相変わらず低温傾向が続いている。各産地の農産物の生育が非常に遅れていて、野菜の価格が高騰している。でも、問題はそんなもんじゃない。この春先の異常低温は、夏秋冬に収穫できる農産物にも大きな影響をもたらす。今年度は果樹に関しては莫大な損害が出るかもしれない。
どんなに技術が進歩しても、中・長期的に天気をコントロールすることはできない。気温が低ければ暖房を焚けばいいじゃないか、というけど、屋外の露地栽培では無理だし、ハウス内では「加温機」という機械を使って火を入れることで調整できるが、非常に高いコストがかかってしまう。そのコストを乗せた価格を、ただでさえ野菜が高いという消費者がちゃんと払うのだろうか?
野菜が高い!と言うが、これまでずっと野菜の価格は安かったのだ。90年代後半から野菜の価格はほとんど変わらず、それどころか右肩下がりなのだ。それが、すこし高騰したからといって「高い」「買えない」というのはちょっと不自然だ。「買えない」という言葉はすくなくとも、生産と流通の現場からみればちょっとのみにくい。
固定電話を家族で共有していた時代から、携帯電話の時代になり、世帯当たりの通信費用は数倍になった。それは「仕方がない」としながら、日々の身体を作ってくれる食べ物の価格が50円値上がりしたくらいで「買えない」というのはあまりにオーバーな話だ。
消費者さえよければいい、という発想が、この国の製品・サービスをますます低いものにしてしまうと思う。
さて、先日の記事への反応。ある県の農林部の職員さんだ。
さて、
ブログ読ませていただいております。野菜価格の高騰は、東京だけでなく○○県でもすごいものですが、
ここ○○○では離島と言うこともあってさらにひどい状態です。キャベツが高いからもやしが人気などという話を聞くと
無理にキャベツ食べなくても死にはせんし、
昔なら漬け物でも食ってしのいだに違いないと思ってしまします。保存の利く野菜はともかく、ナスやピーマンは今の時期のものじゃないし、
やたらと旬でない食べ物まで高いとか騒いで、国内外から余るほど仕入れて、価格を抑えておいて
足らなくなると上がるのが経済の大原則なのに
一々騒ぐことは、滑稽ですらあります。こういう機会に自然の恵みである食物に感謝することを考えるべきです。
マスコミは、そういうことを国民に伝える視点が必要ではないでしょうか?なんて、言っておりますが、アイスランドの火山灰が成層圏にまで上がると
今度は、局所的被害ですまなくなるのではないかと
冷夏や日照不足が起こらないとも限りません。自然の力の前に無力な人間ですが、いざそういう事態になれば、
農業技術者として対応できるようにしておかなければなりません。少し脱線しましたが、
生産を安定させ、天候不順の時でも対応できる生産体制を築くためには、
生産者の経費に見合う価格で仕入、販売するような仕組み作りが必要です。やはり、日本の食は安すぎるのですね・・・
こちらはとある仲卸さんからのものだ。
最近のやまけんさんのブログでも何回か取り上げられていますが、
今回の野菜相場の高騰に対する農水省や量販店の対応は、
あまりに酷いですね・・・。
今日の農業新聞にも、農水大臣がイオンの店舗を視察して、
さらなる規格外野菜の販売推進を要請したとの記事が出ていますが、
どういった問題が起こっているのか、本当に理解されているのか、甚だ疑問です。胡瓜が良い例なんですが、最近、量販店や生協では、
曲がり胡瓜や不揃い胡瓜と称して、優品や良品を販売されているのですが、
今の胡瓜は秀品率が約90%です。
その為、当然大口の出荷要請には優品や良品で出荷できるわけがなく、
優品や良品の使用を前提とした納品価格で、
赤字を出して秀品を我々流通業者が納品しているのが現状です。さらに、優品や良品を出荷しても、品質検査の名の元に、
曲がり方が酷い胡瓜に関しては、不良品として返品されるという、
???な対応をする量販店もあります。また、大手量販店が揃って、野菜の緊急値下げ等を実施していますが、
これも自社の努力で実施している会社もあるでしょうが、
納入業者に負担を強いている会社も多数あります。こういった現状を知らないで、選挙対策の為か、
その場だけの一般受けの良い対応に終始する今の政治には、
本当に疑問を感じます。
これを機会に、やまけんさんが言われているように、
国民一人一人が、食べ物の価値を、もう一度考え直してくれると良いのですが・・・。
専門用語が出てくるので解説しよう。
規格外野菜の販売推進というのは、通常ならスーパー等には出回らない、曲がりが酷かったり見た目の悪い野菜も、この高騰時は取引するようにという提言を農水大臣がしたということだ。
規格外野菜のことはこれまでもよく採り上げられているが、マスメディアも含め、誤解している人が多い。というのは、多くの論調が「これまで捨てられていた規格外野菜を有効活用する」という言い方をしていて、消費者も「ああ、規格外野菜を買って上げると農家が喜ぶのね」という意識で受け入れている。これは大間違いだ。
規格外の商品も、基本的には市場に出荷され、さまざまな取引先へ格安で販売される。例えば100円ショップとかね。ただし、仲卸さんの文中に「秀品率が90%」とあるように、最近の野菜生産技術は高度化しているので、曲がりのないもの、見た目のよいものが90%以上になっている。つまり、規格外の野菜なんて、市場流通の中ではそんなに出てこないのだ。
しかし、スーパーでは目玉企画として規格外品販売をしたい。そこで、「規格外品を50ケース!」というような買い方をしようとする。しかし、規格外品ばかりそんなに都合よく集まるはずがない。その場合、仲卸としては高く売るべき規格品を規格外品として販売するのである。
「そんなことしなければいいのに」
というのは、今日の取引における力関係を知らない人だ。昔とは違い、いまはスーパーや外食と言った購買側企業が全てのパワーを把握している。スーパーが「この単価でこれだけ持ってこい」といえば、あらがうことは出来ない。もし「無理です」「欠品します」ということになったら、なんと「欠品下分、売上を補償しろ」と言われかねない。欠品補償とは、つまり「売れたかもしれない分、お前が支払え」ということだ。
無ければ無いでいいじゃないか
そういう自然が通用しないのが今の取引なのである。
そして最近、イオンやイトーヨーカドーが揃って値下げをしているけれども、上で仲卸さんが書いているように、スーパー側の利益を減らすのではなく、取引先を叩いて値下げを実現していることもある。
とそういうワケなんだけど、「いいんだよ消費者が安ければ!」とか、「これまでさんざん税金で優遇されてきたんだから、生産者は守らなくていい」とかいう輩はまだまだ居る。とくに最近、山下一仁さんとか、自給率について書いている浅川さんなどの論客が活躍しているので、「農業は保護しないでいいんじゃん」と早とちりしている連中も多いはずだ。
けどね、農業を巡る論壇にも右と左が居る。どちらもバランスよく情報を摂取した上で判断してくれないと困る。極左の意見をもって「これが正しいんでしょ?」といわれても、、、という感じだ。
でも右でも左でもなく、ひとつの真実がある。それは先にも書いたとおり
「自然には逆らえない」
ということである。そして農業は、自然と寄り添うものだ。
高い野菜が嫌だと言う人は、自然環境が悪化する要因を身の回りで探してみよう。その要因が、自分が生み出したものであるかどうかを考えてみよう。もし、自分もその悪化に荷担していると感じたなら、ぜひ自分が自然環境が正常化するために何を出来るだろうかということを考えるところから始めてみよう。それがひいては安定した価格での食料供給に繋がるのだから。
いまさっき宮崎に着きました。水曜日までフル回転です。
24日土曜日、とうとう愛たい菜がオープンを迎えた。立ち上げ支援をした僕らは朝の7時半に現地入り。天気は快晴!気持ちいい風に黄色いのぼりがはためいて、気分が盛り上がる!
すでにバックヤードには生産者さん達の出荷が始まっている。手造りの本格派キムチを作っている二人が「あら、やまけんさんどうもぉ!今日はね、タケノコキムチを出荷しておいたから!」と声をかけてくれる。

愛たい菜では出荷会員に登録してくれれば、非農家でも出荷は可能だ。もちろん、一定の要件と保健所の許認可等は必要だ。
バックヤードでは出荷者が自分の出荷する商品のバーコードを打ち出して商品に貼り付け、そして搬入している。
この辺の情報システムは、実はこの業界では「愛媛方式」と呼ばれている。おとなりの内子町にある「内子フレッシュパークからり」という直売所のシステムを開発した、インプットというシステム開発企業がある。そのインプットが作り上げたシステムがベースとなって、いまや全国にこの情報システムの方式が広まっているのだ。
愛たい菜の情報システムはまた違う会社が構築しているが、詳細は機密なので書きません。こうした直売所の情報システムは色々と観てきたけれども、かなり成熟してきてはいる。あとは、使う側の情報リテラシーが上がらない限り、次のブレイクスルーは来ないだろう。
店内では9時半からのオープンを目指して、搬入が開始されている。いまは全国的な低温が続いているので、青果物の入荷量はすくなく、商品内容も「ちと、わりーなぁ」と言うのが多いようだ。
先にも書いたけれども、たべものは「陽がまた昇るように、明日もどこからか沸いてくる」というものではない。因果があって、出来たり出来なかったりする。いまこの世界では人間が自然を痛めつけている状態なのだから「出来ない」ことの方が大きくなるのは当然だ。大洲のように温暖で恵まれた地域でも入荷が少ないということからも推して知るべしだ。
それはさておき。
組合長、いよいよですねぇ、、、
僕らが今回仕事として担当した加工食品部門の陳列も着々と進んでいる。愛媛県の直売施設における弁当売場で欠かせないものは各種の寿司。海苔巻きやいなり寿司などがズラッと並ぶ。その価格は驚くほど安く、そして東京で同等品を食べるのと比べると極めて美味。
あの衝撃の「かに飯」も入荷! これは水産業をいとなむ大野さんのものだ。
その近くに別のかに飯も入荷。

こちらは料理屋・ホテルを経営する「西川」さんのもの。どちらも400円程度の価格だが、もくず蟹がぎっしり入ってるので、むしろ安い。 大洲に来たらこのかに飯をくわんと帰れませんよ。
漬物類の冷陳にも続々と品物が入荷。季節柄、タケノコ水煮がどこどこと出てきている。ちなみに今年はタケノコの大きさがデカイ。これは全国的なトレンドなのだろうが、、、
上川さんの絶品の粕漬け。

下坂鶴子さんのじゃこ天!
この人のじゃこ天・じゃこカツがまた旨いのだ、、、
ちなみに上の写真に貼ってあった「セレクト愛たい菜」という金色のシールに注目。これまで実施してきた、生産者が出品する商品を持ち寄って味見を視会う「味見会」では、生産者自身が美味しいと思うものに投票をする仕組みを導入した。そこで上位入賞した方には、賞品ひとつに「セレクト愛たい菜」シールを貼る権利をもつことができる。
つまり、賞品にこのシールが着いていたら「出荷者たちが認めた、美味しいもの」である。ぜひ参考にして欲しい。
林節子さんのチーズケーキもセレクト商品だ。
おーっとここであの衝撃のタレ「ばかたれ」発見!
しかも「あほタレ」もあることに注目。

これが、しょうゆと味噌を地元の梶田商店のものを使い、化学調味料を使わず酵母エキスにしたプレミア商品だ。
小川さんとも無事遭遇。

タレ好きはぜひ買って欲しい。
森みつこさんの巻き羊羹。
地元ではだれでもしってるこずえちゃん弁当も入荷!
あの絶品ベーグルも入荷!

先日の味見会で無事、セレクト商品に認定!大洲の素材が一杯入った、健康志向&旨いベーグルだ。

ギノー味噌さんが、大洲の野菜で作ったオリジナルドレッシング。
さて、いよいよオープンだ。外に出ると、信じられないほどの人が並んでいた!
くす玉が割られ、オープン!
みよこの人混み、、、
実は開始20分ですぐに入場制限。満足に商品を見られないほどの密度になってしまったのだ。
午後、もう商品がほとんど残っていない!
おかげさまで、この日の売上は計画を大幅に上回るものでした。ご来場いただいたお客様に感謝です。オペレーションが悪くてご迷惑をおかけしました、、、これから改善されますので、また足をお運び下さいね。
スタッフの皆さまお疲れ様でした。心から、おめでとうございました。
ではこれから宮崎二泊3日いってきまーす
いよいよ明日、グランドオープンとなる。1年前には何もなかった空き地に、こんなに立派な建物が建った!感無量である。
ぜひ試していただきたいものがいくつか。
しょうゆの実! 愛媛県内でけっこう農家さんが自宅でもろみを作っているが、これが滅法界旨くてご飯に合う。もちろん甘~い感じです。
これは先頃の「味見会」で上位に入賞した力石さんの。
ちなみに「味見会」というのは、出荷希望者同士で集まり、みんなの商品を味比べし、投票によってランキングを決めるというもの。うちが提案して実行したんだけど、これによっていろんな素晴らしい商品ができ、そしてブラッシュアップされるものなのだ。
こーんなかんじ。

みんな、「自分のがいちばん美味しい」と思ってるけど、並べて食べ比べってあまりしたことがない。実はそれをすることから、味のブラッシュアップが始まるのだ。
この味見会で上位入賞したひとは「セレクト愛たい菜」というシールを付けて販売することが出来る。オープンに間に合うかわからないけど、、、

おはぎ好きには溜まらないのが、尾崎さん の特製おはぎ。米のつぶし方が絶妙で、なんともいえない食感なのです。
秋葉グループの「中華まん」。生地がベージュ色なのは、モチ麦など混ぜているから。これ、旨いです。

大洲産品を練り込んだり餡にしたベーグル は先日お伝えした。22日のプレオープンでは60個が1時間で売り切れたそうで、どうやら人気商品になりそうだ。
それと、ジェラート!我が社の奈良井女史が徹底的にコーディネートしました。
先頃の試食会の模様。
テレビも入ってかなり賑やか。イチゴは今非常に美味しい季節なのでお薦めです。
この人、二ノ宮ちゃんが責任を持って作っています。
僕もこれから愛媛入りして、明日朝からスタジャン着て売場に立ちます。ご来店おまちしてまーす!
本当にアジャイルだった。
朝に書いたツイッター本の件、筆者の徳力さんからすぐにお詫びメールが来た。編集部からも追って連絡があり、丁重なお詫びをいただいた。ニコンさんにも迷惑かからないか確認して、とりあえずは大丈夫ということであった。
ということで一件落着。お騒がせいたしました。
いやもうノックアウトです。
3月中、福岡県の八女市にて講演を仰せつかって来たとき、普及員の龍さんが僕を「ぜひお連れしたい農家民宿がある」ということで、「大道谷の里」に連れて行ってくれた。そこで出会ったのはなんとも心が豊かに温かくなる食事で、中でも感動したのが「里芋まんじゅう」という、この地域特有の料理だ。
里芋を塩で茹でたのを、小麦粉と米粉を混ぜてこねた生地で包み、蒸しただけ。それが八女の郷土食・里芋まんじゅうだ。里芋が無くなる時期には、入れ替わりで出てくるジャガイモを甘辛く醤油で煮たのを具にする。これはじゃがいもまんじゅう。
福岡は小麦の大産地。実は粉もの文化がかなり古くから栄えているのをこの目で見た、という感じだ。これはぜひ再訪して、じっくりこの芋まんじゅうシリーズを味わいたいと思っていたのだが、割とすぐにその機会が巡ってきた。
龍さんと、八女で朝日屋酒店を営む高橋君にコーディネートを依頼したところ、むちゃくちゃに密度の濃いコースを組んでくれたのである。
「今日は二カ所だけど、かなり離れた地域を力業で廻りますよぉ」
と最初に向かったのが、玉露で有名な星野村だ。僕は茶の関係の仕事もいくつかやってきたので、静岡、鹿児島、熊本についてはいろいろ産地を巡ったけれども、実は八女茶についてはまだ未踏だったんだよなぁ、と感慨がこみ上げてくる。けど今回はお茶ではなくて、郷土食なんだけどね。
かなり有名な棚田、あいにくの雨だけれどもいい風景だ。そして画面下のムシロがかかっているのが茶畑だ。
この、茶畑に囲まれた星野村の中に、手作り工房「ふみこ」がある。
■手作り工房 ふみこ
福岡県八女市星野村4540
0943-52-2204
後藤ふみこさんは、八女の農村部の郷土の味を伝える活動を積極的に展開している、地元の有名人だ。龍さんから高橋君へ「まず後藤さんのところにいかないと!」という強いプッシュがあったそうである。その意味はよーくわかった!
「あらー いらっしゃい! いろいろ用意しておきましたからね!」
と通された、古い農家の土間にはドドドドッと皿が並んでいる!
まだ自己紹介も十分にできないままに、すぐさま飯タイムになだれ込んだのである!
旬のタケノコに、、、
これがなけりゃ福岡といえない!の「ガメ煮」。
清流から摘んできたクレソンの白和えに、ワラビの酢の物。
そしておもしろかったのが、下の写真の一番手前に見える天ぷら。
これ、なんと、、、
「それはね、ガメ煮にした里芋とタケノコを天ぷらにしたの。正月にどさっとガメ煮を作ると、最後の法には煮物に飽きてくるでしょ?そうしたら衣をつけて天ぷらにするとね、とっても美味しいのよ。」
いやー 全くの別物! 油と衣の美味しさのパワーで、白飯がぐいぐい進むのである!
ふみこさんが炊いた飯がまた旨い。きけば餅米を少し混ぜているそうだ。なるほどもちもち感が強いはずである。
そしてこれに、その辺から抜いてきたセリを刻んで塩もみした「だけ」のものをまぶして食べると、、、
これが絶品・絶妙なんだよぉ、、、、、、、セリの鮮烈な香りの成分が、みじん切りにすることでご飯に転々と染みだして、ただでさえ連接な印象がよりヴィビッドになるのだ!
ふみこさんのトークは留まることなく、そして次から次へと必殺技が繰り出されてくる。
「そうそう サバ寿司、みなさんに一切れずつだけど食べていただきましょうねぇ」
鯖寿司? この山の中で?
という疑問に驚くような解答が示されたのである!
みよこの分厚い切り身!
それにしても、サバの断面がしっかりと白くなっているのがお分かりだろうか?最初僕は、よほど強く酢で 長期間〆たのかと思った。しかし、違ったのだ、、、
「あれ?このサバの切り身、、、」
「うん、それはね、塩鯖なのよ! この辺は山だから、お茶を出荷した車に塩鯖を運んで帰ってきてもらって、それを寿司にするの。本当は尾頭付きの一本寿司なんだけど、ゴメンね!」
あああああああああああああああああああああああああああああああ
そういうことかぁ! なんと塩鯖の押し寿司、、、 これが実に、実に、本当に一本まるごと食べたくなるほどの美味しさなのだ。 生サバの〆サバでは味わうことができないであろう深みのある味わいがプラスされている! いま、焼きサバ寿司がいろんなところで人気を呼んでいるけれども、正直いうとこちらのほうが旨いのではないか、、、塩をして置いていることで深く熟れているから、、、という気がするくらいに美味しいものであった!
コシアブラとタラの芽の天ぷらには、お茶どころ必殺の「茶塩」を振りかけていただいた。
そう、お茶と言えば、、、
この会食で一番心に残った、ふみこさんの料理がこれだ。
なんと、星野村のお茶の佃煮!
生茶葉ではなく、そして通常の煎茶でもなく、お茶がら、それも玉露のものや上煎茶ばかりを衛生面に配慮した手順を踏んで集めて、佃煮にしたものだ。
正直、このてづくりの味には感じ入った。久しぶりにこんなにに綺麗な味に出会ったと思う。
ご飯と共に口に運び噛みしめると、甘辛い醤油の汁にかすかなほろ苦さを感じ、そしてその後、驚くほどに高貴なお茶の香りが喉奥から戻り香としてフワッと立つ(写真の分量は、茶葉が多すぎだ。もっと少量でも十分に香る)。
美しい、、、 なんて美しい食べ物なんだろう!
ふみこさんは写真をみればおわかりのとおり、きゃっきゃっと可愛らしくしゃべりまくるお母さんだけど、彼女が作りだしたこの佃煮、一瞬にして目の前に静謐さが満ちるような、そんな料理なのだ。
小さな瓶に入って500円。これ、安いです。こんな贅沢な体験、なかなかできないよ!3瓶買って帰りました。
それにしても味のある古民家。ここはこの仕事を始める際に買ったもので、昔ここには八女に始めて銀行を興した方が住んでおられたそうだ。
裏庭に出ると、そこには美しき小宇宙が拡がっていた。
「さあて、それじゃあ向こうの作業場で、星野村が誇る郷土食”ふなやき”を作りましょうね!」
ああっと そうそうこれからが本番なのであった!
(続く)
昨日のエントリには何人かの農家やたべものの作り手からコメントいただいた。
金沢で、2反歩という小さな面積で立派な経営をしている「風来」の源さんからの下記メールを紹介しておきます。
------------------------------------------------------------
石川県の風来の源さん@にしだです。
いつもブログ拝見しています。
「やっぱり自然にはかなわない、という諦念をもっと社会に拡げて
いいのではないだろうか。」
というタイトルに反応してしまいました。(^_^)
私も農業に勤めてまだ10年ですが、まさにこの「自然にはかなわ
ない」「受け入れて、それでも翌年も粛々と作業を続ける」という
この自然を受け入れることこそ日本人が日本人の良さを取り戻す唯一の
手段ではないかと思うようになりました。
各地で自然を受け入れてる農家、それを表現しているヤマケンさん
にはいつも勇気をいただいています。
狩猟民族のマネでない、農耕民族だからこその農業政策、それこそ
日本人の幸せにつながると思っています。
これからも太陽の話題期待しています。
唐突なメール失礼いたしました。
それでは~♪
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
源さん@無農薬野菜風来
http://www.fuurai.jp
------------------------------------------------------------
ですよね!
源さんとこの野菜や漬物は真っ正直で温かい味がします。Webみてあげてください。
いま、羽田空港で書いてます。これから福岡。八女にてしばらく前に書いた「里芋まんじゅう」をもう一度食べさせて欲しい!とお願いしたら、八女の郷土食を巡る壮大な旅をコーディネートしていただきました。明日は素晴らしい品質の菜種の圧搾油を搾っている平田産業の見学。
金曜日から愛媛に入り、24日はいよいよ大洲市の産直市場、「愛たい菜」のオープンに立ち会い。
来週頭から宮崎。
年度が替わったのに、あまり出張スケジュールは変わらない???
実は、うちの母がいまフランス旅行に行っている。はい、つまりアイスランドの火山の噴火によって、帰れない状況に陥ってます。よりにもよって人生初の海外旅行!仲のいい友人たちと一緒であることと、大手旅行代理店のツアーであるということで、向こうで不自由していないだろうとホッとしている。なにせ海外からの電話もかけられないような人だからな。さきほど実家の父に連絡が入って、どうやら次回とれた便が23日金曜日初とのこと。つまりほぼ1週間の延泊ということだ。どうもこの延泊にかかった費用は別口で支払わないといけないらしいので、そっちがいくらになったか、ちょっと怖い。
それはともかく、ひさびさに「うん、よかったなぁ」と思う噴火だった。なにがよかったんだよ!経済にマイナス効果もあったのに!と言われるかも知れない。たしかに噴煙で日光が遮られたりしてEU圏の農産物被害も出るだろうから、それは本当に悲しいことである。
けれども、なにが「よかった」かというと、まだこんな世にも、抗うことの出来ない大きな力というものが発現するということに、なんとなく安心感を感じてしまったのだ。今回の噴火はある意味、地震や津波よりも波及する範囲が多きい。こうなると誰に対して怒ることも出来ないし、リスク回避なんてとうていできやしないんだから、諦めて状況を受け入れるしかない。
こうやって「諦める」ということも時に必要だと思うのだ。何を言いたいかというと、、、いま野菜の値段が高くなっているでしょう?それに対して、なぜか消費者は困って怒って「なんとかならないの?」と言う。
なんともなりません。長期的に続く低温だし、不規則な日照、気温の急激な変動で作物はみんな生理異常を起こしている。抗いがたい力でこうなっているのだ。3ヶ月くらい先の長期にわたる気象予報がビシバシ当たるような状態でもない限り、農家の側でリスクヘッジの手段などとれやしない。
なのに、みななぜか第一次産品である農産物などが高くなるとぶーぶー言うのである。
先日、農産物の流通業界にいる友人が「ホントにそうだよな」と思うメールをくれた。
先日のニュースでは、寒波の影響で野菜相場が値上げして消費者が苦労している。 全農や、農水省、消費者団体等が集まって緊急対策を検討したとありましたが、、、
果物は依然、安値推移で苦労しています。加工用米(米粉用等)も相場が下落しているそうです。野菜も、つい2カ月までは安値で相当困っていた。
のに、ちょっと上がるとなんでこんなに大騒ぎするの? と言いたい。
下がったときに消費者団体は何をしてくれるのか!2級品や加工品でも流通に乗せろと言うが、安い時は加工業者に”国産品を使え”と言っているくせに、加工業者に回らなくなるではないか!
まじめに国産品で加工している加工業者には大変失礼な話だと思う。
全くその通りである。
「相場が下がって安くなり過ぎ、生産者が赤字になるとき、消費者は何をしてくれるというのだ」
いや、何もしてくれないではないか。安さに慣れきって、全ての商品は限りなくタダに近くなると錯覚している消費者ばかりではないか。
キャベツがひとたま450円になったとしても、いつも飲んでるスタバのコーヒーを我慢するとか、他の余剰分を削ることで何とかなる範囲にある人でさえ「高いと困る」という。そこに「生産者や流通業者も困る」という視点はない。
そろそろそうした構造を変えていかないといけないんじゃないかと思う。どう変えるかというと、、、そう、今回の火山の噴火がいいサンプルになるんじゃないか。
考えてみれば、秋田県はスゴイ県だ。県民に無くてはならない魚である「ハタハタ」を獲りすぎたため、急激にハタハタ資源が減少してしまった。このままではいけないと、県民が数年間我慢して食わずに、その個体数を戻した。僕はその漁獲制限中に秋田で接待され、立派なハタハタをいただいたことがある。「これ、いま一匹で2500円しますよ」と言われ仰天した(おかわりもしたけど)。いまはハタハタはまた余るほどに回復している。
ビバ!秋田県民!!である。 忍耐という、誰でもできる努力で資源回復させた県民なのだ。
マグロやクジラに関する問題は、なかなか論じるのが難しい問題なのだけれども、でも資源が減っているのであれば「我慢」するしかない。個人的には、マグロはそろそろしばらく我慢していいんじゃないの?という気がする。マグロの商売で生きている人は反対する権利もあるかもしれないが、、、
ということで話がぶれたけれども、火山のようにどうしてもあらがえないものを淡々と受け止めるかのごとく、野菜の高騰も受け入れて欲しいものだ。あ、でもとりあえず母には無事に帰ってきて欲しいので、火山の活動が鎮まるのを待ちます、、、
いやーびっくりした。やっぱり地方にいくとそこで愛されているスタンダード中華というのが面白い。
トキワ養鶏の祝賀パーティー後、ツネタさんが僕ら夫婦を五所川原のたちねぶたや太宰治館などに案内していただき、時間に余裕があるので市内で煮干しラーメンでも、と思ったのだ。
「うーん 煮干しラーメンもいいんですけど、私の知り合いの中華の料理人が「あそこは旨い」っておしえてくれた店があるんですけどね。タンメンが旨いんですけど、いかがでしょう?」
む、どうしよう、、、
みなさまもおわかりのとおり、醤油味のラーメンが食いたいときに、にわかに塩味に変更はできないものである。けど、、地元の人が誘ってくれる店というのは、それはもう最高の信頼度でもある。
「なんでもその料理人いわくですね、ダシにエビも使ってるな、っていうんです。たしかに優しい味なんですけど、美味しいんですよ!」
ふうむ だんだんと食べたくなってきた! それに、タンメン食べてから煮干しラーメンというのは、とくに問題にならないボリュームではないか。よし、行こう!
ということでやってきた「王味(わんみ)」。駅からは2キロくらいあるそうで、このためにわざわざ来なければアクセスできない立地だ。しかもなんというか味のある、、、小さな店という感じ。
ところがここを入ると意外に奥行きがある。手前側はオープンキッチンというかなんというか、調理場とテーブル二つあるだけで、メインのお客さんスペースは奥の座敷だ。
もうすでにほぼ満員。そして入店時にチェックしたが、 みんなの卓の上にタンメンと餃子、そしてチャーハンがのっかっている。むむむっ やぱりここはそういうフォーメーションなんだな!
しかも、やっぱり地方の中華食堂。安いんですよ、、、
とりあえず餃子2枚とタンメン3つ、そしてなんとなく気になったタン炒めをオーダー。
まず最初に運ばれてきたのが、、、
これがここの最大の特徴らしい、餃子のタレ。みてのとおり生のニンニク片がドカンドカンと入っている。しかも卓上の調味料置き場にはさらにエクストラでにんにくを入れてくれと言うことか、みじん切りニンニクが置かれているのである、、、
「そういえばうちにくる中国からの研修生が餃子を作ってくれたときも、餃子の中には入れずに、こうやってタレに入れてましたね。」
ここの店のおばちゃんが中国からきた方ではないかということだったが、さだかではない。しかしもうすでにこのしつらえの段階で、期待が持てる。
そして、いきなりクライマックスが訪れた。
おおおおおおおおおおおおおおおっと
ミニ餃子?と言うくらいに小さい餃子、具材もぴっちりと丁寧に閉じられているわけじゃなく、ところどころ中身がはみ出ていたり、皮が隣のとくっついちゃったりしているけれども、そんなのどうでもいいよと思わせるような旨そうな外観ではないか! 焼き目がぎっちりと全面に着いているところが非常によい!小麦はやっぱり焦がさないとね。香ばしくないもんね。
にんにくたっぷりのタレにつけてパクリとやったら、まずその皮がトゥルントゥルンなのに口内細胞が驚く! トゥルッとした食感がえらい気持ちええやんか!断面に見えるように具材にもニンニク入り。タレが染みこんで堪らないニンニク香が口中に溢れる。ああなんて暴力的な餃子なんだろう。
「これ、二枚じゃたりませんね!」
と新たに二枚追加したが、あとでいろいろ調べてみたら2枚ずつなんてケチなことをせずに、10枚とか焼かないとダメらしい。うーん そうだな、10枚、3人いれば楽勝でいけちゃう。いや、俺一人でもこれならいけちゃう。
そして、、、芸術的にいい感じのタンメンきたりて我を祝福す。
早速、そのスープをすする。
あ、、、 これはイイですね! これはいいですよ! 実はツネタさんが車を止める際、店のバイト君が駐車場を教えてくれたのだけど、その時スープのことを尋ねていたのか、「 うちは鶏ガラと豚骨ですね」と言っていた。まあそのフォーメーションだとふつうっぽいけれども、このタンメンスープ、ジワッとくる美味しさだ。爆発的にドカーンという味ではないけれども、十分な旨みの濃度、麺をきっちりと食べすすめることが出来る太さと、なんだか落ち着きを感じるスープである。
文句なしに旨い!
麺はそれほどハードでも幅広でもないオーソドックスな卵麺ぽいけれども、これがまたふんわりとスープを吸って美味しくなる。ああ、書いていてまたよだれが出てくる。また食いたい!
黒胡椒がどっぱりとかけられたタン炒めも美味しゅうございました。レバニラも食ってみたいな。なお、いま最も後悔しているのはチャーハンを頼まなかったこと。すげー旨いはずだ。
いやー 「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」を書かなかったけれども、ここは絶品である。いまのところ僕の人生のタンメンの中で一番になってしまった。
例の木場の至宝「来来軒」が店を閉め、そこのファンだったひとが元・来来軒のオヤジさんに頼み込んでのれんを継承した新生「来来軒」は、再度いってみたのだけれども、やはり別物であった。麺が、圧倒的によそよそしい。餃子も以前よりよくなっていたけれども、もっとまんべんなく焼き色が着いていたはずだ。もちろん、前の「来来軒」と同じ味ではないということだけであって、新しいタンメン専門店としてはいいんじゃないでしょうかという感じだ。
その斜め向こうに、六厘舎が出したタンメン屋さんがあって、行列ができる繁忙ぶりだ。そこも食べた。実に美味しかったけれども、その実に強い塩梅の濃度は、再度行こうと思う感じではない。一杯食えばしばらくはリピートしないでいいかなという感じ。
しかし!
この王味はまたいきたい!できれば今日また食いたい!最高だよ、マジで。
という感想をおばちゃんに伝えたら、「美味しい!?どこから来たの?東京!それは嬉しいねぇ。300円おまけしとくよ」と豪快にまけてくれた。
実にパワフルなおばちゃんで最高。領収書切ってもらってる最中も「ちょっとゴメンねー」と餃子の鍋に油を垂らし、焼き上がったのを皿に盛りつける。忙しいわ、これは。
いやしかし
まじで素晴らしかった、、、帰ってからインターネットで検索したらやっぱりこの店はものすごくファンが多いようだ。
青森市民が羨ましい! またあの味を思い出しながら、白飯を食うか、、、
青森は弘前市に来ています。飼料米を7割食べさせた卵「こめたま」を生産するトキワ養鶏さんが、フードアクションニッポンアワードの大賞を受賞されたのと、今年で50周年になるのを記念しての式典。
昨年度は各地で飼料米が増産されたので、今年度から飼料米を養鶏や養豚に利用したものがたくさん世に出てくると思われる。本ブログの読者にはぜひ理解してもらいたいところなのだが、こうした取り組みが後発で出てくるときにきちんとみるべきは「飼料米を与えている割合」である。
トキワ養鶏は実に全飼料の7割を飼料米で与えている。それに対し後発の取り組みでは1割程度しか与えないのに「米たまご」などと名乗っていたりする。ま、今の時点で飼料米の利用と表示のガイドラインがあるわけではないので、それは特に悪いことではない。だから、消費の側の眼が重要になる。機会があれば、トキワ養鶏のこめたまと、それ以外の産地で行っているものの食べ比べもやってみたい。
さて前日入りして食べたのは馬肉料理。桜鍋と馬刺しをいただいた。
「あのね、この馬刺しにさ、醤油じゃなくてこれをつけると旨いんだよ!」
と出てきたのが、、、
でたぁああああああああああああ 東北最強の焼肉のタレである、上北農産の「スタミナ源」。以前も書いたとおり、専門農協が生のニンニク・しょうがを使ってタレにしている一品だ。
まあ、この強力なタレにつけたら、そりゃもう美味しいに決まってる。
桜鍋も煮えてきた。そして、貴重な馬のレバ刺しも、、、
ちなみに
この撮影は、先日紹介したリコーGXR+外部フラッシュで撮影している。フォーカス合わせができれば、バッチリである、、、
ではこれから記念式典に出て参ります。
もう、マジで切実な問題。2004年くらいからのデジカメ画像データが、1.5TBのHDDに入り切らなくなってしまった。
外出先で写真を撮ったら、帰りの電車や飛行機内で、できるだけ早くメモリーカードからノートPCにつないだ持ち歩き用の500GB小型HDDにコピー。気合いをいれた写真の場合はJPEGのファイン+RAWの同時記録で計500枚くらいになる。そうなるとだいたい8GB/一回くらいになってしまう。
これを、出社時に会社のデスクトップPC環境にコピー。
現状、デスクトップのPCには、システム用のドライブとは別にシーゲイトの1.5TBのSATAドライブを2つ入れて画像を保存している。なぜ2台かというと、ミラーリングしておいて、どっちかが壊れても大丈夫なようにしているわけだ。
これに加えてアイオーデータ社のLanDiskHomeというNASの2TBモデルが一機。会社のデータサーバとして、そして写真のバックアップとして使っている。RAID5を構築しているから、HDDが壊れても復旧が出来る。
僕はこうみえて非常に臆病な人間なので、「壊れたらどうしよう!?」という恐怖が常にまとわりついていて、そんな構成にしているのだ。
画像はすべてフリーソフトの「とりこみ隊」というソフトでHDDに取り込む。いろんなソフトを試してるけど、RAWがきちんと取り込まれなかったり、デジカメのメーカー純正のソフトだと他社のに対応してなかったりとで、これを使い続けている。Pictureフォルダの下に年ごとに「2010」のようなフォルダを作り、「2010-04-05」のように西暦-月-日という規則のフォルダを作り、その中にメモリ内の画像をコピーということをやってくれる。
で、予想通りではあるけれども、D700を導入した2009年からデータ量が半端ないスピードで増え始め、昨年中に1TBのHDDから1.5TBのに切り替えたのに、もう今の時点で残り5GBしか残ってないということになってしまった。ヤバイ、これはあと一週間分ももたない!
ということで秋葉へ。うちの事務所から秋葉へは自転車で10分かからないので、平日の混まない時間に、快適に買い物が出来るのだ。
いま市販されている最も容量の大きいHDDは2TB。でも、たった500GBの容量アップだと、下手をしたら半年後にはもう満杯になってしまうだろう。だから、もう単体のHDDでは間に合わない!そこでセンチュリーが販売する「ドライブドアeSATAボックステラ5」というのを購入。5台のHDDを買ってぶち込むと、RAID環境を構築してくれるものだ。eSATA接続なのでUSB接続の外部HDDのようにとろくて使えないということがないはずだ。(ただ、この製品のコントローラチップはあまり高級ではないので、遅めらしいが)。
中に入れるHDDはいままでデスクトップPCに入れていた1.5GB×2台と同じものを秋葉で3台調達。クレバリーが安かった。1万円ちょっとで1.5TBが買えるなんて、ありし日のMacintosh Quadra650用に720MBの外付けHDDを8万円近くで買っていた昔が遠いことのように思える。
RAID構築するまえに、いまある画像を2TBの新HDDにコピーしなければならない。SATAインターフェースが全て埋まってるので、HDDをとっかえひっかえして数時間かけてすべてコピー。で、昨日はれてHDD5台をRAIDボックスにぶちこんだが、なぜかマニュアルを紛失してしまい、起動してからRAID構築する方法が確認できない(涙)メーカーのWebサイトにマニュアルあるかと思ったけど、ないのだ。
あー くたびれる、、、
僕でさえこうなのだから、デジタル中心のプロカメラマンはすごく大変だろうな。どうやって画像管理して居るんだろう?
だれかいい方法、教えてください。
ちなみにいままで時間が無くて試せてなかったけど、読者の方からいろいろ教えてもらったFlickrはアカウントをとったので使ってみようと思う。けど、RAW画像をアップできないのがちょっとな、、、
ん? RAWで撮るの辞めればいいじゃん、て感じ?
そうもいきませんよ。田中チョートクさんクラスなら「使うかわからないRAWなんてやめろ」でいいかもしれないけれども、それは現場で出来うる限りの好条件に追い込んで撮れる人のいうことであって、僕はまだまだ自信がない。
ということで、僕の切なる要望は、HDDの飛躍的な容量アップただ一つだけなのである。HDDメーカーさん頑張ってください。
ではこれから青森に行ってきます。
はい、今年もこんな季節になりました。昨年もグデングデンになりながら最後まで大笑いの絶えなかったBBQ大会。
■2009年04月22日 久々に長島農園にてタケノコ掘り&大バーベキュー大会!同世代豪華メンバーの宴だったのである!こないだ、某グルメ雑誌の編集部の人に言われた。
「なんかすごいバーベキュー大会やってるみたいだけど、あれ、ウチの誌面で10ページの特集になるくらいの内容ですよ!もったいない!」
そうだよなぁ、顔ぶれ観たらちょっとすごいもんね。けどね、遊びだから愉しいんだよね、遊びだから。
で、今年は錦糸町「井のなか」の工藤ちゃんが長島君とすりあわせをして、お店の人たちの慰労会的な感じで開催。顔ぶれは表題の通り、井のなかの面々に神泉のシチリア料理「アルキメーデ」、六本木の「ラトリエドゥ ジョエル・ロブション」、そしてこれから店を開くところの眞貝シェフだ。
長島家の竹林は相変わらずきっちりと整備されている。良質なタケノコを穫るためには、はやし放題ではダメで、適度に間引きをして間隔を空けないと、受光することができずよいものが穫れないのだ。
それもこれも長島家の重鎮であるオヤジさんの手による。
「よぉ、来たのかい」
いつも思うんだけど、オヤジさん絶対に純血日本人と思えない濃い顔立ちなんだよなぁ。ロシアとかの血が入ってるんじゃねーか?
「あんまし言うなよ、いろいろあんだよ、俺の過去は」
と普通の顔で言うから「マジかよ?」と動揺してしまった(笑)
長島家の二人目の息子もでかくなっている。
ドイツから嫁いできたフランチスカも、相変わらず美人だ。
そうこうしているうちに、みなゆるやかに集合。
アルキメーデの重(しげ)。僕と同い年だから、今年で40になるのか!早いねぇ、重。
「どもー 不景気で一時期ひどい状態だったけど、最近ようやく持ち直してきたよー」
うん、それは一安心。今年度は、東京のイタリアンが1/3は無くなるんじゃないかっていってる人もいるくらいの不景気だからな、、、いい店は残って欲しい。彼が独立した下北沢の無二路も元気だろうか?そういや、重の独立後に一度行ったきりで、それ以降は不義理をしてしまっている!まあ、アルキメーデ自体にもあまり食いに行けてないような状態だからな、、、東京にあまりいないからね、、、申し訳ないです。
始めにきた組でさっそくタケノコ掘り開始。
みんな集まったところで、いつも恒例の畑見学へ。でも、お腹すかせてるひとたちばっかりだから、僕と数人は最初のスターター飯を作るために手を動かし始める。
いつも他の連中の料理を味わっているだけでは愉しくないので、僕も一品。
熟成ジャガイモの村上農園 を覚えておいでだろうか?
■2009年04月06日 本日発売のdancyu5月号は買うべしですよ! 熟成じゃがいもの記事と、短角牛の記事二遍を書いております。
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2009/04/dancyu5_1.html
この村上智華さんから、今年の雪下貯蔵芋が届いたのだ!レッドムーンとキタアカリと男爵芋。この三種をフライドポテトにしよう。
あとは揚げるだけ、、、ここから先は揚げるのが忙しくて写真撮ってません!ジャガイモは新ジャガを食べるよりも、貯蔵してでん粉質が甘くなってからのほうがはるかに旨い!櫛形に切って二度揚げして、塩だけで予想だにしない味になるのである。
ロブション軍団は3名参加。スーシェフの新藤君、しばらくまえにテレビの「ソロモン流」で日本料理の龍吟の特集やってたときに、飯塚シェフとともに写っていた。身体がデカイから飯塚シェフよりも目立ってた、、、(笑)
絶品のパテ!
「こいつには岩塩を振って、ちょっとだけホワイトペッパーをちらして、コルニッションといっしょに食うと旨いですよ!」と新藤君がとってくれた。
うーん 野外で食うロブションの味は格別である!
アルキメーデのキーコも、昨日仕込んでおいてくれた数々のご馳走を出してくれる!
「こっちの白いのは油そうめん。うちのオフクロが出身の、鹿児島の喜界島の郷土料理なんだよね。それとこっちは、色んなパスタをグラタンにしてみた。」
「ジャンクだけど美味しいでしょ?」
いや全然ジャンクじゃねーよ!旨いよ!
油そうめんも実に味わい深いでんす。
そうこうしてるうちに畑視察組も戻ってきて、BBQなし崩し的に開始である。
青森の地鶏であるシャモロックの手羽が焼かれる。
肉の焼き手は、今回初登場、ラトリエで肉焼きを担当する高橋はっちゃんである!
さすがはロブションで肉焼き担当してる料理人!BBQとは思えない繊細な火入れを、こんなコントロールしにくそうな火でやってくれている!
しっかしほんっとに豪華なBBQである、、、
これに、ドライエージング肉を焼かせたら日本最高峰!と僕が勝手に思っている料理人、眞貝シェフが加わる!
こちらは静岡の富士宮市「さの萬」から萬幻豚など持ち込んでくれた。
ちなみに眞貝、進藤、高橋の三名は揃いも揃って100kgオーバーな人たちである。この豪快な肉焼キストたちを「大物肉焼き三兄弟」と呼ぶことにしたい(笑)
続々と焼けてくる肉。
フジッリにからませたプッタネスカ登場。
三浦半島といえば魚。 魚と言えば「井のなか」佐久間料理長である!
「ここまできてまた魚さばくのかよ~」
といいながらササッと刺身盛り。三浦の金目鯛と4日熟成のしめさば。
こちらは萬幻豚の、絶妙な火入れのロースト。
ビールは贅沢なことに、サッポロの上面発酵ビールである「白穂乃香」。
うーむ こんな贅沢ふつうはないよね。損得抜きの遊びだからこんなことができるわけだ。
みんなで料理説明。
眞貝君は真空調理で、塩分を染みこませた鶏の胸肉をギリギリの火入れしたのを持ってきてくれた。こいつがまた美味しい!んだけど、例のごとく注目料理ほど写真を撮り忘れる。
そうそう、この日一番の大笑いといえば、このバカチンであるところの長島勝美が、地元の小学校のPTA会長になってしまったというニュース!
えー
かれこれ10年以上の付き合いになりますが、、、 いいの?この男で? 酒だけは飲ませすぎないようにお願いいたします、、、(笑)
この日はゲストも多彩。
「板橋区ホタル飼育施設」という、その名の通り板橋区にてホタルを飼育しているセンターがある。そこの阿部先生がいらしてくれた。彼はいま問題になっている蜂の研究家でもある。日本では野菜や果樹の受粉用に、ながらく西洋からマルハナバチを輸入している。多くのマルハナバチは、ハウス内などでの使用後、殺処分してしまう。これはいかんと、輸入してそんな風に使わずとも済むように、日本の蜂を育種・普及させようとしている。
長島農園は昔から阿部先生に協力しているという縁で、この日おあいできた。
こんな、和気藹々の会になったのでありました。でもまだ終わらない!
漁師の船頭からもちこまれた魚たち、、、「また俺がさばくのかよ!」と佐久間さん出動。休みに来たのに休めない(笑)
捌いた後はロブション組へバトンタッチ。
「えー それじゃ、ハーブが欲しいな、、、」 はい、ハーブならその辺に生えてますよ、ということでうろうろしながらハーブ摘みを始める三名。
長島農園の庭はお花畑なんだかハーブ園なんだか境界不明。
そんな中に遊ぶ可愛いガーラちゃん。
香草類にビネガーを加えたあっさり味のソース。
「この鉄板じゃ、皮くっついちゃいますね」
「いいんだ、皮をきっちり焼き切って!」
焼き切った皮ははがして、、、
爽やかな香草ソースを塗り、
ルッコラとオリーブオイル。
「僕らは、こういうプライベートな場でも、料理するときは「ロブションぽさを出す」ことを意識します。あるんです、ロブションさん的な味、というのが。」
うん、ほんと、ロブションの風を感じます!朝どれの鯛は身が締まりすぎてて旨みも醸成されていないけれども、肉がブリンとしていてこれはこれで美味しい。あっさり薫り高いソースが食欲をそそるのだ。
そろそろ寒いぞ、の段階で、佐久間さんが大量の魚のアラでとってくれたダシいっぱいのアラ汁を作ってくれた!
料理人同士の交歓。
子供達に空気銃で撃たれて悶絶するロブション軍団(笑)
なぜかイチゴを焼く少年。(これがかなり旨かったらしい)
こんな風に時間が過ぎていったのでした。
いつもながら料理人のみなさん、ありがとうございました。そして場所を貸してくれた長島農園のみなさん、食い散らかしてスミマセン、ありがとうございました。勝美君、生徒の模範となってください。
来年もやりましょう!
既報のとおり、さちが6月中頃には肉牛として仕上がり、出荷の見通しだ。牛はだいたい、生まれてから25ヶ月~30ヶ月程度で出荷適齢期を迎える。必ずしもその期間のものが美味しいということではなくて、現代の肉牛肥育技術においては、そのあたりで最も経済性と食味とのバランスがよい方法が成立しているということだ。本当はメス牛には二産くらい子を産ませてから半年肥育したものの方が旨いと言われていたりするが、経済的に合わないことが多いわけだ。
で、さちはメス牛として生まれ、通常なら繁殖牛(つまり子牛を産ませる)に廻るところだ。短角牛は個体数が少ないから、子を産んでくれるメスは貴重だからである。しかしこの娘の不幸は、僕がオーナーになった牛の子として生まれてきたことにある。
僕は「牛肉」という製品の価値が消費者に正しく伝わっていないと感じている。それは、単に白いパッケージに綺麗にスライスされた精肉が乗っている、パッケージ商品として売られている「牛肉」しかないからだ。
ほんとうは牛肉とは「牛の肉」である。ヒトの10倍以上の体重に育つ大型動物が蓄えた肉と脂を食べるという、実にありがたく、非日常なご馳走なのだと思う。
でも、「牛肉」という言葉はそうした命との連関をプツンと切ってしまい、消費者にビビッドな感情を与えない。コモディティとしての肉商品、それが「牛肉」という呼び名から受ける印象である。もちろんこれは豚肉や鶏肉においても全く同じである。
農の世界で仕事をする僕であっても、年の半分以上を都市で過ごしているため、食べ物と命との連関を見失っている部分がある。それをきちんと自分で認識するための方法として、「牛を飼う」ということを始めたわけだ。
だから、一頭目に生まれる牛は、メスであっても肥育に回して、肉にするのだと心に決めた。いまから思えば頑なに過ぎた。繁殖にまわしときゃよかったと後悔している。本当にゴメンよ、さち。
まあ、悲しんでばかりも居られない。6月のいずれかの日、預けてある牛舎から青森県のと畜場へ運び、と畜・解体を行うところは僕も一緒に行こうと考えている。
と畜されたさちは、一晩放血・冷却された後、部分肉へと解体される。そこからどうするか。
いま頭の中ではこう予定している。
牛からはステーキなど広範囲に使えるロースが二本、ヒレも二本とれる。二本というのは身体の右左から一本ずつということだ。このうち半身分のロース・ヒレは、静岡県の「さの萬」さんにお預けして、ドライエージング処理を45日以上かけてみようと思っている。そのドライエージング肉をどうするかはまだ決めていない。
のこるロース・ヒレ一本ずつと、モモやスネ、バラといった他の部位の行く末だが、、、
2年前に、週刊アスキー誌上で短角牛まるごと一頭通販を実施したのを覚えておいでだろうか? ロースとヒレのステーキセットと、その他の部位をミックスした焼き肉セットを、しめて250セット販売したものだ。週アス編集部の「4週間かけてじっくり売れば、売り切れるでしょう!」という予想を大幅に外し、なんと4日で完売してしまった、伝説の企画だ。
■アスキー365共同企画 「二戸産いわて短角和牛 一頭山分け企画」 を本気で開始する!
http://blogmag.ascii.jp/yamaken/09/000899.html
■完売御礼! って、もう? 4週やるはずの企画が、最初の週で終わってしまった。http://blogmag.ascii.jp/yamaken/09/000908.html
今回、ロースとヒレを除いた部位の半頭分を、この焼き肉セットにしたいと思っている。100人分くらいになるだろうか。これを通販したい。今回も週刊アスキーで通販出来れば、と思ったのだが、数量が少なすぎてペイしないらしく、企画がボツになった。ということで、このブログ自前でやります。
週アスでやったときと同じように、出荷日は短角の処理の都合で決めさせてもらい、当日必ず受け取りしていただくという制約を買ってくれる方に強いることになるのだけど、その価値はあると思う。
さて、残るロースとヒレ一本ずつとその他の部位・半頭分については、希望されるレストランさんへ販売をしたい。可能であれば、さちを偲びながら、全部位を食べるフルコースをやりたいと思っている。以前、プレミアム短角牛の全部位を食べる会を東京バルバリで実施したけど、同じようなイベントを複数軒でできたらいいな、と思っている。
特に最近、関西方面で赤身肉の関心が高まっているようなので、関西でこれを実施してくれる店がないかなぁ、とひそかに思っているところだ。
関心のある料理人さん、いらっしゃったら連絡を下さいね。
参考までに、短角牛のメスを解体した場合の、各部分肉の重量を下記に示します。価格は、かかったえさ代や加工手間賃などを加えて算出するので、お問い合わせ下さい。
※以下は半丸(半頭分)です。
※もちろんカット売り可能。1Kg単位を考えています。
| 部位名 | 重量(kg) |
| ネック | 4.0 |
| 肩ロース | 19.0 |
| 肩バラ | 6.0 |
| 肩(ウデ) | 16.0 |
| トウガラシ | 2.3 |
| 前スネ | 5.0 |
| 内バラ | 17.0 |
| 外バラ | 17.0 |
| リブロース | 6.0 |
| サーロイン | 10.0 |
| ヒレ | 4.0 |
| 内モモ | 10.0 |
| シンタマ | 7.8 |
| ランイチ | 9.4 |
| 外もも | 6.0 |
| シキンボ | 3.0 |
| ハバキ | 2.3 |
| トモスネ | 2.5 |
| 合計 | 147.3 |
さちの肉をどういただくか。これはとても重要な問題なので、いろんなひとのお知恵を借りながらやっていきたいと思う。
先日来、GXRを毎日手にして歩いている。いや別に義務的に、ではない。軽くて持って歩くのが全く苦にならないから持ち歩いている。もちろん装着しているレンズユニットはA12、つまり50mmマクロレンズのユニットである。やっぱりこれ以外使う気にならない。
で、先日こういう画像を例に出して、ストロボを使ったライティングができるよという話をした。
これを実現しているのは下の写真のようなセットなのである!大公開。
このようにして、ワイヤードでの外部ストロボの使用が可能になる。
こないだのエントリにも書いたけれども、このユニバーサルシューコードは、公式にはリコーのストロボには対応していない。
実は購入に際して、ニッシンジャパンに問い合わせをした。これこれこういう用途に使えますか、という聴き方だ。まあ、おそらく「サポート外なので無理です」の一言で終わるだろう、と思っていた。
しかし!
担当者の方の対応に驚いてしまった!
「基本的に対応機種(ニコン、キヤノン、ペンタックス)のみの対応となります。が、個人的に試してみます」
もちろん最後の「個人的に試してみます」はリップサービスだろう、と思っていた。しかしその5日後、担当のKさんから連絡が!
「1の件、非公式ながら、使えているような感じです。
ホットシューの個体差が出るおそれもありますので、あくまでも、自己責任でご検討お願いします。ご購入の際は動作確認されることをおすすめします。」
ええええええええええええええええええええええ
試してくれたんですか? いやビックリしてしまった! もちろん公式には「使えない」が答えである。しかし、使ってみたら使える「こともある」という風に理解しようと思った。
※あくまでメーカーとしてのニッシンジャパンさんの公式回答は「使えない」です。それをご理解の上でお試しください。この記事を読んで「コードが使えない」などの事態になったとしても、責任は負いかねますのでご容赦を。
で、並行してリコーさんにも「使えますかねぇ?」と問い合わせをしていて、同じ回答を受け取った。
ということで思い切って購入したのである。
GXRのホットシューにニッシンジャパンから発売されているユニバーサル・シューコードを装着する。このとき、コネクタ部分がかなりキツキツに出来ているので、最後まできっちりと押し込むことが重要だ。じつは、最初に接続したとき、最後まで押し込まれてない状態で「これでいいな」と押すのを辞めてしまった。もちろんその状態じゃ光らない。
「うわっ 光らないよ! ハズレ引いちゃったか!?」
とかなりパニックになったのだが、よくよくみたらピンがまだ奥に押し込まれていない状態だったのであった。ちなみに手前に灰色のスイッチが見える。これは、コードで伸ばした方に電流を流すか、それともこのコネクタ部上部にあるホットシューに電流を流すかを選択するものだ。どうせなら同時に二つとも発光させられればいいのに、と思うけど、無理らしい。残念。
で、反対側のコードにリコー純正の外部フラッシュであるGF-1を接続する。
この状態だとぐらぐらするので、僕はSLIKの小型三脚を付けてみた。よくできたことに、このユニバーサルシューコード、三脚穴が開いているのだ。
この状態で本体とフラッシュの電源を入れると、TTL調光のモードになり、カメラ側が判断した光量で発光してくれるのである。ああ、簡単。
もちろん、この状態で直にストロボの光を当てたら、光がきつくなる。ストロボの発光面にディフューザーを噛ませたり、トレーシングペーパーやスーパーのビニール袋なんかを付けて、光を拡散させて被写体にあてること。
ちなみに、、、ユニバーサルシューコードを買ってから実験して気付いてしまったのだが、、、
遙か昔、EOS Kiss Digital N を使っていた頃に買って愛用していた「オフシューカメラコード」というのがある。「まさかこいつは使えまい」と思いながら接続してみたら、、、
使えてしまったのだ! (もちろんこれも非公式だぜ!) ひえー 実はユニバーサルシューコードを買う必要、無かった!?
けど、いいのだ。ユニバーサルシューコードはちょっと短い。まだ実験してないけど、オフシューカメラコードとを延長ケーブル的に使えないだろうか、と思っているのだ。そしたらコードの長さを延長できる。
僕としてはライティングの自由度を確保するために、最低でも1.5mは欲しい。しかもできればスパイラルケーブルでなくて、細身のストレートケーブルで欲しいのだ。
なぜかというと、、、僕は普通、一人で行動し一人でセッティングして写真を撮る。その際、スパイラルコードだと、、、 カメラから遠いところに置いて撮影しようとしたとき、ふとした弾みでビヨーンとコードのバネが効いて手元に戻ろうとする。そのとき、三脚が倒れて料理の皿に突っ込んでしまったりするのである! いやーーーーーん!!!
細かいことだけど、今後の商品開発にぜひ活かしていただきたいと思います。
ちなみに、日々持ち歩くことで、少しでも使いやすくなるようにハックを試みている。
首からかけるストラップを装着しようとしたら、GXRはコンパクトカメラ用のストラップ穴しかなくて、一眼レフようのストラップは装着できなかった!
ので、なにかいいものないかとヨドバシを探したら、三脚穴にねじ込む方式のリストストラップがなんと500円くらいであった。なかなか佳し。
でも、常に手首にまきつけておくのも疲れる。そこで、小さなカラピナでジーンズのベルト通しにかちゃっと引っかけることにした。
カラピナの上にあるのは、超小型のLEDライトだ。これは何に使うかおわかりだろうか? GXRとA12ユニットは、画質は最高だけど、暗所でのAFが迷いに迷うという欠点がある。 でも、基本的にAFを合わせる瞬間だけ明るくしておけば迅速にAFが合う。そこで、このライトで照らしてAFを合わせて、その状態で我慢してライトを遠ざけて、静かにシャッターをレリーズすればいい。そういう使い方が出来る。
「どうせならそのライトで照らした状態で撮ればいいじゃん」
と思う人もいるだろうけど、どうもLEDの光と照明の光がミックスされると、おかしな色温度になってしまうので、まだ使いこなせていない。
ということで、これが僕のいまのGXRライフだ。
そういえば「最近の写真はぜんぶリコーので撮ってるんですよね?」と言われるんだけど、そんなことないです。
基本、気合いを入れるときはニコンのD700。このカメラはあらゆる意味でいまベストの選択。
次に、荷物を多くしたくない場合にはマイクロフォーサーズのE-P2。これには標準ズームレンズと、荷物的に許せる場合はフォーサーズの35mmマクロレンズをアダプタかませて持って行く。
その体制に、特殊な位置づけで入ってきたのがリコーのGXRなのだ。ほんと、不思議なカメラだ。 だって、A12ユニットは、マイクロフォーサーズよりも撮像センサーが大きいAPS-Cサイズなので、基本的な画質もボケ量もマイクロフォーサーズとは比べものにならないほど佳い。
レンズと撮像センサーが最適化されているから、このとおり画面全域にわたって全くゆがみがない。あ、右上の空中に浮遊してるのは飛行船です。UFOじゃないよ。
そして、野に咲く小さな花をマクロ撮影したいと思ったときに、こんなに肩肘はらずに撮影できるカメラもない。
リコーさんとしては、
「GXシリーズのように使える、S10ユニット(24-72mmというズームレンズユニットだ)をメインに使ってみてください。そちらのほうがよりリコーらしいと言えると思います」
と仰っていたのだけど、僕は正直、あまり積極的に使う気になれない。だって結局、コンパクトデジカメ画質なんだもん。
やっぱりGXRには、単焦点ユニットが似合うのである。F2.5でなくていいから、24mmF4.0程度の広角レンズユニットを一つ、そして万能レンズとして使えそうな35mmF2.8ユニットを一つ。それだけあれば、僕としてはGXRだけ持って撮影に行けそうだ。
次に出るレンズユニットはどうやら、コンパクトカメラCX-3と同じ焦点域をカバーする高倍率ユニットらしいが、僕にはあまり必要ないなぁ、、、その次にどうやら、GR-Dシリーズでおなじみの28mmという広角ユニットが出るはずだ。先日CP+で観たそれは、すごくコンパクトで良さそうだった! でも、28mmって僕には中途半端。20~24mmくらいまで広ければなぁ。
GXRは、まだまだユーザが少ないようで、価格.comの掲示板をみてもあまり活発な議論がされていない。つまらん! ぜひぜひ仲間求む、です。
ということで、タツヤンより連絡があったので、ネット上に晒しましょう。
「あ~ え~ いやいやいや、 わたくしこのたび、ラジオに出ることになりました。生放送じゃないけどね。」
なんでも中国放送内に日本酒ファンが居て、この人のさそいで週に一回日本酒の話を収録して放送すると言うことらしい。しかも一回じゃなくて、6月末までの堂々13回!
そして、、、その内容が、PodCastで聴くことが出来る!
■RCCラジオ「道盛浩のバリシャキNOW」
http://www.1350.jp/barisha/
このWebの左メニューにある「Podcast 酒ゴジラの、間違いだらけの酒常識」というバナーをクリックしてみよう。僕はもう自分のiPodに登録しました。
タツヤンはですね、こんなゴジラ顔ですが、れっきとした早稲田大学法学部卒というインテリである。家を訪ねるとかなりの蔵書があり、東京に出てきたときに会うと「昨日、古本屋で古い酒造りの本を見つけてねぇ」というように、知識ベースの蓄積にも余念がない。そして彼の酒造りについての語り口は非常に明快で、誰にでもわかりやすい。以前、「間違いだらけの酒常識」の小冊子があったのだけども、それをラジオ向けにしゃべるぞということだ。
非常に残念に思うのは、、、 「あー いやいや あー」という余分な感嘆詞というかなんというかが、ラジオだから注意してしゃべってんのか、あまり出てこない(笑)かれこれ18年のつきあいになる僕から観たらよそ行きのしゃべり方である(大笑)
ぜひこれはいろんな方に聴いていただきたい。そして、興味が湧いたら、竹鶴酒造の酒を味わってみて欲しい。
dancyuの先月号のキャベツ特集の中で、僕がビオファーム松木さんの取材をしているページがあるのを読んでくれた人はいるだろうか。かなり面白かったので、ぜひ手に取っていただきたい。
![]() | dancyu ( ダンチュウ ) 2010年 04月号 [雑誌] プレジデント社 2010-03-06 by G-Tools |
ちなみに今月発売している号では、卵特集。僕と懐石小室の小室さん、そしてイタリアンのペルゴラの齋藤シェフの3人で、11種の卵を食べ比べている。こちらもぜひ読んで欲しい。
![]() | dancyu ( ダンチュウ ) 2010年 05月号 [雑誌] プレジデント社 2010-04-06 by G-Tools |
さて、そのキャベツ取材だから2月の始め。まだまだ冬キャベツが多い頃だけど、いまは店頭で春キャベツばかり並んでいる。さっきラジオで「春キャベツが高い!」とアナウンサーが言っていたけれども、高くないよ。こんなに天候が変動し気温が上下する中で、植物の生理が正しく発現するはずがない。出荷する側だって、高値がついたからといって儲かるわけじゃない。だって高値になっているということは出荷量が少ないということで、それは畑にあるキャベツが使い物にならない(生育不良)状態になっているということだから。少々高値で売れたって全体的には儲からないのだ。
ということで、1玉350円だろうがなんだろうがぜひキャベツを買ってください。一玉丸ごとのキャベツを楽しむレシピがdancyu誌にあるから(笑)!
まだ結球もしていないキャベツ。
今回、松木さんの畑の近隣でキャベツを大規模に栽培している方のところに伺ったのだけど、富士宮市はキャベツの作付け量で全国一位になったことがあるらしい。その折に最も面積でかかったのがこの方だそうだ。
なんつってもロケーションがスゴイ。富士山がこんなふうに見えるんだから、、、
キャベツにはおおまかに寒玉と呼ばれる、冬にもっとも出荷量の多くなる品種と、春玉と呼ばれる春キャベツがある。寒玉は形が扁平で、ギュギュッと密に巻いており、葉はパキパキと固く、甘みが乗る。春玉は形が丸っこく、葉の巻きがやわやわで、食感が柔らかい。
「春キャベツは柔らかくて甘くて美味しい」
と書く料理本が多いけれども、「柔らかい」は確かにそうだが「甘い」というのは嘘だろう、と思ってしまう。甘さは寒玉に比べれば比較的乗りにくい。
外食店や惣菜店などではキャベツを大量に使うが、店からすれば寒玉をずーっと使いたいと思っている。シャキシャキして甘さもあり美味しいし、歩留まりがいいからだ。春キャベツは葉の巻きが緻密でないから、つまり一玉あたりからとれる千切りキャベツの分量が少ないということである。春キャベツの時期はいろんな店が苦労をしている。
しかし原則的に、3月~5月あたりに寒玉は作りにくい。春玉の品種に寒玉の品種をかけたものが最近では出回りつつあるけれども、まだまだ万能とは言えない感じだ。
ちなみにこの方は200品種くらいは作ってきたという(!)
松木さんはこういったエキスパートの人達と交流しながら、自分の農場にも技術などを還元しているのだろう。
この品種など、寒玉と春玉のミックスであることがよくわかる。
この日は松木さんのキャベツをメインに料理してもらったのだけど、松木さんの農場のキャベツはちょうど収穫の谷間で、小さいものしか残っていなかった。そこで、メインの撮影用の料理はここの立派なのをもらいにきたというわけだ。
この日の撮影は、僕がdancyuに初めて書くこととなった種子島の黒糖の取材でご一緒させていただいた古市さん! 超・御大である! dancyu読者なら必ず古市さんの写真を観ているはずである。古市さんの撮影は(dancyuの場合は)銀塩写真中心になるので、デジタルだけしか使わない僕にはわからないことも多い。だけど、とにかく現場にご一緒するだけでもものすごく学ぶことがある。明るくフレンドリーなお人柄で、この日も「はい、写真関連のDVD,焼いてきてあげたよ」とプレゼントをいただいてしまった。
それ以外にも、古市さんが自作した秘密兵器も「やまけんちゃん、これあげるから使いなさい」と下さった! その秘密兵器とは、、、
カメラのレンズにスポッとはめて使う円形の銀レフ板! DIYショップなどで薄い樹脂ボードなどを買って、そこにアルミシートを貼る。それを円形に切り抜き、さらにレンズ鏡胴の太さに合わせて穴を開けたもの。
料理写真では光を回すことが重要だが、カメラの前面はふつう黒く、光を反射しない。そこでこれをつけることで、外部ストロボからの光が反射し、カメラ前面からハイライトが入ってくれるということだ。うん、原理はしごく明快だけども、これを自作してしまうところが素晴らしい。
もうひとつ、机の上に置かれている銀レフ板、これも古市さんの自作。売っているものもあるけれども、古市さんは自分用に考え抜いてカスタマイズする。このレフ、やたら薄いのにお気づきだろうか。実はこれ、アルミシートをこいつの内側に貼ってあるのだ。

いや、ホントすごい。なにがって、古市さんほどの大カメラマンがこういうことをされているというのに、感じ入ってしまうのだ。
こちら、古市さんご使用のニコンF4。
グリップにもラバーが付けてあって、ご自分が使いやすいようにカスタマイズしておられることが伝わってくる。それとレンズの先についている黒いフードにご注目。設置しているところに黒いウレタンが貼ってある。カメラを置く際に、重量バランスの関係でどうしてもレンズ先端が設置してしまうことがあるわけだが、その衝撃を少しでも緩和しようという工夫だろう。ここまで自分でやる人はあまりいない。古市さんは真の意味でカメラをハックしている人だと言えるだろう。
そんな古市さんがバシッと撮影された松木さんのオリジナルキャベツ料理。
最高傑作はなんといっても「丸ごとキャベツのロースト」。
丸のままのキャベツを三段に切り、塩を振る。
断面にコンビーフを塗りたくるようにおしつけて、、、
たっぷりの溶けるチーズを乗せて、ここに「えええっ!」と声が出そうになるくらいの量のオリーブオイルをふりかける。その後、3分割されたのを元の状態に積み直し、オーブンで40分ほど焼く。上面が焦げるので途中でアルミホイルをかける。
これ、大傑作ですよ!
オーブン開けたとたんにジャジャーと心をくすぐる音、ブワッとアブラナ科特有の香ばしい香り、オイルの香りが満ちる。佳くきれるナイフでケーキのようにカットすると、キャベツの甘~い汁と上質なオイルが一体になったジュースが滲み出る。一缶150円のコンビーフと溶けるチーズの存在感が10倍くらいに増幅されたような旨味。
一個丸ごとのキャベツを食べるのにこれほどダイナミックでしかも安価にできる料理法もないだろう。オーブンがある家庭ではぜひお試しいただきたいと思う。

■撮影データ
屋外のキャベツ畑の撮影は、D700+タムロンの90mmF2.8マクロを中心にしている。このレンズ、あまり登場機会がないのだけれども、やっぱり美しい写りだ、、、
秋田県の由利本荘市を訪れることになった時、どこからそれを聴いたのか、にかほ市の土田牧場さんから「ぜひ足を伸ばして遊びにおいでよ」というお誘いをいただいた。
土田さんとはどこで出会ったのだっただろうか、、、たしか奥さんと、中央畜産会のイベントでお会いしたのではなかったっけ、など、最初の出会いがさだかでない。けれども、小糸言われて行かないわけにはいくまい。
しかも、だ。ここ土田牧場では、珍しいジャージー牛の肉をいただくことが出来るのである!事前に連絡すると、「今の時期は雪でお客さんもあまりいらっしゃらないので、焼肉の食べられるところもクローズしてるんですけど、やまけんさんが来てくれるなら開けます!」と言うお言葉。ありがたい、ということではせ参じたのである!

由利本荘のホテルに、しょっつるの諸井醸造所の諸井社長が来るまで迎えに来て下さる。
「ぜひ一緒に行きましょう!」ということで車を出して下さる。ありがとうございます!
これ2月の写真です。まだまだこんな雪に埋まる山でした。 本当仁山の頂上といった感じの場所で、夏にはさぞかし涼やかだろう!けれども冬は、、、すげえな、本当に!
土田牧場の皆さんと僕。左が土田ご夫妻で右側が息子さんご夫妻。ちなみに家族内でも、職場である牧場内では「父ちゃん、母ちゃん」ではなく「工場長」とか「牧場長」などと職名で呼び合っている。しばらく前から農業経営の世界でも、生業としての農業経営の中ではちゃんと「課長」とか「部長」とかを呼称とするというのが流行ってきているのだけど、目の前でそれがやられているとなんだか観ていてくすぐったい感じだ。
「工場長がいまチーズ工房にいるので、呼んできますね。あ、牧場長、ちょっと工場長に連絡してくれます?」って感じ。
工場長! 絵に描いたようにパワフルなひとだ。この牧場ではジャージー牛のみを飼っているのだが、流行でやっているわけじゃない。この国におけるジャージー牛黎明期からずっと続けている方なのだ。
明治後期から昭和にかけてはこの国にとって未曾有の家畜改良のシーズンで、特に牛については海外から様々な品種を導入し、日本に在来していた牛に掛け合わせたりして新しい用途に向く牛を造成していた。黒毛和牛や短角和牛といった「和牛」が成立する昭和30年代であり、まだまだ歴史は浅い。
で、明治期にはすでに日本に上陸を果たしていたジャージー牛もこのころに国の事業があり、ドカンとまとまって海外から導入された。昭和20~30年代は物資欠乏と国民の栄養状態向上への渇望があったため、少しでも乳脂肪分の高い品種が有望視されていたらしく、ジャージーの生乳は当初、ホルスタインのそれよりも高く買い取られていたらしい。ただ、ホルスタインのほうが圧倒的に乳量が多いため、その後は評価が低くなっていく。
そもそもジャージー種は小柄で腰高、つまり山岳地帯で放牧して飼うのに向いている牛だ。そこに生産性を求めるのはちょっと酷な話である。第一、いまや牛乳は余っている。みんな飲まないんだから。そんな中で重要なのは「どういう味の牛乳なのか、どういう育て方をしているのか」ということだろう。
土田牧場は鳥海山にあるが、ここは昭和30年代に国の事業でジャージー牛を導入した農家が多くいる地帯だ。同じく国の事業でジャージーを大量導入した岡山の蒜山高原と同じような立場と思えばいいだろう。土田さんはご両親が導入したジャージーをひきついで、農場も新しく取得しリニューアルして、今の経営を築き上げてきた。
正直、話をきいていてビックリしてしまった。やってることが無茶苦茶に幅広いのに、それをほとんど家族だけ(繁忙期にはあと二人を雇用)で回しているのだ!
「うちはね、ジャージーが180頭くらい。その生乳絞って、殺菌も自分たちでやって直接販売して、チーズも俺が作って、あとジャージーの肉も肥育してるんだよね。いろいろやることがあるんだよ!」
なんと、自分たちで肥育までやっている!
ちなみに識らない人も多いと思うが、乳用に飼う牛は、メスだけが乳を出すので、オスが生まれてきたらすぐに去勢して肉牛に回す。しかし通常は市場に出荷し、肉牛肥育を行う農家に買われていく。酪農経営と肉牛肥育経営はまったく違うから、同一経営体内で(しかもこんなに小さな経営体!)やっているとは驚きだ。ジャージー種は肉牛としては特殊すぎて、よい市場価格がつかないのかも知れない。
それに、ジャージーのチーズやソフトクリーム、焼肉を食べさせる施設まで運営するのだ!もう本当に独立型酪農経営の鏡と言っていいだろう。
さてまず息子さんの浩治さんに、牛を見せていただく。
「いまはご覧の通り雪が積もってるんで、放牧はしてないんですよ。」
うんそれはわかるよー、 すげー雪だもん!
ここが搾乳場。この奥にジャージーたちが居るのである。牛舎に通じる扉を開けた途端に、人なつっこくて好奇心旺盛なジャージーちゃん達が「ん? なに?誰?誰誰誰誰誰誰?識らない人がいるよーーーーーーー!」と殺到!

ええいっ!
ほんと、ジャージーとブラウンスイスは人なつっこい牛だ。
土田君と色々話す。彼らは昔からジャージーを飼っている(というより生まれてすぐジャージーのそばで育っているわけだ)ので、この品種の牛の生理がよくわかっている。

その観点から見ると、最近いろんなところで出てくる山地酪農にも、中には「これは牛の健康度合いを損ねているだろう」というようなものも散見されるそうだ。有名な山地に視察に行って牛の状態をみると、経営者本人がいうことと健康状態が全く違うということがかなりあるようだ。
「じゃあ、僕はこれから牛の世話があるので、工場長が対応します!」
と牛舎で分かれ、今度はチーズ工房へ。
うーん この親子、そっくりだ(笑) 話し方や意気込みまで似てる。DNAってスゴイ、、、
土田牧場の牛乳は殺菌工程からボトリングまで自分で行っている。もちろん味を損ねない低温殺菌。

後日送っていただいたこのミルクを、行きつけのコーヒー屋であるカフェ・デザール・ピコのマスターにあげたら、すごく気に入ってくれて、速攻で注文してくれたらしい。
「まあ、飲んでよ」
と、ハイシーズンにはお客さんをいれる牧場内のレストランで、試飲させていただく。

正直、ジャージーの牛乳はベタベタと乳脂肪分が多すぎて好きじゃないんだけど、ここのはスッキリした味で美味しくいただける。
「これもたべてよ、できたてのチーズ。旨いよ!」

おおおおおっ こいつぁ 美味しい! いわゆる「裂ける」チーズ。適度な酸味、深いコク。つまんでいると指にしっとり乳脂が滲む。
「これをトーストにしたやつが美味しくて、うちの看板メニューなんだよ。あとで作るから。でもまあそれよりまずは肉だな! ジャージー牛の肉、用意したから食べてってよ!」
やった! これを楽しみにしてたんだ!
じゃーん!これがジャージー牛の肉だ。ここでは自分のところで肥育したジャージーを食肉センターでと畜し、部分肉になったものをスライス加工して冷凍にかけておくようだ。
とてもよい肉ですな。脂肪の黄色みに注目。乾草など粗飼料を一杯食べさせて健康的に育てているのがわかる。その割に粗めのサシがけっこう入っているので、肉として食べて美味しいのではないか、と期待してしまう。

これを焼くのは、炭の粉を固めたいわば炭板。素材が炭だから、ガス火で下から炙ると遠赤外線を輻射してくれるのだろう、よく焼ける。
うん、佳い赤身肉! 焼き上がったのを塩のみでいただくと、なんともマイルドな、やっぱりミルキーといってよい丸いふくよかな味の牛肉だ。黒毛のようなブワッとくる香りではなく、まろやかな香り。そして非常に凝縮された旨味が詰まっている。十分な期間を肥育して、肉自身が熟成した印象をうける。

特製のタレにつけたら ハイ、白飯ガンガン行っちゃいます!
「やまけんちゃん、あのさ、いつもあるとは限らないんだけど、ヒレを用意してあるからさ!絶品だからくってみてよ」
真ん中のやや厚めのものがヒレ肉だ。ヒレはほんとに一頭から獲れる量が小さいから貴重な肉だ。しかも、赤身部分の味の違いはよくわかる部位とも言える。

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

こ、これはうめぇええええええええええええええええええええええ!
柔らかな、唇で噛み切れてしまいそうなくらいに柔らかな肉の繊維から、しっとり落ち着いた肉汁が染み出る。ロースやバラといった部位よりももっと凝縮されたミルキーな香りが口中に満ちる!
すげー旨い肉じゃないか!
「これはねぇ、レストランのシェフとかからも『欲しい!』っていわれるんだけどね、なにせ量が少ないから無理なんだよなぁ」
ということは、たまたまと畜解体したばかりの時にこの牧場を訪れたひとしか食べられないということか!?うーん これは忘れ得ない味になりました。
「じゃ、喫茶室に移動しよう!チーズトーストが出来てるはずだから!」
ここがチーズや生乳、ヨーグルトの販売をしているスペース。奥様が切り盛りしている。
ここでしか食べられないのが、くだんのチーズトースト。こいつがまた絶品なのだ。
「なーんも手を加えてないよ。厚めのパンにさっきのチーズ乗せて焼いただけ。」
でも、これがこの牧場でいちばんに近い人気を呼ぶメニューらしい!

えー これ、ヤバイ美味しさです。焼けたチーズって本当に美味しいね、、、もう草としか言えない。チーズに焼き目を入れるため、他の部分が焦げないようにホイルで覆っているのがミソ。いや、これはホントに素晴らしい。
それにしても、家族中心の経営で、生乳生産と肉牛生産、牛乳とヨーグルト・チーズの加工と販売、焼肉レストランの経営とあらゆる事業を自分たちで行っている土田牧場、スゴイ。しかも心からすばらしいと思うのが、一人一人の顔が活き活きと明るい!
東京から嫁いだ嫁さんからして、顔から幸福と希望がこぼれている。このとおり後継者(?)候補もすくすくと育っている。
日本の酪農はほんとうに転換点を迎えているのだけれども、一つの方向としてあるのは、こうした「ぜーんぶ酪農家がやる」方式の経営だろう。野菜などと違って乳製品には牛乳からチーズ、スイーツまで幅広い。ここのように肉までやれば最後まで行けるという感じだ。ただし、それをやりきるのは本当に大変なこと。土田牧場は夏のハイシーズンは客がひっきりなしに訪れるようだが、それは高いレベルのアウトプットを出しているからだ。
このような志の高い経営は、正直言って株式会社よりも家族経営をベースにした経営の方がうまくいくものだと僕は思っている。市場原理に揉まれ効率を追求しなければならない経営体が、佳き志を貫徹できるものだろうか。しかし家族というまとまりは最初から、家族であるという倫理と志のモチベーションを内包しうる(全ての家族が、とはいわないけれど)。
そんな、僕が常々考えていることを裏付けてくれるような素晴らしい牧場だった。
土田牧場の皆さん、どうもありがとうございました!
あ、最後に一言。
詳しくは書かなかったけど、この牧場のヨーグルトは他のものとは一線を画すものだった。それについて僕はあまり知識がないので書けないけれども、、、関心のあるひとは、雪解けを迎えるこれから、ぜひ土田牧場に足を運んでいただきたい。
仁賀保高原、また再訪したい場所である。
実はむちゃくちゃなスケジュールを入れてしまっていて、心斎橋ドゥ・アッシュに入店したのが12時半、伊丹空港からの飛行機が15時なので逆算すると1時半くらいには店を出なければならないという、忙しい昼食になってしまった。中田シェフと握手の後、空港行きのバス停へ。
伊丹空港の手荷物検査を終え、東京行きのカウンターに着くと、最近はいつものことだけど「羽田空港混雑のため、15分遅れ」ですと。うーむ
しかしね、、、航空運賃も値下げ合戦で、各社とも体力が落ちているのでしょう。そんな中で空のスケジュールもギュウギュウなんだろう。ちょっとくらい値上げしてくれていいから、その分、安全確保をお願いしますね。JALも頑張れ。
と思いながら、空港内にある本屋さんで時間を潰そうとしたら、、、レジに居る女性の顔が、「ターミネーター サラ・コナークロニクル」に出てくるキャサリン・ウィーバー(実はターミネーターである、ゼイラ社の女社長ね)にそっくりだったのですげービックリした!ストーカーみたいにちらちらと見てしまった、、、髪型までにてたのは、もしかして本人も似てるのわかってるんだろうか?
そんなこんなで東京に戻り、一路神楽坂へ。
飯田橋駅の法政大学側の出口から、神楽坂下から道を登って右に曲がり、飯田橋の反対側の方へちょっともどったところに「神楽坂しゅうご」がある。
僕が短角牛や土佐あかうしについてガンガン書いている料理人向け雑誌「専門料理」(柴田書店)の読者さんは、やっぱりプロの料理人が多い。実はタイトルやテーマを変えつつ、連載そのものは4年目に入っている。
しかし最初の頃はまったく「読まれている」という実感がなかった。読者さんからの反響が全くなかったから、、、それが、一昨年から始まった「牛を飼う~日本の食を考える」という連載からは大きく変わった。野菜など農産物中心の話から肉の話に変わったわけだが、稀少な牛肉というテーマは多くの料理人にとって必要な情報らしい。いきなり、編集部や僕に直接連絡してくる人が出てきた。
そのうちの一人がここ神楽坂しゅうごの広瀬シェフだ。

北大農学部で静内牧場の責任者でもある秦(はた)先生との交歓の中で、先生が手がけているヘレフォード種×短角和種の掛け合わせの赤身肉の販売に協力した。その際、彼が真っ先に問い合わせをしてくれたのだ。
■2009年06月29日 畜産システム研究会の会場となったのは北大の静内キャンパス。なんと470haもの敷地内は、動物ワンダーランドだったのである! 肉牛のヘレフォード種と短角種、そして本物の道産子・馬を観た!http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2009/06/470ha.html
サンプルを食べた広瀬さんから興奮した電話が入ったときのことは忘れられない。
「これ、スゴイ肉じゃないですか!? 昆布をたべているみたいな、旨味の塊ですよ!」
というものだったのだ。あいにく、このヘレ短については季節繁殖なので12月を過ぎると肉の出荷が無くなってしまう。次回は6月からだ。なのでそれを待つ間、広瀬シェフは土佐あかうしも頼んでくれたのだ。
「いやー 土佐あかうしもすごーく美味しいですよ!赤身と脂のバランスがちょうどいいです。」
で、、、実は昼まで一緒だった、高知県の土佐あかうし取り扱い業者である三谷ミートの社長から「ヤマケンが来るっていってたからとっておきのメスのモモ送っといたよ。」と貴課されていたのだ!うひょー楽しみ。
もちろんこの日は秦先生と、以前北海道で馬の牧場を経営していたX女史ともご一緒させていただいた。秦先生としても、自分の牛を評価してくれた店がどんなところだったか知りたいわけだ。「いやーどんな料理が出るんだろうね」とワクワクドキドキ。
で、、、
この小呈な店が、実に驚くほど素晴らしい料理をだしてくれたのである!
プンタレッラのポタージュ。イタリアのほろにがい春の味であるプンタレッラの風味そのままに。チーズの塩気と舌の端に残るほろ苦さが食欲をそそってくれる。
イチゴとトマトチーズの前菜。これがまた、イチゴの生臭さをうまくオカズ化できている。
そして出ました土佐あかうしのメス牛のモモ肉タルタル。

これがですね、みなが「おおおおっ」と声を上げたほどの美味しさ。赤身肉の旨味成分の含量では短角牛に分があるとおもっていたけれども、このメスの土佐あかうしは、口に入れて舌に触りひと噛みした瞬間に、落ち着いた女性的な旨味を感じる。よくメス牛の味を去勢牛にくらべてきめが細かいと表現することにしているけれども、本当に肉の食感も味もキメが細かいのだ。
ジュレをまとわせたタルタルの技法もいい。ちなみに載っている青物などはほぼ広瀬シェフの実家の畑で作っている野菜だという!
「経費削減のためですよ、、、」と笑うけど、違うだろうなぁ。とっても食材に気を配っている。原価率高いだろうなぁ。
イベリコ豚の生ハム。
トリッパ
そしてこれも秦先生が紹介した、十勝の放牧豚。
どの料理にも季節感一杯の野菜ベースのソースが合わせられている。この放牧豚は空豆に、桜の花びらが。
そしてサウスダウン種の子羊のローストが!
骨にむしゃぶりついていただくのが最高!火入れも抜群。ソースはアンチョビニンニクベースだろう、羊の脂のキレをよく感じさせる塩味だ。
さーていよいよメインディッシュだ。土佐あかうしのローストにタケノコのフリットを添えたものが、こんなドカッと盛りで出てきた!
「これ、軽く焼き目を付けた土佐あかうしを、うちの実家の稲ワラで即席の燻製にしたんです。ワラの香りがついていると思います。」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ
そうきたか!

大きく肉を切り取りかぶりついてみる。稲ワラのクセのない燻煙の薫りをまとった土佐あかうしのモモ肉は、噛めばジュースをシュッと滲ませ、その汁を呑めばほどよい酸味と旨味、そして燻された薫りと絶妙な塩味が感じられる。
絶品だ!
いやーこれは素晴らしい。こんなのが食えるとは思いませんでした、完全に見誤っていた。広瀬シェフ、スゴイ!
〆のごぼうリゾット。ゴルゴンゾーラを少し混ぜていただくと、ごぼうの土の香りと発酵の美味しさが混ざり合ってたまらん。赤ワインに確実に合う味。
実はこの後、パスタも食べました。ラムのパンチェッタをタップリ入れたトマトソース、、、ものすっごい旨いじゃないの!
いやー こんな穴場的な店、今まで知らなかったのが残念だ。
大満足。こうして熟成肉と土佐あかうしをめぐる一泊二日の旅が終了した。肉ばかり食べていたのに、なぜか身体は軽い!黒毛ではこうはいかないはずだ。
6月からはいよいよ北大牧場のヘレ短も出荷される。その際にはまた食べにこようと思う。
広瀬さん、どうもご馳走様でした!

大洲市で素晴らしい醤油を醸している梶田商店の若旦那である梶田君に蔵を見学させてもらった(後日掲載する)のだけど、その帰り道。
「やまけんさんね、松山に僕や食関連の仲間達の間でいますごく集中的に攻めてる店があるんですよ。カフェ・カバレっていう店なんですけど、カフェって言うけどビストロっぽいところなんです。そこのレッドカレーが旨くて旨くて、、、たまにしか出ないメニューなんですけど、連絡して作ってもらっているんで、行きましょう!」
うん、カレーは飲み物。いつだってなんだって、喜んでいただこうじゃないか!
カフェ・カバレの噂は以前からも聞いていたのだけど、まさか松山市駅近くの、このロケーションだとは思わなかった!

花園町。一つ通りの向こうには、あの甘いラーメン「瓢太」がある。大通りの真ん中を市電が通る、松山の目抜き通りのひとつだ。この写真の方向に渡って、、、
すぐ右に向いたところにあるこのビルの入り口。薄暗い階段をずんずんと3階まで上っていくと、、、

いきなり芽に鮮やかな紅いドアが出現! ここまでの階段が非常に暗い雰囲気なので、そのギャップに目が喜ぶ。

しかも店内は、、、驚くほどにゆったりとした、まさにパリのビストロ!
この方が通称ムッシュと呼ばれるオーナーシェフ。
「ほんとは今日はレッドカレーの日じゃないんだけど、用意してますよ。」
ありがとうございます、、、
窓際の席からはまさしく松山の風景が拡がる。市電がガタゴトいいながら走っている震動も伝わってくるような、ちょっとぼーっと息を抜くのに最高なロケーションだ。よくこんな立地に空き店舗があったなぁ。
「ムッシュ、ここの物件みた瞬間に決めたみたいですよ。雰囲気いいですもんね!」
ほんと、よい空間です。

メニューを見ればしっかりとフレンチ、そしてリーズナブルなビストロ価格。
店に入る前から梶田君が「とにかく若い女の子ばっかりの店なんですよ。ヤロー二名は浮くと思いますけどね!」と言われていたのだけど、このとき店内にはオッサン一名と僕らだけ。
「あ、、、 今日、浅田真央ちゃんとキム・ヨナの生放送があるからだ!」
あー そういうことか!たしかに平日の昼時なのに人通りが少ない。うーんさすがだよ真央ちゃん。
ほどなくして、くだんのレッドカレーが運ばれてきたのでした。
レッドカレー、レッドカレーというのでタイのレッドカレーなのかそれともオリジナルなものなのかとおもったが、運ばれてきたのはやはりタイ料理のレッドカレータイプだ。

フレンチらしく色とりどり、様々な具が入っている。美味しそうじゃあないか、、、

カレーペーストから作っているわけではないようだけど、いろんな手を入れて複雑味をました味になっている。うん、なかなか美味しいレッドカレーです。ご飯がしっかりバターを炊き込んだライスなので、香りとコクが強まってイイ。
うん、ナカナカではありませんか!
しかし、、、
僕はレッドカレーを食べながら、入り口の黒板メニューに書かれていたあるメニューのことを考えていた。
「仔羊のカレー」
ん、、、
おれ、タイカレーも好きだけどさ、当然ながら日本におけるふつうのカレーの方が好きだったりします。
そこで、厨房にいるムッシュをサポートしているサービス担当さんをクイッとお呼びして、お願いしてしまったのでありました。
「仔羊カレーもお願いします、、、」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ
うまそうじゃないのぉおおおおおおおおおおおおおおおおお
えーと、はっきりいいますが、レッドカレーもいいけど、こっちのほうが完成度が遙かに高い! ガシッと焼き込んであるラムが、外側の焼き目のサクリとした食感は残しつつトロトロに煮込まれ、ラム特有の芳香が脂からルーに染み出ている。劇辛とはほど遠く落ち着いたルーも、さすがはムッシュのフレンチ、パリの街角的おちつきを感じる。
さきのバターライスも、どちらかといえばこのカレーに合うようにチューニングした感じ。旨みの相乗効果で、噛むほどに美味しい。
おお、旨い旨い と食べ進む僕を観て堪らなくなったか、梶田君もオーダー。

うわっ 旨いッス これは旨いナー
といいつつ二人でカレー4皿完食!
いやー素晴らしきランチです。

「仔羊カレーは定番なんで、ファンの方も多いです。ランチの目玉ですね。」
とサービス君が言うが、これはたしかにはまりますな。実に品のいい、しかしかっちりと満足させてくれる。カレーです。
「いかがでしたか」

いやー大満足ですよぉ
「あの、やまけんさんって、『専門料理』 に赤身肉の牛肉のこと書いてるやまけんさんですか???」
え! 読んでくれてるんですか?
「はい、土佐あかうしってどんな味だろうってすごく気になってます、、、」
マジ? 隣の高知県の食材だけど、こっちでは食べないのか、、、そうか、、、それならぜひこんどいっしょに高知に行きましょう。
いやーやっぱり専門料理って、志ある料理人は全国どこでも読んでるんだなぁ、と実感してしまったのである。
いやそれにしても 真央ちゃん対決の日でよかった。「うちとしては超・計算外ですけど、、、」というムッシュ、ゴメン、でもすごく居心地がよかったです。
今度は若い女性いっぱいの華やいだタイミングで来てみたいものだ。
カフェ・カバレの仔羊カレー、一食の価値あり。ごちそうさまでした!
メーカー名 : RICOH
機種 : GXR
露出時間 : 1/48秒
レンズF値 : F2.5
露出制御モード : 絞り優先AE
ISO感度 : 200
フラッシュ : 発光
上は、リコーのGXRにA12ユニットという、35mm判換算で50mmの焦点距離になるレンズで撮影したものだ。ただし、地あかりと呼ばれる自然光での撮影ではない。これ、クリップオンストロボを用いてライティングをして撮影している。開放F値での撮影だけど、ピント面(中央の瓶の紐にかかったラベル)はきっちりと解像していて、そこから前後は素直にボケている。適切なライティングをすることによって、よっぽどコマーシャルな商品写真などでなければこなせる程度の実力があるのではないかと思う。
もちろん、プロカメラマンが仕事でカメラを使う場合、そのカメラが「プロっぽくみえる」ことが重要だ。一眼レフの上級機が重量感タップリなのは、機能や堅牢性を実現するためということが第一だけど、「プロっぽさ」のためという部分もあるはずだ。現に、日本は例外的に小さいカメラが好まれるけれども、海外では大きなボディのほうがいいという人が多いという話を聴いたことがある。
だからGXRをプロカメラマンが仕事で使うということは滅多に発生しないだろうと思う。けれどもこれが、素人以上プロ未満であれば話は別だ。
特に、最近では広告収入の削減などから、雑誌の取材地に編集者自身が写真撮影をすることが多くなってきている。もちろん一流紙の場合はないだろうけれども、内部向け機関誌や低予算フリーペーパーで、メインページ以外の部分では当たり前になってきているはずだ。
もちろんその場合、多くが中級クラスの一眼レフを持参し撮影するだろうけど、単純に編集者の業務量・負担は重くなる。物理的にも、ノートPCやボイスレコーダーに加え、一眼レフの重量が加わる。クリップオンストロボや交換レンズ、時にはライティングのためのスタンドやアンブレラなどを持ち歩くとなると、フットワークが鍵となる編集者にはちょっと負担が重くなるだろう。
そういうときに、このGXRやオリンパス・パナソニックが展開しているマイクロフォーサーズ機があると、話は変わる。システムがグンと小さくなるわけだ。カメラボディとレンズでいえば1/2程度にはなるだろう。スタンドなどの照明補助器具はそうもいかないけど、近年のデジカメはISO感度を上げても画像が破綻しないようにできているので、クリップオンストロボを使っても撮影は可能という状況が多くなると思う。つまり軽量化ができる。
正直にいうと、現状のGXRやマイクロフォーサーズ機では、まだその用途には足りない。たまにオリンパスのマイクロフォーサーズ機のみで出張にいくけれども、まだまだ後悔することが多い。僕の持っているE-P1とE-P2ではワイヤレスでストロボを発光させるライティングが出来ないからだ。先頃発売されたE-PL1では内蔵ストロボがついたので可能になった。本当はE-P2に着いているべき機能だ。
やっぱりライティングをする/しないというのは、写真の仕上がりに大きな影響が出る。自然光で撮るのが一番いいという人もいるけれども、いろんな光の条件を加味して設定をきちんとして撮る人が言うならともかく、雰囲気だけでそういっちゃうのは危険だと思う。だってカメラの性能は人間の眼と比べると非常に低い。人間はそもそも脳内で凄まじく補正をしながら目の前に拡がる絵を映し出している。明るくない場所でみた料理の写真でも、記憶の中ではそこそこにカラフルに思い出されるものだ。そこを無視して「そのままを撮るのがいい」といってしまうのはちょっとなぁ、と思ってしまう。ライティングは、被写体が持っている色の要素をもれなく照らして発現させてあげるものなのだから。
で、長くなったけど、GXRでライティングをするには少々コツが居る。まず、クリップオンストロボはリコーから出ているGF-1という機種。
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この名称、パナソニックのマイクロフォーサーズ機であるGF-1と一緒だから混乱しそう、、、
普通、クリップオンストロボはカメラ上部にあるホットシューに装着して撮影する。が、僕のカメラの最初の師匠である八木澤芳彦さんからの最大の教えは、
「あのね、ストロボはカメラから離して撮影する。そこから全てが始まるんだ」
というものだ。カメラ上部にストロボがある状況では、ライティングの自由度はないも同然だ。そこで、カメラから離す算段が必要になる。ふつう、カメラメーカーであればオフシューコードという、ホットシューとストロボの間をケーブルで離すことが出来る商品があるものだけど、GXRの場合は純正品は販売されていない。そこまでやることを想定していないのだろう。
そこで、、、これを使う。
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ニッシンジャパンというストロボメーカーが出している、ユニバーサルシューコード。これは、キヤノンやニコンなどのいろんなメーカーのカメラボディとストロボを繋ぐことが出来るコードだ。しかし、対応メーカーにリコーはない。
繋いでみたら、、、使えました。ただしこれは自己責任でお願いします。使えなかった場合も僕に文句いわれてもこまります。
使い方も簡単で、接続してストロボの電源を入れると、GXRのダイレクト画面にストロボのマークが出る。ストロボ背面のLEDがTTLという部分で光っていれば、カメラとストロボが通信しあっている状態だ。これで撮影して、明るい/暗い状態であれば、ダイレクト画面で調光補正ができるので、+-をすればいい。
しかしGXRのTTLは意外にも精度が高いようで、Avモード(絞り優先モード)で絞りをどんどん絞っていっても、照射量は適切に追随してくれる。
■F6.3
■F9.0
F13
F22
さすがにF22になると、ストロボの照射量が追いついていないようで、画面が暗い。この辺になると大容量ストロボが欲しいと言うことになるけど、まあF22なんて普通、使わないからね。必要ないっちゃないです。
いずれも三脚無しの手持ち。暗い室内で撮影したのでフォーカスにはちょっと苦労したけど、でも以前のファームウェア時よりは快適。
僕はこの結果にとってもビックリしたので、いずれ食い倒れ撮影にこのセットを持っていきたいと思っている。
最後に、いろんなところでこのGXRを批判的に書いている人がいるようだけど、どうも購入して言っている人はあまりいないようだ。つまり批判的に観ている人は、量販店頭などで触った感触だけでものを言っているのではないか。
実際に購入して、数日使って慣れてみると、「使えるじゃん」という感想に変化するよ。このカメラ。APS-C機で、このエントリ冒頭のように綺麗にぼけるマクロ写真ってそうそう撮れないと思うけどなぁ。食わず嫌いせずにつかってみなはれ。そうでないと、売れてくれないと、今後ユニットが出ないじゃん!と、ユーザーになった僕は叫んでみるのである。
最初に言っておくけど、GXRは「買い」だ。すげー佳いカメラである。もしこのシリーズがこの先に途絶えて、現行モデルしか出ませんでした、チャンチャン。という結果になったとしても、買う価値があるシステムだ、と僕は思う。それに、リコーからは今後のレンズユニットロードマップがきちんと示された。28mmのAPS-Cユニットが出ることも確定。これは仕事に使えますよ。というお話し。
以前、週刊アスキー誌上の試用レポート記事を書くためにメーカーから借りたGXRの話を書いた。
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2009/12/post_1428.html
んで、このGXRに興味を持つきかっけをつくってくださった、カメラマンの阿部秀之先生から、CP+の会場でリコーの偉い方々にご紹介をいただいた。
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2010/03/cp_1.html
その時に、「こんど阿部先生も作品を出してくださる展示会を銀座のリングキューブで開催するので、いらっしゃいませんか?気楽なパーティーやりますから」とお誘いをいた大体のだ。もうすでに終了してしまったのだけど、12人の写真家がGXRを使って撮影した作品を展示するもので、阿部先生の他にはハービー山口さんやテラウチマサトさんなどビッグネームが並ぶ。これに僕は「はいぜひ」とのこのこ訪ねて行ってしまった。
そうしたら、、、ぜんっぜん「気軽なパーティー」なんかじゃなかった!出展している写真家の皆さんとリコー関係者の、非常になんというか重大なる位置づけの内輪パーティーだったのである!それがわかったとたん、いやーな脂汗を書き始めたワタクシ。
「阿部先生!僕帰ります!こんなすごい顔ぶれ、僕みたいな素人がはいったらいかんです!」
「いいから、いいからおいで」
と誘われ、同じく阿部先生のファンの方と僕の嫁の三名が、超・場違いな着座パーティーへと参加してしまったのである。斜め前にはハービー山口さんがいる!目の前には塙伸一さんがいる!横には森谷 修さんが! ああもうヤバイ、という感じで恐縮しまくっていたのである。ああ、ほんとうにきつかった、、、
でも、とっても楽しかった。それだけじゃなく、リコーって本当にどうしたら写真文化をよくできるのかということを、真摯に考えているメーカーなんだなと実感してしまった。写真家の皆さんも、それを意気に感じて作品を提供している。そんな感じがした。
で、、、その席上で、リコーの方と話をしていて、怪しい方向へと向かうことになってしまったのである(笑)
「やまけんさん、とりあえずGR-Dの初代機を買って、後悔されたんですよね? GR-DⅢは全くと言っていいほどに別のカメラになってます。これを使っていただけませんか?」
おおおおおっと 素人カメラマンにそんな豪勢な! けどね、、、
「申し訳ないんですが、僕にはGR-Dシリーズの、28mm固定の焦点距離が合わないんですよ、、、なので、お申し出はありがたいのですけど、それはご無用です。それよりもGXRを買いますよ。」
ああっ 言っちゃった! 買うかどうか迷っていたGXRを「買う」って、、、
「うーん じゃあこうしましょう! GXRの本体と、24-72mmのズームユニットをお買い求めいただけますか?そうしたら、50mmマクロのユニットは私から差し上げます。」
おおおおおおおおおおっ まじですか?
実に絶妙な駆け引き。はい、文句ありません。
そういうわけで、僕は晴れてGXRオーナーになりました。
届いたGXRをここ1週間で使いまくっているのだけど、やっぱりA12ユニットと呼ばれる、50mmF2.5マクロのユニットに使用が偏っている。24-72mmという使いやすいズームユニットも非常にいいと思うのだけども、これは従来のリコーGX200と同じもの、つまりはコンパクトデジカメのセンサーを使っている。一眼レフのフルサイズ機を利用している身としては、正直いって好きになれない。もちろん旅先スナップなどは全く問題ない。ブログ掲載も全く問題ないだろう。雑誌連載のカットにも、例えば田中チョートクさんはどんどん使っておられる。この辺は好みの問題なんだろう。
しかしですよ。50mmF2.5は思った以上に素晴らしいのですよ。
じつはこの直前の熟成肉のエントリにも、ひそかにGXR+A12ユニットで撮影した写真を混ぜてある。違いを見分けるには画像の大きさ(縦横比率)をみればいい。縦に長い(3:2)のがニコンD700で、若干縦方向が寸詰まりになっている(4:3)のがGXRだ。
しかし下記をみてもらえればおわかりだろうが、ホワイトバランスの正確さとかは、GXRのほうが優秀な場合が多いのだ!
■D700で撮影
■GXRで撮影
画角が違うので厳密な比較にはならないけれども、冷蔵庫内の昼光色のランプの色が反映されているのがD700、対してGXRはわりとみたままを再現してくれているのがわかる。
また別の店のカット。
D700で撮影 WBオート
GXRで撮影 WBオート

ね? なぜかGXRのホワイトバランスは非常に優秀なのですよ。
もちろん、ホワイトバランスの調整は各社でポリシーが違っていて、ニコンはおそらく「その場の色をそのまま再現する」という方向性なのだろうとおもう。D700はハイアマチュア~プロが使う機種だからね、それに精度の悪いWBをのせるわけがない。
しかしそう言う文脈からすると、難しい光源下でも常に「太陽光で観たときに近い色が出る」のがGXRだとしたら、それはそれで素人には使いやすいじゃないか。
ちなみに上の写真は、D700の方はISO1250で撮影し、GXRはISO800。GXRには手振れ補正が入ってるから、A10ユニットは手振れ補正は入っていないけど、それで撮影できちゃうのです。
心配していたフォーカス速度も、いまのところなんとかなっている。それよりなにより、レンズの描写が素晴らしいというに尽きる。

開放絞りのF2.5で、ベージュ東京のパテを撮影。 ピントが合っている部分とぼけている部分の対比がスゴイ。
日中の太陽光が十分にまわっている状態ならば、フォーカス速度は実用的になる。
それに、だ。
実はリコーの人といろいろやりとりをしていたのだけど、、、リコーから発売されている外部フラッシュをつけて撮影することで、全く違った世界が開かれるということがわかったのである。
それはまた続きということで、、、
心斎橋のドゥ・アッシュといえば関西では有名なレストラン。僕は以前、辻調グループの卒業生向けの雑誌である「コンピトゥム」の中で、辻調の先生とドライエージングビーフについての対談を行ったことがあるのだけど、その対談の場がこのドゥ・アッシュだった。ここの支配人の坂口さんが辻調出身なのだ。
その時食べた、さの萬さんのホルスタインのドライエージングビーフ(DAB)は、絶妙な焼き加減であった! シェフの中田さん、若いのにやるなぁ、研究熱心だなぁと感じ入ったのを覚えている。以来、ドライエージング関連のイベントがあると彼は参加しに来てくれて、実に熱意のほどがうかがえる態度だった。何より、ドゥ・アッシュのスタンダードメニューに常にDABが記載されているそうで、関西方面で「さの萬」のDABが食べられる店としてはまずここを挙げれば間違いがないといってもいいだろう。
久しぶりに入ったけれども、実に壮麗なインテリア!昼時でもマダムで一杯だ、、、やっぱり西も東も消費を引っ張るのは女性だと実感する。
今回のメンバーは、昨晩にひきつづき高知県の畜産関係者に加えて、僕の大阪水先案内人のニシガイチ、そして以前、週刊アスキーの「旅三昧」の大阪編で出てもらったトラットリア「MAZE」のシェフ・潤ちゃんだ。

今回はランチでは普通でてこない特別メニューをお願いすることになってしまった。DABは時間がかかるので、ランチ対応はできないのだ。そこを、8名で伺うと言うことで塊肉を焼いてもらった。ありがとうね、中田シェフ。
アスパラベーコンの前菜。ベーコンは実体が見えないが、アスパラのポタージュとミキシングしてエスプーマにしてあるようで、口に含むと燻煙香がフッと立ちのぼり、肉の旨さが表れる。
マスと青リンゴのサラダ仕立て、インドの香りのスパイスと共に。いいねぇ、じらされて肉に対する精神的希求が高まっていくのを感じるよ。
そして真打ち登場。
ホルスタインのDABのステーキである。定石通り、表面だけ焼き目をつけて、あとはオーブンでじっくりと火を通してある。DABは水分の蒸発が激しく、普通に火入れをするとバサバサになってしまうことがある。普通のステーキならバンバンとストレスを与えるような火入れをしたものが僕は好きだが、DABに関してはギリギリの火加減が肝要だ。
今回いただいたDABは焼きについては文句なし!
ただし、元々の肉の熟度が少し浅いように感じた。もうすこし熟成香がブワッと香ってもいい。そう思ったら、帰りがけに中田シェフが「さの萬さんから、今日の分はもう少し追い込みたいんだけど、在庫の都合でこれしかないので申し訳ないと言われていたんですよ」とのこと。やっぱりそうかあ
それにしても、ホルスタインのDABと昨晩の土佐あかうしのDABは、味わいに違いが大きかった。単純にいってしまえば、やっぱり素となる牛のポテンシャルの高い土佐あかうしの方が、より芳醇で赤身肉の旨味も濃かった。もちろんそれは比較すればの話であって、ホルスタインのDABも通常の熟成をした肉に比べれば段違いの美味しさ、いや別の世界の美味しさになるのだけど、異なる品種をDABにして食べ比べするのは本当に面白いな、と思った次第だ。
それにしても中田シェフはひたむきにDABの焼き方研究に邁進している。前回来たときにいただいた肉が素晴らしくて、びっくりしたのだけれども、今回の火入れはまたそれを上回っていたように感じる。関西では有数のDABの焼き手といっていいのではないだろうか。
そんな余韻にひたる間もなく、僕は伊丹空港から帰京せねばならない。大急ぎで空港行きのバスに乗り込んだのであった。
さていよいよ”焼き”である!
大型の七輪には、使い込まれて中央部が盛り上がった網が乗せられる。炭火はもうすでに熾火になり、炎は立っていない状態だ。そして、先ほどの肉塊から切り取られ、周りが整えられた肉がやってきた!

目測で450g程度か。部位はリブロース。
土佐あかうしとしては上クラスとなる、A3の肉である。この横に、本日、県の方から持ってきてもらった普通に真空パックで熟成したサーロインを並べる。
こちらはサーロイン。なので厳密に部位間の味わい比べはできないけど、まあでも特製はわかるはずだ。
又三郎の熟成肉の焼き方はそうとうに練り込まれている。炭火で肉に短時間だけ熱を当てて、アルミホイルでくるんで熱を回し、また短時間焼くというプロセス。都合3回炭火にあてる。
まず第一回目の焼き。表3分、裏返して2分。

この段階は内部に火を通すという意識ではなく、表面にあてた温度が内部にじんわり拡がり、全体が本格的な焼きに備えることが出来るようにする段階だそうだ。
一定時間焼いたらすぐにホイルにくるむ。もちろん火に当てっぱなしではなく、立ちのぼる炎にできるだけ肉があたらないように位置を入れ替えながら細かな熱調整をしている。
二回目の焼き。このあたりからきちんと火を入れるという意識になっていく。
ご覧の通り表面はきちんとアミノ・カルボニル反応が起こって焼き目がぎちっと着いている。これだけ焼き込むのだから、肉に相応の厚みがなければ今度はバサバサに焼きすぎてしまう。したがって肉のカットが非常に重要になるとみた。
三回目の焼きの終了。いったん厨房に運ばれ、カットされて出てきたのがこれだ!
三回の火入れによってじんわりと熱が入っている。輻射熱の入り方になる炭火だからか、不必要に生っぽくない、中央まで火が入りながら、ジューシーさを保っているのがはためにもわかる火入れである。お見事!
そして、こちらが熟成肉ではないほうのサーロイン。
さあ、食べ比べだ。
結論から先に言っちゃいます。
又三郎の熟成土佐あかうしは、おそらく日本でもっとも土佐あかうしを美味しく食べることができる店、と言って構わないのではないか、と思ってしまった!
ものすごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおく 美味しい!
ドライエージングビーフ(DAB)を食べたことがない人にはおそらく想起できないだろうけれども、DABには特有の香りが出てくる。それが熟成香というのかなんなのかわからないが、とにかくフレッシュな肉では味わえない、ミルキーでコクを感じる香りなのだ。そして長期保存によってだろうか、タンパク質の結合がゆるくなるようで、しっとり柔らかい食感・香見応えとなる。そして、赤身肉のタンパク質が分解していくことで豊富なアミノ酸が肉からにじみ出すように感じられる。この3つの印象が、DABの特徴といっていいだろう。
この又三郎の熟成土佐あかうしは、上記の3点に加えて、もともとベースとなっている土佐あかうしの旨さが存分に伝わってくるのだ! まず今回の牛はめったに出てこないメス。オスの去勢牛とメスとでは味は全然違って、きめ細やかな上質な美味しさといえばメスに軍配が上がる。その身質が元々もつ旨味が、熟成によってさらにグレードアップしているのだ。
独特の香ばしい薫り、まさしく芳醇な旨味、飽きの来ない適度な酸味、まったくくどさのない油分の快楽、そうしたものが一瞬にして舌を起点にして、脳内の快楽物質を踊らせてくれる。
文句なしです。
まあ食べる前からわかっていたことだけど、通常の土佐あかうし肉と食べ比べると、その違いはよくわかる。初めてDABを食べる人は、非DABの肉と食べ比べた方がわかりやすいかもしれない。それにしても、左のDABと右の通常熟成のテクスチャをみくらべると、肉の照りや色、脂肪部の盛り上がり方などが全然違う。もちろん同一個体・部位ではないので厳密な比較にはならないが、熟成肉のほうは全体的にしっとりとなじんでいるようにみえる。右側の通常肉のほうは、自由水となっている水分が多いのだろうか、キラキラとしている。
いやーシャッポを脱ぎました。4人でいっきにぺろりと二枚の大きな肉を食べ終わりました。旨かったけど、まだまだ喰いたい!ということで焼肉モードへ突入。
荒井さんみずから、ホルモンや様々な部位の焼肉を焼いてくださった。どれもこれも絶品!やっぱり牛肉への文化的理解度は関西の方に軍配があがるのだろうか。
タン刺しや刺身はどれも但馬(黒毛)のA5だというが、それを感じさせない味。久しぶりに旨い黒毛を喰った。
何か飲み物を、といわれたけど、ぼくはこういう席ではめったに酒を二杯以上呑まない。だって、カロリーを採るなら酒じゃなくて飯でとりたいもん(笑)
ので、ユッケピピンパ大盛り。なんだか旨かったのでもう一杯おかわりしたら、
「久しぶりに観ましたよそんな食欲の人。いまどき中学生もそんなオーダーしませんよ」
と大笑いされた。いや、実に吟味された肉だったので、まったく腹にもたれないのですよ、、、
三谷ミートさんと荒井さんの情報交換。肉のプロ同士、高度なやりとりがされていた。かっちょいー!
料理長はまだこの店で3年目くらいだという。そうなのかー!社員のみなさん明るく、そして仕事が終わった後には自然に肉の勉強会が始まる、そんな熱心な店だそうだ。
「だって、高知まであか牛をみにきてくれた時、店員さんがほぼ全員きてくださったんですよ!そんな店、めったにないです。」(公文さん)
佳い食材を欲しいと願う料理人は多いけど、佳い食材は居丈高に「もってこいよ」といっても手には入らない。やっぱり、産地に足を運んで、生産・流通と理解と情を通じている人に、佳いものは流れていく。これは不公平でもなんでもなく、当たり前のことだ。
「いいメスが入ったら、真っ先に又三郎さんに連絡しますしね」
という三谷ミートさんの言葉は、しごくまっとうな関係性のなかから生まれている。まず、土佐あかうしの真価を識りたいと思う関西方面の料理人さんは、又三郎さんを訪ねてみるといいと思う。その際は予約をして、肉のコンディションを聴いて、いちばんいい時期を教えてもらうことだ。後悔することは無いと思う。
ああ、またすぐに又三郎に行きたい、、、偽りのない実感だ。荒井さん、ご馳走様でした!大変に美味しゅうございました!