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2009年04月30日

僕の短角牛たち。 さちはこんなに大きくなり、第二子「国産丸」はこんなふうに育ってます。

岩手県二戸市にて、僕は短角和牛の母牛のオーナーになった。彼女が産んでくれた第一子はメス。「さち」と名付け、昨年の11月から肉牛農家の漆原さんに預け、肥育段階に入っている。先日会いにいったときと比べて、ぐぐぐぐっと身体が大きくなっているので、驚いてしまった!

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えええええええええええええええええええええええええ
でっかい! ガタイのいい杉澤君の体躯と比べてもこれである!

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もうすでに400kgになっているという。可憐な少女だった時代はもう過ぎて、大人の会談を上り始めたという感じだろうか。うーん なんか複雑。

この「さち」は、予定で行くと来年の7月あたりに肉牛として出荷可能な体重に達する見込みだ。「幸多かれ」と名付けた「さち」と言う名前なのに、僕はこの子を食べようとしている。できれば、と畜場にも行って立ち会い、彼女が命を失い、解体され、肉となって行く過程をきちんと見届けようと思っている。卒倒してしまうかもしれないけれどもね。さちの肉は、僕のゆかりの料理人達に料理してもらって、食べる会を開催したいと思う。その際はぜひご応募下さいね。

現代社会において大型化畜の肉を食べるということは、ある意味、とても罪作りな行為だ。黒毛和牛は、肉牛となるその生涯で4トンから5トンの穀物を食べるが、そのうちの2トン程度は米国産のデントコーンである。日本人は知らないうちに他国の穀物を凄まじい分量で消費している。それを直視しなければならない。

現代社会で動物の肉を食べることを否定するということはできない。だから、少なくとも肉が目の前に運ばれる過程くらいは識っておくべきだ。命をいただいているということを理解するのは、無言の義務だろう。

短角牛は、米国産コーンをそんなに食べずとも身体を大きくしてくれる。漆原さんの牧場では、雑穀などを与えて、味と増体をバランスさせている。

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さちはこれからさらに体重を増やしていくフェーズに入る。またできれば毎月リポートしていきたい。

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漆原さんの農場には、勝手に繁殖したのか、大量のスイセンが群生している。その中に、アサツキとふきのとうがこれまた大量に伸びていた。んー 掘って帰りたかった、、、

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さて一路、浄法寺の役場の前にある農協へ。

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僕の短角牛たちは、組合や漆原さんに預託している。発生する預託料や様々なお金を決済するためには、農協に口座を持っているほうが先方にとってやりやすい。ということで口座開設。農協に口座を作るのは、農業関連の仕事をしてきたのに初めて!ちょっと嬉しい気分だ。

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「んじゃ、新しい子を観に行きますか!」

と杉ちゃんが、短角牛のオーナー牛舎へ車を向けてくれる。既報のとおり、僕の短角牛の第二子が先日産まれたのである。今度の牛はオス。

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「名前を付けてくれる?メスはひらがなだけど、オスは漢字でね」

ということだったので、僕が付けた名前は、、、

「国産丸」である! なんでこの名前かというと、この子は母牛と牧野で草を食べて育った後、二戸で肥育するのではなく、山形町の友人の農家に預けたいと思っている。そこでは、国産100%の飼料を与えてもらうつもりだ。つまり、完全に国産の飼料しか食べていない短角牛となる予定なのである! だから、「国産丸」。

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母牛は、以前はとても神経質だったけれども、成長とともにどっしりしてきた。僕が近寄っても以前のように逃げたりせず、ゆうゆうとサイレージした草を食べている。

で、この子が国産丸! とっても可愛いのである!

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ありがたいことに、今回は育児放棄はしていなかった。乳房がまだ詰まっていないからか、ちゃんと国産丸に乳をやってくれている。

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看守さんに聴いても、成長の経過は順調とのこと。嬉しいことだ。
この母牛は、乳量が多すぎて乳房が詰まってしまう特性を持っているので、今年の冬の市場で売ってしまった方がいいと言われていたのだけど、もう少し経過を見て再度、考えることとなった。正直、ホッとした、、、

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稲庭高原はまだまだ雪の壁が溶けていない。帰り道、最高の水がわき出ている岩誦坊(がんしょうぼう)へ水くみに。

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シャッタースピードを遅くして、水の流れを綺麗に撮ってみた。腕が無くても、構図が、とても美しい絵になる湧き水なんだなぁ、、、

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さて夜はもちろん短角牛専門の焼肉屋である「短角亭」。

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まずはカルビ。

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そして僕が最も好きなモモ肉。

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これが出ると、焼かないで生の状態でバクバク食べてしまう。

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そしてこの日はとてつもなく分厚い、短角のタンを出してもらった!

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短角のタンは滅多に食べられないぞ。その辺のオージー牛のタンとは全く価値が違うのである。食感、迸る肉汁の旨さ、最高である。

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ハラミ。いたずらにサシが入っていないので、肉の旨さがきわだつ。

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この日はレバーが入らなかったのだが、その分このハツと、この後に出たミノが大きな存在感を占めた。

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もうおなじみの槻木(つきのき)専務。安定した品質の短角牛が欲しければ、まずはこの短角亭へいくのが手っ取り早い。

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岩手県の問題は、せっかく短角牛という素晴らしい資産がありながら、それを食べられる店が県内にほとんどないということだ。盛岡では、じゃじゃ麺の「白龍」の近くにある「大地」ともう数軒でしか食べられない。黒毛である前沢牛を食べる店はあるのに、短角がないというのはちょっとね。ということで、二戸駅からすぐの短角亭を目指してくるのが最も近道である。

この夜は、十文字チキンカンパニーの社長である保雄さんがご乱入。そして十文字さんが、盛岡で外食店を展開しているコラゾンカンパニーの工藤社長を電話で呼んでくれる。

「いまどこ?盛岡? じゃあ二戸までおいでよ!」

という凄まじい強引さで呼んでくれたのだが、この工藤社長がきちんと来るところがスゴイ!

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工藤さんは僕と同い年と言うことがわかり、ググググっと距離が近くなる。

「やまけんさんのブログは読んでますよ~ 今度はうちにも来てください!」

と、自分の店で製造している冷麺やじゃじゃ麺を下さる!

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これが、別途書きたいと思うけど、美味しい! 麺の硬度やタレをきっちりと作り込んでいる。今度、コラゾンの店に行ってみたいと思う。

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思いも寄らない、楽しい夕餉。

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満腹になって、定宿のパークホテルに帰ったのである。

 

■撮影データ
ボディ:ニコンD700
レンズ:AS-Sニッコール28-70mmF2.8、60mmマイクロF2.8

Posted by yamaken at 17:06

真鶴にも春の収穫の時期がやってきた!

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大学院を卒業した後、都内某所に勝手に畑を開墾してしまったりとゲリラ的に栽培をしてきたけれども、ここしばらくはプランターでちょいっと野菜を植える位になってしまっていた。そこに、ある集まりで神奈川の端の方にある真鶴に、小さいながらも農園を借りることになり、責任者となって畑の面倒をみることになった。

週末に作業するだけでもなんとか収穫できる稲作とは違い、野菜はすくなくとも週に3回は面倒をみてあげなければならない。夏場のキュウリやナス、トマトなどは毎日足を運んであげないと収穫が追いつかない。ので、班分けして頻度高く畑の面倒をできるようにして、携帯電話の写真などで現況報告をしてもらい、遠隔で僕が作業指示を出すという方法でやってみた。

そうしたら、いくつかの作物はうまくいかなかったものの、ことのほか美味しく収穫できた野菜も多く(スイートコーン、冬ニンジン)、今年はもっときっちりやることにしたのである。

昨年11月に種を播いたスナップエンドウが大量に実を生らせていた。これは僕が生まれて初めて栽培した野菜なので、とても好きな作物だ。

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畑でとりたてのスナップエンドウは、生でそのまま 囓っても十分に甘い!
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この日は夏野菜の定植。トマトとナスを12株ずつ植える。先月中に、畝になる部分を60cmくらい掘り、堆肥と骨粉、菜種油かすを入れてなじませてある。この上に高めの畝を立ててビニールマルチを張り、そこへ定植。支柱を合掌造りに立てて作業終了。

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若い連中がおぼつかない手つきで農作業をしていると、地域のプロ農家の人達は関心を持つようだ。

「うちの畑に遊びに来いよ」

と、おじさんが山の上の農園に誘ってくれる。着いたのは、真鶴半島を見渡せる絶景の茶園だった。

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この辺でも製茶の工場があるのかと思ったら、あるのだそうだ。品種はほとんどがヤブキタ。一番茶が順調に育っていた。

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さて今年の作付けは上手くいくだろうか。本当は家の近くに畑がほしいものだけれども、まだまだちゃんと野菜を世話する時間をとれそうにない。こういう生活もいつまで続けようか、考えてしまうなぁ、、、

 

 

■撮影データ
ボディ:オリンパスE-3
レンズ:ZD25mmF2.8

久しぶりにE-3とパンケーキレンズの組み合わせ。あっさりめの色を出すニコンD700と比べるとコッテリはっきりした絵になるけど、いい感じだ。ハイライト部分が白飛びするのさえなければなぁ、、、

Posted by yamaken at 16:20

2009年04月28日

広島・福山と京都連戦 黒毛和牛の肥育と、京タンクロを思う

先週の後半は広島~京都二連戦だった。金曜日には京都の焼き肉「南山」の楠本社長から、京タンクロの研究会を立ち上げるので、専門委員に就任して欲しいということだった。その委員には松本大策さんも呼んでいるとのことだったので、かねてから大策さんに「ちょっと話を聞いてあげて欲しい」と頼まれていた広島の農場に、前日泊しながら京都に廻ろうということになったのである。

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松本大策さんは、おそらく日本で最も高名な和牛専門の獣医師でありコンサルタントだ。

「こういう肉質にして欲しい」

という依頼を受け、血統の整理から成長ステージごとに細かく分けた飼料の設計、そして飼養管理の詳細まで指導する。二枚目の顔から、聴衆を笑わせる冗談が飛び出し、まわりにいる人たちがハッピーになる。そんな人だ。

「忙しいのに、本当にすみません!」

と律儀に頭を下げてくれるけれども、僕は識っている。大策さんの方が二倍忙しい人だ。全国を回り、国内だけじゃなく中国の牛まで指導して、出張日数は300日を超えているという。120数日の僕の倍以上にハードな人なのである。僕との共通点はデジタルガジェット好き。彼のPCはレッツノートR7のSSDモデルだが、そのHDDモデルも予備に持ち歩く。液晶プロジェクタを持つこともあり、それ以外にもいろんなものがトローリーバッグの中に入っている。この日はソフトバンクのスマートフォンをいじくっていた。

さてこの日は大策さんがこれまで関わってきた肉牛生産を行う企業のお話を伺いに。

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なんと6000頭もの規模で肉牛生産をしているこの企業、といっても農家が一代で企業に 育て上げた、ものすごいところである。上の写真にある山一帯が、肉牛肥育を行う場だ。

しかも山の中腹の部分は、これがすべて牛舎だという。こんな規模で繁殖・肉牛の一貫経営を行う業者さんは、鹿児島や宮崎を除けば、初めて見たかもしれない。

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肉牛の世界といえば、上の写真に黒毛和牛しか思い浮かばないだろうけれども、実はこの国の肉牛の半分以上はホルスタインなどの乳用種だ。その中には、ホルスタインに黒毛の精液をつけて産んだ交雑種も含まれる。店頭に並ぶ牛肉がすべて黒毛和牛だったら、いろんな意味でたまったもんじゃない。そういうことである。

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その後、牧場が運営するスーパー(立派!)へ行って、店頭の視察。自分のところの肉を使う精肉売場はさすがにすごい!

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すべてバーゲンプライスといっていいほどにお買い得な価格である。

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この肉質で100gあたり798はなかなかつけられない値段だ。僕にはちょっと脂が多すぎるが、、、

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と一通り見てからホテルにて一休みし、大策さんとともに夜の福山へ。

福山といえば、僕が前の会社にいたときに一度出張にきたことがある。世羅町にある菊のブリーダー企業である精興園に行ったときのことだ。ちなみに日本でもっとも売れている花は何か?バラやチューリップなどではない。圧倒的に輪菊なのである。その中でもベストセラー品種を出しているのが精興園だ。実は社長の息子さんが僕と同じSFC出身ということで、話が盛り上がったのをよく覚えている。

で、その際に福山でラーメンを食べた。実に旨いラーメンだったので「もう一杯!」といったのだが、おかみさんが「駄目、そういうのは!」とつくってくれなかった。その代わり、魚を食べたいのだというと、いい店を教えてくれた。それが「海彦太郎」。

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何が旨いかというと、ここの海鮮釜飯が旨かったことをよーく覚えているのだ。

まずはサワラの刺身。

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美味なり、、、とろとろに脂がとろける。

そういえば、広島といえば竹鶴酒造である。

「竹鶴の酒、ないの?」

「あ、姉妹店にあるんですよ、、、持ってきましょうか?」

そりゃあ持ってきてください! ということで本当にもってきてもらって、乾杯。

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雄町を使った合鴨農法米の純米。竹鶴の酒の中でも僕が最もよく呑んでいたものだ。大策さんにも呑んでもらう。

「うわーー、以前、ダウンしてたときにある人が「呑みなよ」っていって持ってきてくれたホットワインを飲んだ時みたいな感動があるよ!」

うれしくなって、石川タツヤンに電話。久しぶりに楽しく語らってしまったのであった。

さて、前回の出張から5年ぶりの海鮮釜飯。

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うれしいことに、びしっと効いた魚の出汁のしみこんだ飯は以前の印象と同じ。ふんわりした頼りない味になりがちな海鮮釜飯とは一線を画す出来である。ただし、、、以前はなかったこんにゃくが少し入ってる。僕は実はこんにゃくだけは食べられないのだ。避けてたべるも、ちと残念。

いやそれにしても久しぶりに頼んでみて、期待通りの味だとうれしいものだ。舌の記憶を再確認。

「やまけん、もう一件、連れて行きたい店があるんだよ!」

と大策さんが僕を引っ張っていったのが、駅の高架下にあるお好み焼き屋さん「田吾」。

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「この店はねぇ、なんとお好み焼きを焼くときに牛脂(ヘット)をたっぷり乗せて焼くんだよ!それを間近でみてから、あんまりうれしくて通ってるんだよ!」

おおお! 豚の脂ではなく牛の脂を使っているお好み焼き。それは面白そうだ!

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テーブル席に座ったけれども、やっぱりその技を見たいということで、お客さんが帰った後、カウンター席でその技を見る!

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これが牛脂だ!

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ごらんの通り、牛脂が円筒にくりぬかれた形状のものを、どさっと乗せる。これをひっくり返してジューッと焼く。

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ジューッとへらで鉄板に押しつけて、水分を飛ばす!

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完成である、、、

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もう言うことはない。
ヘットの濃厚な油分を含んだお好み焼きは、こくが強い!
生麺がカリッと焼き上げられているのが、東京では食べられない味だ。

福山、これから僕はここと関わることになるかもしれない。もしそうだとしても、もうすでに、毎回行きたい店ができた。さて次回はいつになることやら、、、

Posted by yamaken at 01:13

2009年04月22日

花の色 僕のD700、もう1万ショット撮ってしまった。

軽井沢にて、小さな路傍の花。

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相変わらず僕は食べられないものには関心がないので、この花の名前もしらない、、、(苦笑)

さてこの花、紫色なのだけど、デジタル一眼レフで撮影すると、青にころんでしまう。実はオリジナル画像はこちら。

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これを修正するため、例のニコンのキャプチャーNX2を使って、コントロールポイントをたくさん設置して、色を調整した。

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グレーの小さな点が、あちこちにある。これがコントロールポイント。青くなってしまった花弁のあるところすべてをカバーさせようとするとこうなる。

いままで、RAW画像とJPEGの最高画質の二本立てで撮影をしてきたのだけれども、最近はよほどのことがない限りはJPEGだけになってきた。それは、JPEGを開いてこのキャプチャーNX2で修正すると、あまり画質の劣化がないからだ。これはかなり驚き。

ところで先日、画像を整理しようとHDDに取り込んでビューワーソフトでフォルダを見ると、連番のファイル名順にソートしているのに、後の方に撮影した写真が先頭にソートされてしまう。なんじゃこりゃ、と思ってよくみたら、ファイル名が9999を通り越し、0001からカウントされている。

おおおおお つまりカウント数の最大値である9999枚を過ぎて、最初に戻ったと言うことか! 1月後半に購入して3ヶ月で1万ショット行ってしまった、、、この分だと、シャッター耐久回数はかなり早い段階で超してしまいそうである。んー、、、

ちなみに今、僕は32GBのCFカードを使っている。JPEGだったら2000枚も撮れてしまう広大な空間だ。D700は画素数が1200万画素と控えめなので助かる。以前は年間通じて数GBで収まっていた画像ファイルの肥大化は進み、現在HDDは1.5GBのものを2台購入し、デスクトップマシンに着けて、ミラーリングしている。

伝説のカメラマン田中長徳さんなんかの本を読むと、「RAWで撮っている人がいるけど、「いつか使うかも」のためにそんなことするのはおやめなさい」というようなことを仰っている。うーん確かに、と思うが、露出やホワイトバランスを違えてしまった場合の救済策として、やはりRAWで撮る保険はとっておきたいと思って、これまではRAWも併用。しかし、キャプチャーNX2のおかげで、その必要がなくなるかもしれない。

Posted by yamaken at 19:10

久々に長島農園にてタケノコ掘り&大バーベキュー大会!同世代豪華メンバーの宴だったのである!

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久々に井のなかの工藤ちゃんからお声がかかった。

「久しぶりに長島さんのところでバーベキューやりましょうって、アルキメーデの重さんと言ってるんですけど、どうですか?」

おお、いいねぇ! 思えば工藤ちゃんと僕がまだそれほど忙しくなく、何かといえばつるんでいた時代に、長島農園でよくバーベキュー大会をしていた。その頃にわかに流行ってきたダッチオーブンを使った「クックオフ」だ。日本ダッチオーブンソサエティの公式インストラクターである、クック&ダインの山口壮一さんに教えてもらいながら、参加者がみんな材料とダッチ持ち寄りで料理を作りあい、皆に振る舞い合うという、なんとも最高にのどかで楽しい会だ。

「それじゃぁ、何人かまた誘ってみようかねぇ」

と言いながら脳裏に浮かんできた人たちが数名いた。先般、岩手県の雑穀・やまぶどうイベントで、素晴らしい雑穀料理のコースメニューを作ってくれた山崎シェフ、短角牛のイベントで肉を焼いてくれた堀江純一郎シェフだ。なぜこの二人かというと、アルキメーデ重と僕と堀江シェフは同い年。そして山崎シェフは数ヶ月遅れて生まれた一つ下。同世代なのである! 同い年は仲良くしなきゃね。

ということで、集結!

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まずは場所を提供してくれた、長島農園の勝美君とその家族。

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嫁さんのフランチェスカも元気、元気。

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主催幹事、井のなか 工藤ちゃんと井のなか軍団。

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アルキメーデ重一家とスタッフ君たち。

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アクアヴィーノ山崎シェフ夫妻。

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元・ラ・グラディスカのシェフで今はフリー!の堀江君。

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そして、、、昨年秋に実施した、岩手県産地探訪ツアーで、工藤君とすっかり仲良くなってしまった、ラトリエ・ジュエルロブションの新藤スーシェフと仲間たち。

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そして、ダッチといえばこの人、日本ダッチオーブンソサエティの公式インストラクターである、山口壮一さんと、そのお仲間たち!

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山口さんの運営するクック&ダインのヘビー顧客でもある「おかみ 」も、珍しいベルギービールのダブルマグナム瓶を持参で参戦!

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さてパーティー開始! まずは長島農園裏の竹林にて、タケノコ掘りだ。

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よく手入れされた竹林のあちこちに、タケノコがニョコッと顔を出している。タケノコ堀りは、とにかくまずは、地面から顔を出すか出さないかの状態のものを見つけ出すのが大変。そして、それがどっち側を向いて生えているのかを判断し、掘り進んで、根元をエイヤと切断する。書くと簡単だけども、やってみるとかなり大変。特に根元をきれいにとるのが大変なのである。

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「いやー 普段全然使わない筋肉だから、すげー疲れます!」 と 山崎シェフ。しかし嫁さんは元気満点で、そんな山崎シェフを叱咤激励の図であった(笑)。

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一方、タケノコ掘りの最中に、前菜を準備してきたシェフは盛りつけを、、、先頭バッターは堀江シェフである!

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「俺もう厨房ないのに、いきなり3日前に作れっていうんだもんなぁ、、、」とぼやきつつ、米のサラダを作ってきてくれた!

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イタリアのリゾット用の米かと思いきや、長粒種のインディカ米 だという。

「インディカ米に芯を残して炊くと、その芯を歯がかみ砕いたときにパッと香りが立つんだよ。その香りが最高なんだよね。」

このライスサラダ、実に懲りまくっていて、ピクルスにオリーブ、ツナに豚肉、ケイパーなどが入っているのだけど、豚肉はローズマリーと一緒に岩塩の包み焼きをしたものを細かく刻んでいる。

「にせもののハムなんか使いたくないからね!自分で作ったよ、、、」

という堀江君。店を出て時間のできた彼とよく話すようになったのだけれども、行き当たりばったりで料理をするのではなく、緻密な計算を組み立てて料理の世界を作り込んでいく人だ。生産なんだな、と実感する!

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みんな拍手!そしてむらがりむさぼり食べる! 艶っぽい酸味のきいた米が、かみしめるとスクッと芯に当たり、はじける。堀江シェフいうところの「立ち上がる香り」が、日本の米とは違って軽い穀物ぽさを実感する香りだ。塩竃蒸しの豚肉もしっかり塩が回って、食べ進めることができる。堀江君、ごちそうさま!

つづいては、ロブションの新藤スーシェフら3人が、ものすごーいフレンチ前菜を仕込んできた!

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な、なんだこれは!チョコサンド? 「新潟の椎茸と鶏肉のはさみ蒸しです」

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そしてサーモンのディップに、自家製スモークサーモン!

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リエットに、タラのブランダード、チーズ風味のプチシューなどなど、、、
すげえええええええええええええええええええええ

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「仕事よりこっちの仕込みの方がリキ入りました、、、いやウソですよウソ」

そりゃそうだけど、ほんと、こんなに力入れていただいてありがとうございました! ちなみに新藤シェフはシェフ連中では若い。若手台頭!いい時代になってきたものである。

全品いただいたが、サーモンのディップやタラのブランダードの味わいは、ぎりぎりの塩分で素材を活かした味付け。これは野外でわさわさ食べるモンじゃないぞと思いながら、ビールと一緒にどわっといただく。 もう最高である!

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アクアヴィーノの山崎シェフは、奥さんが富山出身ということで、富山の海の幸を仕込んできてくれた。意表を突かれたのだが、イタリアンではなく和の味!

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とくにびっくらこいたのは、このホタルイカの沖漬け。彼自身がつけ込みダレをつくってつけ込んだものだ。大型タッパーいっぱいに作ってきてくれたのだが、参加者一同「うめぇ!」の連発。ワタの臭みなど一片もない、実に透明感とこゆいうま味が両立した味である。

そして、富山と言えばかまぼこ文化。

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鯛の形をしたかまぼこ(笑)これがかなり美味しいのである。

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「これと、終盤に氷見うどんをたべていただきまーす」

パスタじゃないのか! いや、それも佳し! 山崎シェフの戦略、かなりはまったのである。

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で、こんどは長島農園ツアー。僕が知り合った頃から緩やかに規模拡大をしてきている彼の圃場を全部回るのは無理なので、家に面した畑を回る。

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ちょうど夏野菜の作付け前の、畝立ての準備で堆肥が筋にまかれている。

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灌木状になったローズマリーをバックに、もうすぐ出荷を迎える新タマネギの説明。

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「うちの新タマは、ナマでかぶりついて大丈夫ですから」

と勝美君が新藤スーシェフに一株。

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躊躇なくがぶりとかじりついたスーシェフ。

「うん、美味しい!辛くないね」

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新タマといえども硫化アリルの辛みは強いものも多いが、長島君は施肥設計で炭カルを低くしているのだろう。でも、辛みが少ないと言うことは日持ちがしないということである。百貨店と料理人に対して、自分のペースで出荷する長島農園だからそういう作り方ができるのだろう。

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さぁ~て 厨房では、ダッチオーブン巧者である山口さんのワザが炸裂! なんと今回のテーマは「ダッチでピッツァ!」である。

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もちろん生地も、わざわざこねてきてくれたものだ!

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おまけに、昨晩中につくっておいたトマトソースを忘れてしまったグチさん(笑)

「あーーーー しょうがない、すぐに作る!」

と、これまたダッチで早速煮詰めにかかったのである。

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ダッチオーブンは鉄鍋だが、同じく鋳鉄製の頑健な蓋の上にも炭火を載せることで、オーブンの上火と同様の効果を得ることができる。でも、底の部分に直接生地が当たると焦げてしまう。だから、底面には網を引いて、輻射熱でカリッと焼き上げる。

ちなみに今日は深鍋仕様のダッチではなく、スキレットというフライパンタイプのものを使用。

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この状態で数分おいておくと、、、DSC_9481

見事に焼き上がるのである!

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その後、5枚連続焼き! 後にいくほどカリッと感が強く、いいできにチューニングされていった。

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いやー 久しぶりにダッチ巧者のワザを見せていただきましたよ、グチさん。僕もクック&ダインから買わせてもらったキッチン用ダッチとスキレット、結婚祝いにもらったコンボクッカーがあるが、最近では火をあてていない、、、うーむ 久しぶりに使ってみたい気になってしまったのである。

さてアルキメーデ陣に動きあり。

「サルシッチャ(イタリアのソーセージ)を作ってきたからさ、焼こう」

といいつつキーコ、若手に任せて自分は悠々。

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これがサルシッチャ!なんと4キロ分仕込んできたという、、、それだけでハラがいっぱいになっちまう量である。

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しかしこのとき焼き台の制空権を支配していたのは、ロブション軍団!牛肉のランイチなどとともに、これらの肉塊が彼らの手によって焼かれたのである。

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1メートルくらいの長さになっているサルシッチャを焼くのは至難の業!なんていっても、炭火と網の距離調節ができないから、近火の強火なのである!焦げないように頻繁に動かしながら、炎をよけて焼く新藤スーシェフ。

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ラムイチとサルシッチャの焼き上がり!お見事である。

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この後も、ロブション軍団の肉焼きフィーバーは止まらず。

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肉肉している中、井のなかの料理長・佐久間さんのブリ刺し登場!

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もちろん料理してる間、食ってる間も、参加者同士の親交が続く。好きな人が好きな人と仲良くなる風景は、やっぱりいいものだ。

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さて、ここで僕の秘密兵器を広げよう。島根県のかつべ種畜牧場から送られてきた、ものすごい牛肉である。

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みよ、この堂々たるサシ。僕がいつもは「あまり好きじゃない」と称している黒毛和牛である。

でも、もちろん普通の黒毛和牛ではない! これは、、、なんと12歳にもなる、お母さん牛の肉なのである!これについては後日きっちり書くけれども、経産牛という、お産をしてきた牛だ。実経産牛を最高とする日本では、通常は高値では取引されないけれども、じつは肉牛肥育農家の多くが、「経産牛って旨いんだよね」という。

その経産牛の中でも極めつけに年月を経た母牛を、一年間肥育したのがこの肉だ。勝部さんが自信を持って送ってきてくれたものだ。

これを焼いてもらうのは、、、ふふふ、やっぱり堀江君でしょ!

「え、俺やるの?」

とぶつぶつ言いながら、興味があるのか、きっちりと仕事をしてくれた! イタリア風に、ニンニクを潰したものとローズマリーを載せ、オリーブオイルをふりかけてしばしマリネ。ちなみにローズマリーは長島君がすぐさま摘み取ってきてくれたフレッシュものだ。

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「あのね、サーロインはそのまま焼いちゃ駄目。カブリの部分を外して、焼き加減を変えないとね」

といいながら切り分け、炭火に載せていく!

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おおおおおっ かなりの強火(というかコントロールできないので)! しかもサシが入りまくっているので、脂がジュワジュワ落ちて炎が立つ!

肉焼きの人たちの話を聞くと、「肉にストレス与えないように、柔らかく火を入れる」というようなことを言う人もいるので、コレ大丈夫?と聴いた。

「いいんだコレで。しっかり焼き目つけないと駄目なんだよ。ただし、きちんと焼いた肉を休ませることは重要。」

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ばしっと塩をして、焼き分けてくれる。

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その味は、、、

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお 強烈に濃い!

これはすごい! 脂がどうのではなくて、肉の部分の香りと味の深みが、通常出回っている実経産牛のものとくらべて段違いである! むろん、こちらの方が深く濃く強く、美味しい!

「なんだこれ?」

「ほんとに黒毛和牛? ほんとにおばあちゃん牛なの?」

という料理人の驚きの声が上がる。本当に旨いのだ、経産牛、、、ただしもちろん勝部さんという最高の生産者が仕立てたからということもあるだろうが、、、このテーマはまた詳しく書いていきたい。

さて、終盤戦になり、山崎シェフが氷見うどんを作り出した!

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氷見うどんは乾麺だけど、なんとつゆを着くって1.5リットルPET3本に詰めてもってきてくれた!椎茸がのっているところをみると、出汁に使ったんだろう、激うま!

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肉肉肉の攻撃にちょっと口がつかれていたせいか、みな無心にすすっている。

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後半戦というのに、山口さんがビンナガマグロのカマを焼き始める。

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いやー もうおなかも飽和状態。ぜんぶ実に旨かった、、、

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あ、俺が写ってる↓ これ、山口さんが撮ってくれた写真である(笑)

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5時を廻り、終了~! これだけ料理関係者が集まり、いりみだれてBBQをすると、やっぱり楽しい。しかも今回は同世代が集まっているというところが、やっぱりいちばんのキモだった。30代というのは、そろそろスーシェフ・シェフに繰り上がって、店を任されるポジションになる時期だ。お互いの情報交換をしながら、交流を深めていくシェフ軍団をみていて、ちょっとまぶしかった。いやー いいもんです。

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総勢40名以上になっちまった、超・大事のBBQ大会、とっても楽しかったのでありました。

場所を貸してくれた長島君、本当にどうもありがとう! 工藤ちゃん、幹事お疲れ様!

そして集まってくださった皆様に感謝。またやりましょう!

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Posted by yamaken at 00:46

2009年04月17日

うどん用国産小麦のニューフェース・「きたほなみ」のうどんを食べてみた。北海道は北見農協のきたほなみを、望月製麺所がうどんに試作してくれた!

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ラーメンサラダ「ラーサラ三郎」が好評の望月製麺の泉田さんから、「ホクレンの寺尾さんからきたほなみが届いたので、試作したのを送りまーす」という連絡がとどいた。

きたほなみは、北海道で開発されたうどん用小麦品種だ。従来つくられていたホクシンという品種は、味はよいものの、少し黒ずんだ色になり、コシもまだ十分ではないという評価だった。それを克服し、さぬきうどんにも使われているオーストラリアの純白系コシがやたら強いASW品種に負けないものを創ろうということで育種された品種だ。

ホクレンで僕を札幌の旨いもん漬けにする張本人である寺尾さんは、この4月から北見支所に異動。北見といえば飲食店の裏に積んである「北見F1たまねぎ」という段ボールを見たことがある人も多いはずだ。北見のタマネギは一大産地である。しかしきたほなみも創っているとは知らなかった!

さっそく、釜揚げを溶き卵に投入する「釜玉」と、冷水で締めて醤油で食べる二通りで試食してみた。釜玉といえばさぬきうどんの山越だなぁ。うーん あれは旨かった!

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で、結論からいうと、きたほなみのうどんは実にイケル! 釜玉うどんにすると、水で締めていないのでやわやわになってしまうかと思いきや、湯との境界部分は柔らかく、しかし噛みしめるとブリンとしたコシがきちんと通っていて、気持ちよい。

きたほなみを試食した友人の話では「灰分が少ないこともあって、香りにはやや欠ける」という評価だったけれども、香りが少ないと感じることもなかった。実に美味いうどんではないか!

さてお次は冷やして醤油うどんで。

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む、、、

釜揚げの方が旨い、、、

さぬきうどんの冷や冷やの旨い店は、うどんの芯がブリンとしたコシになっているけれども、こちらは全面的に均一なコシ状態で、歯ごたえはあるものの、ちょっと退屈な食感である。

しかし、それは製法によるものであった。上記を望月製麺の泉田社長に連絡したら、こうお返事があったのである。

 

真空ミキサーで練っているので小麦粉と水が均一に結着しているのでそうなり、それが手打ちとの違いになります。(ミキサーを使用している側からすると、良い事です)
私が試食した時は腰があり、食感的には「外麦(プライムハード)」に近づけようとしてますね!確かに「香り」「味」は現在の道産小麦より弱い感じがしました。「北ほなみ」のスペックは判りませんが、「小麦たんぱく」が多くなると私的には「味」は無くなるように思われます。ただ、「タンパクの内容」にもよりますので、そこが難しい所です。
今回は5kしかありませんでしたのでこれだけでは判断できません。いろいろ練る時間、水の量、塩の量などまだ、調整して行かなければ結論は出せませんが…

ふうむなるほど!

泉田さんが言うように、コシの元となる蛋白質が多くなったことで、逆に香り成分は減少しているようだ。しかし、香りがブワッと立つパンやパスタに比べ、うどんにしたときには、近年では食感やのどごしが優先して評価される傾向にある。そういう文脈では、きたほなみはかなりイイ線いってること間違いない。

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とにかく僕は、日本の伝統的なたべものであるうどんのほとんどが、外国産麦で出来ているという状態が気持ち悪いのである。自分の国で創られた麦で美味しいうどんが出来ること。それを食べると言うことが、ようやく本当に「日本のうどんを食べた」ということになるのではないか、と思う。

きたほなみに、ひきつづき期待をしたい! 寺尾さん、泉田さん、ありがとうございました!

Posted by yamaken at 12:33

京都の宝物・伝統のすぐき漬けは、漬物屋さんではなくて農家さんの軒先で造るものです! 上賀茂の京野菜農家・田鶴さんご一家のすぐき漬けを観た! その2

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さて食事から帰ってくると、すでに先ほどの大きな桶に漬けていたすぐきをひきあげ、サイズごとに分けて、樽に詰めるという作業が始まっていた。

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田鶴さんのお父さんが、この大きな(どこで売ってるんだろう、、、)ざるに山盛りになったすぐきを、脇の樽に分けている。

農の生産現場と消費者の距離が遠くなってしまった今ではあまり理解されにくいことだが、野菜も果物も、同じ大きさ・同じ形のものばかり採れるということはあり得ない。大きいものから小さいものまで、形の佳いものから悪いものまで様々だ。それを一通りの基準に合わせて選別するのは、農家が行っている負荷のかかる作業である。ま、おそらくこのすぐきに関しては、サイズの違いは漬け加減の違いに繋がるので、出来るだけ均等に漬かるように、分けているのだろう。大石センセイ、間違ってたらご指摘下さい。

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そういえば、なぜこのように盛大に長い葉も一緒に漬けるのか。実は、葉と一緒に漬けなければ、独特のすぐき漬けの味にならないのだそうだ。

「葉の中に醗酵を促す菌がいるわけよ。そこが他のカブとも違うところだね」

と大石が教えてくれた。なるほどね!

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だいたい仕分ける作業が終わりに近づいてきた。これらの樽はぎっちり塩をされて、蓋を閉めて、先の天秤にかけられる。

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ちなみに、天秤にかけられて圧縮されているすぐきは、塩分が浸透し水分を出しながらかさを減らしていく。つまり天秤棒が下がってくる。そこにまたすぐきを追加して、さらに圧力をかけていく。

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天秤を外して蓋を取ると、こんな風に平らに圧縮されている。そこに、新たにすぐきを盛り込んでいく!

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並べ方も規則的で、秒速でこれを仕上げていく。写真で追いつくのも大変だ!

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たっぷり塩を盛っていく。何%くらいの塩分濃度になるのだろうか、菊のを忘れたけれども、半端無い量の塩をまぶしていく。でも、この後に塩抜きをする行程はなかったと記憶しているので、この天秤にかけている段階で塩加減を決めているはずだ。

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見事にすぐきの山になった!

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このうえに、すぐきの葉だけを藁で束ねたものを置く、蓋で圧をかける際のクッションだろうか。その上に蓋を載せ、再度てんびん棒でギュウギュウと押すのである。

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極寒の中、作業はこのように続けられるのである。さて、順序は逆になるが、5時間後には朝の作業。すぐきの皮むきと下漬けである。

(つづく)

Posted by yamaken at 12:12

2009年04月13日

サルヴァティカの花咲く春来る 横須賀・長島農園と三浦・高梨農園

昨日、大イベントをやったので、月曜日の朝は三浦半島の長島農園で迎えた。先日ラ・グラディスカを離れた堀江純一郎シェフと相部屋で、12時まであれこれ語り合い、朝はやめに起きて長島君の作業を見せてもらう。

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ルッコラの野生種と言われている、ルッコラ・セルバチコ ドイツではサルヴァティカ。この野菜も、僕が学生の頃はまだまだ造る人がいなかったものだが、ここ10年でかなり出回るようになってきた。とはいえ、一般のスーパーではまず売れないので、直売やレストラン需要が中心だ。

このサルヴァティカに、「蜂蜜の香りがする花が咲いてるのよ!」とお母さんが教えてくれた。ちなみに長島農園との出会いは、勝美君よりもお母さんとのほうが早い。平成7年に横須賀で開催された、農業情報ネットワーク全国大会というイベントで、僕がインターネット産直フォーラムという分科会をコーディネートした時だ。まだ僕は大学院生だったけれども、大入り満員のフォーラムになった。その時の実行委員が長島・母だったのである。その頃、勝美君はドイツでの農業修行のまっただ中だった。

その後、全中という農協組織の友人宅に遊びに行ったとき、帰国し野菜の栽培品目数を増加しつつあった勝美君が、野菜を送ってくれていた。その、パワフルで多彩な野菜を味わって、この人に会ってみたいと思って足を運んだのが、彼との出会いである。いまや各方面からひっぱりだこの彼だが、全く変わらない、佳いやつである。

で、サルヴァティカの花だ。

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これが、本当に素敵な香りがするのである!
蜂蜜というのは確かによく言い当てている。かなり濃厚な甘い香り。堀江君は花びらを食べて「うん、やっぱり花びらも甘い」といっていたが、口にすると本当に香りとおなじ甘い味がした。

ルッコラは大根やキャベツと同じアブラナ科作物だ。アブラナ科の花は綺麗だけれども、ここまで香るのも珍しいな、と思った。

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勝美君は、サルヴァティカは出始めの頃よりも、数回葉をむしったあとの、とう立ちまぎわの方が香りとコクが強くなり好きだそうだ。もちろん、それをわかってくれるところにしか出荷はしない。

あ、とう立ちっておわかりだろうか? 植物の花芽が出て伸びてくることを「薹が立つ」という。薹が立つと、それまで柔らかかった葉や根茎が硬くなり筋張ってしまい、食用に適さなくなることをいう。よく女性に向けて放たれる悪い言葉に「トウが立ってるけどね」というのがあるが、それである。菜の花なんかは、薹が立ったのを食べるのだけどもね。

例えばこれは、ほうれん草が薹立ちしてきている図。

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これはディルの花。

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さて勝美君に別れを告げて、三浦の高梨農場へ。海岸沿いの気持ちよい空の下を駆け抜ける。

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高梨農園は、三浦半島で年間150品目以上を作付けする、超絶マニアック農家である。しかも、ほぼ全てを家の前の直売所で売り切る。こんな農家、観たことがない。

「今頃は一番何もない季節なんでねぇ、、、」

と言いながら、畑で抜いたルタバガ。堀江君は食べたことがないということで、持ち帰らせてもらっていた。

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金色の草原がある、、、と思ったら、これもアブラナ科の花。でもここまで細かくわーっと黄色くなる花ってなんだろう、と思ったら、、、

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「これはスティックセニョールですね!」

あ、なるほどね、スティックセニョールならこうなるわな。花として観たときに、とっても綺麗。

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大根の花は、農家にとっては「穫り遅れたってことで、ちょっと恥ずかしい」ものだったりするけど、これも綺麗。

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いろんなアブラナ科植物群生。

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ジャーマン・カモミール。これがまた、小さな可愛らしい花なのに、香りの強さは天下一品である。

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という、野菜というより花三昧な朝を送って、京急線三崎口駅より堀江君と別れ、日本橋に到着す。さて仕事しよう。

ちなみに今朝、長島農園の農家の食事にて。

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すでに割れている卵の殻、青っぽい。アローカナ種という鶏の卵かと思ったら、、、

「なんかね、烏骨鶏なんだけど、アローカナと混じっちゃったのよ!」

という! アローカナと烏骨鶏のF1! それは珍しい、、、

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もちろん健全な卵の味。ご馳走様でした!昨日の大イベントの模様は、また後日アップします、、、

 

■撮影データ
ボディ:ニコンD700
レンズ:60mmMicro、24-70mmF2.8、70-200mmVR

70-200の望遠の描写、かなり佳い!

Posted by yamaken at 14:27

2009年04月10日

京都の宝物・伝統のすぐき漬けは、漬物屋さんではなくて農家さんの軒先で造るものです! 上賀茂の京野菜農家・田鶴さんご一家のすぐき漬けを観た! その1

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京都大学の農学部で教えている大石から、毎年のように「やまけんはすぐき漬け、みにこないのかぁ?」と言われていたのだ。

すぐき漬けは、「すぐき」というカブの一種を乳酸発酵させた本漬け(古漬け)である。おおむね京都でしか造られていないようで、独特の文化として根付いている、ということくらいしかわかっていなかったので、「うん、そのうちなぁ」と流してしまっていた(汗)

実を言えば、理由があった。彼が仲良くしている京野菜の農家である田鶴さんは、上賀茂地区で賀茂茄子を生産している代表的な人物だ。何が代表的かというと、田鶴家は京都府から「賀茂茄子の種採り農家」として認定されている。つまり、賀茂茄子の正当な系統を保存・育成していると認定されている農家さんなのである。

昔からブログをご覧の方はご存じの通り、僕はナス好きである(笑)そして、学生時代から大石と親しくしていた僕は当然ながら彼の大家さんである田鶴家の賀茂茄子をよくいただき、その旨さに悶絶していた。しかし、田鶴家の賀茂茄子は秋口の「これから旨くなってくるんよね~」という時期には片付けられてしまう。なんで!?といえば、それは「すぐきのため」。冬のメイン品目であるすぐきの種まきから逆算すると、賀茂茄子をかたづける時期が決まるということなのである。

なんだよ~ 賀茂茄子優先してくれよぉ~ などと不届きに思って、すぐき漬けに対するプライオリティが一段低くなっていたことは否めない。

しかし!

今回、じっくりとその過程をみせていただき、しかも仕上がってきたすぐきをたべたことで、やっぱりすぐきは京都の重要な文化であり、しかもそれは「農家の文化」であることがよーくわかった! わかりすぎるほどにわかった! ので、心を込めてこのエントリを書いていきたい。

ちなみに時点は昨年の12月6日。冬まっさかりの寒~いさむい時期のお話しである。

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京都駅から北山に移動して、大石の車にピックアップしてもらったのが3時半くらい。もう陽がかげってきてしまっている。 PC066411

「すぐきは本当は、農家が自分の家で漬けるものであって、漬物メーカーがやるようなものじゃないんだよね。この辺を走ると、市街地でもけっこう小さな畑があって、すぐきを”てんびん”で漬けてる風景がみられるよ。ほら、あの辺とかね」

と大石が言うように、上賀茂周辺の住宅街に混じって、畑にびっしりと緑の葉っぱが生い茂り、そのむこうに桶が数個、据えられている。面白いのはその桶には蓋がしてあるのだけど、その蓋の上に長い棒が渡されて、棒の先端にはコンクリのおもりがついている。つまり、てこの原理で蓋を押しているのだ。これが「てんびん」。あとで写真が出てくるので、そちらで観てもらえればいいと思う。

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そうこうしているうちに、田鶴家の畑に到着。大石が京大で創ったサークルは、この田鶴さんを始め、農家さんの作業を本格的に手伝わせてもらう活動をしている。

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すぐきは、先ほども書いたようにカブの仲間だ。地上部にはしゃもじ状の葉が盛大に生い茂る。そして土中には、正円とはほど遠い形の蕪が生っている。

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「よっしゃ、じゃあ、夜の作業が始まる頃だから、田鶴家に行ってみようか!」

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すぐきの作業は一日がかり。基本的な流れは、すぐきを収穫して皮を剥き、下漬けする。下漬けしたすぐきをてんびんでギュッと重しをかけながら、さらに塩漬けする。適切に塩漬けされたものを、こんどは室(むろ)といわれる部屋にいれ、火を焚いて温度を上げて乳酸発酵を促す、、、というものだ。これから夜の作業。下漬けしたすぐきを、塩漬けにするところである。

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上賀茂神社から近い市街地へ。ここが田鶴さんの家である。田鶴一家のお父さん、お母さんがいらっしゃったので挨拶。

「ああ、ようきてくれました、、、大石君の紹介なら、ゆっくりみてってくださいね。ちょうど漬かったのがあるから、観てください」

と、お母さんがさっそく、売り物になるくらいに漬かった樽を開けてくれた!
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おわかりだろうか、べっこう色の細いのは茎で、オリーブグリーンのが葉である。二カ所だけ白い株の部分が覗いている。圧倒的な重さで押し漬けしなければ、こんなふうに真っ平らにならないだろう。それにしても印象的なのは深い発酵色だ。乳酸発酵特有の香りがプンとむずがゆく鼻を刺激する。

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株を掘り出すと、驚くほどに白く見える。丸くない、スコップの先のような形にぷっくり膨れた形だ。

「ほら、一玉でお売りするときはこんなかんじ。」

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ちなみにすぐき漬けには、葉の部分が欠かせない。葉の部分と株の部分を合わせてすぐき漬けなのである。その理由は、後ほど述べることになる。

「さーて、圧巻のてんびん風景を観に行こうか!」

田鶴家のすぐき漬けは、本宅のはす向かいにあるはなれの作業場で行われている。実は大石は、そのはなれの家を借りて一家で住んでいるのである。何回か泊めてもらった大石家の脇に、いろいろと樽やなんやかや積み上げてある作業場があるのは知っていたが、まさかこんな風景になっているとは思わなかった!

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(以降、横位置画像はクリックすると大きくなります。)
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これが、てんびんだ!
おわかりだろうか、棒の根本は、壁に渡されたストッパー用の木に差し込まれ、すぐきを漬けた樽の上の蓋を押している。

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てんびん棒の先には、コンクリの塊が何個もつり下げられている。てこの原理によって、数十キロの重みがすぐきにかかっているのである!

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作業場ではすでに田鶴さんが、寒い中に湯気を盛大にあげながら立ち働いていた。

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下漬けされたすぐきを詰めた樽を運び、新しくつけ込む樽に棒を渡し、おもりをかけていく。

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作業場の屋根の下に入ると、どーんとでっかい樽が二つ鎮座している。もちろん、てんびんをかけた状態でだ。

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よくご覧いただくと、蓋と天秤棒の間には角材が三本入った状態。にもかかわらず、もうかなりすぐきから水分が出ている。

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野菜はその身体のほとんどが水分なのである。それがよくわかる光景だ。

外でてんびん掛けされている樽も、最初はこんな風に外にはみ出すくらいである。

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これが、てんびんによってギュウギュウと押されていくのである。

樽の前には、漬け込みを待つすぐきがうずたかく積まれている。

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ご覧の通り泥付きのままのを、一部だけ面取りしている。なぜ一部だけなのかは、明日教えてもらうことになるのだが。

「そうそうヤマケン、この風景が初めてってことは、生のすぐきを食べたことはないってことだよね」

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と大石が言って、ポケットナイフで規格外品のすぐきをしゃりしゃり切ってくれた。

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うーん、まさしくカブである。ちなみにこれは売り物にならないものなので、本当はもっと立派です。でもこの一片を囓ると、ほのかに甘く、軽くツンとした香り(アブラナ科に特有のイソチオシアネートだ)がある。

「うーん なんでこんな普通のカブが、あんなに酸っぱい漬物になるんだ?」

「ふふふ、不思議だろう~ まあ、ゆっくり解説するよ」

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大石は、田鶴家に寄宿してからずっとこのすぐき造りの手伝いをしている、いわば田鶴家の重要な戦力である。はやく「すぐき漬けの神髄」なんて本出してくれよ(笑)

さて、作業は続くが、僕たちは祇園へ食事へ。
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さてお話しはまた明日へと続くのである。

「じゃあ、朝5時においで~」

農家の朝は、早いのだ、、、

■撮影データ
使用カメラ:オリンパスE-3
使用レンズ:12-60mm、25mm、50mmマクロ

Posted by yamaken at 20:46

食べ物の安売りは、世の中を佳くはしない。小売業者のやり方には、憤りを覚える。

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イオンが新聞広告に「反省文」を出したことは、人から聞いた。流通業界のトップであるイトーヨーカドーとイオンは、どちらも相次いで主力商品の値下げを敢行している。そして、西友が298円弁当を発売するという。

これらのプロモーションを観て、消費者はいったいどういう感想を抱くのだろうか。

「イオンは反省しているんだな、偉いぞ!」

「298円弁当は、一括調達や効率的な生産で、内容は変わらず安くなるんだってさ。素晴らしいね!」

などと受け取っているのだろうか。

僕には、腹立たしく思えてならない。小売業界は、食べものの価値をまた下げようとしている。しかも、彼ら自身は「頑張ってます」というメッセージを出しているけれども、真実は、彼らの前にいる生産者やメーカー、流通業者を絞り尽くすことで、これを実現させているからだ。

小売業者が「いいこちゃんぶって」いるケースはこれまでも多々あった。例えばよく「台風落下リンゴ」というのが販売されることがある。収穫直前に台風を受けてしまい、落下して傷つき、売り物にならなくなってしまったリンゴを、私たちは無駄にしません!買ってください!というアレだ。「あ、これは買ってあげなきゃ」と思って手に取った人もいるだろう。

でも、それは実は生産者のためにはなっていない。

台風落下リンゴの価格は安い。「安くても、売り物にならないものなんだから、ちょっとでも助かるでしょ?」と思うなら、大間違いだ。安いということは、生産者に渡されるお金だって安いのだから。スーパーは、断言するけれども、自分自身は損をしないように利益を載せている。または、それ自体で収益がでなくても、集客の目玉になれば、告知効果になるからそれでいい。

もっとまずいことは、格安で販売される台風落下リンゴの横にある、ぴかぴかの、高い値段がついている無傷のリンゴが売れなくなることだ。生産者という存在をマクロにとらえてみたら、台風で落下したリンゴを安く仕入れられ、それが売れることでもともと高く売れるはずだった佳い品物が売れなくなるという状況のほうが困るのだ。

だから、本当に台風や雹(ひょう)害で困る地域を助けたいと思うならば、落下リンゴではなくて、産地表示をみて、その産地のリンゴを買ってあげる方がいくぶん貢献できるはずだと僕は思う。

まあ、これは一例だ。小売業者(だけではないけれども)は、巧妙に消費者を欺き、自分の利益を最大化しようとする。企業活動としてはもっともなことだけれども、言い換えてみれば、生産や流通の段階の知識をあまりもたない消費者をだましているということに他ならない。

そしてこの時期に来た「値下げ」だ。値下げの犠牲になっているのは、イオンやイトーヨーカドーではない。中間にいる流通業者と生産者、製造業者である。

先日、納豆メーカーの富士食品が倒産してしまって悲しい、というエントリを書いたら、思いもかけず、いろんなところから連絡をいただいた。その多くが食品メーカー、農協、そしてなんと小売業者ご自身!

「大手スーパーは「消費者の味方,価格据え置き・応援値下げ」なんてやっていても
自分のマージンは確保していることがみえみえで、余りおつきあいしたくありません。
最近は「イオンはダイエー化しつつある」なんてことを聞いたりしますね。」

「やまけんさん!「富士食品」書いていただきありがとうございます。あんな良い会長の会社が潰れるなんて、悔しいです。」

「今日のブログは、私たちの今の悩みそのものでした。まさしく和日配の現実です。」

まだまだあるのだけれども、、、

メーカーは、怒ってますゾよ。

「美味しくて、新鮮で、栄養があって、安全で、、、そういう食べものを、安くちょうだい!」

などというわがままな消費者と、その消費者におもねって、とにかく「消費者がこの価格じゃないと買ってくれないんだから」という理由で、価格を押しつける小売業者。これが続くと、常識はずれの安値にするために、劣悪な材料や、膨大な添加物や、偽装といったことをする業者が現れる。それは、本当は消費者と小売業者自身がつくり出したものなのに、一方的に非難・糾弾され、退場を迫られる。

そして、この国には大手のメーカー数社しか残らない、寡占状態になる、、、この状況が長く続けば、そうなってしまう。おそらく想像力のない人は「それでいいじゃん、何が悪いの?」と言うだろうが、、、

西友の298円弁当、怖くて僕は食えない。イオン、イトーヨーカドー店頭でも、安売りしているモノは買いたくない。僕は生産者・流通業者叩きに荷担したくないからだ。

Posted by yamaken at 14:10

小泉武夫先生の講演in恵比寿ガーデンプレイス そして絶品トンカツの「とんかつ武蔵」で二種類の特ローを堪能!

4月5日、恵比寿ガーデンプレイスのホールにて、発酵学の巨匠にして食の大冒険家である小泉武夫先生の講演が会ったことをご存じだろうか。
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恵比寿ガーデンプレイスでは、「発酵は旨い」というテーマのセミナーを、一年通して6回開催する。3月には味噌をテーマにして開催されたばかり。そして、今回は発酵食品の大家であられる、小泉武夫 大先生である。

実はこのイベント、うちの会社でプロデュースをさせていただいている。今、僕の会社で働いてくれている敏腕女性コーディネーターが、仕事をさせていただいているのである。そういうわけでこの日、僕はプレスワッペンをつけて、撮影をしていたのでありました。

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さて実は小泉先生にはお会いしたことがない! もちろん講演には数回、行って話を楽しんではいるのだけれども、、、あの凄まじくオモシロ美味しそうな文体そのままに、話が進むのだ!

いや、文章読んでいるよりも、お話しの方がすごく面白い。あの「コピリンコ、コピリンコ」などの擬態語が連発される様に、興奮しながら訊いてしまった!

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会場はもちろん満員。当初は100名程度の募集のつもりだったのが、あまりに申し込みが多いので、大ホールに場所を移し、300名定員としたのである。

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このイベント、次回のテーマは「チーズ」。講師は、フェルミエの本間るみこさん。なんと2000円でテイスティング付きというから、参加した方がいいんじゃないの~?というお得イベントである。ご関心ある方はこちらからどうぞ。

■『発酵はうまい』 セミナー 第二弾 「チーズの醍醐味」http://gardenplace.jp/event/cheeseseminar.html

と書いているうちに、隣から声がかかりました。

「チーズ編、定員に達しましたので、これで受付を終了しま~す」

ということで、今後もテーマが決まり次第、告知しますね。

◆恵比寿ガーデンプレイスWEBサイトアドレス
http://gardenplace.jp/

さて、恵比寿ガーデンプレイスといえば必ずここに寄らなければ、という店がある。それは、B2Fにある「とんかつ武蔵」だ。

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その昔、僕が静岡のお茶会社のIT顧問をさせていただいていた時代に、そこの専務が「最高にうまいとんかつ、食べに行こう!」と連れて行ってくれたのが静岡市にある「かつ好(かつよし)」だった。清水に本店があるこの「かつ好」は、おそらく「塩で食べるとんかつ」に関してはここが嚆矢といえるであろうという伝説的な店だ。

銅製の皿の網の上にとんかつを鎮座して客席へもってくる恭しいプレゼンテーションに違わず、絶妙な火入れで厚切りの豚の旨味を極限まで引き出したその味に、まだ大学院生だった僕は圧倒されてしまったのである。

その「かつ好」の支店として恵比寿ガーデンプレイスの中にできたはずだ。そして、その後この店を切り盛りしていた人が、のれん分けの形でこの店を引き継ぎ、店名を変えてリスタートしたという経緯をきいている。

この経緯について僕は、数年前に「食楽」の取材で店主に直接聞いたので、間違いではないと思うが、もしかするとその後また経営が変わったのだろうか。何年かぶりに店に入ってみると、揚げている人は覚えのない顔だった。

でもまあいいのだ。とんかつが美味しければ、、、この店では、一人前に3500円を出す覚悟がなければ、こない方がいい。また、二人以上で来る方が望ましい。なぜなら特吟黒豚のロース250g 3465円と、鹿児島OX豚のロース250g 3200円の、双方を頼んで食べ比べをするのが最も素晴らしい選択だからだ。

まずテーブルには、特製の和辛子ベースのマスタードとソース、香の物が運ばれてくる。

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この特製マスタードが またイイ味なのである。そして、じっくり二つの温度帯の違う鍋で揚げられたとんかつが、運ばれてきた!

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時間をかけて低温から揚げられるのは変わっていないので安心。かつ好の流派で使われている、特徴的に大きなカツ切り包丁でシャクッシャクッと切り分けられ、こんな銅の容器にのって出てくるのである。

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うん、肉汁がじゅんわりとにじみ出る、絶妙な揚げ具合。かといって煮豚のようにじゃぶじゃぶしているわけではなく、きっちりと脱水・旨味の凝縮がなされている。

小皿に盛られた塩で食べるのがお薦めだけれども、最後の方はソースびだびだにして食べてしまうのがどうしようもない僕の欲望。とんかつとは突き詰めれば、ソースを美味しく食べる料理である、というのが僕の結論なのだ(笑)かくしてカツ片にソースとマスタードが化粧されるのであった。

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美味しかった!

けれども、やっぱり以前とは少し違う気がする。まず、前回の食楽取材時にじっくり見せてもらった時に驚いたのは、かつ切り包丁の使い方だ。高温の揚げ油の鍋に包丁を入れて熱してあるのだ!そして、揚がったかつを切ると、当然ながらその高温に熱せられた包丁面によって、切り口が ジュワワワ~ と音を立てる。

「ああっ それって、肉の断面を焼き固めて、肉汁が出ないようにしてるんですか?」

と訪ねると、職人さん(たしか山本さんといったはずだ)がニコッと笑って言うのだ。

「ぎりぎりの火入れで揚げますから、断面はピンクになります。もちろんレアではなく、しっかり火が通っているけれども、ギリギリのラインです。そのピンクの断面をみて不安になるお客さんも中にはいらっしゃるんですよ。だからこうして、脇の部分に熱した包丁で火を入れてやるんです。肉汁も出なくなりますしね。」

これに参ってしまったのだ!以後、実は僕の家でもとんかつを揚げるときには、このテクニックを援用させてもらっている。

が、今回、その「ジュワワワ~」音がしなかったのだ。ナタのようなカツ切り包丁でリズミカルに、シャクッシャクッシャクッと切り分けていた。

つまり、火入れの流儀が変わったということだと思う。ギリギリの火入れで、仕上げに側面を焼いて出すのではなく、最初からしっかりピンクが残らないような火入れになっている、という考え方だろうか。

でも、さすがに僕も以前との差異を思い出せないのだ。食楽に書いた原稿のタイムスタンプをみてみたら、2006年のことになっている。さすがに3年前じゃぁ、記憶が薄れてしまうしなぁ。

ということで、謎は残った。けれども、火入れの流儀が変わった(かも)といって、やはり武蔵のとんかつが美味しいことには変わりなかった。

久々の恵比寿行。これから、セミナーのたびに訪れることとなるだろう。また立ち寄って、確認してみたいと思う。

Posted by yamaken at 13:11

2009年04月08日

またも閉店情報。種子島の癒し系ラーメン店 「味の憲ちゃん」本店が閉店したそうだ、、、

一つ前のエントリの長野先生からの情報。週刊アスキーの連載の取材で種子島に行ったときに超・気に入ってしまったラーメン店「味の憲ちゃん」が閉店したという。うーん もう一度行きたかったので非常に残念だ!

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「味の憲ちゃん」は、店の構えも老齢ながら、店を切り盛りしているじいちゃんばあちゃんがまた素晴らしくいい味出してる店である。

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とっても仲のいい、じいちゃんばあちゃん。

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鹿児島のラーメンは豚骨がベース。博多の長浜ラーメンとは違い、麺は中太で僕の好みに合うものだ。けれどもこの「憲ちゃん」のラーメンは、ご覧いただいておわかりの通り、わりとさっぱりめ。だから、島内のギトギトコッテリ系が好きな人達の支持は得ていないらしいが、そうでない人達からは圧倒的な人気を誇っているという。

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僕はもちろんラーメンに関してはアッサリしたものが好きなので、気に入った!だからこそ、閉店は残念である。おばあちゃんのあのいい笑顔をもう一度みたかった!

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ちなみに島内には別の場所に、息子さんが「味の憲ちゃん」を出店している。味はちょっと違うらしいが、、、今度訪れたいと思う。おじいちゃんおばあちゃん、お疲れ様でした!ゆっくり長生きしてくださいね!

Posted by yamaken at 15:19

2009年04月07日

種子島・沖ヶ浜田の黒糖に情熱を傾ける長野先生とアルキメーデで食事する。

 

このブログでも何回か採り上げてきた、種子島は沖ヶ浜田の黒糖。昔ながらの、さとうきびを絞って煮詰め、固めるという製造をいているグループだ。その沖ヶ浜田の活動を支えているのが、種子島の市議である長野ひろみさんだ。

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長野さんの経歴は非常に面白い。種子島に生まれ、ハワイ大学で勉学に励んだ後にニューヨークの金融機関でバリバリ働き、その後NPOの活動でラオスなどを廻って活動、そして地元・種子島に戻り、市会議員として精力的に活動している。

第一期目は「ビリから二番目の当選」だったそうだが、先頃行われた選挙では広範な支持を得て、危なげなく当選。そりゃそうだ、この人と話をしていると、種子島を持続的に佳い方向にもっていくためには何をすればいいのか、ということを真剣に考えていることが伝わってくる。女性の観点と、そして世界を股にかけて様々なプロジェクトに関わってきた経験が、彼女の持ち味になっているのである。

本当に久しぶりに神泉のアルキメーデ。

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シェフのキーコこと重とは同い年の気心知れた仲だけども、僕があまり東京にいないせいか、店に足を運ぶ回数はそれほど多くないのであった。あ、そういえば、キーコが以前在籍していた無二路(ムニロ)にもここ数年、足を伸ばせていない。うーん不義理しまくっているなぁ。

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実はキーコは、しばらく前にバイクで車に巻き込まれてしまうという事故に遭ったばかり。俺たちもう若くないんだから、体調には気をつけないと、だよ、キーコ。でも、この日の料理、味もおかしくないし、大丈夫かな。

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タコにジェノベーゼを載せて、フィノッキオのサラダと合わせたもの。フィノッキオは、キーコのシチリアでの師匠であるパスクワリーノが大好きな香味野菜だ。

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お、珍しい、サルシッチャをクルクル巻かずに棒で出してる!

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キハダマグロのインボルティーニとムール貝。
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金目鯛のトルテッリ。魚介の香り鮮やかに香り、旨し。

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リガトーニ、鰯のタリオリーニと、パスタが続く。腹一杯だよ、、、

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極めつけのセコンド。沼津の漁港からの鯛、カサゴ、スカンピ、桜エビなどがどかーんと煮込まれた、恐るべき一皿。皿って言うか、、、

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もはや何が何だかわからないけど、食べてみるとどれも味が散逸しておらず、春らしい柔らかな味を発揮していて美味しい。

スカンピの柔らかな身肉、とろけるようでした。カサゴのぷりんぷりんした肉に、ズッパドペシェを絡めて食べるのがまた絶品。そして写真で見える桜エビが、はかない食感で楽しませてくれる。

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写真は、昨年後半にシチリアから招待され、50人以上の列席者に料理を振る舞うパーティーを仕切ったときのイベント本。格好良く写ってるじゃんか!

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長野さんからは、地域興しの難しさをいろいろと伺った。地域の意識を変えていくのは非常に大変なこと。人と人との関係を調整する難しさと、新しい概念を知ってもらうための苦労は、並大抵のことではない。地域振興と書いてしまえば4文字だけれども、これを実現していくために超えていかなければならない道のりは非常に長く険しい。

それに取り組んでいる長野先生を、東京からひっそりと応援していきたいと思う。

あー また種子島に行きたいなぁ!

Posted by yamaken at 14:25

2009年04月06日

本日発売のdancyu5月号は買うべしですよ! 熟成じゃがいもの記事と、短角牛の記事二遍を書いております。

今日発売されていると思うけども、dancyuの5月号は「日本一旨い店大集合」だ。

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日本一と言い切ってしまっているだけに、重いテーマである。その名に恥じない名店が選ばれていると思う。

その中で、国産飼料のみで育てた、超・貴重な短角牛を食べることができる店として、「山藤」広尾店を紹介している記事があるので、読んでいただければと思う。他の店、たとえば「ゆうじ」とかのテキストと比べるとちょっと硬い文章になっちゃったのだけども、短い文字数にリキをいれて書きました。

■過去ログ 山藤 広尾店
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2007/12/post_1097.html

さて、それと5月号の第二特集は「じゃがいも料理の大スター」である。この中で、「熟成じゃがいもは美味しい!という記事を書いてくれないかということになり、一も二もなくもちろんやるやる俺に書かせてよぉ!ということになったのである。

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ここで詳しく書いちゃったら雑誌の意味がないので、詳細はぜひdancyuを買って読んで欲しいのだけれども、もうしばらくしたら出回る新じゃがは、正直言って美味しいものではない。どうもみんなイメージにやられて新じゃがを買いたがるが、でん粉質がでん粉のままであるため、フレッシュな風味はあっても、味にはなっていないのだ。

で、これを適切な温度で、適切な期間ねかせる、つまり熟成させると、確実に味がよくなる。でん粉が糖化するのだ。ただし、当然ながら熟成過程でロス率が上がるし、腐り果・傷み果の割合も上がる。熟成にはリスクを伴うのである。

その大変な熟成を、個人レベルでやっている農場がある。北海道は十勝の「村上農場」だ。この村上農場のじゃがいもを、ちょうど3月30日で西麻布ラ・グラディスカを辞めたシェフの堀江純一郎氏が使っているのである。

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「もうね、ここの熟成芋を使ったら、他の芋はちょっと使えないよ」

という話を以前からきいていたので、渡りに船だったのである。その詳細は誌面でみていただくとして、村上農場の熟成じゃがいもを使った絶品料理は、こんな感じである!
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うーむ 照明の加減で、黄色くなってしまっているが、、、誌面では渡邊カメラマンがきっちり撮影しているので。(ちなみにD700+60mmマイクロF2.8で、フラッシュ無し撮影)

いやーマジで旨かった。実はさっきまで堀江シェフと会っていたんだけど、ラ・グラディスカを辞めてしばらくは遊ぶ時間があるそうだ。いろいろ産地を連れ回したいと思う。

さて後日、雪の十勝に向かったのである!
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村上農場は、知之さん智華さん夫妻が営む農場だが、、、ご覧の通り、美男美女カップルなのである!

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これがじゃがいもの貯蔵施設。じつはこの倉庫にも秘密がある、、、

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フレコンで貯蔵されているじゃがいも。これが美味しくなっていくプロセスがあるのだ。
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ほんとうにビックリしたんだけど、、、今まで美味しいと思ったことが一度もないレッドムーンという赤皮の品種がある。村上農場のレッドムーンは、、、切ってオリーブオイルを垂らしてグリルして、塩をかけただけで驚くほどに旨い!

いや、もう脱帽です。

そののち、熟成じゃがいもがなぜ美味しくなるのか、を理論的に解説していただくため、芽室の北農研に立ち寄る。一年ぶりに、森元幸先生にお会いした!

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森先生とじゃがいもについてはこちらをご参照のこと

■2007年09月21日 秋といえばジャガイモの季節。 「料理人のための食材研究会」 第三回目はジャガイモ。 今回はまだ世に出ていない稀少品種を味わっていただける!
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2007/09/post_1067.html
おー、このエントリの写真はオリンパスE-410だ。入門機の位置づけのカメラだけど、いい色してるなぁ、、、って、どうでもいいか。

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森先生のご講義拝聴ののち、空港へ向かう。そう、なんと日帰り出張なのである。これで完璧に体調崩したっていう話もあるが、、、

でも、帰る前にきっちりインデアンカレーによりました!
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もちろん愛するシーフード&カツカレー。旨し。

でも、同行のdancyu編集部・F岡さんにはいまひとつ不評だったもよう。残念だ、、、

あともう一つ、十勝と言えばパン屋は満寿屋。白スパサンドを買っていったのである!
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ちなみにこの日のカメラマンさんは、札幌に拠点を置く本田さん!
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食材に対する造詣と想像力、そして写真を撮影されるときのもの凄い集中力、そして、何よりも被写体を和ませるコミュニケーション力! 実に魅力的な人でした。こんど札幌で飯、食いに行きましょうね!

ということでdancyu5月号、必読である!買って読んでね~


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Posted by yamaken at 19:59

石川県の元気な農業者紀行 超ド級に面白い農家達がこんなにいるのであった! その4 これはスゴイ! 超多展開をする「ぶどうの木」本さんは、もはや農家ではない!?

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金沢での一夜が明けると、もともと出ていた熱がさらに高くなっている感じで、ホテルのロビーに降りるだけで足下ふらふら、頭が痛くて大変な状況だった。日頃から、化学合成薬を飲まないことにしているのだけれど、これは仕事にならないということで急遽、迎えに来てくれた県の方にお願いして薬屋さんへ。幸いなことに、生薬でいいものがあるというのでいかにも効きそうなものをゴックン飲み干す。ちなみにこの薬の効果は、帰途に着き飛行機内でだんだん発揮されたのであった(涙)

さて金沢行の最初は、夜の飲みでお会いした、五郎島金時芋の生産農家である河二(かわに)さんの加工場だ。

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背景が黄色いのは、作業場と入り口を隔てたビニールカーテンがあるからだ。

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壁にばーっと並んだオーブンで五郎島金時を焼き、皮をこそげてペーストにして、さましてパックする。単純作業だが、この「焼く」というところがポイントだそうだ。

「実はさつまいものペースト加工では、蒸すのが一般的なんですわ。なぜかというと、蒸すと水分が足されて分量が少し増える。けれども、焼き芋にすると水分が飛んで重量が2割くらい減ります。だから損するわけですわ。でもね、味は焼いた方がはっきりわかるほど旨い。だからうちは焼きでこだわってます。」

その甲斐あってか、いまのところ引く手あまた。通年で出荷するための在庫量を確保することが大変なほどだそうだ。

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五郎島金時の生産農家は50軒。出荷量は限られているから、焼き芋加工については競合は出てきようがない。しかしそれでも、仲間内の農家さんから、B級品の芋を出荷してもらうのは大変だという。ここは頑張ってほしいものだ。

このところ全国的に動きが多いのは、いままで農産物の原体としてしか出荷してこなかった生産者自身が、二次加工・三次加工をして付加価値を高めたものを販売することで、成功している事例だ。蕎麦がいい例で、蕎麦を収穫して出荷しても手取りは低いが、製粉して自分のところで蕎麦屋を開いて売れば、当たればものすごい収益になる。もちろん美味しくないとダメだけどね。つまり、一次産品の生産者が、その後の部分もやるという時代に成りつつあるのだ。

面白いもので、飲食業界もそれを歓迎するような状況になってきている。いままでは菓子製造業者が小豆を買って、煮て裏ごししてあんこにしていたわけだけれども、もうそんなことをする和菓子業者がどれだけいることか。こだわったところはやるとしても、量産型の業者はあんこになったものを購入して味を調えるということをしているところが多いわけだ。つまり、食材の加工がだんだん上流へと集約されてきているということだ。

もうひとつ、以前も書いたかも知れないが、食材加工については保健所の指導が厳しくなっていて、工場に泥のついた芋を持ち込んだりすることが厭われている。だから、農家が加工したものを仕入れるのは時代の趨勢に叶っているのである。

とはいえ、加工を行う農家の施設も、衛生基準に適合していなければならないのは当然だ。そうした壁を乗り越えた農家が、第二次・第三次加工の領域に踏み込んでいるということなのである。

河二さんにはぜひ、ペースト加工が軌道に乗ったら、今度は自前で菓子製造までやっていただければ、と期待する。そりゃさぞかし旨いだろうなぁ、、、

 

さて、県の人から「講演前のランチは、ぶどうの木という店で、、、」と言われていた。ぶどうの木という店名には覚えがあったが、果たして金沢だったっけ?と思いながら店へ。

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いやーようこそ、と迎えて下さったのが、本(もと)さんだ。

「え、本さんって農家さんなんですよね?」

「ええ、ぶどう農家ですよ! ま、いろいろ手を広げてますが、、、」

と言うのだけれども、手を広げているなんてもんじゃない!この瀟洒な建物全てが、彼が展開する「ぶどうの木」の店舗やレストランや、ウェディング施設なのである!

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本さんは本当にぶどう農家だけれども、ぶどうを生産して出荷するだけではダメだと、自ら加工したり、飲食店を出店するようになったという。それはよくある話だけれども、徹底ぶりが非常にすごい。

洋菓子の並ぶ店内に入ってみると、こんな感じだ。

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店の主力商品であるコンフィチュールやぶどうのジュース、ドレッシングなどが並ぶ。数種ではない。数十種類のアイテムが並ぶ!圧巻なボリュームである。

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下の写真が、 小松空港でも販売している、バカ売れ商品のジンジャーシロップだ。

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その場で焼き上げている洋菓子類も秀逸。

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うーん すごい!しかも、必ずしもアクセスのいい場所ではないのに、お客さんがひっきりなしに訪れている。それもほぼ女性ばかり!だから本さんもこのショップについては、女性スタッフにいろいろ任せて店作りをしているということだった。

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「スタッフがやりたい、ということは基本的にはやらせるんですよ。まあ中には途中で「自信が無くなりました」っていって辞めていく子もいますけどね」

ということだが、この繁盛ぶりをみると、彼の人的マネジメントの腕がすごいのだろうと夢想してしまう。

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こちらはオーベルジュ。

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そして、ウエディングスペース!
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実はこれら施設はすべて「農地」である。農地の中に、椅子があってたまたま料理を出したりしているという寸法。だから、もちろん収穫のできる、きちんとしたぶどうが至る所に栽培されているのである!

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「ぶどうの木の生命力はすごいんでね!どんなところでも生育するんですよ。」

その本さんがこの地で最初に植えたぶどうの木が、河に面した入り口にまだ植えてある。

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「この木なんかね、道路を隔てた川から養分を取って生きている。すごい生命力ですよ!」

と、ぶどうの話をしているときの本さんの顔はやはり生産者の顔なのであった。

ちなみに、この「ぶどうの木」という名前とコンフィチュールの組み合わせ、どこかで効いたと思ったら、、、なんと、銀座にある専門店「コンフィチュール・エ・プロヴァンス」は、このぶどうの木の直営店なのであった!

一昨年、コンフィチュールブームが来たときの立役者となった同店に足を運んだ人も多いだろう。なんと、ブロバンスに現地法人を立ち上げ、コンフィチュールを現地生産して輸入・販売しているのは本さんである。いやーびっくりした。

「フランスにずっと一緒に仕事をしてきた、信頼できる人がいましてね。その人と一緒に現地法人を立ち上げてやってます。大変ですけどね~」

いやしかしコンフィチュール商品を買った人で同店の商品を知らない人はあまりいないだろう。日本橋高島屋にも出店しているのだから。

「まあまあ、それじゃオーベルジュでご飯食べましょう」

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このオーベルジュも、ウエディングの人気が非常に高くなってきた頃、一般客が予約をとれないことでクレームが多くなり、それで急遽、ウェディングスペースを造ったという、ものすごいエピソードがあるくらい人気があるようだ。確かに、メシは旨い!

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ジンジャー&ぶどうシロップの炭酸割り。

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本日の魚(カワハギ)のタルタルと野菜のサラダ仕立て。カワハギには肝を裏ごししたものがまぶされていて、しっかり美味しい!

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ホワイトアスパラとホタテ貝、フランスから空輸したモリーユにトリュフ。ちなみにこのトリュフは本さんが向こうで職人と一緒に掘ってきたものだそうだ。

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「残念ながら、金沢の食材じゃありませんが」かごしま黒豚のグリル。

これがなかなかの火入れ加減で、黒豚の質感がしっとり、旨味も活性化して美味しくなる適度なものだった。

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いやー

もう圧巻である!

金沢の元気な農家の中でも「あの人は別格!」といわれる存在であることはいろんな人から聞いたが、本当にすごい。農家を軸に置いた事業家である。

でも、本業はぶどう農家。農に対する情熱があって初めて事業があるというところに、共感を覚える。

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「ほら、そこのぶどうの枝から芽が出てますね」

ぶどうが生る季節には、この施設すべてで鈴なりになったぶどうを観ることができるという。よし、次はシーズンにこよう!

ちなみに「ぶどうの樹」というビュッフェスタイルで有名なレストランが、福岡にある。それとここの「ぶどうの木」とは別ものである。

■ぶどうの木
http://www.budoo.co.jp/index.html

まずは銀座のコンフィチュール店を、再度覗きにいってこようかな。

この後、県のイベントで90分講演、そしてパネルディスカッション。ふらふらになりながら帰宅したのであった。またいくぞ、金沢!

Posted by yamaken at 18:37

2009年04月02日

むせかえる香り、大洲市の菜の花畑で香り浴

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愛媛県大洲市の肱川沿いの、菜の花畑。この菜の花は菜種を収穫して、絞ったりするんだろうか。

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この風景は、また来年までおあずけ。ご馳走様でした、、、

Posted by yamaken at 20:38

また一つすばらしきメーカーが消えた。富士食品の納豆を懐かしく思う。食べ物が「安いこと」はそんなによいことか?生産者・メーカーが存続できないほどに安いことは、社会の悪ではないだろうか。

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ショッキングなニュースが飛び込んできた。北海道の富良野市にある、すばらしき納豆メーカーである富士食品が倒産したというのだ。また一つ、良心的なメーカーが、スーパーなどの購買者と消費者によって潰されてしまった。とても残念だ。

過去ログ
■2004年07月09日 こんなに旨い納豆があったのか! 富良野編完結 「富士食品」http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2004/07/post_284.html

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富士食品との出会いは、過去ログにもあるように、非常に偶発的なものだった。その後、週アスで連載していた旅三昧の取材で、社長とも仲良くさせていただいたものだ。

北海道産の大豆を使った商品を積極的に出し、あくなき追求心で佳い商品を追っていた納豆メーカーだ。

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納豆バカ一代である会長からは、

「あのね、ツーッと納豆をつまんで引っ張ったときに、伸びた糸に節ができないのがいい納豆だよ」

という名文句をいただいたものである。

富士食品を語る上で欠かせない商品がある。それが「なうぴー」。

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モナカの皮に味を付けた納豆を入れたものだ。

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地元の学校給食で普通に出ていたというこのナウピー、初めて食べたときの衝撃は忘れられない。

他にもいろいろあるのだけど、なっとうちょこには参った。

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これがまた、旨いのである。変な味ではない。最近ではやはり大豆の発酵食品であるテンペをお菓子風にしているのをよくみかけるが、そんな感じ。

とにかく納豆を美味しく、ということに意欲を燃やしたメーカーであった。

その富士食品が、倒産してしまったという。周辺の人たちに連絡をして話を聞いた。結局、納豆や豆腐、こんにゃくなどのいわゆる「和日配」は本当に大変な状況なのだ。

日配(にっぱい)というように、毎日食卓に上るような食材であり、鮮度が要求される商品は、消費者が価格に非常に敏感だ。特売で一円でも安いスーパーに客が殺到するのは見慣れた光景だ。だから、スーパーや飲食店、給食などもとにかく価格を安くするということに腐心する。

農産物と同じで、日配商品もまた、その価格決定を支配するのは買う側だ。スーパーのバイヤーが「うーん、やっぱこの商品は128円でしょ」という風に、どれだけのコストがかかっているかとは関係なく決めてしまうことも多い。

そんなの断ればいい、と言うかもしれないが、断れるものなら断っているところだ。日配商品は薄利多売の世界だから、売場を持っている取引先を断ることが難しい。豆腐業界の社長さんの話では、工場のライン単位で取引先が決まっている場合、取引停止になると明日から赤字になる。だから、なんとしても食い下がるしかない。取引先も巧妙で、「活かさず死なさず」という絶妙なラインで手綱を握ってくるという。

それに輪をかけているのがこの不況だ。もはや、「よい大豆を使って、安心できる納豆を」ということは価値として認められない。とにかく4個パック98円以下でなければ売れない、というようなぎりぎりの値下げを強要されるのである。

「だったらいいよ、安い材料仕入れて、保存料とか駆使して、安く造るからね」

という割り切りをできるメーカーであれば、よかったかもしれない。けれどもまじめなメーカーは、割り切ることができずこだわりを通そうとして、倒れてしまうことになるのだ。ちなみに北海道ですでに5軒の納豆メーカーが倒れているという。

こうした状況を造りだしているのは、第一に安いモノばかり買う消費者、第二に食品価格を叩く小売や外食などの販売業者、そして第三に消費者におもねるマスコミである。

中でもマスコミがたちが悪い。新聞やテレビなどのメディアで食の問題を報道する際に、無意識的に「消費者が弱者である」というようなメッセージを流しているからだ。この消費者中心の社会では、本当の弱者はメーカーや流通業者だと僕は思う。それなのに、不景気になると彼らは「消費者のために、食品は安くあるべき」という間違ったメッセージを造りだしている。そして富士食品のような佳いメーカーが潰れる。青果物を流通する市場の卸売業者の営業利益率も、なんと平均0.5%程度だという。そんな薄利でよくやっていられるものだと思うし、異常なことだと思う。

不景気のもとでは、消費者も苦しいけれども、ものをつくるひと、運ぶひと、売るひとも一様に苦しいのである。消費者を立たせれば、生産者・メーカーが潰れる。それが続けば、どうしたって佳いものは造られなくなる。

「でも、現実的に食品が高くなるのは困る」

という人も多いだろう。なぜかこの国の消費者は、節約というと真っ先に食費を削ろうとする。携帯電話には一万円近く支払っているのに、毎日口にする豆腐や納豆、調味料には10円の差を大きく感じる。本当に不思議な話だ。毎日食べるということは、その食品が身体をダイレクトに構成している、根本的な要素になっているということだ。そんな大事なものに投資をせず、10円単位の差額をケチって、レベルの劣る食品を選択する。値段には意味がある。安いモノには安い意味があると僕は思う。安くするために払う犠牲は、多くの場合は身体に影響を及ぼすものだ。

「そんなこといっても、所得の低いひとはどうすればいい?」

ということをよく訊かれる(そういう質問をしてくる人自身は、所得が低いわけではないことが多いのが、非常に苛立つのだが)。でも、ご存じだろうか、この国ではエンゲル係数はもうながいこと25%以上になっていない。お金の使い道は、おもに食べ物以外に振り向けられているのだ。エンゲル係数40%以上になってしまっている人であれば「困る」と言うのは当然だろうが、そうでもないのに「値上げが困る」というのはオカシイは梨ではないか。消費者のエンゲル係数よりも、いまはメーカーや生産者の利益率の方が低い状況なのだから。

納豆が3個一パックで98円程度の普及価格帯のものがあるとする。一方で、国産の大豆を使用した納豆が50円増しの148円で売っているとしよう。だれもが「50円なんて高い!」と言うかも知れないが、、、3人家族がウィークデーの朝食に納豆を食べるとして、50円×25日程度=1250円である。たったの、と言ってはいけないけれども、1250円の差額にしかならない。スターバックスのコーヒーが300円前後。それを4回節約すれば佳い納豆を求めることができる。

消費者の選択は消費者自身が決めるべきことだ。でも、その選択によっては、佳いものが産み出される構造を壊してしまうこともある。それを消費者は、自覚すべきだと思う。

 

さて富士食品がなくなってしまったのはとても残念だけれども、でも当事者の皆さんは、いつか再起をと思っているらしい。ぜひ、何らかの形で再起して欲しいと心から願う。会長、社長、ぜひ頑張って下さい。何かできることがあれば、やります。

Posted by yamaken at 20:15

望遠レンズが欲しいっ!

ニコンの銀座サービスセンターにまた足を運んだ。D700とレンズをちょっと故障させてしまったのだ。迅速に対応してもらって事なきを得た。

ついでに(いやそれがメイン)、またニコンプロサービスの著名人である中嶋さんに、いろいろとレンズのお話を伺った。

最近、望遠レンズが欲しいのである。

僕の使い方は基本的に料理写真と、料理人のポートレートというくらいだったので、その場合はそんなに望遠は必要ない。現在持っている24-70mmと60mmマクロがあればだいたいは事足りる。

しかし、、、 オリンパスE-3に、50-200mmというレンズを付けると、こんなふうに前後がふんわりとぼけた写真を撮ることができる。

P2123193

このように、背景が圧縮されたように写る写真は、標準レンズでは撮影できないのだ。 ちなみにオリンパスのデジタル一眼レフでは、フルサイズの撮像素子の1/2のサイズになるので、焦点距離は×2になる。つまり、50ー200mmは、ニコンD700でいうと100ー400mmの超望遠レンズということになる。それが実に軽く持って行ける重量なので、オリンパスは望遠につよいと言われるのである。

しかし、オリンパスのボディとレンズ、ストロボ一式とニコンの一式を持っていくというのは、もうホントに絶望的に重くてやってられないのである。だから、ニコンの望遠レンズが欲しいと思ってきているわけだ。

しかし、、、

高くてでかくて重いのである、、、

定評のある70-200mmは、f2.8という明るさだが、なんと1.5kgあるのだ。

AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF)
¥270,000

サービスセンターの1Fでは、頼めばニコンの全レンズを試着させてもらえる。僕もお願いして、自分のD700に付けさせてもらった。重さ、デカサはまあ想像の範囲内。で、肝心の写りだけど、やっぱり素晴らしい!
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ガラスケースの表面に写っている円いボケに注目。すげー綺麗、、、でも、ちょっとこれはもっていけないなぁ。そう思っていたら、中嶋さんが持ってきたのがこれ。

「実は、価格も安いですし、カバーする距離も広く、しかも写りがけっこういいんですよ。」と仰る。

AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)
¥78,000

お値段グッと安く、しかも小さくて軽い。その分、F値が4.5-5.6と少し暗い。けど、写りをみてビックリした!

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DSC_8629

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すっごく綺麗だ!しかも前後のボケも盛大である。

よく考えてみたら、APS-CやフォーサーズのF5.6と、フルサイズのF5.6は全然別物なのであった。うーん気に入った。買ってしまいそうです、、、

ちなみにその中嶋さんがイチオシのレンズがこれ。

AF-S VR Micro-Nikkor ED 105mm F2.8G (IF)
¥119,000

「これはですね、プロのユーザさんが絶賛するレンズなんですよ!」

ということで、ちょっと触らせてもらったのだけど、、、
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うお!

たしかにトロケルような描写だ、、、
んん、、、 今年も頑張って仕事して、買えるように頑張ります。

Posted by yamaken at 14:16

2009年04月01日

素晴らしき農家列伝の連載を始めました。農作業を理解したいならば、季刊「やさい畑」を読むべし!

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中央線で市ヶ谷と飯田橋の間あたりにさしかかると、「家の光」というビルからいろんな本のタイトルの垂れ幕がかかっているのを観ることができる。多くの人が「家の光ってなんか新興宗教?」と間違えているのだけども、まったく違います(笑)

「家の光」とは、農業者に向けて発行されている雑誌で、出版社である家の光協会は農協グループの一員である。教会ではなくて協会なのですよ。

メインの雑誌である「家の光」は一般書店には並ばないが、一般向けに発刊されている雑誌もけっこうある。そのうちの一冊が季刊「やさい畑」だ。

この雑誌で僕はこれまで野菜の品種別食べ比べの記事を担当してきた。いまでこそそうした野菜の品種に関わる食べ比べ記事はいろんな誌面で観られるようになったけれども、初めてメジャーな形で出たのはこのやさい畑で僕が書いた記事であるはずだ。最も、この記事の着想は、故・江澤正平先生が率いておられた識菜会という、野菜の食べ比べ会からいただいている。野菜は品種や旬が産地によってことなるから食べ比べが難しいけれども、それでも食べ比べなければ野菜のことはわからない、という考え方だ。これを誌面で体現できたのは、いまだに僥倖だったと思う。

で、その「やさい畑」2009年春号から、僕の新連載が始まっている。

「やまけんの農の匠探訪」というタイトルで、全国の篤農家(とくのうか)と呼ばれる、高度な技術をもった農家さんの探訪記である。

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初回のテーマは「丹波篠山の黒豆」。数々の賞を獲得している、篠山の山本博一さんを訪ねている。白黒ページだけども、写真も僕。気合い入れて、撮ってます。

いま、農業ビジネスとか言われて、若手の農家や新規参入している人達が採り上げられているけれども、僕はそれよりも65歳以上になり、もうすぐリタイアされるであろう篤農家の人達に興味がある。その人達が50年かけて培ってきた技術は、おそらく伝承されないで消えていってしまうだろうと思うからだ。

僕はこれまで農業情報という分野で、篤農家の技術をデータベース化することが必要だと説いてきたのだけれども、その一方で、篤農家のカンは、最終的には数値化はできないと思っている。農業技術は複雑系なのである。

今後、農業構造が変わる中で、これまでの篤農家のように長年農業だけに専心してきたことで導き出した技術というものは、いったん途切れてしまうと思う。だから、いま僕がやりたいことは、「現存する篤農家の技術や精神のアーカイブ」である。

その一つが、この連載で表現されると思っている。たんなる雑観に満ちたインタビューではなく、品種や作型、農法に触れられるだけ触れている。だから生産方式に関心のある人が、読んでいて最も楽しいはずだ。

ちなみに、紙幅が4ページで写真点数も限られているうえに白黒だ。ということでここで数点、写真のみ掲載しよう。

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丹波篠山の黒豆は、他産地と比べると3割程度の価格差がある。それは丹波篠山ゆえの気候・土質からくる品質差に由来している、と僕は思う。美味しくできる理由があると思うのだ。

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地元でも最も有名な黒大豆農家・山本博一さんだ。

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山本さんの黒大豆の株元は信じられないほどに太くなる。きっちり味が乗るためには、肥培管理も肝要なのである。その辺はきっちり誌面に書い てあるのでご覧下さい(笑)

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近所の黒豆資料館でいただいた黒豆御膳。

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やっぱりカラーがいいな!

やさい畑 2009年 04月号 [雑誌]
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家の光協会 2009-02-16
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現在、次号の誌面が製作されている。そちらのテーマは、、、

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トマトである。とはいってもただのトマトじゃない。こうご期待。

Posted by yamaken at 16:15