我が家の年越し蕎麦は、岩手県久慈市山形町の新谷家から送っていただいた蕎麦。
この地域の蕎麦は、なんとつなぎが硬めの豆腐と卵!実にがっちりとした食べ応えの蕎麦だ。向こうでは圧倒的に、温かい汁蕎麦にして食べることが多いのだけど、これをキュッと冷水で締めて食べるのもすっげぇ旨いもんだと感じ入ったのであった! 新井谷一族の皆様ごちそうさまでした!
今年はとにかく忙しかった、、、
でもそれはとてもありがたいこと。来年もまた素晴らしき佳き食を巡りたいと思う。
今年もお世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
いったいなんのことだ、と思われるかも知れないが、今僕が最も注目しているスーパーマーケットは宮崎県にある。
レタス巻き元祖の一平寿司・村岡さんと、宮崎県の農商工連携事業の中で新しき宮崎の佳い食品ブランドを創っていこう、という事業を始めている。その中で、ぜひとも協力を仰ぎたいと僕が最初に思い浮かんだ人物が二人いる。一人はこのブログで過去たくさん出てきている、宮崎県の弟分である沼口君。土壌分析や残留農薬分析のプロで、営農指導もできる。そしてもう一人が、宮崎県のローカルスーパー「フーデリー」の副社長である宮田武虎君だ。
たけとら君は僕と同い年(やった!)。彼との出会いは本当に偶然に満ちていた。ずーっと彼は僕のブログをみていてくれて、フーデリーには僕がブログで採り上げた商品がかなりの割合で並んでいる。
「これも、これも、ほらこれもそうですよ、やまけんさんのブログに載ってるのをみてすぐに取引の連絡をしたんですよ!」
書いてるほうにとっては実に冥利に尽きることながら、大丈夫かなぁ、と冷や汗も流れるところだ。でも、実は出会いは彼の嫁さんの方が先だった。
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以前、宮崎の農業会議の仕事で若手の法人経営をしている人達向けに話をしたとき、打ち上げを尾崎牛の尾崎さんの店でやった。その時、なんと偶然にも向かい側の部屋に宮田・妻と娘が来ていたのだ。手洗いに立った僕が帰ってきたときに顔を合わせいきなり「読者です」と挨拶された。なんだなんだ、いったいどういうこと?と要領を得ぬままに一次会が終わり、二次会は沼口主催のスパゲッティ。その会場に、今度は夫の武虎君がいたのだ。
で翌日、フーデリーに案内してもらってびっくり。なんとすごい品揃え!
量ではない。質が異様に高いのだ。最近ちょっと品揃えが悪くなってきている青山の某有名スーパーよりも断然、シズル感に溢れている。
そして、彼が言ったことが胸に大きく響いたのだ。
「やまけんさん、うちでは産直型の商品を掘り出しにバイヤーが全国飛び回ってますが、商談に行くとき必ず言うことがあるんです。それは『価格は生産者さんが再生産可能な価格をベースにしろ』ということなんです。最初の希望価格を値切ることは滅多にありません」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
そんなことをいう同世代のスーパーの人間を始めてみた!
エシカルソーシングという言葉がある。エシカル(倫理的)なソーシング(調達・仕入)をすべしということだ。このフーデリーではまさしくそういったバイイングをすることで、生産者の信頼を勝ち取り素晴らしき店頭を作っているのだ。
フーデリーは現在5店舗(たしか)を経営している中堅スーパーで、しばらく前までは「ハットリー」というスーパー業態として県内に展開していた。その時代はどちらかといえば「安く」を推し進めるスーパーという感じだったそうだ。
しかし、ここの跡取りである武虎君が嫁にもらったのが、実にナイスでセレブなキャリアウーマンである理恵ちゃん。
「宮崎には私が欲しいと思う食品が並んでるスーパーがない!だったら、自分たちで造っちゃいましょう!」
ということで、フーデリーの基本コンセプトは彼女が作ったようなものなのだ。
野菜コーナーでは、市場経由で集める基本アイテムに加えて、地元の生産者グループが出荷する特別栽培農産物がズラリ。

ピクルス用キュウリ。
「今度、普通にぽりぽり食べられるピクルスを開発したいんですよ!」
おお、俺も大好き。一緒に作ろうぜ!
青果物コーナーから加工品の方へ足を向けると、ここで驚きが。
なんと、店内で豆腐を実際に打っているのである!
できたてほやほやの、湯気が上がるような豆腐が並ぶのだ。しかも、宮崎県産のフクユタカとか、ちゃんと豆の情報まで掲示されている商品もある。

写真は二食豆腐。青豆豆腐と通常の豆腐をドッキングさせたものだ。どうやって作ってるんだろう、、、
肉も、普通に和牛があると思ったら、赤身肉のほうも充実させていくつもりだという。この店では牛よりも鶏の方で掘り出し物がある。
以前も書いたと思うが、刀根さんという生産者さんが、ブロイラー品種であるチャンキーやコブ種を80日程度の長い期間飼うことで、地鶏とはいわないが実に味わいのある鶏肉に仕上げているのだ。
しかも餌がかなり吟味されている。実は武虎君の相棒格の人がいて、その人が飼料会社を経営しているのだ。刀根さんとこもそこの餌を使っている。よく吟味されているはずで、臭みが全くない。しかもかなりリーズナブルだと思う。
そして、加工食品部門は一気に宮田たけとら色が強くなる!食いしん坊の欲望をそのまま棚にぶつけた結果がこれだ!
何が何だかわからねーよと言われそうだが、とにかくワクワクするような棚になっているのだ!こればっかりは行ってみないとわからないだろうなぁ、、、
しかし、この店最大の賑わいを見せているのは、なんといっても惣菜・弁当売場だ!
大ちくわのサラダ巻き天麩羅、焼きそばつめ天麩羅。
現在大ヒット中、肉巻きおにぎり。もう売り切れ寸前だ。


惣菜パンの品揃えもすごい。
「やまけんさん、好きなの選んで下さい!昼飯にぜひ食べていって下さいよ!」
マジですか、、、では遠慮無くやっちゃいますよ!
ドカーン! もちろん一人で喰うワケじゃないよ、、、食べたいものを好きなだけ選んでしまった!
実は今この店でメガヒット中なのが、愛媛県今治市のB級グルメ「焼き豚玉子飯」だ。
うおおおおおおおおおおおっ
これ、数ヶ月前に僕のブログに載ったのをみた方もいるだろう。
「実はやまけんさんのブログにのった週に、今治に向かってしまいました。速攻で「これ作れ!」って弁当の担当者に言って、、、」
すげぇ完成度じゃないか!
「でも、最初はうちの惣菜担当も上品な作り方して、目玉焼きがきれいなままのっかってるンですよ。それじゃダメだよ、というアドバイスがあって(例の飼料会社の社長さんだ(笑))、タレをちょっと目玉焼きの上からかけるようにしたんですよ。そしたらなんと売上が2倍!」
いやーーーー最高だねそのエピソード。
それにしてもこの焼き豚玉子飯、佳くできてる。あの今治のシゲハンで食べたのを思い出してしまった。
肉ものに関しては、とりあえず

やっぱりサスガのできばえである。
そしてビックリしたのが、これ!
「あれぇ!?これ、釧路のスパカツじゃん!なんだよ、行ってきたのかい?」
「いや実は行ってないんです。やまけんブログをみて受けたインスピレーションで、、、」
おおお、インスパイア系かよ!
喰ってみると、スパに絡んだミートソースのガッツリ感が実に本家である泉屋ににている。やっぱり、食いしんぼうが作るとすべては同じところに帰結するらしい(笑)
もちろん、九州が誇るコンビニであるエブリワンが源流となった爆弾おにぎりもある!
こちらはフワッと握ったおにぎり。美味しい、、、

惣菜パンも実にきっちりと最後までパンを食わせる力を持っている。よく、パンを開いてみたらカツがすげー小さいのでがっかりしたというのがあるけど、この店に限ってそれはない。
これ、一番上が大分名物の鶏飯。左側が肉巻きおにぎり。手前がちくわサラダ巻き天と焼きそば巻き天だ。

このちくわ巻きシリーズが実に美味い。うーむ。
もちろんこんなガッツリB級系だけじゃない。理恵ちゃんプロデュースの玄米正食系の弁当もある。
いやもう満腹です、、、死ぬほど喰ってしまった。
さてこの日は村岡社長とフーデリー宮田夫妻と僕とで話し込んでしまった。
どんな面白いことが出来るだろうか、期待していて欲しい。宮崎に行ってみようという機になるほど楽しいプロジェクトを進行中である。
とにかく、もし宮崎に行くことがあったら、ちかくに「フーデリー」がないかどうか確かめてみて欲しい。ちなみに宮崎駅から近くだと、タクシーで1メーター程度で青葉店という店がある。ただ、イチオシしたいのは本部のある霧島店だ。ここの品揃えと惣菜は最高。惣菜・弁当は店ごとにオペレーションや品目が違うのだが、どうしても駅近くの青葉店はおしゃれで格好良い系になってしまう。ガテン系は霧島店を目指すべし、だ。
いま、全国の小売事業者がとにかく「安値へ」と流れている。不況がそれを後押しする。しかし、だ。安値にするということは、その商品を提供しているメーカーや物流業者、卸は今までよりももっと叩かれているということだ。
庶民を大切にする、ということが、生産・流通をしている人達を叩くことになる。そうなったら、この世の中は共倒れになってしまう。
確かに貧困率が相対的に上がっている今、安い価格で商品を売る業態がなければ大変ということはあるだろう。けれども、まだそこに手を出さなくとも生活していける中間層までが、安売り店に押し寄せていることが僕は大変な問題だと思っている。
食に投資をするだけの余力を持っている人は、できるだけ店を、そして商品を選んで欲しい。そうした観点からも、フーデリーは足を選ぶ価値のあるスーパーである。ああ、次の出張が待ち遠しい、、、
べつにまだ今年を〆る必要はないんだけど、食べものの話以外で今年をまとめるならば、表題の通り。これまでとは比べものにならないほど、写真に力を入れた年だった。
先日のカレンダー応募の際の一言欄の回答をみると、けっこうカメラの話に関心を持ってくれている人が多いようなので、大いに書かせてもらおうと思う。
ブログではあまり公にしてこなかったけど、いま、雑誌などの連載執筆を6本持っている。泣く子もだまる超定番料理雑誌である「NHKきょうの料理」、土井善晴さんの番組テキスト「おかずのクッキング」、柴田書店のプロ料理人向け「専門料理」、これは一般では手に入らないけど「健康保険」、家庭菜園家むけの「やさい畑」、肉業界向けの「ミートビジネス」。
このうち「専門料理」以外はすべて僕の撮った写真が使用されている。「健康保険」なんかは4ページ僕の写真ばかりの旅紀行ものだ。つまり、僕は職業カメラマンではないけれども「仕事でカメラを使う」という状況になってしまっている。大学生時代など、僕がこんなにカメラに夢中になるとは夢にも思っていなかったから、本当に不思議だ。「食べる」ということを人生の中心に据えていることで、新たな領域に足を踏み入れることが出来た。とても幸せなことだと思う。
それにしてもまだ手に入れて一年経ってないんだなぁ、とビックリしたことがある。それは、いまメインカメラとしているニコンのD700のことだ。昨年、会社の決算で利益が出たら自分へのご褒美としてカメラでも買おうと思っていたのに、メインシステムとしていたオリンパスからはいいカメラが発売されていなかった。
じゃあ他社のカメラか、と思ったとき、どうせなら35mmフルサイズ機が欲しいと思った。きっと今までと違う写真が撮れるという予感があったからだ。そうなると、昨年の段階ではキヤノンかニコンという選択肢しかない。でもキヤノンのカメラは偽装請負事件以降、資本主義の悪い見本となる会社だと思ったので一切買わないことにした。本音を言うと、キヤノンの5DMarkⅡはすごく欲しいカメラだった。しかも魅力的なレンズラインナップがある。けど、「日本の食は安すぎる」などの著作で「佳いものを選ぶ消費行動によって世界を変えよう」という呼びかけをしている僕が、他のものを選択する際に軸がぶれるのは佳くないと歯を食いしばって買わないことにした。
で、ニコンだ。正直いってニコンのカメラは触ったことがなかった。週アスの連載でお世話になっていた、僕のカメラの師匠である八木澤さんはニコンでシステムを組んでいたのでみていたけど、そう言うのをみればみるほど「俺は違うメーカーで」などと思っていたのだ。
しかし今年の1月時点では、フルサイズ機で僕に手が届くのはニコンD700以外に選択肢がなかった。だから正直なところ「好きになれなかったら、売ればいいかぁ」などという不遜な気持ちでD700を買った。レンズも特に気合いを入れず、単焦点でマニュアルフォーカスのカールツァイスのマクロプラナー50mmF2.0。
しかし、、、このフルサイズ機を手にしたことで、僕のカメラ人生は変わってしまったのである。
「な、なんだこのボケの大きさは!」
その時の衝撃はこのエントリにある。
■2009年01月18日 はい買いました 初めてのニコン D700 そしてレンズはカールツァイスのマクロ・プラナー50mmf2.0! 果たして今後の食い倒れ日記の写真環境がどんな展開になるのか、自分でもわからない!http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2009/01/d700_50mmf20.html
オリンパスのデジカメの規格であるフォーサーズ規格は、撮像センサーの大きさがフルサイズの約1/2だ。このため、同じ画角となるレンズを用いたとき、フルサイズよりもぼけにくくなる。それを識らなかった僕は、カメラの教則本などで「風景はF10くらいに絞って」などと書いてあるのをみて、フォーサーズ機でF10に絞っていた。それはフルサイズだとF14くらいになるので、明らかに絞りすぎなのだ!人物写真を撮る時もF5.6とかで撮っていたから、フルサイズ換算するとF9くらいの深い深い被写界深度になっていたはずだ。
僕は元々、料理写真でしばらく前に流行った、一点だけピントが合ってあとはボケボケになっているのが好きじゃなかった。ビシッと全体にピントあっててくれ!というのが好きなので、フォーサーズはその点では非常によいシステムだった。けど、それ以外の人物や風景を撮るときに、なんとなくもう少し味わいのある絵にしたいなあ、とも思っていたのだ。
それが、D700ではなんなく手に入った。僕はD700を手にして始めて、これまでの歴史のなかで磨かれてきたカメラの感覚を知るに至ったわけである。
その後、サブ機としてD90を買った。先日のサンフランシスコ訪問に持っていったのはD90である。悪くない。というか中級機としては異様に素晴らしいカメラだ。
でも、やっぱりフルサイズがいいと思ってしまうのであった。
さて、その一方で今年話題になったのがこいつだ。

オリンパスE-P1。先述のフォーサーズ機の弟分、マイクロフォーサーズ規格に乗っ取ったカメラだ。一眼レフ機の基本的な機構であるミラーを無くしたことで、眼で覗く光学ファインダーはなくなったが、その代わり大幅に筐体を小型化できた。

ご覧の通り、超・小型。しかもレンズは交換できる。パナソニックもこのマイクロフォーサーズ機を出している、というよりオリンパスよりも先行しておりもう三台も世に出している。レンズも魅力的なものを揃えているので、パナには感謝という感じだ。

E-P1の欠点は、オートフォーカス(AF)がコンパクトデジカメと同じ方式のため、遅い。一眼レフ機ならばバシバシとピントを合わせて撮影できるところが、ジーコ、ジーコとゆっくりとしか合わないため、鍋を振っているところなどはとりづらい。じゃあマニュアルでやれば、といっても、よほど経験を積まないと難しい。
けど、クリップオンストロボを併用して撮影すると、かなりの写真が撮れる。全くの初心者にはお勧めしないけど(やはり一眼レフ機のほうがお薦めできる)、一眼レフを使ってて嫌気がさしているひとには奨められる。と思ってたら最近、うちの嫁さんが「これいいわね」といって使い始めた。僕は一切使わないアートフィルター機能にご執心だ。やっぱ、世間一般的にはああいうのがいいのね、、、
ちなみに嫁さんに渡してしまったのはなぜかというと、、、
こいつが来たからである!
そう、E-P1にビューファインダー(EVF)を搭載した、E-P2である。さっそく入手してしまいました。やっぱりオリンパスはこの規格をつくった先駆者だし、ある意味、デジカメの歴史に残る流れを作った当事者ですからね。応援しなきゃね。
EVFもついたし、これでE-P1よりいい写真が撮れるか?といわれると、実はなんとも微妙。僕としては出てくる写真に変わりはないと思う。ただ、撮り方が変わることは間違いない。EVFは、上の写真のように、カメラ背面に向けるだけではなく、こんな風にも出来る。
斜めにもできるし、90度開いて真上からのぞき込むようにもできる。これで構えて街角で撮ると、たしかにあまり警戒されないのである。以下に例(笑)
ちなみに僕のブログは横幅が500ピクセルに設定しているので、横位置の写真だとおおはばに縮小することになってしまう。ので、E-P2を使うときには、縦横同じの正方形フォーマットで撮影することにしている。これが結構よいかんじだ。
あとはとにかくレンズラインナップを充実させて欲しいという感じだ。
オリンパスの担当者さんからも「このズームいかがですか?」と言われるのだけど、f値も暗いし、僕としては好きになれない。そうではなくて、単焦点でF2.0クラスの24mm相当の広角レンズと、60mm相当のマクロレンズを出して欲しい。それさえあればかなりカバーできるのだ。
さて、それはともかく年の瀬になって、もう一台新しいカメラを手にしている。
こいつです! そう、リコーのレンズユニット交換式カメラ、GXR。
これは買ったのではなくて、新年明けて第二週目くらいの週アスで掲載するテストレポート用だ。プロカメラマンの阿部さんに先日お会いした際に「いいよ、これ!」と教えてもらったやつである。その時も実にいいよなぁ、と思ったのだけど、実際に使ってみて、かなりワクワクしてしまった。
手が写ってないからわからないかも知れないけど、これ、実に小さいのですよ。なのに、このレンズユニットはフォーサーズ規格より大きい、APS-Cサイズの撮像センサーを持っている50mm相当のF2.5レンズだ。すげー明るくて高画質。
ストロボ無しのISO400くらいで、けっこうちゃんと撮れてしまう。
うーんこれはかなりいいですよ。しかもですね、ショッキングなことに、操作には慣れているはずのE-P2よりもこちらの方が操作しやすい。ユーザーインターフェースの設計が優秀だ。
ちょっと、買ってしまおうかと食指が動いてしまった。けど、結局ふみとどまっている。それはなぜかというと、このA12という単焦点レンズユニット以外にもうひとつ出ている、24-72mm相当のズームユニットが、あまり好きになれない。
まあ要するにリコーのGR-DシリーズやGXシリーズと同じ写真になるわけですよ。残念だけどぼくは初代GR-Dでかなりがっくしきてしまったので、これじゃあなぁ、、、と思ってしまうのである。だから、リコーさんにも同じようにレンズの充実をお願いしたいところだ。
ということで、また続きます。
表題の件、相変わらず上限を上回る応募数でしたが、50部大幅プラスαで発送しています。届いたかた、応募してくれてありがとうございました。またナイスなコメントばかりありがとうございました、感想、大いに参考になりました。

うちの会社の精鋭(!)がせっせと宛名シール貼付中。十文字チキンカンパニーさんには本当に感謝だなぁ。いちおう本企画は今年が終了なので、来年は弊社のオリジナルカレンダーになる予定!
家庭菜園家向けの雑誌である「やさい畑」(家の光協会刊)に、全国の篤農家を訪ねる連載を書いている。プロ農家ではなく菜園家に向けた内容なのだけど、大半の菜園家はプロ農家にあこがれを持っているので、こうした「プロ農家に訊く!」という感じの内容は楽しく読んでもらえるようだ。
僕自身、学生時代(大学院も含め6年間)に畑をもって農作業をしていたので理解できるのだけど、一般に農作業の難易度を上げるファクターは「面積」だ。10坪とかの菜園クラスであれば、まあ特に大変なことはないのだけど、これが1反歩(10メートル×100メートル程度)を超える程度になると事情が変わってくる。ニンジンの間引きをしたり、草とりをする時に、作業にかかる時間が長くなる。作業が楽しみではなくなる一線を超えると、それはもう「仕事」になってしまう。
今、全国的に適度な広さの菜園を持つことがブームになっているが、とても佳いことだと思う。作業の楽しさを味わいながら、野菜をつくる手間の多さと大変さを識ることで、多くの一が「なんでこんなに大変な思いをして作ってる野菜が、スーパーであんな安い価格で買えるの?」という疑問を持ってくれるからだ。ということで、菜園好きな方、ぜひ「やさい畑」をよろしくお願いします。
で、いま発売中の号には、辛味大根の中でも知名度の高い「ねずみ大根」が掲載されているので、ぜひお読みいただきたいと思う。栽培方法についての詳細は誌面をみていただきたい。
上田駅からさらに20分ほどローカル線で乗り継いだところに坂城町がある。JAちくまの担当者である半田さんの車でしばらくいった街道沿いに、ねずみ大根畑があった。
でも、車を降りて一言目は「えっこれほんとに大根畑?」というものだった。
なぜかというと、大根の葉にしてはとても刻みの細かい葉で、ルッコラの野生種であるセルバチコのような見た目なのだ。

でも根本を観るとたしかに大根。こんな品種は初めて観た。
この畑は、ねずみ大根振興協議会の会長を勤める成澤明雄さんのものだ。
彼が持っているのがねずみ大根。全国にある辛味大根は、例外なくこうした小さい、とても可愛らしい形状なのだが、その中でもねずみ大根の可愛さは群を抜いている。
ご覧のようにまさしくネズミのような形で、ご丁寧にしっぽまでちょろりとついている。
地元でも、ちゃんとこのしっぽがついていないとダメなんだそうだ。
辛味大根といわれるものは新潟や山形などにもあるが、やっぱり信州が本場だと思う。というのは、この辛味を活かした郷土料理の決定版があるからだ。それはなにかというと、「おしぼり」。
おしぼりとは、辛味大根をおろしたのをサラシなどで絞った汁のことだ。このおしぼり汁に味噌や醤油を加えたもので、地粉で打ったうどんをすするというのがこの辺の押しも押されぬ郷土食なのである。ここ坂城町一帯でおしぼりうどんを出す店がいくつかあるのだが、この日連れて行ってくれたのが「かいぜ」という店。
お休みなのにわざわざ取材のために開けてくれた!ありがとうございました、、、
店の周りに、異様に低樹高の仕立てをしたリンゴが植わっている。
ここのおかみさんは、ご主人が栽培しているねずみ大根を使っておしぼりうどんを作っているという、実に理想的な関係。
「おしぼり汁はね、おろし方が大事なの。うちはジューサー使うのよ」
あれ、手でおろすんじゃないの?
「時間をおくと辛味が揮発しちゃうから、すぐに絞れるジューサーのほうがいいの。それにね、直角を保つことができるから」
直角?
「そう、大根をおろすときの角度で辛さが決まるのよぉ~。じゃあ実験。おろし金に対して斜めにおろすのと、直角におろすので辛さが変わるのよ!」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
ほんとだ! 斜めにしておろすと、おろしがねにあたる面積が大きくなるから、早くおろすことができる。けど、辛味が薄い! それに対して、おろしがねに直角にあてておろした方はビリビリと辛い!
大根の辛さは細胞を破断することによって、酵素の力でイソチオシアネートの辛味が立つ。その細胞の破断の仕方によっても辛味が変わるのだ!
みんな「ほんとだほんとだ!」とワイワイ。
これ、ねずみ大根のたくわん。実は、ねずみ大根はおろさずに食べるとあまり辛味は感じない。みっちりと肉の詰まった、細かな食感のたくわんになる。歯触りの密度感が美味だ。
そしてこれがおしぼりうどんである!
手前の泡立つ白い汁がおしぼり。運ぶ寸前にジューサーでギュイーンと絞った汁だ。
このおしぼりをつけて食べるうどんは、長野県産の粉で打ったもの。さぬき系とはまた全然違い、コシよりも風味を優先させたうどんだ。この黄色みがかった色が実にそそる。
「まずはおしぼりになにも入れないで食べてみて!」
という皆さんのお言葉に、このおしぼりのみにうどんをつけて啜りこむ。
口に含んだ瞬間、おしぼりの汁は甘さをまず感じる。この甘さは収穫してから少し貯蔵した大根でないと出ない。でん粉質が糖に変わらないと甘さが出ないのだ。この辺は芋と一緒だな。そしてその甘みのあとに、ヅヅヅヅーン!と辛味が上ってくる。まずは口腔内で辛味を感じ、そして最終的には鼻に来る。ヅガーン!と刺さってくる刺激だ!ここでむせたら大変なことになると我慢、我慢、、、
それにしても大根の汁がこんなにも多様な味わいを呈するとはとても面白いことだ。何もいれないでおしぼりだけで食べるうどん、マニアックだけど、一口目は試してみた方がいい。
そして、おしぼりうどんにはこんな薬味がついてくる。
信州味噌、鰹節、長ネギ。
これを足して食べるのが旨いのだけど、JAの半田さんは厳しくて、「味噌はそんなにいれちゃダメ!味噌うどんになっちゃうでしょ!」とチェックがはいる(笑)
でも僕は味噌タップリが好きだ、、、味噌の旨みと辛さのコンビネーションが実にいいのだ。
この日、採りたての成澤さんの大根もしぼってみたのだが、まだ辛味ばかり強すぎて、みんな「辛い辛い辛い辛い!」としびれてしまった。おしぼりにはちょっと置いた大根が合うのだ。
ちなみに手打ちのおしぼりうどんが800円。十割蕎麦が1000円。どちらも食べたいヒト向けにわがままセットというのがあって、1000円で半々で食べられる。ここのおかみさん、かなりの達人で、十割蕎麦も実に旨かった。自信をもってお奨めできます。
年の瀬のいまごろ、新もののねずみ大根もほどよい辛味におちついているのではないだろうか。ああ、また食いたい、、、あの辛味はクセになるのだ!本当に美味しかった!沢山食べ過ぎて、瞬間的に胃が痛くなったけど、東京につく頃にはもうお腹が減っていた。ジアスターゼの効用で、腹が減ったのか。
「かいぜ」のご夫婦ツーショット。どうもごちそうさまでした!
僕が短角牛の母牛と、彼女から生まれた子牛二頭のオーナーになっていることはこのブログを読んでいるひとはご存じだろう。実はそこにまた、牛ちゃんが増えてしまった、というお話しだ。
「今日は畜産試験場まで行きますよ!」と、いつもの高知県畜産課の熱血メンツ・公文&山崎の両氏と車に乗り込む。
「本所で角田さん拾っていきますから」
と、高知県庁の本所の玄関に行くと、ゴツッとしたガタイにガッツリしたお顔の写真家・角田和夫さんが機材を持って登場。角田さんは銀塩のモノクロ写真で世界を歩き、印象的なスナップ写真を世に送り出している方だ。
■角田和夫の世界
http://www.kcb-net.ne.jp/k-violin/index.html
「やまけんさんの写真、いいですよ!」
と褒めていただくけれども、いやもうこの人のかっちょええモノクロ写真の質感はとても僕には出せない。ぜひ上記リンク先のカッコイイ写真を観ていただきたい。
で、今回は佐川町にある畜産試験場へ。数年前の夏、ここで放牧されている土佐あかうしをみて、僕は断然興味をそそられたのだ。考えてみればその時の出会いがいま僕を高知に誘っている。
で、この畜産試験場のすぐちかくに、旨いうどんの店があるというのだ!
「僕も試験場の人に訊いただけなんで、よく識らないんですけど、、、」
と公文さんが連れて行ってくれたのが、これまた実に味わい深い立地の店である!
■手打ちうどん とがの藤屋
高知県高岡郡佐川町中組1325-1
店内はすでに満員な感じだったので外のテーブルへ。なんかものすごく風情のある民家を改装した感じだ。
どうやら手書きされている「ザブザブ」がお薦めらしいが、生醤油うどんの普通盛りとスタミナぶっかけの中盛りを頼む。こういうところで一品しか頼まないなんてことは俺には出来ない。そして普通盛りだけでお茶を濁すことも絶対にできない。しかしながらこの日どうやら僕らは選択を誤った。実はこの店、メニュー上段にあるタイカレーってのが旨いらしいのだ。うーむ 次回ぜったいに頼んでみようと思う。
で、この店、すげぇ盛りがいい!
だってみてよこのかき揚げのデカサ!

ちなみにこの日の公文、山崎、角田、やまけんの4名全てがカメラ好きで、しかもニコンユーザーという恐ろしい布陣(笑) 当然、撮影会と相成ったのである。
さて僕の方へは生醤油うどんが運ばれてきた。

ん、さぬき系のコシ、ギュッと締まっていて旨い。思ったより太めの麺で、つまりかなりボリューミーである。生醤油は若干淡い味わいで、たっぷりめにかけてもしょっぱくならない。高知県特産のおろし生姜を乗せてかき混ぜて啜り込む。
そして、スタミナぶっかけがこれだ!
うーむ
かなりいい感じのスタミナ加減じゃないか!?
やっぱりうどんには牛肉を甘辛く煮染めたのが一番旨い具材だ。その甘辛煮汁を絡めながら、天麩羅も食してしまうというのは、金のない学生時代には考えられない幸せ。幸福である。

まあ、コメントはいらんでしょう。大満足でありんす。
ちなみに仲居のおねえちゃんが可愛い人ばかりであった。厨房に立っている男衆も若く、かなり意欲的で勢いのある店だなと思った。周りはもう山というへんぴなところだけど、ひるときには周囲からどどーっと人が集まってくるらしい。素晴らしいことである。ここはまた再訪したい。
さて、腹一杯になったところで試験場へ、、、そこで僕らを迎えるのはなんと!
土佐あかうしの肉であった、、、聞いてないよっ!腹が、、、
この日、恒例の食味試験があったらしく、土佐あかうしだけではなくはちきん地鶏、ウインナーなども供されていた。しかし、黒毛和牛ならもう腹一杯のところには絶対に入らないのだけど、土佐あかうしのクセのないサシはするすると入っていく。食べても嫌にならない牛肉なのである。
さて、冒頭に書いたとおり、実はこの日、試験場で生まれた土佐あかうしの名付け親になることになった。前にここにきたとき、試験場の人に「お願いですから一頭、土佐あかうしのオーナーにならせてください!」とお願いしたのだ。
「うーん 試験場の牛を個人オーナーにするのはちょっと、、、」
と言われていたのだが、、、
「オーナーということではなくて、ヤマケンさんのご指示通りの餌の内容で育てる牛を二頭、都合しました!この二頭は生まれたばかりです。どんな飼料設計にするのか、一緒に考えましょう!」
ということになったのだ! ひゃーーーーー 短角牛につづき、こんどは土佐あかうしに僕の意志を反映することが出来る!
いま、土佐あかうしは黒毛和牛と同じような育て方をされている。できるだけサシを入れるために濃厚飼料を中心とした給餌体系になっているのだ。けど、土佐あかうしを牧草などの粗飼料中心で育てるという試みは、まだはっきりと試験研究されていないそうだ。
「だったら、粗飼料中心の飼育をしてみてはどうですか?」
というのが今回の趣旨なのだ。あーあ、可愛そうに。僕が名付け親になる土佐あかうし二頭は、コーンなどのご馳走をあまり食べられない一生を送ることになる。いや、そのほうが幸せかも知れないけどね。
ただしもちろん課題はある。
「高知県は山岳部が多く、斜面も急なため、岩手県のようにデントコーンを大量に栽培することが難しいんです。ですから、粗飼料をどのように入手するかが問題です。」
その対処方法もちゃんと、考えてくださっていた!
「四国には他の地域にはない野生のヒエの品種があります。稲作農家にとっては大敵ですが、このヒエをサイレージにしたものを与えるといいのではないか、と思っているんです。」
うおおおおおおおおおおおおおおおおお
それは素晴らしい!雑穀を食べて育つ土佐あかうしということである。もちろん雑穀と言っても、実が充実するまえに草ごと発酵させることになるので、穀物の扱いではないが、、、
「じゃあさっそく、ご対面と行きましょう。ちょうど鼻紋もとらなければなりませんし。」
と、生まれたばかりの二頭のいる牛舎へ。
この耳標番号が4029の子と、
4030という子が、
僕が名付ける子牛だ。
さてこれから何をするかというと、鼻紋をとる。人間の指紋のように、牛の個体を識別するために、鼻の紋をとり、登記するのだ。

虐待ではありませぬ。子牛ちゃんの顔をきゅっと小脇に抱え、インクをさっと鼻に塗る。
鼻の全面をなぞれるように湾曲したストッパーに紙をつけ、鼻にクッとあてて鼻紋をとる。
これが非常に難しいのだ!
「やまけんさん、やってみます?」
といわれるが、かなり悪戦苦闘。
5~6回チャレンジして、ようやく使えそうなのが出来た。ゴメンよ、手際が悪くて。
4029の子は、身体は大きいのだけど、目が大きくて優しい感じ。おとなしくてあまり暴れない。
「よし、この子の名前は「優男(やさおとこ)」にしましょう!」
4030の子は、身体はそれほどでかくないが、ギュッと筋肉が引き締まっている。そして鼻紋を採るときも暴れて、目つきもギッと鋭い。
「よしゃ、この子は「強力(ごうりき)」と名付けましょう!」
こうして高知県畜産試験場に、僕が名付けた土佐あかうし二頭が生まれた。これが、二頭の登記書だ。
先週上京した試験場の方が、最新の写真を写してきてくれた。
やっぱり、強力(右)のほうは目つきが悪い(笑)優男はやさしげな目だ。
さてこの子達はどんなふうに育ってくれるのだろうか。楽しみだ、、、
宮崎どまんなかプロジェクトというのが立ち上がったことは既報のとおり。その推進者であるレタス巻き元祖・一平寿司の村岡さんは、タリーズコーヒーの九州管内のトップクラスの店舗オーナーでもあり、シンガポールなど海外法人の立ち上げを手がけた超・やり手だ。
寿司屋を継ぐ前にアメリカへ渡り、古着屋ビジネスをしたりしていた経験が全て活きているのだろう。伝統的な寿司屋の一面と、革新的な飲食ビジネスの世界の双方向を行き来する達人だ。
「やまけんさん、この辺で一番ぼくが好きなチキン南蛮食べに行きましょう。なんかね、いつもここで食べちゃうんですよ」
というお店が、一番賑わう商店街である、その名も一番街をちょっと出たところにある「グリル爛漫」。
一番街のアーケードを出て30mくらいかな。

さて、実はこの店の前にきたときにちょっと既視感を感じた。前、きたこと無かったっけ???と思いながら店内へ。
グリルというだけあってチキン南蛮専門店ではなく、洋食屋さん。ハンバーグやエビフライが旨そうだ!けど、ここはきっちり焦点を絞っていかねば、、、
ちなみにここのチキン南蛮って、胸肉ですかね?モモ肉ですかね?と注文を聴きに来てくれた若旦那に聞くと「基本のチキン南蛮は胸肉ですが、モモ肉もお出しできますよ。うちは丸鳥を仕入れて店でさばいているので、どちらも使うことになるんです」という。
では、通常の胸肉のチキン南蛮セットに、別添えでモモ肉の南蛮をということでお願いした。ここのおやじさんは、あのチキン南蛮の老舗「おぐら」で修行していた人だそうだ。おぐらチェーンは緩やかな繋がりで、レシピはけっこうみな好みによって変えているらしい。それは僕が一番好きなチキン南蛮を出す、魚山亭宮崎空港店も同じことだ。宮崎では同じチェーン店でも味が違うというのが多々あるのかもしれない。
ところで宮崎繋がりでいえば、もうすぐ最終回になってしまうようだけど、週刊モーニングに連載中の東村アキコ「ひまわりっ」は激烈に面白い漫画だった。宮崎ローカルネタが随所にちりばめられていて、宮崎食をよく識る人には無茶苦茶に楽しめる内容だったのだ。中でも「宮崎のうどんにはさぬきのようなコシはいらない!」とか、大笑いした。その中で、チキン南蛮の胸肉が好きか、モモ肉が好きかという「踏み絵」で仲間かそうでないかを分けるネタがあるのだが、これが最高だ。ちなみに僕は両刀だけど、どちらかといえば皮むきモモ肉派である。
「おまちどうさまでした」
おおっとこれは胸肉。大きく拡げられた胸肉、向かって右側のほうはいかげそのように切れ込みが入っている。この辺、丸鳥を仕入れて自分で仕分けしているからか、カットの加減が面白い。
タルタルは、おぐら本店のいかにもコテコテマヨネーズ感タップリなものよりはソフトな感じだ。
ふんわり柔らかな胸肉に、酸味の強すぎないなんばん酢、ほどよい油分のタルタル。これはバランスの極地ですな。超バランス派のチキン南蛮です。
モモ肉も到来。肉の断面をみただけで繊維の質が違うのがわかる。
うん、この店では胸肉チキン南蛮の完成度のほうが高いですな。ひとつの環状の世界観を感じる。ランチとしていただくのに実によいチキン南蛮であった。
で、食べた瞬間にやっぱりと思ったのだけど、数年前に僕はこの店に入ったことがある、と確信した。仕事の後か先か、もしくは東京に帰る途中でフラッと「チキン南蛮だー」と立ち寄ったのである。うーん 食の記憶だけはどんなに深いところまでも探すことが出来るなぁ、、、
大変に美味しゅうございました!
番組を観た人は、もしかしたら僕の名前がテロップに流れているのに気付いているかもしれないが、、、
この番組には食材のアドバイザーとして関わっている。番組改編になる前の「素敵な宇宙船地球号」の時からだ。番組プロデューサーのYさんが僕のブログを昔から読んでくれていたみたいで、協力要請をいただいた。以降、青森のトキワ養鶏のこめたまや、東京バルバリの小池シェフなどが番組に登場していたのだけど、気付いたひとはいるだろうか。
先日リニューアルされて、食に特化した番組になった。ひきつづき食材セレクトに関わっているのだけども、今回はおせちだ。広尾「山藤」の梅田さんの登場である。
大地を守る会が直営する飲食店である山藤が二号店を地下鉄広尾駅の真上に出店してもう3年目になるのかな?いまやdancyuなどにも登場する店となり、いついっても混んでいる人気店になった。
その山藤が作るおせち料理は、完全なる無添加を標榜していい内容。一昨年は久慈市山形村で作られるおせち作りの工程に同行させてもらった。(その時のエントリは、結局おせちづくりまでは行き着いていないままになっている!失礼!)
で、地球号食堂、今週と来週の二週連続でおせち特集だ。今週は短角牛の取材が入る予定。岩手県北ツアーに行った人は要チェックですぞ。
■毎週日曜日夜11時~ エコめし宣言 地球号食堂
http://www.tv-asahi.co.jp/earth-restaurant/
愛媛県大洲市に来年4月後半にオープンする直売所の立ち上げを一緒にしているということは既報の通りだけど、とにかく佳い加工食品を出してくれる方をいっぱい探そう、ということをしている。
全国で13000店を超えた農産物の直売所だが、その数が多くなりすぎたこともあり、各店舗にオリジナリティのある商品が不可欠になってきた。野菜・果物でオリジナリティを出すことは難しいので、いきおい漬物や惣菜、弁当といった加工食品に期待がかかるわけだ。しかも、野菜や果物などの第一次産品は単価が低く、かつ利幅も狭い。それに対して加工食品は利幅をもう少し広くとることができる。ただし、加工場を持たなければならなかったり、免許が必要だったりと敷居も高い。
そういうことで、なかなか腰の重い地域のお母さん・お父さん方に出てもらおうと、毎月テーマ別に研修会を行っている。第一回の研修会では、思い切って腕自慢の皆さんに「一品持ちよりをして、味比べをしましょう!」と言う呼びかけをした。漬物や調味料、惣菜、弁当、和菓子や洋菓子といった部門別で品評会をしてしまおうということだ。もちろんそんな大事に自然に集まるわけがないので、農協婦人部で人望の厚いフジブチさん達の手を借りて、腕に覚えのあるご婦人やグループに声をかけていただいた。
その結果、集まりも集まったり!70人を超える腕自慢が、それぞれの得意とする一品一品を持ち寄ってくれたのだ。
実は大洲市には特徴があって、「漬物といえば粕漬け」なのだ。かなりの人がナチュラルに粕漬け好き。なーぜなんだろう?
集まった計70品目以上を、参加者全員で一口ずついただいて点数をつける。超・お腹いっぱい。しかし、参加者一同が目を活き活きさせて刺激を受けている様子が手に取るようにわかる。やはり「世間」の中で自分の食を位置づけるという行為、そして他人の味を識るというのはエキサイティングなことなのだ。
ちなみに、採点を集計する最中には特別ゲストとして、以前に採り上げさせていただいた松山市のオーガニックカフェ「Naturel」の藤山さんにご登壇いただき、最近の飲食事情をお話しいただいた。
藤山さんは最近できた松山市の大街道に愛媛のアンテナショップのプロデューサーでもある。商品開発や、どんなものが求められているのかというニーズをよーくわかっている人なのだ。
さて、この品評会の結果、各部門で上位に入った人達がいる。そのうち何名かを紹介したい。まずはこの人、パン部門の優勝者である西本ハツ子さんだ。
西本さんは、長いこと福祉関係の仕事を務められた後にパン焼きの修行をし、現在、大洲市内で移動販売をしている。市役所や老人ホームなど、固定ファンが多数いる猛者だ。それもそのはず、彼女の作るパンは実にアイデアに満ちている。
これ、なんだかおわかりだろうか?一番人気の西本アンパン。
「私のアンパンはね、あんこを中心に入れるんじゃなくて、こうやってツイストに沿って入れていくの。そうするとどこを食べても餡があるでしょう?」
おおっなるほど! しかもあんこが外側に出ているので、焼けた部分がちょっと香ばしい。これ、基本アイテムとして人気が高いそうだ。
そして僕がはまったのがこれ!
コロネ型のパンの中に入っている具材は、チョコクリームなどにあらず、、、
なんと、ちくわなのである!
しかもちくわの輪の中にトローリ、ピリッと辛いマヨネーズが!
「アンパンと同じくらいに人気のあるのがこのちくわパン。ちくわとマヨネーズとパンって合うのよ。」
ほんとだ!これ、スゲー旨い。ちくわのような魚肉系のものって、実はとってもパンに合うのだ。しかも、通常のマヨネーズだと甘くなっちゃうところが、カラシマヨネーズがピリッと全体の味を引き締める。この場にいるだけで2本、持って帰らせてもらって3本、翌日の朝食に2本食べてしまった(汗)
もちろん定番のメロンパンもこのとおりの焼き加減。
愛媛県における特異なおかし、タルトも大メーカーのものより甘さ控えめで美味しい!
それにしても西本さんのパンは、陽性だ。彼女の気質がパンにも込められているのだろう。明るく元気になるようなパン。酵母にこだわっているとかそういうことではないけれども、僕にとっては大アリな美味しいパンである。
店売りはなく、移動販売のみ。大洲市役所には金曜日の昼時に現れるそうだ。さて、これから直売所にどんなオリジナルパンを作ってもらおうか、いろいろ僕も考え中なのである。
宮崎から愛媛に来ています。そろそろへとへとです、、、
そんな中、旅の良質なタンパク源となってくれているのが、愛媛県のスタンダード魚すり身揚げであるじゃこ天。
大洲市に出来る直売所に出荷意向を持つひとたちで行われた「味見会」という品評会で、総菜・弁当の部一位をとった下坂つる子さんを訪ねた。
瀬戸内特有のすり身原料の魚であるハランボをメインに使ったすり身は別棟でご主人が作り、それをツル子さんが味付けして揚げるのだ。
すり身の塊を木枠に入れてさっと整形し、揚げ鍋に落とす。一日1000枚売ることもあるという一連の作業が早い!
揚げたてのじゃこ天は、それはもう比べるものがないほどに旨い。卵白の含量などによってふわふわしているものがあったり、みっちりつまっているものがあったりいろいろだ。ツル子さんのじゃこ天は中間にバランスがとれた食感。
そして、最近県民ショーでもとりあげられた愛媛のキラーコンテンツが「じゃこカツ」。
じゃこ天とはすり身の味も変えて野菜も入れるが、要はじゃこ天すり身に衣をつけてカツにしたもの。
実はこいつが、、、異様に旨い!じゃこ天特有の香りが消えて食べやすくなる。(じゃこ天だって食べやすいけど、それ以上に!)
ツル子さんのじゃこ天の味付けには、地元のみかん蜜の蜂蜜などが使われている。
県内には大小あわせて多数のじゃこ天屋さんがあるけど、それらが潰れずに残っているということは、固有のファンが居ると言うことだ。素晴らしい。
さて、今週は今日が出張最終日。泥のように眠りたい気分だけど、ツル子さんからいただいたじゃこ天囓って頑張ります。
最終便で東京でーす
昨年末のサプライズ企画となった、岩手県二戸市の食材カレンダーをご記憶だろうか。僕の所有する短角牛が育っている岩手県の二戸市では知らぬものの居ない一流企業である「十文字チキンカンパニー」。高品質なブロイラー、銘柄鶏を生産する、全国でも5本の指に入る養鶏業者さんだ。その社長の十文字保雄さんは、ご自身も超・ヘビーなカメラユーザーであられる。
昨年、その十文字チキン社の、会社カレンダーになんと僕の写真と文章が採用されたのである!
■2008年12月15日
むふふふ 十文字チキンカンパニーの「岩手県北食材紀行カレンダー2009」 とうとう僕の写真と文章がカレンダーになった! 欲しい人がいるかどうか分からないけど、30名様にプレゼントします!
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2008/12/200930.html
予想外の応募をいただいた本件、僕にとっても、自分の写真がカレンダーになるという嬉しいことに大感激。今年は自前で、会社で刷ろうかと思っていたら、、、
「やまけんさん、今年もやりましょう。二年は続けてやってみたいと思ってました。」(十文字社長)
まじですかぁあああああああああああああああああああああ!
しかも、先に出た僕の著書、「日本の食力」を援用して、カレンダーのタイトルは「いわて県北の食力カレンダー」だ!
1月~12月まで、今回は二戸市に限らず、岩手県北とした。久慈市、岩泉町の食材も載っているので楽しみにしていただきたい。
ちなみに十文字チキン社の社則のなかに「机の上にはなるべくものを置かない」という一条がある。たしかに、十文字社長のご自宅に伺ったことがあるが、異様に整理整頓の成された空間であった!
この記事みればわかります(笑)↓
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2009/06/post_1333.html
だから、昨年のカレンダーは「卓上カレンダー」ではなく「壁掛け」であった。受け取った人は一様に「卓上だったらもっとよかったのに~」と言っていたという話をしたら、
「うーーーーーーーーーーーーーーん、 しょうがない、カレンダーは別ということにしますか」
とおっしゃった!
ということで、おそらく卓上ミニカレンダーです。
まだ刷り上がってないのですが、、、今年の年末プレゼントと言うことで、読者の皆さんに50部進呈いたします。もっと大盤振る舞いできればいいんですが、昨年より多くしたのでお許しを。
下記フォームに住所等、送付先を入力して、「なにか一言」つぶやいてもらって、その中から選びます。25部はランダムな変数で選び、25部は「なにか一言」欄読んで、無作為に選びます。と言っても、べつにおべっか使ってもらう必要はありませんよ。コメント欄を設けるのを辞めてから久しぶりに、読者さんの声を聞けるチャンスですので、いろいろ自由に書いてくださいね。
■申し込みフォーム
http://my.formman.com/form/pc/0uxkBfXn6ZADZlNU/
申し込み期限ですが、12月18日(金)の23:59までとさせていただきます。
ふるってご応募くださいませ! 十文字社長、どうもありがとうございます!
さて今週は、月・火が宮崎、水~金が愛媛。出張万歳!
洋なし品種にもいろいろあるけれど、日本で多く出回っているのは第一にラ・フランス。第二にル・レクチェという順番だろう。第三以降は、残念ながらあまりメジャー品種がないといってもいい。
しかし、洋なし品種はもっといろいろある。単に、消費地で知られていないだけの話だ。僕は正直言って、ラ・フランスで美味しいのに当たったことがあまりない。僕が一番美味しいと思う洋なし品種は、「ゼネラル・レクラーク」だ。産地は青森の天間林の近辺。ラフランスよりどかーんとでかく育てるこの品種、香りも濃ければ果肉も滑らか、じつに芳醇な味わいだ。けど、少しセメダイン香が強いせいか、香りのエレガントなラ・フランスに人気を一方的にとられてしまっている。
で、ここ数年で知名度をじわじわと上げているのがル・レクチェだ。この品種に関しては、洋なしの圧倒的ブランド産地である山形ではなく新潟で栽培が進められている。しかし、僕はこのル・レクチェでもいままで美味しいのに当たったことがない。
誤解無きよういっておくけど、普通に美味しいのは結構あたっている。けれども、先述したゼネラル・レクラークのよいコンディションに熟したものを基準値としたとき、それを超えるものに当たったことがないということだ。
で、なんでこんな風にル・レクチェを、わざわざ赤いバック紙まで用意して撮っているかというと、新潟の若手農家さんが「まだ食べたことがないなら、お送りしたいのですが」と連絡をくれたからだ。勿論面識はない。
食べたことは多々あるけれども、納得できる味のものには当たったことがありません、と素直に連絡したら、送ってきてくれた。自身があるのだろう。届きたての箱からブワッといい香り。けっこうセメダイン香も立ちのぼってくる。もしかして、けっこうイケルかも!?
洋なしは追熟をうまくやって、美味しい時期に食べなければ評価できない。さて何日で熟すかな。美味しかったら続報したいと思う。
土田さん、じっくり楽しませてもらいますね!
高知市内の夜は熱い。「ひろめ市場」という、かつおのタタキから寿司、中華料理、はては怪しげなインドカレーまでがならぶ屋台村で下地を作って、飲み屋に流れていくというのがスタンダード。
その飲み屋が密集している小さな通りに55番街というのがあって、そこは一癖もふたくせもある店が並ぶ、新宿ゴールデン街のような場所だったらしい。
そこに、バリムーンという店があった。僕は、かなり昔に親友の野崎に連れて行ってもらったことがある。バリという名の通りちょっとエキゾチックなバー。マスターの風貌もなんだかちょっとバリっぽい(笑)
そして、その店内でカウンターで呑んでいる人と野崎が「おっ」とばかりに挨拶をしている人がいた。それが、僕を土佐あかうしプロジェクトに招いてくれた立役者となった、ひまわり乳業社長の吉澤文治郎さんなのだが、その時はまさかこんな展開になるとは思っていなかった。バリムーンは、高知周辺の実力者・面白い人たちが夜な夜な集まる社交場だということだったが、本当に雰囲気のある店で、一度しか訪れていないのに妙に記憶に残っていた。
その後、あの懐かしのバリムーンは55番街から姿を消した。あー、なんだ、、、あの雰囲気がないのは残念だ。
で一昨年、確か週刊アスキーの撮影で高知編をやるぞ、と言うときに、カメラマンの八木澤さんが実は吉澤ブンさんの同級生だったということが判明し、感動の再会を果たしたことは以前書いた。
その際に前述のひろめ市場で呑んだのだけど、そこで驚きの再会があった。ひろめ市場の中央のいい場所にあるインドカレーの屋台の前のテーブルに、賑やかな一群が座っていた。地元の名士である文さんにみな「おーうう!」と声をかける。その中に、バリムーンのマスターが居たのだ!
その時は「むかーしむかし、野崎に連れられて行きました!」とだけ声をかけたのだが、その時バリムーンはもうないものと思いこんでいた。マスター、店はなくなっても夜の社交場にはずっといらっしゃるんだなぁ、と。
しかしそれは違った!
先日の高知出張、ついてすぐのランチ。
「今日の昼飯は、どこにいくかまず内緒です」
と山崎さん公文さんが言う。
そして車が高知市内の九段田小径にさしかかり、、、
「あれ?なんだあの店! バリムーンって書いてるぞ!」
驚愕!これってあのバリムーン? 東京新宿カレーってなんだよ!?(笑)
そう、バリムーンは閉店じゃなく移転していたのだ!知らなかったのは俺だけである(涙)
しかもですよ、10数年前からマスターは土佐あかうしに惚れ込んだらしく、看板に「土佐れいほく牛」(←土佐あかうしのことです)と書かれている!
カレーの価格は実にリーズナブル。普通のカレーは500円で食べられてしまう。けど、ここはやはり土佐れいほく牛カレーでしょう。さて満を持して店内に入る。
間違いなくバリムーンのマスターだぁあああああ! いやー 嬉しいものである。
きけば、ご自宅がここ高知市の九反田地区にあるそうで、ここでカレー中心の業態として開店したそうだ。
「けどね、夜は飲み屋よ。カレー屋だけじゃなくて、いろいろ出すから、飲みに来てね」
そう、カレー屋さんだけではなく夜は「九反田バー」となるのである。
「れいほくのあか牛はね、本当にいい食材なんだよ。けど、訳のわかってない人には「高いなぁ」って言われちゃう。いや、安売り牛肉よりはそりゃ高いけど、味が違うのよ、ってのをきちんと言ってかないとね。」
というこのバリムーンでは土佐あかうし料理をいろいろ楽しめる。例えば土佐あかうしの串焼き。
オーダーを受けてからその場で焼く!これ、100%土佐あかうしの串である。この串に刺した状態で、土佐あかうし専門の精肉卸であるれいほく畜産が販売しているのだ。
インドネシアの串焼き料理サテーのような甘辛い、エキゾチックな味のタレをつけたあかうし串。
「おっ 旨い!」と、あかうしは食べ慣れているはずの公文さんが声を上げる。うん、これは旨いね。赤身の部位を使っているから、肉の風味ときれいに揃った繊維の食感がきっちり伝わってくる。
自家製スモークも、土佐あかうしの肉100%!レバー、タン、ハツのスモーク、ビールが呑みたくなる味だ。
さて、そろそろ本番。もちろんれいほく牛カレー!
実は、独立したメニューで「あか牛のカレー煮」のようなメニューがあって、それを通常のカレールーに添える形。ダブルルーということだ。これ、なんかお得感満載ですな。
逆サイドから。通常ルーの下に、おそらくスネ肉をホロホロになるまで煮込んだのがしかれている。
いきなり結論から言うけど、この店にきたらこのれいほく牛カレーを頼まなきゃダメ!だって、あかうし肉のルーの部分がやたらめっぽう旨いのだもの!通常ルーもスタンダードなカレーで美味しいけど、あかうしカレーはココナッツ風味のインドネシア料理の感覚が入った、魅惑的な味。これをスタンダードルーに混ぜて食べると最高なのである!
いやー 書いててまた喰いたくなってきた。やっぱりカレーには弱いんだ、俺。
それにしてもバリムーンのマスター、相変わらず夜の高知文化のフィクサーぶりを発揮しておられる。
「ともだちのデザイナーと一緒にな、新しい高知マップみたいなのつくったんよ。」
うーん、、、、、、、、、これ、ほんと自分たちで勝手に造ってるらしい。そういうことをする人なのである。店内には、自主企画のコンサートチラシやら何やらで一杯。
ぼくも全国廻っているけれども、なにか動きがある地域には必ずこういう、地域のトリックスター的な人がいるものなのだ。
ともあれ、バリムーンが続いていたことに喜びを感じ、そしてカレーの旨さで悦びにひたった一時間であった。マスター、美味しかったです!
前にも書いたと思うけど、高知龍馬空港を降り、空港のロータリーを出たところ、レンタカーの事務所の後ろに、フェンスで仕切られているけれども、広い緑地帯が拡がっている。これは実は、高知大学農学部のキャンパスで、土佐あか牛の放牧場になっている。高知を空路で訪れることがある人はぜひ、空港から歩いても行けるので、覗いてみて欲しい。もう冬なので牧草が少なくなり、ずーっと放牧してはいないかもしれないけど、運動のために放しているはずだ。
しばらくぶりに松川先生に会うことができた。前にあったのが7月末だけど、髪、伸びたなぁ~(笑)
■現在
■7月30日時点
「いやー あか牛のこと、どんどん書いてくださいね。毎回寄っていただいて結構ですよ」
と言ってくださる。
「今回、お気に召すかわかりませんけど、土佐あか牛ガールズを用意しておきました(笑)」
ガールズ!?
「学生で、とくにあかうしのの面倒をみてくれるのが3人いるんですけど、今日は一名が欠席で、二名です」
はい、本邦初公開、これが土佐あかうしガールズです!
履いているのはサンダル! 高知の畜産の現場ではサンダルが正装なのである(笑)
他にも、あかうしの世話をしている職員の方々が居るのだけど、ことごとく佳い顔をしておられる。
U字溝を逆さにして、ここに餌を入れると、成牛の雌牛にだけ届くよい餌場になるそうだ。こんなのを作る土木作業のようなことを、畜産の関係者はやらなければならない。
さて、土佐あかうしたちを観に行く。放牧場にいく途中、ヒエが生えている圃場があった。稲を育てていて雑草として生えてきたのか、それともヒエを栽培しているのかはわからなかったが、実は高知には四国にしかないオリジナルなヒエの品種系統が存在する。

高知県は急峻な山ばかりで、飼料用トウモロコシや牧草などをまとめてつくることが難しい。そこで、このヒエが注目されてきている。
高知県の畜産試験場で、これから僕が名付けた土佐あかうしたちに、このヒエを中心に与え、粗飼料中心で育てる実験を行う。そのことをぼーっと考えてしまった。うまく育ってくれるだろうか。

おおーう いるいる。
冬毛に変わろうとしている時期で、毛がボワボワしていて可愛らしい。まだバンビちゃんであるが、前回より確実にでかくなっている。
この子、珍しい。土佐あかうしと熊本の褐毛和種の一番の違いは、この子のように眼の周りが黒いブチとなる、「毛分け」というのが出てくることだ。でも、通常は毛分けはオスではっきりと出てくる。雌牛はこんなにはっきりはならないはずなのだが、、、
女の子なのに、ちょっと悪人ぽい顔になっちゃってかわいそう。
そんな雌牛の尻を追いかけるプレイボーイ登場。
そう、前回来たときに僕に近接遭遇した、あの種牛である。オスはやはりひときわ体格がよく、ごつごつした男前だ。
今回も、「おっとよそ者が来たな」とばかりに、草を食べて自然を装いながらも、僕の方にずりずりと近寄ってくる。
えーと、 ちょっと近すぎます。
でもこいつ、気は優しい。人間につんけんしてこない。
おそらくそんなことよりも、気に入ったメスに夢中なんだろう。そして、あろうことかメスもまんざらこいつに気がないわけではない。

種牛は30頭くらいのメス牛の中に放り込まれる。雌牛は一定期間で発情し、陰部がぽってりと膨れ、粘液が出て、オスを強烈なフェロモンで引き寄せる。そして、興奮したオスがどかーんと一発、突くのである。僕は以前、短角和牛の交尾を見たことがあるが、一瞬にしてド迫力でことを成し遂げていた(笑)
こんな近くではみられないけれども、高知龍馬空港に降り立った方はぜひ、あかうしを見に来て欲しい。あ、でもフェンスを越えて進入したらダメですよ。

なかなか勢いのあるビラ。学園祭みたいなのがあったらしい。来年はきてみたいものだ。
高知大学農学部。また遊びに行かせてねーん!
12月8日、めでたく赤坂の地に素晴らしきバーがオープンした。おめでとう水澤君!
赤坂見附駅から、TBSの方へ歩いていく途中。土地勘あるひとなら、この光景でわかるだろう。
■BAR Tiare(ティアレ)
赤坂鳳月堂本店ビル5F
http://bar-tiare.com/
写真は、オープン前のレセプション。各所から送られた花でカウンターが埋め尽くされている!
店内はむちゃくちゃシック。同行した嫁が「素敵、、、」とうっとりしていた。テーブル席もけっこうあるので、くつろげそうだ。
店名のティアレとは花の名前だそうだ。通常は6枚の花びらだけど、8枚の花びらのものを見つけたら幸福になれる、といういいつたえがあるらしい(記憶あやふやです)。それにあやかって、8枚花びらがシンボルになっている。
水リンの脇を固めるスタッフ。女性の方が柾木(まさき)さん。なんとジュニアバーテンダー大会の日本チャンプ!期待できるね!
カクテル創ってもらうが、シェークしているところ見えず(笑)
この店で初めてのカクテルはスイートスプリング。美味しゅうございました。フルーツカクテル中心の店作りにしていく。すでに、僕の知っている産地を紹介してあるので、数種類は産地直送でフルーツが店に来る。これも期待したい。
「もうちょっとして、バタバタしなくなったら来てください~!」
いや、バタバタしてるうちにまたいくよ。本当におめでとう!
ニコンWebサイトのTalk! Talk! Talk! という記事に登場したということは書いたが、一番最初にそのきっかけを作って下さった取締役のU氏からお誘いをいただいた。
「忘年会やりましょう!親しくしているカメラマンさんも声かけますから」
ということで、井のなかへ行くことにした。
ちなみにU氏と親しくさせていただいた経緯は以前も書いたと思うが、D700を買ってしばらくして、室内で撮影をすると変な色かぶりをしてしまうというクレームじみたエントリを書いたときのことだ。実はその現象は、蛍光灯の下でISO感度を上げすぎると、シャッター速度が速くなり、蛍光灯がまたたく合間を撮影してしまい、結果、黄色い色かぶりがしてしまうというものだ。つまりカメラの問題じゃなくて、撮影者の知識不足。それをご指摘いただき、すぐさま僕もゴメンナサイ記事をアップ。
そうしたら、そのU氏の素早い対応をいくつかのブログが「顧客サービスの鏡」というように採り上げたのだ(この時ばかりは、視ている人ってホントいるもんだな、と思った)。そうしたら、そのエピソードがニコンイメージングの社長さんの耳に入り、、、「よくやったね」と。
ということで仲良くさせていただいているのであった。ちなみにU氏は僕のブログのずーーーーーっと昔からの読者さんである。「いつか当社のカメラを使っていただければと思っていましたが、ようやく使っていただくことになって、本当に嬉しい」と言っていただいた。ニコンという会社の奥ゆかしさを感じてしまうのだ。
で、そんなU氏が声をかけたのだから、いらっしゃるカメラマンさんも相応の方である、ということくらいは推して知るべしだった。前日のその方のブログは拝読したのだけれども、アップされているのはコンパクトデジカメの写真で、食べ歩き・飲み歩き中心の内容なので、そのご素性についてはあまりわからないままに当日を迎えてしまった。
そのお方とは、、、
阿部秀之さんである!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
■はい。阿部秀之です!
http://ameblo.jp/abe-hideyuki/
参った。大御所である。日本カメラグランプリの審査員でもあられる。
「いやー ちょうど今月の『月刊カメラマン』誌に、カメラマン仲間でいろんなメーカーのカメラについて辛口批評してる特集があるんで、読んでください!毎年この雑誌は、12月号が面白いんですよ(笑)」
といただいてしまった月刊カメラマン、むちゃくちゃ面白い!抱腹絶倒である。カメラメーカーからの広告が主な収入であろうカメラ雑誌に、ここまで書いていいの?という内容。いやー素晴らしい。
それにしても阿部さん、お顔を視ておわかりの通りものすごーくフレンドリーな方で、緊張気味の僕も嫁も、いつしか爆笑の海に連れて行っていただいた。ホントにエライ人って人格者だなぁ、、、とつくづく思ってしまった。
井のなかのラインナップは、お薦めメニューが出てきていたり、本格的な天麩羅をやっていた職人さんが加わったりして、また面白い展開になっている。豚肉も、鹿熊さんのところの肉だけではなく、富士宮のさの萬さんの肉なども使い始めていて、変化があって面白い。
阿部さんからの神の声。
「やまけんさんの写真、見せてもらいました。露出はきちんとしているので、あとはホワイトバランスですね。黄色がかぶっていたりするのが結構あるから、そこだけちゃんとするといいと思いますよ。ほら、ニコンのカメラだと、撮影後にカメラボディの中で色調整する機能があるから。」
と、ちょいちょいと撮影後の写真の色温度を調整してしまった。うーむ マニュアルみても実感が湧かない機能も、人がやっているのをみると目から鱗というのが多い。
あと、来年中に出るであろうと言われているペンタックスの中判デジタルカメラ、645Dについて、出たら買おうと思ってるんですという話をした。
「うーん 645Dもすごく佳いカメラになると思うけど、ヤマケンさんみたいにフィールドで機動的にぶん回すなら、ニコンのD3Xを買って、アオリができるPC-Eレンズのシリーズを揃えた方が幸せになると思うな。D3Xって、D3と同じボディですけど、中身は全く別物なんですよ。畑の写真を撮りたいなら、ぴったりです。」
うううううううううううううううううううううううううむ、そうなんですか!
また悩みが増えてしまった、、、
中判カメラが使いたい!というのは、撮像センサーのフォーマットが大きくなることによって、35mmサイズのカメラでは出せない圧倒的な解像感と大きなボケに期待しているのだけども、D3Xはそれを待つまでもなく佳い画質だということだ。んー 迷う。
そうこうしているうちに、阿部さんいろんなカメラを取り出して料理を撮影される。冒頭の写真で持っていらっしゃるのが、ニコンのコンパクトデジカメであるCoolpix S1000pjだ。噂の、液晶プロジェクターを内蔵したカメラである!
これも、正直言って「こんなの使うかよ~」と思っていたけど、撮ったはしから「ほら、こんなかんじ」とか、「昨日いった店はこれ」なんてプレゼンできるのがすごくいい! 欲しくなってしまった、、、
そして!
阿部さんが構えているのが、、、リコーが先日発表した、超・話題のユニット交換型カメラであるGXRだ! レンズ交換ではなく、レンズと撮像センサーが一体となったユニットごと交換するというコンセプト。ゴミは入らないし、センサーとレンズの関係も理想を追求できる。阿部さん、テスターとしてリコーから貸与されているのである。
着いているレンズは50mmF2.5マクロ! 僕がよく使う焦点であり、F2.5という明るさであり、しかもマクロレンズである! 人物写真のサンプルを見る限り、コンパクトデジカメでは絶対に出し得ない高品質な絵を出していた。ボケも綺麗。それがこんな小ささで実現するとは、、、
僕も触らせてもらった。正直、飲食店の室内の暗さだと、AFは全くダメ。いったりきたりして、合わない。けど、マニュアルモードもあるので、それで合わせる。EVFを着ければバッチリだろう。写りは、背面液晶画面でしかみてないけど、素晴らしいの一言! これ、欲しいかも知れない、、、リコーは、GR-Dの初代機を買ったものの、28mmという画角が自分に合わなかったことと、ノイズがひどく載るのにがっかりして、使わなくなってしまった。以降、リコー機が出るたびに「ありゃダメだ」と思っていたけど、これは久々に欲しいと思うカメラだった。阿部さんも「これはいいよ!」と仰っている。
いろんな料理が出てきたが、阿部さんもかなりの健啖家。そしてのんべえ。工藤ちゃんによる純米酒のお燗技にはすべて「う、旨い!」と声を上げておられた。よかったよかった、、、
実は工藤ちゃんもニコンユーザー。というか、僕に「アニキが使ってるみたいな一眼レフカメラ買いたいんですけど、何がいいですか!?」というので、そりゃあ貴方、D90でしょ、と買わせたのである。
「重くてなかなか大変です」
というが、、、それは単に撮影する動機がないだけだよ工藤ちゃん。可愛い子供を撮りまくりなさい!
本当に楽しい夜でした。Uさん、素晴らしい出会いの機会を創っていただいて、本当にありがとうございました!阿部さん、また呑みましょう!
そして数日後、中野サンプラザで行われた、ミスター・ニコンこと後藤哲朗さんの講演会に参加した。銀塩カメラ時代のニコンからデジタル時代のD3まで、第一線で開発に携わってきた中心人物だ(いや、だそうだというべきか。僕はコアなニコンマニアではなかったので、最近識ったのだ。)。
120名限定のこの会、中古カメラ販売の聖地ともいえるフジヤカメラが主催した会だ。今年は、不朽の名機であるニコンFが誕生してから50周年だそうだ。それを祝して、フジヤカメラが独自に、単独で、自分たちでお金をかけて、ニコンフェアをやってきたという。その仕上げがこの講演会だそうだ。フジヤカメラは、相当なニコン愛の会社であるらしい。
そもそもニコンの銀塩カメラ史上、プロ向けではこれが最後となるだろうといわれたF6が出た際に、「すばらしき暴挙」とニコン開発陣を讃えた広告をフジヤカメラが出した。それに感動した後藤さんが、開発チームを連れてフジヤカメラを表敬訪問。その夜は盛大に呑んだそうだ。
なんか、カメラの世界って、本当に人情とかで繋がっているんだなぁ、と実感。銀塩カメラのよき時代をまったくしらない僕にとっては、ちょっとあこがれてしまう世界だ。
この写真は、NASAが宇宙に持っていった仕様のニコンF。特別モデルを見せてもらった。むちゃくちゃな人だかりが出来て、遠巻きに撮影するに留まった。
そしてこれは、後藤さんが愛用しているニコンF。
渋い、、、
でも、オリンパスOM-4を買ったものの(そういえばフジヤカメラで買った)、ポジフィルム2本分撮影して、現像とプリントに出したら5000円以上もしたので、「こりゃ無理だ!」とあきらめて売ってしまった(またもやフジヤカメラに売った。先日店頭チェックしたら、もう誰かが買ったらしい)。そんな僕には銀塩カメラの佳さは永遠にわからないと思う。
先日、ある雑誌の取材でご一緒したカメラマンさんは、銀塩派であった。
「銀塩カメラには、可視光線以外のものもちゃんと影響された絵が写っているわけですよ。けど、デジタルだと、目に見えるものとして認知されているものしか認識されない。記録されないわけですよ。それは、やっぱり絶対的な質が違うんです。」
と仰っていた。
僕にはその是非はわからない。銀塩はやれないからなぁ。でも、仰っている理屈はよーく理解できる。
農業に例えてみれば、有機肥料と化学肥料の関係だ。化学肥料は、科学的に植物に有用とわかっているものだけを合成して作られた肥料だ。しかし、自然界にはまだその効能がまったくわからない要素も多々ある。有機肥料はそうしたまだ効能がわからないものも一緒くたになっていることが多い。だから、結果として出てくる農産物の味には影響が出てくる(もちろん、場合によっては化学肥料で作った方が美味しいということもあるけどね)。そういう話だと理解している。
でも、写真は面白い。ぜひ可視光線以外も写せるデジタルカメラを切望したい。それよりまえに、もうちょっと軽いフルサイズ判のデジタル一眼レフカメラを出して欲しいとニコンには言いたい! 重いと萎えるよ。どうぞよろしくお願いいたします。
中ヨークシャーというのは、豚の品種だ。牛に黒毛やアンガス、あか牛に短角牛などがあるように、豚にも様々な品種がある。世界中で肉豚として育てられているほとんどが多元交配豚。といっても多元交配という品種があるわけではない。純粋種と呼ばれる単一の血統の豚を掛け合わせて、それぞれのよい特性を持つ子を得るというものだ。
最もポピュラーな掛け合わせがLWDというものだ。
Lはランドレース種
Wは大ヨークシャー種
Dはデュロック種
まずLのメスにWの精液を人工授精する。そこから生まれた子供はLとWのよい特質を受け継ぐ交配豚になる。豚の場合はメス:オスの順番で表記するので、LWと呼ぶ。
このLWのメスに、Dの精液をつける。そうすると、LWDとなる。これが、世界中で最も経済性と品質が釣り合った品種だと言われている。
LWDが「一番旨い」とかそういうことじゃない。まず経済性というのは、養豚を行う生産者や販売業者にとっての経済性という意味だ。豚肉を買う消費者が販売時に受け入れられる価格が、生産やと畜、流通、販売をする人達にとって見合うかどうかということを突き詰めたときに、最も合理性が高いというのがLWDということである。
この合理性というのが、一般の人にはちょっとわかりにくいと思う。おそらく消費者としては「よくわからないけど、ぜーんぶ「黒豚」とか「あぐー」とか「イベリコ」とかにしちゃえばいいんじゃない?」と思うだろう。けれどもそうはいかない。ああいう確固としたブランドを有する豚の多くは、経済合理性からいうとかなり成り立ちにくい資質を持っているのだ。
例えば、沖縄の在来豚であるあぐーは、LWDに比べると非常に小型でしかも脂が多い。つまり精肉になる歩留まりが非常に低いということだ。ヘタをすれば2/3位は脂ということも珍しくない。
昔々は、動物性の油脂が非常に高価だったので、みなラードを採るために脂が分厚くなる品種を飼っていたし、血統もそうしたものばかり選抜していた(そういう豚をラードタイプという)。あぐーは脂も滑らかで融点が低く鳴りやすく、肉の部分もとても美味しい豚だけれども、100gあたりの単価をとんでもなく高くしないと釣り合わないのである。黒豚やイベリコはまた性質が違うけれども、飼うコストが高くついたりするので、やはり高くしなければ釣り合わない。
誤解を恐れずに言ってしまうと、美味しい豚というのは、作ろうと思えば作れるのだ。しかし重要なのは飼育時のコストに利益をのせて売ろうした値段が消費者に受け入れられるかどうか、の問題なのである。あぐーや黒豚、イベリコはマーケティングによって高価格が受け入れられるようになった希有な事例なのだ。
もうひとつ、品種の構成だけでは、美味しさは決まらない。僕は畜産においては、下記の公式で味が決まると考えている。
品種×餌×飼い方=味
つまり、よい品種構成をしても、餌がプアで育て方も不味ければ、佳い肉豚にはならない。その逆もまた然り。LWDという普通の掛け合わせであっても、餌と飼い方が高レベルであれば美味しくなりうる。
事実、日本には300以上の銘柄豚(「●●豚」とパッケージに表記されているもの)があると言われているけれども、その多くは普通のLWDを採用していて、餌の中身をグレードアップしたものが多いのだ。
だから、美味しい豚肉を選ぶと言うときには、品種と餌と飼い方に着目しなければならない。まあ、僕にもそんなジャッジはできないのだけれどもね。
さて、ここのところ中ヨークシャー種の復活の話題をよく耳にする。中ヨークシャーはイギリス生まれで、昭和30年代前半までは日本でもっともポピュラーだった品種だ。しかし昭和30年代後半の、日本の家畜(牛も鶏も含む)の改良が熱心に行われた時代に肉を生産する能力が高い品種が多数輸入され、中ヨークの生産は激減した。中ヨークは、肉質はよいのだけれども、脂が多く産肉能力も低いのだ。
ほんとうに日本における純粋種の中ヨークは絶滅危惧種とまで言われていたのだけれども、数年前からそれが「復活してきている」と言う話をよく耳にするようになった。それは「確かにそう言うことだなぁ」という理由で復活してきているのだ。
まず、LWD中心で経済合理性を追求してきた現在の豚肉が、合理性が高くなったゆえ、低価格化への一途を辿っているということだ。一時期のBSE騒動で豚肉価格は非常に上がったのだけど、そこから時も過ぎ、もう豚肉市場も飽和状態なのである。
そんな中、価格競争についていくことができない/または価格競争などしたくないという生産者さん達は、独自の路線を目指さざるを得ない。その独自路線の一つが「品種を選ぶ」ということだ。中ヨークは食味は非常に高く、生産自体も希少だ。高付加価値化の材料としては揃ってるじゃん、ということで取り組みが出てきたのだろうと思う。それも、全国で散発式に。おそらく現在取り組み途上のところも合わせると、再来年あたりには中ヨークの名前を沢山みかけることになるだろうな、と思う。
前置きが長くなりました。その中ヨークがらみで連続して二件、食べる機会があったので報告。
冒頭の写真は黒柳種豚場という、静岡県の浜松のほうにある種豚農家さん。黒柳琢生さんという。38歳だから僕の一つ下の学年だ。養豚関連の雑誌があるのだけども、そこの敏腕&キュートな編集者さんから僕の名前を聞いて、面識無しなのにいきなり電話をくれた。
「中ヨークシャーの純粋種を飼ってます。日本で一番うまい中ヨークにしようと頑張っているので、まず食べていただいて、評価をして欲しいんです」
ありがたいことにこういう依頼をよくいただく。断るはず、無し(笑) だいたい僕の実験基地である東京バルバリにて、小池シェフにお願いしていろいろと試作してもらう。今回もそうした。上京してもらい、京橋にて初対面。若くて意欲のある、実に前向きな生産者さんだった!
とにかく熱心に豚の話をしてくれる。彼の種豚場はお父さんの代からのものだが、彼自身が本当に豚の育種に力を入れていることが伝わってきた。
ちなみに、彼の中ヨークもいいと思うけれども、本業であるデュロックの種豚の成績が実にすごい。聞いてみたら、かなり有名なブランド豚の生産者に、種豚を供給しているではないか。ちょっとビックリしてしまった。

「でも、個人的には中ヨークで頑張りたいんです!
中ヨークシャーの系統は、私が知っていて現存しているものだけで10系統以上はあると思います。国内でもいろんな方が飼育されていますが、純粋種を肉豚として出荷する方は非常に少ないと思います。中ヨークを他の経済性の高い品種とかけ合わせた、交配豚の流通がほとんどではないでしょうか。
私の考えでは豚肉の場合、遺伝形質50%、飼料25%、豚の健康度20%、飼育管理5%位の割合で味が左右するのではないかと思っています。また中ヨークも品種の特性は共通して持ち合わせていても、肉として美味しい系統もあればそうでないものもあります。そして人の味覚も様々ですから、単に中ヨークといっても評価も難しいですし、何でも中ヨークが入っていれば差別化できるとは限らないと思います。
飼育頭数は少ないですけど豚にかける情熱・愛情・探究心は誰にも負けたくないと思っているんです!」
いいね! その勢い!
で、僕も彼の豚肉を始めてていただくのだけれども、小池スペシャルコースの始まりだ。
肩ロース肉と脂のミンチを使ったパテ・ド・カンパーニュ。肩肉は匂いが残りやすいけれども、臭みゼロ。脂の舌触りもいい。
小池君によれば、最近よくある淡麗系の豚肉より若干脂の融点が高め。でもきめの細かい、くどさのない脂で好感もてるということだった。
今回は内臓肉もドカンと送ってくれた。そのレバーパテ。
豚レバーは生育のコンディションによって匂いが強くなったりするけれども、これは実に純な風味。ネットリ美味しい。
高得点です。飼い方がよいのだね。
さて、フレンチの内臓料理の究極といえばこれでしょう、アンデュイエット!
豚の腸に、豚の内臓を詰めたもの。フランスで以前いただいたことがあるのは、くっさーくてちょっとすごかった。けど、小池スペシャルのこの中ヨークアンデュイエットは、クセもそれほどなく食べやすい。
「いや、実はかなり匂いを抜きました。来たままの状態の内臓はちょっと匂いが強かったです。ただ、匂いがあるのと臭いのとは違う。この中ヨークは野性的な血が残っているのではないか、その豚らしい匂いなのだと思います。句作はありません」
ということ。
バルバリは肉にコアな趣味をもつ人ばかりではなく一般のお客さんが中心だから、匂いをギリギリまで落とし、でも味があるという一線を目指さざるを得ない。それにしてもこのアンデュイエット、旨いよ。匂い消しだろうがニラが敷いてあって、それをあわせると絶妙。
さて、メインだ!
手前がロースで、奥が肩ロース。この時点で肩ロースの深みのある赤色が樹になるね。どちらも分厚い脂肪層がついているところが中ヨークのポイント。脂の表面側はカリッと仕上げて、内部はトロリとしている。基本的には低温調理的な質感。
ロース肉をいただいての感想だが、肉の締まりはいい。繊維のきめの細かさも実に高いれべる。脂は融点が少し高めと言うことだが、そのおかげか独特のさくさく、るりるり、とした食感がある。脂好きには堪らない味だと思う。肉の味は淡麗。黒柳君は淡麗系の豚に育てていきたいそうなので、その狙い通りの味はきちんと出ている。僕はもう最近、淡麗系の豚に飽きているので物足りないけどね。
しかし、奥にある肩ロースを一口食べてビックリ。風味がとても濃く、細くきめ細かい筋繊維のおりなす心地よい食感と相まって、極めて佳い!
「じつは肩ロースは脂の美味しくなる加熱タイミングと肉のそれとが微妙に違うので、ローストでは難しい。それで、ブレゼにしました。」
と小池君。細かな火入れをしただけの成果ががちっと出ているではないか。
いやー 断然、肩ですな。
「はい、僕自身、豚肉はロースやバラなどの、身体の内側の部位はそれほど好きじゃないんです。豚らしさが出るのは端っこの部位ですから、そちらを味わって欲しいなと思っているんです」
実はこの中ヨーク、肉豚としては非常に長い320日間の肥育をしているという。通常のLWDは270日前後だから、それに比べて味が乗るのは当然だ。しかしそれだけ飼うと、応分のえさ代がかかるから、諸刃の剣となる。今後この辺を何とかしていかなければならないわけだ。
小池スペシャルはまだ終わってなかった!カツカレー、、、(汗)
小池君いわく、「これくらいの薄さでしっかり熱をいれて脱水して食べるのが、この豚の一番美味しい食べ方かも知れませんね」とのこと。うん、そうかもしれないな。
「個人的には、肉が届いて少し試食した時、なんだか久しぶりに肉っぽさの強い、匂いのある豚だと思いました。けど、今日料理をしてみたら、熟成のせいかもしれませんが、しっとり淡麗系の特質ももっているとは思いました。なかなか面白いですね。あとは価格とのバランスだと思います」
まったくもってそう言うことだと思う。最終的にはお客さんが得る満足度と価格とのバランスが釣り合っているかどうか、に帰着する。
淡麗系の豚、つまり「脂がすぐ溶けてくどくないんです」とか「しゃぶしゃぶにしてもアクが出ない、透明感のある味なんです」というのが最近の銘柄豚の特色だ。全国、どこの試験場にいっても同じようなフレーズが多々出てくる。
けど、そういうのが多くなってくるということは、同じジャンルの豚は個性を出しにくくなるということでもある。そう言う意味では、淡麗系を狙おうとしている黒柳君の中ヨークは、いろいろと超えていかなければならないハードルがいくつかあるように思う。
けど、肩ロースの旨さはちょっとビックリした。中ヨークならではの脂の旨さも実によくわかった。なによりこれは中ヨークの純粋種なのだ。ラッキーであった。
できれば、デュロック種の販売でガンガン金を稼いで、中ヨークは趣味と割り切って無茶苦茶に高品質、一頭10万円で売れるようなのを目指す。当然、頭数は少なくなるけど、高級店に「それでもいいからくれ」といわせる位のものを目指したらどうかな、と勝手ながら言葉をかけた。
中ヨークを巡る冒険者、黒柳君の今後の活躍に期待。近いうちに、豚舎を見せてもらいに行こうと思う。
なお、今週中くらいなら、東京バルバリで同じ料理が食べられる、かもしれない。電話等で確認してみてください。
そして冒険者は、愛媛県にもいたのである。(続く)

この季節、ほぼ毎年恒例となってきたのが、岡山県高梁市の徳田君から「獲れたよー」という連絡。野生のイノシシの肉である。
「友人の猟師にたのんどいたのが、昨日ええのが獲れたっちゅうことで、これからさばくけど、いる?」
要るいる、いるよ! 欲しいよぉ!
僕が好きな肉ランキングは、一位が月輪熊、二位がイノシシ、三位がマガモ。イノシシの、特に若いやつは最高だ。しかも徳田君はなんと猟師から撃ったそのまんまをもらい、自宅にてしゃりしゃりとさばく。
「だってそう言う約束で安く譲ってもらうんじゃけん、そんくらいせんと」
と、吊るし切りをしたり置いて切ったり。いまではだいたいどんな動物も切り分けられるそうだ。
この眼鏡男が徳田君。市の職員で、彼が農林課の時に出会ったが、いまはなんと観光課。どんな小さな集落にも廻っている彼にはうってつけだ。
さて届いた部位はネック~ロース~ヒレにいたる部分だという。
部位の小ささをみるとすごく若いイノシシだ。肉に臭みはほとんどないだろうことが、みるだけでわかる。
みよこの美しき輝き!

我が家ではこの上質な部位が手に入った場合は、問答無用でカツに揚げる。
そのまま食べられるように、強めの塩と胡椒。ヒレ肉みたいな筒状の部位は長いまま揚げることにする。
じんわり弱火から揚げてゆったり火を通し、最後に火力を上げて衣をカラッと。そして長めの余熱で火を入れきる。
食べたことのない人にはわからないだろうけど、、、いやもう、半端じゃなく素晴らしい味なのだ!
野生の植物や人里の畑で餌を確保しているだけなのに、なんでこんなにも深い風味があるのだろうか。臭みは一切ない。肉質はとーーっても柔らかい!絶品だぁ。
あまり獣チックなものが好きでないうちの嫁も「美味しいぃ~!」を連発。素晴らしき体験であった。
ちなみに徳田君は市の職員をしながら、農家グループと様々な試みをしている。例えば、高梁市には短角牛がいる(笑)僕のブログを読んでいた彼から「短角を休耕田に話して荒れ地対策やりたいので、二戸の人を紹介して欲しい」と。杉澤君に紹介をして、仲介の労を執ってもらったのだ。
その時導入した短角達は、このとおり岡山の山の中で元気です!
その徳田君、明日からちょっと身体の故障で入院とのこと。全快を祈ってるよ!最高のイノシシ、本当にご馳走様でした。
愛媛県は東予・中予・南予と地域が区分されているのだけど、東予は大阪などに近いせいか商人気質が強いとされている。ちなみに僕が産み落とされた今治市もバリバリの東予。うちの母方のじいちゃんは今治市でドレメ(ドレスメーカーね)を始めた起業家で、やはり商才があったようだ。母が「むかしは使用人さん達を連れて山に登って、生えてるマツタケをすき焼きにして食べたもんだわ」というのがあまりに羨ましいものだった。
その東予は松山市から近い松前町に、ものすごい調味料メーカーがある。義農味噌株式会社、と書くと南都読むのかわからないだろうが、ギノー味噌と読む。
この義農みそ、実はある特定の業界で有名になりつつある。それは全国に13000店にまで増加した、農家やJAによる直売所の業界だ。この会社、各地の直売所向けに、オリジナルドレッシングなどを製造しているのだ。
今回、僕が関わっている、来年4月にオープンする大洲市の直売所のオリジナル調味料を作ってくれないか?という企画のための田中正志社長に会いにいったのである。いやー もの凄いバイタリティの方であった!
「あのですね、直売所は自分の地域の野菜や果物を活かした調味料を売っていかないと、意味がありません!大手メーカーの商品を仕入れて売ったって、スーパーと同じ安売り合戦になってしまうでしょ?柑橘が獲れる産地なら、ポン酢やドレッシングを自分の原料でつくればいいんです。」
でも、あまり大きなロットになると、作っても売り切れないかも知れないですよね?
「うちはたったの1000本から製造を請け負いますよ!それに、材料を安く買い叩くこともしません。その産地に根ざした特産品をおいしく食べてもらう仕掛けを作りたいと思ってますから!」
実はギノー味噌さんではすでに、四国以外の全国各地の直売所のオリジナルドレッシングを手がけている。商品を持っていくと、「うちのブルーベリー、なんとかならんかな?」「うちでは落花生作ってるんだけど」など、いろんな相談が舞い込むのだそうだ。
しかし、先にも書いたように通常はロットの問題が立ちはだかる。工場の利益が出るくらいの量は通常、数万本という単位が普通だ。それを1000本から引き受けるという! これは考えようによってはものすごく新しい製造スタイルではないだろうか。
さっそく、すでに爆発的に売れている商品をいただいてみる。
おいおいまじかよ、と声が出そうな「伊予柑ドレッシング」。いよかんですぞ、いよかん!甘すぎるんじゃないの?いやしかしこれがうまく調整されているのだ。ドレッシングとしてきっちり美味しい。
これは、東予でものすごい売上を記録している直売所「いよっこら」のオリジナル商品、たまねぎドレッシング。地元産タマネギを使用してるのだ。
定番の柚子ポン酢に、おろし大根を入れたもの。
柚子、橙(だいだい)、いよかん、すだちを使った4つの果汁入りポン酢「四果汁」。
どれも果汁の香りがきちんと残ったしあがりだ。
しかもこのメーカーの素晴らしいところは、ものすごく商品作りが面白いところ。例えば乳化剤などの添加物を使いたくないよ、という相手には「じゃあ寒天で代用しましょう」などと面白いアイデア商品を逆提案するのだ。寒天入りドレッシングは、寒天粒のとろみで簡単に乳化する。これはいいアイデアだ。
製造部長さんは大分の醤油メーカーで調味料開発をしてきたプロ。
「原料を預けていただければ、うちのほうで数種の味を作ってサンプルを試していただきます。どんなご要望にもお応えしますよ!」とおっしゃるのがすごい。
田中社長が「これは絶対にやった方がいい」とおっしゃるのが、ミニドレッシング。
ドレッシングを手のひらサイズの小瓶に入れたものを数種パックにして、開店時や催事に非常に安い価格で販売する。ドレッシングって、味がわからないと買えない。だったら、最初の垣根をグッと低くすればいいという発想だ。実際、これをプレゼント配布したりするところからリピーターが続出するらしい。
さて、大洲市の名産といえば、、、サトイモ、タマネギ、柚子あたりだろうか。いったいどんなオリジナルドレッシングができるのか、とても楽しみだ。田中社長、どうぞよろしくお願いいたします。
ギノーみその最新工場。ここで1000本単位の極小ロット製造も行われているのだろうか。全国の直売所を相手にするギノー味噌から、これからどんなオリジナル調味料が生まれるのか、楽しみにしたいと思う。

高知県にて。
高知はカツオのたたきを焼くのに稲ワラを使うから、稲刈り後の藁の活用度合いは高いようだ。
時期的に刈り干しも終わり、自家用の稲ワラを干しているのだろうか、写真のような風景が点在している。
ばあちゃんが、大豆を積んで乾燥させている。
「その大豆、品種は何?」と尋ねたら、「これはね、緑豆なんだよ」といってみせてくれた。
この辺では普通は緑豆はつくらないらしいが、興味があって植えてみたんだそうだ。
「あのね、その道のカーブの向こうに、樹齢のながーい柿の木があってね。写真撮る人がようくるんよ。いってみな!」
と教えてくれるけど、、、俺にとっては、ばあちゃんの方が絵になるよ。


初めてこの鈴木果樹園を訪れたのは2005年だから、もう4年が経過したのか、、、早いものだ。上野家族写真の前列右にいる長男の子が、僕の前で「びえっくしょん!」とものすごいくしゃみをした際に、長さ30センチくらいの長ロングな鼻水をデレーっと鼻から垂らしたのをみて、大爆笑したのを思い出す。昨日のことのように鮮やかにその映像が浮かんでくる(笑)
そんなこたぁどうでもよくて、今年もこの、山形県朝日町の和合平地区のリンゴをオーガニックサイバーストアで販売する。

先日、鈴木君からサンプルが送られてきた。かぶりついてみて絶句した。
「不味い、、、」
和合平のフジはパキンとした食感にほとばしる果汁が特徴なのだが、フカッとした柔らかな食感。しかも蜜の入り方がとても薄く、「蜜入り」として売るには難しいと思われるものだった。
どうしよう、、、これは販売を中止するしかないな、もうすでに注文が入っているものについては、お詫びして返金処理をしようと思いながら、鈴木君に連絡をした。
「いやぁ、やっぱりわかりました?あれはね、色味のサンプルとして送ったもんでね、旨く無いのわかってる樹のやつなんですよ。おなじフジなんだけど、樹が新しいの。だから、いつもの味じゃないんす。いつものやつは今週もぐから、すぐ送ります!」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおいいいい!
人を試さないでくれよ、、、
翌週に送られてきたものを割ってみた。
あの、スパキッという食感、ジュクッと染み出す甘やかな果汁。うん、これだよ。これならちゃんとお薦めできる。
ということで、旨いリンゴ、できてます。
どうでもいいことだけど、鈴木果樹園のお母さんが、誰かに似てるなぁ、と思っていたら、料理研究家の枝元なほみさんにそっくりなんだよな、、、(笑)