北大詣でで必ずお会いしたいと思っていたのが、我が師である坂下明彦先生だ。農業経済学の中で「協同組合論」という、いまとなっては実にニッチな研究分野の専門家である坂下先生こそが、僕を博士課程で受け入れてくださった恩師である。僕の卒業年に北大を退官されて、いまは北海道地域農業研究所の所長をされている。 農業の協同組合と言えば、日本では真っ先にJAグループ、つまり農協が挙げられる。いろんなメディアから「農協は農家から搾取している組織」「農協不要論」みたいなことばかり言われているので、一般からすれば「悪の組織」みたいな見方をされることが多い。でも、日本の多く...