこれ「小桜家」の小桜ラーメンだという。
なんと「高村光太郎ゆかりの地」とある。けど、あんまし興味ないからそれはすっ飛ばして中へ。
実はここの名物は鰻だそうだけれども、上野写真にみえる「小桜ラーメン」が旨いのだそうだ。
「あの、辛くて酸っぱい、サンラータンみたいなラーメンなんですけどね、、、」
と菅野チャン。 うーん 実はサンラータンはあまり好きじゃないんだけど、、、鰻にしようかと逡巡したが、でもまてよ。さきのたこ焼きにしても、やっぱり彼女が推したものは特色ある地域食だった。きっとここも、、、
と思い、小桜ラーメンをオーダー。これが大当たりだった!
ボリューム満点、具だくさん!赤いスープをすすると、いわゆるサンラータンではなくて、こく重視のピリ辛旨スープである!
麺は白っぽい中細ストレート麺で、スープの強さでガンガンすすりこめる。いやこれは旨い。
しかも、東京の最近のラーメン屋は小さい丼でボリューム不足なのに対して、さすがは地方ラーメン。どかんとした丼になみなみメントスープと具材が湛えられている。
三人で一心不乱にすすり混む。
いやぁ、 うまかったぁ、、、
そして、粉ひきのゴーシュへと道が進むのである。
■撮影: リコーGXR+50mmF2.5マクロ
最近の出張に、GXRは欠かせなくなってきた。極めて満足してます。
今日からJAいわて中央のお仕事。いわて中央は紫波を中心とする広域JAで、管内にはいろんな”主力”作物がある。例えば餅米。岩手県の南がわ、一関市などでは濃い餅文化があるけれども、県央部になる紫波のあたりではそれほど餅を食べる文化はない。しかし作物としてはかなり大きいそうだ。そして麦。パン用小麦の「ゆきちから」と麺用小麦の「なんぶこむぎ」がある。もちろんうるち米にソバ、果樹もある。面白いのが畜産で、鹿児島から黒豚の系統を導入して、生協向けに飼養しているという。ぜひ食べてみたいものだ。肉牛は黒毛中心だが短角牛も一部飼う農家がいる。
で、その前に県庁で、人事異動した畜産・流通関連の部署の方々と顔合わせ。実に有意義な意見交換ができた。
昼飯は10年以上ぶりになる冷麺「食道園」。
ランチセットに、カルビとご飯の定食に半冷麺のついたのがあったが、「半」じゃなくてしっかり食べたいので、冷麺の辛の普通盛りとカルビセットを注文。
カルビを焼いたのを溶き卵にくぐらせて食べる、すき焼き風のカルビが白飯消費量を加速する。
冷麺は、以前書いた「もりしげ」を識ってしまった今となってはインパクトが薄いけれども、でもやっぱり王道の盛岡冷麺だ。
さて、一仕事です。
いったい何の話をしているのか、ワカラナイ人には全く分からないだろうけれども、カメラ好きなら察してくれるでしょう。そう、あの超弩級カメラを短期間だけれども借りている。
このデジタルカメラの元となった銀塩カメラは風景撮影をする人が愛するカメラだったので、自然光で撮影する人がほとんどだろう。ということで、ストロボを用いて料理を撮影したらどうなるのかを試すために木場のロジウラにて、ばんばん撮影をしてきた。
詳しい所感はのちに週アスでレポートすることになるのでそちらを観ていただきたいのだけれども、僕のように初めて中判フォーマット(正確には少し小さいのだけれども)に触る人間には驚異の画質という一言だ。
圧倒的に高精細で、しかもボケが35mm版フルサイズのカメラよりもどかーんとでかい。
ただし、設定をちゃんとしないとうまく撮れない。そんなの当たり前だけど、設定を追い込むのがシビアだ。ニコンのD700での撮影になれているせいもあると思うけど、初めて触るカメラというのはやっぱりちょっとやっかいだ。
それでも、はっきりくっきり、どこまでも高精細に写るこの画質、深みのある階調表現にはちょっとやられてしまう。
商品撮影をするプロカメラマンの方のご意見としては「帯に短し、たすきに長し」ということだった。そうなんだろうな、、、だってこの製品は、メーカー自身が「ハイアマチュア向け」として売っているから。けど、ハイアマチュア向けでこの画質ってのは想像を絶するところだと思う。
週アス誌面ではこのカメラのいいところ、ちょっと使いこなしが必要なところなどをバランスよく書いていきたいと思う。
本日付の日経新聞では「農水省 口蹄疫に対する防疫指針を見直し」と、なんだかもはやこの件が終わったような記事がでているけれども、まだ拡大しているんですよ、、、昨日、国富町ででた疑似患畜はすべて陽性。
宮崎の知人の話を聞いていた時のこと。
「いま、県内では小さな会合なども延期して、できるだけヒトの移動がないようにしてしまっている。けれどもそれじゃあ、地域の経済が動かない。防疫はできるだけのことをしたうえで、人の移動やビジネスは機能するようにしないといけない」
とおっしゃっていた。
これ、非常に重要な問題だ。今、宮崎県内で起こっている事態は口蹄疫による悪影響の第二段階だといえる。以前にも書いたとおり、畜産とは関係のない仕事をしている人たちまでもが口蹄疫によってダメージを被っている。それも、一週間程度ならともかく、いまや一ヶ月を超えようとしている。畜産関係者はすでに凄まじい額の被害をこうむっているけれども、観光や飲食といった「ヒトの移動」が前提となっている仕事に就く人たちの受ける打撃もきわめて大きい。むしろ、そちら方面へは何の補償もないので、そっちの方が深刻といえないこともない。
そうした畜産関係者以外の人たちが、「ふざけんじゃないよ口蹄疫、ふざけんじゃないよ畜産関係者!」というマインドになってしまうのが非常に怖い。防疫への協力も、長期化すれば「もうやってらんないよ」という人も出てくるだろう。そのいらだたしい気持ちが十分にわかるだけに、どうしたらいいのかと思う。
実際、福岡のTさんからの情報によれば、口蹄疫被害農場に泥棒が入り、備品が盗難されているという状況らしい。
「泥棒は消毒などしませんし、物品がどこへ流れているやら予測もつきません。」
とのことだが、本当にゾッとする。その泥棒行為も、食っていけずやむにやまれずの行為なのだとしたら、あまりに切ない。
だから、「防疫はできるだけのことをしたうえで、人の移動やビジネスは機能するようにしないといけない」というのは正論である。しかし問題は、いまだに防疫がしっかりしていないポイントが多いということだろう。週の初めに、宮崎からの友人を迎えて会食。その際に県内の状況についていろいろ聴いたのだが、うーん、と思うことがあった。
「今日、上京のために宮崎空港に入ったんですけど、どこにも消毒マットや防疫のための設備がないんですよ。せめて入り口に消毒マットを敷いて置くべきだと思うんですけどねぇ」
本エントリ投稿後に、宮崎空港では正面玄関と従業員通用口に消毒用マットを敷いているという情報を教えていただきました。どうもありがとうございました。その友人が気付いていないと言うことは、さりげなくおいておくという状態だったのでしょうか。それはそれで、「もう少し派手にやったほうがいいのではないか」という気もしますね。それ以外にも、県内の要所と思われるポイントで必ずしも消毒・防疫が徹底されていないような状況だという話だった。確かに気になる。
僕は畜産県に出張にガンガン行かなければならない都合上、できるだけ宮崎に行く時も口蹄疫の発生していない地域だけを選んで行っている。けれども、冒頭の友人の言葉のように、どうも県内でも防疫に対して熱心な地域と層でない地域の温度差があるようだ。鹿児島県の知人の話を聞くと、もうすでに水際防止作戦が発動していて、ものすごい予防的消毒をして廻っているそうだ。おそらく一頭でも発症したら躊躇なく広範囲の殺処分を行うのではないだろうか。
いま、宮崎はもう暑くて蒸してて、ただでさえ不快指数が高い状況だと思う。そんな中で緊張状態を続けていれば、どんなにタフな人間でも精神的に持たないだろう。だからとても「よりいっそうの防疫意識の徹底を、などと軽々しくは言えない。
いったん拡がってしまった口蹄疫に対して、持続可能で効果的な口蹄疫対策をどうすれば講じられるのだろうか、その範となる事例はこの国の過去にはない。だから、いまから宮崎をどう支えられるかということが、周りで見守るしかない僕らの考えるべきことだろう。糸井さんがツイッターでつぶやかれたようだが、「宮崎のものを率先して消費する」というのは、いま直接的にできる一つの取り組みであることは間違いない。
あとは、宮崎産を扱っていないところに疑義を呈するということも必要だろうな。いくつかのスーパーの大チェーンが、宮崎産の青果が売れないからと大幅な値下げ要求を露骨にしていると言う話はいまだにある。「宮崎産」を差別から守ることは、消費者が売り場で「宮崎のものが無いのはなんでなの?応援したいのに」と言うしかないのだ。
どんな大チェーンでも一つの店舗でお客さんが10人くらい「なんで宮崎県産のものがおいてないのよ!」と声を上げれば、それは報告事項として上にあがる。それが多発的に起これば、チェーン全体で「宮崎応援フェアでも開催するか」という話しにつながる可能性がある。不買運動というのは消費者が行使しうる強い意思表示だが、それ以上に強いのは「買う」という行為なのだ。
宮崎県の経済が潰れるということは、このさき、同じように口蹄疫が発生した地域の経済もまた潰れるということだ。人の往来にストップをかけることができない本州に発生したら、文字通り全滅だろう。そうなった時には誰も日本という国を支えられない。まさに国が滅ぶ。
いま発生している宮崎県でどのような防疫をすれば有効で、どのようにしなければ広まってしまうのかということを我々は学ばせてもらっている。冒頭に掲載したようにいま農水省で、防疫指針の改定をするようだが、それは今回の宮崎ケースが発生していなかったら、行われていないはずだ。言い方を変えてみれば、宮崎県が偶発的に選ばれ、身を切るような思いをしながら実体験してくれているとも言えるのだ。だから、彼の地の経済を少しでも支えなければならないと思う。せめてそのことを忘れてはいけないし、マスコミもちゃんとそういう報道をして欲しい。
PS ちなみに僕が宮崎にいくと必ずと言っていいほど食い倒れにつきあってくれる飼料業者さんは、そのお客さんのほとんどが牛と豚の畜産農家だったため、98%の収入ダウンを余儀なくされ、本気で廃業というか業態の転換を考えている。98%ですよ98%。食っていけませんね。
口蹄疫関連はこちらからどうぞ。
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/cat18/index.html
しばらく、トップにこのエントリがくるように設定しますね。
帯広二日目、交雑牛を大規模に生産する企業であるノベルズの西尾君と会合。もちろん、生産ほ場には立ち入らず、帯広にて会った。
同農場の交雑牛の肉質について意見交換するが、驚くほどに意識が一致。これから、さらに頑張ってください。
んで、メシにつきあってもらうことに。じつは西尾君、おばあちゃんがその昔に食堂をやっていたそうで、炭火焼きの豚丼を供していたという。
「子供の頃は僕も七輪で焼くのを手伝っていました。おばあちゃんは網においた肉をものすごいスピードでひっくり返しまくるんです。きっとそれが味の秘密になっていたと思う。あの味が基本になっているので、実は他の店の豚丼の味を知りません」
おおおおおおおおおおおおおおおおおお なんといい話! では彼にはいずれおばあちゃんの豚丼を再現する店を出してもらうとして、他の店の豚丼もしっとかないといかんでしょうが、ええ? ということで近いところから攻めることに。
まずはJR帯広駅の建物1Fの北側にあるお土産コーナーの中で営業する「ぶたはげ」。実はこの店が侮れない。立地が立地だし、どうでもいい味なのではないかと舐めていたら、ものすごーく旨い本格直火焼き豚丼なのである。

■カメラ GXR+50mmマクロF2,5
何が旨いって豚肉がえらい旨い。脂のかみ方がちょうどよく、絶妙な厚みのカット加減で、肉のかみしめ感と脂がじゅわっとしみ出す感じが両立している。テーブル上にあるタレ壺から3さじほどタレをツツと足していただくのが吉。
西尾君、「う、うまいもんですねぇ!」と驚いていた。いやいや、ぜひおばあちゃんバージョンを復活させてくれい。食後、間髪入れずに駅前にあるレストランふじもりへ。ふじもりは帯広の飲食店の草分けの一つで、あの帯広インデアンカレーの総本山である。
席に着くとまずお冷やと共にメロンソーダが出てくるのがここのすてきなところ。
西尾君いわく、ここでは子供の頃、ナポリタンばっかり食っていたそうだ。メニューを見てたら500円くらいの超・低価格。ワタクシめはナポリタンにカツが着いたスパカツを。
ひとくちナポをすすったとたんに西尾君が「あああああ~ これこれ、ふじもりの匂いだっ!」と天井を向いて叫ぶ。そんなに懐かしい味なのか! さらに僕のカツを一切れ刺して食べ、「うん、このかりかり感!ふじもりのフライヤーじゃないと出ない食感なんですよ!」と感動。
やっぱり、地域の老舗ってのは意味がありますな。こんな皿がほぼワンコイン前後で食べられてしまうのだから、まあ帯広駅近辺にスターバックスやタリーズコーヒーがないのもうなずける。
ちなみに、ふじもりの豚丼は超オーソドックスな味。フライパン煮詰め豚丼と直火焼き豚丼の中間という感じか?かなり厚みのある肉にしっかり火が通った安心できる味といったかんじ。先のぶたはげのトロトロ柔らかじゅわっと系とは正反対の、赤身肉中心ギチッと系の豚丼であった。
ここで、北海道のエゾシカやカモ、キジなどのジビエを撃つところからきちんと食肉処理し、じっくりエージングして出荷するというところまで請け負う「エレゾ・マルシェ・ジャポン」の佐々木君登場。フレンチの修行をしていたキャリアから、シェフが欲しいと思うジビエのスペックを知り尽くしている。最近では熟成庫を作ってしまったらしい。北海道の人たちは投資する思い切りがほんとにいいよね!
ハードボイルドな佐々木君。しかし食べるのはイチゴパフェ、、、
「やまけんさん、野生の獣肉は食肉処理の決まり事がほとんど無いので、いま非常に問題になっています。全国的に、イノシシやシカなどが商品になるということで、あまり経験のないハンターが撃ったものが出回ったりします。それはいいんですが、処理がめちゃくちゃなんです。例えばシカは撃ってできるだけ早くに腹を割いて血を抜かないとガスがたまって、それが全身に廻って使い物にならなくなります。けれどもそんなことを守って処理する人は少ない。いま、農協さんなどと協議しながら、北海道で自主基準やマニュアルを作っているところなんですよ。」
彼の顧客には東京の有名レストランシェフが名を連ねている。彼ならきっとジビエの世界を素材レベルから向上してくれるだろう。
さて空港に向かう前に、十勝のパンと言えばこれしかない!の、「ますや(満寿屋)」のパンを買いに、芽室へ。芽室には「めむろ窯」という、道産小麦を使ったパンしか出さない店があるのだ。しかもその敷地内にはインデアンカレー店舗があるのだ!
この風車が目印。
5時半くらいの段階で、もうパンはほとんど売り切れ状態だった!
さここで驚愕の事実が! レジに並んでふと横を見ると、冷蔵ケースに白スパサンドがおいてある。
あ、ちなみに白スパサンドとは、十勝の子供達が愛してやまないローカルフード170円也です。これが解説。
さすがにここめむろ窯でも白スパサンドは他の店舗とおなじ外麦つかったものなんだろうなぁ、と思いながら店員さんに聴いてみると、、、
「いえ、この店では白スパサンドもほかのサンドウィッチもすべて道産小麦を使ったパンで作っております」
ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
まじですか!? びっくりしたよ、もう! ということで買いましたよもちろん!これは、普通の白スパサンドと食い比べをしなければっ!
しかしはやる心を抑えて、やらねばならないことがある。それは、、、
めむろ窯の向かいにそびえ立つインデアンカレー芽室店を詣でることである。ちょうど夕食の準備どきということもあってか、インデアンカレー独特の光景がみられた。それは何かというと、、、
「インデアンルー、鍋で5人前」
「はい~鍋おあずかりしますね」
そう、なんとここではルーを鍋売りしてくれるのである。ほれこの通り。
こんな感じで、ルーだけ買って帰る奥様が、僕らが食べてる時だけで3人ほどいた。僕も嫁さんのために(ウソ 自分のためです)インデアンルーを3人分持って帰ることに。飛行機で東京に戻ることを伝えたら、容器にラップ何重にもしてくれて、匂いもれなくして持って帰れました。ありがとう!
この日は、いままで食べたことがなかった野菜ルーによる野菜カレー&カツ。野菜カレーはやはり道産のジャガイモタマネギにんじんがごろごろはいったものだ。でも、個人的にはやっぱりタマネギのたっぷり入ったベーシックルーが一番好きだな。ちなみにインデアンカレーのカツはその場でシュワッと揚げてくれたもので、肉もちゃんとした豚肉だ。やたら柔らかい、いろんなものを注入してる肉まがいのものではない感じ。
ごちそうさまでした~
さて西尾君に空港に送ってもらって、すぐさま搭乗手続きをして待合へ。
実はこの待合にあるBLUE SKYでは、なんと満寿屋のパンのコーナーがあるのだ! だから、いつも僕はここで白スパサンドを買って帰っている。町中で買うよりも、ここで買った方が温度管理されているので、理想的な買い物スポットなのだ。ただし、たまに白スパが売り切れてピーナツクリームしか無かったりするので要注意。
通常バージョンの白スパサンドと国産小麦パンの白スパサンドを並べてみると、、、
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお 見た目が全然違うぜぇええええええ!
パンの色の深さが違うのがおわかりだろうか?右が道産小麦、左が通常バージョンだ。
もうね、一目瞭然。道産小麦が何の品種をベースにした食パンかはわからないが、灰分(かいぶん)が多いのか、色味が深い。そして味、というか食感が大きく違った。
道産小麦のもの(下)は、全体的な食感が強いのだ。風味もある。ただしそれは外麦中心の通常バージョンが劣るということではない。やはり通常バージョンは一般受けしそうなしっとりした、決めの細かな風味に仕上がっている。さすがに、歴史を経てきた味という感じだ。
発酵過程の性質も大きく異なるのだろう、ごらんのようにむしってみると気泡の大きさやキメが違う。
どっちがいい、と言う話ではなくて、どっちもいい。その上で僕はポリシーの面から、道産麦を使ったバージョンを尊いと思う。だって、通常バージョンが170円なのに対して、たったの10円アップの180円。
めむろ窯、素晴らしい。また行きます。こんな帯広食い倒れ紀行だったのでありました。




しかし、覚悟はしていたけれども、ファイルがドデカい。JPEGで15MB、DNG形式のRAW画像がなんと54MB!!
でも、他のレビューをみるとRAW現像したほうが撮って出しのJPEGより画質がいいようなので、Lightroomの最新版で現像してシャープネスをかけて出している。こんな小さな画像では、このカメラの画質を伝えることはできないのだけれども、まあそれは週アス誌面で。
おそらくカメラファンであれば絶対に気になっている「あのカメラ」がいま事務所に届いた。習慣アスキー誌の試用レポートページのネタとして、借りられるかどうかわからないけどいちおう希望を出しておこうと思ったら、なんなく借りれたというのである。
いやー 初めて使う○○カメラ。事務所の目の前でやっているので常食しているアジアンキッチンの弁当を撮るのもなんですが、、、
これから本格的に試用してきます。
僕のブログで帯広といえば、やっぱりこのコンビだ。
特攻隊長のノムさんと「まあまあ」と優しげに引き留めながらもきっちり厳しくビジネスをみる岡坂さん。同じ中学の先輩後輩。この二人に十勝の味を教えてもらったようなものだ。この日も例に漏れず居酒屋でスタート。割と新しくできたのかな、「正夢」という店。
ちなみに帯広を訪れたなら、夜の店でぜひこんな焼酎がないかどうか確かめて欲しい。
えーと「明るい農村」じゃなくて右側ね。
「インカの目覚め」 という、その名の通り 栗じゃがとも呼ばれる「インカのめざめ」を原料にした焼酎だ。合同酒精という会社が十勝地方限定で生産している焼酎。ジャガイモを原料にしたスピリッツといえば「アクアビット」があるが、あの風味とは違い、やはり焼酎。でも、芋焼酎とはあきらかに違う風味とコクがある。かなりオリジナルな風味だ。
実は、、、時効だろうから言うが、このネーミングは僕がいたしました。ある日ノムさんから電話がかかってきて「あのさぁ、インカを使った焼酎つくっからさ、ネーミング考えてよ。あ、もちろん礼はできねーけどな!」という。うーん でもそりゃあ、やるしかないよね。ということで100案作った中から絞って行って、けれども最後に推したのがこれ。
だって「インカのめざめ」自体が割と有名になってきているから、それを使わない手はない。全く違う名称にしちゃったら、連想できない。でもそのまんまというわけにはいかないので、「めざめ」を「目覚め」にした。結果、売れてるらしいので、まあヨカッタのではないかと思う。十勝で呑む機会があったらぜひ探してみてください。
1Fにあのカレーうどんの名店が入っているロイヤルビルのスナックにて。帯広の夜はスナックやクラブの夜である。
そして〆は、これも久々なラーメン「頓珍館」。
おじちゃんが「久しぶりだねぇ」と。 ホントこの店は謎。すげー小さい雪平鍋しかないのに、なぜか旨いラーメンが出てくる。
おすすめは断然、塩です。ぷはー ごちそうさまでした。帯広の正しき夜の過ごし方だ。
まだ公式ニュースには載っていないと思うが、とうとう宮崎市内を含む数カ所での疑似感染が出たもようだ。ここまでよく保ったとも思うが、結局全域に拡がっている。そして、このウイルスには潜伏期間があることを考えると、まだこれでは終わらない可能性が高い。事態は最悪の状況に向かいつつあるけれども、それは「宮崎県にとっての最悪」であり、それを超えると次は「九州にとっての最悪」、そして「本州」、「全国」に波及する可能性がある。
まだこの口蹄疫の問題を大事と受け取っていないメディアがあるようで、口蹄疫がらみのニュースはだんだん枠が小さくなり、責任問題追及とかそういったところに収束していくような方向性だ。けれども、そん~な話ではないからね。この日本から数兆円の産業がスパッと消えてしまう可能性の大きい話なんだからね。
何かが消えて、新しい何かに転換されるという話しではない。畜産という大きな産業に携わる生産者、ブリーダー、飼料メーカー、配送業者、と畜業者、精肉業者といった人たちのメシの種が瞬間的に消えるということだ。これらに携わる膨大な人数が仕事を辞めざるを得なくなった時、それを吸収できる雇用の口はあるのだろうか?多くの失業に伴い、地域に落とされるお金も減り、消費が減退するだろう。
「たかが畜産という産業が無くなるだけだろう?」と言うくらいの認識しか無い人は、考えを改めた方がいい。いろんな意味でこの国にとって大きな致命傷になる可能性が大きいのだ。
だから、口蹄疫の撲滅については予算はいくら使ってもいいよ、いいから早く封じ込めしよう。という世論はとても重要なことなのだ。政治問題や家畜愛護の問題をどうこう言う前に、まずそこだろう。
そしてもう一つ、宮崎県の経済は畜産以外のすべてがいま停滞している。先日も書いたとおりホテルや旅館は、宿泊キャンセルからイベントの中止で大変なことになっている。飲食店もまたしかり。宮崎県内では自治体の会議までが中止になっているらしい。
それに追い打ちをかけているのが、他地域での「宮崎県産お断り」の波だ。牛・豚肉とは関係のない青果物でさえ、超大手スーパー(名前を書いて非難してやりたいが、さすがにそれはしないでおく)が「半額にしてくれないと売らない」などと圧力をかけていたりする。食肉市場では宮崎ナンバーはお断りとなっているらしい。気持ちは分かるが、、、
政府の補償がどうなるかまだわからんが、牛・豚関係以外には回らないだろうというのが大方の予想。宮崎県人が全員干上がってしまったら、この国の良心が問われるよ、と思う。
この問題は、都道府県どこで起きても不思議はないのだ。自分の住む街にそんなことが起こったらということを15秒でもいいから考えて、スーパーや飲食店に宮崎産のものがあればそれを褒め称え、なければ「なんで仕入れないの?」と詰め寄る。そんなことだけでも後押しになると思う。
ちなみに
同じ九州は福岡の繁華街では、宮崎県産の素材を使った料理が割びきになり、かつその料理の価格の何割かが義援金に廻るというような支援をしている店が100店舗超えているらしい。九州の痛みは九州がわかるってことか。でも本当は、食料の自給にほとんど貢献していない東京のごとき存在が、食糧基地である地方を率先して支援するべきだと思う。
まだ終わってないどころか、これからが本当の危機です。書くことしかできないことがいらだたしい。
昨日、帯広から帰京するさなかに友人から一報。都城で口蹄疫「疑い」が発生と、、、誤報であって欲しいと願う友人の言葉であり、全国の畜産関係者が、今日の朝に発表される結果が陰性であることを祈ったはずだ。しかし、陽性だっった。
都城という地は、僕が初めて宮崎に渡った際にお世話になった、とても近しい街である。そして養鶏・養豚の農家の知り合いがいる街でもある。つい二週間前に、都城で大規模養豚をしている社長さんと連絡を取り交わしたばかりだ。口蹄疫がおさまったら、東京で呑もう、と。
すでにいろいろと報道されているが、都城の畜産の規模は全国トップクラスである。牛も豚もとにかく頭数が多いメガファームが集中している。そして、鹿児島県は目の前だ。とにかくこれ以上拡がらないようにと祈ります。
そして、内閣ごたごたの中で、農林水産副大臣に就任された篠原孝さんが、口蹄疫対策のトップとして宮崎入りしたという記事を見た。実を言うと、この篠原さんがいるから僕は民主党に票を入れた。世間では農水大臣になった山田さんの人となりのエピソードが伝えられているけれども、僕としては「副」の篠原さんに注目したい。
篠原さんは農林水産省のキャリアの第一線にいた方で、「環境保全型農業」という言葉を作った張本人だ。農水の人なのに、環境と共生する農業を進めたり、大地を守る会やらでぃっしゅぼーやなど、いわゆる有機農業ネットワークとも近しい、非常に珍しいスタンスの方だった。それゆえに農水省の本道にいづらくなったのだろうか、政治の道に入られた。実は彼を識る人は皆、「いつ篠原さんが前に出てくるんだ!?」とやきもきしていたものだ。僕も、なんで彼を農相にしないんだとズーッと憤っていた。
こんなごたごたの中で「副」として出てくるのはもったいないような気がするが、この国家的な非常事態である口蹄疫(まだみんなそう思ってないみたいだけどね、、、)をスパッと采配していただきたいと思う。
とにかく頼むからおさまってくれーーーーーーー口蹄疫。
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さて池田町のドライブイン八重洲に着くと、まだ昼の少し前だからか、車は少ない。12時過ぎるとこの辺のトラック運ちゃんや肉体労働者でどだだだだーっと満員になるこの店、しかし実に凄腕の洋食コックのお店なのである。
ガラス戸をひこうとしているところ、店の厨房から奥さんと目が合う。ん?とジーッとこちらを見る目。開けて「どうもこんにちは」と声をかけると「あらー やっぱりやまけんさんだ!」と。
「もうね、あの雑誌(週アス)やホームページを見て来てくれる人がいてね!本当にありがとうございました」
と覚えていてくださった。日頃、笑顔を滅多に見せることがないと言われるご主人もこんな笑顔で迎えてくださった!

■撮影:リコーGXR+50mmF2.5マクロ
このご主人、実は東京の八重洲にあるホテルで修行をされていた。だからこの店の名前は「八重洲」なのである。
さてこの店の名物は牛スタミナ定食と豚スタミナ定食だ。どちらも肉とタマネギを、特製の甘辛ソースでジュワワッと焼き付けてある。牛スタは熱した鉄板に敷いてくるので熱々、キャベツなどの生野菜はなくフライドポテトが添えてある。
一方、豚スタはこのようにサラダが添えられてくる。僕は豚スタの方が好き。なぜなら旨いマカロニサラダがついてくるからだ!
丼一杯のご飯を最後までかっ込める、最強のおかずである。ああ、このタレ、一リットル分けて欲しい、、、
そしてここのオムハヤシがまた、旨いのだ!
ロードサイドにあるドライブイン風の店でこんなドミグラスソースのハヤシが食べられるとは、、、
数人でここを訪れるなら、いろいろ頼んでつつき合うことをお奨めする!
これから帯広にて畜産農家と打ち合わせ。万が一の口蹄疫予防のため、今回は圃場へは入らず。
ジャガイモ「インカのめざめ」の生産量がおそらく全国一である、北海道は十勝のJA幕別町を久しぶりに訪問。
実は取引の関係でちょっとご迷惑をおかけしてしまったのでお詫びの挨拶なのであった。懐かしいお顔ばかり、変わってないと思ったら、主要メンバーの職位がのきなみ昇格していたのでびっくり。課長→部長って大きな変化だよね。
以前、農水省関連のプロジェクトでお世話になった時の部長さんは、なんと参事になっておられた!参事って、農協職員のプロパーとしては最高位だ。ちなみに農協の組合長は、生産者の側からでるのがふつう。事務方つまりプロパーのJA職員は専務とか役員になるのがよくあるパターンだ。
JA幕別町を知る人は皆いうことだけど、この方々は非常~にとっつきにくい。軽々しくものを頼んでも絶対に訊いてくれない。ある大手スーパーのバイヤーが「うん、いいよ、うちで扱ってあげる」と傲慢な口をきいたせいで「いや、あんたのとこなんかに売る気ないから」と一発で取引を断られている。それは、JA幕別町の職員が生産者が生活でき再生産していける価格を絶対に守るという気概を持っているからだ。大きい取引であろうがなんだろうが、一発で終わってしまいそうなものには手を出さない。逆に、量は少なくても、ちゃんと取り組んでくれる取引先とはずーっと付き合い続ける。そんな農協である。
だから、生産者の信頼も厚い。
こちらは馬鈴薯部会の前部会長。「おーセンセイ来てたの?久しぶり!」と雑談させていただく。生産者がこうやって農協事務所にさらっと寄って茶を飲んでいくっていうところが、信頼関係を表している。
「信頼してなかったらこないよね(笑)」
いまだにちまたでは「農協は悪」という一元論を言う人がいる。けれどもね、農協って全国津々浦々にあるんですよ。それが一つ一つ違うビジネスをしているわけで、ぜんぶを一緒くたにどうこう言うのはナンセンスだ。それは「商社という存在が悪い」と言ってるようなものであって「●●商事が悪い」とかいうところまで細分化できないのであれば、発言としてはなはだ不足と思う。それはJA幕別を訪れるたびに思うことだ。
この日も午前中、ほとんどの担当者が出払っている。北海道ではしばらく前に降雨量が100mmを超え、せっかく種芋を播種したのにもかかわらず培地が水に流され、種芋が水に漬かってしまったり、倍土がはげて芋が露出してしまったりしたらしい。そうすると発芽しなかったり、成育中に日光にさらされて緑化してしまい売り物にならなくなる。ここ数日の十勝は晴れ間が続いているので、みな朝から猛作業中だ。JA職員も組合員100名の圃場を廻ってその状況を観察・指示し、時には作業を手伝っている。
「さーて昼飯なにが食いたい?」
と岡坂さんがいうので、すかさず「八重洲!」。週刊アスキーで取材させていただいたことがある、国道脇の名店である。
ここ数日、政権がらみのごたごたで口蹄疫についての報道がまたみられなくなってきているけれども、口蹄疫の拡大は続いている。6月6日時点で疑似患畜が児湯にて出ているのである。世間は「そろそろ封じ込めできてるんだろうなぁ」と思っているかもしれないけれども、現在進行中です。それにしても、えびの市はよく守りきったなぁ。
で、ここ一週間ほどでいろんなところからこんな話が飛び込んできている。
「これから早期出荷になる、搬出制限区域内の牛・豚の肉を買ってあげるようなキャンペーンをしたい」
「宮崎の牛・豚を優先的に買い支える仕組みを作りたい」
で、具体的にどうすればいいの?と言う話だ。これ、とっても難しい話しではある。
「早期出荷」というのは、出荷適齢期を迎えていなくても、また普通は出荷しない繁殖用の家畜であろうともと畜してしまえということだ。そうなると、食肉としての適正がないものも当然含まれる。若齢牛や若齢豚は、個体重量も少なく、味だって乗っていない。だから、と畜され格付けされる際にはほとんど二束三文の評価がなされてしまう。それでも、搬出制限区域内の家畜を一掃してしまうことで、さらなる感染を防ぐためにやらなければならないということになっている。
当該畜産農家としては非常に大きな損害を被るわけで、これを買い支えたいということは非常に健全な思考だと思う。ただ、これを実行するのはちと大変なスキームでもある。例えば飲食店一店が購入できる量はたかがしれているわけで、牛一頭350kgくらいの肉をどうやってずばっと配分するかというのはかなりの力業になる。それも、先に僕が所有している短角和牛「さち」の肉の配分を示したエントリがあったが、部位があんなに分かれている。飲食店では普通、ステーキなどの用途にロース(リブロースやサーロイン)やヒレ、煮込みようにスネ、カルパッチョ用にモモなどを必要とする。でも、それ以外の部位はどうなる?ということにもなるわけだ。
例えば東京都内の飲食店100店が「買う!」と言ってくれても、そのすべてが「ロースちょうだい」と言った瞬間に、単なる迷惑集団になってしまう可能性がある。いや、もちろんそのロースをかなーり割高に買ってくれるならいいんだけどね。
あと、「特定の業者に頼むと、その業者の系列の生産者のものしか買えなくて、広範に支援したい人には向かないのではないか」という危惧から、複数生産者との直接取引のような形を模索する人もいるようだ。しかし、それはどうだろうか。畜産とくに牛のような大型家畜の流通は、野菜の産直のように生産者と需要者がダイレクトに結びついてどうこうというのがやりにくい。それこそ尾崎さんは最初からそれを志向してビジネスを組み立ててきているからできるけれども、多くの生産農家は販売業務までやる余裕が無く、それを引き受けているのが解体後の部分肉を引き取り、卸売販売する業者さんたちだ。彼らが在庫リスクを引き受けることで、食肉流通は成り立っている。だから、どこかの流通と組む方が、まずは広範な被災農家への支援たりうるのではないかと僕は考えている。もちろん、そうした流通業者を通さずに独自の販路を築いている独立系畜産業者さんもいるので、そうした人たちを直接支える仕組みも必要である。というわけで、あまりに範囲は手広くなっちゃうのですよね。
いま、僕自身もいくつかのルートで販売協力の道を模索している。なにか決まったら、またここで告知します。
そうそう、今後、疫学的なことで疑問が出た場合、このサイトを参考にしていただくと、きちんとした情報に出会えるかもしれません。
■(有)シェパードがおくる松本大策のサイト
http://www.shepherd-clc.com/

ここでもリンクしているけれども、「みんなで食べよう宮崎の牛」というイベントを、鳥取県米子市の焼き肉店が開催する。第一弾に入荷するのは日南市の牛ということで、早期出荷のものとは違うけれども、非常に勇気ある行動だと思う。
いったいなんでこうなっちゃうの、、、という感じだ。
僕のブログはマクロソフトのWindwsLiveWriterというフリーのブログエディターでテキストを書き、画像をドラッグ&ドロップで投入し、それをブログエンジンに投稿してきた。それが、きちんと動いてくれないのである。
具体的には、立ち上げると通常は新規のタイトルやテキストの入力欄が出てくるはずなのだけども、まったくその入力部分が表示されない。下記に示すような感じ。
(赤い線の四角の中は僕があとから書いたものです、念のため!)

しかも、この状態でいろいろ触ってるとエラーが出る!例えば「記事の分割」を選択すると、下記のごとき画面が。

いったいなんなんだよー
実はこれらの症状、会社のデスクトップPCをWindws7にして、新規にWindowsLiveのインストールしたら、こうなってしまった。ちなみにWindowsLiveのソフトウェア群のなかで、このLiveWriter以外はインストールしていません。
仕方がないのでいちおう動いていたノートPC(ThinkPadX200s OSはXP)でこれまで書いていたのだけれども、ソフトウェアの更新をしたら同じようになってしまった!
ほんっとに困る。 マイクロソフトにお願いしたいのは、有償でいいからちゃんとサポートのあるソフトをリリースしてくれないだろうか?ということだ、、、他に、いいソフトないのよ、、、
オリンパスが快進撃(?)を続けている。先日のカメラグランプリでは念願のグランプリ初戴冠。その主役はもちろんE-P1だ。元オリンパス使いの身からすれば、マイクロフォーサーズではなくフォーサーズシステムでの栄冠があればもっとよかったけれども、まあしかしマイクロの存在はカメラの歴史を変えた、ということは明らかだし、ふさわしいと思う。
ただし、、、
マイクロの中で、僕がより食指を動かしたくなるのはパナソニックのものだ。特にレンズのラインナップは充実している。本来、「レンズはオリンパス」という信頼あるブランドなのにもかかわらず、パナソニックの方がインプレッシブなレンズを多々、世に送り出しているのはどういうこと?
20mmF1.7は、フルサイズ機やAPS-C機に比べると「ぼけにくい」性質を、F1.7というすごいF値によって「ぼけさせることもできる」という評価に変えた。そして7-14mmという超広角レンズは、圧巻の品質。おまけにライカブランドから、マクロエルマリート45mmF2.8 という素晴らしい描写のマクロレンズまで出した。
つまり、もうすでにレンズラインナップの上で言えば、パナソニックのレンズで仕事しようと思えば、できないことはない(ほんとはまだ明るい標準ズームがないから苦しいけどね)と言うところに来ているのだ。
そこにようやく、オリンパス陣営から歴史に残るであろういいレンズが発売された。
実はダメ元でオリンパスのTさんに連絡してみたら、「一週間でよければお貸ししますよ」と! やった! じゃあ高知に持って行けるじゃんか! と狂喜乱舞して、そのまま新宿へ行き、カフェハイチの本店でドライカレー特盛りを食べながらレンズをお借りしたのである。
小さい、、、不覚にも、このレンズをつけE-P2の写真を撮っておくのを忘れたので、このレンズがどんなにか小さいか伝わりにくいだろう。オリンパスの上記Webにある、ふつうの一眼レフカメラに付ける、同等の超広角ズームレンズの大きさと、本品の比較イラストを見れば一目瞭然だ。
まあ、なんつったって155gだからね! ニコンのフルサイズ用の同等のズームレンズを買おうとしたら680gあるから、もう天と地ほどの違い。しかもこれ、画質は相当によいです。
マイクロフォーサーズの9mmは35mm版のフルサイズ機に換算すると18mmの超広角。だだーーんと足摺岬の突端の風景を収めることができる。
ふだんはニコンの24-70mmを使っているので、広角は24mmまでとなる。このレンズをつけたE-P2をぶら下げながら、広角で撮りたい時だけ構えて、シャッターを押す。お気づきかもしれないけど、オリンパスブルーと呼ばれる青空の深みのある青色も健在だ。
いやー いいねこれ! 迷わず買いでしょう。と思ってたら、先日のD700落下事件にみまわれたので、購入少し待ってね。
ただし、オリンパスに苦言をいいたい。それはボディのこと。ボディ性能がレンズ煮追いついていないような気がする。特にE-P1、E-P2。先頃でたE-PL1は使ってないのでわからないけど、、、
やっぱりフォーカスをもう少し何とかしないとダメだ。iPhoneのカメラやパナソニックのG2に搭載された、液晶パネルがタッチパネルになっていて、ピントを合わせたい位置をチョンとつつけば、フォーカスしてくれるというあのシステムが搭載されないと、機敏なAFができないよっ!
ということで、僕はマイクロ機もいいけれども、E-3後継機種に期待しています。これは買うつもりだしね、、、そのために一番好きな50mmマクロと50-200mmをまだ手放さずに持っているんだから。
久しぶりにカメラネタでした。実は宮崎でも強烈なカメラネタがあるので、時間を見て書きます。
先日、まだ皮が緑色で、内部もサクサクとしていて食えたもんじゃなかったあの宮崎県の西都市のバナナ。それが一日、二日のうちにググググッと黄色みがさしてきて、そこからは一気呵成、怒濤のごとくに熟れ出してきた。なんてったって、1週間前はこんな色だったんだからねぇ。
バナナ好きならわかるだろうけれども、バナナの外皮に黒い染みがどんどんできていくと、なんだか腐っているようにみえるけれどもさにあらず。それはシュガースポットと言って、甘みが増してきている証だ。
ただし、バナナ業界の人、特に室(ムロ)と呼ばれる施設で実際にバナナの房にエチレンガスを吸わせている専門家の人と話すと、決まって言われることがある。
「シュガースポットが出てきて熟してくると、甘みは増すけれども、もともと持っていた香りとかは消えちゃうから、できればその前に食べて欲しいんだよね」
ということだ。異口同音に、まだバナナの個性がのこっているうちに食べて欲しいと言われるのだ。そのきもちはよーくわかる。だから、段階的に食べていくのがいいんだよね、バナナは。
そういう意味ではちょっと熟れすぎになりつつある、遠山さんのバナナである。しかし、旨い!
遠山さんからのメッセージにあったように、やはりシュガースポットが出てくる前のほうが香りも高く個性があった。キャベンディッシュとは違う、もこもこ感のある果肉だ。
なにより、あんな立派なバナナ林が宮崎県内にあるっつーことがスゴイではないか。景色として見たときに本当にビックリする。
価格を超えた価値がありますよ、これは。
このバナナ、一本10本程度のハンドごとで緑色の状態で売り、安いS字型のバナナハンガーをつけて、自宅やオフィス(?)に吊り下げて、熟すのを眺めて愛でながら楽しむという売り方が委員じゃないかな、と思う。
遠山さん、ごちそうさまでした!今度はぜひお目にかかって、いろいろ話をおきかせください。
口蹄疫の話題からちょっと離れて、本道の食い倒れ日記です。口蹄疫のエントリはこちらへどうぞ。
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/cat18/index.html
朝一番でニコンサービスセンターへ。自宅にて食材の撮影中に三脚がスローモーションのように倒れ、固定してあったD700が落下。シャッターが切れなくなり泣きそうになっているのである。こんなのばっか。最終的に、修理費用でもう一台ボディが買えしまうんじゃないだろうか。
代替機を借りて銀座センター前で生い茂るガクアジサイをマクロ撮影。
うん綺麗だねぇ!やっぱりフルサイズ機だからなのだろうか、それとも上位機種だからだろうか、階調表現が豊かに感じるんだよね。これで、ペンタックスが出した645Dのように、ローパスフィルターをとっぱらうことができたら、いったいどんなにくっきりした写真になるんだろう。今後のニコンに期待する。
さてそのままTCATに向かって羽田空港へ。僕は木場に住んでいるので、羽田に行く際にはTCATか、豊洲駅前のバスターミナルからリムジンバスなのだ。あれが一番快適。
札幌便は中国人の旅行客がいーっぱい。機内アナウンスも、日本語より先に中国語アナウンスが流れたりしていた。本当に時代が動いているのを感じる。昔、台湾に行ったとき、向こうの女子大生の娘が「ヤマモトさん、台湾の女の子と付き合いたかったら、北海道に連れて行ってあげるって言えばいいですよ」と話してくれた。南国にとっては、雪降る光景がファンタジーらしい。いや、それ実行はしてませんよ。
新千歳でホクレンの出迎えの方々と落ち合って、まずは「蕎麦食べに行きましょう」。新千歳のおとなりの恵庭市に、ちょっとスゴイ店があるというのだ。
えーと 「しくんろう」と読むのでしょうか? 週末ともなると行列になる人気店で、ここは支店だそうだ。激シブな店内に期待は膨らむ!
ゆで汁を取り替えるところなので、お時間かかりますといわれたがもちろん大歓迎。そしておいでました大盛り天!
はい、だいたい予想していたけど、激太麺である!
グアッと緻密な蕎麦。香りとかそういうことよりも食感、食感!つゆにズドンと全面浸してズバババとすすりこむ。うむ、もう少し辛つゆだともっと蕎麦の食感に釣り合うと思うけど、旨い。
K野さんはスペシャル温そば。たまご、鶏肉、えび天が載ってる豪華版。
D場さんは冷やしたぬき。たぐる図を見ると、割り箸よりも太いのがわかるだろう。
さて食後は北広島(広島県じゃないよ、北海道の北広島。)に新しくホクレンがオープンする直売施設&レストラン&市民農園へ。現在急ピッチで建設中。
最近、直売所がらみの話が多いので、加工食品に関して少し自説をお話ししてきた。都府県の直売施設の条件と大きく違うのは、冬の間は雪でほぼ何も農産物が生産できない。その間は貯蔵もので対応するしかないということだ。かなり条件としては厳しい。けれどもここではレストラン事業や、すでにオープンしている市民農園などと絡めてやろうとしている。
なにより、「とにかく野菜を売って儲ける」という思想ではなく、北海道の農業をきちんと消費者に向けてPRしていくための場として考えているということに共感をもった。広告代理店にどかんと予算をおろすよりも、自分たちでこういう事業を地道に始めた方がいいじゃないか、ということだ。赤字になるかもしれないけど、消費者と直接対話できる場を作っていこうということ、という思想が、ホクレンにはあるらしい。
色んなところでホクレンは大きな権力として受け取られているけれども(僕もそう思っていた)、そういうステレオタイプなみかたでは見えてこないものがある。少なくとも僕のホクレンに対する考え方はここ2年で大きく変わりつつある。
そのホクレンとの関係を作ってくれた張本人、T尾氏は、なんと参事という役員にご昇進。おめでとうございます!我々出逢いの地である「またつ」へ。
ここからは、女将の妹さんが嫁いだ先で立ち上げた「またつ水産」の極上の海鮮が届き、それをマスターが料理しまくる「またつワールド」が炸裂!
前菜の刺身からこれだもんね。ボタンエビ、アワビ、鵡川で穫れた旬のシャコ、ホタテ。
「ホタテは手で割ってるから」とマスター。食感が、シャク、シャクという感じで繊維感がある!
そして絶品だったのがシャコ。
でかい!今日のはメスなのでお腹にたまごが。
以前、帯広の吟寿司で食ったシャコがあまりに旨くて東京で話してたら、「それはきっと東京産だ。北海道に旨いシャコなんて無い」という料理人がいた。けど、やっぱそれはウソだろう。北海道のシャコは旨いよ!
そして、、、こいつがもうヤバイ一品だったのである。
ウニに、8個分のウニを詰めて焼きました。 もうこれが、、、
こんな感じなのですよ!
ウニは生が好き、だけれども、加熱したものもまた旨みがドカンと拡がって美味しい。北関東の太平洋側でもウニを焼いたのがあるけれども、あれはきっちり火を通して別物の味になる。こちらは中がレア。そして控えめながらきっちり塩が効いているので、これ一つで2合は酒が飲めてしまう味だ。
そして今回最も美しかった一皿。
時鮭をミンチにして具と混ぜたものを開いた実で包み、表面をパリッと焼いたもの。この技法を「けんちん焼き」というらしい(聞き間違えてるかもしれませんが)。軽いバターソースで仕上げてある。
塩鮭になっていない生の鮭って、実は関東にいるとあまり食べることがない。そしてそれが別物だと言うこともよくわからないことが多い。時鮭の身は実に淡い儚いデリケートな風味で、一瞬フレンチレストランにいるんじゃないかという錯覚を起こしてしまった!
そして、淡雪のような綺麗な一品。
グリーンアスパラに乗っている、こんもりした白い丘はジャガイモのヴィシソワーズ風ソース。その内部には、、、
ホタテが詰まっていた。
「この人(T尾さん)が、ジャガイモばっかり持ち込んで来て『なにかこれで作ってくれ』 っていうからさぁ、ホント困るよね。俺、魚料理の人間なんだからね。」
とマスターが笑いながら言う。いやいや もの凄い幅の広さですよ!男爵のヴィシソワーズ風ソース、実にビシッと味が決まっている。
この太さのアスパラは今回、かなり苦労して手に入れたらしい。実は北海道では昨年同様、曇天と低温が続いていて、作物が育たない状況が続いている。本州向けの出荷も大幅に遅れている。昨年もジャガイモ、豆類が不作だったが、今年の状況も悪いのだ。
宮崎の口蹄疫だけではなく、どうもここ数年、食の第一次産業が大変だ。苦労なく美味しいものが食べられる時代は本当に終わったのではないかと思う。
さて、またつお得意のジャンボシイタケ料理。
今回は、エビしんじょが塗られている!
うーむ こいつは旨いよ、、、エビの風味とシイタケのグアニル酸の美味しさがマッチしている。この店のシイタケものはハズレがない。
そしてまたもや大技!
エゾアワビを蒸したものを鶏ガラスープの餡でいただく。実はまたつのマスターはラーメン屋をやろうかと思っていたこともあるくらいで、スープ作りはお手のもの。しかし、原価計算したら一杯2000円のラーメンになっちゃうからやめた、という人なのだ。
写真撮ってる間に、横のT尾さんがどんどん自分の食わないアワビを足してくる~!!
このアワビが驚くほどにふんわりと煮られている!プルンプルンクニョルンクニョリンである。
「あのね、こうやって柔らかくする煮方があるんだよ。」と詳しく教えてもらったけど、書かない!
ちなみにこれがエゾアワビ。アワビの大小はよくわからないけれども、でっかいのだそうだ。
そしてマスター、茶目っ気たっぷりにこんなものを出してきた。
ん?カレイの唐揚げのあんかけ?別にふつうじゃないの???
「あのね、道南の食べ方はね、ソースなんだよ。これ、中濃ソースとウスターと合わせて、その他いろいろからめてつくったあんなんだよ。」
ええええええええええええええええええええええええええええ ソースってあのソースかい!?
いやービックリしたけれども、これがまったく何の違和感もなく「美味しいじゃん」というお味。ソースの甘みと酸味がいい。そうか、中華餡は塩分にスープの旨み、酢の酸味、砂糖の甘みで作るけれども、ソースもほぼ同じ要素を持っているもんな。けれどもこれは驚いた。今日強く心に残った3品のうちの一つ。
このマスター、タダモノじゃないんだよね、、、
それにしてもいい男だよね、マスター。なんか俳優みたいでいやんなっちゃう。んで、美人のおかみさんなんだからしょうがない。
おかみさんのご実家は呉服屋さん!道理で和服の着こなしが素敵なはずなのだ。
はい、〆の一品。
いやっていうほどウニがぶち込まれた、ウニ雑炊!
これん、山わさび(ホースラディッシュ)を好きなだけすり下ろして投入。
いやもう絶品。山わさびのヅンとした揮発成分イソチオシアネートの風味が、ふんわりした薄味の雑炊にビンと筋を通す。こんなに↓あった雑炊が、すっかり空になりました。
いやー 旨かった! またつのお二人と、ホクレン軍団とで一枚。
この後、僕とT尾さん、M方さんは札幌ジンギスカンへいって、羊をたらふくいただいたのでした。うーん 久しぶりにここまで食った、、、
では本日、大仕事してきます。
尾崎さんのインタビューについて下記修正しました。各エントリには修正済みです。
前編
ワクチン接種4日前から → ワクチン接種後
後編
イギリスでは保証金が半分 → イギリスではなく韓国の話し
弁護士会からの義援金が400万 → 500万園の間違い
そして追加情報。
「もしボランティアに来ていただけるなら、1週間は来て欲しい。そしてその後1週間は出歩かない
で欲しい。ウイルス拡散防止のためです」
なかなか厳しい条件になりますが、このためにもボランティア基金が必要になるわけだ。なお、残念ながら今現在、ボランティアの窓口が色々あって、全ての窓口がこのボランティア基金の振り向け先になっているわけではないことに注意して欲しい。
ということを尾崎さんと電話で話していたのが朝。コンサルの仕事が終わり、昼飯を食って次のお客さんと会ったとたんに「鳩山さん、辞任だね。いま号外出てる」と言われ、呆然とした。
昨日の宮崎訪問は、、、 警護や現場の人が来庁するための準備やあれやこれやは何だったのだろう。と思っていたら、尾崎さんがTwitterで一言。
「昨日の鳩山総理大臣訪宮の意味 - 残り少ない総理の任期を宮崎の口蹄疫対策を国が責任を持っておこなう。と、念を押しにわざわざチャーター機を使って来てくれたのだと心から思いたい! 」(@ozakibeef)
そうですね、ホントそう願いましょう。
今朝書いたように、宮崎市内のホテルはキャンセル続出でどこも大変な状態らしい。僕が愛用するエアラインホテルで今朝、朝飯を食う。よくあるビュッフェスタイルだけど冷汁などの郷土の味もあって、気に入っている。ウェイトレスさんがものすごくフレンドリーで、おかずをいろいろとってくれたり、冷や汁の具のことまで厨房で聴いてきてくれる。フレンドリーなのは宮崎の県民気質だろう。いいホテルが稼働しないのはもったいないな。
いっそ、ボランティアに来てくれた人が、終了後の一週間を防疫体制バッチリな状態で、ボランティア基金から補助も出て泊まれるホテルなんてのがあったらいいのではないか?なんて思った。
さてここからは食い倒れ日記。昼飯は一番街商店街のろじうらにあるキッチンノブ(nob)。Y氏が「カレーが旨い」と押してくれた。
シノワで一切を漉した、サラサラのルーのみ。それを補う具材として野菜コロッケが載っている。
手間暇をかけた欧風カレー、おちついた味で佳し。しかも「ルーが足りなかったら足しますので」といってくれる。ご飯は300g。もちろんルーを足してもらった。
それだけじゃつまらないので本日のパスタ。芝エビで作ったソースアメリケーヌのパスタだという。
うん、素晴らしい。アメリケーヌといっても濃度があるものではなく、さらりと仕上げている。けど、柔らかなエビの甘みと旨みが凝縮されたパスタです。芝エビは素揚げされているのか、殻も食べてしまえますということだけど、先端の角の部分はちょっと堅いので、よく噛まないと胃が痛くなるかもよ。
このたびめでたく宮崎県内の某道の駅の指定管理者に就任したU氏に空港に送ってもらい、空港2階の喫茶コーナーへ。実はここで食べられる「ガンジスカレー」680円が異様に旨い。
キッチンノブとは対照的にどろりとかなりの濃度を誇る小麦ルー系だけど、細かく切られた肉、まろやかな甘み、実に素晴らしい!
実は宮崎にはローカルなカレー屋が結構ある。まだ攻めてないところばかり。はやくばんばん圏内の移動ができるようになって、いろいろ攻めてみたいと思う。
さて、明日から北海道だ。
■観光・飲食・物販すべてがストップしている
「これから夏の暑い時期になって現場の人間がつらいこともあるけど、それ以上に天候が変動するのが怖い。梅雨で雨が降る。それを越すと台風が来る。」宮崎空港をおりると、物々しい雰囲気。そうか、総理が来るんだったっけ。僕が空港から車で市内へ移動する最中、おそらくあれが首相が乗っている便であろう飛行機が着陸態勢に入っていた。
「県の人間はいま口蹄疫対策で人員も足りずしっちゃかめっちゃかなのに、総理が来るとまたその警護やらなにやらで大変なんですけどね」
と迎えに来てくれたKさん。いま、宮崎県で深刻なのは、畜産農家以外の宮崎経済への打撃だそうだ。例えば観光関連でホテル宿泊は8割減だそうだ。あるホテルなど2ヶ月先までの1000件くらいの予約がキャンセルになったらしい。大きなコンベンションなどは軒並み中止で、運動会などのイベントも取りやめ。だから、それに伴うお弁当や物販もすべてキャンセル。橘通りを歩いても、如実に人が少なくなっていることがわかる。
「宮崎県庁の広報がらみの部署はいま大変です。なにかというと、全国から『宮崎県は何をやってるんだ!』というクレームの電話が殺到しているんです。その対応でおおわらわですよ。」
うーん 気持ちはわかるが、、、県の職員も農協などもみな、一人でも現場対応に送り出さなければならない状況なのだから、クレーム電話なんて無駄なことは辞めていただきたいものだ。この事象は、まだ起こっていないどこの他都道府県でも起こりうる話なのだから。まだ口蹄疫が発生していないみんな、運がいいだけなんですよ。
宮崎県がいまいろんな体験をしているが、しかるべき時期にきちんと頭から検証し直して、マニュアル化しなければならないというのは本当だ。しかしもちろん、その時期は今ではない。
■「水が出る」ということ
雨が降っている。不快指数が上がっている。先に書いた尾崎畜産の尾崎社長の言葉で、重大な見落としをしていた。後編の冒頭にこんな言葉がある。
「これから夏の暑い時期になって現場の人間がつらいこともあるけど、それ以上に天候が変動するのが怖い。梅雨で雨が降る。それを越すと台風が来る。」
実はここに、もう一文、重要な言葉が入っていた。
「これから夏の暑い時期になって現場の人間がつらいこともあるけど、それ以上に天候が変動するのが怖い。梅雨で雨が降る。水が出る。それを越すと台風が来る。」
赤字で示したように「水が出る」という一言があったのだ。けれども、それよくわからんなぁ、きっと雨が降ってそれが溜まるとかいう意味だろうな、と流してしまっていた。実は、宮崎の広い範囲でそうらしいのだが、梅雨の季節に地面を掘ると、水がジュクジュクと滲みだしてくるらしい。それがいちじるしく土木などの作業性を損なうらしく、そのことを尾崎さんは言っていたのだ!
■お酢について
先日僕が尾崎さんに会うときにしていたマスクの対応、お酢の殺菌について、福岡県のTさんより注意があった。それは、目や鼻の粘膜にもウイルスは付着するよ、ということ。つまりマスク&お酢の希釈液での殺菌も、効果の限りがあるのだから過信してはいけないと言うことだ。うんそうだろう、僕も、耳の穴とかは洗えないもんなぁ、と思ってはいた。だから防疫にあたるひとたちは防護服を着たり、耳まで隠せるキャップをかぶって、素肌の露出を極力抑えているわけだ。
ただし東京のど真ん中でさすがにそれをしながらスターバックスに入るのは難しい。できる限りのことしかできなかったことは事実です。先日のエントリでは、今後、口蹄疫にみまわれている当事者と会うことがある人への参考になればと思って、大策先生のアドバイスについて書いたけれども、あれですべてOKという考え方はしないでいただきたい。本当はやはり、防護服なんだろうなぁ。
■先日の「冷凍コンテナ」について
また尾崎さんがいう「冷凍コンテナが必要」の話しに対しても、こういう意見が寄せられた。
ウイルスは宿主が死んだら、急速に体内のPHが代わり、それによって死滅する(ただし埋設は不可欠)。けれども冷凍してしまうと、PHが保たれてしまうのでウイルスの不活性かは無理ではないでしょうか?ウイルスの不活性化が確認されないうちは、「とっとと冷凍」という発想はいけないと思います。
http://ss.niah.affrc.go.jp/disease/FMD/japan/murakami.html
表5.口蹄疫ウイルスの生存期間(1) という表の上の文章あたりになりますかね。
冷凍すれば、ウイルスの生存期間が長くなるのですよ。その後の取り扱いも難しくなります。やっと埋設が本格化するようですが・・まずは患畜殺処分後、直ちに冷凍、というのはこの場合、保管を厳重にしないと問題だと思います。
なるほど、冷凍することによってウイルスは保持されてしまうらしい。であれば、子豚の亡骸を冷凍コンテナに移す場合、ウイルスが死滅する十分な期間をおいてからでないと意味がなさそうだ。ただその期間は上の表を見る限り1~3日なので、腐敗するギリギリのところで冷凍に移すことができるかもしれない。 貴重なご意見ありがとうございました。
これから仕事に出て、午後に宮崎を発ちます。こちらは雨が酷い。作業に出ておられる方々のつらさを思うと、やりきれない。
前回エントリの続きです。土曜日の段階での話なので、時点が古くなっている情報があるのはご容赦ください。すべて尾崎さんの仰ったことをできるだけ手を入れずにかいたつもりですが、文責は私にあります。前回同様、尾崎さんの意図と違うことを書いている可能性もあり、ご本人から指摘が会った場合には速攻で修正しますのでご了承ください。
その前に、宮崎県出身の友人が、google earth上に口蹄疫発生場所をプロットしたものを作成してくれました。
5/30時点でのOIEの口蹄疫発生状況のデータを取り込んで見ました。
グーグルマップの上部メニュー「ファイル>開く」でファイル名として下記のURLを入力します。
http://miyazaki.nagatomo.com/fmd.kml
OIEの発表している221件を全てマッピングしてあります。このデータが宮崎支援、口蹄疫の対策に役に立てれば幸いです。ただ、OIEへの登録の際の農水側ミスか、2,3変なデータがあります。
変なデータ。
ID 12998
ID 12771上記の変なデータもOIEでも同じ座標を示しています。
とのことだ。僕はgoogle earthをつかってないので、試しにブラウザでGoogleMapのほうを開いて、検索欄に上記URLを貼って検索ボタンを押すと、二次元でもちゃんと表示されます。Google earthだとこれが三次元になるらしい。
こんな風に発生しているのだ、ということが視覚的にわかるかと思います。ちなみにえびの市の完成事例は、封じ込めに成功しているようです。関係者の努力に頭が下がります。
上記の@dogenkasentoさんも出身地宮崎のためになにかしないと、と思っていた人です。最初の発症事例の時から僕に連絡くれていました。ありがとうね、Nさん。
では尾崎さんのお話です。
■リングワクチネーションでとにかく早期に終結させなければ、さらなる悲劇が起こる
とにかく重要なのは、できるだけここ数週間で封じ込めなければいけないということ。これから夏の暑い時期になって現場の人間がつらいこともあるけど、それ以上に天候が変動するのが怖い。梅雨で雨が降る。それを越すと台風が来る。台風なんかきたら、ウイルスが全国へ飛んでしまうのではないかと非常に怖い。九州だけの問題ではなくなってくるだろう。
現実的な方法としてはリングワクチネーションで感染拡大を停めなければいけない。これまでは国も県も現場も、力の使い方がうまくいってなかった。ようやく特措法が成立したので、これからはとにかく早く対策を進めて欲しい。
■口蹄疫対策は、各県の単独予算で対応できるような問題じゃない
対策に使う予算があるよという背景が無ければ、どういう対策を実施しますということが言えるわけがない。宮崎のような貧乏県が費用を用意できるはずがないでしょ。一週間前に首相が対策本部長になって1千億用意したと報道ができたが、よみうりテレビが財務省に確認したら100億という。
うーん なんなのよそれ。 右往左往している。全く機能していない。だから特措法が決まって本当によかった。
■搬出制限区域の畜産農家たちの悲劇
さて現場はともかく、
残りの20キロ圏内は搬出制限区域。出荷をしたらダメ。新富にでたから、そこから20km圏内に入るので出荷を止めてくれと言われた。
うちの場合は会社の運営に3000万/月かかる。ほとんどがえさ代と人件費。すぐに支払いがあるところとしか付き合わないから、運転資金の枯渇はこれまでなかったけど、牛が売れなければもうどうにも金がまわらない。
銀行に行って月末の人件費・えさ代を貸してくれと言ったら、「今回は貸すけど、企業努力もしてくださいね」と言われた。銀行のいう経営努力は人を切ること。
うちで昔から働いてくれている事務員が4人いるけど、3人の首を泣く泣く切った。牛も財産だが人間も財産。それを手放さざるを得ない。
搬出制限区域の人たちには、感染しなくとも一日一日経費が発生する。それをどうしたらいいんやというのが心情。本当の悲劇はその辺にある。殺処分のケアだけではなく、ちゅうぶらりんになっているところのケアも本当は考えなければならない。だって、彼らは好んでそういう事態になっているわけではない、法に基づいてそうさせられているのだから。
現在すでに貯まっている17000頭の牛を処理するのに、一日60頭のと場で早期出荷できるわけがない。子牛も妊娠牛もいる。本当はお腹にいる子牛や育成中の子牛は商品になるまで持っておきたい。妊娠牛もぜったいに殺したくない。一番つらいんだよ。
■補償は「元の経営ができるようにしてくれ」
しかも補償の内容もほとんど決まっていない。僕は15億の借金をしているけど、もれきこえてくる査定額でいうと9億しか出せませんねと言っているわけ。ワクチンして埋めたら3年間は何もしたらいかんと言われている。そうしたらどう生きていけばいいのか。うちでは23人現場でも雇用している。
再起しようといっても、いきなり元の1500頭入れましょうということはできない。月に30頭ずつのローテーション出荷をするのに4年かけた。でも、いまこの状況で社員を2/3は切らないといけない。それが何よりもつらい。
うちのスタッフはみんな優秀だから、全国どこの牧場に紹介してもひけをとらない自信がある。で、うちの経営が元に戻るまでに3年かかる。そうなったときに、彼らは3年後にはそれぞれ再就職した牧場でチームリーダー格になってるはず。それを帰ってこいとは言えないわけです。
牛は、母牛から考えると出荷までに5年かかる。うちの尾崎牛プレミアムというのは、うちの牧場の母牛で産んだものだけなので出荷までに48ヶ月かかる。国は全額補償といってるけど、その「全額」の根拠がない。実体は牛の個体そのものだけの補償に留まっているでしょ。人件費などはまったくない。尾崎牛を送り出すまでに長いことかかっている。原材料だけ全額補償となる。工場の償還とかはどうなるのかというと、それは知りませんということになる。
そういうことになると、怖いのは、感染牛らしい兆候の牛が出たとしても隠蔽しようとする人も出てくる。だって、出たらもう自分は絶対に廃業、もしかすると破産するかもしれない。周りからも非難される。そうなったときに、正直に「うちから出た」って言える自信があなたにはありますか?
だから、補償額の詳細については、細部を早々に詰めるというよりは、100頭飼ってるところにはまた100頭飼えるだけの手当をしてやってください、としか言えない。
■現行の家伝法の不備と今後のマニュアル化の重要性。イギリスはウイルスに対テロ組織を投入したのに。
家伝法は諸外国の法律をとりあえずもってきたようなもの。だから、他国のように広大な面積があることが前提になってるんだ。しかし日本には土地がないんだよ。だから現実的でないということになっているわけ。
いまから宮崎版マニュアルみたいなのをを作らないといけない。いままでは日本をとりまく海がウイルスを停めてくれていた。でもいまはアジアから観光客が来てる。その靴の裏の泥までは対応できないでしょ。
ウイルス対人間の戦争なんですよ。イギリスで口蹄疫が発生した場合は、時の首相は対テロ組織を投入したんだよ。だって、イギリスは牛や豚に加えて、綿羊(ウール)とかもあって、もしこれが全滅したら国家予算が成り立たないっていう判断があった。だから、いくらかかっても根絶しないと国が潰れるっていう覚悟でやっている。日本だって、全国に蔓延したらどれだけの国家的損失になるか。
ちなみに イギリス韓国の場合は殺処分になった農家には、翌日は補償金の半額が仮渡しされた。だから農家も素直に応じたわけ。日本では再生産できない金額しか出ないとなると、さっきも言ったように動かないよ。だから、。口蹄疫が出たらすぐ報告させるような背景となる金額を出すしかありません。
■尾崎牛のこれから
45年やってこれかということになってる。思えばいままで、牛肉自由化、BSEで被った借金がやっと半分になったと思ったら、口蹄疫でまた借金。牛でお金持ちになれん。子供にやれともいえんから、うちは子供に継げと言ってないよ。
でも、僕はもう一回チャレンジしようと思っている。宝物のような社員をなんとかしたい。昔、BSEのときには、取引先からキャンセルの電話がかかってきた。
「やっぱり消費者が嫌がるから」ってね。
けど、今回は違うんだ。「早く送ってくれ」と言う。なんでこんな状況なのに買ってくれるの??といったら「当たり前よ」と言ってくれる。うちは肉の作り手・使い手とちゃんと繋がってきたから売ることができた。
復活するのに今回は最悪、3年かかるかもしれないといったら、いまある在庫ぜんぶちょうだいと言われた。3年間、尾崎牛の味を忘れんように、毎日冷凍庫から一切れずつ切って出すと言ってくれる。
農家はみんな「あんた達の牛・豚が欲しい」といってくれないとやる気が起きない。もうこんな仕事、やりたくないと思っている。だから心の支援をお願いしたい。
口蹄疫はまだまだ現在進行形。その次の話ではない。
偶蹄類ってのはほとんどが家畜です。それがぜんぶやられるということ。その国が滅ぶということ。国産の家畜が全滅したら、外国のものをむこうの言い値で仕入れないといけなくなる。「口蹄疫は国を滅ぼす」というのはそういうことなんです。
宮崎県の半分側に、牛と豚が一頭もいなくなる。これから宮崎県が一番欲しい人材は、この地域で再生産計画を作ることができる人。宮崎のブランド復興をできるだけの人材が欲しいんです。
■ボランティア募金
最後に、いま僕が所属している宮崎県農業法人経営者協会に宮崎県の弁護士会が協力してくれて、ボランティア支援基金を設立してくれました。弁護士さんたちが積み立ててきた400万円500万円を、出してくれたんです。
いま、県外からボランティアが来てくれているけれども、彼らはどこに泊まるか、どう移動するかということでぜんぶ自費でやることになっちゃう。対策費は現場にしか下りないですからね。そうなったらせっかくボランティアしにきてくれたのに、十分に動けないでしょう。そういう人たちの宿泊とかの基金にするための募金です。
口蹄疫が終わってから配分される募金も重要だけど、いま使える募金がないといけないんです。ご協力をお願いしたいと思います。
■【宮崎県弁護士会緊急ボランティア支援基金】創設のお知らせ
http://www.power-miyazaki.net/hojin/2010/05/post_186.html
(以上)
「このあと、また人に会わんといかんから」と、尾崎さんと星野さんはすぐに席を立った。見送った後、なるべくそっとマスクを外してビニール袋に入れ、ギュッと縛って帰宅。家に入ったら速攻で風呂にひっさしぶりに買ったミツカンの雑穀酢をどぼどぼ入れ、100倍希釈と教えてもらったけれども80倍希釈くらいの濃さにして着衣を全て漬け、僕も頭から漬かった。靴底も酢水につけて表面も酢水を含ませて拭く。持参したカメラやICレコーダーはすべて殺菌用アルコール(純度75%)を含ませた脱脂綿で拭いた後、脱脂綿をコンロの火で燃やす。アルコールランプみたいなものだからよく燃えた。
ここまでやってどっと疲れた。こんな、なんちゃって防疫・消毒でこれだけ手間がかかり、神経を使うのに、本格的な防疫業務についている人はどんなに大変だろう、と思う。特にこれから暑くなっていく南国・宮崎での不快指数はすさまじいことになるだろう。現場の方々の心身の健康状態が本当に心配だ。せめて、生活に心配がないだけの措置をしてあげたいと心から思う。
明日(というか今日ですね)から一泊で宮崎に行きます。といっても家畜関係の仕事ではないので、宮崎市内から一歩も出ません。けれども、上記と同じような消毒処理をして、飛行機に乗る前に全身を消毒スプレーかけて乗ろうと思います。
今週後半に出張する他県にも「僕が宮崎から帰ってすぐにそちらに行きますので、畜産関係者さんで気になる方はいらっしゃらない方がいいかもしれません」と予告しておく。もちろん、宮崎に着ていったもの、同じ靴は絶対に履かないつもりだ。
口蹄疫がどんな風に伝播するのかよくわかっていない以上、自分自身に疑ってかかるしかない。
今日もある雑誌社の記者さんが来て、口蹄疫についての取材をされていった。そして途方に暮れていた。和牛のことだけを理解するにも一日以上かかるのに、養豚のことも理解しないといけない。その生産のことだけじゃなく流通のことまで。僕は15年かけて農と食の業界の理解をしてきた。それをどんなにはしょっても、数時間では伝えきれない。数年経ったら他の部署に異動させられてしまう、農と食のバックボーンのない記者さんが、きちんとした記事を書くのは大変だ。
マスコミのおかしな報道は、もしかすると単に「よくわからない」から、起こっていることなのかもしれないな、と思ってしまった。
さて、一ヶ月ぶりの宮崎の空気がどんな風になっているだろうか。そろそろ寝ます。