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2003年07月10日

東京で現在最も旨いと思う蕎麦屋は虎ノ門にある

のざけんと昼食。最近蕎麦に目覚めたというので、東京では最も旨いと僕が思っている山形蕎麦の出羽香庵に連れていく。ここは、山形県庁の職員さんが「間違い無く旨い」と薦めてくれた店。そのときは山形に講演に行って、旨い蕎麦を食べさせろと言って2件はしごしたのだ。計7人前くらいの蕎麦を食べた計算になったが、マジで旨いので一気に山形蕎麦ファンになってしまった。東京でも食べたいと訴えたら教えてくれたのだ。ここはもともとは山形の名店「庄司屋」が、虎の門に山形のアンテナショップを出すので、恥ずかしくない蕎麦をということで出店したところ。従って、地元よりいい粉を使っているということだった。当然旨い。それまで虎の門・新橋界隈で僕が贔屓にしていた「竹泉」に行く気が全く無くなってしまったほどの旨さなのだ。
のざけんも当然ながら旨いと言って帰っていった。愛媛大学の講師になったわけだが、かなり充実した、予算的にも恵まれた環境みたいだ。よかった。

14:32 | Comments (0)

2003年08月25日

銀座の料亭は実はクラブだった、、、

某県の要職にある大学時代の先輩に、重要な人物が話を聞きたがっているというので、帝国ホテルに行った。事前になにも情報がなかったので、どこかの流通関連の社長さんとお茶でもするくらいかとおもったら、先方は3人で、そうそうたる企業の社長クラスであった。完全に不意打ちだ。僕の格好はジーンズに黒Tシャツ、ブルックスブラザーズのジャケットという超カジュアルであり、相当にばつが悪かった。
場所を移して飯ということになる。銀座8丁目、ニッコーホテルの裏手の5階、日本料亭のような名前である。入るとやたらに女の子が多い。でてくる料理はたしかに懐石だが、女の子がひっきりなしにサーブに訪れる。ほかにも客は入り出すのだが、どうも様子がおかしい。と思ったら一人の女の子が
「あの~ 女性はまだつかなくてもよろしいんでしょうか?」
と訊く。なーんだ。つまりここは懐石付きの銀座クラブだったのだ。招いてくれた人も関西の人で、知人に店を聞いたらしく、この趣向は知らなかったそうだ。一同爆笑。意図的にはまず体験できない、微妙な緊張感を味わった。
それよりなにより、某企業の社長さんたちの話が相当におもしろかった。1人の人は
「中国に200ヘクタールの土地を買って、日本ではできないことをやりたい。金以外の価値を尊ぶ社会をつくりたい」という。
もう一人の社長さんは
「新しい物流システムを関西に構築したい。力を貸して」という。
二人の仲のよい社長さん仲間で、お互いにまったく相容れない価値観の話をしている。おもしろい。でも、おそらくどちらの話にもあまり力にはなれないだろうな、、、と思うのであった。

16:51 | Comments (0)

2003年08月29日

蒲田「インディアン」のラーメンとカレーセットの深い旨味を感じた

午前中にトレーニング(ベンチプレス、ケーブルウェイトでローイング、ダンベルカール、そしてボクシングエクササイズ、最後にプール30分)を済ませ、会社に荷物を置いて髪を切りに行く。

なじみの美容師が店長をしている店が池上にある。わざわざ木場から池上に1時間かけていくのは、他の美容師と信頼関係を築くのが面倒だからだ。しかし、それ以外にも楽しみができた。

JR蒲田から池上線に乗り換えるのだが、その周辺に結構おいしい店が多いという。
まず気になったのは、支那そばとカレーが有名な「インディアン」。Webやラーメン本ではかなり有名。支那そばは魚貝系のスープで、透き通っているらしい。カレーはセットにでき、客のほとんどが支那そばと半カレーセットを頼むという。掲示板等をみると、「美味い」という評価と「スープの味が薄い」「カレーが苦い」というネガティブな評価に二分される。まあほとんどが美味いという評価だが。

そこで本日行ってみた。髪を切って気持ちよくなった後、まずは本店を攻めようと、池上の隣駅の蓮沼へ。駅前すぐに店発見。しかし!なんと定休日。うーんしかし張り紙によれば、蒲田西口の支店は営業しているそうだ。ではそちらへ。蒲田はあまり降りたことがなかったが、かなり猥雑な活気のある商店街があり、かなり俺好みの街とみた。気になる店が多いのだ。アーケードの商店街の中に、なんと富士吉田うどんスタイルのうどん屋を発見。「縁(えにし)」という店で、これはどこかで情報をみたことがある。かなり気になる!

そこを抜けると、怪しいタイ料理パブがあった。うーんタイ料理大好きの俺としては見逃せない。その2軒となりには、かなり大衆的な鰻屋があった。鰻とどぜうを食わせるらしい。うな丼1,180円。もうもうと立ちこめる鰻の脂による煙が、食欲を責め立てる。次回こちらから攻めてみよう。

さてその先に「インディアン蒲田西口店」があった。店にはいると食券販売機が。支那そばと半カレーセットが1000円だが、支那そばとカレーセット(つまり半カレーではなく通常の盛りのカレー)でも1150円だ。150円しか違わないのであれば、それは通常盛りを頼んだ方がいいではないか!ということでまよわず支那そばとカレーセット。

ここではまず支那そばが運ばれ、それを8割がた食べるとカレーが来るようになっている。4分ほどで支那そばが来る。噂通り澄み切ったスープ。ドンブリは持てないどころか、唇をつけられないほどに熱い。味は薄いのだろうか、、、とこわごわレンゲでスープをすすると、、、素晴らしい!これは味が薄いのではありません。旨味が強いので、塩分が控えめでも魚貝の出汁の味が前面に出てくるのです。美味い美味い。しかも大ぶりのチャーシューは煮豚系と思われるのに味が濃く、チャーシューをかじりながら麺をすするとちょうどぴったしなのだ。この構
成に落ち着くまで、かなりの研究があったのだろうと推察する。

そして、しばらく後に期待のカレーが!かなり濃く深いチャコール色。ご飯は、よくある半楕円の型ぬきをしてある。嬉しいことに福神漬けとらっきょうがとり放題(これは重要)。カレーを一口食べる。瞬間、焦げる寸前までじっくりと炒めたルーの芳香が鼻に抜ける。これも本当に素晴らしくオリジナルなカレーである。このカレーとスープを交互に口にするとさらに味わいが拡がる。カレーの主体が小麦粉のルーで、香辛料が突出していないので、スープとひきたて合うのであった。

ん~ とれびあん!

大満足して店を出た。そのまま駅に向かうと思いきや、やはり気になってしまい、富士吉田うどんの「縁」に入り、肉入りつけうどんを食べてしまった俺であった。結論:蒲田はスバラシイ!

16:01 | Comments (0)

2003年09月07日

門仲・極上の寿司をまさみさんと楽しんだ

 5年ぶりにまさみさんに会う。まさみさんは、僕が大学時代にやっていたヨガの先生である。ヨガというと、「身体が柔らかくなる」とかいう安易なイメージが流布されているが、そんなものではない。準備運動が腕立て伏せなどから始まり、強烈な体位(アーサナ)をとって内蔵に刺激を入れ、一定の呼吸を行うことでエネルギーを回していく。そうすると日常的には入らない刺激が身体の各部に入り、活性化していくのだ。僕はこのまさみさんのクラスに5年ほど通っていた。
 5年ぶりに会うきっかけは、彼女が出版した本を購入したからだ。「本気の扉」というその著書は、これまでも彼女から聴いていた話に、最近の彼女の境地が綴られている。人生に希望をもてない人や、何かしらブレイクスルーを必要としている人に紹介したい、インパクトの大きな本だ。何せまさみさん自身が、重病を煩っていたり、大きな問題を背負っていた人で、そこからヨガを通じて問題を克服してきたという歴史があるから、ものすごい説得力がある。

 5年ぶりに会う彼女をもてなすために、今僕が最も自信を持って人を招待できる店、門前仲町の寿司「匠」に連れていく。ここではいつも最初から握ってもらう。一つ一つのネタが真剣勝負である。

■寿司「匠」(門前仲町)
生まぐろ大トロ
あいなめ
いしがき貝
白イカ
金目鯛の昆布〆
ミル貝
コチ
白エビ
バフンウニ
生いくら
大トロ炙り

日本酒:るみ子の酒(三重県、純米酒)

 まさみさんは「全部美味しい!」と言ってくれた。あまり量を食べない彼女だが、平らげてくれて僕も嬉しい。今日は特にウニとイクラがよかった。匠では、ウニを軍艦巻きにはしない。勿論海苔でウニの香りが消えてしまうからだが、それにはウニの吟味が必須だ。ここのバフンウニは、ミョウバン液に漬けていない本物のウニなので、口に入れたとたんにとろける。濃厚なクリーム、と言っていい。最高なのだ。それとイクラは、今年度産の生イクラの初物だそうだ。イクラの初物なんて初めてだが、本当にフレッシュな風味で、いつも食べているのはやはり塩蔵品なのだな、と感じた。今日は板前の加藤ちゃんが張り切ってくれて、いくらは通常の軍艦の上に桂剥きの胡瓜を巻いてくれ、目にも涼やかだが口にするともっと涼しく風流な香りが通り過ぎた。文句なしだ。これだけ食べて、ビールと日本酒を楽しみ、1人6千円以下なのだ。築地・銀座を含めて今最も推薦できる寿司屋だ。

 寿司をたっぷり堪能した後、近くにあるバー「オーパ」にてカクテルを楽しむ。
 久しぶりにまさみさんに自分の甘い部分を指摘される。
「今いる場所、環境で自分を深めて行かなくちゃ、別の環境に移ったって同じことの繰り返し。3年かかて深めてきたことがまた最初からやりなおしになるから、薄っぺらいまんまよ」
「組織や人との関係をきちんと作っていくことに向き合っていかなくちゃ」
久しぶりのまさみさんの言葉は、誰よりも思いやりを感じる。やはり自分の背骨を自分で矯正するにはまだ未熟だ。こうやって観てもらうことが必要だと再認識した。

 最後の一杯はマティーニ。ゴードンのジンとノイリープラットのベルモットでドライに。ここのバーテンダーのエース格の兄ちゃんのマティーニは魔法のように滑らかで旨い。最後にレモンピールを絞る手つきは本当に手品師のようで、まさみさんが目を丸くして見つめている。
「なにあれ、おまじない?」
レモンピールの説明をすると、嬉しそうに「お洒落ねぇ、、、」とうっとりしてくれた。本当にお世話になった女性にこうしてご馳走させてもらえることがこんなに幸せなことだとは思わなかった。また招待しよう、と思った。

06:07 | Comments (0)

マリレン&オリビエ壮行会

 マリレンとオリビエが9日にフランスに帰国する。その壮行会で、お台場のZESTへ行く。集まった面々で僕が知っているのは加賀谷のみで、初対面の人ばかりだ。でも、皆とてもオープンマインドな人たちばかりで、すぐに打ち解けた。
 中でも面白かったのはMさんという人で、フランスにも行っていたが、アフリカのブルキナファソに行って、アフリカのドラムであるジンベを習っていたとのこと。ジンベは僕も持っていて学生時代に少しやっていたけど、アフリカまで行くことはなかった。今度、いろいろ教えてもらうことにした。

 ZESTのメキシコ開拓風料理はどれもそつなく旨かった。しかも一人3000円くらいで、びっくりするほど安かった。
 終盤、マリレンとオリビエに、持参した日本茶をご馳走する。もちろん僕がいつも扱っている、静岡の葉桐の茶で、本山の築地勝美さんが生産した「やまかい」という品種茶だ。この茶は、やぶきたなどの品種と比べ、濃いダシのような旨みが抽出できるのが特徴。しかも今年度産の築地さんの茶はすばらしい出来で、フルーツの香りがする。ZESTの店員の兄ちゃんに湯をもらいたいというと、ポットで快く持ってきてくれた。ナイスガイ。60度程度まで湯温を下げ、2分ほど抽出する。オリビエ、マリレンとみんなも、茶を喜んでくれた。もうすこし時間をかけるか、湯温を上げたほうがよかったかもしれない。

 面白い出会いと別れが交錯する。でも、フランスにすぐに会いに行くぞ。

23:43 | Comments (0)

2003年09月08日

久しぶりにカフェハイチのドライカレーを食す

 大崎のゲートシティにて仕事。3時に終了後、昼食を抜かしてしまったので店を物色していると、なんとゲートシティ内に「カフェハイチ」を発見してしまった。カフェハイチは、もともと新宿にあるハイチ家庭料理の店なのだが、最近はいろんなところに展開しているのをみかける。学生時代、ヨガで新宿に週二回通っていた頃は、2回ともこのハイチで食べて帰っていたものだ。ハイチ料理といっても、中軸になるのは看板メニューのドライカレー。ほぼ水分が無くなるまで炒め込まれた挽肉カレーがご飯の上にのっているだけのものなのだが、この味が他では味わえないものなのだ。濃い茶色の具には挽肉とタマネギしか見えないが、スパイス含め、謎の工程に満ちあふれているはずだ。一回目はピンとこない味なのだが、3回通うと癖になってしまうのだ。ルーの持ち帰りができるので、学生時代に何度も持ち帰り、同じ味を出そうとチャレンジしたが、どうしてもたどり着けない。しかもこの店、カレーとビッタシ合うご飯を用意している。粒のエッジが立っている、蛋白が少な目の米だ。単純に美味しい米と、カレーに合う米というのは意味合いが違う。ハイチカレーの米は、ここのドライカレーに最適化された米だと思う。ということから、下手にまねをするよりハイチで食べるのが一番だという結論に達したのだった。

 久しぶりに入ったハイチ(大崎店)だが、レシピは同じでも店舗により味の違いがあるはずだ。それも念頭に、やはり頼んだのはドライカレーとハイチコーヒーのセット。このコーヒーが、深入りのオールドビーンズのようなコクのある味わいで、カレーとの相性が絶妙なのだ。
 カレーが運ばれてくる。器の柄も、中央にこんもりと盛り上げたご飯も、それを覆い隠すようにトップに塗り込められたドライカレー、そしてその上にかかるドライパセリの緑の色彩も昔と同じだ。味はといえば、なんとなく特有の香りが薄いかとも感じたが、これは記憶の誤差範囲内だ。旨い。すごく懐かしい。
 カレーを食べ終わるいいタイミングで、コーヒーが運ばれてくる。これについてくるブランデーを少量加えると風味が増す。僕はいつも10回振る。ただし大崎店のコーヒーは、独特の風味が薄くなっている。普通っぽい味と香りで、少し残念。

 とはいえ、この味と満足感は代え難い。僕の胃袋からすると少な目の量なのだが、これは食事というより「おやつ」だ。それもすごくほっとするおやつなのだ。チャージさせてもらった。ごちそうさま。

カフェハイチ 大崎ゲートシティ店
ドライカレーとコーヒーセット 850円

06:33 | Comments (0)

2003年09月11日

今、東京で最も旨いと思う蕎麦屋の画像をアップ。

 以前の記事に、この店のことを書いたが、蕎麦にはウルサイ人が多いので、もうちょっと詳しく書いておきたい。

 新橋・虎ノ門周辺に行く時には、満腹であろうとなんだろうと寄ることにしているのが、最上質の山形蕎麦を出すこの店「出羽香庵」だ。何と言っても、山形県がアンテナショップとして出しているスペース内に出店しているのだから、県としても最も自信のもてる布陣を敷いてきたと考えてよい。そう、この店は地元の名店「庄司屋」の出店なのだ。その上、県庁の人が「地元より旨いかも」と太鼓判で推薦してくれたので、まずいはずがない。
 新橋・虎ノ門界隈には蕎麦の名店が多く、僕も好きな店が沢山ある。しかし、この店で食べてから、周辺の店にはほとんど行かなくなった。一度、この出羽香庵で大盛を食べた後に、もう一つのお気に入りにハシゴして、そこでも大盛を食べたのだ。しかし粋で勝負しているはずの江戸前の蕎麦なのに、出羽香庵と比較すると、愕然とするほど野暮ったいのだ。以来、ぴたりと他の店に入らなくなった次第。

 この出羽香庵の画像をまだアップしていなかった。ちょうどいいことに、農協関連の団体の方々と昼飯を食べようということになり、この店に決めた。撮影撮影。
 この店に来る際には、時間帯を選ばないといけない。12時になると、周辺の蕎麦好きビジネスパーソンが押し寄せ、果てしない行列になる。ので、11時50分には入店することが望ましい。もしくは、1時以降だ。今回も11時45分に待ち合わせ、比較的スムーズに入店。ちなみにこの店、外観はほんとに展示会のブースってかんじのチープなつくり。食券制で、券売機で買って入店することになる。何にしようか、、、今までここでは、板そばか大盛板そばしか食べていない。本日はかき揚げを単品で頼んでみることにした。

■そば処『出羽香庵』
〒100-0013 東京都千代田区霞ヶ関3丁目8-1
虎ノ門三井ビル 1F
TEL:03-3504-8715
FAX:03-3504-8744
営業時間:AM11:00~PM7:00
やまがたプラザゆとり都内
休業日 土・日曜日・祝祭日・年末年始
地下鉄:銀座線虎ノ門駅(3番出口)から徒歩1分

板そば 900円
大盛板そば 1200円
かき揚げ 400円
itasoba.jpg

ピークタイムにはものすごい速さで茹でられているので、すぐに出てくる。画像ではそばの上に一本、赤い線が入っているのがわかるだろう。これは備え付けの七味だ。一般品にくらべとても香りのよい七味で、これをこのようにそばの上で一文字に線を引き
、そばをすすると、香りと辛みが最高のマッチングなのだ。
 ちなみにそば屋にしては高い値段設定だが、盛りは普通盛りでも通常の蕎麦屋のセイロ二枚分くらいなので、許容範囲だ。

 で、この店、つゆが実に旨い。江戸前そばとの違いは案外ここに集約されるのかもしれない。これは全くの私見だが、そばづゆは、北に行くほど雑味の少ない、透明感のあるストレートな味になるような気がする。福島のてんぐ屋の女将が打つそばもしかり、岩手県紫波郡のロードサイドにある名店「はらぺこ亭」もしかり。このつゆで、湯ごねの麺をすすると、その剛直かつしなやかな太さのそばに程よくからみ、品のよい味の強さで迫ってくるのだ。

 ただし、この日は色気をだしてかき揚げを頼んでしまった。これは失敗。ここのかき揚げ、単品ならいいかもしれないが、そばと合わせると、そばの存在感がなくなる。かき揚げの具にホタテが入っているのがバランスを崩す要因となっていると思う。残念だ。

 次回はシンプルに、大盛板そばで攻めよう、と思いつつ去るのであった、、、

19:48 | Comments (2)

2003年09月13日

石川杜氏と「山利喜」へ行った

 今夜はとても密度濃く、長い夜だった。一言でいうと、

「名門酒造の杜氏とともに、江戸前の名居酒屋と、飛ぶ鳥を落とす勢いの焼き鳥名店で痛飲・痛食した。」

ということになる。行った店は「山利喜」そして「バードコート」だ。

 一緒に食い倒れたのは、純米酒業界ではおそらく知らぬ人のいない、広島の名門「竹鶴」の若き名杜氏、石川達也氏である。何でこんなすばらしい方と知り合えたかというと、僕は竹鶴酒造の次女とマブダチで、学生時代に熊本の師匠の農場に行く前に、よく寄って飯を食べさせてもらっていたのだ。その頃、石川杜氏はあの生きる伝説の蔵元「神亀」の修行から、実家のある広島のこの酒造に移ったばかりだったと記憶している。以来、つかず離れずだが、最近とみによく会い飲み食いするようになってきた。本日も、あるイベントのために上京するので、ついでに飲み明かそうという算段だったのだ。
 昼間、別件で本郷の喫茶「ルオー」にて食事。ここの看板「セイロンカレー」は間違いなく正統派喫茶店カレーで、襟を正したくなるような筋の通ったやさしさのある味だった。大盛りを食べ、まだ時間があるので、いったん体制建て直しでそれぞれねぐらに帰り、体調を整えてから、出陣。

 一軒目は下町・森下を攻める。大江戸線・新宿線の出口を出てすぐのところに、名店が密集している交差点がある。甘めの味噌味ダレで馬肉を供する桜鍋の「みの家」、下町の蕎麦屋を語るときに欠かせない名店「京金」、劇旨カレーパンの「カトレア」、そして名居酒屋「山利喜」、、、「魔のトライアングル交差点」と言っていいだろう。
 目指すのは、石川杜氏も私もまだ行った事の無い「山利喜」だ。←この公式HPには、ダウンロード可なメニューのPDFがある。
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19時の時点ですでに店外に6人ほど並んでいるゾ、、、人気店である。5分ほど待つと、2Fni相席で通される。目に入ったのは、壁の端から端まで並んでいる、勢いのある品書き短冊。ここの短冊の勢いは良い!期待感をあおる。
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■山利喜(森下)
焼きトン6本盛り合わせ
青柳とワケギ、ウドのぬた
煮込み
ガーリックトースト
青菜おひたし
なすの冷製ゴマ和え
小鯵唐揚げサラダ仕立て

 まず、運ばれてきた焼きトンにノックアウトされる。タレは粘度が高い独特のものだが、甘すぎず旨みが濃い。これに添えられているのはなんとマスタードである。このマスタードがかなり利きがよく、鼻にくるのだが、ワインビネガーが香る上質なマスタードだ。これを焼きトンの串につけて頬張ると、普段の串焼きとは次元が変わる旨さだ。

20030913_01.jpg

 ここのお勧めはブーケガルニを使用しているという煮込み。ガーリックトーストを添えるとよいと書いてある。小さな土鍋に盛られてきたその煮込みは、フツフツと沸いている濃褐色のシチュー。油膜が分離しているのがはっきりわかる濃厚さだが、モツ(←シロだと思う)を口に運ぶと、以外にあっさりしたアタリだ。小口切りの葱とモツ片の相性は最高。嚥下する瞬間ふと、ハーブの香りが通り過ぎる。これがブーケガルニの効用か。お勧めのガーリックトーストをドロドロの汁に浸して食べると、これは最高な酒のアテである。
20030913_01.jpg


 ちなみに酒は、新潟の正統派本醸造の「鶴の友」。アル添していても旨いもんは旨いという好例だ。その後、品書きにギネスの樽生があるのを発見し、速やかに注文。最後は上喜元。
 この店の料理は、ハズレが無い。石川杜氏と分析した結果それは、ちょっとした一手間のかけ方が心憎いほど上手いのだということになった。例えば青菜おひたしには、ほうれん草だけではなく京菜、菊の花など数種の青菜が用いられている。それらを単に皿に盛るのではなく、出汁で洗い、供している。当然微妙な歯ざわりとほのかな鰹出汁が香り、絶品のおひたしになる。それと、料理全体に言えるのは、控えめと派手の境界線上にある、絶妙なバランスの味付けなのだ。鯵のから揚げの甘酢の塩梅(あんばい)もそう。

 、、、ただし、本日のメインは、あくまで2店目の「バードコート」。銀座「バードランド」で修行した野島さんが北千住に開き、すぐに予約の取れない店になってしまったという伝説の名店だ。この日も、石川杜氏が電話をすると「うわー9時半からしか空いてません」と言われてしまう。それでも行くということにして、山利喜で下地をつくっていたのである。しかし想像以上に山利喜が良かったので、これ以上居ると下地以上になってヤバイということで、北千住への移動をはじめる。〆て9500円。大満足である。
(バードコート編に続く)

01:15 | Comments (0)

石川杜氏と「バードコート」へ行った

(一つ前のエントリから続く)

 さて、森下の名店「山利喜」から北千住に移動。その昔、ヘンリー・ミラーの小説「北回帰線」をもじって「北千住回帰線」なるパロディを書こうとしていたことを思い出す、、、

 北千住はバリバリのダウンタウンだが、目指す地鶏焼き「バードコート」は、銀座にあっても不思議のない店だ。超有名人気店なので、知っている人も多いだろう。銀座の名店「バードランド」で修行していた野島さんが独立して開店したのがここ「バードコート」なのだ。
 そしてもう一つ縁がある。今夜いっしょに飲み食いしている「竹鶴」の杜氏である石川達也さんは、大学生の頃に無名時代の「バードランド」で働いていたことがあるのだ。

「いやあ、あの頃のバードランドを知っている人間からしたら、頂点に駆け上がるのは時間の問題だって思えるよ。当時からそれだけの価値がある店だったよ。一流の店になることを目線に置いていたから、最初から目指すところが違っていた。」

 そして「竹鶴」も今や地酒界のスターになっている。すごい縁というものだ。今から伺うバードコートの野島さんとは一緒に働いてはいないとのことだが、店には「竹鶴」が置いてあるという。北千住の駅前をしばらく歩くと、以外に周りにとけ込んだ風情で店がある。入店すると、もうギュウギュウに人が詰められている。その中で2人分、焼き手の野島さんが炭火に向かっているリングサイドの席に通される。

 驚いたのは、決して広くはない厨房内に立ち働く人が6人と多いこと。サービスは野島さんの奥さんの千寿子さんが一人で担当している。厨房内では、焼きの一瞬も逃さぬ緊張感に満ちている。野島さんが霧吹きで串に調味液を振り、備長炭にかざす。串は最適な温度(すなわちアツアツ)のまま、即座に客の前に並べられている。スペシャルリングサイドにいるので、僕たちには直接焼き手である野島さんから皿を出して頂く光栄。
nojima.JPG
■バードコート (北千住)
豆腐
地鶏刺身
砂肝の煮こごり
自家製レバーペースト&パン
豆腐の味噌漬け
地鶏焼き(7~9種)
親子丼
鶏雑炊

酒: 小笹屋竹鶴(雄町12BY)
    神亀(12BY)

 ちなみに地鶏は大好きで、色々食べてきた。宮崎の地鶏料理が好きで、常に地鶏の腿焼きとタタキを食べたいがために養鶏農家と友人になったこともある。最近最も旨いと思ったのは、駿河若シャモ。このシャモ、生産量が少なすぎて出回らないのだが、これを岐阜の料亭の友人に紹介したら、鶏嫌いの板前が「旨い」と言っていた。いや、ま、つまり「俺は鶏にはうるさいんだぞ」と言いたいのです。スンマセン。ちょっとやそっとではビックリしないよ、と思いながら席についていたのである。ちなみにこのバードコートで仕入れているのは、奥久慈シャモという地鶏だ。これは初めていただく。
 で、最初に結論を言うのもなんだが、、味わううちに、このバードコートは、焼き鳥としていただく店ではないと思った。同様の意見は多数の方がもたれているようだが、極めて洗練された地鶏創作料理の店と言った方がいいと思うのだ。

 まず驚嘆したのが前菜で出てきた砂肝の煮こごり。煮こごりのゼラチンが無色なので、醤油で煮ているのではないことがわかる。薄塩のガラスープで軽く煮て、そのまま冷やしているのだろう。しかし異様に大きな砂肝である。噛んでビックリ、ちまたの砂肝によくあるジャリ感が全くない!レバーと一緒に付いてくる肝の感触のような、もっちりした歯触りなのだ。独特の香りも押さえられていて、上品極まりない。色々食べてきたけど、こんな砂肝は初めてなんである。
nikogori.JPG
これは当然、串のほうも旨かろう、、、と思っていると、すごいのが出てきた。デカイのである。鶏は今まで自分でもさばいてモツを観てきたが、こんなにでかい砂肝は初めて観た。もちろんデカイだけではなく旨い。噛むと、表面の軽い焦げがカリッとしたクリスピー感を出しているものの、後はスーッと歯が通る柔らかさで、ジュワッと肉ジュースが染み出してくる。これは文句なしに旨い、、、
 この砂肝の印象が強く残ったのだが、他にもソリ、ペタといわれる、滅多に出てこない部位や、適度に脂を落としてこんがりと焼いたボンジリなど、貪るようにいただいた。首肉の部分は、そのシコシコした食感と濃い味に涙が出そうになった。
sunagimo.JPG

 総じてこの店の串はあっさりと塩味で食べさせる形式だ。鶏に脂が乗ってはいるものの、それをしつこく感じさせない調味をしている。最後のつくねはタレと黄身で食べさせるが、僕にはもう少し下品でもいいかなと思う上品さだった。勿論、その上品さは味を損ねるものではない。一本の文脈としては完全である。
tsukune.JPG
 〆は親子丼と雑炊。親子丼は、これも非常に上品な味。コースの流れの〆として、一つの完成形を体現しているのは確かだ。

 タップリ頂くと、周りのお客さんはみな帰り、石川杜氏と僕、そして野島さんご夫妻と店の人たちとでの語らいが始まってしまった。野島さんが、静かに石川杜氏をリスペクトしている様子がよく伝わってくる。とても実直な語り口でにこやかに話される。一流の人間に共通する、あの謙虚さが確実にある。

「僕は知識がまったくないところから出発してますから。色々教えてください。」

とんでもない話である。僕のことを石川さんが紹介してくれ、野菜の話になる。

「焼いて美味しい野菜ってのを色々試したいんですけど、なかなかいい農家さんに出会えないんですよね、、、」

そういう話ならば得意である。いろいろとご紹介することを約束する。とてもよい出会いをいただいた。勘定をお願いしようとすると、受け取ってくれない。石川さんに付いてきてバカ食いして、ご迷惑をおかけした。本と野菜を送らねば、、、

 店をでて、我々の姿が見えなくなるまで見送ってくれるスタッフの皆さん。いい店だ、、、きちんとお返しをしようと心に決めた。

 最後に石川杜氏、どうもありがとう。また飲みに行こうネ。

22:17 | Comments (0)

2003年09月19日

新宿「日ごろ」で原田夫妻と飲む

 出先で仕事が終わり、京王線で新宿経由で帰ろうとするが、何か無性に飲みたくなる。HP勤務の友人である原田君に電話すると、嫁さんと山手線に乗っているという。
「じゃ 30分後に新宿で」
となり、彼らの行きつけの店「日ごろ」に向かう。新宿の端のそのまた奥の方にある小さな家庭料理の店なのだが、沖縄出身と京都出身のオネエサンが作ってくれる料理は酒のアテとして一級品なのである。

■日ごろ
新宿区西新宿7-16-2
TEL:N/A

 特にここで旨いのは、原田君が「オフクロと同じ味だぁ」というハンバーグ。コンガリと焼かれたぽってり肉塊に、自家製のドミグラスソースがかかっている。このドミソースが半端ではなく旨い。いわゆる凝った洋食屋の旨さではなく、ムチャクチャ高級なおふくろ料理という風情なのだ。このハンバーグで丼3杯はイケル。
 もう一つ出色のできばえなのは、なんと子持ち昆布のフライ。そんなの食ったことないではないか!と食べてみたら本当に卒倒しそうなほど旨かった。子持ち昆布を正方形に切り、それを3辺重ねる。これにみっちりと卵とパン粉をまとわせ、弱火でじっくりと火を通す。この火の通し加減が絶妙で、きちんと脱水されていて、味がギュウギュウと凝縮されている。昆布の卵ひとつぶひとつぶにホッコリと火が通り、ぱりんぱりんと噛み締めるたびに幸せな音を弾けさせるのだ。うう、ホントに旨い、、、これを作るのが実に面倒。厨房では、鮮度を落とさぬために海水に漬けて保存。注文を受けると、5分ほど真水に漬けて塩抜き。その水気を丁寧に拭いて重ね、串に刺し、揚げあがったら余分な油分をペーパーにすわせて、ようやくサーブ。これほど手の込んだアテはなかなかないだろう。本当に気が利いている。

 ちなみにご存じだろうか?子持ち昆布とは、実はニシンの子をワカメに人工的にくっつけたものなのだ。昆布と言いながら実はワカメ。本日のトリビア。40へぇ~くらいかね。

 その他にもたらふく食べて勘定。店を出てすぐのところに博多ラーメンの「天神」がある。どうにも引き寄せられ、ネギ海苔ラーメンで替え玉を2杯。もっと食えるけど、明日から熊本出張なので、胃を空けておこう、と帰ってこれを書いてます。

 そう、明日から熊本出張! 食い倒れ実況中継をお楽しみに、、、
 原田君、また飲みに行こうな!

00:29 | Comments (4)

2003年09月24日

ペルー料理「インティラミ」にてアンティクーチョにKOされる

 友人とペルー料理を食べに行く。店は、川崎のインティライミである。この店は友人の柴田さんに教えてもらった。彼は静岡県の家畜衛生保健所というところに勤務する獣医さんだが、大の食いしん坊であり、僕の静岡地区の食い倒れ先導者である。ベルマーレ平塚ファンと同時に南米サッカーファンで、首都圏の南米料理の店のほとんどを知っている。そんな彼がお薦めの店なので、間違いないはずだ。
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インティライミ
アンティクーチョ(牛ハツの串焼き)
セビッチェ
セコ・コン・フリホーレス
アロス・コン・レチェ(米をミルクで煮たデザート)
ペルービール
インカコーラ

 まず最初に、僕がペルー料理で大好きな「アンティクーチョ」。牛ハツの串焼きだが、ハツを漬け込むスパイスが最高で、どんなステーキよりも旨いと思う。これにパセリとニンニクを刻んだ薬味を乗せて食べると、ビールが停まらずヤバイことになる。
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 セビッチェは、南米版お袋の味噌汁的位置付けで、むこうではこれを上手く作れないといい嫁さんになれないというそうだ。しかし実態は味噌汁ではなくたっぷりの白身魚とたまねぎ、香菜を大量のレモン汁で味付けしたマリネだ。実に酢が利いていて最高。僕は汁まで飲んでしまうのが普通だ。この店、味もいいが、盛りがまたよいのも気に入った。
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 ジャガイモのマッシュにチーズクリームソースをかけた定番の一品の後、ご飯ものとしてしばし逡巡する。友人の柴田さんは
「アロス・コンポージョがいいよ」
と言うが、さんざん迷った挙句、セコ・コン・フリホーレスという、牛肉シチューと豆の煮込みをご飯にかけたものをオーダー。牛肉の塊がごろんと3切れ乗るその豪快にしてマイルドな煮込みを食べると、さすがの僕もおなかにキタ。珍しいことだ。アロスコンポージョは次回にしよう。店員の対応もよく(おそらく、僕から話し掛けていたからだと思う)、大いに気に入った。
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 一緒に食べた友人はフランス語堪能で、ブラジルのカポエイラを習い、かつアフリカのブルキナファソまで出向いてジンベ(西アフリカのドラム)の修行をしたというツワモノ女性である。彼女にはジンベのすばらしい音源を借りた。旨い飯と良い友と良い音楽。言うこと無い祭日だったのだ。

00:35 | Comments (3)

2003年09月25日

赤坂の料亭で珍しい蕎麦を食べた!

 酒を3合飲んで酔っ払っている。にもかかわらず書くのは、残したい料理に出会ったからだ。

 なぜか料亭で旨いものを食べたことがあまりない。料亭だと旨いに決まっていると先入観があるからだろうか。もしくは、自分ではお金を払わない(失礼)からか?もちろん中には、日本橋「ゆかり」のように超絶技巧に裏打ちされた日本料理の粋を、手ごろな価格で味あわせてくれる料亭もあるが、少数だと思う。

 そして今日、赤坂の料亭「浅田」に行った。某企業の面白いおっちゃんが、その出身地のためになにかプロモーションなりをしたいということで、彼の知る面白い企業の人間を呼んでの会食だ。会食自体の内容も面白かったが、ここでは述べない。また、締めの蕎麦に至るまでに並んだ料理についても述べる必要を感じない(焼き鱧と甘海老しんじょとマツタケの椀に、鯛のオカラ蒸しは旨かった)。しかし圧倒的に驚いたのは、蕎麦だ。
「美味しいお蕎麦が出ますよ」
と美人仲居さんが言う。出てきたのはおそらく二八の割合で打たれた太麺。それはいいのだが、薬味と一緒に盛りづゆが二種出てくる。ひとつは通常の返しを使ったものだが、もうひとつはほぼ無色の汁だ。
「こちらは、昆布出汁に塩のつゆです。結構人気があるんですよ。」
 正直言うと、こういうところで塩を押し出すのは好きではない。どっちかというと醤油の発酵味と香りでグイグイと蕎麦を手繰っていきたいと思ってしまう。けど、せっかくだし,,,と思い、この昆布出汁のつゆで蕎麦をすすってみた。

やられた、、、

 実に旨いのである。昆布は羅臼か。一晩水に漬けて濃い味の出汁を引き、濃縮させているようだ。旨味成分が溶出している割に、ぬめりと生臭味が出ていないのが料亭の技か。さらに塩で味がついているわけだが、この塩梅が実にナイス。塩梅というくらいで、塩というより醤油のような旨みを感じさせるのだ。そしてつゆだけではなく蕎麦もかなりレベルが高い、歯ごたえがしっかりとしており、江戸前の食べ方ではなく、ムチャムチャと噛んで楽しむのがいい蕎麦だ。
 通常の鰹とかえしの盛りづゆで試すが、こちらは今ひとつと感じた。鰹の香りが濃いのはいいが、かえしに使われている醤油の香りが引き立ってこない。ここで失敗をしてしまったのが、
「昆布だしと鰹だしを合わせると旨いのでは?」
と思い、混ぜてしまったことだ。大失敗だった、、、全然旨くない、長所を相殺しあってしまう。
そこをすかさず美人仲居さんが
「おかわりいかがですか?」
ときたので、また大盛りでお代わりをする。今度は最後まで昆布だしで食べた。
その後出てきた蕎麦湯は、そば粉が足してあり、かなり濃い蕎麦湯で実にすばらしかったのである。

 そこで耳より情報。美人仲居さんによれば

「このお蕎麦は昼もやってます」

とのこと!料亭で飯を食べてしまうと支払いが大変なことになるが、ランチなら手頃。
今度、酔っていないときに出陣を決めた。しばらく山形蕎麦にはまっていたが、加賀蕎麦もイケルのである。赤坂に在住の人はぜひ行ってください。

00:20 | Comments (0)

2003年09月29日

四ツ木「伊勢芳」は腹いっぱいだ。

 兄弟分の工藤ちゃん、その弟分の浅見君、雑誌編集者の神吉さんと一緒に、四ツ木の大衆酒場「伊勢芳」に行く。ずっと前から工藤ちゃんが「とにかく盛りがいいから連れて行きたい」と言ってくれていた店だ。特に有名と言うわけではないが、とにかく安くて盛りがよくて旨いらしい。それは俺向きなのである。

 とにかく車を走らせ、葛飾区四ツ木に。店に入ると、あの「山利喜」を凌ぐほどにびっしりと壁に貼られた品書きに圧倒される。非常にいい感じだ!
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■伊勢芳
上まぐろ刺身
カンパチ(活け〆)刺身
小柱刺身
ツブ貝刺身
モツ煮込み
エビフライ
アジフライ
天ぷら盛り合わせ
ぬか漬け
オコゼの塩焼き
イカ焼き
鶏唐揚げ
ナス揚げ
あさりバター炒め
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これに、各人がご飯を食べて(おいらは大盛りご飯を二杯食べましたゴメン)、一人4000円である。やっすーい。特筆すべきは煮込み。およそ煮込みっぽく無い風体で供されるそれは、味噌味がこってりとしており、適度に下品で旨い!神吉さんもむちゃくちゃ気に入っていた。
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それときゅうりとナスのぬか漬けは、ちょっと見ないくらいに古漬けである。酸味が強く、劇ウマだった。
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刺身類も鮮度良く、それなのに一皿500円程度で、びっくりしてしまう。
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いい店だ。こういう店がある限り日本で生きていける、、、

00:47 | Comments (1)

2003年10月03日

絶対に教えたくない店をお教えしよう。

 さて、気合いを入れて書こう。皆さん、この記事は読んでおく価値がありますよ。

 間違いなく現在、東京において最も注目すべき寿司屋がある。なんと僕の会社から100メートルほどしか離れていない、小さな店なのだが、、、この店、あまり教えないでおこうと今まできたが、とうとう雑誌に出てしまうことになった。そうなると悔しいので、誰よりも先に僕がこの店のことを書きたい。ということで、秘密中の秘密の店をお教えしよう。そして、この店自慢のネタ25貫を一挙公開しよう!という企画だ。ぜひ最後まで観て欲しい。

 その店、名前を寿司処「匠(たくみ)」という。門前仲町の裏通りに昨年の10月に開店したばかりの小さな店だ。昨年の終盤にこの店にフラッとランチで立ち寄り、そのちらし寿司の完成度に驚き、以来通うことになった。夜の握りを食べてその絶品さに唸り、最近でも週に1度は握ってもらっている。にも関わらず毎回新しい感動があり、飽きない。
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 ちなみに僕レベルの人間が週に一度食べられる金額なのが驚異なのだ。例えば旬のお薦めネタを11貫握ってもらうコースが最も高いのだが、それが3,500円(!)。飲み物を合わせても5000円みておけばいいだろう。ちなみに僕はいつも酒を飲まないで握ってもらうだけにしている(こういうのは店にとっては余りいい客ではないのだが)。僕にとっては週に一度の贅沢として重要な位置づけなのだ。

 この店、板前は、店の主の加藤ちゃんただ一人だ。開店当初はもう一人板前さんが居たのだが、辞めてしまった。現在加藤ちゃんと、仲居のバイトちゃんがいるくらいで店を切り盛りしている。繁盛したら手が回らないので、そろそろ真剣に板さんを捜しているところだ。
 この加藤ちゃん、年は若い(30代前半)のだが、キャリアは長い。長崎出身で、東京の寿司屋で修行を重ねている。中でも、築地の場内・場外に店を持つ「寿司大」に在籍していたのは、同店の黄金時代と言われる時期。その黄金時代を支えた板前5人衆の一人だったわけだ。なんと加藤ちゃんに握ってもらうために通算で2時間半待つお客さんが居たそうだから、評判は内外に轟いていたわけだ。そして昨年、念願の自分の店を出したということになる。

 この店の特徴は色々あるが、重要なのは下記だろう。


・握りに煮切り醤油を刷毛で塗って出すので、醤油をつけずにそのまま口に運ぶ、江戸前のスタイルを踏襲している。この煮切りが最高に旨い。醤油につける動作がなくなるのでネタとシャリが崩れず、最適な状態で口に運べる。

・白身やイカなどには特製の塩とスダチで味を付ける。これが絶品。塩は、ある天然塩に手を入れたものだが、どの塩かは秘密。僕は教えてもらったが、、、秘密です。

・まぐろは出来る限り生の本マグロ使用。一時期は大間のマグロばかり出ていたのでビックリした。そうでなくともボストンのインドマグロの生。とにかく生は香りが違う。

・カリフォルニアロールなどのマヨネーズ系のネタは一切ない。店主のポリシー。


 さて、それではその珠玉の握りを、25貫観て頂こう。下記をクリックして、めくるめく握りワールドへ来て頂きたい。(ブロードバンドじゃないと厳しいかもしれませんが、、、)

(続きは下記↓をクリック)

(コメントの執筆、ちょっと待ってくださいね~ 週末で書き上げます。)

加藤ちゃん
加藤ちゃん
この小柄で細身の加藤ちゃんの黄金の手から、珠玉の握りが産み出されるのだ。この加藤ちゃん、フレンチやイタリアンなどの洋モノを殆ど食べつけないという。「美味しいと思ったことがないんだよね~」筋金入りの日本食屋なのだ。それでよい、と思う。


ネタケース
ネタケース
ネタケースを見ると、この店の特徴でもあるのだが、意外に貝が多いのに驚くと思う。つぶ貝、白ミル、ホッキ、そして最近出回りだしたイシガキ貝という絶品上品なネタや、生のトリ貝などもある。

加藤ちゃん握り中
加藤ちゃん握り中
ちなみに加藤ちゃんはよくいる頑固オヤジではないので、全く緊張する必要ありません。


まこがれい
まこがれい
夏の間の旬として、マコガレイ。でもこの店ではそんなには出てこない。本日はこれを塩とスダチで。先にも書いたがこの塩が絶品なのだ。


コチ昆布〆
コチ昆布〆
水分を抜いて旨味を凝縮するための昆布〆を多用するのもこの店の特徴だ。特にこのコチはよく出てくるが、実に上品かつ香り高く、旨い。コチはたいていの場合は活けを水槽に放してあり、明日のネタとわかる。行った当日に水槽にヤツがいないと、「お、今日はあるねぇ」とにんまりする次第。

白イカ
白イカ
僕としては墨イカが好きなのだが、匠では白イカを使うことが多い。柔らかい歯ごたえと、やはり柔らかく優しい甘さがいいのだろう。これも塩とスダチで。

つぶ貝
つぶ貝
お得意の貝。歯ごたえの強い貝には塩とスダチにしてあるようだ。

白ミル貝
白ミル貝
このミル貝は一般に人気のあるネタだが、やはり旨い。歯ごたえしゃっきりなので、これも塩とスダチ。

車海老
車海老
エビは、運が良ければ頭の方を少し残して味噌付き握りにしてくれる。茹で立ての時に遭遇したら最高に旨いはずなのだが、開店時間すぐにいけば食べられる可能性あり。

タコ
タコ
基本的には三浦半島の佐島のタコを使用する。ヌメリとりと揉み、茹ではすべて店で行っている。一人で切り盛りするのも大変だろうが、、、


金目鯛昆布〆
金目鯛昆布〆
出た!これこそこの店の看板である。金目鯛を昆布〆にし、握りにするというのはあまり訊かなかった。ここで初めて食べて僕はその旨さに悶絶した。そのままだとブヨっとしがちな水分多めの身が適度に脱水され、昆布の旨味が浸透する。これに煮切り醤油を刷毛で塗ると、旨味が3方から押し寄せる感じだ。初めての人はこれをたべて例外なく驚くことになるのだ。

赤貝
赤貝
貝類が多いのが特徴、と書いたが、加藤ちゃんは赤貝の処理が実に見事。美味しそうに、かつ食べやすい形に仕事してくれる。煮切りをさっと塗って出されると、しばりうっとり。


赤貝ひも
赤貝ひも
実は、赤貝本体よりも旨いんじゃないだろうか、このひもは。やたらと味が濃く、歯触り豊かなのだ。


石垣貝
石垣貝
このいしがき貝には、この店で始めて出会った。美しい、、、としか言いようのない味と香りだ。柔らかい歯ごたえと、スイカやキュウリのような瓜類の甘みと風味があり、あくまで上品に迫ってくる。見慣れない貝がネタケースにあったら、ぜひ所望して欲しい。絶対に後悔はしないと思う。

青柳
青柳
にぎりにはあまり出てこないのが、この青柳。通称バカ貝である。今日は大きめだったので握ってくれた。

赤身ヅケ
赤身ヅケ
さて、この店、マグロの仕入は完璧である。実に素晴らしいモノを仕入れてくる。冬の終わりのしばらくの間は、大間の天然生マグロしか入らなかった時期があって、ちょっと驚いた。これは、築地市場の仲卸さんとのきちんとした人間関係がないと仕入れられないからだ。その大間のマグロの一番旨いのは赤身だといわれる。これを20分程度仕事をした醤油に漬け、ヅケになった段階で握る。ほのかな酸味と特有の血合いの香りが、トロにはない旨さを突出させるのだ。やっぱ赤身はヅケが一番だ。


中トロ
中トロ
赤身が旨くて、トロがまずい訳がない。中トロはもうそれだけで十分な味のノリだ。煮切り醤油がまたビッタシとマッチしている・


大トロ
大トロ

秋刀魚(北海道)
秋刀魚(北海道)

アジ(兵庫)
アジ(兵庫)

白イカゲソ
白イカゲソ

コハダ
コハダ

白海老(富山)
白海老(富山)

子持ち昆布
子持ち昆布

トビッコ
トビッコ

生イクラ
生イクラ

バフンウニ(赤)
バフンウニ(赤)

玉子
玉子

穴子
穴子

ミル肝ポン酢
ミルポン酢

寿司処匠概観
寿司処匠概観

20:16 | Comments (16)

2003年10月05日

寿司匠の補記

寿司匠編、色々と評判がいいようです、、、まだ、一貫一貫のコメントを書いていないのだけど、もうこのページをみて匠にいったお客さんがいるらしい(板前の加藤ちゃんより)。
おーい、そういう人はぜひコメントを書いてくださいね。

さて本日行ったら、なんとすごいネタが出てきました。
それは

「牡蠣の昆布〆」。

中ぶりの真牡蠣を昆布〆することで余分な水分が抜け、旨みが凝縮される。それを握って煮きりを一ハケ塗って出してくれるのだが、、、ブリンブリンの牡蠣の味が、いつもの3倍くらい濃くてむせ返りそうになるほど。とてつもないネタを食べてしまった、、、
必食である。

23:48 | Comments (9)

2003年10月10日

寿司匠でまた新しいネタが出た!

 本日は、サンプル品の大根が大量に余っていたので、寿司匠で刺身のツマになるかと思い、大根5本を差し入れしたのであった。ツマにしてしまうには全く惜しい、無化学肥料無農薬のいい大根なのだが、、、

 ネタケースをみるときらびやかなネタが一杯!そうだよな金曜日の開店直後だもんな、、、
と、希少価値のミル貝の肝を発見!今日は金欠だけど1貫ならいいだろう、握ってくれ!このミル肝ポン酢は、貝の肝とは思えないミルキーでシルキーな味わいなのだ。
 その隣の隣の隣のケースに、何かの肝を発見。カワハギっぽいなと思っていたら、案の定そうだった。なんと、カワハギのそぎ身にこの肝を乗せるのだそうだ。うまそぉ~~~

 ということで食べることにした。カワハギ肝乗せ。所感は、、、言うまでもないだろう。上品だけど味の濃い白身に、肝の濃厚さと香りがプラスされるのだ、、、2分ほど無言で、固形がなくなるまで噛んでいた。

 これを幸せというのだ、きっと。これからもこうやって、ネタケース覗いて気になったのを1貫とか2貫だけつまんで帰れば、破産しないな!と思った。

19:43 | Comments (1)

2003年10月14日

門前仲町ラーメン「こうかいぼう」に行ってきた

 「こうかいぼう」は、門前仲町界隈では文句なしに1,2位を争うラーメン屋である。本日はラーメンとチャーシューご飯セットの大盛を食べてきた。その魚貝中心の深いコクのスープにはいつも満足感を覚える。

 始めていった今年の8月に雑記したものがあるので引用しておこう。この界隈に来たらぜひお試しいただきたい。場所等は、ネットで検索すれば沢山ひっかかるはずだ。
 そう、この「こうかいぼう」の2軒となりに、ラーメン「蘭丸」が開店している。寿司匠の加藤ちゃんによるとこっちも旨いそうだ。今度攻めてみよう。

(続きは下記↓をクリック)

 実はラーメンはそれほど好きではない。勿論嫌いというわけでもなく、地方にいったりすれば人気の店を一通り回る。しかし、マニアではないということだ。理由は単純で、あまり美味いと思うラーメンに出会ったことがないからだ。ラーメンとはスープと麺の複合体だが、私は麺に重きを置く。スープは麺を美味く食べるためのものである。しかし最近の主流であるこってりとしたスープは、私には過剰に感じるのだ。

しかし、つけ麺は大好きである。どうみても麺が主役だからだ。また、汗かきの私がラーメンを食べると、全力疾走後のような汗をかくのに対して、つけ麺はそうならない。と思っていたら、今月号のdanchyuでつけ麺が特集されていた。そこに、門前仲町にある「こうかいぼう」が紹介されているではないか。ということで行ってみた。

綺麗な作り(趣味のよい喫茶店のようだ)の店内に入る。ラーメンの店だが、迷わずつけ麺を選ぶと、主人と思われる男性が「1.5倍の大盛りと、2倍の特盛りもございます」とのこと。ここも迷わず特盛りとする。
しばらく待って出てきた麺。チャーシューが結構多めと、メンマとネギ、ノリが麺に載っている。麺量は、正直言って私が「特盛り」と思う量ではない(少ない)が、まあいいだろう。あとはこの特盛りで幾ら増しになっているかが問題である。スープが出てきたところで主人が「麺を食べ終わられた後で、付け汁にスープを足せますので」という。これをスープ割りと言うらしい。そば湯よりもゴージャスだ。

さて麺を汁に浸し、食べる。スープは魚貝の利いた味と香りで、かなりマイルド。店の紹介を書いた札にも「当店のスープは毎日のみそ汁のようなものを目指しているので、最初は塩が物足りなく感じるかも知れません」と書いてある通り。しかし、満足感がないわけではない。コクは十分、まろみもあり、上等な味である。少なくとも私の嫌いなギットリヌトヌト系ではなく、ほっとする。チャーシューもこの店の売りらしいが、麺の上にある状態では冷えているので、旨味は感じない。スープに入れて温めるとスープの温度が下がるので好ましくない。メンマも
同様。ただしメンマは大ぶりで味付けも爽やかでよい。肝心の麺だが、中太のストレート麺。卵・鹹水は薄めだがモチモチ感は強く美味しい部類である。量も、最後にさしかかると満腹感が出てきた。

そして、くだんの割りスープをやろうと顔を上げた瞬間、店主が「はい!」と間髪をいれずにやってくる。少し待つと、なんとスープが足されるだけではなく、ネギも入れてくれた、吸い物椀のような一品が出てくる。これがやたらと美味い!つけ麺スープの際には際だっていなかったが、魚節系の香りと旨味が強く出ている。本当にみそ汁感覚である。しかし、ガラと豚のげんこつも使っているということで、きっちりとコクも出ている。これは美味い。おそらくつけ麺よりもラーメンの方が満足度が高いのではないかと思った。

勘定をすると、つけ麺特盛りと焼き餃子(結構ふつうの味)で1250円。つけ麺の普通盛りが700円。餃子が350円ということは、特盛りで200円増しということだ。これは十分にリーズナブルな価格だと思う。

ちなみに、この店は接客態度が100点満点である。店主と奥さん、そしてもう一人の男性の3人だが、それぞれ客にきめ細かい心配りをしている。いい店だ。久々にラーメンを食べて、すがすがしく感じた。

13:22 | Comments (0)

2003年10月15日

好きな店:本所「わくい亭」

<好きな店>わくい亭:本所吾妻橋

 都営三田線の本所吾妻橋駅は、こう言っちゃあなんだが、用もなしに行くような処ではない。しかし旨い酒と肴があれば、遠かろうが何だろうが行きたくなる。そんな店が本所にはあるのだ。wakui00.jpgそれがわくい亭」。大衆居酒屋なのだが、料理がめっぽう旨く、酒の品揃えも実に気が利いているのだ。
 場所は本所吾妻橋の駅からどんなに早足で歩いても8分はかかる。飾らない一軒家の引き戸を開けると、カウンターおよび周りのテーブルに満杯の人。ここは大体6時半くらいから混み出すので、エイヤっと覚悟を決めて会社を出ることが必須だ。
 席を確保したら、黒板に勢いよく書かれた品書きに急いで目を通す。ここの黒板は、旨い店に共通する、あの煌めく品書きだ。輝かんばかりの、一読しただけで全てを頼みたくなってしまうような、食欲がしたたり落ちる品書きなのだ。もしそそるネタがあれば即座に店のお姉さんに頼むのが吉。すぐに料理が品切れになってしまうのだ。
この煌めく品書きが、なんとレシピ集として出版されている。実にいい本だし、良いレシピ集だ。僕は著者である女将の涌井純子さんのサイン本を持っている。自分の本との交換で、、、

(続きは下記↓をクリック)

 ちなみに、全般的に魚のお薦め度は高い。鰯の刺身と〆サバがあれば頼んでみよう。特に〆サバは実に馴れた塩梅でイイ。あと、エリンギと何かを炒めるメニューが載っていることが多いのだが、これは実に◎。絶妙な歯ごたえとしっかりしたアタリで、酒のアテに最高だ。

〆サバは絶妙な塩梅だ。
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 それに加えて定番料理を2品選ぶとしたら下記だ。

何が何でもメンチカツ!
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 ここにきたらまず着座するなりメンチカツを頼んで欲しい。すぐになくなってしまう超人気メニューだからだ。これを目当てに行ったのに「売り切れだよ~」と言われること数度。最近では電車の中から「とっておいて!」とお願いするようにしている。
 これが運ばれてきた時、初めての人は目を疑うだろう。とにかくデカイのである。皿から殆どはみ出している。アツアツジュワジュワのメンチは、しかもやたら滅法に旨いのである。ソースでも醤油でもよい。添えられた鮮やかなカラシ牛肉特有の臭みが巧く消されている。練り込んだ挽肉にありがちなノッテリした感触ではなく、「肉を噛んでいる」と思える歯触りがある。これは挽肉だけではなく細切れ肉を粗く叩いたものが入っているからだそうだ。そしてこのメンチが、日本酒に合う。しかも冷えても旨い。脂が固まって不味くなると思いきや、そんなことはない。実に不思議で旨いメンチなのだ。洋食屋で食べるメンチも好きだがここのメンチの充実感に優るものに、未だ出会っていない。

誰もが絶句する絶妙のカニサラダ(ごめん、画像ナシ)
 量ばかり言うのもなんなのでまず味のことから書くと、このカニサラダは絶品だ。レタスとキュウリとセロリ、タマネギそしてカニのほぐし身をドレッシングで和えただけのシンプルな構成だけに、最重要なのはドレッシングの塩梅だ。それが憎いほど決まっている。フレンチ系だが若干クリームっぽく、それぞれの素材にきちっと絡んで、しっかりと味付けをしている。つまらないレストランで出てくるグリーンサラダを想像してはいけない。しっかり味の付いた一品料理だ。
 そして、、、恐るべき量なのだ。ハーフで頼んでも、フグ刺しの皿くらいの大きい平皿に山盛り出てくる。僕はいつも2人で行く時もこれを頼むが、相方は呆然とするケースが多い、、、

 その他も色々あるのだが、、、
この店で酒を頼む際には、いろいろと悩むことになる。ビール、日本酒は勿論ながら、ワインの品揃えも豊富だからだ。だが、実はこの店には、他であまりみない、イイ酒がある。

「千代の光」の本醸造だ。

 これは僕がこの世で最も好きな酒だ。本醸造だから、純米酒ではない。けど、旨い。これについては余計なことは書かないでおく。だって、品切れになると困るから、、、

13:25 | Comments (4)

2003年10月21日

六義園の「東京やきとり亭」にて名古屋コーチンを食す

 外回りの仕事が一段落ついた後、産業総合研究所の江渡君と加賀谷と落ち合い、現在作成中のデータベースシステムについて会議をした。
 江渡君は、ネットワークやメディアアートの世界では超有名な、日本有数の頭脳だ。彼の業績はここをご覧いただきたい。ちなみに僕は彼の結婚式の友人代表スピーチをしている。マブダチなんである。

 打ち合わせ後、江渡君いきつけの焼鳥屋、「東京やきとり亭 六義園店」に行くことに。江渡君もなかなかに食事にうるさい人なので、期待できる。
 産総研の入っているビルからすぐのところにあるやきとり亭では、看板に誇らしげに「名古屋コーチン」と書かれている。名古屋コーチンの焼き鳥は相当に単価が張るだろうなぁと思いながら入店する。
 焼き物を出す店だが、店内はきれいに調度されている。酒の冷蔵ケースを覗くと、いくつかの銘柄焼酎とワイン、日本酒にはおきまりの黒龍と、明鏡止水がおいてある。品書きを観ると、なんと僕の好きな静岡の銘酒「正雪」本醸造があるので、これは絶対に飲もう。

 あとは江渡君の手引きで注文。3000円・2000円のコースとかもあるが、1000円で正肉、だんご(つくね)、腿肉の三種が来るセットに、単品で正皮、肝、元気鍋、釜飯を頼んだ。
 肝心の焼き鳥だが、いわゆる木串での焼き鳥ではない。焼き場でいい感じに仕上げた肉を数片ずつ皿に載せて持ってきてくれる。このため正肉などは串に刺さず肉片が3切れ乗ってくる。地鶏は大好きだが、コーチンはとにかく高くてイカンなぁと思う。コストに見合う味かといわれると、何ともいえないというのがいつも抱く気持ちだ。しかし、この店では苦労しながらも、割安に食べさせる工夫をしていると思う。一皿の分量は少ない(僕にとっては)が、満足感はそれなりに味わえる用になっている。基本的には塩味ベース。肝のみがタレで供される。ここの肝が旨かった。肝自体は勿論だが、タレが旨いのである。濃厚な色のタレは舐めてみると醤油の香りが立つが、それほど甘くない。特に水飴っぽいとろみが余りなく、しつこくない。これを飯にかけて食べたい。
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 焼き鳥が出てきた後は元気鍋。コーチンとキャベツ、ごぼう、ネギ、ニラ等がスープで煮込まれた鍋を、コーチンの卵入りポン酢で食べる。コーチンの肉はほんとにチョビッとしか入っていないが、これはスープを味わう料理だろう。具を食べ終わるとうどんを入れてくれるが、そのうどんがなんと稲庭うどんの最高峰、佐藤養助商店のものだ。絶対に機械打ちをしない、本当の稲庭うどんだ。これを鍋で熱くして啜る。
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 釜飯は一般的な鶏釜飯だが、奇をてらっていない味で好感がもてる。この辺で江渡君が「もう食べられない」とギブアップ。そういうやつは大好きである。残りは俺様が食べました。
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ビールと日本酒を飲んで、3人で12000円強。コーチンの店としてはリーズナブルな店だと思う。

 店を出てのんびりと歩く。別件があったので巣鴨まで歩いて打ち合わせ。その後、乗り慣れない三田線に乗ったら、反対方向に5駅くらい行ってしまった。戻っているうちに最終電車の時刻になり、大江戸線の清澄白川駅で電車が終わってしまった。自転車がある門前仲町まで徒歩20分。かなり気温は低いが、Tシャツでぐんぐん歩いた。これはこれで、いい気分だった。

15:21 | Comments (2)

2003年10月23日

東京駅周辺での絶品ランチ「リトル小岩井」をお教えしよう

 関西の友人から、東京に出張に出てくる際に、大手町周辺で何か旨いランチが食べられるところを教えろと言われた。そんな貴重な情報、むやみには教えたくないが教えてあげよう。

 もしランチで3500円というA級グルメを堪能したいなら、東京駅八重洲口から歩いて5分たらずの料亭「日本橋ゆかり」を推したい。ここはとある料理研究家の先生から教えてもらったのだが、とにかく素晴らしい。松花堂弁当スタイルの2段のお重に、ビッシリと日本料理の粋を凝らした品々が並ぶ。ちょっと高いと思うかもしれないが、満足度で言えばここ以上のものはないだろう。

 もうちょっと手軽に洋食を楽しみたいのであれば、八重洲口から300メートルほど歩くが、丸善ビルの屋上にあるゴルフ練習所の横に、クラブハウス風のレストラン丸善がある。ここのハヤシライスはすこぶる旨い。オーソドックスで、何も奇をてらうところがないのでなんとも説明しにくいのだが、実直に旨い。ドミグラスは濃厚にして優しい。昼時に並ぶと、列にいるのがご年配の方が多いのだが、これも「優しさ」と「懐かしさ」故だろうか。

 八重洲方面から離れて大手町周辺となると、私が仕事でよくいくことが多いJAビルの地下に足を運んでみるとよいだろう。丸の内線の改札からすぐのところに食堂街があり、インド料理「ガネーシャ」がある。ランチ時には、800円くらいでカレー二種とナンとターメリックライスが付いてくる。味は超一流のインド料理店には劣るが、ライスとナンはお代わり自由で、僕はだいたいいつもライス3杯とナン2枚食べる。

 この辺が、女性にもお薦めできる名店群なのだが、、、

 僕がもっとも愛している店は他にある。その名は「リトル小岩井」。JAビルとは反対側の丸の内線の改札に近い、小さな喫茶店コーナー&サンドイッチデリである。そう、構えは実に綺麗な店なのだ。正面から見ると、テイクアウト用のサンドイッチがずらりと並び壮観にしてなかなかしゃれた雰囲気である。
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名前からしてもどうやら岩手県の小岩井牧場の関係らしく、ショーケースには小岩井牛乳が並んでいる。サンドイッチも人気が高く、昼時にはOLがテイクアウトコーナーに並ぶ姿がいつも見られる。

が、しかし。
 この店のウリはサンドイッチではない。実はこの店、スパゲッティ屋なのである。スパゲッティといっても、イタリア風アルデンテの世界では全くない。昨今絶滅したかと思われていた、あの喫茶店でよく出たスパゲッティの店なのだ!こういったスタイルの店は、実は水面下に結構ある。有楽町の「ジャポネ」はかなり有名で、僕もここのナポ(ナポリタン)は大好きだ。これらの店に共通するのは、下記だろう。

・麺は極太。おそらく2.5MMくらいの太さだろう。有名な名古屋のスパゲッティハウスヨコイの使っているボルカノ食品のスパだろうか?
・麺はあらかじめ茹で上げているもの(!)をフライパンで具と炒め、ものの数秒で仕上がって出てくる。
・メニューには必ずナポリタンとジャポネ(しょうゆベース)、インディアン(カレーね)がある。
・これらをゆめゆめ「パスタ」といってはいけない。あくまで「スパゲッティ」である。とはいうものの、リトル小岩井の看板には「パスタ&デリ」って書いてあるんだけどね(笑)

 いまどき「茹で上げ麺」である。しかも超極太。これはふやけて太くなっているわけではない。元から太いのである。その証拠に、噛むときちんと歯ごたえがある。
 さてリトル小岩井もこの流れを汲むスパゲッティ屋で、メニューには先に述べた基本3種に加え、ナスの味噌炒めと麺をからめた「辛みそ」や、とうていジェノバペーストなど使っていなさそうな「バジリコ」などがある。しかし、はじめていくならやっぱりナポ!だろう。
 昼食時にいくと、とにかく並ぶ。回転がやたら速いのでそれほどは待たないで済むが、とにかく並んでいる。その9.5割がおっさんである(写真参照のこと)。
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この地下街は昼時にはOLや会社員達でごった返すのだが、ひときわ長い列がここにはできる。そんなにも支持を受けている店なのだ。単なるB級ではないことがおわかりであろう。

 席につき「ナポ大盛り」と頼むと、コールスローの小皿が出てくる。ここのコールスローは特に旨いというわけではないが、たまに別皿でも注文してしまう。そしてだいたい3分以内でスバゲティが運ばれてくる。何度も言うがパスタではない。スパゲッティである。極太、真っ赤っかである。具はベーコンと玉葱とピーマン。これに卓上の粉チーズをブワッとかけて麺を啜る。ああ、、、これだこの味だ!学校給食でよくでてきたソフト麺並みにぶっとい麺は、程よいコシでぷつりと切れる。甘すぎないトマト味は、ケチャップではなく、特製ソースの存在をにおわせる。まあとにかく馬鹿にしないで食べてみてほしい。B級と侮れないくらいに旨いのだ。しかも、大盛り50円増しにすると僕でも確実に腹いっぱいになれる。ちなみにナポは650円である。
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もぐもぐもぐもぐもぐもぐ

ひたすら麺を啜り、唇を真っ赤に染める。相席でびっしりサラリーマンが座る店内は、ただ麺を口にいれもぐもぐもぐもぐと食べる人たちで一杯なんである。このB級さ加減、とっても大好きである。もしうちの会社が大手町にあったら、確実に僕は週に3日はここで食べているだろう。

 ちなみにここのサンドイッチもなかなかイケル。旨いのはコンビーフをキャベツのみじん切りとマヨネーズと和えてイギリスパンに挟んだコンビーフサンド(180円)と、コロッケロール(210円)である。ハムエッグサンドはボソボソしていて旨くないので要注意だ。

 どうだろう?参考になっただろうか?東京駅周辺はなかなかのワンダーランドなのである。

00:30 | Comments (5)

2003年10月28日

土佐料理「ねぼけ」にて

 某社の方々と会食。なぜか銀座の土佐料理の店へとご案内いただく。銀座の裏通りには,名だたる地方メーカーの直営店舗が多い。例えば秋田県の稲庭うどんで僕が最も好きなメーカーである寛文五年堂の直営店もこの辺にあるのだ。そして今日の店は「ねぼけ」という、人を食った名前の店だ。しかし店の前で驚いた。この立地で自社ビル、一軒家である。
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■土佐料理 ねぼけ 銀座店
http://r.gnavi.co.jp/g688000/map1.htm

 土佐料理といえばとにかく鰹と皿鉢料理(さわち)だ。鰹は戻り鰹が旨い時期だし、贅を凝らした皿鉢は、懐石と違って一度にドンと出てくるので、酒を飲みながらどれをつまもうかと迷い箸をし、ゆっくりとつつくのに最適だ。

 障子で仕切られた座敷に上がり舌鼓を打つ。鰹はやはり新鮮だ。本当は一腹すべて食べたいが、、、
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 豪勢な皿鉢。鯨の刺身(尾とコロ)、鯨の大和煮、鯛、鰹の皮付き刺身、イトヨリの南蛮漬け、茹で海老、とこぶしの甘露煮、うなぎ寿司、さばの棒寿司。
 旨かったのはイトヨリの南蛮漬け。竜田揚げにしたイトヨリを土佐酢で〆ている。皮付きの鰹も旨い。鯨の大和煮はトロトロと溶ける。
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 皿鉢をつつき、「土佐鶴」を飲みながら某氏が言った。

「山本さん、食事とは快楽です。官能なんです。だから食事とセックスは同じ。」

 そこから怒涛の快楽主義映画の話(フェリーニ、リーフェンシュタール、そしてマトリックス、、、)が続いた。確かに、食とは快楽以外の何者でもない。彼の薦めるる映画を今度観てみよう、、、

08:17 | Comments (5)

2003年11月06日

飯島農園でぶどう泥棒がつかまった!

 なんと仰天のニュースだ。
http://www.asahi.com/special/farmsteal/TKY200311010108.html 大学時代に僕に畑を貸してくださっていた農業の師匠、藤沢市の飯島正博氏のぶどう園に泥棒が入っていたのだが、なんとそれを捕まえたと言うことだ!朝日新聞に写真入りで掲載されるなんて、かっちょいいぞ飯島さん!

 ちなみにこの飯島さんの農園で僕の本の表紙を撮影したのだ。ニンジンの写真も飯島さんのものである。うーむあとで電話をしてみよう。

09:24 | Comments (1)

2003年11月10日

バードコート再訪

nojima2.jpg 以前に竹鶴酒造の石川杜氏に連れられて大満足の一夜をおくった北千住「バードコート」を再訪した。単に食事をするためだけではなく、僕の雑誌連載の企画にご登場願うため、ご挨拶も兼ねている。とはいってもメインは食いしん坊であり、編集者と共に眼を爛々と輝かせながら入店した。奥様でホールご担当の千寿子さんが案内してくださる。店主の野島さんはまさにリング上で串と真剣勝負の真っ最中だった。
 にもかかわらず、合間にこちらの話に相づちを打って頂いたりして、非常に恐縮。野島さん、本当にこんな売れっ子なのにも関わらず、腰が低く物腰柔らかで、謙虚な方なのだ。ちょっと有名になるとすぐ天狗になってしまう人が多い中、こういう方に出会うと我が身を反省せねばと思うことしきりである。


 バードコートでは、焼き鳥は勿論絶品中の絶品なのだが、他のアテも丁寧に吟味されており、旨い。特に僕が好きなのはレバーペーストだ。下の写真のように、大きめのバター片のように切って出てくる。これをバゲットにコテコテと塗りつけて口に運ぶ。全くレバー臭のしない、典雅で強い旨味と甘み、そして深いコクがやってくる。これには実は赤ワインが合うような気がする、、、高そうなので頼んだこと無いけど。バゲットは適当なタイミングで追加してくれるので、かなり楽しめる。お得な一品だ。
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 そして今回旨かったのは、これも初めてだが、食後のプリンだ。詳細は尋ねなかったが、当然奥久慈シャモのタマゴなのだろう。味は、、、画像のごとくである。これにもコクとまろみがあり旨い! もう完全にノックダウンなのであった。駿河若シャモとは全く違う奥久慈シャモ。何が違うかと言えば筋繊維の強さ。奥久慈シャモは繊維感については若シャモを寄せ付けない。噛むとプチンプチンと音を立てて弾けそうな感触なのだ。
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 平日でもほぼ予約をしないと入れない店になりつつあるバードコート。日・月は休日。しかも焼き鳥としては破格の値段を覚悟する必要がある。でも、死ぬ前に一度は行っておくべき店だと思う。

21:30 | Comments (1)

山形プラザゆとり都にて茸を買う

kinoko1.jpg 以前にも「現在東京で一番旨いと思う蕎麦屋」として紹介した出羽香庵が入っているのは、地下鉄虎ノ門駅からすぐのところにある三井ビルの1Fにある「山形プラザゆとり都」だ。ここは、山形県の特産物を直売している、いわば県のアンテナショップだ。

 山形の郷土食は、首都圏で余り知られていないと僕は感じている。実は山形県は非常に特殊な食文化を持つ地域だ。枝豆と小茄子に関する美意識は、おそらく日本で一番と言える民族(?)が山形県民であることは間違いないと思う。枝豆は一世を風靡した「ダダ茶豆」クラスの枝豆品種がゴロゴロしているのだ。なすについて言えば、山形の人にとって、よく関東でスーパーに並んでいるサイズのなすは「収穫し忘れてでかくなってしまったナス」なのだ。そう、やはりナスも小さい内が味が濃いので、彼らは贅沢にも小茄子を標準としているのだ。

 そんな山形の食文化に触れるために非常にいい入り口がこの山形ゆとりプラザだと言えよう。常設されている販売コーナーでは、関東では通常手に入らない食材が豊富だ。赤カブに代表される漬け物類に始まり、向こうでは標準的に食べられている充填豆腐、珍しい加工納豆である塩納豆や南蛮納豆、蕎麦だけではなく麦キリなど、バリエーションに富む乾麺類、そして納豆汁の素や打ち豆、乾燥山菜などなどなど、ここに挙げるのも難しい。

 常設コーナーの他に、季節毎にたつ企画コーナーがある。ここではラフランスなど旬の商材が並ぶのだが、ふと立ち寄ると、秋の味覚であるキノコ(茸)が並んでいた、天然ではなく栽培ものだが、それにしても通常の栽培品とは趣が違う。そう、山形は山菜特に菌茸(きんたけ)類の宝庫なのだ。300g程度で300円~380円と安い。普通にスーパーで売ってるものとは違い、傘をほぼ開ききったナメコと、独特の質感のクリタケを買い求める。となりにあった辛味大根(50円!)も買う。帰り道で和牛コマ肉を買った。

kinoko2.jpg 帰宅後、茸は石突を取り割き、葱と牛肉と一緒に鰹出汁で煮込み、濃い目の盛りづゆにする。別鍋で低アミロース麦を原料にした乾うどん(これは国立作物研究所の所長さんにいただいたものだ)を茹で、もちもちとした食感を得られる12分にざるにあげ、冷水で洗う。これに、同じく山形の辛味大根おろしと葱を薬味に、一気にきのこうどんを啜るのである。一口すすってすぐ、口にきのこの出汁と香り、旨みが広がった。その後、ヌメリとしゃっきりの入り混じった歯ごたえが感じられる。思わず鍋にもう一束、うどんを追加してしまった。

 きのこのシーズンは長くない。虎ノ門周辺に居る方は一度いってみて欲しい。

21:54 | Comments (0)

2003年11月12日

たまには甘~く 絶品洋菓子「ペリニィヨン」

mise.jpg 僕は通常は甘いものは苦手である。でも、時折無性に甘いものが食べたくなる。ただし和菓子にはそれほど惹かれない。もっぱら洋菓子というかケーキ類である。ちなみにそれほど吟味して食べる訳ではなく、コンビニのシュークリーム程度で十分である。でも、美味い不味いの別はわからないでもない。例えばガトーショコラだったら、代々木上原の小粋なフレンチ「カストール」の藤野シェフが作るのが一番だ。ま、食べればわかる、ということだ。

 そんな僕が最近、打ち合わせに常用している洋菓子店がある。門前仲町の深川不動尊の参道にある「ペリニィヨン」である。変なところにがついているが、あくまで「ペリニヨン」だ。ここの何が美味いかというと、ペリニィヨンロールというロールケーキが見事にバカ旨なのである。ショーケースに並べられた色とりどりのケーキの上段に、見事な存在感で置かれているフルサイズのロールケーキ。断面にはフレッシュフルーツがこれでもかと言わんばかりに入っている。このロール、1本丸ごと買おうとすると、1800円もするのだ! さすがに1800円は買えないのだが、嬉しいことに1人前にカットされたものを380円で求めることができる。喫茶コーナーもあるので、よくここで打ち合わせをし、絶品ロールを食べるのだ。

roll.jpg このロールケーキ、何が違うといえば、スポンジの質だろう。僕はこんなにフンワリ、しっとりとして、かつ卵黄の香りがクンと漂う上質なスポンジを食べたことがない。そしてそのスポンジが抱く生クリームと、フレッシュフルーツとの妙なる組み合わせは、まさに夢見心地である。
 すごい実力の店だ、、、と思っていたら、この店、なんとあの洋食の名店である京橋ドンピエールの系列店だという。道理で、、、


ninjou.jpg ちなみにこの店に来るのは簡単だ。地下鉄門前仲町駅の出口1番を出ると、そこにはすぐ深川不動尊の大鳥居がある。そこをくぐって、奥にみえる不動尊に向かって30メートル歩いた左側にあるのだ。この通りの名前がすごい。だって「人情深川ご利益通り」なのだ。そしてこの通りの反対側に、僕の会社の入っているビルがあるのだ!


 記憶して欲しい。「人情深川ご利益通り」には、いい洋菓子と食い倒ラーが同居していると、、、

00:26 | Comments (5)

2003年11月14日

ほんとは教えたくないんだぁ 代々木上原「カストール」の珠玉の一品

sirako.png なんと先日の洋菓子の記事にちょっと書いた、日本におけるガトーショコラの権威である代々木上原「カストール」のシェフである藤野さんから、コメントをいただいてしまった! これはやばいでしょう。手抜きできません。
 ということで、今回はこの「カストール」を紹介させていただこう。でもなぁ 本音を言うとあまり紹介したくないんよ、本当に好きな店のことは、、、まあ仕方がないか。

 僕はフレンチ大好きだが、本当に好きになった店はそんなに無い。カジュアルスタイルだったら代官山の「プティ・ブットン」、ゴージャスクラシックにこってりした鴨を食べるなら福岡は博多の「メゾン・ド・ヨシダ」などあるが、血眼になっていい店を探すというほどではない。だから、店に出会うときも、誰かに誘ってもらってということが多い。そしてこのカストールもそうだった。
 僕をこの店に誘ったのは、この食い倒れ日記のWebを運用してくれているプロコムジャパンの社長さんである矢島さんだ。この人はMac関係のコミュニティでは結構有名な方。いろいろとお近づきになるので、ということで、食事に誘ってくださったのだ。僕が魚が好きだと言うのを聞きつけてくれたらしく、この店でということになった。
 実はこのとき、正直言って「フレンチかぁ、、、」と、あまり期待していなかった。でもせっかくのお誘いだ。体調をフルに整えて店に向かった。代々木上原の駅から歩いて3分くらい。すぐ近くに小さな店が構えてある。ドアを開けると、綺麗で品のある空間が拡がっていた。

 そして、ピンクのスパークリングワインで幕を開けたスペシャルコースの、とある一皿が、僕の五感を極限まで開かせた。その皿とは、、、

フォアグラとレンズ豆のテリーヌ ブリオッシュのトーストと イチジクのコンポート添えfoagura.jpg

 この一皿が、2001年~2002年度における僕にとってのフレンチ部門のベスト・オブ・ベストディッシュである。角切りのフォアグラを中心に、甘めに煮付けたレンズ豆を周りに配し、ジュレで固めてある。その横に、なんとも魅惑的な玉子の黄身色の小さなブリオッシュにこんがり焼き目をつけたトースト。そして、珍しく白いイチジクのコンポート。直感的に、ブリオッシュの上にフォアグラのテリーヌとイチジクを少量のせて口に運んだ。

衝撃が走った。
 フォアグラの、濃厚に拡がる旨味にレンズ豆の甘さ、イチジクの風味が重なる。しかしそれらの旨味と風味に立体感を与えているのが、ブリオッシュの香りだ。バターと卵黄の香ばしさと食感が、二次元的な味覚に縦軸を与え、立体的な小宇宙を現出させている。いや、オーバーに書いているわけではない。本当に背筋に何かが走る旨さだったのだ。甘さと深みと軽やかな香り。なんとも複雑な味の世界が、一瞬にして目の前にあったのだ。これは、中国の武威山の超高級茶である岩茶の大紅砲を初めて飲んだ時に感じたショックと同じだ。ほかの人にはわからないだろうけど、視界が狭くなるのだ

 後でシェフとお話をした時に、やはりこの料理のキーはブリオッシュであるとおっしゃっていた。

「ブリオッシュはね、美味しく作ると、本当に美味しい