
日本橋ぼんぼり京橋店が「東京バルバリ」と店名変更したのは先日エントリに書いたばかりだ。僕の事務所から歩いて7分くらいでいけるので、一人で夜、腹が減ったときに特製シェフカレーを食べに行ったりする。ここんとこ最も頻度高く訪れる店になっている。ちなみにここのシェフカレーは、歩いていける距離にある「インデアンカレー東京店」のインデアンカレーに小池君が触発されて生まれたカレーだ。開店してすぐの日曜日に食べに行ったら小池君が並んでいたので声をかけると、
「やまけんさんが旨いって書いてるから、味を勉強しにきたんですよ」
という。出てくるのを待ってお茶したときに感想を訊くと
「ショックを受けましたよ!あの味をあの価格で、、、ちょっと燃えてきました。」
さすがはお料理ジャイアン。
そして生み出されたのがぼんぼり、じゃなかったバルバリのシェフカレーなのである。牛すじがこれでもかとぶち込まれたそのカレーのルーは、インデアンのように甘く辛い。かなりイケてるカレーなので、まだ食べていない人はぜひ試してみて欲しい。
さてバルバリに店名変更したからにはバルバリ種の鴨を食べたいものだ。そうリクエストして訪店。

エダマメのムースにトマトのソルベを混ぜていただくと、単体よりも旨みがパワーアップして旨い!
東京バルバリらしからぬ、さっぱりした前菜だった。

冬瓜とじゅんさいの一皿は、冬瓜にもう少し火を入れてとろかしたほうが好きだが、「小池ちゃんこんなのもできるのかよ!」の料理だった。
さっぱり、あっさりした料理はここまで。ここからは肉・肉・肉!!のオンパレードである。

短角牛のタリアータ。やけにさっぱりした味付けだなと思ったら、実は肉はこれ以降も出てくるのである。
ぼんぼりで仕入れている短角は岩手県か青森のものだ。短角も産地によって味が違って楽しめる。
さてアグーである。


この日の火加減は最高。
あぐーの脂の旨さが最大限に活性化されながら、肉の繊維感も味わうことができる加減だった。僕はけっこう火を入れたカツが好きなのだけど、旨さのぎりぎりのラインの綱渡りはやっぱりプロに任せたい。
そしてこれがメインである。

とても居酒屋で出てくる料理にはみえない。きちんとしたソースを作ってくれている。
ちなみに鴨はバルバリ種。茨城県の西崎ファームで育てられたものだ。国産のバルバリ鴨はかなり貴重だ。西崎さんのところは今後もかなり引き合いが増えていくことだろう。鴨の肉質は野ガモより柔らかく芳醇、ジューシー。それゆえ、濃厚な風味は野生ものに及ばないが、その分、柔らかな旨みがのっている。
先日、ようやくフランス産の鴨肉の輸入が解禁された。本当にようやくだ、、、
やっと食べられると思うと、うれしくて泣けてくる。蕎麦「流石」の鴨汁せいろもシャラン産鴨肉使用に戻るだろう。国産とフランス産の食べ比べなんてのも今度してみたいものだ。
東京バルバリにてバルバリ種の鴨をいただく。これ、正統。堪能いたしました、、、
横須賀で年間150品目以上を作付けする、野菜のびっくり箱的農園である長島農園の勝美君から、またもやすごいものが届いた。
「やまけん、県が育種している試験品種なんですけどね。やたらと旨み成分が濃くて、みそ汁の出汁にしてもいいくらいのものなんですよ!生で食べてもまずいけど、トマトソースとかにしてみてください」
そうして届いたのがこの品種だ。
野菜の育種とは非常に手間と時間とお金がかかる。基本的には、欲しいと思う性質を持つ品種を複数交配させるのだが、期待している性質が発現するとは限らない。何回も交配を繰り返す内に、「これは!」と思うモノが生まれている瞬間がある。それを選抜し、必要な性質がはっきり発現するまで選抜を続けていく。国や都道府県の試験場や、民間の種苗会社、そして民間のブリーダーといわれる育成家までがいるすごい世界なのだ。
で、この品種は県が育種しているという。まだ名前がついていない段階で、番号での管理がされているようだ。

結論から言おう。
このトマト、ものすごいポテンシャルを持っている。
サカタのタネから出ているミニトマトのアイコという品種によく似た形質(ちなみにアイコも旨い品種だ)だが、旨みの量が本当にすごい。生ではとても旨いといえないが、加熱してトロリとさせ、油と合わせると凄まじく旨いソースができる。あまりに驚いてしまったので料理段階の写真を撮るのを忘れてしまったくらいである。
この品種、ぜひ育成を続けて、品種登録していただきたいと思う。世に出る価値をもった品種である。

先日からどうも新潟づいている。週刊アスキーの連載で長岡・上越に行ったと思ったら今週は新潟市だ。新潟は都に近い方から上越・中越・下越と並んでいるが、ここ数週で全部を回ることができたことになる。新潟県の印象としては、とにかく道がゆったり広い。そして駅舎などの建物が異様に豪華。そして美人度が高いというのは書いたとおりだ。
さて
青果物流通業者の会議で、新しい卸売市場施設の視察等を行って宿泊。本日朝飯食べて会議をやって、昼食を食べた後、皆さんとお別れしてから市内に向かう。新潟に来たら、なんといってもタレカツ丼を食わずには帰れないではないか。
タレカツ丼というのは我々新潟市以外に住んでいるものの言葉であり、新潟市民にとってみればそれこそが「普通のカツ丼」らしい。見た目はソースカツ丼だが、カツをさっとくぐらせるのは醤油ベースの甘辛いタレなのだ。今回のホスト役を務めていただいた新潟の青果物流通の有名人・堅田さんに良い店を教えてもらう。
「そりゃぁね、有名なのは『とんかつ太郎』だよ。これから送っていってあげるよ!でもさ、昼飯食べたばっかりじゃないかぁ」
と言われながらも、店の前まで送り届けてくれた。

思ったより小さな、町の洋食屋という風情だ。中を覗いてみるとテーブル席はなく、すべてカウンター。食べるということに特化された店構えなのである。

■とんかつ太郎
新潟市古町通り6-973
025-222-0097
「いらっしゃいませー!」
と通されメニューを観る。

これだ、見た目は、福井県の名店・ヨーロッパ軒のソースカツ丼に似ているものの、このタレは甘辛ダレなのである。

メニューには普通のカツ丼、ひれカツ丼、そしてカツの枚数が7枚入ってご飯も大盛りという特製カツ丼がある。ここは豪華に特製をやりたいところだが、昼飯後なのでぐっと我慢。ただでさえ最近運動不足でやばいので、普通盛りで我慢してみた。ちゃんとオーダーしてから揚げてくれるようで、5分ばかり待っていると、茶色く香ばしく盛り上がった物体が運ばれてきた!
「おまちどおさまでした!」

おおおおおおおおおおおおっと
これがタレカツ丼!
カリッと感のある素晴らしいプレゼンテーションである。
もちろん肉の下にキャベツは敷いていない、潔いカツ直載せタイプの男らしいハードボイルドカツ丼なのである。

早速カツをがぶりとやってみる。
旨い!
見るからにきめの細かいパン粉が存外にしっかり肉に張り付いている。そのきめ細かなパン粉部分に甘辛い醤油ダレが浸透していて、なんというんだろう、せんべいの揚げもちのような食感が一瞬する。しかしその中身はギュシっと密度の濃い豚肉なのである。脂身があまりないこの部位はロースではないだろう、でもヒレ肉ほどにバサッとしていない。
「あ、これはもも肉なんですよ!」
ほぉー モモか!
なるほど、醤油ダレであっさり食べるためにはもも肉、しかし脂があまり無い部分だから、厚い切り身だとばさばさしてしまう。だから薄目のカット。しかもその方が客の顔を見てから揚げてもすぐに仕上がるという寸法だろう。

一方、カツをのけると顔を出すご飯にもほどよく醤油ダレがからまっている。厨房をみていると、揚げ鍋の横にホーローの深鍋があり、そこに醤油ダレが入っているようだ。揚げ揚がったカツをそこに投入し、ご飯の上に載せる前にタレをまんべんなくふりかけている。そして一枚一枚のカツをタレ切りして載せているのだ。揚げはお父さんが担当、若い女性がタレかけを担当。
「おこのみで芥子をつけてもおいしいですよ!」
と若い女性が教えてくれる。つけてみると、甘辛ダレがツンとした辛味と酸味で引き締まって、これまた旨い!

いやこれなら特製カツ丼にしておけばよかった!全然楽勝で食べられてしまう。
卵とじカツ丼に使用するロースカツよりもあっさりしたもも肉で、しかも薄目のカット。さっぱり醤油ベースの甘辛ダレということで、おやつ感覚で食べられてしまうのである。これはオツなものだ。
面白いのは、他に食べているお客さんの層が、けっこうご年配の人も多いということだ。僕が入店する前から隣にいるおじいさんはどうみても70歳以上にみえる。このおじいちゃんがゆっくりと、しかし着実に、いとおしむようにカツ丼を噛みしめていらっしゃった。このカツ丼、昔からこの味なのかを尋ねてみると、
「ここへは30年ぶりにきた」
とおっしゃる!
30年前、船の仕事をしていたが、先輩がいいもの食わせてやると連れてきてきてくれた。最近、新潟市内の眼科に通うことになったのできてみたけれども、やっぱり美味しいよなぁ、、、
あんまり佳い笑顔で食べておられるので、写真を撮らせていただいた。

撮影後に「ニカッ」と笑ったその顔を撮りたかった。しかし、この証言ですくなくとも30年以上この味が守られていることがわかった。素晴らしい、、、
もっとも、ある人には「豚肉の味が落ちたなぁ、でもそれは世の中全部でそうだからしょうがないか」と言っておられたのだが、、、

この店、折り詰めを買うことができる。嫁さん用にご飯の載っていない、カツだけを一人前買って帰ることにした。
今度、家でもこのタレカツ丼をやってみようと思う。こいつぁ旨い。
実はこのエントリ、新幹線の中で書いている。熊谷駅の手前で信号故障でしばし停車というのだ。
ちょうどよかった、久しぶりにリアルタイムに近いアップができたのである。
明日は、山崎蒸溜所にウイスキーを飲みに行ってくる。もちろん、仕事です。
※「しょっつる(塩汁)」についてこのブログで書いてきたのを観てから読んだ方が、日記の意味がわかると思います。
■
秋田県が世界に誇る魚醤のニューウェーブ 「トトミー」http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2004/04/post_197.html
■しょっつるという調味料について
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2006/05/wisdom.html

能代の楽しい夜、「べらぼうナイト」の翌朝、旅館を出ると青空が細切れに見える、しかし風の強い天気だった。
「やまけんさん。これから男鹿の突端にある諸井醸造所に伺います。あのしょっつるの蔵ですよ!」
そう、あの素晴らしいしょっつるやトトミーという魚醤調味料を世に問うている、諸井醸造所である。僕が日本の魚醤好きになったのもこのメーカのおかげなのである。
「午前中は割と天気がよさそうなんですが、とりあえずこれでも食べててください!」
と渡されたのが餡ドーナツだ。

「この辺の子供達が食べる普通のお菓子なんですけどね」
というが、この餡ドーナツがまた懐かしく美味しい。

通常の小豆あんもあるが、白餡入りのもあるのだ。
粉砂糖の甘さと、色が付いているような油の香りと小麦と卵の風味、そして餡の甘さが、総体でコッテリと舌に回る。

切れ切れに青空が覗くものの、全体的なトーンはまさに雪国。これが秋田の雪景色である。小一時間で、諸井醸造所に到着。

■諸井醸造所
http://www6.ocn.ne.jp/~shotturu/
〒010-0511 秋田県男鹿市船川港船川字化世沢176
TEL 0185-24-3597
「いやぁ~ ようこそこんな遠くまでいらっしゃいました!」

と、額からパァーッと光が放射されているような、諸井社長さんが出迎えてくださる。この方が、まさにしょっつるバカ一代といってよい方なのだ。
「わたし、本当に諸井さんのしょっつるをいただいてから、塩汁に関する考え方が変わりましたよ。全く魚の生臭みがなくて、上品な香りとコクのある旨み。素晴らしい調味料だと思います。」
「ありがとうございます!わたし、やまけんさんのブログに載せていただいているのを観て、とってもうれしかったです、、、それに来ていただけるなんて本当によかった!」

なんだか、初めて会った人ではない感覚。

ちなみに諸井醸造所のメインは醤油蔵である。ケースの中にずらりと醤油が並び、一番上の方にぽつんとしょっつる商品が置いてある。
佐々木さんが言う。
「実はしょっつるといえば男鹿半島の名物ですが、実情はかなり悪くて、海外の魚醤、ナンプラーやニョクマムといったものを輸入して混ぜて製品にするものがあったり、昔ながらの塩汁を伝えているメーカが減ってきている現状なんです。そんな中、諸井さんが『これではいけない!』と立ち上がって研究会を作り、地元の人たちと交流しながら製法や原料の研究を続けてきたんです。全部自費でまかなってましたから、大変なご努力をされてます。しかもハタハタ100%のしょっつるに行き着いたというのがすごい。」
「いやそんなにたいしたことじゃないですよ、、、でもハタハタだけでしょっつるを作るって言うと、周りからおかしいんじゃないかって思われましたけどね(笑)でもね、鰯とかを原料にした塩汁をやってて、何か違うと思ってたんです。ハタハタ100%の塩汁を作る過程で、何が違うのかわかってきたんですよ。まずはみにいきましょうか!」
おお、諸井醸造所のしょっつるタンクを観ることが出来るのかぁ!

蔵に入っていくと、さぞかし魚醤のあのツンとした匂いがするんだろうな、と思っていたにもかかわらず、まったく魚醤香がしない。

何かを絞るのだろうか、立派な赤い樽がオブジェのようにつり上げられたその近くに、秘密の部屋があった。

「ここに眠っているのが塩汁です。まだ仕込んですぐのものと、もうかなり醗酵の進んだのとがあります。」

不思議なことにここにきてもツンとするような刺激臭は全くしない。魚を醗酵させると、野菜とは比較にならないにおいがする。これはタンパク質によるものだとおもうけど、ここでは醗酵が穏やかなんだろうか。
「じゃあ、まだ仕込みから3週間目のものを観てみましょう」

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
ハタハタがギッシリ詰まっている!

かなりシュールな図である、、、ちょっと溶けかかったハタハタがギシッと詰まっているのである。

しかし本当に不思議なことに、変なにおいがしないのだ。無臭ということではないけれども、醗酵が良好に行われているのであろう、腐敗に由来する匂いが全くしないのである。

「これが数ヶ月でこうなります」
と、横のタンクの蓋をあけると、そこには茶色くどろどろになった流体に変化したものがあった!

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
全く違うではないか!魚の原体はいずこやら、全てがどろどろに溶けてしまっているのだ。

「この茶色いのが、魚が発酵菌に分解されたあとのカスなんですけどね。他の魚を原料に塩汁を作っていると、必ずカスが沈殿するんです。でもハタハタ100%だと、カスが浮かんでくるんですよ!不思議なものですねぇ」
そのカスが実はまた旨い!

指先にちょろっとつけて舐めてみると、、、
「アンチョビみたいでしょ?」
本当だ!
ほぼアンチョビペーストのような旨み、しかし塩加減はあそこまできつくない。全体的にまろやかで、調味料として使えるんじゃないか?という味だ。

「塩汁はね、実はギリシャとかイタリア料理と近いんですよ」
という諸井さん。本当にそうだな、と実感してしまった。
しかしこれ、本当にハタハタ100%である。下の写真のひしゃくにぽつぽつとハタハタの卵が付いているのが見えるだろうか?

ハタハタ原料のしょっつるの本物の仕込み風景をみてしまった、、、
感無量である。
「やまけんさん、ギリシャの話をしましたけどね、、、『ガルム』っていう調味料の名前をきいたことがありますか?」
ガルム!
文献でしか読んだことがないが、紀元前からギリシャで使われていた調味料というかソースのようなものがあって、それがガルムという名前だと言うことは知っていた。しかし、もしや、、、
「うちでね、ガルムを仕込んでるんですよ! 実はガルムはカタクチイワシの魚醤です。いろいろ試行錯誤して仕込んでみたんですよ。」
なにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
ガルムを仕込んでいる!
秋田の男鹿半島でギリシャに伝わる魚醤にあえるとは思わなかった!
「こちらが、そのガルムを仕込んでいる部屋です」

もう諸井さんもニコニコしまくりである。この人は本当に魚醤が好きなんだなぁ、、、ということがビシバシと伝わってくるのである。

階段を上ってタンクの中を観ると、ハタハタの時のようにグズグズになった茶色い液体が。しかし、ハタハタのようにカスが上部に溜まるというのではない。多くは沈殿している感じだ。

ひしゃくで上を軽く混ぜると、すぐに茶色い液体が現れる。

このガルム、2005年4月に仕込んで、この秋田行きが2006年2月だから、10ヶ月でここまで醗酵されているということだ。

まだ微妙な醗酵が続いているのか、ポチポチと気泡が立っている。

ちなみにガルムの味は、ハタハタよりもやはりアタックが強く、魚醤特有の風味も強い。ハタハタしょっつるは和食などにあう柔らかい味だが、このガルムは思い切って中華やイタリアンに使える味なのではないかと思ってしまった。
いやぁ、、、
良いものを観てしまった!
タンクの部屋から出ると、すでにカスを濾過したしょっつるが湛えられた桶がある。
「どうですか、透明で、きれいでしょう?」

と、ひしゃくで優しく表面を波立たせる諸井さんの手を観ていると、この人、液体を愛でていると感じてしまった。

しかし本当に透明感ある、綺麗な液体だ。臭みも全くない。芳醇な魚由来の旨み一杯な香りが立ち上るのである!
感動しながら事務所に戻る。
「しょっつるが大好きだから、いろいろやってるんですよ!これは、魚のすり身に塩汁で味を付けたものなんですよ。」

このすり身、ある食品コンテストで賞をもらったそうである。
しょっつるは、単体では消費者にはわかりにくいコンテンツだ。しょっつるを使った料理と提案していくことが必要になっていくだろう。そう思ってみると、実はこの諸井醸造所さんではそうした料理提案が多い。塩汁鍋セットがあったので、買いたいとおもったが、美味しいハタハタがとれる冬季限定なのでこの時は終了してしまっていた。残念!

「これから商品化したいと思っているのが、ハタハタの三五八漬けというもので、塩汁と麹で味を付けているんですよ!いま焼けましたから、ぜひ食べてください!」
と運ばれてきた立派な体躯のハタハタ。ぱっと見には塩焼きだが、じつはこれ、三五八という麹ベースの美味しい地に漬けた魚なのだ。

美しくぷりぷりしたそのハタハタに頭からかぶりつく!
瞬間、酒粕よりずっと柔らかい芳香が絡んだ汁がブシュッと口に溶け出す。腹の卵(ブリコ)がパチパチと口の中で爆ぜる!

ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
こいつぁ 旨い!
ご飯が3杯くらいいけてしまう!
骨も丸ごと食べてしまえるこのハタハタ、塩気も旨みも100%の塩梅だ!


「どうですか、いけますか?」
ムチャクチャイケマスよぉおおおおお
はやく通販して欲しいと切に願う。今年後半にはおそらく商品化されるだろう。そのときにはゴソッと買い求めたいと切に思う次第だ。

いやしかしこの諸井さんとお話していると、本当にこちらまで心が明るくなる。
ハタハタ100%のしょっつるを開発する段階でのご苦労は、お話しからはみじんも感じられないが、孤軍奮闘、凄まじく大変だったろう。そして成功すると、一転して色んな人が寄ってくるという世の常。実はスローフードなどの文脈でいろんなところから引き合いがあるということだ。こういうこだわりの製品を、製造段階からきちんとサポートできる仕組みができてしかるべきだ、と思う。
「しっつるの使い道を私どももいろいろ考えてますが、やはりパスタに使うと美味しいですね。ホームページにいろいろとレシピを書きましたので、ぜひご覧くださいね!」

壁際にはその言葉通り、パスタの写真が。そう、トマトベースのパスタでも、アーリオ・オーリオでも、どちらでもこの塩汁がベストマッチなのだ。そりゃそうだアンチョビみたいなものだもの。よく考えてみたら、バーニャカウダのソースの味はアンチョビがベースだ。塩汁の登場機会は今後増えていくのではないか、と思った次第。

「やまけんさん、ガルムをもっていってください!それと、しょっつるのカス。あれも調味料になると思うんですよ。使ってみてくださいね!」


この二つ、さっそくにぼんぼり京橋店(←バルバリに店名変更)に持ち込んで遊んでもらった。パスタだけではなくいろんな使い道があるだろう。もし関心がある料理人さんがいたら、ぜひ諸井さんのところに連絡をいれて欲しい。でも、タダじゃダメよタダじゃ。試作用でもきちんと買ってあげてくださいね。

秋田が誇るしょっつる。しかし本物のしょっつるを伝えるメーカは少なくなってきているという。諸井醸造所は数少ないそのひとつであると同時に、新しいしょっつるを作り出そうとしている野心的な存在だ。出会えて佳かった。固い握手をしてお別れしたのであった、、、
(続く)
サッカー日本代表には頑張って欲しいが、それより僕にはこの時期、ラッキョウをうまく漬けることができるか否かのほうが重要事項だ。いま、粗漬けを終えて塩抜きをしている。
明日、調味酢に漬け込む。今年は調味酢にもはりこんで、飯尾醸造の富士酢一升瓶を二本買い求め、甘めの酢をつくった。

日本の食文化の崩壊は着実に進み、伝統的な保存食文化は廃れようとしているのに、スーパーではやはり5月から泥付きのらっきょうを置いている。この風景だけは変えて欲しくないものだ。
その2時間後、、、
はやる気持ちを抑えきれず、調味酢で漬け込みしてしまった!
ふぅうんむ、早くカリポリたべたいぜ!
新潟県長岡市に来た。駅の作りも、道路の幅もなんだかゆったりした印象を受ける。初めての土地を踏むとやっぱり全てが新鮮だ。

週刊アスキーの連載「旅三昧」の取材だけれども、それにかこつけて、長岡に行こうと思い立ったのだ。長岡といえば、一昨年から巾着茄子(きんちゃくなす)の産地。覚えておいでだろうか、この巾着茄子を蒸かし茄子にして食べたり、賀茂茄子や米茄子と食べ比べをしたりしてきたのだ。
■巾着茄子と蒸かし茄子
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2005/06/post_564.html
■茄子食べ比べ
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2005/08/post_608.html
その長岡巾着茄子を僕に教えてくれたのが、無二路オフ会に参加してくれたジン君だ。彼は長岡の青果卸の仕事をしている。今回も案内役をしてくれたのだ!

「今回は巾着茄子を熱心に作っておられる小林さんの畑に案内しますよ!で、その前に、小林家におみやげを買っていこうと思ってるんで、、、」
と、きゅるきゅると町中の駐車場に停まる。その前には、なんと読むのだろうか「関要肉店」という看板が!
「おおっ なんか旨そうな雰囲気の肉屋だなぁ」
「ええ、『せきよう』ってよむんですけど、この肉屋のメンチとコロッケが最高に旨いんですよ!夕方には行列するほどなんです」
おおおおおおおおおおおお
肉屋のメンチとコロッケ!
そう聞いただけでもうよだれが湧いてきた!

「メンチとコロッケ」とはなんと凄まじいパブロフの犬的反射行動を呼び起こすものなんだろうか。肉屋といえばメンチとコロッケ。そういう印象が刷り込まれてしまっているのである。サラダ油じゃなくて、こってりしたラードを使ってぱりっと揚げられたメンチとコロッケ。もうそれ以外に何も要らないではないか。
「どうもー」
と入っていくと、関要肉店の内部は素晴らしき惣菜&精肉のワンダーランドであった!





圧倒的質量で並ぶ惣菜群。定番の揚げ物ばかりではない、ここはロックフィールドか?とみまごうように美しく盛りつけられた各種サラダ群。ハンバーグや煮物、冷凍のグラタンなどがギシッと並んでいる。
「ちっちゃい店だからいろいろやんないとねー」
とご主人が笑う。店内にはかなり人数がいて、惣菜を作ったり揚げ物を揚げたりしている。ちょうど数人がかりで挽肉を練り込んでいるところだった。ハンバーグだろうか?メンチの種かな?

見ているとスープストックのようなものや、様々な香辛料を投入している。やはり肉屋のメンチはその物量の多さと手の混み方で、素人にはまねできないものなのであると納得!
しかもこの店、肉の品揃えが半端じゃない。どうみてもA5クラスの最上級肉だなぁと思って訊いたらやっぱり「A5だね、これは」とのこと。また、ほほ肉とか生ラムとか、技ありの食材も手ごろな価格で売っている。こんな店が家の近くに欲しい!

もう我慢できん!
「メンチとコロッケください!」
「ええと、生じゃなくて揚げちゃっていいのかな?」
「はい、揚げてここで食います!」
そう、近隣の人たちは、パン粉の着いた状態のものを買い求め、自宅でぱりっと揚げて食べるのが吉なのだそうだ。最近、できあいの揚げ物を買う人が多いが、それだとあの揚げたての旨い味を楽しめない。それに慣れちゃうと佳くないと思う。かくいう僕も、たまーにしかコロッケなどは作らない。手がかかるからね、、、でも手作りのコロッケほど旨いものもない。それは、揚げたてだからだと思う。
「ああそうだジン君、毎年恒例の巾着茄子祭りのイベントでうちも出店するんだけどさ、巾着茄子、いまから手にはいるよね?あれで何か旨い惣菜作りたいんだよねぇ」
とご主人がジン君と相談。そんな、郷土の食材を積極的に使う姿勢をもった肉屋さんなのである。
「はいよ、メンチとコロッケ!熱いから気をつけてくださいね!」

うはぁーーーーーー
出てきた!紙袋をおしいただき、お礼を言って即座に秒速で外に出てかじりつく。
熱い!
灼熱の光球である!
カリカリに揚げられた衣を直に指で持つとすぐさま灼けてしまいそうな脂である!
一緒に持ってたカメラが脂でべとべとになるが、構わずかじりつく!

ぬおっ
これは素晴らしい!
カリリと歯に衣が突き刺さる音の直後にデュワッと肉汁が!透明感溢れる(みえないけど)肉汁がっ!!滾々と湧き出てくるのだ!上質な肉の甘みと牛の香りがブワッと鼻に抜ける、その濃度を爽やかに下げるタマネギのシャク感と風味。よくみるとタマネギ片がでかい!このアバウトな切り方がポイントなのだろう!
「うわぁあああ 熱い! でも旨い! でも熱い! でも旨い!!!」
口の中の皮膚がヤケドしてぺらっとめくれてしまう。けどやめられない!
結果、1分以内に食べ終わってしまう。
「コロッケ、コロッケ!!!」
もう幼児である。

このコロッケがまた秀逸!
一般のそれよりも胡椒が効いたポテト餡はなめらかだ。コロッケの具は、マッシュしたポテトと具材を合わせてから冷やして固めて成形する。でん粉質だから冷やすといい感じに固まるのだ。しかし油で熱を通すといきなりそのでん粉質だったのが流体然となり、とろとろに舌と唇にまとわりついて焼く!
あちい! あじいぃいいいいい
もう口中の皮はべろべろである。けど旨いからいいや!
ハフハフいいながらすぐに完食。
ああ、その味の残像がいまでも脳裏に焼き付いている。、、、
「こんな早い時間にもうメンチとコロッケですか、、、これから一杯茄子もたべてもらうのに、、、」
いや、全然問題ないよジン!
第一、新幹線の中ですでに鯵の押し寿司とおいなりさんを食べてるんだから一緒一緒。
「さあ それじゃあ巾着茄子の畑に行きましょう!」
こうして旅は始まったのである。
先日、ユリ課植物の山野草であるアマユリが死ぬほど旨い!という記事を書いたわけだが、数人の読者さんからご連絡をいただいた。
・アマユリというのは方言らしく、正式には「ナルコユリ」が正しいようです。
・広く生息する山野草で、富山県にもあるとのこと。
・山形では、栽培を試みているグループがあり、出荷もできるようになっているとのこと。
このアマユリ、本当に素晴らしい食材だ。しかし、山野草として咲いているのを手折ってしまうのは忍びない。乱獲はよくない。だから栽培がうまくいくことを心から祈りたい。
さて山形県朝日町の阿部さんからまたもや素敵な連絡が!
今日、アマユリの花をおくった。
親父が「一握りだが、おくってやれ」と言うので少しばかりだけれども…。多分、大きい花目はつく頃には開くものもあるだろうけれど、食えるから安心して食ってください。初めての食感とほのかな甘みを味わって。 二通りくらいの湯かんげんは味わえると思うので、試してみて。私は、さっと湯がいたのが好き。しゃきっとしていて…。 じゃ。
そして、濡れ新聞紙とビニールに丁寧に包まれた塊を開けて、のけぞった!

な、なんと可憐な花と花びらなんだ!驚愕。
ユリといっても大輪のものではなく、一輪が2センチ程度の小さな花だ。ふんわりしたテクスチャ、うす緑色の蕾をさっと湯がいて食べるのだという。早速軽く塩ゆでして、そのまま食べてみることにする。
湯に入れるとすぐにシュルッとしぼむ。ざるにあげて皿に盛り、箸で開く前の蕾を口に運んでみる。
軽くシャクッという食感。中空の蕾をつぶす音。そしてその細胞壁と花弁からにじみ出てくるのであろう、ほのかに甘い汁と、えもいわれぬ香り。間違いなくユリの花の香りが立ち上る!
こんな小さな蕾から、なんと凝縮された深い感動的な味がするものなんだろう!
本当に初めての体験だ。
かっ込むようなまねは出来ない。一粒ずつ、ありがたく口に運ぶ。余分な味付けは不要だ。

嫁さんにきっちり出汁をとってもらって、みそ汁に入れてみる。最後にちょっとアマユリに火を通すだけだ。繊細なアマユリの味と香りと、みそ汁の旨みが調和して、食べたことのない凄まじい汁になってしまった。黙々といただく。
やっぱり自然は偉大だ。
農業は自然の営みではなく、自然の摂理を少し応用して人間に適した作物を得るための技術だ。自然界には肥料は存在しないが、農業では肥料を使う(一部、使わない農業も存在する)。いままでいろいろ試したけれども、味の組成に関しては肥料を使わないものの方が断然に美味しいと思う。ニンニクしかり、タマネギしかり。ただし収穫できる量が少ないのだ。だから自然(天然)に生えている野草と栽培された野菜では全く存在が違うのである。
日々野菜を食べながら、ふとこうした瞬間に自然の味をいただくと、衝撃を受ける。この衝撃は忘れないようにしたいものだ。
2003年7月から書き始めて3年弱、このブログのエントリ数が1000件となりました。7月までのエントリ数20件くらいは書けると思うので、一年で340エントリくらいのペースになるのでしょうか。よくもまあ、書いたものです。ここまでおつきあいいただいた皆様、どうもありがとうございます。そして今後もよろしくお願い致します。
昔からの読者さんはよくご存じの通り、このブログはもともと出張先から勝手に友人に送りつけていたメルマガがベースになっています。それをWeb化しろという声があり、試しにMovableTypeでやってみたのが、そのまま続くようになってしまった。そんなふうになし崩し的に作られてきたのがこの食い倒れ日記です。だから僕は、今もって「ブロガー」と呼ばれることに違和感を感じます。自分としては単に食い倒れ日記というWebをやっているというだけのことだからです。最初の内は、トラックバックという機能を理解できず、せっかくトラバしてくれた人がいたのに「なんだこりゃ!」といって削除してしまっていたものです。大変に失礼致しました、、、
ここに至るまで色んなことがありました。
食べるということをベースにするだけで、なんというめくるめく体験かと記憶の波に揉まれてしまうほど、色んな料理や人たちとの出会いがありました。そして、オフ会も含め、様々なイベントをできたのは、ひとえに読んで頂いている皆さんのおかげです。
もちろんマイナスのことも多々ありました。写真についてお叱りをいただいたり、最近ではカレーの件でご迷惑もかけてしまいました。学んで、二度と同じことを繰り返さないようにするしかないと思っています。
さて、
農業関連の本の執筆や事件のおかげであまりアクティブに動けませんでしたが、10月中にオフ会を開催することになる可能性が高くなってきました。とある市の市長さんが私のブログをお読み頂いているそうで、「うちの市でオフ会を!」とおっしゃっているそうです。そこは、本ブログで採り上げたことのある食材の産地であり、またすっごいコアでディープなローカルフードを名物とするところです。
ヒントは「焼きそば」。
関心のある方、10月22日(日)のスケジュールは空けておいて頂ければと思います。
改めてこのブログについて、最近読み始めた方もいらっしゃるとおもうので書いておきたいと思います。
本ブログは、美食を追求するものではありません。私が地方出張や在京時に「佳いなぁ」と思ったものを掲載する。それだけのものです。その「佳い」の基準の説明はなかなか難しいものがありますが「美味しさ」だけではないということが言えると思います。美味しいだけが「佳い」ではないと思うからです。
では何が佳いのか。それは、私が書くエントリをみてご判断いただければと思います。
本ブログは徹底してやまけん個人の主観に基づいて書くものですから、お気に召さなかったり、意見の違う方がいて当然です。お腹立ちの方、申し訳ありません。何かあればメールアドレスを表記していますのでご連絡いただければと思います。正しくないことがあれば修正いたします。ただし単なる主観でご連絡頂いた場合には必ずしも返事をお返しできないこともありますのでご了承くださいね。
さてここでお知らせです。
3月頃から悶え苦しみながら書いていた農産物の本が出版されました。本日、大型書店を中心に配本されていると思います。

| 実践農産物トレーサビリティ (2) | |
![]() | 山本 謙治 Amazonで詳しく見るby G-Tools |
ご覧になっておわかりの通り、農産物のトレーサビリティについての本の続刊です。
2003年4月に書いた「実践 農産物トレーサビリティ」から3年経っていろいろな環境が変わりましたので、そろそろトレーサビリティという問題を超えていきましょう、という内容の本を書きました。
一般書という位置づけではないので、農産物の生産や流通、今後の食料事情にご関心のある方は手に取って頂ければ幸いです。
ちなみにこの本のサポートブログを立ち上げました。
が、基本的にはお買い求めいただいた読者さん向けの内容にしたいので、当面はリンクはつけません。実はこの表紙のQRコードを読むとサポートブログにリンクするのですが、、、お手持ちの携帯で読めますかね?
というお知らせでした。
さてさて それでは今日また生きるぞ!
沖縄から、キッペイがやってきた。このブログの沖縄編では必ず僕やカガヤをディープ沖縄食文化ゾーンに誘ってくれている親友である。
「美味しい江戸前のお寿司って食べたこと無いんだよねー」
ということで、在京の沖縄県人タクの発案で匠を予約。そしてカガヤと竹も参戦。久々にこんなメンバーで匠に集まることになった!
EF50mmf1.8レンズでの撮影テストもかねて、匠の寿司を激写!



この時期の子持ちシャコはホッコリして、シャコらしい甘さはないものの、美味しい。綺麗にボケミを出して移せたかな。

本日はウニも出色だった。やっぱりここでウニを食べると他の店で食べたくなくなってしまう。多定置カットにしたら、ビシッとピントの決まった写真になった。

カウンターに座っていた人が僕のブログ読者のRIKIさんで、数回コメントを入れてくれていたという。RIKIさん、あまりお相手できなくて申し訳ない。またどこかでお会いしましょう。
一通り食べてさっと晴弘に座を移し、最高の酒肴を食べながらしばし歓談。

さてこの夜キッペイがカガヤと我が家にすごいおみやげを持ってきてくれた。それは、、、
キングタコスのサルサソースだ!中型のタッパーにびっしり、10人前である!
「キンタコの店に行って持ち帰りで10人前のを買って、容器に移したんだよー 大変だったよ」
うおおおおおおおおおおおおお
ありがとうキッペイ!
■キングタコスについてはこちらを参照
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/000687.html
もうその次の日は朝からタコライスを食べたくてそわそわしてしまった。
いつもなら遅めに帰るが、この日は6時には帰宅。もちろん、肉のハナマサでチェダーチーズ1Kgを買い、「わしたショップ銀座店」でタコスミートを買う。高騰しているレタスを一玉刻み、とっておきのミルキークイーンとはえぬきをブレンドしてタコライスを盛りつけた!
これでほぼ、キングタコスの大盛りの3割り増しくらいか。ご飯が東北のものなのでみっしりとしており、沖縄で食べるよりも満腹感はこちらの方があると思う。
キングタコスをキングタコスたらしめているのはなんといってもサルサソースだ!
一口ふくむと瞬間的にギュオッと辛味が炸裂する!でもその辛味はあまり後を引かない。そしてトマトの爽快なフレッシュな風味と甘さが舌に残るのだ。うわーん最高!ぐっちゃぐっちゃに混ぜてたらふく食べた。
これからの暑い季節、このキングタコスは非常に滋養強壮にいい料理だな、とふと思う。スパイシーな肉とチーズという栄養価の高いものを、レタスのシャクシャク感とサルサの辛味とトマトの味でたくさん食べられる。夏ばてにはいいかもしれない。さすが沖縄である。
キッペイごちそうさま!
今度くるときはあまり気を遣わなくていいよ。
無事、講演終了。新潟のケーブルテレビの会員のかたは、数日後、私の講演が流れるかもしれませぬ。
しかしいったいなんなのだろう、この新潟のパワーは。昨日の長岡でもそうだったし、本日の上越でも人の持つエネルギーがやたらに熱く濃い。
ここ数週間胸の内にもやっと鬱積していたわだかまりが、すべて洗い流されてしまったようだ。
うん、俺はやっぱり自分の好きなことをやろう。
ということで本日の速報版。ビッカビカに輝く旨いもの、佳き食べものさまたちです。全部、ほんとに美しい。ごちそうさまでした!














新潟に出張できています。これから講演するところです。昨日からもうノックアウトされっぱなし。関東では新潟といえば米と酒、くらいしかイメージが生成されていないとおもうけど、トンデモナイ!素晴らしい地域食の宝庫であった。とりあえず速報版で一日目の旨いもん画像をば。













追伸: それにしても素晴らしいのは、新潟は美人度がものすごく高い。すれ違う女性がみな綺麗である。うーん、、、
タイトルに書いたことが全てなのだが、、、
いまや予約必須の超人気店になってしまった日本橋ぼんぼり京橋店が店名を変更する。新しい名称は「東京バルバリ」だ。 って、鴨か!
新しい店のロゴはこれだ!

なんで店名変更するのかというと、店長の池田ちゃんによればこういうことである。
いつも大変御世話になっております。ぼんぼり京橋店の池田です。 ご存知かと思いますが、店名変更の理由と致しまして、いろいろな所でぼんぼんイコール宮崎地鶏のイメージが付過ぎてしまい、小池のおすすめ料理よりも、まず炭火焼き! そして、それだけしか食べずに帰ってしまう状況の方も多々おられます。こちらも説明するのですが、外看板に「宮崎地鶏」と書いておきながら違う物をすすめる矛盾点も有りましたので、店名を変える運びとなりました。 しばらくは電話もぼんぼりのまま対応致しますので、ゆっくり浸透していけばと思います。
なるほどね。
確かに、宮崎風の地鶏焼き居酒屋ぼんぼりとしてのイメージと、京橋店の小池シェフのジビエがっつりイタリアン超絶創作料理のイメージとは相容れないかも。カウンターのお客さんをみても、グランドメニューを頼む人もいれば、お勧めメニューしか頼まない人と、いろいろいる。
当然、この店では小池ちゃんが毎週仕入れ時にひらめく創作料理を頼むのがベストだ。そういう意味では店名変更はいい方向性になると思う。
ということで、これからもますます邁進していただきたいと思う店が新しくリニューアル!なのであった。
※再度更新。べらぼうナイト編は完結でございます。
※更新しました!ただいま新潟出張中!
※ヤツメウナギはミミズとは全然遠縁ということをメールで教えていただきました。ホッよかったぁ。渡辺さんありがとうございました!そのほか、かずかずの秋田のかた、メール有りが等ございます、秋田編はまだまだ続きます、、、

天洋酒店を出てから能代のビジネスホテルにチェックインし、すぐさま懇親会の会場となる「べらぼう」へ。
「この「べらぼう」という店が、本当にこの辺ののんべえや旨いもの好きに大評判の店なんですよ!」
と佐々木さんが言う。それはいいのだが、昼の晴れ間はどこにいったのやら、凄まじい吹雪状態である。横殴りに降りつけてくる雪のすさまじさにちょっと唖然とする。お約束通り、車からビジネスホテルの玄関にいきつくまでに滑って、ゴロンと雪をかぶってしまった。
さて「べらぼう」である。

店の看板には、能代名物の「べらぼう凧」の絵が掛かっている。

■酒どこ べらぼう
秋田県能代市柳町2-39
0185-54-4066
この小さな店が、秋田の日本酒マニア、そして郷土料理マニアの垂涎の的となっているということだ。

店内にはカウンターと座敷。座敷に座っている客がほとんどで、みないい感じに酔っぱらった人たちばかりである。カウンター内の厨房では3人が忙しく立ち働いている。外は雪の降る、人通りのあまり観られない通りだったのに、店の中は活気ムンムンである!

この店の奥のもっともよい位置となる奥座敷では、なんとこの囲炉裏端が飾りではなくちゃんと機能するようになっているのだ!各種の鍋をかけ、ここでぐつぐつやるわけである。いや実に最高!
「やまけんさんお待たせしました、とうとう秋田の郷土料理を食べて頂く時間です。がっちり食べてください!」ということで、遠慮無く行かせて頂くのである!



さすがに日本海の魚を中心とした各種刺身がやばいほどに旨い!
「やまけんさん、それなんだかわかりますか?」
といわれたこの綺麗な肉の刺身、なんの魚だかおわかりだろうか?

「これ、サメなんですよ!」
なんとサメであったか!ふんわりトロリとした食感、特有のアンモニア臭さが全くないことで、思いも寄らなかった。鮮度がいいと不思議な脂分をもった魚として楽しめるのだな、ということにビックリ。

「あっやまけんさん、面白い食材がありますからちょっと表へ!」
と佐々木さんがいうので行ってみると、店のご主人が、水を張った魚のトロ箱から、なにやら長くヌルヌルしたテクスチャの生き物をつかんでいるところだった、、、
なんだろう、これ、、、
もしや!?

「ヤツメウナギだよ。ほら、穴が八つ開いてるだろ?」
うぉおおおおおお
これが生きているヤツメウナギか、、、正直、かなり気持ち悪い。
「これ、ミミズの仲間なんでしょ?」
と誰かが言う。 うわぁ 真実でもそんなこと言うな!ちょっと食欲シュリンクしてしまったのである。
いままでヤツメウナギといえば、浅草で乾燥させたのを粉末にして売ってるところのを覗いたことがあるだけだった。みているとちょっとウウッとなってしまうプレゼンテーションではある。
「この店の珍・名物料理の一つで、一時期しか出されないんですよ。」
というが、どんな味になるんだろう、、、

座に戻ると、先ほどの白滝の山本専務がいらっしゃっていた!

しかも今夜のお燗番は、天洋酒店の浅野さんだ。
また、喜久水さんもいらっしゃっている。

ここからは宴会である。秋田を代表する酒造の代表格が参集しているのだ、酒はもうすばらしいものばかりである。
「はいよ、うちのシャンパンをのんでごらん!」
と喜久水の喜三郎さんが出してくださったのが、生のにごりでシャンパンのように炭酸ガスが含まれた酒だ。これが実にシュワッと来て、ほどよい甘さのキレで、食前酒に素晴らしい。

「やまけんさんのお好きな”がっこ”ですよ!」
おお!秋田のお袋の味、がっこ(漬け物)である。

手前の白い大ぶりの漬け物が大根をなたでざくざくと切って麹で漬ける「なた漬け」、後方右がいぶりがっこ、、、おや、左側にある赤いものはなんだろう?ご飯のようだけど、、、

佐々木さんがにやりと笑う。
「やまけんさん、これを食べさせたかったんですよ。「あか寿司」というもので、餅米を赤ジソと梅酢で漬け込んだもの、れっきとした漬け物として認知されています。」
なんと!米の漬け物か、、、それは発送の転換だ。通常は、白飯に漬け物を合わせるという発想しかないところを、ご飯自体を漬け物にしてしまおうという大胆な発想なのであった。
このあか寿司がめったやたらと旨い!
もちっとした食感、梅酢と紫蘇と酸味が絶妙にマッチしている、これは本当に上品で素晴らしい漬け物だ 。酒が飲めるご飯、という感じだろうか。どんぶり一杯食べたいものである、、、
「さあ、次はうちの息子が育ててる比内地鶏よ!」
と、比内地鶏の焼き鳥がずらっと並んだ!

比内地鶏は高いというイメージがあるが、ここは単価がそれこそべらぼうに高くなってしまいがちな比内地鶏を、息子さんが養鶏をしていることで安価にだせるという。工藤ちゃんさっそくその話に食いつき、価格を聞いて絶句。
「産地ならそんなに安く出せるのか、、、」
ただ、比内地鶏はどちらかというと焼き鶏にはあまり向かないと思う。それは、焼き鳥だと美味しくないということではない。比内地鶏のポテンシャルが最大に引き出されるのは、やっぱりきりたんぽ鍋などで煮る時だなというふうに思うのである。飼養期間の長さもあるだろうが、あの濃厚な旨みたっぷりのスープは他の鶏ではみることができないくらいだ。
「はい、ハタハタの三五八漬けですよ!」

おおっ 三五八!これは日本海側で広くみられる魚を漬けるための地のことで、塩、麹(こうじ)、蒸した白米を3:5:8の割合で混ぜたものである。この中に魚を漬けて少し置いてから焼くと、えもいわれぬ旨さなのだ!

季節的にブリコといわれる卵が入っていないハタハタだが、逆に身がしっとりホクッとしている。三五八の味付けで、適度な塩加減と麹の香りが立ち上り、旨い!単なる干物より複雑な旨みが生成されているのである。
「はい、それじゃ最初の鍋いきますよ!」
と浅野さんが取り分けてくださったのが、白子と若布の鍋だ!

最高に旨そうではないか、、、
「刺身にできるダダミ(白子)を鍋にしてますから、旨いに決まってますよ!」
熱の入った白子はとろとろとしながら味が活性化して、この世のものとは思えないほどに旨い!
「はい、こちらは生のダダミです」

うおーーーーーーーー
生の白子はまさにセクシーショットである。

大根おろしとポン酢でさっぱりしているが、ダダミの味の濃厚さは失われない。生でも強い味が楽しめるのである。
「やまけんさん、これも呑んでください」
と、白瀑の山本さんが、持参してくれた酒をついでくれる。

白瀑の透明感のある味は、お燗をせずにこのままの温度でゆるゆるとやるのに向いているように思う。秋田の魚に合わせて美味しい酒だ。
さてここで松岡食品のグリーン豆腐が出てきた!

この端正な居住まい。デジカメのホワイトバランスがちょっとおかしいので写真ではグリーンにみえないが 、淡い翡翠色といってよい、上品なグリーンかげんである。味わいは非常に繊細!大豆の甘さがストレートに伝わってくる。特筆すべきは、豆腐の硬度は柔らかいのに味が濃いということだ。豆乳の濃度を高めて味を作るのではなくて、普通に固めているのに味が際だっている。美しい豆腐だ、、、この時は囲炉裏端にたくさんの皿がでているので逆上気味に「うまいうまい」とがっついてしまったので、今度改めてゆっくりグリーン豆腐を食べてみたい、と、書きながら思ってしまった。
さて
とうとう出てきた、、、ヤツメウナギの鍋である!

ネギのぶつ切りとニラが一緒に大量に煮込まれているのは臭み消しだろうか。その中にヤツメウナギのぶつ切りがどんどんどどんと煮られている。

ヤツメウナギ、食べるの初めてだ。おそるおそる肉を口に運ぶ。ムッチンという弾力に富んだ肉が、トロッとした食感もある。なんとも不思議な歯ごたえ。少しだけ泥臭さのような香りを感じるが、ニラとネギで相殺されていてなかなかに乙なものだ。

蒲焼きは鍋よりももっとダイレクトに甘辛いタレの味がついていて、こちらのほうが食べやすい。なるほどねー これは精がつきそうな味である。
さて、満を持して登場した鍋がある!
「さあて比内地鶏でダシをとったきりたんぽ鍋をたくさん食べてくださいね!」

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
なんと美しいプレゼンテーション!
囲炉裏の炭火で優しく煮え返り、フツフツという泡が爆(は)ぜていく姿が本当に美麗なのだ!

みていただきたい、この秋田の味覚が詰まった一皿を。誰もが郷愁を感じそうな、濃い醤油の香りがただよってきそうなきりたんぽ鍋なのである。
きりたんぽは、言うまでもなく秋田では重要な米の食べ方だ。太めの串のまわりににご飯をすりこぎなどで練ったものをぎゅっと固め、それこそ囲炉裏の灰に串を刺してこんがりと焼き目をつける。

ちなみに左側にある団子状のものは「ダマコ餅」といって、きりたんぽと同じように米を練ったものを団子状に丸めたものだ。作り方がきりたんぽより簡易なのでダマコが使われるシーンも多い。味は同じかと思いきや、食感や汁のしみこみ加減が微妙に違っていて、「ダマコ派」も非常に多いのである。実際、きりたんぽはちくわのように中空なので、中の穴からも汁が染みこみ、結構すぐに煮くずれしてしまう。この煮くずれ感がまたよくて、僕は煮くずればなのきりたんぽが大好きだったりする。対してダマコは結構その形状を長い時間とどめていることが多いのである。
さてきりたんぽもダマコも旨いが、見慣れない麺が入っているのに気づいた。以前、このエントリの速報版を書いたときに「この麺はなんですか?」というコメントをいただいたが、いまその秘密を明かそう。

これは「能代うどん」である!
魂の酒屋・天洋酒店の浅野さんがイチオシの食材である。
「能代うどんは乾麺の細手のうどんで、関東にはあまりない種類のうどんです。乾麺でもしっかりとした歯ごたえがあって、風味もよく、とても美味しい!今日は鍋にいれましたが、このうどんを茹でて水で締めたのをどんぶりに盛って、ネギやおろしショウガなど薬味をのせてキンキンに冷やした汁をかければ、最高に旨いぶっかけうどんができますよ!」
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
冷やしぶっかけも食いたいが、この能代うどんを煮込んだきりたんぽ鍋が絶品に旨い!
おもわず、鍋から直接、この能代うどんの流片をさらう僕だった。

鍋で加熱すると柔らかくはなるものの、乾麺の時点で表面のテクスチャがしっかり固まっているので生麺のようにどろりとはならない。ほろほろと柔らかく比内地鶏のスープを吸った素晴らしい麺となっているのである!
「これ、旨いですね!」
と工藤ちゃんも大喜びである。後日、天洋酒店から秋田の酒を仕入れさせて頂くことになった工藤ちゃんの店「井のなか」では、この能代うどんの冷やぶっかけを最後の食事で楽しむことが出来るのは、こうしたいきさつだったのである。
さてきりたんぽ、比内地鶏、能代うどんという重要メンバがこの鍋には詰まっているが、実はきりたんぽ鍋をきりたんぽ鍋たらしめる重要な素材がある!
それは芹(セリ)だ!

この芹をみてお気づきと思うが、秋田において(秋田だけではないが)芹は「根っこが旨いんだよ!」なのである!わざわざ根っこが長く太く美味しくなる品種を田んぼの畦(あぜ)に植えている農家さんが多いということなのだ。だから、このきりたんぽ鍋に投入された芹は、緑の鮮やかな葉の部分だけではなく根部も大胆にカットされて投入されているのである!
この芹の根を噛むとズリ、ズリという、細い根が連続的に歯で裂断される音をたてながら、葉部よりも濃い芹の香りを噴出するのだ!これは素晴らしく旨い!

あっという間に鍋の中身が減少。この後、浅野さんにお話しを聴くフリをしながら席を移動したのは、単に能代うどんと芹の残りをさらうために鍋の前に移ったというのが真実なのであった(笑)
いやー大満足!
このべらぼう、秋田県とくに能代を訪れるならば絶対にはずせない、素晴らしい店だ!
「あらどうもありがとうございましたぁ」
とおかみさん。

この店、この夜は持ち込みの素晴らしい酒を堪能したが、店の酒の品揃えも素晴らしい。

おかみさんと話をしていると、店の本棚にdanchyuの日本酒特集の号が積まれている。その中になんと、工藤ちゃんが利き酒のテイスターとして出ている号を発見!

「おかみさん、この工藤ちゃんてひとはこんなすごい飲み手さんなんですよ!」
「あらぁ ホントにこれ、貴方なの?」

「はい、ほんとです、、、」
これで店の親父さんも出てきて、大騒ぎ。

日本酒好きは日本酒好きを知るということか、、、
いや、べらぼうナイト、実に最高だ!
「明日はまた豪雪の中を、男鹿のしょっつる醸造元に伺って、そして「雪の茅舎」の蔵を回りましょう!」
超満腹の腹を抱えながらホテルで就寝。ホテルの玄関をくぐった後は一瞬の記憶もないのであった、、、
(つづく)
さてグリーン豆腐を口にせずに向かった先は、能代市にある喜久水酒蔵だ。同名の酒蔵が長野にもあるが関係はないのでご注意。事務所に入ると、当主の喜三郎さんが待って下さっていた。

「いやどうも寒い中いらっしゃい。雪がなければトンネルに連れて行って上げようと思ってたんだけどね!」
トンネルというのは、この喜久水が誇る天然冷蔵庫だ。廃線になったローカル線のトンネルを買い取ったという。
「夏でもトンネル内は12度に安定していて、湿度もあって、酒を熟成させるには最高なのよ。長い目でみれば全く電力もいらないわけだから最高でしょ?」
とウインク。実に秋田っぽくない、濃ゆいおじさんである!

早速蔵をみせていただく。

廻っていると、工藤ちゃんが「うわー うわー」を連発する。僕はよくわからないのできいてみると、「すごい設備です。投資してますよ!」ということだった。最新の機器を大胆に投入し、酒造りの実践で評価している、パイオニア的な存在。それがこの喜久水酒蔵なのであった。

「これが『亀の尾』ね。きれいに磨けてるでしょ?」

と、精米した酒米をみせていただく。

麹造り、吟醸のタンクなどもみせて頂く。もろみを少しだけ味見させていただくが、まさにシャンパンどぶろく状態、旨かった。

黒樽があったので何かと思ったら、この蔵では焼酎も作っているのだった。

そう、酒粕を使った粕とり焼酎だ。この粕とり焼酎を樽に寝かせているのだという。
しかし、一番驚いたのはこれだ。

これ、遠心分離器である。
ドロドロのもろみを、フィルターをかませて絞ることで透明な酒になる。この濾過の部分でいま最も普及しているのが「ヤブタ」といわれる機械で、蛇腹のような構造で圧力をかけてもろみを漉していく。その工程を、遠心分離器でやってしまうということだ。
「味がね、やっぱり違いますよ。」
という話だが、このレベルの話は正直僕にはついていけずわからん。こんど工藤ちゃんに違いをきいてみたいと思う。
さてここもさっと見せて頂いて辞することになる。もちろん喜三郎さんも夜の宴にはきていただけるということであった。
次に向かったのは「天洋酒店」だ。実は喜三郎さんの酒造で、ずっと一緒に待っていてくださった方がいらっしゃって、その方が天洋酒店の浅野さんだ。この方、最初どういう人だかわからなかったのだが、とんでもない人であった!一言で言えば「秋田地酒バカ一代」である。グリーンとうふの松岡さんクラスの凄まじい魂を持った人なのであった。
「はい、ここが私の店です!」

能代の目抜き通りの交差点に位置するクラシカルな酒店、これが天洋酒店である。
秋田県能代市住吉町9-22
天洋酒店 浅野貞博
0185-52-3722
http://www.shirakami.or.jp/~asano/

「私は本当に秋田の地酒が大好きで、これに命を懸けてます。ですからうちは、ビールを置いていませんすべてのスペースを地酒だけのために使っています」
なにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
酒屋にとってビールはお金のなる樹である。そのビールをまったく置かない酒屋などというものがあったのか!?
確かに店内のケースを見るとすべて地酒である!


「いやぁ、ほんとだぁ、、、東京じゃ手に入りにくい、すごい酒ばかりですよ、、、」
と工藤ちゃんも低くうなる!

浅野さん、ムチャクチャ熱い思いを抱いた人なのである。
「秋田の酒って、素晴らしい蔵がたくさんあるのに、評価されにくいところがあります。しかも地元の秋田の人自身が、いい酒蔵があることを知らなかったりします。だから僕は秋田の地酒の伝道師をやろうと決意したんですよ。」
と静かに語るが、目はランランとしている!

「工藤さんやまけんさん。今日は秋田が誇る銘酒をずらりと利いて頂きますよ!」
と、秋田地酒オンパレードの利き酒会が始まったのである!


はっきりいって何本飲んだかしれない。白滝も喜久水もあったが、特に明日回ることになっている「雪の茅舎」の品揃えがすごい!

「明日、回られるんですよね。ここはすごいお酒を造っています。うちにはほぼ全ての商品がありますから、予習していってくださいね!」
と、次から次へと冷蔵庫から瓶を取り出しては開けてしまう浅野さん。本当に酒を愛しているんだな!ということがビシビシと伝わってくるのだ!

結局、常温から冷や、お燗までつけて頂きながら20種類くらいの酒を利かせて頂いた、、、

それにしてもこの天洋酒店、良心的すぎる。4号瓶でこんなに安い価格なのである。

これもすべては秋田の地酒のため。もちろん業務用にも関東や関西などから引き合いがあるらしく、全国発送が可能である。詳しくは先記のWebを観て頂きたい。

工藤ちゃん、もうずっとうなりっぱなしである。
「ああ、この酒は◎度、こちらは○度くらいがいいのかなぁ、ブツブツ、、、」
と、酒質の見極めに余念がない様子である。
ちなみに佐々木さんは運転手のため、一滴も口を付けることが出来ない。
「いいです。夜に爆発しますから。」

いやそれにしても飲んだ呑んだ!

最後、貴重なお酒をいただき、ホロホロと甘く舌の上を転がして締めた。
「やまけんさん、これからが始まりですよ! 秋田の郷土料理を存分に味わって頂きましょう! 酒は本日回った全ての蔵のを呑んで頂きますよ、、、」
そう、ここからが本番なのである!

新宿のオペラシティにインターコミュニケーション(ICC)という、情報の博物館のようなスペースがあることはご存じだろう。また雑誌でも季刊 InterCommunicationという、けっこう先鋭的な紙面が発売されている。僕が慶応SFCの二期生として入学してから、わけもわからず興奮しながら読んだ(というより眺めた)本である。
そのICCのリニューアルオープン・シンポジウムというのに出ることになったので、おしらせ。入場無料のようだから、下記を読んでいただいて、もし関心があるようなら覗きにきてくださいませ。インターネット中継もあるようです。
■シンポジウムのWeb
http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2006/OpeningSymposium/symposium03_j.html第一部「組織の創造/創造する組織─コミュニケーションの新形態」
グローバル・ネットワーク社会は,自律分散や自己組織化を促進し,コミュニケーションを劇的に変化させています.そのような動向をいち早く読み取り,これまでにない方法で人や情報をつなげている方々をお招きし,グローバルとローカル,ヒエラルキーとコミュニティ,モバイルなどのキーワードから,「コミュニケーション」と「ネットワーク」の今日性を検討していただきます.
日時:6月24日(土)午後3時―5時
会場:ICCギャラリーA
定員:400名(当日先着順)
入場:無料遠藤雅伸(ゲームクリエイター/株式会社モバイル&ゲームスタジオ代表取締役会長)
森祐治(動画革命東京/株式会社シンク代表取締役)
山本謙治(農産物流通・ITコンサルタント/株式会社グッドテーブルズ代表取締役社長)
司会:桂英史(社会情報学,地域文化計画論/東京芸術大学大学院映像研究科助教授)
ちなみに食い倒れ日記の話はあんまししないと思います。専門分野(?)の農業と情報とネットワークのお話しがメインということになりますので、あしからずー
※土曜日定休と書いていましたが、月曜日定休の間違いでした。もうしわけない、お間違いないようお願い致します。

例によって例のごとく、広島の竹鶴酒造の石川達也杜氏が東京にやってきた。冬の造りも終了し、純米酒が秋あがりに仕上がる手前の今のタイミングに東京に出てくるというのが、蔵で働く人の基本パターンだ。今回は夜の予定に合わせることができなかったので、「あ~ いやぁ~ え~ 昼飯でも食べようか」
ということになる。
しかしこのタツヤン、あたりまえのことながらかなり口が肥えておられるので、何を選ぶかについてはいつも苦慮する。いままで「文句なしに旨い」と言われたことがあまりないのである。
タツヤンは蕎麦好きだからなぁ、じゃあやっぱりあそこか。あそこなら不味いとはいわれないはずだ。そう思い地下鉄の宝町駅A1出口を出たところで待ち合わせし、銀座「流石」に向かうことにした。雨がそぼ降る地上で待っていると、のそりのそりと上がってくる気配。日本酒会のゴジラこと石川達也の登場である。
さて
この「流石(さすが)」は、先日出た「やまけんの出張食い倒れ日記東京編」の冒頭に出てくる店である。本に載せた店のエントリはしばらくはこのブログに書かないという感じにしているのだけど、もういいな。

■流石
東京都中央区銀座1-19-12 理研ビルB1階
03-3567-0012
月曜定休
店にはいると、女店主の藤田千秋さんが「あらあらあらあら」と出迎えて下さる。バードコートの野島さんに誘っていただき、スタミナ苑で焼肉を一緒に食べた時、酔っぱらってマシンガンのように喋りまくり、そして轟沈して眠りに落ちるという凄まじいバイタリティをみせた傑女である。タツヤンもこの店は初めてということで名刺交換。

この店は、修善寺にある蕎麦の名店「朴念仁」の流れを組んでいる。藤田さんが出版社に務めている時、朴念仁の伝説の主人、石井さんの蕎麦を食べて、そのあまりの素晴らしさに感動して弟子入りしてしまったのだ。で、石井さんの流れを組んでいるから、店の名前が「流石」。その辺のくだりは本でびっちり書いているのでぜひ読んでいただきたい、とさりげなく宣伝(笑)

メニューを見て、ざるそばが千円から始まっているのをみてたいていの人が「高いなぁ、やっぱり銀座だなあ」というが、その中身を見れば決して高くはない正当な金額だとわかるはずだ。この店は10割の生粉打ち、そして驚くほどに細く打たれた超絶技巧&美味蕎麦屋なのだ。
まずは玄挽き蕎麦(くろびきそば)を注文。1500円の価値を十二分に感じる、蕎麦の香りがこれでもかと立ち上る絶品だ。

しばし品書きをみてうーんと唸るタツヤン。しかしみればみるほど本当にゴジラ顔である。というと、
「あ~いやいやいや 最近はね、『モアイ』っていう新しい名前を頂戴してるんだよ」
と笑う。確かにね!
結局、玄挽きに鴨汁せいろを頼むことにした。
さて玄挽き蕎麦が運ばれてきた!
っているものの口の中で程よくほぐれていく。その瞬間に生粉の香りがデュワッと解き放たれるのだ!

見るからに香りが立ち上りそうな色つやと同時に、この細さをみて欲しい。オールアバウトの蕎麦コラムでここの蕎麦を「カッペリーニ」と書いておられたのを見たことがあるが、言い得て妙。まさにカッペリーニ級の細さである! しかもこの蕎麦、細いからといってギュウギュウに締めて打たれているわけではない。程よい柔らかさ・硬さなのである。

「おおっこれは旨いね!」
とタツヤンが言った!
やったぜ!蕎麦を食べに来てタツヤンが旨いと言ったのはこれが初めてかも知れない。

ちなみにここの蕎麦つゆはドブドブとつけて啜り込んでお代わりできるものではなく、有料。でもそれも当然だ。調味料や出汁はすべて本物で、可能な限りきちんとした素性のものを扱っているのだ。
「だってねぇ、蕎麦粉にはこだわってますとかいう人の厨房をみせてもらうと、醤油や酒は安い大メーカのもの使ったりしてるのみるんだけど、それじゃ蕎麦が可愛そうよねぇ!」
という藤田さん。同感である。蕎麦は間口の広い食べ物だから、流石のような店ばかりになる必要はまったくないけど、同等の値段なのに「なんじゃこりゃ」の店が多い。それなりの値段をとるならきちんとやっていただきたいと思ってしまうのであった。
つまみとしてとった桜海老のかき揚げ。

これがフワッとサクッと揚がっていて、実に最高。雪塩かな、微粉状の塩でいただく。
フラッシュなしで撮影したけど、割と綺麗に撮れているな。
ちなみに、昨日新宿のヨドバシでキヤノンのEF50mm f1.8を衝動買い。9000円と安いレンズだけど、f値の明るい、手軽な標準レンズということで、今日はこれと広角レンズで手持ち撮影だ。画像補整するともっと色がきちんとなるのだろうけど、まあこれで許して下さい。

さて鴨汁せいろである。
この店に来たらこれしかない!と僕の本でもイチオシに薦めた一品なのだ。ただし、通常ならシャラン産の鴨を使っているのだけど、今はフランスからの家禽の輸入が停まっているあおりで、国内でも手に入らなくなってしまった。そのため、今は合鴨を使っているそうだ。うーむシャラン産の方がコッテリギトッとしていて好きだったのだが、国産の合鴨だとあっさりして食べやすい。どちらも佳しということになるか。

それにしても大きな鴨肉が5枚くらい入っていて、十二分に楽しめる。しかも鴨汁に最後にそば湯を足すと、「マジ?」とビックリするほどの旨いスープになるのである。
しかしさすがモアイ、都合2枚のせいろではお腹一杯にはならないようである。
「あ~ ひやかけ蕎麦ってのが美味しそうだねぇ、あとそばがきも食べてみたいねぇ」
実は藤田さんのお薦めはこのひやかけなのであった。ということで追加。

なんとも潔く、キンキンに冷えただし汁がはられた中に蕎麦がたゆたっている。最初はプレーンで食べ、その後、大根おろしに梅肉を混ぜたものを入れて食べて下さいということだった。

結論からいうとこれが最高に旨い!
キンキンに冷えているのに鰹の香りがブワンと鼻に抜けていく出汁の素晴らしさと、冷やすことによって適度に引き締められた蕎麦のギシッという食感とのコンビネーションがなんとも旨い!
梅風味大根おろしを加えてたべても爽やかで美味しいが、実は何も加えずに食べてもいいなぁ、という美味しさであった。

そしてそばがきがまた絶品だったのだ。まるでムースのようなプワンとしたテクスチャ。

このムース片にわさびをチョイと載せて醤油をつけ、口に運ぶと、空気の入り方が半端じゃなく、本当に口の中でムースのようにとろけていく。粗挽きの粉ではなく超微粉のようなメッシュの粉に、空気を多量に含ませながらそばがきにしているのだろう。実に素晴らしい!
「最近の流行は、粗挽き粉でネットリしたそばがきにすることらしいんですけど、うちはこういうスタイルで、柔らかくふんわりたべられるように仕上げてます」
一品一品に気の配られた、理由がきちんと内在された皿ばかり。唸るしかない。
「いやぁ~ 本当に旨かった!」
とタツヤンも上機嫌だ。しかもソムリエ・利き酒師でもある店の女の子にせがまれるという状況に。
実は竹鶴を置く店に明日、店のみんなで食べにいくのだという。そこへ、杜氏が来たということでびっくりしていたのだそうだ。そういうこともある。

大満足。やっぱり「流石」はさすがである。ハズレのないそば屋が一軒ここにある。しかも日曜日も空いているのが嬉しい。いい昼飯だったのである。
3日前に書いたエントリ「白瀑」が、今年度の新酒品評会で金賞を受賞したことは速報したとおりだが、なんと本日事務所に受賞酒が届いてしまった!
舟を使わず袋釣りで絞った大吟醸酒である。うーむ贅沢きわまりない。
同封されていた手紙には常務からのお礼の言葉がしたためられていた。
「新しい杜氏の酒はとても好評で、売り上げも急上昇中です。」
とのことだ。
酒販店頭でこの白瀑(しらたき)をみかけたら、ぜひ秋田は白神山地の透明な水に思いを馳せて欲しい。
さて、この酒、いつあけようか。悩ましい、、、
山本さん、どうもありがとうございました!

「やまけんさん、次は八森が誇る素晴らしい豆腐を食べに行きましょう!その名も「グリーン豆腐」です!」
そう佐々木一正さんが叫ぶ。それを訊いた”白滝”の山本さんも「ああ、松岡のところですか」と笑う。なんと山本さんとその松岡食品さんの若旦那とは同級生だという。ということは、ここもまた同期35歳なのであった!
山本合名会社の外に出ると、雪はさらに降り積もり、しばらく車を暖気しないとワイパーも凍り付いているという状態であった。どうにかこうにか出発。
「晴れていれば本当に数分なんですけどね、この雪だから、、、」
と視界の悪い街道を行くと、グリーン豆腐という看板がみえてきた!

■松岡食品
http://www12.plala.or.jp/xxio713/index.html
「ここは、全国的なスーパーチェーンである○○社のバイヤーが『お願いですからうちに卸してください』とお願いに来るような、凄まじいこだわり豆腐メーカーなんですよ!」
と一生さんが言う。産地を廻っていると確かに、こういう非常に小さな工場(”こうじょう”、ではなく”こうば”と読みたいところだ)で凄まじい技術を駆使して逸品を作っているところがよくある。その雰囲気がプンプンしてくるのだ!
雪で凍り付いた引き戸をなんとか開けて「ごめんくださーい」と入り込む。と、座敷に通していただくと、そこには温泉旅館でみかけるような一人前土鍋セットが準備されていた!

「どうも遠いところから、、、」
と迎えてくださったのが、社長の松岡清悦さん。そしてこちらが白瀑の山本さんと同級生という、松岡清也さんである。冗談交じりに「あぁ山本のところに行ってたのかぁワハハ」と笑いながら、僕の食い倒れ本をパラパラとめくってくれる。

自己紹介をしている間、社長の奥様が豆乳を鍋にいれ、そこにニガリをうち、かき混ぜている。


こ、これが食えるのか、、、
でも、白状すると、まあこういう形の自家豆腐はよくあるよな、とこの時点では特に期待していなかったのだ。

「うちの豆乳、飲んでみてください」
と、紙コップに注いでくれた豆乳を一口飲む。

瞬間、ノンホモパスチャライズ牛乳を飲んでいるような、ネットリネトネトと口内の粘膜に絡みつくタンパク質!そして濃い、凄まじく濃い旨味成分が舌の上にデローッと流れ絡みつく!

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお なんて濃い豆乳なんだ! でも、濃い豆乳にするなら水分量とのバランスでどうにでもなると思うけど、この旨味成分の量は半端じゃないですね!」
といった途端、社長の目がギラッと光った!

「あ、豆の味、わかってるね!じゃあうちの豆みせようか!」
といってごそごそと箱を出してくる。そこにはもう何種類あるんだろう、色とりどりの大豆品種がパックされていたのだ!


「ええと、これが○○でこちらが○○○で、、、」
と、豆腐にして旨い大豆品種の解説が始まった! 清也さんが笑いながら「始まっちゃったよ」と言う。この社長、素晴らしき豆腐バカ(←失礼)である。全国の大豆品種を試してみたそうである。僕が知る大豆品種はエンレイやタチナガハなどの、割とメジャー品種ばかりだが、そんなレベルではない。松岡食品が相手にするのは、味よし、見た目よし、歩留まりよしの三拍子が揃う品種ということで、地大豆といわれる零細品種ばかりなのだ!

中でもご執心だったのがこの二種だ。


とくに二番目の緑豆(緑色の豆)が一番よい、ということだった。この緑豆、表面は緑一色ではなく通常の大豆のうす黄色とのまだらになっている個体もある。なんともふんわりした可愛らしい豆である。
「これはねぇ、県の試験場の人とか、秋田の農家の人とかといろいろ情報交換をするなかで絞った大豆なんですよ。この豆のいいところはですねぇ、これなんです!」
といって社長、やおら爪でカリッとこの緑豆を割る!

おお!
なるほど。この豆、内部まで緑色である。
緑豆にもいろいろあって、表面だけが色が着いていたり、皮だけが派手な色だったりすることが多い。例えば小豆のような色が印象的な上の品種も、皮を剥いてしまうと通常の大豆と同じ色なのだ。

「この地大豆は、中まで緑色で、しかも美味しい!素晴らしい豆乳ができるんですよ。だから我々の商品である『グリーンとうふ』ができるんですわ」
おお、そうかこの地大豆があるからこそグリーンとうふができるわけだ!
さてそうこう言っている間に、土鍋の火が消え、蓋を開けるとフワッと甘い香りがただよってきた!
「さあ温かいうちに食べてくださいね」
と、スプーンですくうと、表面が驚くほどにピカピカツルツルツヤツヤである!

ぐおっ 旨そう、いただきまーす!と一口何もつけずにいただいてみる。
プルンプルンの豆腐ジュレは、人肌以上に温かいせいか豆乳の濃厚な旨味がさらに活性化されて、甘みと変化して舌にまとわりついてくる!
「この醤油がね、合うんですよ。これも地元のなnですけどね」
と薦められた安藤醸造元というメーカの醤油を少しかけていただく。


ぐあっ
こいつは旨いぃいいいいいいいいいいいいいいいい
醤油もまた豆腐と同じ大豆由来の、そして複雑に発酵した調味料である。塩分のみならずその含有する旨味成分は凄まじい量である。しかしこの安藤さんとこの醤油、松岡豆腐とむちゃくちゃに相性がいい!

甘さと旨味の際だったおやつのような豆腐に、醤油が加わることで立派な料理の一皿になってしまったのだ!すっげえ旨い! 僕もいろんな豆腐を食べてきたけれども、ここの土鍋豆腐はちょっとお目にかかれない程の旨さだ。大豆のポテンシャルと、それを最大限に活かす技法の二つが結びついているのだろう。
「あ、ちなみにニガリは何を使っておられます?」
「いろいろ試しましたが、やはり本物のニガリを使っています」

このセット(土鍋も)ぜひ我が家に揃えたいものだ。どうやら土鍋は共同で研究したメーカがあるらしくそこがパテントなども持っているらしい。豆乳と土鍋とにがりと、それと安藤醤油のセットがあれば速攻で買いである。
ちなみに清也さんの息子さんは、なんと作文で文部大臣賞(だっけかな)をもらったそうだ。もちろん
そのテーマは、豆腐屋についてだ。
「大きくなったら豆腐屋になるの?」
「うん!」
と当然のように頷いた彼は、僕の食い倒れ日記東京編を熱心に読んでくれた。

「こいつ、肉が好きなんですよ」
「あ、それならこの店に連れて行ってあげるよ」
とスタミナ苑や李朝園のページをめくると、「すげぇ、、、」とマンガのようにゴクリと唾を飲み込む音が聞こえた。これは食わせ甲斐のありそうな子だ!
帰り際、工場内をみせていただく。

規模はそれほど大きくないが、清潔さ、整然さはばっちりであった。

「実は、このグリーン豆腐を扱いたいと言っていたスーパーは、加工食品については厳しいHACCP的なチェックが必要なところだったんですが、チェックにきた人達が『全く問題ありません』といって、一発でOKが出たそうですよ」
と佐々木さんが言う。なるほどねぇ、そうだと思いました。

あ、これがグリーンとうふか!まだ食べてないから食べたい!と思ったら佐々木さんが
「あとでたっぷり食べられますから!それより旅程を急ぎます」
ということで食べずに出てしまった。松岡食品、秋田の八森に燦然と輝くこの豆腐屋。実に素晴らしい。グリーンとうふの真価はこの夜にわかるのであった。
(続く)
(その1から続く)
素晴らしい昼食をいただいた「入船」を出て街道を走る中、すぐに横殴りの雪が降ってきた!さっきまでの細々と晴天がみえていた風景から全く変わってしまう。
「これが秋田なんですよ。最後の旅程まで、気が抜けません。ほんとにタイトロープのスケジュールなんですよ!」
と佐々木一生さんが言う。車は次なる目的地、白神山地のふもとにある秋田県山本郡八峰町八森へと向かう。「山本郡」などという郡があるとは初めて聞いた。しかも、これから訪ねる酒蔵はなんと「山本合名会社」というのである。しかし山本合名会社といってもどの酒だかを分かる人はあまりいないだろう。
しかしこのロゴをみれば、「あっ みたことがある!」と思われるのではないだろうか。


そう、銘酒「白瀑(しらたき)」を醸すのが、この山本合名会社なのである。
ちなみに僕は昔、この”瀑”という漢字を何と読むかわからず「しらばく」と読むかなぁと思っていた。「ナイアガラ瀑布」というからね。お恥ずかしい限りである。

車は八森に入るが、もう視界がほとんど1メートル程度しかなく、超危険。しかしさすが秋田地元民である佐々木氏、無事に山本合名会社まで到着である。

玄関を開けると、事務室から職員の皆さんが「おー 雪ン中ようきてくださいました」と声をかけてくださる。
「ほんとうによくおいで下さいました」
とにこやかに穏やかに迎えてくれたのが、山本常務だ。
「やまけんさん、彼は実は東京のレコード会社で働いていて、あの○○○○○○の担当だったんですよ。」
と聞いてびっくり!まじですか!?
「ええ、そうなんですけどね。いろいろとこの酒蔵をどうしようかという問題があるなかで、帰ってこようと決心しまして、、、」
というこの山本さん、僕と同期の35歳であることが判明! なんだか食い倒れ関連で色んなところを廻っていると、同期の桜が頑張っているのをよく目にする。とても嬉しいのである。

さて蔵の中をみせていただく。ちょうど洗米をしているところだ。
「うちは最近、杜氏が交代したんです。前の杜氏も非常に有名で実力の高いかただったんですが、新しい古内杜氏は若くてチャレンジ精神があり、色んなことを試してくれています。とても面白い状況になってきているんですよ!」


滅法冷えた空気がシンと満ちた空間の中に、限りなく清浄感あふれる水が湛えられたタンクがある。

これが白神山系の水だ! 思わず柄杓から呑ませていただく。 キンと冷えたその水をしばらく口の中で転がしていると、期待していた以上に柔らかく、そしてほのかに甘さが感じられる。
よく天然の湧き水を呑むと「甘い」という表現が出てくる。糖分としての甘さなのかは分からないが、本当に舌の味蕾に甘さのような感覚が呼び起こされるのだ。含まれているミネラルの組成が細胞レベルで反応するんだろうか、確かに甘いのである。

居酒屋伝道師である工藤ちゃんも一気飲みだ。
「いやぁああ、柔らかいですねぇ、、、だからあの白瀑の酒質に結びつくんだなぁ」
とブツブツとつぶやく工藤ちゃん。

蔵の若衆はビシッビシッとした所作で働く。こんにちはと声をかけると折り目正しく、そして迅速に「こんにちはっ」と声が返ってくる。仕事中だからと思い邪魔をしないようにしていたのだが、新しい杜氏の古内さんと目が合うと目礼をしてくださる。まさに男の現場である。
「じゃあ、上に行きましょう」
と、麹室などをみせていただく。と、麹室の脇に積まれたものに目が行く。広島の竹鶴酒造でもみた「麹蓋(こうじぶた)」である。

「これも杜氏の発案なのですが、麹蓋を使って麹をつくってみようということなんです。結果は良好ですね」
麹室の中には入ることはできないが、切り返しされた麹があたたかく布にくるまって静かに醗酵を進めているところを覗かせていただいた。


こうしてつくられた麹と、蒸し上げた米と合わせてタンクに仕込まれるのである。


このタンクを下から見たのがこの風景だ。

「ちなみにうちは、ボトリングを手でやっているんですよ、、、大変な作業なんですけどね」

と山本常務が連れて行ってくれたのが、倉庫スペースの横で、4合瓶に酒を注入し王冠を締める道具のある作業場だ。

「こうやって中身を詰めてから、この機械でキャップを締めるんです」

なんとこうやって手作りで作られていくのだ、酒は。
僕はいままで数軒、こうした地方の小さな酒蔵を廻らせていただいているが、そのほとんどがこうして自分たちの手でボトリングし、ラベルを貼っていた。大メーカーならともかく、多くの酒や調味料がこのような世界なのだ。ジーンと来るではないか!
さて肝心の利き酒である。すっかり冷え切ってしまっているので冷や酒がかなりこたえるのだが、白瀑の生酒の酒質を一言で言うなら、「八森の水の味!」といえるだろう。徹底的に柔らかく、甘い香りだ。これは甘口の酒ということを言っているのではなく、酒質のベースとなる水分の質がそうだ、ということである。
工藤ちゃんもその清らかな酒質に感動しながらつぶやく。
「そうですね、白瀑は燗よりこのまま冷やか常温でいただくのがいいですね。綺麗なお酒ですよ!」
まったく。「綺麗」ということばがこれほどに合う酒はないだろう。
「やまけんさん、今夜、能代市内で飲み会をやりますけど、そこに山本常務も参加してくださいますから。」
ということでいったん酒蔵を辞する。山本常務の実直そうな、八森の水のような印象を与える顔が忘れられない。
そして先日、嬉しい知らせが届いた。全国新酒鑑評会にて、この白瀑が2年連続の金賞に輝いたという。山本さん、おめでとうございます!
「さてやまけんさん、次はこの八森が全国に誇る豆腐を食べにいきましょう!」
(つづく)
アスパラ二種を浴びるほどに食べまくったわけだけれども、実はこの同時期に山形から送られてきたある山菜というか山野草が、このアスパラ二種以上の衝撃を僕に与えたのである。
その山野草の名前は「アマユリ」。
実はこのアマユリで検索しても、なかなか該当すると思われるものがでてこない。
このアマユリを送ってくれたのは、先日アスキーの取材でいった山形県朝日町の阿部さんだ。昨年末に、朝日町の信じられないほどに蜜の入ったリンゴの写真を掲載したのを覚えている人もいるだろう。あれが朝日町で、その役場職員としていろんな試みを仕掛けているのが阿部さんだ。

「やまけんちゃん 昨日は来てくれてありがとう、自宅の裏山で採れたアマユリを送ります。野草だから農薬なんて絶対にかからないから安心して食べてね。うちではこれを食用として植えています。」
というのがこの写真に写っている植物だ!

本当に、そこらの山に生えていそうな山ユリのという風情だ。これを摘んだものが濡れ新聞紙に何重にも包まれ、ビニール袋をかぶせて送られてきたのだ。
写真にあるように花弁がすでに開いているものではなく、若芽が出て花蕾が形成されている段階のもののように見える。
こちらの写真を見ると先端部に近いところに花蕾が出来ているのがわかる。これがあの可憐なベージュ色の花になるのだろう。
しかし、これいったいどうやって食べるの?
「茹でてもよし、炒めてもよし、マヨネーズでもドレッシングでもなんでも試してみてよ!」
という阿部さん。うーん まあ、まずは茹でてみるか、ということで台所に立つ。
みてのとおり茎部の断面は正円である。ユリ科植物の茎はこのように外皮に守られた中にジュルッとした柔らかい肉がある。まずはポテンシャルをみるために、軽く塩ゆでして食べてみることにする。
1分半程度塩ゆでしたのを皿にあげてみると!
まるでアスパラじゃん!
塩茹ですることで緑色が鮮やかに発色したその見た目、アスパラガスの近縁を感じさせる。
そういえばアスパラガスもユリ科植物である。アマユリはその名の通りユリ科であろう。類似性は非常にある。
これは期待できるな、、、と、一本の太めの茎に葉をたててみた。
シャクッ トロッ
ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
瞬間、背筋に温かいものが走る!
こ、これはいったいなんだぁああああああ
凄まじく美味しいじゃないか!
堅いかと思った表皮はそれほど堅くなくシャクッと刃が通る。その中からトロッと粘りのある柔らかに温かい食感がとろけだしてくる。そこには、、、アスパラガスには無い甘みがあるのだ!甘さと、ほんのりとした山野草ぽい香り。なんと美しい食べ物なんだろう、、、
瞬間、嫁との争奪戦が始まった。マヨネーズとの相性抜群、シャクシャクぽりぽり、むさぼる音がしばらく食卓を制したのである、、、
このアマユリ実に旨い! 歯触りのある茎部はもちろん、上部の葉と蕾の部分の柔らかさも捨てがたい。いや、脱帽である。
本当に世の中は広い。まだまだ里に知られぬ旨いものがたくさんあるではないか!
このアマユリについて、朝日町の隣町である白鷹町のまあどんな会代表・佐藤洋子さんにきいてみたが、「はぁ、アマユリ?聴いたことないねぇ」とのことだ。これを食用にする人たちはどれくらいいるんだろうか。または、自生する場所が限られているのかもしれない。
以下、阿部さんからのアマユリ解説だ。
アマユリは、地下根で増殖します。 今の時期に限って順番に出たものから食します。(このあたりでは、6月半ばくらいまでの短い期間です。ちなみに我が家では、山で見つけた根を家の近くに移植して増殖を試みています。4年目くらいになります。巷では、畑などで栽培する場合、収穫までに8年程度必要と言われています。それだけ、増えてからでないと手を出せない品種のようです。
私は直接見たことはないのですが、宮城県では同じようなものを昔から山からの採取とあわせて栽培して食しているところもあると聞きます。また、2年ほど前に朝日町の農業研究所で試験栽培した「アマドコロ」というとても似た品種もあります。ただアマドコロは、少し苦味があります。甘みはアマユリよりも劣ると思います。見た目で違うのは花芽の持ち方で、ガクが確か6角形になるところが違ったと思います。話はもどりますが、アマユリを我が家では「花を食べる」目的で、栽培を始めたのです。もうしばらくすると添付写真にあるような、どうたんつつじにも似た花をつけます。写真の状態よりももう少しして、花開いた時のわずかなタイミングでつんできて、おひたしで食べます。「うまく咲いたら一握り程度だろうが、やまけんさんへおくってやったらどうだ」というので、お楽しみに…。(うまく咲けばですがね。自生のアマユリは毎日それだけを確認しには、なかなかいけませんので、花は自宅栽培のものになりますが…。毎年2~3本くらいづつ本数が増え始めてきました。でも、父は「もっと増やせるはずだ」と、少し山手の自分の土地に植えてみようなどと考えているようです)
ちなみに どの山菜も同じですが、すべて取り去ってしまうと次の年以降の採取につながりませんので、ある程度残しておくようにしますが、アマユリの場合、特に気を使って採取する必要があるようです。今年の採取しだいでは来年に影響があるのだと父は言います。
ううーむなるほど
自生するアマユリの株を平地で栽培しても、8年もの時間をかけてやっと食べることが出来るのか、、、なんとも貴重な食べ物というか山野草である。
近年、車の高性能化と林道の敷設で、素人でもかなり深い山奥まで行けるようになった。それにより山菜採りがブームだ。先日の山形訪問でも、山に入っている人をたくさんみた。しかし彼らが入っている山のほとんどが、たにんの所有・管理する山地だ。本来は許可を取るべきだし、勝手に山菜を採ってはいけない。とはいえ、まあ最低限のマナーを守るならば少しくらいは仕方がない、と思っている山の持ち主が多いようだ。しかし最低限のマナーを守れないひとが増えているという。
最低限のマナーとは「根こそぎ持っていかない」ということだ。
ゼンマイやギョウジャニンニクなどもそうだが、群生しているのをごそっと全て根部から掘りとっていく人が多いという。これでは翌年以降は全く収穫できない。山菜を見つけたら、種類にもよるけど最低でも3分の1は自然のままに残しておかなければならないと僕の山菜採りの先生がいっていた。山菜の翌年以降の増殖率の科学的根拠は知らないが、以来僕は自分と家人が食べる分以外は収穫しないことにしている。
※ワラビなんかはジャンジャン獲った方がいいという話も訊いたがようわからんです。
山菜は本来山のものだから、山にすむ人が感謝しながら食べるのでいいんだろう。それを少しお裾分けしてもらうというのは本当に贅沢な話だ。このアマユリが通常のスーパーに並んだら、一部で凄まじい人気が出るような気がするけど、でもそうならなくていいかもしれない。でも食いたい。でも今のままがいいかも。うーんでも食いたいけど、、、あああああああああああああああ 俺も山形に山を買うしかないかぁああああああと悩み絶叫したくなるのであった。
しかし
ハタと気が付いたのだが、知らず知らずのうちに僕はユリ科植物を非常に好んでいるのだな。
ユリ科植物は、アスパラもアマユリもそうだが、タマネギ、ネギ、ニンニク、らっきょうなどの匂いものはほぼユリ科だ。どれも僕が大好きで、タマネギは食べるのも栽培するのもナンバーワンに好きな野菜である。
そういえばこのアスパラ~アマユリの季節を遡ること3週間前、ユリ科植物、しかも野草の王者の一つが僕の家に届いていたのだった。それはギョウジャニンニクだ。

これも山の中に群生するものだ。北海道ではこれを醤油漬けにしたりおひたしにしたり、ジンギスカンと一緒に炒めて食べたりする。

このギョウジャニンニク、十勝郡の更別にいるジャガイモ・小麦農家である十勝やっちから送ってもらったものだ。ついて早速、タッパーに入れて醤油をなみなみと注ぐ。翌日、白飯の上にこのギョウジャニンニク醤油漬けをのせてかっ込んだ。

歯がプチッと植物の組織を裂断した瞬間、強烈なニンニク様の香りがブワッと口中に充満し、匂い粒子を撒き散らしながら鼻に抜けていく!醤油の塩分とアミノ酸がその匂いに旨みを足し、それ以外に何も要らないという状態になってしまう!
ぐおおおおおおおおおおおおおおお 旨い!
マジで旨い。こんなに旨いもの、強烈なインパクトを持つものが山の中にひっそりと、肥料もやらずに育つとはいったいどういうことなのだろうか。本当に瞠目してしまう。この刺激とパワーは、栽培もののギョウジャニンニクでは得ることができないものだ。というか、山野草を畑で栽培しても、それほど美味しいものにはならない。山では、肥料もやらなければ農薬もかけずに野草が育つ。その味たるや凄まじく濃い。まことに神秘である。
もっともっと語りたいことはあるのだが散漫になってしまうので、
とにかく ビバ!ユリ科植物 の意を捧げて終了としたい。
阿部さん、貴重なアマユリありがとうございました!
十勝やっち、ギョウジャニンニク旨かった!どうもありがとう!
ビバ!ユリ科植物!
宮崎県日南市にある京屋酒造とはずーっとご縁を持たせて頂いており、宮崎方面に行くときは必ず伺うわけだが、なんと京屋の焼酎「河童の誘い水」がモンドセレクションで特別金賞を受賞したとのことだ!

■速報ページ
http://monde.client.jp/monde/16.html
いやー めでたい!
実直に伝統のかめ作りを守っているこの蔵の受賞は、本当に喜ばしいことだ。京屋酒造では、自前で農地を取得し、原料芋の何割かを社員が生産している。社員の健康を考えると農薬は使いたくないということで、化学合成農薬を使っていない。けれどもそのことは「当たり前のことだから」と売り文句にすることもしない。本当に志の高い蔵なのだ。

渡邊社長とはちょうど10年前にお会いし、40年貯蔵の米焼酎を販売するお手伝いをして以来のおつきあいだ。宮崎の旨いものをかなりこのブログで書いているが、そのうち渡邊さんに教えて頂いたものは非常に多い。
その辺の経緯はこちらをみて頂きたい。
芋焼酎は宮崎ものが旨い!と思う! 日南の銘酒 京屋酒造「かんろ」
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2004/05/post_229.html
夏真っ盛り! 宮崎出張編 チキン南蛮と日南海岸の魚料理を堪能しまくり
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2004/07/post_287.html
日南には激旨焼き肉ダレがある! 堀川焼き肉「とむら」
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2004/07/post_289.html
仲良くさせていただいている造り手がこうやって評価されていくのは素晴らしいことだ。
ちなみに京屋酒造直営の販売サイトであるe-焼酎.comではまだ在庫があるようだが、注文殺到しているはずだ。僕も実はこの製品は飲んだことがないので頼んでみよう。
■e-焼酎.com
http://www.e-shouchu.com/
いやとにかく
渡邊社長、そして京屋酒造の社員皆様、本当におめでとうございました!
NHKラジオのビュッフェ131でアスパラガスをとり上げるため、グリーンとホワイトの双方を産地から直送してもらった。ホワイトアスパラガスは北海道は中富良野町のとある農場、グリーンは岩手県の金ヶ崎のものだ。
みな知っていると思うけど、ホワイトアスパラガスは、アスパラガスに陽光をあてないように土を盛り上げて遮光・軟白させたものだ。種が違うと思っている人もいるようだが、陽をあてるかあてないかで変わるというものだ。
今回、中富良野の農園のものを買わせて頂いた。ここは最近レストランからの注文が多いため、「名前は出さないでください」ということだった。また、走りの時期だったので、太い2L以上の規格は払底しており、L~Mのサイズしかないということだった。
アスパラガスは太いほど価値が高い。「太いと筋張っているんじゃないの?」と言われることがあるのだけど、全く関係ない。太い方があの食感をダイナミックに楽しめるし、旨みの蓄積量も多くなるので、迷わず太いのを選ぶことをお勧めする。
それにしても綺麗だ。よく目をこらすと節ごとに笹や竹のようにハカマが付いている。シンメトリーの美しさがここにもある。
日本ではグリーンアスパラはホワイトよりも後に食べられるようになった野菜だ。ホワイトアスパラの缶詰が輸入品として入ってきたことで、それがアスパラだと認知されていたのだろう。
ちなみにアスパラは一年中食べることが出来る。しかし国産の最良のものを食べることが出来るのは4月~8月あたりまでで、それ以降はだんだんと輸入物にシフトする。アスパラの美味しさを規定するのは何よりも鮮度だ。鮮度に関して輸入物は国産を超えることは難しい。そう考えると、まさに出盛りになっているこの時期に、食べられるだけ食べるべきだ。
ホワイトアスパラはピーラー(皮むき器)で表面の皮をシャッシャッと剥き、ちょっと強めの塩を入れた湯で茹でる。どの程度茹でるかはお好み次第だ。僕は若干歯触りが残るくらいに茹でる。ゆでたてを食べるのが旨いという人と、茹でてから少し茹で汁に漬けてなじませた方がいいという人がいるが、僕はゆでたて派だ。ていうか目の前に旨そうなのがあって待てるわけがない!
アスパラガスは卵の黄身との相性がバッチリだ。半熟卵の黄身をなすりつけながら食べるか、もしくはマヨネーズ。これほどマヨネーズと相性のいい野菜もない。ここ1週間でもう60本以上食べたのではないだろうか。なぜなら、NHKラジオの放送後、北海道からドドッと大量のホワイトが送られてきたのだ。
この写真を撮ったのが一昨日。そしてもうほぼなくなりかけている。分けてあげられなかった近所の皆さん申し訳ない。食っちゃいました。
ホワイトアスパラにはほんのりと苦みがある。この苦みが旨いわけだが、茹でたものは苦みが少し湯に溶けてあまり感じられなくなる。皮を少しだけ剥いたものをトースターなどで焼き色が付くまで焼いて食べると、水分に溶出しない分、味が強くほろ苦みもビシッとビターだ。どちらをお好みか自分で判断して欲しい。
茹でたやつを根本から噛むと、中のジュースがビュワッと口中にあふれ出し火傷しそうになる。しかしそのジュースの馥郁(ふくいく)たる甘みと、軟白野菜特有の幼い香りがたまらない。焼いたのに塩をふって、富士酢を振りかけてマリネしたのを囓ると、ジャキッという歯触りと強い食感、そしてほろ苦さが舌を刺激する。こんなにも旨いものがあったのか!と感動してしまう味なのだ。
ちなみにアスパラガスは絶対に冷蔵庫内に寝かせておいてはダメだ。茎が太陽に向かってのびようとするので、寝ている状態から90°首をもたげようとする。それで体力を使ってしまうから、味がぬけてスカスカになってしまう。これは本当なので、買ったらすぐに食べきるか、ぬれ新聞で巻いて冷蔵庫にたてておいておくようにすることだ。
さてアスパラガスはユリ科作物だ。そう考えると、春はこのユリ科作物の大饗宴といえる状態だということに気づいた。実は山形県朝日町から、僕も初めて口にするすさまじい食材が、それも山に生えているものが届いたのだ!
(続く)