宮崎県で主にハーブを栽培していた岸上ヨウゾウ君が、昨日の朝、脳内出血で亡くなった。見慣れない番号からの着信がPHSにかかってきて、なんだろうとかけ直したら、ながく彼と一緒に歩んできたナオミちゃんが「ヨウゾウさんがね、亡くなっちゃったの」というのだ。信じられなくて一瞬、頭の中に空白ができてしまった。「私だって信じたくないよぉ」と泣きそうになるナオミちゃんの声にはっと我に返った。
ヨウゾウ君とは、僕の農業の師匠である熊本のぽっこわぱ農園で出会った。僕が年に一、二回訪れていた時、彼は長期研修中だったのだ。ぽっこわぱ農園は日本人のよしこさんとフランス人のドニ―さんの夫婦が千葉で始めた農園。有機農業の源流と言えるバイオダイナミック農法を日本で実践してきたパイオニアだ。僕は高校三年生の時にこの千葉の農園に数回通い、阿蘇に移ってからは毎年、畑サークルの後輩を連れて合宿に行っていたのだ。ヨウゾウ君はハーブに熱心で、低温乾燥機まで設備してハーブティーを作っていた。
香油成分がもっとも活性化する時に摘み取られるためか、バイオダイナミック農法で育てられたハーブは実に薫り高かった。
東京では「アルキメーデ」の重がこのハーブティーを定期的にとってくれ、食後に呑むことができる。これからどうなるのかが心配だけど、ナオミちゃんがヨウゾウ君の遺志を継いでくれるだろう。
それにしても、、、俺より若いヨウゾウ君がなんであっけなく死んじゃうんだ。
最近、身の回りで仲良くしていた人の死が多い。先日は、大好きなお好み焼き「池田屋」の夏子ママが亡くなった。みなさん、命は大切にしましょう。ヨウゾウ君、夏子ママ、ご冥福を祈ります。
いま、TPPに関する超・重い原稿を書いて、編集者さんの反応を待っているところなんだけど、興奮したので書いちゃう。
月刊「専門料理」や「Cafe&Sweets」の出版社である柴田書店から、掲題のムックが発売された。
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牛肉と豚肉の部位ごとの活用レシピや、テーマ別の技法紹介がメインだけれども、牛・豚肉の知識編も大幅に紙幅が割かれている。
なにより、、、僕も書いてます(笑) しかも、僕が撮った写真がふんだんに使われていて、実に嬉しい。
笑っちゃうのは、通常は牛肉のテーマで解説編を書くと黒毛和種の写真ばっかりになるのが普通なんだけど、このムックでは褐毛和種や短角和種の写真がやたらと多いのだ(笑)かな~りコアなムックである。
しっかし、とにかくレシピ群が素晴らしい! 通常こうしたムック本は、月刊誌に掲載されたのを再録するのがベースになる。このムックでも再録レシピは多いが、みたところそうではない新しい記事も非常に多い! 一番ビックリしたのは、、、あの瓢亭の高橋義弘さんが、日本料理における牛肉メニューの提案というページで、なんと土佐あかうしを使ってくれているのだぁああああああ
なんてこったい! 嬉しいねぇ、、、生産者さん達、みたら泣くよぜったい。
てなことで、この本はプロ向けと書いてはいるけど、肉好きで料理好きな人なら誰でも楽しめる本だ。ぜひ書店でお買い求めくださいませ。
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一昨日は宮崎市と日南市の経営者の方達向けのディスカッション、昨日は元祖レタス巻きの一平寿司にてマル秘プロジェクトで一日撮影。疲れたぁ、、、
今日はこれからそのプロジェクトの残務をこなした後、新然岳の降灰状況を実感すべく、生産者さんに会ってきます。
僕の短角牛の第二子である国産丸を育ててくれているカッキーこと柿木君から、「関東でイベントやるので告知してくださ~い」という連絡が来た。
山形町は電気が日本で最後から二番目に引かれた町、といわれていて、確かにそうだろうなぁという山間地だ。それゆえ景観は最高!メシも最高!ああ、また行きたい、、、
この山県町では100%国産の飼料で育てた短角牛を生産している。その8割が大地を守る会との契約取引で、一般の口にはほとんど入らない。
柿木君の家は、山形町で最も規模の大きな肥育農家だ。その彼が、一般の人にも短角の味を識って欲しいということで、こんなイベントを立ち上げたという。
■柿木畜産「奇跡の短角牛」×「みやじ豚」バーベキュー
http://kokucheese.com/event/index/8147/
東京ではなく神奈川県の藤沢市、なんと僕の母校のすぐ近くであり、僕が立ち上げた畑サークル「八百藤」がお世話になった観光農園「弁慶」が会場である。ちなみに宮治君は大学の後輩ね。ホントに人のつながりってのは、、、
ということで、ぜひカッキーの短角牛を食べにいってあげてくださいネ。あ、僕は残念ながら、この日は大分県にいます。モウシワケナシ、、、
埼玉県のとある生産者さん。詳しくは来月あたり、とあるWebサイトで詳細に紹介できると思う。
それにしても、家畜のなかで鶏ほどに撮影が難しい被写体はない!
身体が小さい家畜ほど、運動量が多くセカセカとしているのである。だから、10枚撮ってピントが来ている写真は1枚か2枚。ちなみにこの鶏の品種はオランダ原産のネラ。品種改良があまりされていないと言われている鶏だ。生命力が強いというが、ホントに強い。この日、僕はオスのネラから攻撃されたが、アタックを受けたスネがすげぇ痛かった、、、それをみていた生産者さんが一言。
「あれがヤロッコ(オスのこと)の仕事だからさぁ、、、」
納得。
東京ガスのキッチンスタジオであるGINZA +Gにて、表題のイベントを開催。
講師はこのひと、二戸市の雑穀使い・安藤直美さんだ。
このイベントは料理研究家・料理教室主催者さん向けのものだが、募集開始そうそうに定員に達したらしい。雑穀料理への関心の高さが伺える!
直美さん渾身のレシピが惜しげ無く伝授された。
手前はご存じ「ヒエッシュフライ」。
クリーミーに炊いたヒエを板麩に塗ったものをフライにした、白身魚のような食感のフライだ。
奥にあるのはポテトサラダではなくて、ヒエのサラダ。
黙って食べたらみなポテトサラダだと思うような食感なのだ。
右奥はタカキビ入りハンバーグで、ソースにはアマランサスがはいっている。
これに、南部せんべいで雑穀米を挟んでシットリさせた「まんまDeサンド」。安藤直美さんの傑作だ。
そしてもちろん二戸を代表するスイーツ、へっちょこだんご。
安藤師範の模範演技後、東京ガスの最新キッチン設備を使いながら、料理家の皆さんで実習!
「あらぁ、、、雑穀ってこんな風に使えるのね、楽しいわ!」とみなさん大満足していただいた。
最後、みなさんに「もしよろしければ産地ツアー企画しますけど、行きたい?」と訊いたら、「行きた~い!」ものすごい反応!ありがたいことです。今年の秋は、料理研究家軍団が岩手県北に襲来するかもしれません。
楽しみ、楽しみ、、、直美さんお疲れ様でした!
岡山県高梁市の徳田君は、いつも僕にイノシシを送ってくれる、インテリジェンスに満ちた野人とでもいうのだろうか、男の中の男的存在である。その徳田君が、ぜひ高梁市の耕作放棄地の整備のために、短角牛を放牧したいというので、二戸の杉澤君を紹介し、無事10頭ていどの短角牛がはるばる岡山へ引っ越しすることとなった。
迎えた高梁市では、当初は「糞尿で環境が汚れるのでは」などの懸念を持つ人も多かったようだが、牛が草木を食べてくれ、みるみるうちに荒れ地が綺麗になっていくのを目の当たりにして、意識の変化があったようだ。
その彼がしばらく前に自分のブログで「もしグラ」というタイトルの記事を書いた。これは「もし日本短角種の雌牛を、グラスフェッドの放牧で飼ったら」の略なんだけど(笑)
■牛のこと 統合作戦本部
http://0145930929.blog3.fc2.com/category4-1.html
高梁市で放牧されている中でもっとも暴れん坊な牛であるゆうりちゃんを肉にするということなのだ。というよりも肉になったという連絡が来て、ありがたいことに貴重なリブロースを送ってきてくれた。
わかる、わかるぞ! 徳田君、自分の牛を初めてと畜して肉にする気持ちは、俺にはわかる、、、
ということでこいつは心して食べなければと思ったわけである。到着時に、と畜後まだ数日しか経っていないということをきいていたので、この肉塊を3週間ほど熟成しておいた。嫁さんが「はやくたべようよ」というのを「いやまだまだ」と制しながらじっくり待ち、そして先日とうとう焼かせてもらったわけである。
まずは開封して、室温に戻すためにバットに放置。真空パック内にはかなりのりょうのドリップが残っている。これはよく言われることなのだけども、放牧・グラスフェッド中心だとかなり水っぽいと言うか、水分量が多くなるようだ。ドリップを綺麗に拭いたのがこちら。
みて欲しい、サシがほとんど一ミリも入ってない(笑)
これが本物のグラスフェッドである。たまーに徳田君がジャガイモをあげにいっていたものの、基本的には草だけだという。
ちなみに脂が黄色いのは、青草の色がでているからである。グラスフェッドが普及しない大きな理由が、この脂の黄色化にあるというのだけれども、最初からそういうものだと言われれば特に気にならない。むしろ、この色よりも、グラス特有の枯れたような香りがするのが嫌われると言われるが、さてどうだろうか。
ところで部位に由来するのだろうけど、盛大に筋が入っているので、カブリとロース芯を分離した。
筋をピキピキと剥がしたカブリがとても旨そう。
こいつとロース芯は、火の通り方が違うので一緒に焼いてはいけないよ、と教えてくれたのは、いま奈良のイ・ルンガを本拠とする堀江純一郎君である。
ロース芯の部分がちょうどボールのような厚みある形に切り取れたので、これをいただくことにする。
ここ二年ほどで、僕も何度も厚みのある肉を焼く機会に恵まれた。ので、だいたいどれくらいの火入れをすればいいかはわかってきた感じだ。塩を強めにすり込んだのを焼き始める。
周りの4面に焼き色をつけたら、面積の多い二面に火を入れていく。
ちなみに、昨年の赤肉サミットでランベリーの岸本シェフに肉焼きをお願いした時に、かなり議論をしたのだ。
「その肉の本当の個性を知るためには、必要以上に美味しくなってしまう焼き目はつけない方がいいのではないか?」
「でも、料理人が通常もっとも頻繁に行う焼き方をしてこそ意味があるのではないか?」
結局、焼き目がテイスティングに影響しない程度の面積になるよう厚みを調整してカットし、肉本来の旨さと焼き目をバランスさせるという結論になった。そのとき思ったのは、やっぱり肉の焼き目とは反則技的に美味しくなるものなんだなということだ。
今回のゆうりちゃんの肉はグラスフェッドだから、脂の旨さが期待できない。その分、アミノ酸由来の旨みはしっかりと補ってやらないといけないということで、焼き目はきっちりつけたわけである。
8分ほど焼いて、まずは最初のベンチタイムを同じ時間与える。その後また3分焼いて3分寝かしてを2回繰り返して、焼き上がり、かな?どうだろうか!?
おおっ
おおおっと 深紅の内部が見えてきた!
おおお~ ちょこっと火入りが強かったかなぁ~
僕自身はそんなに檄レア目の肉が好きでないので、これくらいで満足。でもまあ、最後の3分3分がなかったら、中心部がもう少し赤く残せたかもしれないね。
ということで、ありがたくいただきます!
肉の下に赤く肉汁がしみ出ているのがわかるとおり、かなり汁が流出する。やっぱり先述のとおり、保水力はそれほど強くないみたいだ。ともあれ肉片を口に運ぶ。ググッと肉の繊維に歯が突き通る。肉汁がじゅわっ、とは出ない。繊維が断ち割れ、噛んでいく内にシミッ、シミッと染み出てくる感じだ。だから「芳醇」という印象はない。しかし、その繊維から染み出てくる旨みは実に強い。水分が抜けてしまうにも関わらず、旨みが十二分にある。アミノ酸含量は相当なものだと感じる。
そして、独特の香りがある。5産以上した経産牛の肉のような、コクとクセのある香りというのだろうか。うちの嫁さんは「ちょっと匂いがあるかな」というので、肉の強い香りが苦手な人には向かないかもしれない。けれども考えてみれば、これは焼きっぱなしの塩だけという食べ方だからね。一番個性を感じる食べ方だ。
と、遠回しな言い方をしたけれども、実に僕は美味しくいただいた。なんというか、これぞ牛の肉だな、と思ったのである。
明治中頃までの日本では、牛や馬を農耕や運搬に使っていた。その頃から、事故などで骨折したりして荷役できなくなった牛をつぶして、密かに肉を食べるということは全国的に行われていたらしい。そうした場合、荷役にしていたのだからサシなどもちろん入っていないし、堅くて臭い肉だったはずだ。
けれども、その堅い肉は、他の何ものとも違う旨みと濃い香りに満ちていたはずだ。年に一度食べるか食べないかという牛の肉は、匂いが強かろうがなんだろうが、「すげー味だ!」と皆を驚嘆させただろう。ゆうりちゃんの肉の食感と味と香りは、そんな原初的な感慨を僕に覚えさせた。
これが、牛の肉の味というものだろう。とてもありがたいものだ、、、
そして、サシというのはやはりごちそうなのだということも再認識した。くどいサシは要らない。けれども適度に質のよい脂ではいったサシは、これまたありがたいものだと。
ということで、今年は理想的なグラスフェッドとはなにかということも考えていきたい。
4月にはNYに、ドライエージングビーフの名店とバックヤードをみせてもらうツアーをする。関心のあるひと、2名くらいなら参加可能ですよ。
5月後半には、いよいよ久慈市山形町の柿木君に頼んでいる、僕の二頭目の短角牛「国産丸」の肉が仕上がってくる。また販売しますのでどうぞよろしく。
そして、7~8月あたりに、赤肉サミット2011を開催する。今年は、短角・褐毛(土佐)に加えて褐毛の熊本種、それにジャージーやブラウンスイスなども加えていきたい。それに今年は、いま企画中なんだけども、その肉を料理人だけではなくて、一般消費者のみなさんも食べ比べセットとして購入できるようにしたいと思う!
今年も赤肉シーンをお楽しみに。徳田君、ゆうりちゃんのお肉をありがとう。心より美味しくいただきました。
有機宅配ネットワークの「大地を守る会」の産地を訪ねる企画というのをやることになった。で、昨日は埼玉県北部で、とある超高品質豆腐を取材。今日は同じく埼玉にて養鶏農家さんを訪問。
僕もかれこれ10年くらい大地の会員になっているが、その動機として「安全・安心」ということで継続しているのではない(キッパリ)。
単純に、味がよいのですよ、大地の取り扱い商品は。そういう「味」の面をもっとちゃんと訴求しなよと言い続けてきて、なんと僕自身が記事を書くこととなってしまった。面白い、やりましょう。
この記事は僕の執筆・写真でちかくWebでみられるようになりますので、そのときまたお知らせします。
本日が最終日だけど、横浜のパシフィコで開催されたCP+に行ってきた。なんといってもこの日をめがけて新機種を発表しているメーカーが多いので、主役はカメラ。けど僕の場合はあまり新機種には関心が無くて(欲しいメーカーの新機種が出ていないから)、もっぱら周辺機器のことが楽しみで足を運んだ。
けれども、僕が観たかったストロボやライティングツールなどのメーカーは出展が少なくて、なぁーんだという感じ。ちょっと残念だったけども、まあカメラの大イベントだからいいやと思って気持ちを切り替えて歩いてみた。
リコーのブースでは、コンパクトカメラの新機種であるCX-5のセミナーなどをやっていたけども、僕が行ったときにはカメラマンの小澤太一さんがGXRについての撮影セミナーをしていた。
■小澤太一さんのWeb
http://ameblo.jp/kozawataichi/
小澤さんは子供の写真を撮る名手!素晴らしい写真家だ!その彼がGXRで撮影した写真がまたイイ!それも瞬間を素早く切り取った写真が多くて、「どうやって撮ったの!?」というものが多い。
「ファンクションボタンにMFとAFを切り替えられるようにしてあるんですよ。最短撮影距離で撮りたい場合はMFにしちゃって、画面を見ながら身体を前後させてピントを合わせるほうが早いんです」
うわーー そういうことかぁ 勉強になりました。ありがとうございました!
そのリコーブースでひときわ来場者の関心を引いていたのが、先日発表された、ライカマウントのユニットだ。
上記写真はモックアップなので動作はしないが、現在僕が使っているA12ユニットなどに比べると厚みがあって出っ張っている。でも、これでライカのレンズが着くというのがまずスゴイ。内蔵されているセンサーがAPS-Cサイズなので、1.5倍程度望遠の焦点距離になってしまうけれども、それはそれでいい。
驚きはそれだけじゃない。ライカレンズが着くということは、各種マウントアダプタを使えばキヤノンもニコンもペンタックスも、他社のレンズが着くということなのだ(もちろんAFとかは全く効かないはずだが)。
つまり、マイクロフォーサーズが切り開いた、レンズアダプタ遊びをGXRでもできるというわけ。しかもこちらはマイクロフォーサーズのセンサーよりも一回り大きいAPS-Cセンサーなので、画質はより期待できる。ライカレンズは持ってないけど、出るのが楽しみになった!
ホント、ここ最近は一眼レフではなくこのGXRを持ち歩くことが多くなったのだ。ちなみにこのエントリの写真もそう。
で、そもそもこのGXRを買うきっかけとなった阿部先生が、ニコンブースで講演をされていた。
昨年このブログに掲載した阿部先生のCP+での勇姿を観ると、ちょっとぽっちゃりされている。そして今年の先生は、ずいぶんと引き締まっておられる!
実は先生、ご自身で「む、これは色んな意味でイカン!」とお思いになったそうで、炭水化物をとらない主義でダイエットを敢行され、15キロ以上の減量を達成したというのだ。コレはスゴイ!
その阿部先生が次に向かったのはタムロンのブース。ここではタムロン60周年記念の高倍率ズームレンズである、18-270mm DiII VC PZD、略称B008の解説をされていた。
高倍率ズームというのは、広角から超望遠までをカバーするズームレンズのことだ。つまり、普通なら24~70mmまでの広角~標準ズームと、70~200mmあたりの望遠ズームを分けて持たねばならないところを、一本でカバーしてしまうという便利なもの。
ただし、そんな都合よいことなどあるわけが無く、高倍率の設計は無理もあり、全域にわたって高画質とは言えないものが多かったという。僕も高倍率はこれまで手を出していなかった。第一、F値が3.5-6.3と暗いのだ。望遠端ではF6.3となり、しかもこれはAPS-C機用のレンズなので、ボケにくくなる。通常なら僕はあまり欲しくないレンズである。
でも、、、阿部先生の話を聞いていると、欲しくなるのだ!
いわく、このB008は、プロが使う画質とまでは行かないにしろ、これまでの高倍率ズームの中ではダントツ。レンズ設計は60周年の気合いが入ったもので素晴らしく、レンズの硝材もよいものを使っている。なおかつAFの制御に使われるPZDという新方式のモーターが素晴らしく、瞬時に決まるとのこと。そしてなによりレンズのつくりがよい。鏡胴を繰り出してみてもひっかかりなく伸びてくれる。これは実は大変な工作精度を要求することなのだそうだ。そして何より、手ぶれ補正機構VCの性能!
帰り際に、D7000に装着されたデモ機をいじってみたが、35mm換算で400mmを超えてしまう超望遠域でもビタッと手ぶれが停まってくれる。こいつは本当にスゴイ、、、超望遠になるとわずかなブレが大きくゆらゆら揺れるのでフレーミングしにくいのだが、これなら撮れる!という気になる。
うーん D7000を買ったら、これも買おうと思ってしまった、、、
タムロン、いいレンズメーカーです。実はもううちではD90にSP AF17-50mmという大口径標準ズームを装着している。あと、最近使用頻度の高いマクロレンズが名玉の誉れ高い90mmD2.8だ。これに加え、予算に余裕があれば望遠のSP 70-300mmを加えたいと思っている。ニコン純正を持っているんだけど、望遠端での描写がいまひとつ締まらないのが、タムロンだとカチッと締まるらしい。
そんな感じで楽しく歩いたCP+でした。阿部先生、控え室にも足を踏み入れさせていただき、ありがとうございました!
こんかい金沢に来た目的は、小麦生産者の井村さんを訪ねることだ。
井村辰二郎さんは、おそらく本州では他に例がないであろう、150haもの面積で小麦・大麦・大豆・稲の輪作体系を確立し、そしてそのほとんどを有機JAS認証を取得して販売している生産者である。いま挙げた文章をみて、農業がわかる人なら「ええええええ、本州に?」とビックリするはずである。
この井村さんの取り組みを僕の連載で紹介させていただくための取材と、北海道の芽室で同じく麦類を生産する尾藤さん・満寿屋パンの杉山さんを引き合わせるというのが今回の旅の趣旨なのである。まあ、それはまた後ほど。
で、夜はアグリファンド石川の素晴らしき面々と呑み。場所は北国新聞社横にあるおでん「よし坊」。
前菜からして旨い!ちなみに右端の豆腐は井村さんのところのものだ。あ、ちなみに大豆から打ってます。
ブリ食べ比べした後だけど、やっぱり北陸のブリは旨い。昆布〆にしたやつ最高!
はやりの食べるラー油系のがチョンとかかった焼き豚で変化球。
そして、でましたおでん!
関東風になれた舌には、金沢のおでんは衝撃である。とにかく出汁が透き通って旨い。練り物が総じて上品でインチキな味がしない。豆腐・厚揚げ類がしっかりボディがあって佳い。そして大根は言うことなし。
いい仲間とたっぷり呑みました、、、それにしてもアグリファンド石川の人たちはあいかわらずホントにパワフル。
東京からここの農業法人である六星に就職したタケも、元気でやっています。
一緒に就職したナオとも別れずに仲良くやっているようです(笑)
そして二軒目にて、衝撃の再会。ひげちょうルーローハンの加納さんである。
これについてはまた後述したい。
では本日の旅程にでてきまーす。夜、羽田着予定。
月曜日は、愛媛大学と一緒に運営しているサステイナブル・シーフード研究会。今回も意識の高い料理関係者に集まっていただき、天然ブリと養殖ブリの食べ比べをしました。とかく天然物ばかりがよいとされがちだけれども、養殖ブリのレベルも非常に高いものになっていることがわかった。料理人さんの中には「すでに使ってます」という人もちらほら。詳細はまた後日掲載します。
で、いま朝一便で小松空港に到着。今日明日は金沢の大地を訪ねます。
前のエントリにもあるようにTPPがらみの話が振られることが多いこの頃、とあるテレビ局勤務の大学院同期から「TPPのこと、教えてよ」と連絡があった。じゃあ旨いもん喰わせろよ、ということでグリルうかいにてランチミーティング。
グリルうかいの細淵シェフには、先日の蝦夷鹿サミットを仕掛けたエレゾ・マルシェ・ジャポンの佐々木君に紹介してもらい、昨年11月に僕の会社で主催した赤肉サミットにも来ていただいた。そのときもいろいろ話したのだけど、赤肉の美味しさを十分に理解した上で、やっぱり自分のところ(うかい亭グループ)が契約取引をしている牧場の黒毛和牛の素晴らしさを再認識したと言っていた。ああ、久しぶりに黒毛を食べるのもいいなぁ、と思っての訪問だ。
東京ビルTOKIAの真裏にある立地から、ついインデアンカレー東京店に足が向くのを自制して二階へ。ありがたいことに肉の王子様と呼びたい端整な顔立ちの細淵シェフが出迎えてくれる。
ぜーんぶお任せ。シャルキュトリーから肉まで味わせてほしいとお願いした。
このパテと、一緒に添えられていたリエットは蝦夷豚。他にイベリコのタン塩漬けなど。フレンチ出身の細淵さん、やはり肉を焼いているだけじゃ物足りないだろう。実に上品かつ骨のあるシャルキュトリーでした。
嬉しくなっちゃったのがこのスープ・ド・ポワゾン。みよこの濃厚な凝縮具合を!
ミモザを焼いたクルトンを添えて、、、
そこにアイオリもたっぷり載せて溶かし込む。
たいーへんに美味しゅうございました。佳いレストランだ!
さてメインはもちろん兵庫県と鳥取県の県境にある、契約牧場から送られた黒毛和種のロイン。
いたずらにレアではなく、きっちり内部も美味しくなる温度帯に火が入った状態だ。
いや、久しぶりにこんなによい脂質の黒毛を食べたという感じ。A5なんて喰いたくない、といつもいうのだけれども、これはまったく脂がくどくない。そして赤身部分の香りも十分。去勢牛でも30ヶ月齢以上育てているということで、十分に味が蓄積され、旨みが乗っているわけだ。
ソースをかけずとも旨いけれども、ジュを煮詰めたソースをかけるとまたひときわ世界観が広がる。
このドフィノワがまたよいお味。ジャガイモを美味しく食べる最良の方法の一つですな。
からすみパスタで〆。いや大変に満足しました。
いい黒毛は旨い。それはそうだという当たり前の事実を再認識した昼餉でした。ごちそうさまでした!
「インサイダー」を主宰する高野猛さんらが立ち上げたWebマガジン「ザ・ジャーナル」は気骨のあるメディアだ。編集記者の一人は僕も世話になった若いヤツなのだけども、世の中のマスコミ論調がTPP推進一色に染まるのをいち早く気持ち悪いと感じ、論者を捜まわってTPPに対する疑問をつきつけてきた。僕のブログの関連エントリも先日転載されているけど、そのほかの論客達の記事を是非読んで欲しい。きっと、マスメディアで流されている情報との乖離に驚く人もいると思う。
とくに3日16時にアップされた「TPP報告書を公開!──"情報収集"とはいかほどのものか」は必見だ。外務省がこれまで情報収集した内容を報告した文書で、とある筋から入手したものだそうだ。
これを読むと、「様々な議論が出されており、議論は収斂していない」とか、そんなのばっかり。何も判断材料となるものがない、、、こんなんで本当に6月までに姿勢を決めるなんて議論ができるわけ?と笑ってしまうような内容だ。
他、これは読んでおいた方がいいという記事はこれ。
中野剛志:TPPはトロイの木馬──関税自主権を失った日本は内側から滅びる
中野さんについてはブログ読者のかたからも情報をいただいたのだけど、経産省に籍を置きながら経済分野で活動している人がTPPを語るのだから説得力がある。
それと、農林水産副大臣の篠原さんが、関税ゼロにした場合の影響を木材の実例を踏まえて語っている。
まあとにかく、6月までに方向性決めるのは無理でしょう。何が何でも決めるというなら、そりゃ反対ですよ。「日本農業を強くすれば大丈夫」というが、TPPに対抗できるまでには構造的にどうやっても強くはなりません。必要なのは「日本のたべものを国民はどのようにしていきたいのか」ということであって、それは農林水産業を超えたもっと大きな枠組み(例えば食を支えるための財源)の話になっていくのだから。
フードアクションニッポンという国民の食料自給率向上運動、覚えてますか?この事業の中で、自給率向上に資する食品や企業活動を評価・顕彰するアワード事業が、「フードアクションニッポンアワード」である。昨年に引き続き、僕は今年度もこのアワード事業の審査員として参加した。
昨年は1000件以上の応募があったということで、分厚いエントリシートが審査委員のものへ届き、ある委員が体重計でその資料の束を計ったら、なんと30kgもあった!ということで騒いでいたのだが、、、
なんと今年は応募総数が2509件!
昨年度でもうかなりいい案件は出尽くしてしまったのではないかと思っていたけれども、そんなことはなかった。自給率向上に資する商品や取組はいろいろと継続され、新規開発されていたのであった!
さてそんな中で上位受賞したはこんな顔ぶれである。
どうだろうか、いろいろと見覚えのある事例も多いだろうと思う。
実はこれ、昨日が授賞式だった。今回の会場は国際フォーラムのごはんミュージアム。
撮影:リコーGXR+A12ユニット28mmF2.5 絞り優先モード F5.6 SilkypixPro5にてHDR処理
審査委員長は昨年に引き続き小泉武生先生!一年に一回、ここでお会いするパターンだ(笑)
沖縄に行くならどこに食べに行く?という話で、イラブー汁の「カナ」ははずせないよね、ということで激しく意見が一致。
さて授賞式である。
部門を超えた最優秀賞となる大賞にはサンヨーのGOPAN。まあ、順当でしょう。審査委員会の中でも多くの人がこれを大賞に推していた。
自給率を向上させようと思ったとき、消費者レベルですぐに取り組めることと言えば、米食の割合を多くすることだ。けれども、ずいぶんと外国産麦の低価格戦略によって、この国にはパン食・麺食が浸透してしまっている。それら小麦製品を米粉で置き換えるということがもっと簡単に、そして美味しくできたら、、、というのが、自給率向上を願う人たちの悲願だった。
それを実現したのがGOPANであることは間違いない。この製品のすごいところは、米粉を使用するのではなく、我々が日常的に食べている精米した米を投入し、パンができるというところである。実は米粉を製粉するのは非常に大変で、業務用の微粒粉砕器は一時間に10キロ程度しか製粉できないのに100万円以上してしまう。おいそれと手が出せないのだ。
GOPANはそれを、粉砕し粉にするのではなく、米に水を含ませ、その状態でミキシングしてペースト状にするという発想で新しい地平を切り開いた。最初からパンにすると決まっているなら、非常によいやり方である。しかも、玄米でもできるし白米でもいいし、しかも雑穀や赤米などの特殊米も使える。外麦の由来品であるグルテンを添加しなくても、ふわっと感は落ちるものの、立派なパンになってくれる。
しかも、、、これで焼いた米粉パンが非常に旨いのである!
写真は、プロダクト部門の最優秀賞を獲得した山形県の「つや姫」を使って焼いたものだ。これがまた、誰もが「美味しい、甘い香りと味、まさに米の味なんだけどパンだ!」と驚く出来なのだ。非常にいい受賞だったと思う。サンヨー時代に、歴史に残る製品が出たな、という感慨がある。
そして、さっき書いた山形県のお米新品種である「つや姫」。
覚えておいでだろうか、僕はここ数年、このつや姫のブランド戦略会議に委員として関わっていたのである。その頃はまだ「つや姫」ではなかった。山形97号というコードネームだったのだが、、、
このつや姫、今年度産米がのきなみ品質低下に悩まされる中、一等米比率98%という好成績を残した。けど、3000軒の農家を選抜して作ってもらったため、量的には非常に少なく、すでに出回り量が枯渇しかかっている。まあそれくらいのほうがプレミア感があっていいけどね、、、
山形県の関係者には、ぜひ来年度も品質を落とさずにつくっていただきたいと思う。それにしても、ロゴマークはもっと可愛いバージョンの方がよかったなぁ、、、ネーミングについては、俺は反対したけど、いざ販売してみるとこれでよかったのかもなぁ、、、マーケティングって難しい。
このほかもいろいろ受賞があったが、畜産物の中では、プロダクト部門の優秀賞を穫った中に、100%自給飼料で近江牛を育てるサカエヤさんの取組も入っている。
僕が持っている短角牛など、最初から放牧に向く牛ならともかく、濃厚飼料を与えなければ満足に肉がつかない黒毛和牛を、地域内で生産される稻わらや乾草、サイレージなどを駆使して、外国産穀物を使わずに育てるという貴重な取組。その牛を引き受けて各所に販売しているのがサカエヤさんだ。
「やまけんさん、もうね、ホントきついです。京都のきたやま南山さんのようにコンセプトに共感してくれるお店もありますけど、他の大手の飲食や卸なんかは、担当者間の打ち合わせで決まりになっても、最後に社長とかが出てきて『サシが薄い』とか『黒毛でこれじゃ』なんていってぶちこわしになります。誰も理解してくれないんですよ、、、」
いや! 新保社長、理解される日がきっと来ますよ! 今年僕はこの取組をまじかで観に行こうと思う。レポートを待っていて欲しい。
ということで、ぜひフードアクションニッポンアワード2010の受賞賞品を応援してください。