先のエントリに15時からラジオ出演と書きましたが、1時間おそく間違いました。
NHKラジオ第一放送
14時~14時半
でした~!
毎週月曜日に放送されているNHKラジオの番組「ビュッフェ131」で、今年何回も野菜を番組あてに送っていただいた、山形県白鷹町のまあどんな会の佐藤洋子さんが電話出演する。
【日本全国・お正月料理 ~あなたの‘守りたい味’はなんですか?~】
●29日(土) 17時~19時
(*天皇杯サッカーが延長の場合、開始時間遅延の可能性アリ)
開始時間がその時にならないと分からないのだけども、漬物のつけ込み最盛期を迎えている白鷹町の郷土食のことを話してくれるはずだ。今日の17~19時、家にいる人はラジオを合わせておいてもらえると嬉しい。
そして明日、同じく「あなたの守りたい”食”」というコーナーにて、僕が14時から出演する。
食い倒れの話し、、、ではない。話す内容は、今年頻発した食の事件に関してと、これから日本という社会が、食に関してどのようなことをしていくべきかという話しだ。興味のある人はどうぞ聴いてください。
なお、番組内で一曲、今年の僕を象徴する曲を流すことが出来るというので、、、
今年自分の中で大ブレイクしたバンドPOLYSICSの曲をリクエストしておいた。流れると嬉しいなぁ。
今日はこれから嫁さんの友人達のために短角牛を焼きます。
表題の件、新年あけて1月19日(土)に開催されることになった。いままで平日とかでは来にくかった料理人さんがいることもあり、土曜日夜の営業にも何とか間に合うようにということで日中に設定した。

今回の食材であるネギだが、東日本で主流の長ネギ、そして西日本で主流の青ネギ(葉ネギ)を軸に、在来品種なども含め、そうそうたるラインナップでお送りすることになる。
写真は、そこで出品する一つ、あまりにも有名な下仁田ネギである。

作物の力を感じずにはいられない。

鍋に入れ加熱すると、中心部がとろりとマグマのようにとろけだすわけだが、その甘さ、風味たるや半端ではない。食べてるこちらがとろけてしまった、、、
今回は、ものすごい方々に登場していただくことになっている。
まず、先日の京都で本物の九条ネギをいただいた!のエントリに登場された日産種苗の舟橋さんに、ネギの育種とはどんなものなのかをお話しいただく。

そして、
古いブログ読者さんは「おー」と声を上げられるかもしれないが、千住のネギ専門市場の仲買「葱茂」の安藤君には、長ネギの目利きの観点からお話をいただく。

食べていただくのは下記のような品種群だ。
白ネギ:
2品種程度
千住ネギ(品種名は未定、埼玉県近辺)
葉ネギ:
九条ネギ (伏見)
九条ネギ (他地域)
在来ネギ:
平田赤ネギ(山形県庄内地方)
下仁田ネギ(群馬県)
西洋ネギ:
ポロネギ(神奈川県)
ポロネギ(海外産)
最近、ポロ葱の国内産の品質が上がってきていることをご存じだろうか?
そういうことを含めかなりおもしろい内容になると思われるので、ぜひご参加いただきたい。
「料理人のための」と題しているけど、最近の回では百貨店や小売店のバイヤーさんなどもいらっしゃっているので、どういう立場の方でもご参加いただけると思っていただいていいと思う。
詳しくは下記にどうぞ。
■柴田書店 料理人のための食材研究会 募集要項
http://www.shibatashoten.co.jp/modules/eguide/event.php?eid=81

今、出ている週アスの「旅三昧」で取り上げている、岐阜県恵那市の和菓子メーカー、恵那川上屋の菓子はすごい!
和菓子も洋菓子も、ものすごい完成度であり、しかも素材へのこだわりが半端じゃない。
日本で菓子を作ると、だいたいは無国籍な、その土地にある意味がないものによってしまいがちだが、恵那川上屋はここ岐阜の恵那市でなければ生み出せないものを創作している。というところに感動してしまった。
詳しくは、アスキーブログに書いておいたのでごらんいただきたい!
久々に甘いものばかり食べたぜ、、、
うぎゃー 書くぞ!
やっぱり帯広なんである。とある取材にて一泊二日。というか、前泊~翌日午後帰りという超・過密スケジュールだが、そうはいっても最大限に楽しまなければイカン!
ということで最大限に楽しむべく夜を最大活用したのである。
空港から帯広駅前、ホテルパコへチェックイン。「パコ」ってなんだ、ラブホか?と思われるかもしれないが、れっきとしたビジネスホテルである。帯広駅から徒歩3分、そして大浴場付き。なぜか、いつも同じみのJA幕別の用事で訪れると必ず「じゃあ、パコとっとくわ」と指定されてしまうので、僕ももうここしか泊まらないみたいな感じなんである。
で、まずはオフクロの味的最強居酒屋「かかし」にて乾杯。
引き戸をあけると女将さんが「あらぁ~いらっしゃい!」と迎えてくれる。
ここは週刊アスキーの連載「旅三昧」の帯広編で取材させてもらったのだ。二階に上がると、もう顔見知りになったおばちゃんが、「大女将がね、さっきまでヤマケンさんにあいたいって待ってたんだけどね、、、ついさっき、戻っちゃったのよ」。ああ、この店の大女将はアイデア料理を数々生み出した名物お母さんなのだ。残念。

ニシンの切り込み、旨し!
ニシンの身を麹でつけ込んであるのだろうか、実に実になれてて最高の酒のアテである。

これぞ大女将が生み出したオリジナル料理、「雪とら」。短冊より太めに切った切り餅を高温で揚げたものに、大根おろしを大量にかけてある。それだけ?と思われるかもしれないが、実に旨いのダ、、、秘密があるに違いない。

真つぶ貝刺身。コリコリ美味しゅうございます。鮮度が違う、、、

ほっけ! 都府県で食べるほっけとは塩加減の浅さが違う!
同行した取材スタッフも「東京の居酒屋と味が違います!」と興奮。

本物のししゃも。雄と雌一匹ずついただく。味も香りも全く違うのである。
と、この辺でJA幕別の岡坂さん、ノムさんコンビから連絡が入る。
「早くでてこいよー 「鳥せい」でまってるから」
おおっと「鳥せい」か!
ここには一度入ってみたかったのだ。

鳥せい 帯広中央店
帯広市西1条南10丁目
0155-23-8989
「若鶏の鳥せい」は、北海道の十勝を中心に30店舗を展開するチェーンだ。たしか富良野でもみかけたとおもうんだけど、Webをみると十勝と札幌、釧路管内だけのようだ。あれは幻影か?
十勝の札内で若鶏を飼育しているようだが、Webをみるといろいろおもしろい。配合飼料にヨモギや海藻類など混ぜているらしい。ちなみに若鶏というのは一般に、ブロイラーのオスを指す。ブロイラーのオスは急激に大きくなるため、50日以上を超えて飼いすぎると足の骨が折れてしまうくらいに成長することもある。そのため、45日以内に早めに出荷するのを「若鶏」と称するということだ。
まあそれはともかく岡坂さんノムさんコンビとご対面。

なんだかあまり懐かしい気がしない、、、のも当然で、最近はだいたい3ヶ月ごとに会っている気がする(笑)

鶏精肉の焼いたものをむしゃむしゃたべると、看板通りあっさりした味。
「あのなあヤマケン、俺たちにとっちゃぁこれがケンタッキーの代わりなんだよ。でもな、ケンタッキーよりうめぇぞ!この唐揚げくってみろや」

むむ、確かに旨い!
なんの変哲もない唐揚げなのだが、若鶏特有のあっさり感に合う、軽い揚げ衣である。
「旨いだろ。けどな、ここで一番旨いのは、炭火焼きなんだよ。」
といって間髪いれず出てきたのが、若鶏の半身がまるごとこんがり焼かれたものだ!

この写真だと半身丸ごとに見えるが、実際は骨付きモモ、胸肉、手羽先の3ピースに分かれている。

これがたしかに実に旨い! 鶏肉のうま味というのは、70日以上飼育しないとアミノ酸として発生しないので、50日以下で出荷してしまうブロイラーは「うま味のある鶏肉」にはなりえない。その分、塩をきっちりして、水分を脱水できる調理法、たとえばあぶり焼きなどにすれば美味しいものになる。この鳥せいの炭火焼きは、じっくり直火で水分をぬいているようで、ほどよい凝縮感が感じられて美味しいのである。それに鶏の素性がいいようで、肉の繊維が気持ちよく歯に伝わってくる。
いやーなかなかナイス。
「しっかしヤマケン食うの早いな、相変わらず」
といわれながら店を出る。そして向かうのは、、、
なんと「鳥せい」のすぐ隣にある「吟寿司」である!このブログを前からごらんの方であれば説明するまでもないだろう、牛トロ寿司の店である。まだ知らない人は右上の検索窓で「吟寿司」で検索どーゾ。
吟ずしにて取材スタッフとまた合流。いいかげんみな腹一杯になっている。僕もこの時点で「かかし」での酒のアテ類と、若鶏一羽分くらい平らげてるから、ちょっとツライ。けど、ちょっと寿司をつまみたいという気持ちがみんなにあるのだった。
しかし、、、実際にはここから怒濤の金ちゃん責めが来たのである!

「じゃあ、ボタンエビは二種類食べてもらおうね。本物と、ちょっと落ちるものがあるんだよ!」
ええ?ボタンエビって種類があるの????
といいつつまずは〆鯖。

脂ののった甘めの酢に〆られた鯖が、ふうわりと溶ろける、、、
そして問題のボタンエビ。

しっぽの色の濃い左側のが「本物」だそうだ。
しかし、、、
「本物じゃない方でもむちゃくちゃ旨いんだけど!」
ほんとだ、、、いつも都内で食べてるボタンエビよりは確実に旨いのだ。
で、「本物」の方は、、、

なるほど、食感と味の細かさが、こちらのほうが上である。ただ、「別物」の方もそれほど落ちるわけではなかった。ていうかどっちも旨いよ~ん

シャコは残念ながらメスの卵いりのみ。
これに加えてオスが実に旨いのだ。次回は絶対にオスがある時に来たい。
そして、、、この時期の北海道といえばコレしかない!

真鱈の白子、「まだち」だ!
「ひゃー 溶ける!旨い!」
という声を尻目に、岡坂さんが「金ちゃん、あれ、食わせてやるかぁ」と。
金ちゃんも「ん、 そうだねぇ 普通は絶対に出さないんだけどね」
といって、まだちを網に載せてあぶり出した!

「炙りマダチ」である。
これは、通常に頼んでも出てこないそうなので、ご容赦ください。どうすれば出してもらえるのかは、わかりません!けど、こいつは、、、グレードの高いベシャメルソースに、濃厚なフュメ・ド・ポワゾンを加えたかのような、活性化したうま味となめらかさの合体物である!ものすごく旨い!
これを食べるために、この冬また帯広に行きたい、、、
そしてようやく牛トロ寿司に行き着くのである。

もう何も言うまい。
そして牛トロ巻き。

生いくら。

そして、牛トロ、ウニ、イカ、かんぴょうなどが入るオールスター戦、牛トロ太巻きである。

なんと驚いたことに、「もう腹一杯です」といっていた取材スタッフが全員ここまで一緒に平らげる!
それだけすんなり入ってしまう寿司だったのである。いやー吟寿司はやっぱり旨い!
吟寿司を後にして、取材スタッフの皆さんは明日の仕込みのため、ホテルへ。
俺は帰れない、、、
いつもの「五番館」ビルにて、ノムさんのコブクロ熱唱。

さて、〆の〆に(よく食うな、俺!)以前書いた、五番館ビルの横にあるローヤルプラザビル一階にある、カレーが旨い立ち食いうどんやさんに行こうとしたが、残念ながら店じまい!
「おう、じゃあパコの近くにあるもう一軒の方にいくべやー」
ということで、おそくまでやってる「いち庵」へ。


もちろんオーダーは
「天ぷらカレーそば月見」である。
ここのおばちゃんがなかなかのくせ者で、最初のオーダー時に4回くらい「カレーそばに天ぷらのっけて、卵もね」と言ってるのに、「はいよ」と出てきたのは、ごらんの通りただのカレーそばであった(笑)

気を取り直してこちらが「天ぷらカレーそば月見」。

こちらの天ぷらはミニサイズ。これらをドロドロに混ぜてたべるのである。
ほっとする味だった、、、
食い過ぎの夜、終了。
そして翌日!

快晴の中、取材は順調に進んだ。おかげで昼飯はきっちりと、取材先の近所にあるインデアンカレーである。

オーダーはもちろん、帯広インデアンカレーで最も高いメニューとなる「シーフードカツカレー」である。

何度も言うけど旨い!
東京のカレー屋とは食材のレベルが違うのだろうか。シーフードカレー大好きである。


午後2時、取材を終え、3時半の飛行機に乗るため、急いで帯広空港へ向かう。

が!
その途中でセイコーマート発見。セイコーマートといえば、、、

出た!
ハセガワストアのやきとり弁当!
豚肉だけどもやきとり弁当!
これを食わずに帰る訳にはいかない。

これもぜひ都内のコンビニで実現して欲しい弁当で、その場でオーダーを受けてから、肉を焼き始めるのである。焼き上がったら甘辛ダレにどぽっとつけて、のりをしいたご飯の上へ。


私腹、いや至福の時である。空港に向かう車中でごちそうさま。
実はこのほかにもセイコーマートはサンドイッチが旨い。ので2つ買う。
さらに、サンドイッチといえばマスヤの白スパサンドを買わずには帰れない、、、ので、空港に着いてからゲット!
そんな帯広行でした。
えーと
本エントリに出てきたのは、すべて一泊二日内での出来事でした(笑)
撮影はすべてオリンパスE-3 レンズは12-60mmSWD。フラッシュは持って行ったけど一切使わなかった。暗めに写ったものはSilkyPixでトーンカーブを使って露出補正。換えのレンズも持って行ったんだけど、マイナス10℃を超える寒さでは、レンズ交換などできないということがよーくわかったのである、、、
いやー
やっと、本の原稿のメインの部分を書き終わりました、、、
前書きと後書き、そのほか諸々は残ってますが、、、
これでようやくブログも心おきなく(笑)書くことができます。
と思ったら年末。はやいですな、、、
「素材にこだわる」というのは、飲食店で力を入れる最もわかりやすい部分だ。そのこだわり方にもいろんなレベルがあって、たとえば農家から直接野菜を宅配で仕入れていたり、養豚業者さんに頼んで、特別な餌をやって通常よりも肥育期間を長くして、などなど、思い思いのこだわりを反映していると思う。

当然のことだけど、素材に最も肉薄できるのは生産者自身だ。そうなると生産者がレストランをやればいい、ということになりそうだが、まず当たり前のことだけど生産者が固定されてしまう。全部の素材を高いレベルで生産できる人ならいいけど、そんなスーパー生産者は、残念ながらそうはいない。
実は、生産者に限りなく近い立場で流通をしている人が店をやるというのが、現実的な解だと僕は思う。複数産地を持っているわけだから、それぞれの素材で技術の高い生産者のものを揃えられるし、だいいち食材を卸値で仕入れることができるからだ。
そういう言う意味では、広尾駅から歩いて7分のところに位置する「山藤」はかなりいいスタンスを持っていた。なにせ、日本最大クラスの有機・特別栽培農産物や畜産物・海産物・調味料などを取り扱う「大地を守る会」の直営店だからだ。
過去数回この店のことを書いたが、それは首都圏で安定して短角牛を食べることができる数少ない店だからだ。そういや昨年実施された「日本一高い牛丼の会」で出た牛丼、あれは忘れることができない旨さだ、、、
で、前置きが長くなったけど、その山藤二号店が生まれた。オープン前の内輪の試食会に呼ばれたので行ってきた時の素材と料理があまりによかったので、すでにオープンしたけど書いておきたい。なので、このエントリに掲載する写真は、すべて正式メニューの決まる前のものです。正式メニューにも載っているものが多いとは思うけど、そのまんま出るとは限らないので、その辺よろしくお願いします。


有機和食 「山藤」 広尾店
住所 東京都渋谷区広尾5-4-11 ベルナハイツA棟2F
※東京メトロ日比谷線広尾駅2番出口より徒歩30秒
電話 03-5795-2683
営業時間 18:00~25:00 (ラストオーダー24:00)
休 日曜・祝日

店の位置は、なんと山藤の一号店と目と鼻の先、地下鉄広尾駅前である。ていうか何というか、立地的には一号店よりも全然人通りが多いところにあるので、こっちの方がいいじゃん。店の構えも和風居酒屋というコンセプトにしては現代的でかっこいい。かつ、おちつくしつらえだ。

こちらの広尾店には我らが梅さんが板長として移動。彼こそ、岩手県山形村に3年間出向し、村内の食生活指導など様々な遊び(?)をしながら、山形村の郷土料理文化をすべて吸収してきた人間である。

厨房をみるとわかるように、焼き物用の焼き台がどかんと据えられている。手前にはでかい羽釜もある。
「料理法としてはシンプルに、「焼く」ってのをメインにしたいんですよ」
ということだ。いいんじゃないだろうか。
気になる素材だが、大地を守る会の宅配で採用されている食材がベースで、鶏肉は「北浦シャモ」、豚肉は「仙台黒豚」、牛肉はもちろん山形村の短角和牛だ。
野菜はもちろん、大地の生産者会員さんのものだ。

突き出しに出てくる青菜の煮浸しですでに旨い、、、使っている出汁が実に味わい深い。一番だしを惜しげなく使ってるんだろうか。

季節柄、カブラ蒸しが実に旨かった。

アブラナ科植物であるカブが持つ辛み成分がプンと一瞬だけほのかに鼻を刺すのが心地よい。

さて待望の「焼き」である。

のっけからビビッたのが、官能的な北浦シャモのレバーである。

みよ、このセクシーショットを!

照り照りと妖しく輝く表面、そして歯を立てると、生暖かくうま味が活性化した、しかしトロトロとろける加減の、ぎりぎりの火の通しだ。一発でKOをくらってしまった、、、

「オープンしてから一般のお客様に出すときには、お嫌いな方もいらっしゃるといけないので火をキッチリ通すことになるとおもいますが」
ということだったので、レアが食べたい人はあらかじめ伝えておいた方がいいだろう。
お次は砂肝。

でかい!そして色が実に綺麗。

ズリン!
と強い食感で歯が突き通っていく。いやな風味皆無の潔い味だ。

正肉の前に、趣向を変えてなんとウナギ。

これ、実は四万十川で養殖されたウナギだ。大地を守る会は水産物とくに養殖に力を入れていて、餌や投薬などの厳密な基準を生産者に課している。というのはどうでもよくて、このウナギは実に清廉な落ち着いた味がするのである。

仙台黒豚の串焼き。間に挟んでいるのは大葉。

仙台黒豚、旨いのだ。鹿児島の黒豚とは別系統のバークシャー種を使っていたと思うのだけど、バーク特有の濃厚な味わいが楽しめる。この串焼きの大葉は、濃厚な豚の脂を緩和させるためだと思うのだけど、ちょっと蛇足だと思ったのでない方がいいと思うよ、と言っておいた。オープン後どうなってるだろうか。先日言ったときにはどかーんとでかい肉塊を焼いたのが切り分けられていたが、その方がいいだろうな。
さて北浦シャモの正肉。

「あのね、北浦シャモの正肉は、旨いけど結構ふつう。やっぱりこいつは内臓が最高だね!」
ということだったが、確かに正肉は、美味しいけど際だつものではないかも。でも食わないとちょっと落ち着かないんだけど、しかし内臓肉のような感動はなかった。人間とはなんとも贅沢な生き物だ。

でも、手羽は実に清々しいおいしさが発揮されていた!

いつもやるんだけど、手羽の骨をかみ割って、なかの髄を味わう。

ブロイラーのはドス黒くなっていたり濁った味がするのだけど、餌も肥育期間も、環境もよく丁寧に育てられた鶏の髄はなんとも清潔な味なのだ。

そうそう店内はこんな感じ。落ち着いていて、居酒屋というよりはカウンター・テーブル割烹という感じだ。
帰ってから原稿を書かないといけなかったので、酒は飲まずに炭酸水。

これ、なんとも美しい、ごくごく微発泡の天然炭酸水なのだそうだ。しかも国産。
デリケートで非常に淡い、おいしい炭酸水だった。
さてメインディッシュは、、、岩手県久慈市山形町の短角牛だ。 これまで山形村と書いていたが、実はさきごろ、久慈市と合併して「久慈市山形町」という名称が正式になってしまった。なんか残念だけど、生産者はみな元気に短角牛生産を続けておられる。

短角牛の旨さについてはもう何度も書いていることだから、ここではあまり触れない。

ただ一点、触れておかねばならないのは、山形村の短角は、国産飼料のみを投入して生産されている。輸入穀物飼料は一切使っていない。それが大地基準なのである。だから、二戸市の短角牛とはちょっと味の傾向が違っていて、よりマイルドな感じがする。この辺は、並べて食べてみないとわかりにくい。いずれ実験してみたいと思う。
野菜は小金井の生産農家さんの圃場から、山藤の店長である前田さんがいつも摘んでくるそうだ。

その日はいった野菜でいろいろリクエストに応えてくれる。

にんじんやゴボウ、カブといった今が一番旨い野菜を、シンプルに焼いてオイルと塩だけ振って、というのが実に旨い。これこそ素材の味が一番わかるので、試してみるといいだろう。


さて、
短角牛の味噌煮込みとご飯で〆だ。



と思ったけど、まだ食えるのでちりめん山椒でお代わり。

これで〆、と思ったら、梅さんが「ヤマケンさん、豚丼試してみたいから、食べて」というのでもういっぱい。

この豚丼、焼き鳥のタレでさっと焼いただけなのだけど、豚肉が薄切り過ぎるので仙台黒豚の旨さがようわからん。ということを進言しておいたので、メニューにはもう少し厚切りで掲載される、、、と思う。
いやー食った食った。
この日の後、オープン後の店に足を運んだら、もう店が予約客でいっぱい。
あとからフリで来たお客さんを断っていたから、相当に入っているようだ。よかったよかった、、、
それにしても
歓迎すべき店の登場だ。注文をつけるとすれば、店のなかに生産者の顔やら情報やらをもっと掲示してもいいのではないか。僕がみたいのは、僕が口に運んでいるその食材の素性、なのだから。
前田さん梅さん、オープンおめでとうございます。
これからが勝負ですね、がんばっていいものを出してください!
また食べによらせていただきます。
ところで、
このエントリの写真、自分でも快心と思えるほど色っぽく撮れていると思うんだけど、E-3はこの時点では試用もしていなかったので、オリンパスのE-410で撮影している。クリップオンストロボを三脚につけて横から光りをあてて撮影しているのだけど、それにしてもやはりE-410はすばらしいカメラなのだ。E-3を持ってからE-410を持つと、あまりの軽さに笑ってしまう。しかもレンズは標準の、プラスチックマウントの、入門機用のものである。オリンパスさん、この超軽量・高画質路線は絶対にキープしてくださいね、、、

オフ会打ち上げの前々日、陸前高田の広田湾でスンばらしい牡蠣を獲る漁師・佐藤カズオちゃんから牡蠣がどどっと届いた!

広田湾の牡蠣といえば、いま築地あたりでは凄まじい高値で取引される超・高級ブランドである。とある高級ホテルのレストランで、この牡蠣を使ったコキーユ、一番でかい規格の牡蠣が2つ使われたやつでなんと5千円とってるのを観た!という目撃談がある。けどその大きさ、そして繊細な風味を味わった者であれば、それもしょうがねーな、と思ってしまうに違いない旨さだ。

同封された牡蠣剥きナイフでえっちらおっちら殻を剥く。最初の、殻の上下のかみ合わせ部分にナイフをこじいれることが出来さえすれば、コキコキと貝柱を探り切ってバカンと開けることが出来る。

やっぱりでけぇ、、、
でかい牡蠣が最高とは言わないが、しかしそれにしても説得力のある光景である。
しかも、一つ一つの個体が個性を持っている。



姿も味わいも「他と違う」っていいことだ。他との違い、異質さこそが価値なんだと思う。
そのまま何もかけずにツルルルッとすすり込む。
牡蠣の内部に湛えられていた冷たい海の潮味と共に、牡蠣の滑らかな身肉が口中にぬるりと入ってくる。そのままでも味が舌に染みてくるのを、噛んで表面を突き破ると、内部に蓄えられていた旨みがドドッと濃厚に流れ出てくる。まったく何の調味料も要らない、ものすごい味だ。この旨みが数年に渡って蓄積されたものだと考えると重みがある。そして、こんなに雑味がないなんて、どんなに綺麗な海なんだろう、と思いをはせてしまう。広田湾も、漁師達が植林をして、湾に注ぎ込む水を浄化するという取組をしている。その結果がすべてこの牡蠣に現れているのだ。
全部生で食べきってしまいそうだったが、かろうじて数個を牡蠣ご飯にする。酒、みりんと醤油で軽く7割くらい火を通し、煮汁だけ吸水させたご飯に注いで炊く。炊きあがったら牡蠣を鍋に戻して軽く蒸らし、牡蠣を破らないようにさっくり混ぜる。

実にグレートなお焦げもできた。一口くって、悶絶。旨い。熱を通した牡蠣の旨さは、生で食べる清々しさとは別種の、リッチで複雑な旨さだ。しかも醤油の香りと牡蠣の旨みが合わさるのが最高の配役。
こんなに旨い広田湾の牡蠣、実はカズオちゃんは消費者向け販売をしようと思っていた。その金額を聞いてビックリ。料理屋で出てくるのよりぜったいに自分で取り寄せた方がお得なバカ安価格だった。
しかし、、、
「すみません、本年度は、ネットによる販売ができなくなりました。先日の夕方に殻付きカキの業者会議があり、とある市場への出荷を打ち切ることが決定しました。理由は、注文に対して、生産量があまりにも追いつかないため……です。
現在、二箇所の市場への出荷を行っておりますが、10年前に7人いた殻付き業者が現在では、3人までへってしまいました。(4人のうち一人は引退。残る3人は、むき身への転換です。転換した理由は、休みが取れないからです。)そこで、一つの市場への出荷に絞ります。というわけで、市場の注文にこたえられなくなってきているのが現状です。
それなのに、ネット上での「新規の」顧客拡大をするなどということは、市場への信義に反するということになり、自粛することが業者間できまりました。大変申し訳ありません。」
というものだ。
律儀だ、、、危険な海で働く漁師たちは信義に厚い。
それにしても、人不足である。市場からは「どんどん出荷してくれ!」と言われる高級ブランド。当然、儲からないことはないだろう。それなのに、後継者がどんどんいなくなる。
日本では、第一次産業に従事する人たちがここ数年で凄まじい下降線を辿っている。その代わりにサービス産業である第三次産業が増えている。このままでは、本当に美味しい食を供給する生産者はいなくなってしまう危機にあるのだが、、、「食料争奪」とかいってる場合じゃない。どこかから獲ってくるのではなく、「育てる」という発想を持たなければどうにも立ちゆかなくなる。
先のエントリの大分の蒲江での養殖漁師である村松さんの言っていることともかぶさるが、海洋資源についても、継続性を担保できるものへの転換が必要ではないか。そして、そうしたものを選ぶ消費者の視点も必要なのではないだろうか。そう思うのだ。
一週間前の話なんだけど、盛大に開催された静岡オフ会で、東京から素晴らしい料理を創りに行ってくれたみなさんとの打ち上げを決行した。


今回は、大分県の佐伯市の漁港町、蒲江の村松さんから、彼が数年かけて育て上げた養殖ブリと養殖マハタ(クエとかアラの仲間)を送ってもらって刺身と鍋にした!

なんといってもこのマハタが旨い。「養殖は海の農業」という村松さんが育てただけあって、以前食べたことがあるアラにも大きなヒケを取らない味だ。

特に刺身は最高、、、重家の子供達がこれを集中的に食べていたらしい(笑)

井のなかの佐久間さんによるマハタ鍋は、頭とアラを寸胴鍋で煮込んでとった濃厚なスープに、塩味とポン酢味(飯尾醸造のポン酢で味を付けてしまう!)の二種の味付けで煮込んだものだ!


もう、このアラの身肉の旨さがタマラナイ!フワッとした食感、甲殻類のような甘い風味のする肉、そして強い旨み。刺身も最高だけど、熱を通すとまた別種の旨さになる。

ちょうど折よく、北海道のアグリウェザー社の鈴木さんからサロマ湖の牡蠣も送っていただいた。

そのままツルリと食べると、海の養分がそのまま身体に取り込まれたような、磯の旨みがギュッと濃縮された味がする。軽くしゃぶしゃぶっと火を通して食べると、その味がまた活性化して美味しい!鈴木さん、ごちそうさまでした。

養殖ブリもこれまた最高。天然ブリを刺身にしたものはけっこうあっさりとしているけれども、村松さんの育てたブリもあっさりした味わいの上に上品に脂が乗っている。「ふーん、これが養殖なのか、、、」とみんなもいいながら食べていた。カブト焼きのカマの部分はト~ロトロ。醤油大根おろしと混ざると、至福の味がした。
バードコート野島さんがつくってきてくれたレバーペースト。

重がその場で娘たちと焼いてくれたピッツァ。どちらも大変に美味しゅうございました!

今年は全く遊ぶことが出来なかったような、余裕のない一年を送ってしまった。心を亡くすと書いて忙しい、というのはよく言うことだけど、そんな中でも仲間達と、いい遊びができたのが嬉しい。
再度、静岡オフ会に参加してくれた皆さんと、静岡組のスタッフの皆さんに御礼を言いたい。
本当にありがとうございました!


うーん、もう目が回るを通り越して、この年末、本当につぶれてしまいそうです。困った、、、終わらないよ、、、
しかしさすがにドロドロに毛穴が詰まったようにブログを書きたくなってきました。
そんなに忙しいのに僕は、デジタルカメラを買ってしまったのです。
オリンパス E-3。

週刊アスキーのテストレポート用に借りていたわけですが、、、
こりゃ買わなきゃ駄目だ。
以後、撮影する写真はこいつで撮らないと駄目だ。そう思って、買いました。
ヨドバシカメラ秋葉店に行って、オリンパスユーザでもある販売員の青木君を呼んで、ばこーんと買いました。ボディにレンズも広角からマクロまで4本。純正のストロボ2本。もうね、覚悟を決めました。キヤノンのAPS-Cデジカメにはもう戻らないと思います。
だってすばらしいのよ、このカメラ!
茨城県でいま、最盛期を迎えているレンコンの収穫風景。

レンコンは、蓮の花の地下茎。だから、花が咲き終わって茎が表面に浮いているのだけど、この下方に泥の層があって、そこにあのレンコン部が埋まっているのだ。これを掘り出すのは重労働。

このサイズに縮小するとわからないのだけど、広げてみるとその高精細さ、豊かな階調表現にびっくりしてしまう。E-410、E-510の絵作りも綺麗だったが、さすがはフラッグシップ機、さらに三段階くらいの表現の深さを実現してきた。

チンゲンサイ。前にも書いたけど、標準ズームレンズとして発売された12-60mmSWDは、望遠端ではF4.0だけど、実にボケが美しい。
また、バリアングル液晶だから、地面にぽこっと置いてこんな風にローアングルで撮影するのが苦にならない。

最近僕が凝っている、地面からの眺めが簡単に撮影できるのだ!
こちらは庄内の山菜屋.comから送っていただいた和栗。燻蒸処理をしていないピュアなやつだ。

この質感も見事だ。色合いも実に自然で、かつ豊かに再現していると思う。
レンズもガコーンと買ってしまった。僕は望遠はほとんど使わないので、先の12-60mmでだいたいの距離は事足りるのだけど、広角については定評のある7-14mmを、清水の舞台から飛び降りるような気分で買ってしまった。

ごらんの通り、大砲級のこのレンズ、ほぼ1kgほどの重さの重量級だ。そして、、、なんでそんなに覚悟が必要かというと、値段もすげー重量級なのである。でも、覚悟を決めて買ってしまった。
でも、今回買ったなかでもっとも心に残るレンズはというと、単焦点の50mmf2.0マクロかもしれない。

この小柄なレンズ、すごい描写をしてくれるのである。

もう、一枚も無駄にしないで旨いもの、佳い食の記録をしていこうと思いを新たにするのであった。
と、高い買い物をしたのを正当化するのであった(笑)
明日から二泊三日で大分に行ってきます。
原稿は飛行機内で書きます(←対編集者さん用コメントでした)

さて山形は庄内編である。
14時から、山形在来作物研究会、略して「在作(ざいさく)」の公開フォーラムである。
農家レストラン「菜ぁ」(←何人かの知人から「なんて読むんだ?」と聴かれたが、おそらく「なぁ」で佳いと思う)から山形大学の鶴岡キャンパスまで、小野寺美佐子さんの夫である喜作さんが車で送ってくれた。もちろん彼も在作のメンバである。

在来作物とは、地方に固有の農産物品種のことをいう。日本ではかつて、どこの地域にも在来の作物が存在していた。植物は、その土地で生存し、子孫を残すために、姿や形、または性質をだんだんと変容させる力を持っている。だから、中国から渡来した野菜があったとしても、それがたどり着いた土地の性質に影響され、まったくオリジナルのものと違う形態・性質になるものなのだ。
しかし、高度経済成長期を経て在来作物は大幅に減少した。在来作物は、土地固有の条件で性質が変わるから、すなわちそれは一部の地域でしか作れず、量が少ない。高度成長期に主流となった、高速道路を駆使して消費地に大量の荷物を運ぶという農産物の流通スタイルでは、どの地域で栽培しても同じ形・性質になる作物が歓迎され、在来作物は姿を消していくことになったのだ。
かつてはキュウリや大根は、谷を越えれば品種が違う、一つの村に一品種などと言われていたらしい。いまではそれは望むべくもない。在来作物は一方で病気に弱かったり、収量がすくなかったりと様々な欠点を持っているのが普通で、選抜育種され、強い性質をもつものと交配させた品種が出回るようになった。そうして、だんだんと在来種が消えていったのである。
そうしたものにスポットをあてる取り組みが各地で行われている。過去にも紹介した巾着なすで有名になってきた、新潟県中越地方の長岡野菜などもそのひとつだ。
そして最近注目を浴びているのが、この山形県庄内地方の活動だ。テレビなどでも最近よく取り上げられるようになった「アル・ケッチャーノ」というレストランがある。この店のシェフである奥田さんは、庄内地方の在来種をふんだんに使ったイタリアンを展開し、予約の取れない店になっているわけだ。実は、この奥田シェフが在来作物を使うようになり、タッグを組んで生産者との関係をコーディネートしている人がいる。それが山形大学の江頭先生だ。

この人が庄内の在来野菜ブームの立役者のひとりなのである。
シャイな語り口なのだが、いちど在来品種の話になるとテンションがあがり、一気に夢中の人となる。すばらしき在来作物野郎なのである。
さて今回のフォーラムのテーマは「在来作物の種とりを考える」だ。つまり作物の花を咲かせて、種を自分で採る技術のことだ。兵庫県で在来作物を保存するための活動をしている山根成人さんが講演をしてくれた。

会場には山根さんが持ってきてくれた兵庫県のおもしろい在来品種の種と、地元庄内の在来野菜が並べられていた。



山根さんのお話を受けて、庄内の平田赤葱、宝谷カブ、そしてだだ茶豆の生産農家さんが種採りについて論を展開してくれた。おもしろかった、、、

印象的だったのは、質疑応答の活気だ。
東北の農家さんは口べただといわれることが多いし、自分でもそういう人が多い。しかし、ここでは参加する農家の方々がびゅんびゅんと意見を交換していたのだ。強い活気を感じた!
さて
終了後は懇親会。なんと、「アル・ケッチャーノ」で奥田シェフが在来作物を料理してくれるのである!

(この写真は隣接してできた「イル・ケッチャーノ」。こちらが会場になっていた。)

実はぼくもかねてからこの店に行きたかったのだけど、予約が取れない!で、初めてだ。
ただ、奥田シェフとは、山形県の米の新品種である「山形97号」の戦略ブランド会議のメンバーになっていることもあり、面識はある。
この日の懇親会は人数限定で、在来作物をメインにした料理を造ってくれるということですぐさま応募した。やはり速効で人数が埋まってしまったと聴いて、ほっとした次第だ。

キッチンスペースには、庄内の在来野菜がうずたかく積まれている。隅に見えるのが奥田シェフ。

この写真の手前にみえる、なんとも美しい色合いの赤い葱が平田赤葱だ。
「この野菜のなかで、これが食べたい!ていうのがあったら言ってくださいね、ささっと料理します!」
と奥田シェフ。写真をみるとおとなしそうな方だが、基本的に淡々とした陽性のタイプとお見受けした。マイペースを崩さない、実に好印象なシェフだ。
さて料理についてはドドドドッと出てきたのでいちいち解説はすっ飛ばします。

これ、肉の間でジャガイモのようにみえるものが実はそうめんカボチャ。そうめんカボチャを加熱して麺状にほぐさず、固まりのまま出すのは珍しい!

この綺麗なツートンは、カッテージチーズにガーリックなどを混ぜたようなものと、なんと柿。絶品の相性だった。

豚の耳やタンなどがはいったテリーヌの上に乗る赤いキューブは、藤沢カブの漬け物。美しい!


たしかワラサ。もちろん庄内の海の幸だ。

鮭。てことは村上かな?


食用菊「もってのほか」と、軽くあぶった魚。なんだっけな、、、
菊は酢の物にするのが定番だけど、ここでは酢は使わず仕上げていて、これもまた予想を楽しく裏切ってくれた。

「じゃあ次、これを料理しますよ~」
と笑いながら楽しく料理していく奥田シェフ。通常の営業ではみられないだろうこうしたやりとりが、会場内を明るく暖かくしてくれた。

もう、皿にどかんと載せてしまう。

いま、奥田シェフとアル・ケッチャーノという名前はメディアに氾濫しているけれども、そこでみかけるのはわりと「野菜にできるだけ余分な手をかけずに、シンプルにあっさり仕上げましたぁ」風のイメージだ。先日、仲のいい編集者さんと話をしていたときにも「どうも優しい味、っていうか、あまりインパクトを感じない」というようなことを言っていた。僕も写真やメディア上で見る限りではそう思っていた。
しかし!
事実は違った。けっこうガツンとくる!
あたりを利かせるべきものには利かせ、柔らかくシンプルに仕上げるべきものにはそうしている。メディアに載せる時には、野菜の姿がそのまま見えるもののほうがイメージが伝わりやすいから、そういう皿を選ぶと、必然的にシンプルな料理法のものになってしまう。それでなんとなく、柔らかい味主体のレストランというイメージを持ってしまっていた。でも、実際にはどれも印象が強く、食べ応え抜群な料理群である。

これは傑作、里芋の在来品種である、からとり芋のグラタン。タロイモのような甘い風味のからとり芋のねっとりした食感と、チーズベースのソースが絡んで美味しい。

宝谷カブのピッツァ。こちらはむちゃくちゃシンプルに、薄くスライスしたカブを散らしたものだけど、カブに軽く振られた塩の粒がそこここでビッと味を主張している。

こちらは藤沢カブと庄内豚のグリル。庄内カブは通常、漬け物か汁の具材だとおもうのだけど、こうして焼いたものもこっくりした風味で楽しめる。豚も、うま味十分。庄内豚は、品種は通常のLWDだが、デンプン質の多い専用飼料を給餌し、肥育日数を長めにとっているらしい。写真を見ても、肉質的には十分に熟しているように見える。

この豆についてはどういうものか聴くのを忘れてしまった。が、これを盛りつけていると、奥田シェフが「この一皿にはね、このオリーブオイルが合うんですよ!枯れた風味のオイルなんです!」と、特別なオイルをかけてくれた。産地がどこだったか忘れてしまったけど、イタリア南部のフルーティなものと違い、本当に枯れた藁のような香りがして、豆と豚すね肉の渋い味わいをもっと渋くしていた。

ところで奥田シェフ、僕が専門料理に書いている連載を読んでくれているようで、びっくりした。
「山形97号の戦略会議から帰ってきて、「専門料理」を開いたら、どっかで見た顔だなって、、、あ!あの人だって。びっくりしましたよ。」
光栄なはなしである。
さていよいよお楽しみのパスタ。
平田赤葱のソテーがたっぷり載せられたトマトのパスタだ。

これもパンチェッタたっぷりの濃いソースで、食べ応え十分。平田赤葱も、硬度ととろり感がバランスしていて、在来品種と思えないほど洗練された葱の味だと驚いた。

手前のオイルベースのほうは、宝谷カブのパスタ。こちらはモッツァレッラのようなチーズを散らしただけの、シンプルパスタだ。

そしてちょっと驚いたのがこの一皿だ。

絶妙な火入れで焼かれた肉の上に散らされているのは、アサツキである。
東京のスーパーで売られているアサツキと呼ばれるものは、あれは実は葉ネギだ。アサツキは本来、ユリ科植物で、根茎部が軽く肥大するのをヌタなどにして食べるものだ。さらに新潟や山形ではこれをニンニクのように乾燥させたものをかじったりする。そのアサツキをオイリーに炒めてあるのだけど、肉で巻いて食べてみてびっくりした。とても異質な香りがする。その正体はクミンである。
下の写真をみてもらえれば、アサツキにチョロチョロとまとわりついているクミンをみることができるだろう。

実はこの日の料理ではもう一品、驚くものがあった。先の平田赤葱とハタハタを軽くブレゼにしたようなものがあった。
「おっハタハタ!」と思って皿に盛り、きっとしょっつるのような味をベースにした料理だろうと思って箸をつけると、全く違ったのだ。薄く淡い、おそらく水で軽くハタハタを煮だした、内側からのスープとネギの風味、淡い塩味とともに、やけに異質な香りが立った。それがやはりクミンだったのだ。
「これ、クミンですか?」
と通りがかったシェフに聴いたら「ピンポーン! 合うんですよ、不思議と、、、」と笑ってくれる。
ハタハタ料理といいこのアサツキといい、使い方があまりにも食べての驚きを誘う。その異質さは、一瞬あっけにとられるくらいのものなのだ。でも、咀嚼しているうちに口の中でだんだんと素材の味がしみ出て一体になると、異質さがなくなって同化してくる。同化してしまうと、ハタハタやアサツキという素材とは全く異化された味になる。そう、奥田シェフの料理の楽しさは「異化」の作用にあると思う。だから、料理写真をみるだけではシェフの料理の本質的な部分はみえてこないのだな、と思った(もっとも、どんな人の料理も、写真だけではわからないけれども)。

たっぷり食べて、みんな満腹。それにしても、山形在来作物研究会は、生産者と研究者、それを支える飲食店やジャーナリスト、出版業界などがいい相互作用を生み出している、活気ある団体だと感じた。


この写真で笑いかけてくださっているのは、在来作物研究会の機関誌「SEED」の写真を撮り続けておられる東海林(とうかいりん)さん。この写真群が実にすばらしいのである!
「ん、作品はデジタルだと撮らないよ。四の五とかだね、、、デジタルは眠い画像になっちゃうんだよねぇ」
とおっしゃっていたが、めげずにライティングのことなど教えていただいた。

思いがけない出会いもあった。
「あれぇ、どこかであなたとは会った気がする」
と話しかけてきてくれたお姉さん。
うーん、そうだったかなぁ、と名刺交換をすると、、、
「ああああああああああああ やまけんさんでしょ!? うわー」と派手にびっくりしている。その彼女の名刺をみてびっくりした。東北の山菜のことを調べようと検索をする時には必ずこのサイトが上位にくる、という「山菜屋.com」を運営する遠藤さんその人だったのだ。
山菜屋.com
http://www.sansaiya.com/
アル・ケッチャーノから市街地へはかなり距離があるのだけど、彼女が車で送っていってくれることになった。道すがらいろいろ話を聞いたが、在来作物研の活動だけではなくスローフード協会の支部運営などにも関わっているということだった。うれしい出会いだった、、、
宿は、小野寺さんの農家民宿「母屋(おもや)」。
喜作さんが山菜屋.comの遠藤さんや同宿するほかの人たちとも一緒に、酒を振る舞ってくれる。

この「雪の大地」は、喜作さんらの生産者団体の米で、「くどき上手」の亀の井酒造が醸した酒だ。

飲み口軽くキリッとした酒で、冷やが旨い。
煎りぎんなんと山菜屋.comの遠藤さんが持ってきてくれた栃の実せんべいや干し柿(←うめぇ)を肴に、遅くまで呑んだ。



農政の話、庄内の話、食べ物の話。
まだ雪は降っていない庄内の、いい感じに冷えた空気のなか、暖かい母屋で過ごすいいひとときだった。


閑話休題。
長いのを書いている余裕がありません、、、

最後に自分の畑で野菜を栽培してから10年が経とうとしている。畑が欲しくて堪らないのだけど、木場から引っ越さない限りなんともならなさそうだ。
だから、せめてもの慰みに、40リットルのプランターを2つ買って、タマネギ・春菊・ラディッシュ、そしてサヤエンドウの種を蒔いた。実はタマネギとサヤエンドウは僕が大学時代に畑に最初に植えた、記念すべき作物だ。
サヤエンドウは11月中に播種し、程よい大きさで越冬させる。

写真だと大きく見えるかもしれないが、実際はまだ3センチ程度。35mmマクロレンズで目一杯寄っている。実に可憐な植物なのだ。ちなみにこれ、絹さやではなくスナックエンドウ。種じたいはアメリカで採取されている。本当は日本のものを播きたかったのだが、間に合わなかった。とりあえず芽が出てよかった。久しぶりに野菜とふれあう日が来た。
(オリンパス E-3 35mmマクロ f3.5 で撮影)

先週は火曜日からずーーーーーーーーーっと出張。
全国的な栗の名産地である岐阜県の恵那市にて、抱腹絶倒の旅をしてきたのだけれど、これは週アスブログで詳しく書いていきたい。
んで、帰京して休む間もなく、土曜日朝から山形県の鶴岡へ。
それにしても庄内地方って遠いなぁ。東京からたっぷり4時間。でも、そのおかげで車中で溜まっていた原稿を書き始めることができた。載る前に週刊誌とか買わないのが、仕事に集中するコツだな。新潟駅で特急いなほに乗り換える時に、日本農業新聞の友人にバッタリ会う。なんとこちらも友達と鶴岡に温泉三昧に行くと言う偶然。
その際に買った「鮭の焼き漬け弁当」が実に旨かった。鮭で有名な新潟の村上の弁当メーカの手によるものだが、醤油ベースのタレに漬け込まれた鮭がメインのおかずとなった弁当で、この鮭が実に白飯を食わせる推進力を持っている!鮭の隣に鎮座していた、いまどき珍しいほどに分厚い厚焼き卵も程よい甘さで美味しい。文脈違いの蟹クリームコロッケと、ニセモノ感溢れる漬物類だけは改善してほしいけど、ご飯は炊き加減が絶好の美味しいコシヒカリで、久しぶりに満足した弁当だった(写真はありませーん)。
さて鶴岡に到着。

弁当は食ったけど、あれは旅のおやつということで、農業新聞の友人を連れて昼飯を食いに行く。

鶴岡駅からタクシーで1メーターの農家レストラン「菜ぁ」へ。タクシーの運ちゃんに「”なぁ”って店識ってます?」と聴いたら「ああ、わかりますよ」ということだったので、この辺でも有名なのだろう。
店に上がると、女将である小野寺美佐子さんと久しぶりの対面だ。相変わらず素敵に綺麗な人である。

美佐子さんとは面白いご縁で繋がったのだ。4年くらい前に、僕の母校が出している雑誌で、日本の農業を今後どうするというテーマの座談会に呼ばれた。そのメンバに美佐子さんがいたのだ。農家民宿や産直野菜の活動を展開している美佐子さんのことを僕は識らなかったのだけど、ただならぬ人だなと思ったものである。しかも庄内弁に特有の、「~のぅ、のぅ」という語尾のふんわりした話し方に心が和み、くせになってしまうのだ。
その後、庄内への出張の際、会って呑もう!と言うことになったのだけど、仕事上のトラブルで急いで帰京しなければならなくなったりで、昔ながらの大きな小野寺家を農家民宿にした「母屋(おもや)」にゆっくり泊まることが出来たのは昨年のことだった。それ以来だから、ちょうど1年ぶりの再会だ。
菜ぁでの夕食はコース料理になるのだが、昼ご飯は魚か肉の定食。

この日の魚は優しい味の鯖の味噌煮定食だったけど、何と言っても小野寺家の米が最高に旨かった!

美佐子さんの夫君である小野寺喜作さんは、有機農業かいわいでは識る人の多い農家さんだ。もちろんなんちゃって有機ではなく、JAS有機の認証を取得した、大地を守る会などに出荷する、レベルの高い生産者さんだ。その米は、食感、甘味だけではなく、深い味わいを伴ったものだ。元来、米とは複雑な味の食べ物なのだ。

何気ない白菜の煮浸しも旨いが、柿をさいころ状に切ったものを大根おろしと甘酢で和えたこの一品がなんとも美味しかった!
それにしても、、、
試用で借りているオリンパスE-3を持って来たのだけれども、、、
なんてすごいカメラなんだ!
今回の写真すべてそうだが、綺麗な日差しだったので、フラッシュなしの撮影だ。
E-410なら白飛びを起こしてしまいそうな輝度のシーンでも、きっちりと階調を保持してくれている。
しかも全体の精細感がすばらしい。
もうすでに、買うこと決めました。
そのレポも含め、お伝えしたいと思う。
さて、再会してゆっくり話しをする間もなく、すぐさま僕は山形大学鶴岡キャンパスで開催される「在来作物研究会」のフォーラムへと向かったのである。