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2003年07月08日

大阪心斎橋で、小粋な割烹に心酔した

本日は大阪の市場に出張。

友人と夜、心斎橋の「大阪料理」を標榜する「浅野」に入店。
「この店は俺の中でも重要なやつとしかこんところよ」とのこと。ありがたし。
3階建ての小綺麗なビルで、全ての階が清潔感溢れる割烹作り。個室に通されると、まずは置かれてある品書きにびっくり。B4サイズの紙を2枚横向きに張り合わせた横長の紙いっぱいにびっしりと料理が並んでいる。それも「イカの海胆まきおつくり」や、「グジの唐揚げ野菜あんかけ」などが、小椀手の込んだ料理ばかりだ。これらが、小ぶりの椀に少なめに盛られて出てくるという趣向だ。料理が出てくるまでが圧倒的に早いため、出されたものを楽しみながら次を考えることができる。

食べたもの(特に旨かったものには*を付けている):
コチ薄造り
関さばお造り*
イカの海胆まき造り*
のど黒煮付け
カラスミと大根サラダ
さえずりと青菜煮*
鯛の納豆蒸し*
鱧の焼き霜造り肝ポン酢添え
スッポンのスープ煮*
レンコンまんじゅう*
グジの唐揚げ野菜あんかけ
穴子と茄子のおろし煮
合鴨中国菜くず煮
冷やし白ズイキ
イカとワケギのぬた*
水茄子浅漬け
納豆雑炊*

うーん半分以上が「特に旨い」ではないか。そう、つまりはほとんどが旨いのである!お造りはとりあえずあまり*をつけていないが、実はどれも鮮度抜群にして、お造りのそぎ方も適度でスバラシカッタ!醤油も魚に合わせて変えており(関サバには甘めの醤油、淡白なコチには濃い口というように)、仕事の繊細さが見えた。
また、出汁の精緻な味わいにも吃驚した。やはり関西の上品な出汁なのだが、例えば殆ど味の無いズイキには出汁がほのかに香るくらいのぎりぎりの線で出汁を含ませている。しかし透明感がありながらきっちりと仕事の余韻を残すことろが「大阪料理」の所以なのだろう。文句なしに旨い。
いや、正直言って勘定についてわからん。ご馳走になってしまった。これだけ食べたら相当いっただろうなぁ、、、ごっそさん。

14:29 | Comments (1)

2003年08月27日

北海道帯広にて伝説に残りそうな食い倒れをする

念願の帯広の農協への出張。体調は万全に整っている。帯広の旨いものと言えば、一も二もなく豚丼である。豚丼、、、単に少し厚めの肩ロース豚肉を焼き、甘辛いタレで少し煮詰め、それを飯の上に並べるだけのものである。しかし、こいつがすこぶる旨い!
初めてこれを食べたのは、ある懸賞論文コンクールで同席した酪農家と友人になり、家に遊びに行かせてもらった時のことだ。この辺では豚丼が旨いんだぁ、という友人に連れられて行ったのは、何の変哲もない食堂。だまされてるなぁと思いながら運ばれてきた豚丼を一口食べて、あまりの旨さにのけぞった。以来、周りの人間が帯広へ行くときにはかならず市販の豚丼のタレを買ってきてもらっている。しかし、あの味には及ばない。そして4年がすぎたのである。

4年ぶりの帯広空港。空港2階の食堂「白樺」は、レトロな百貨店食堂のような飾り気のないたたずまいにも関わらず、カツ丼1000円というように強気の価格設定の店だ。ここに当然豚丼がある。ちょうど羽田発が早朝だったこともあり、朝食をとっていないので、開店したてのこの食堂で小手調べである。

1食目:
帯広空港 二階食堂 「白樺」
豚丼 900円
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久しぶりに相まみえる豚丼は、色の濃いねっとりチャコール系の豚であった。人工的につきささる赤い紅生姜とキューリのキューちゃん、味噌汁のセットだ。これが予想外に旨い!空港の食堂とたかをくくっていたのだが、なんとも深い豚丼のタレである。しかも意外なのだが、いつもは手を着けないキューリのキューちゃんと豚丼の相性が最高なのである。びっくりした、、、10時30分のブランチとしては非常に秀逸。これから帯広空港ではかなり楽しめること間違いない。しかし、隣席でおばちゃんが食べていたカレーからもかなり良い芳香が。気になる、、、後ろ髪引かれつつ、仕事へ。


仕事先のJAで昼飯に連れていってもらう。この辺はそばも旨い、ということで近くの蕎麦屋へ。JAの人に「この辺でしかないものってなんでしょうねぇ?」と聞くが、いつものごとく「いや、特に変わったものはないよぉ」という。こういうケースは非常に多い。でもこういう発言を鵜呑みにしてはいけない。地元の人はいつも食べているから「変わったもの」という感覚がないけど、外の人から見れば「ええええっ?」というものは結構多いのだ。案の定、帯広周辺の蕎麦では「とりごぼう蕎麦」という定番があるのだった。温かい汁で鳥とゴボウを煮た蕎麦なのだが、これがしみじみ旨いという。当然ながらそれをオーダーするのだが、品書きに豚丼の文字発見。朝(というかブランチ)に引き続き無性に食いたくなる。だって帯広にこられるチャンスはそうない!
ということで豚丼もオーダー。JAの職員さんがこの私の食欲に大笑いして、「だったらあんた、蕎麦に天ぷらものっけなさいよ!」という。すさまじい食卓になった。

二食目:
幕別町 蕎麦「いつき」
とりごぼう・天ぷら蕎麦 700円
豚丼 700円
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まず豚丼が運ばれてくる。空港食堂よりあっさり風味だが、家庭の味に近く旨い。なぜだろうか豚丼は、牛丼よりもお腹へのインパクトが薄いように思う。どんぶり一杯食べても、それほどもたれないのだ。豚丼を片づけると同時にとりごぼう天ぷら蕎麦がくる。
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こっちのほうの蕎麦のかけづゆは、北国だからだろうか、とても色濃く甘め。そこにごぼうの風味と鳥の出汁が出て、美味なるものだ。蕎麦は精白度の低い、これまた濃厚な麺であり、つゆとマッチしている。実に滋味あふれており、さらっと食べ終えてしまうとJAのみなさんから拍手がおきる。
後で言われたが、「あんた、大したもんだ。記憶に残る人ってのはそういないけど、あの食べっぷりであんたは俺の気を大きく引いたよ」
食は身を助くのだ。
「これは、夜も下手なところには連れていけんなぁ~」
と期待を残しつつ会議終了。いったんホテルに帰り、夕刻に迎えにきていただくことになる。


ホテルから車で帯広の繁華街まで30分。入ったのは韓国料理の「あんじゅ」。ここでは詳細は述べない。一人4000円というコースで、おびただしい量の肉が運ばれてくるのだ。

タン塩
ネギタン塩
豚トロカルビ
上ロースぶつ切り
ハラミ
上カルビ
魚貝(えび、ホタテ、イカ)
焼き野菜
モツ(シロ、コブクロ、レバー、テッチャン)
ネギと小エビのチジミ
イカの辛味噌炒め
ビビンパ
豆腐チゲ

これらの中で圧倒的迫力説得力を振りまいていたのが、上ロースぶつ切りだ。並のステーキ二枚重ねた厚さのロースの表面をこんがり焼き、はさみでぶった切ってかぶりつくのだ。肉を喰う、、、という気分が最高に高揚する一瞬。しかしこれだけの量、1人どう考えても500gは肉を食べないと喰い終わらない。最後の方は必然的に俺だけが箸と口を動かしていた。
JAのAさんの一言。「十勝にきたら、肉食うのが一番お得だよ」
まったくその通りです。
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場所をクラブに変えて飲む。おいらは隣に女の子がいても全然嬉しくないので、とにかく旨い店の情報を訊いて、箸袋の裏に書き付ける。おっとデジカメを焼き肉やに置き忘れた、ということで取りに行こうとすると、JAのOさんが一緒についてきてくれる。無事カメラを受け取り、店まで帰る通りに、かなり気を引く小径が。路地裏というのは人の気を引くのだ。「ここの蕎麦が旨いんですよ!」
Oさんがいう。ああ、Oさんやっぱり俺の性格をしらない、、、
「じゃあ食っていきましょう」
入店、ざるを一枚。旨い!なぜかここは麺にクロレラを打ち込んでいるということで緑がかった麺なのだ。
(続く)

 まだまだ終わらないのだが、ちょっと待って。このあと2食も食べます、、、

22:48 | Comments (2)

北海道帯広にて伝説に残りそうな食い倒れをする(その2)

 さて、帯広の夜はまだ終わらないのだ。
JAの職員さんに連れられていったのは、必殺のみどり色の蕎麦が出るという蕎麦屋さん(名前忘れた!)だ。一体、緑色の麺とは何か?10月の新蕎麦の季節には、水分含有量の問題か、うっすらと青みがかった蕎麦に出会えるが、この時期そんなはずはない。

ざるを頼んで出てきたのを観ると確かに緑色だ! ↓
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仕掛けは、蕎麦を打つ際のつなぎだった。店のおばちゃんが出てきてニコニコと教えてくれる。
「うちじゃあ健康のためにも、クロレラを入れてるのよぉ」
そうかクロレラか!でも、別に風味にはあまり影響がないな。
このおばちゃん、ほっといたらいつまでも話していそうな、いいおばちゃんだ。俺好みである。
soba2.jpg
でもクラブに残っている人たちをあまり待たせても都合が悪いので席を立つ。

クラブに戻ると、みないい感じで酔っぱらっている。
「おう山ちゃん!ラーメン行くぞラーメン!」
焼き肉を死ぬほど摂取した後に蕎麦をすすってきて、すぐにラーメンである。おそらく俺以外の人には捌ききれまい。連れて行ってくれたのは、北海道なのになぜか「八丁堀」という名前の横町。ここに名店「頓珍館(とんちんかん)」がある。
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「とにかくよぉ、ここのじいさんがよ、今にも死にそうにブルブルふるえながら作ってくれるラーメンが旨いんだ!」

それは旨そうだ。いや、旨くなくても食べてみたい!
ということで店に入る。確かにここのじいさんは、今にも消え入りそうなのに、なぜか光る存在感を醸している!
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醤油ラーメンを頼む。厨房を覗いていると、なんだか麺を茹でる鍋が、余り大きくない。嫌な予感がした。麺は多量の湯に泳がせないと、うまく茹で上がらないものだ。生茹でヌチャヌチャ麺はゴメンだな、、、と、この時点ではちょっと失望した。と、じいさんが麺を3玉のみ投入し、やおら鍋を菜箸で一定方向へかき回し始める。もしかしたらこれは計算尽くの方式なのかもしれない。と、2分程度で茹で完了。 早っ! スープの鍋も小さい。丼にスープを張り、麺を盛り整える。出てきた醤油ラーメンはオーソドックスな面構え。一口すすって驚いた。旨い!
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鶏ガラベースのあっさりめのスープだが、きちんと味がでている。化学調味料もあまり使われていない。心配していた麺だが、若干柔らかめではあるものの、それが最適化されたゆで加減であると思える、絶妙のバランスだ。メンマ、チャーシュー、麩、ネギという具の分量と味も言うことがない。何より、嫌なインパクトがないのだ。和食のようなラーメンだと言いたい。
「いやー旨い旨い!」
「何だ山ちゃん、もう一杯食べるかい?」
いや無理無理、、、と思ったら、なんと同行の女性が「私もう食べられない」といって、塩ラーメンのほぼ1杯分をこちらに寄越す。うわー でも塩か。食ってみよう。

食べてみた。美味しかった。

(以下、醤油ラーメンの部分をリピート)

あーーーーー
今夜はよく食べた!
JAの皆さん、俺の胃袋にマジで驚いておられる。次回来た時にはこれでは済まないだろう、、、

帯広の飯は本当に旨い。豚丼も焼き肉も蕎麦もラーメンも、、、

PS: この翌日の朝、帰京するために空港に行き、そしてやはりまた豚丼大盛を食べて帰りましたとさ。めでたしめでたし、、、

23:01 | Comments (3)

2003年09月02日

会津若松行きの電車で田口ランディを読む

福島にて明日、講演がある。東京から新幹線に乗り、郡山から在来線に乗り継いで3時間半の車中で、田口ランディの小説を初めて読んだ。読んだのは文庫本の「コンセント」だ。あまりに面白いので、一気に読み終えた。もったいないことをした、、、どうも俺には、流行っている作家の本をあえて読まないという、斜に構えた性向がある。これは、無駄だな。ユタとかシャーマニズム、セックスを露わにしていて、しかもエンタテインメントになっている。この小説で書かれている世界はずっと前から存在していたわけだけど、このような語り口が出きる人が現れてきたのだな。こういうのが売れるようになってきたのだな。それは一方で社会にこうした物語を求める人が多いということだな。やはり火星の接近と関わりがあるのかな。

 火星の接近の話題は、昨晩の藤幡正樹展のレセプションで、藤幡さんと交わした会話からのものだ。僕が影響を受けた農法にバイオダイナミック農法というのがある。思想家のシュタイナーが拓いたものなのだが、特徴の一つに天体のリズムと植物の生育に規則的な相関があるとし、これに合わせた作業をするということだ。天体の運行は軌道計算ができるので、365日分のカレンダーが制作されている。バイオダイナミック農業(BD)の実践者はみなこの農事カレンダーを携えているのだ。
 でもこれは当然植物への影響だけではない。菌類や動物にも作用する。ある星位になると、ヨーグルトやパンの発酵は調子が悪くなったり、養蜂家はミツバチがあまり蜜を集めてこないことを不審に思う。とすれば人間の生活にも何らかの作用があるはずだ。最近の社会に溢れるいろんな出来事も、我々がまだ意識に取り入れることのできないほど大きな秩序からの影響として引き起こされているのかもしれない。

 どちらにせよ、個人がどのように生きるのか、ということが決定的に重要なのだという気がする。そんなことを思わせるに至ったのは田口ランディの本の力だ。週末にでも他の本を読んでみようと思う。

16:50 | Comments (1)

2003年09月03日

福島の郷土料理は立体的味覚だった

福島の会津若松にきた。実は会津若松は初めてと言っていいくらいだ。ただ、かなり昔に会津田島でラーメンを食べて感動したことがある。そこは、ごくふつうの食堂なのだが、厨房にはいとも当然のようにかまどがあり、よれよれのお婆ちゃんがそれで麺をゆでていた。透き通った醤油スープにちぢれ太麺。シンプルきわまりないそのラーメンは、オーソドックスにして感動を呼ぶ味だった。今日は絶対にどこかで食べていこう。

講演前夜に歓迎会を開いていただく。割烹「てんぐ屋」では、素晴らしい郷土料理が並んだ。中でもとりわけ舌の記憶に残ったのが下記。

・身欠きニシンの山椒漬け
ニシンと山椒の葉を重ねて酢醤油に漬け込んだもの。これが滋味溢れて旨い!カチカチに干したニシンを戻した特有の苦みとえぐみ、薄い酢醤油のじんわりした味、それに山椒の葉の高貴な香りが絡んで、深くて立体的、重層的な味だ。地元の人から見たら
「そんなの特別なもんじゃないよ」
という感じだろうが、感動した。
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話は飛ぶが、この福島出張の帰りの電車で駅弁を買ったら、そこにも同じモノが入っていた。それを食べ、そのすぐ後に隣に並んでいた海鮮サラダのようなものを食べたのだが、その味の次元の違いに驚いた。マヨネーズと油脂、アミノ酸によって着味されたサラダは、1次元的に平坦な、のぺっとした味世界だった。これだけ食べていれば、全く問題はない。とてもわかりやすい味だ。しかし、ニシンの山椒漬けを口にすると、その味わいを認識するのに少々時間がかかる。香りと味があまりに複雑な組成だからだ。この旨さを、ファーストフードに慣れた人がどう捉えるだろうか。あまり美味しいと思わないかもしれないな、、、と思った。

・厚揚げの田楽
これは本当に絶品。この田楽は味噌がミソだとのことだったが、台となっている厚揚げに感動したのだ。見事な脱水加減の豆腐を、供する直前に菜種油か大豆油で揚げ、軽く表面を炙った後に味噌を塗って出している。それがわかるのは、厚揚げの揚げ部分と中の豆腐の境界がぶよぶよと厚くなく、カリッとした歯触りが伝わるからだ。甘めの味噌との相性は最高で、文句なしに旨い。

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そして、クライマックスは、ここの女将が手打ちしてくれる蕎麦だった。小さな椀につゆと一緒に盛られてきた蕎麦は、繊細な細打ちで、訊けば10割だという。期待せずに口にしたら、あまりに清々とした、背筋の伸びた味に、してやられた。

大満足なのであった。

とは言ってもこの後、スナックでしこたま飲んだ後、会津のラーメンを食べにいたのだった。ネギラーメン。あの懐かしい味が、そこにあった。
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この講演をお膳立てしてくれたのが、日本のカスミ草の生産関係者では知らぬ者のいない管家(かんけ)さん。以前、太田市場の卸売会社での僕の講演を聴いて、福島に呼んでくれるために奔走してくださった。静かな語り口、でも日本の花の生産・流通に人生をかける凄みのある人だ。こういう人に会えると本当に嬉しい。多謝である。
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14:12 | Comments (1)

会津若松の味はさらに続く

福島講演当日
 会場セッティングを終えると、管家さんが昨夜の酒宴で話題になった地元の伝統食材「さんぼ茸」をアルミホイルに包んできてくれる。さんぼ茸とは、サルノコシカケみたいな茸で、木の上になっているのを採集するのだが、堅くてそのままでは食べられないとのこと。それでどうするかというと、味噌の中につけ込んで3年ほどおいておくのだそうだ。そうすると良い具合に熟れて柔らかくなり、食用になるという。何時の遠くなる話か、、、
今日持ってきてくれたのは塩抜きをしているのでそれほど辛くはないという。楽しみだ。

、、、蕎麦やの桐屋にて、蕎麦を頼む。頼んでからくるまで時間が長かったので、サンボ茸を食べる。見た目はきのこ(茸)そのものだが、傘の上の部分がテラテラとしていて、不思議なテクスチャだ。僕のデジカメでは残念ながらそのテクスチャと質感が撮影できなかった。口にすると、やはり塩抜きをしているせいだろうか、歯触りも柔らかい。味は、思ったほど塩辛くないのだが、全体的に輪郭がぼやけてしまっているかもしれない。やはりこれは、地元の人がいうように
「一口舐めただけで、どうしようもなくしょっぱくてご飯が一杯食べられてしまう」
くらいの方が、それらしいのではないかと思った。管家さんには、次回があるならばぜひ塩抜きしていないモノをお願いしますとメールしておいた。

さて、それはそうと蕎麦である。昨晩の宴席は割烹だったが、そこの女将が打ったという蕎麦が絶品だった。山形蕎麦とはまた違う、細目だが角の立った、繊細な蕎麦だった。それをまた体験できるかと思い、この辺の名店と皆がいう「桐屋」にきたのだが、、、
結果から言おう。会津若松で2回食べただけという、非常に浅い体験ではあるが、旨い蕎麦は、その割烹の女将が打つ蕎麦であった、、、

14:14 | Comments (3)

2003年09月04日

兵庫県加西市と淡路島にはスバラシ食文化が横たわっていた

 会津若松・福島出張から帰った翌日、すぐさま兵庫県加西市に向かう俺であった。今回も農産物のトレーサビリティについての講演。そもそもは淡路島の農業改良普及員の小谷さんという方が、いきなりお誘いのメールをくれたのがきっかけで、結局、県の農協全体が結束して呼んでくれた。その際には勿論「夜は淡路にわたって旨いものをぜひ」とお願いしていたわけだが、淡路には今回初めていくことになるのだ。
 さすがに出張二連戦で疲れていたこともあるが、新幹線の中で爆睡。新神戸にて、迎えにきてくださった県の方と落ち合う。神戸から加西市の試験場まで1時間半の間に、車中で兵庫県の食について伺う。
 まずどこでも「この辺にしかない料理ってなにがありますか」と訊くことにしているが、ほぼ例外なく相手の反応は「いやぁ、、、ふつうですよ」というものだ。そう、彼らは生まれてからずっとその土地の食文化で生きているから、普通のものしかないと言ってしまう。けれども、外からきた人間が観ると「えぇ~ こういうものがあるの?」と言ってしまうようなことが多いのだ。
 今回面白かったのは、車の運転手をしてくださった榎本さん。いろんなことを訊いたのだ。例えば下記。

・兵庫では海でいかなご(小魚)がたくさん獲れる。これを甘辛く炊きあげて佃煮のようにするのを釘煮(くぎに)という。何で釘というか、だが、実はこれを作るとき、年代が上の人はわざわざ釘を水に漬けて錆びさせたものを鍋に入れる。すると酸化鉄の作用か何か知らないが、照りが出て美味しそうになる。黒豆もこうして釘を入れて煮るとよいとされている。この釘を入れるタイミングと時間が微妙なこつで、適当なタイミングで引き上げないと、鉄臭くなるのだ。

・加古川市では、「かつメシ」という食べ物がある。関西では割と有名でテレビにも取り上げられているが、、、どういうものかというと、ご飯に千切りキャベツを乗せたうえにトンカツが乗り、そこにデミグラスっっぽいソースをかけて食べるというもの。このソースが旨い。加古川では「かつ一」という店が元祖とされるが、運転手仲間では、その隣町のイナミという町のある喫茶店のカツメシの方が旨いとされている。高速道路の三木のSAでも食べられるよ

・姫路駅構内の立ち食い蕎麦屋には不思議な蕎麦がある。ここで「そば」というと、だしは普通の醤油だしで、麺が中華麺というものが出てくるのだ。もし、通常の蕎麦を食べたいならば「和蕎麦」と言わなければならない。そしてこのソバの味は、、、

とこのようなヨダレのたれそうな情報をたくさんくれる。

この話をしているときは昼食時で、加西市の近くの小野町にある「豊後」という魚料理の店。〆鯖の丼定食と、豊後巻きという、長芋と海鮮の海苔巻きという、二人前のメシを食べてしまった。悪いのは、旨そうな情報を教えて、やまけんの食欲を増進しまくる榎本さんである。

■豊後
〆鯖丼定食
豊後巻(山芋と海の幸を巻いた、超ビッグ海苔巻き)

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午後から始まった講演自体は大成功。それほど大きくない会議室に150人がすし詰めになり、熱心に訊いてくれた。会の終了後、そもそものきっかけをつくってくれた小谷さんと落ち合い、淡路へ。
その途中、例の三木SAに寄っていただき、カツメシを探す。なんとこのSA、地元の名門ホテルである宝塚ホテルのレストランとベーカリーが入っていて、とてもきちんとした料理を食べさせる。うどんコーナーで出てくるカツメシもしっかりとしたものが出てくるのだ。
 出てきたカツメシは、確かにソースカツ丼のソースがデミグラスベースのものになっているものだったが、それだけではない、何か特徴的な旨さがあった。それで680円である。スバラシイ。思わず榎本さんに電話で感謝の意を伝えてしまった。

■中国自動車道 三木SA 宝塚ホテル直営うどんコーナー
かつ飯 680円

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 さて、淡路である。まずは旅館にチェックインし、すぐさま宴席へ。ここで、実に実に旨い創作魚料理を堪能することになったのだ。淡路と言えばタマネギ。このタマネギをふんだんに使ったドレッシングが活躍するのだ。

■魚佐太(淡路島津名町)
0799-62-0215

太刀魚と焼きなすのおろしタマネギマリネ
レンコン豆腐のあんかけ
ハモとタマネギと水菜の小鍋仕立て
お作り三種(サンマ、鯛、鮪赤身)
瀬戸内の穴子のソテーゴマソース
鰻蒲焼きと茄子素揚げ トマトジュレ添え
穴子の磯部揚げ
茶碗蒸し
但馬牛のたたき

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この一つ一つが旨かったが、非凡に美味しかったのが、最初の太刀魚と、ハモとタマネギの小鍋仕立てだ。列席してくれた改良普及員さんから、淡路特産のタマネギの技術情報について色々教わった。いかにして糖度がきっちりと乗ったタマネギを作るか、いろんなノウハウがあるのだ。そうしたプロフェッショナルな話を聞いていると、マーケティングやトレーサビリティについてのコンサルをしている自分の足下がずいぶんと軟弱な地平のような気になる。ああ、生産技術っていいなあ、、、やっぱり早いとこ、畑がほしい。

なんと残念ことに今日の宿泊施設は11時が門限。一次会で切り上げということに。明日は淡路の農家の現場を数件のぞかせていただき、一路大阪へ移動である。

14:27 | Comments (2)

2003年09月06日

大阪・阪急梅田の地下にてインディアンカレーに感動す

関西出張3日目。あまり時間はないが、淡路島の北の方(北淡という)の農場を視察。花と稲作、そしてあまり規模の大きくない蔬菜生産が主流で、のんびりしている。南淡では対照的に大規模農家が多く、品目はレタスやたまねぎなどに絞られる。小谷さんが説明をしながら車で案内してくれたのだが、北淡の農村部は実に暖かい風景だった。高台から海が見えたとき、心がさっと開いた気がした。その後、市街地に戻ると、心の温かみはすっと引いた。小谷さんが「街はどこへいっても画一化されていますからねぇ、、、」と言う。そうか、植物はその環境によってまったく態様を変えるから、土地によって差異が出る。けど、街のありようは、どこに行ってもあまり変わらなくなってきている。では、街には郷愁を持ちづらいのだろうか、と考えてしまった。

淡路港から出ている高速バスに乗って大阪へ。小谷さん、どうもありがとう。淡路の暖かい気の流れと、農業を正面から考える普及員さんたちに出会えてよかった。

大阪に着くとすでに12時。仕事先に行く前に昼を取ることができる。幸い阪急梅田の地下街がすぐにある。ここで探そう、とさ迷い歩く。いくつか気になる店があったのだが、見つけたのはカレー屋「インディアンカレー」。バーカウンタースタイルのカレーショップで、店構えはこぎれい、メニューはカレーとハヤシしかない。あとは卵のトッピング。この店が繁盛していた。サラリーマンのおっちゃんばかりではなく女性もかなり入っている。こういう店は美味いはずだ。列に加わり店に入ると、食券を買うことになっている。通常のカレーを注文する。大盛りを頼まないのは、いまいちだった場合、すみやかに他の店をはしごするためだ。

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この店、店員の態度がよい。何がよいかというと、自分たちが供している食事がおいしいものであるということをよく理解していて、それを誇りにもちながらも、あくまで冷静に、客の邪魔にならないようにサービスをしていることがわかるからだ。不味い店で、従業員がそれを認識していて、かつ自分の仕事が淡々とその不味いものを出すことだと割り切っている店には、このピンとした空気は漂わない。これはイけるな、と確信した。
すぐに席が空き、並べられたカレーを見てそれが真実であることを知った。かなり盛りのよいライスに、インディアンといいつつもトロミの強いルーがかかっている。色は淡い。匙で一口目を味わう。最初に甘味を感じ、すぐにその色からは創造できない辛味が立ち上がる。こういう路面店で、客が辛さを指定できないカレーとしてはかなり辛い。そして、とても旨い!付け合せは福神漬けではなくキャベツの甘酢漬けだが、この相性がまたいい。一気呵成に食べてしまった。正直、大盛りを頼まなかったことを後悔した。でも、また大阪にきたときの楽しみが増えた。この店、東京に出ないかなぁ、、、

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蛇足だが、しばらく前に東京の蒲田で食べたおいしいシナそばとカレーの店も「インディアン」だ。このキーワード、押さえておこう。

すばらしい気分で店を出て、もう少しお腹に入れたいなぁと思い、もうひとつ気になっていた代わりカツ丼の店へ。いろんなトッピングができるのだが、大きなミスを犯した。キムチマヨネーズなるものを選んでしまったのだ。運ばれてきたのは、キムチ味のマヨネーズソースが豚カツにかかっただけのもの。ひたすら咀嚼し、すぐに店をでた。でも、インディアンカレーの味と香りはきっちりと舌の記憶に残っていた。

01:43 | Comments (41)

2003年09月09日

和歌山ラーメン地元の厳選3店を味わう

2003年8月11日
 和歌山出張である。和歌山といえば魚が旨いのだが、旅程が限られている場合は迷わず和歌山ラーメンである。ちなみに和歌山では「ラーメン」とはめったに言わない。通常は「中華」というのだ。僕は通常、ラーメンはそれほど好きではないのだけど、和歌山の中華は大好きだ。8年くらい前に和歌山で農業情報ネットワーク大会というイベントが開催された時に、当時すでに全国的に有名になりかけていた「井出商店」に行き、その旨さにノックアウトされたのだ。
 それと、他の地域では見かけないが、和歌山ではラーメンを食べながら「早寿司」という、一口サイズの鯖の押し寿司をつまむのが普通だ。この早寿司が旨い!僕はこれを中華の汁につけて食べるのが大好きで、ラーメン1杯に3個の早寿司を食べるのが普通だ。

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ちなみになぜ「早」とつくのか。本来この地域には、鯖に塩をして、米と一緒に1ヶ月以上漬け込んで乳酸発酵させる「なれずし」があったのだ。今は郷土の伝統食として、メジャーではなくなっているようだが、いわば滋賀県のフナ寿司のようなものだ。その簡易バージョンというか、発酵させていないものが早寿司なのだ。これがまた美味。以前、果樹農家さんの集会に寄らせていただいたら、お土産に20本くらい持たせてくれて、それを2日で全部食べきったときは、至福の時間だった。

 さて和歌山ラーメン(中華)である。今回は変則的だが、ある市場への野菜の入荷風景を視察するのが目的だったので、夜から和歌山入り。すでに10時だが、今回アテンドしていただける津田さんが、

「ま、まずは井出商店にいきたいでしょ?」

と連れて行ってくれる。美人の奥様の運転で、井出商店到着。ああ、懐かしい、、、儲かってるだろうに、まったく変わらない外観だ、、、もうかなり遅いのに店は満員である。なんと残念なことに早寿司が机の上に見あたらない。売り切れてしまっているらしいのだ、、、 悔しがる僕をみて、津田さんの奥さんは「相当におかしな人だ」と思ったらしい、、、
 憂さ晴らしではないが、中華大盛り、である。和歌山の中華は、注文から出てくるまでが早い。今回も速攻で出てきた井出の中華は、懐かしい濃いスープであった。

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スープをすする。 ん、旨い、、、 けど、化学調味料が前来た時より鼻につくなぁ。麺をすする。ん、若干柔らかすぎ、、、 カタ麺で頼むべきだったかも、、、 と細かい部分は気になるが、秒殺で食べ終わる。
 正直なところ、ほっとする旨さがあるけど、和歌山の人が「もっと旨いとこあるよ」というのも納得という感じだ。ま、一日目(というか一食目)だし、いいスタートということにしておこう。


 その後、津田さん宅にておもてなしをいただき、非常に心地よい時間を過ごす。夜中の1時から4時くらいまで市場と物流センタの見学と、ディスカッション。うーん大変。青果物の流通ってのはかなり大変なんですよぉ、読者の皆さん。
 仮眠を2時間くらいとって、午前中にやるべき仕事をし、店舗視察をした後、午後1時半ころにようやく昼飯。

「これくらいの時間にいかないと混んでて、、、」

といって連れてきてくれたのは「和歌山市内の人しか行かん」という、激レアな店「山為食堂(やまためしょくどう)」である。なんでもここは、一般的なラーメン店ではなく、うどんとかトンカツとかもある、普通の食堂。でも、客が「中華とご飯」以外を頼んでいるところをほとんどみないということだ。この店、通常の和歌山の中華に比べると「とにかく濃い」んだそうである。なので、自動的にご飯を頼んでしまうということらしい。ふむ、濃い味好きの私にはビッタシではないか。

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■山為食堂 073-422-9113
和歌山県和歌山市福町12
営業時間 11時~17時 ただし売り切れ可能性あり
日祝休み

中華そば 650円

山為の店内は本当に食堂。名物のおばちゃんが居て、すべてを采配する。中華は大盛りはできない。ので、中華とご飯を頼む。しばし後に運ばれてきた中華&ご飯は、確かに「濃ゆい」存在感に満たされていた。スープをすする。確かに濃い!豚骨醤油に魚系の出汁が混ざったような感じだが、とにかくねっとり感が強く、それだけでオカズたり得る味だ。迷わず白飯を一口。そして麺をすする。若干太めで黄色がかった麺はスープがよくからむ。煮豚チャーシューがいい相性だ。文句なしに旨い。化学調味料のにおいもあまり感じない。ゼロではないだろうが、それよりも魚系の出汁を使っているのではないか。スープを飲み干すと大量に残る粉っぽい堆積物が、それを物語っている。麺→スープ→白飯の繰り返しであっという間に食べ終わる。実に満足した。これで650円は安いぞ!

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 さて山為は美味かったものの、朝から何も食わずにラーメンとご飯(ドンブリ入りだったが)だけで満腹になる訳がない。同行の津田氏は「まだ食うの~?」と引くが、もう一軒ぜひ!

 行きたかったのは、これも津田さん情報で、あの井出で修行していたらしい人が始めた「丸三」という店。市内をしばらく走り、見えてきたのは比較的綺麗な一軒家の店だ。

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■丸三食堂
和歌山市塩屋6-2-88
0734-44-1971
営業時間11時〜23時
日祝 休み

中華 500円
特製中華 600円
大盛中華 600円
大盛特製中華 700円
早すし 100円

おおおおやった~! この出張で初めて早寿司に出会えた~!
歓喜の私である。大盛特製中華をオーダーした後、早速1つ食べる。旨い!
中華が出てきた。ちなみに特製とはチャーシュー大盛りのことだ。それに麺も大盛りにしたのが大盛特製中華。説明しなくてもわかるか。この、丼に表現された世界が実に美しい、、、写真をみていただきたい↓
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どうですか!? 小宇宙が見事に表現されている!(なんのこっちゃ)
井出も山為も、いい意味でぶっきらぼうな感じなのだが、丸三は芸術点を挙げたくなる完成度なのだ。そしてそれは外見だけではなかった。

「旨ぁ~い!」

個性が違うことを差し引いても、どう考えても今回一番の旨さである。よく考えて欲しいのだが、私はすぐさっき中華とご飯を食べている。その上に大盛を食べて「旨い」というのだから、客観的評価としてはすさまじい高得点になるはずだ。
 一番感じるのはスープの繊細さだ。豚骨醤油のベースは変わらないが、雑味が少なく、味わせたい要素を絞り、その各要素を際だたせることに成功している。濃厚さをあまり意識させない内に食べ終わってしまうのだ。麺は今回の3店中で最も細いので、これがスープを繊細に感じさせている要因の一つだろう。しかもチャーシューも手抜きナシで、旨い。バラ肉だと思うけど、味がきちんとしていて、口でとろける。とにかく旨いのである。
 おもわず早寿司をもう一つ食べる。中華のスープに少し浸して口に運ぶ。スープと酢飯は絶妙のコンビネーションだ。一口大のガリがスープの脂を引き締める。と、津田さんがレジに立って会計をしてしまう。あああ、、、この「あああ、、、」は、おごって頂いてしまったどうしよう、という気持ちともう一つ「早寿司もういっちょ食べたいんだけどなぁ」という2つの意味がある。
 それでもう一つ店員さんに100円払って早寿司を食べたのであった。それで諦めたけど、本当のことを言うともう一つ食いたかった。何せ最高なのである。

 大満足して帰途へ。なんと津田さんの奥様が、早寿司を10本セットで買っていてくださり、お土産にもたせてくれる。なんと出来た嫁さんなのだろう、、、でも、告白しよう。この10本の早寿司、東京の自宅について、寝る前にすでに5本食べてしまったのだ。だって旨いんだもーん、、、

 こうして和歌山ラーメン紀行その1は終わった。しかし情報によればまだまだいい店があるらしい。続編を期待して欲しい、、、

08:40 | Comments (2)

2003年09月20日

熊本県八代市で「い草」について教えてもらった

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 本日から熊本3連戦である。20日(金)は八代農業改良センタと、地元の農業生産者のパソコン利用クラブである「ぐりーんネット」の共催による講演会に招聘されたのだ。題目は勿論、「農産物のトレーサビリティ」。
 八代とは実は関わりが古い。まだ学生の頃、農業情報ネットワーク大会で知り合ったネットファーマー(ネットを駆使する農業者のことだ)に、八代の鶴山さんと宮本さんがいたのだ。二人は、ともに八代名産のフルーツトマトである「塩トマト」生産に取り組む篤農家達だ。生産圃場を見せていただき、その味に驚嘆して以来、取引させていただいたりしながら今に至る。

 熊本空港に着くと、鶴山さんが迎えに着てくれている。半年前の農業情報ネットワーク大会ぶりの握手。
「最近、熊本では黄化萎長病が流行しているんで、トマト農家は壊滅的な被害を受けてるんよ」
という穏やかならぬ情報を聴かせてもらいつつ、1時間半程度で八代へ。昼食には生け簀寿司の店で握りとバッテラをいただいたが、意外(!)に美味しい寿司をいただいた。
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「実は熊本の魚は旨いってことが、知られてないんだよねぇ」
本当にそうだ。僕はすばやく認識を改めた。

(続きはこちらをクリック↓)

 講演会場には60人くらいの聴衆が集まっていた。どうやらこれは「めずらしか」ことらしい。やはり今日的な話題で、しかも何をやらねばならないのかがかはっきりわからないテーマだからだろう。皆、熱心に1時間半の講演を聴いてくださった。



 終了後、市内のホテル「大黒屋」へ。ここは宴会場として一番有名なホテルなのだそうだ。料理は、熊本名物も盛りこんだものだが、基本的には宴会料理。九州ならではの鶏のたたきを集中的に食すことにした。

 さてこの宴席で一番面白かったのは、実は食べ物よりも生産者との話だ。それも、食べられる品目ではなく、いわゆる「い業」の話だ。い業とは、い草を生産して畳表(たたみおもて)をつくる仕事を言う(へぇ~)。やまけん的には食べられない作物にはあまり関心がないのだが、これは話を訊いていると非常に面白いものだった。いや、まずは話をしてくれた古島さんという若手生産者さんが面白いキャラクターだったので引き込まれてしまったのだが、、、ごつい外見でかなり笑わせてくれる陽の気を持った人だった。
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■い草の話 
1反部(10アール)の畑から、畳表4~500枚分のい草が収穫できる。そのい草を畳表に一次加工したものが、1枚分で900円~1200円になり、1反部あたり大体60万円前後となる。

 この畳表の流通構造だが、やはり一般の青果物と同じく、卸売市場があって、JA経由でそこに出荷、問屋を通じて全国の畳屋に流通することになる。これが一般的なルート。
 そして、ここで登場するのがネットだ。このぐりーんネットの生産者のうちの数人はいち早くWeb上で畳表の直接販売を始めた。顧客対象は当然ながら畳屋さんだ。実は、畳の世界でも、流通場の不具合が散見されていたのだ。例えば畳屋が問屋を通じて仕入れをする場合、いい畳表が手に入った時、「これと同じものを欲しい」と思っても、次回同じものを入手できる見込みは低い。卸売の仕組上、生産者までの指定が難しいらしいのだ。

 つまり、もし「よい畳表」が安定的に入手できるとなれば、直販ルートでも何でもよいという畳屋さんもいるということなのである。
 ここで重要になるのが「よい畳表とは何か」ということだが、これについては僕も選別眼は持ち合わせていない。ただ、もう1人話をしてくれた岡さんの話では、い草のニッチ市場があるという。

「通常、い草は泥染めといって、保存性をよくしたり独特の色合いを出すための着色をするんですが、アトピー等の問題もあって、これを嫌う人たちも居るんです。なので、うちでは完全に薬品等を無添加にして、安全な畳表を出荷しています。生産品の9割以上が直売で売れますね」

面白い話である。い草にもそんな市場があるのだ。世の中深いというか、農業はやはり面白い。どこにもあるのが、従来型の市場流通の構造的問題。そしてそれを踏み越える意欲的な生産者がいる。
 勿論、世の中の従来型の市場構造は、悪い側面ばかりではない。ただ、実状に合わなくなった構造は多数存在する。この構造を逆手にとって自己を確立する人たちもいる。日本の農業の衰退は目を覆わんばかりだが、まだまだ元気で面白い人たちがいると実感した。



 ちなみにこの後、二次会にて焼酎を飲み、ラーメン屋にて熊本ラーメンと餃子を食べたが、隣に座っていた兄ちゃんが、
「この店はラーメンよりもチャンポンが旨いよ」
と言うので、チャンポンも頼んでしまった。そして確かに旨かった!ありがとう名も知らぬ兄ちゃん。

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こうして熊本の第一夜が更けていった、、、

23:58 | Comments (2)

2003年09月29日

阿蘇のぽっこわぱ農園にて

9月21日 八代より阿蘇へ移動

 八代から、阿蘇の長陽村にきた。長い陽と書くだけあって、南と北には山が走っているが、その間の平野部に村が広がっている。熊本と高森を結ぶ幹線道路を降りてすこし入ったところに、ぽっこわぱ農園がある。僕が大学時代に、神奈川の藤沢から後輩達を連れて合宿に通っていたのがここだ。この農園は、思想家のシュタイナーが拓いた「バイオダイナミック農法」を実践していることで有名だが、そういうことよりも、完全に無化学肥料無農薬で4町歩近くの農地を耕し、野菜、米、茶をセットにして数百の世帯に宅配をすることで生計を立てていることに敬服する。ここに年に一回はこないと、自分の中のリズムが狂うようで、落ち着かない。

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ぽっこわぱに向かう道の風景は昔とまったく変わらず僕を迎えてくれる。今、ぽっこでは、創始者であるよし子さんとドニーさん(フランス人だ)の家族と、よっちゃんの家族、そして研修生数人の、計10人程度で運営されている。すぐにぽっこの空気に戻り、作業をする。
 日曜日は基本的には作業は休みだが、研修3年目のヨウゾウ君がレモンバーベナを摘んで茶を作るというので、手伝いをさせてもらった。バーベナは大好きなハーブだ。これを摘んで洗い、葉の水気を切って茶葉乾燥機に入れ、水分を飛ばすのである。
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その他、ナスときゅうりの収穫、にんにくの選別、牛にやる草刈り、葉物野菜のセルポットへの種まき。農作業は、人と話しながらするとにぎやかだが、一人で黙々とやるのもまたよい。それは瞑想に似ているが、実は生産という活動に直結している時間の流れだ。それはゆったりとしていて、コンデンスミルクのように濃い時間なのだ。
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 午前6時から朝作業、8時に朝食をとって9時から作業、日中は午後3時まで日差しを避けて休み、暗くなるまで作業。夕食をとって、選別などの中でできる作業。
 このリズムがだんだん気持ちよくなっていく。
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心地よい阿蘇時間が流れているのだ。

00:02 | Comments (1)

2003年10月08日

大阪の秋。インディアンカレーと「浅井」再訪 その1

 待ちに待った大阪出張だ!過去ページを観ていただいていればわかると思うが、今回は2店舗、絶対に行きたい店がある。行きたいというよりは再訪したい、だな。前回行って、実に関心感動した2店なのである。大阪ってほんまに旨いんやね、ということを知った店だ。
 それは、阪急梅田駅地下街などにあるインディアンカレーと、心斎橋にある「おおさか料理」を標榜する割烹「浅井」だ。それぞれ過去ログを観ていただきたい。

 大阪へはのぞみで行く。3時間かかる時間、出張先へ持っていく資料を整理しながら、文集文庫から出ている名著 「すきやばし二郎 旬を握る」 を読み直す。
 すきやばし二郎は、言わずと知れた銀座の江戸前寿司の名店。その主である小野さんが、いかにして今の握りスタイルにたどり着いたかを、豊富な図解入りで語っている本である。感動させられるのは、この人の寿司に対する探究心の深さだ。車えびを旨く握る最適な方法を見つけるため、手を変え品を変えながら実験をし、大量に自分で食べる。そして「車えびは人肌で出すのが一番香りがたって旨い」などの知見を得るのだ。そう、食べ物については、味覚の正確さと、自分が経験した味の記憶の蓄積と、そして執着心がないとたどり着けない境地がある。それをまざまざと見せ付けられる本なのだ。今回はこれを仕事先でお見せするのだ。

 さてそうこうするうちに、新大阪に到着。まず目指すのは、前回の大阪訪問時に偶然入って、瞬時にその虜になってしまった「インディアンカレー」である。
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(続きは下記をクリック↓)

 前回は、淡路からバスで移動したのだが、そのターミナルのすぐ地下に店があった。今回は電車なので、大阪に不案内な僕には位置関係がようわからん。前行った店は「阪急梅田」にあるらしい。とりあえず大阪駅にきてみたが、どう行けばいいのかわからないので色々とモバイルで地図を探す、、、よくわからない。仕方ないので通りがかりの人に聞いたら、
「阪急梅田は大阪駅から歩いてすぐやで」
と言われた。ほんとだすぐだ!と足が浮き立つ。地下2階に降り立つと、強いカレーの香りが漂っている。再訪だ。

 このインディアンカレーについては、読者から情報をいただいた。

・ご飯大盛りにすると、ルーが足りなくなるので、ルーも大盛りにした方がいいよ。
・「目玉」と言うと、生玉子が乗せられてきます。これを混ぜながら食べると最高。

 なるほど!そいつぁありがたい。これを踏まえて注文は「ご飯とルー大盛り、目玉入り」とする。1030円なり。カウンター席に座ると、隣の人はハヤシライスを食べている。ケチャップ色に近く、玉葱がゴロゴロしていてこちらも旨そうだ。次回は両方食べよう、、、
と思っているとカレーがすぐに運ばれる。キャベツの甘酢漬けも別皿に盛られてくる。一口カレーを口に運ぶ。一口目から強い辛味が弾ける。旨い!
 そしてこの一瞬、実はインディアンカレーを構成する重要な要素に対する理解が瞬時にできたのだ。それは、このカレーを忘れがたくしているのは、この辛味ではなく、その裏にある「甘さ」なのだということだ。絶妙な辛みに隠しているが、このカレーには糖類の甘みがかなり入っている。それも、「タマネギをじっくり炒めて甘みを出しました」というようなものではない。直接的に甘みを入れているはずだ。思うに、、、浅めに火を通したカラメルではないだろうか。この甘みがあることによって、「辛い」→「けど甘い」→「辛い」→「うまーい!」というサイクルになるのだろう。
 卵の黄身を割ってまぶして食べると、これまたマジ旨!うーん やっぱり大阪のランチはインディアンカレーに限る!次回はハヤシライス大盛を食べることにして、一路仕事に向かうのであった。

00:37 | Comments (6)

2003年10月10日

大阪の秋。インディアンカレーと「浅井」再訪 その2

2003-10-08の続きだ。

さて、夜の部は心斎橋にある おおさか料理 「き川浅井」だ。この店は実に素晴らしい。前にも書いたが、勢いのある品書きだ。きらめくお品書きと言っていい。こうした、発光しているような品書きがある店は実に美味いことが多い。勿論この「浅井」も最高だ。

しかし、、、申し訳ないことがある。全ての画像をデジカメで撮影したのだが、デジカメが故障し、その画像を取り出せない!不測の事態になってしまった、、、この日食べたのは下記だ。
怒濤の品数、、、念のために言っておくと3人で食べたんですよ。まあ、ほとんど私が食べてましたが、、、

三寸
ナスごまクリーム和え
くじらベーコン
つぶ貝のお造り みそ醤油添え
コチのウニ巻きお造り
関さば生寿司
穴子白焼き
明太イカのお造り
かわはぎお造り肝ポン酢
甘鯛のポテトサラダ湯葉巻きグリル
レンコンとウニ餡の饅頭
合鴨ロースのマスタードクリームソース
鯨さえずりの土手鍋
ナスとあわびのウニ乗せグラタン
蟹入りひろうすの冬瓜あんかけ
うるか和え
納豆雑炊

 特に絶品だったのは「甘鯛のポテトサラダ湯葉巻きのグリル」だ。甘鯛の身でポテトサラダを巻き、その上からさらに生湯葉を巻いてアルミホイルでくるみ、蒸し焼きにしている。ポテサラの酸味が利いて、実に旨い!これが「おおさか料理」なんだなぁ、、、としみじみ納得。飾っていないのだ。ポテサラなんて、例えば京都では甘鯛に合わせないはずだ。でも、実質的に旨い。だから巻く。これが大阪のおおさか料理たるゆえんだろう。

 ここは今度、怖いけど自腹で来よう、、、 と堅く心に誓ったのだった。

00:06 | Comments (2)

大垣の名店「四鳥」にて駿河若シャモ料理を堪能する

 さて岐阜の夜は、大垣随一の名料亭、「四鳥(よんとり)」である。

四鳥
大垣市東外側町1-15
http://www.spi.ne.jp/~yontori

 ここは県知事が食べにいらっしゃるような超名店だ。料亭の跡取りであり、板長でもある津谷秀次郎さんは、日本料理の枠に囚われない自由な料理を創り出す。フォアグラがよく出てくる料亭ってそんなにないだろう。日本酒とワインにも精通している、素晴らしき人なのだ!
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なんでそんな格式の高い料亭に僕なんぞが行けるのかというと、この四鳥と昵懇にしている僕の先輩に連れて行って頂いたのだ。その時、食材の話になり「美味しい地鶏が欲しいんだよね~」という話があり、「それならば!」ということで、僕が食材を紹介したのだ。

 その食材とは、静岡県で育種された「駿河若シャモ」。このシャモについては、この日曜日にシャモを育種した静岡県中小家畜試験場に行ってハムとベーコンを作ってくるので、その際に詳しく紹介したい。とにかく今最も注目すべき地鶏である。特に鈴木さんという生産者さんが育てた地鶏が最も旨いのだ。この鈴木さんの地鶏を秀さんに送ったところ、ムチャクチャ気に入ってくれ、その後、鈴木さんとの取引が始まったわけだ。
 今日は、そのシャモを秀さんがどう料理しているのか、楽しみにして来たのだ!

(続きは下記をクリック↓)

 帰京するので2時間しかとれないのであわただしく入店。店の前にはハイヤーが数台停まり、お付きの人たちらしい黒服が数名。VIPがいるらしい、、、そこに俺ごとき若造が入っていくのはとっても違和感がある。
 たたきで靴を脱ぐと、女将さん仲居さんが「あらまあようこそ」と迎えて頂く。びびりそうな個室に通され、いざ宴(独りだけど)が始まった。

前菜
シャモの笹身の塩じめと霜降り
皮煎餅(竜田揚げ)

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 通常の鶏肉(ブロイラー)はどうしても短期間で仕上げるためか、旨味に乏しいのが常である。特に、牛肉と違って酸味が乗っていないというのが鶏肉の欠点と言われる。しかし、この駿河若シャモは、肥育期間が120日以上と長いため、鶏とは思えないほどの旨味が乗る。最もあっさりしているササミでさえも、ほのかな酸味を感じるのだ。その辺のエセ地鶏とは違うのである。これを気持ち濃いめの仕込み醤油でいただく。新鮮なササミにしか感じられない微細な繊維感とヌメ感。皮煎餅は片栗をまぶしてカリっと揚げており、心地よい。否応なく期待が高まるのだった。

 酒はぬるかんの「みちざかり」。僕はワインより日本酒だなぁ。特に燗酒は優しく身体に浸透し、心地よさを倍増する。仲居さんが良いテンポで皿を運んでくれる。

若シャモの首肉と茸、白菜の椀
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 鶏の部位で最もうま味と歯ごたえが良いのは、なんと言っても首肉だ。骨の周りに少ししか就いていないこの部位が、僕は最も旨いと思う。これを椀にしている。白菜が首肉の濃いスープに絡んで何ともいえず旨い。

若シャモ炭火焼き
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 待ちに待った腿と手羽先が焼かれて出てくる。正直言って、若シャモらしさを最高に活かすのはただの炭火焼きだと思う。これは秀さんも同意見とのこと。ここでは肉に塩まぶさず炭火であぶり、皿に添えられた塩につけるようになっている。塩は伯方の岩塩だそうで、適度に尖った酸味があり、若シャモに合う。シャモのモモ肉は強い弾力と驚くほどの旨味を含んでいる。どんな人でも噛んだ瞬間に他のモノと違うことがわかるだろう。
 手羽先はねっとりとしたゼラチン質がビッシリついており美味。ただし余分な脂がないので食べるところは少ない。これが平飼いの地鶏の特徴だ。

卵管、腹卵と肝の山椒甘露煮
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 この若シャモ、なんといっても肝が妙味だ。僕も驚いたのだが、丸で捌いたときに目に付くのは、肝がオレンジ色と言うこと。そんなの始めてみた。今回は肝、卵管、腹卵がこっくりとした甘露煮にされている。山椒の実と葉がアクセントになっている。実に酒が進む、、、
 甘露煮の甘濃さが強すぎる管もあるが、それは岐阜特有の甘めの味付け故と思えるし、第一甘くとも全く嫌みはない。山椒の実を噛むと広がる強い香りが甘さを緩和するので、爽やかだ。

手羽元のフライ味噌ソース添え
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 この日最高の一品がこれ。手羽元は細かいパン粉でフライに仕上げている。肉は驚くほどにほどに弾力に富む。かといってかみ切れない訳ではなく、絶妙の繊維感を歯の記憶に穿ちながら噛み切れていく。そう、肉の繊維の一筋一筋がきっちりと自己主張をしており、みっちりほくほくと歯に感触を伝えるのだ。これはどうやったら伝えられるのだろうか?食べてみれば、言っていることがわかると思うが、、、
 そしてこのフライと味噌ソースの相性が最高!味噌ソースとは、名古屋や岐阜では一般的なみそカツのあのソースに一手間かけたモノだ。秀ちゃんいわく、みそカツソースそのものだとシャモの味を壊す。レシピ教えてくれたけどここには出さないよーん。これがまさに絶妙で、シャモの味と香りを最大限に引き出すチューニングになっている。フライには塩よりも味噌ソース!こいつは大発見である。

モモ肉と胸肉の地鶏すき焼き
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 厚手の鉄板で、鶏すき焼きを作ってくれる。僕一人のためになんと手が込んでいることか、、、申し訳ないっス。甘めのタレで仕上げてくれるすき焼きは、「頼むからご飯をドンブリ一杯くれ~」といいたくなるが、ここで若女将(秀ちゃんの奥様)が登場。お相手をしてくださる。

 その後、冷や酒の純米大吟醸を持って秀ちゃん登場。酒は 可児市の林酒造の酒で「美濃天狗 いひょうゑ 純米大吟醸」←劇ウマ。
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料理にも満足した旨を伝える。俺、秀ちゃん大好き。飾らず、食への執着、探求心が子供のように純粋。僕が知っている旨い食材をすべて紹介したいと思う。ちょうど冬場のフルーツトマトを知らないというので、八代の塩トマトを今年は送ることにしよう。楽しみにしておいてね、秀ちゃん。

 〆はオムライスと冷やしうどん(本当はどっちか一品だけなんだけど)。満腹になり、大垣駅へ向かう。こうして一日が終わった、、、若シャモについては今度ゆっくり書きます。

00:54 | Comments (0)

名古屋駅新幹線ホームのきしめんと、郡上八幡の天コロ蕎麦

 本日は岐阜に出張だ。目指すは郡上八幡。はるかなる道のりだ。
 東京から新幹線のぞみに乗り、名古屋にて乗り換え。乗り換えの際には迷わず新幹線ホームの両端にある立ち食いきし麺屋に行く。これ鉄則。カレーきしめんが割と旨いのだけど、かき揚げ天ぷらきしめんを食べる。
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 多くの名古屋人が「新幹線ホームのきしめんがいっちゃん旨い」というのだが、数年前に店舗を新しく建て替えてからめっきりと味が落ちた。ダシが不味いのである。それでも標準以上の味ではあるので、食べる。

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 さて岐阜羽島から車で郡上へ。郡上八幡は、最高に風光明媚で空気と水の旨い地域だ。ここは水道水でさえも旨いのだが、多くの家庭で井戸や山からのわき水を使っている。極めて品が良く力強い水なのだ。旨い水と山々に囲まれた地域では、例外なく蕎麦が旨い。この日も昼食は、郡上出身のT氏が「この辺じゃここが一番旨い」という蕎麦屋「善兵衛」へ。
 盛り蕎麦500円。天ぷら蕎麦650円。ん?安~い! 郡上は何故か安いのである。この辺では冷やし蕎麦のことを「コロ」と呼ぶらしい。僕は天コロ蕎麦大盛りを頼む。程なく運ばれた蕎麦、実に旨い!細めの堅麺で、角がビシッとしている。つゆがシャッキリ濃いめの塩梅。天ぷらは大海老と、海苔の天ぷら二枚がアクセントになっている。
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なかなか感動してしまった。おかげで長引いた仕事の打ち合わせもきっちり済ませることができた。もうへろへろである。

そして日記は夜の部へと続くのであった。

11:09 | Comments (0)

兵庫県赤穂に「さくら組」あり

これは2003年8月8日の記事だ。

 自宅で普段使っている塩は「赤穂の天塩」だ。その「赤穂」が地名で、しかもあの赤穂浪士の赤穂だというのはうっすらとは知っていたが、余り正面に捉えては居なかった。しかし今や、赤穂と言えば!それは激旨イタリアンの赤穂と言うほかないでしょう!という認識が俺的宇宙の中で強く礎を築いたのだった!
 一言で言ってしまえば「赤穂には素晴らしいイタリアンがある!」ということです。

 大阪出張の後、本来なら熊本に講演で飛ぶはずだったのだ。しかしなんと台風が来ているため、前日夜にいきなりキャンセルの電話がかかってきたのだ。うーむ困るなぁ、、、しかし気持ちをエイヤと切り替える。神戸の親友である西垣内(ニシガイチと読むのだ)に相手してくれ~と言うと、「それなら俺も行きたかった店にいってみよか?」となる。いい友だ!
 その「いい店」が、兵庫県の端の端に位置する赤穂の「さくら組」だ。この店、結構有名らしく、大阪から車で食べに来る人もいるらしい。有名なのは石釜焼きのピッツアだという。けど、海っぺりにあるわけだし、ピッツア以外にも魚貝が旨いだろう。関西方面のイタリアンの実力を知るいいチャンスだ、ということで一も二もなく賛成した。

 翌朝、大阪から神戸に移動し、西垣内の車にて一路赤穂へ。これがムチャクチャ遠い。しかも台風の影響で大雨。雨も断続的に降る。いきなりあがる。晴れ間が見える。と思ったら視界20メートルくらいの大雨。大変な赤穂行きになっちまったのである。でもそのおかげで、西垣内の半生をだいぶ理解した。こいつ、本当にいいヤツなのだ。
 2時間半くらいかけて赤穂についた。西垣内も実は店の場所はよくわかってなくて、あてずっぽうで走っているうちに、その店が忽然と現れた。
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 瀟洒なつくりの店を想像していたら、小さいカフェのような、しかも雑然とした作りの店だったのでちょっと驚いた。いや、これはいい意味で言っているのだ。綺麗すぎる作りの、いわゆるリストランテではない。漁師町のトラットリアといった風情。実際はピッツェリアなんだが、その雑然さが、なんとも旨そうな予感を漂わせている。しかもすし詰め満員である。
 この店に来る前に西垣内が、
「きっと客層の大半が、近所のちょっとお金のある中年主婦ばっかりやろ」
と言っていたのだが、まさしくその通りだった。テーブルを囲むマダム達。思わず笑ってしまった。しかし、予約しておいて正解だ。平日の13時なのに待ちが沢山入っている。ちなみに男性は俺たち二人だけなのであった。

10分ほど待ってテーブルが空く。メニューを観ると、ぉお!あの、本当に美味い店でしか観られない煌めきが見える!メニューはオーラを放つのだ。ひと皿の単価は1200円~1800円と高めだが、それだけの内容なのだろう。じっくり考えたあげく、

前菜盛り合わせ
パスタ
カジキのソテー
ステーキ
デザート

というセットを2名で頼み、かつピッツアマルゲリータを頼む。足りなかったら追加するのだ。我々の軽妙なトークで可愛いウェイトレスちゃんを笑わせつつ、キリッと冷えた桃入り白ワインを飲んでいると、前菜の盛り合わせが出てきた。ドドーンと盛られたイタリアによくある威勢のいい前菜は、見た目も味も最高の一言だ。食事はたいていの場合、前菜で決まる。前菜の満足度が低くて、最後まで楽しめたことは少ない。しかもここは盛りがいい。
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次に出てきたペスカトーレが出色だ。かなり太めのリングィーネを使ったこのペスカトーレ(漁師風)、とにかく魚貝のダシが濃厚。アルデンテより固めに仕上げた麺にサルターレ(熱を通しながら絡める)をして、濃厚な味を麺に吸わせている。思わず西垣内と顔を見合わせて
「旨いっ!」
麺がもう200gくらい欲しくなるような、そんなパスタだった。
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ここでピッツアが出てくる。生地を捏ね、焼いているのは小柄な女性だ。しかし業務用の小麦粉袋を運ぶ彼女はタフだ。プロの匂いがする。出てきたピッツアもタフだった。なよっとした生地では全くない。台はパリっとし、小麦の香りが立ち、熱いチーズとうっすらと塗られたトマトとバジルの香りが相乗する、絶妙の味だ。森下にある某店で石焼きピッツアにがっかりした僕にとっては、目からウロコのピッツアだった。(食べるのに夢中だったため、写真はない。下の写真は、ピッツアを焼く石釜と西垣内だ。)
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そしてここから怒濤のメインだ。カジキマグロのソテーにはタマネギと赤ピーマンのソテーと粒ケイパーが絡まっており、レモンを搾って食べるだけのシンプルな構成。しかし、旨い。何というか、皿の裏に見えない文脈があるかのようだ。そう、勢いがあるのだ。そのスピード感に乗って食べるのが心地よい。
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そして牛肉のステーキ。網焼きではないけど、イタリアンパセリと粒胡椒を載せて、ヘタな味付けをしていないそれは、肉汁と野趣の溢れる、これまたスピード感抜群なひと皿だった。
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満腹。はるばる来た甲斐があった。西垣内も満足そうだ。
ドルチェには、桃のプリンとティラミス。桃は、生桃を裏ごしして固めたもの。ティラミスはでかくて甘くて下品で旨い。ヴォーノ!

これで二人で9600円程度か。安いとは言わないが大満足だ。あまりに遠いが、また来たい店である。

関西のイタリアンは旨い!少なくとも赤穂にはいい店がある。これは真実である。

21:07 | Comments (13)

2003年10月15日

大阪で絶品本格インド料理に出会う

india05.jpg またも大阪出張である。しかも朝からの仕事なので、前泊する。うーむ嬉しい!大阪には友人が多々いるのだが、同じ農産物の業界にいる親友と会うことにした。今回は翌日の仕事の関係で京橋というところにホテルをとったのだが、着いてみてビックリ、繁華街というか歓楽街というか、東京でいえば新大久保のようなところだった。びっしりと店が並んでいるが、立ち呑みの店や串揚げ、魚料理やラーメンなど、素晴らしく雑多にして猥雑な空間が広がっていた。こういうのは大好きなのである。片っ端から食いまくりたいという活力が身体からみなぎってくる。

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 友人と落ち合い、店に移動。実は、大阪出張編ではすでこのblogに2回登場している「インディアンカレー」が好きだ、と言っておいたのだが「この近くにあったよ。そこに行こう」という。インディアンカレー、京橋にあったっけ?と思いながら風俗街を抜け、繁華街のはずれまで歩いてきたところに、非常に美しいアジア女性が店先で通りをじっと見つめている光景に出会った。年の頃30台後半か。アルカイックな眼がとても印象的だ。と、思っていたら友人が「ここだここだ」という。
 えっ?インディアンカレーじゃないじゃん、と思いながら合点がいった。友人は、僕が「インドのカレー」を食べたいのだと思ったのだ。僕は「インディアンカレー」というチェーンに行きたかったのだが、説明不足だった。が、くだんの店は明るいログハウス風喫茶のような綺麗な店構えで、何よりこの印象的なアジア(っていうかインド)美女がいらっしゃる。非常に速やかに僕の心は本格インド料理向けにリセットされた。

店名:アルナーチャラム
大阪市都島区片町2-7-21
06-6881-6771

店内はきれいな喫茶店風だが、厨房を覗くと本格的なタンドールがある。ナンやタンドリーチキンを焼くための壺だ。金属製の壷の中に火をおこし、内壁にナンの生地を張り付けて焼くためのものだ。本格的なタンドールがあるということは、きっちりとしたナンが食べられるということだ。しかも料理人はネイティブのインド人が2名だ。それに先ほどのインド美人が厨房にいる。うーん楽しみになる、、、

メニューはワープロうちされたもので、全てに日本語の説明が入っているが、料理自体は全く北インドのバリエーションだ。タンドール料理各種にパコラ(揚げ物)、いわゆるカレー各種にビリヤニ(ピラフのようなものだ)。その各種に、チキンかエビか野菜か、素材を選ぶことが出きるようになっているようだ。
 店内でサーブしているのは日本人のお姉さんである。この人もなかなかに美しいので、いろいろと相談しながらメニューを決める。

・ベジタブルパコラ
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・チキンサグワ(チキンとほうれん草のペーストカレー)
・シュリンプガルニ(エビのカレー)
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・チキンのガーリック焼き
・チキンビリヤニ(ピラフ)
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・ナン

運ばれてきてびっくりした。どちらかというと王宮料理系の、まろやかにしてリッチな味わいのインド料理なのだ。二種のカレーのうち特にシュリンプのカレーは、トマトが多用されていて真っ赤で、そしてマイルドで非常に旨い。本気で旨い!東京でもあまりお目にかかれない系統のインド料理だと思う。


お姉さんにヒンディー語で「美味しい」はなんというのかと尋ねると、
「アチャ」
だという。ここから店内にブルースリーが2人いるような状態になったことは言うまでもない。
「アチャ、アチャアチャ!」
しかし実際に旨いのだ。マサラの芳醇な香りが、トロリとしたサグ(ほうれん草)と溶け合っている。いたずらに尖った辛みはなく、実にマイルドな王宮ぶりだ。

あまりに「アチャ」が多いので、料理人が代わる代わる僕らを見に来る。ひたすら食べて、最後に茄子のカレーとご飯をまた頼んでしまった。
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デザートはクルフィーというアイスキャンディーにチャイだ。もう大満足。友人Mよ、よくぞ俺の真意を誤解してくれた!なんと良い店に突き当たったことか。
 最後にみなさんと記念写真を撮った。なかなかインド美女は入ってくれようとしなかったが、、、

 これだから大阪はやめられない。もっとこよう、と思いつつ友人と別れる。その後、俺の足は自然と繁華街に向かっていた。風俗店の兄ちゃんが客引きをしてくる。その兄ちゃんに「あのさ、ラーメン旨い店ってどこ?」と訊くと、気勢を逸した兄ちゃんは「僕やったらサイガのスタミナラーメンですわ」という。その兄ちゃんを信じて、2分後にはサイガのカウンターに座ってスタミナラーメンと餃子を食べたのであった。

 さて明日は仕事だ、、、

23:54 | Comments (1)

2003年10月16日

大阪で食い倒れ完遂して大満足。

 今日は久々に完璧な食い倒れが満喫出来た。静かな満足が僕を包んでいる、、、

 朝から重要な会議。きっちり仕事しましたぜ!マジで! 朝飯も食べずに、客先を辞去したのが12時半過ぎ。もう腹は減りまくっているのであった。同行の青果物流通業者の方々と共に昼食をということになる。
 会議が住道(すみのどう)という場所だったのだが、駅までの道のりにいろんなものがあって冷やかして帰るのが面白かった。豆腐屋ではいかにも旨そうな生湯葉が売っていたので足を止めると、ひろうす(がんも)も旨そうだ。2つずつ買い求める。湯葉はわさび醤油か、柚子胡椒で食べると旨いらしい。

osaka01.jpg 商店街に入る前の空き地の横で、何やら面白い車が停まっている。なんと業務用の電気オーブンを積んで、その場でメロンパンを焼き、直接販売をしているのだ!焼き上がり時間の目安が書かれており、すでに5,6人の行列ができている。俺の闘魂は一気に燃え上がった。

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並ぶこと5分、見事焼き上がったメロンパンを同行の皆さん分も買い求め、出来たてアツアツのメロンパンにかぶりつく。表面は当然ながらクリスピー感たっぷりでカリっとしているが、クッキー生地の部分以外は驚くほどにフワフワ。生地に空気をたっぷり含ませているので、大きめなのに実にライトなのだ。内部に密に詰まっていないので、軽く食べられてしまう。これは幸先がよい。

■シャレードのメロンパン 120円/個
移動店舗(っていうか、車)なので、大阪府内を適当に巡回しているらしい。

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osaka03.jpgさて電車にのり目指すはキタすなわち梅田界隈である。実は大阪オリジナルのファーストフードである「イカ焼き」をまだ食べたことがなかった。阪神百貨店の地下食品売り場に旨い店があるというので、行ってみる事にした。そうしたらそのすぐ近くに551(蓬莱)の豚まんがあったので、豚まんと肉団子の甘酢タレ、シュウマイを買って立ち食いコーナーにて食いまくった。イカ焼きは、お好み焼きとは明らかに違うものだった。今後数回は食べてみないと理解できないかもしれない。

 さてその後は同行の方々とみっちり2時間の会議であった。梅田の地下街の喫茶店で会議をしている間、地下街のトイレに行ったとき、どうにも気になる店を見つけてしまった。それが「ピッコロカレー」である。osaka05.jpgインディアンカレーと同じように数店舗のチェーン展開をしているようだ。雑誌に取り上げられたりしているようで、店先には記事のコピーが貼られている。同行の皆さんに聞くと、
「うちのおかんは大阪ではピッコロカレーが一番美味しいって言うてました。」
という。
 実は本日は、昨晩食べられなかった「インディアンカレー」に絶対に行こうと思っていたのだ。しかしこのピッコロカレー、非常に気になる。なんといってもトイレの横にある8席しかないカウンターだけの店というのが、絶妙にソソルのだ。

その時、食い倒れの神が俺にこう囁いた。

「心配するでない。ピッコロカレーではビーフカレーを食し、その後インディアンカレーにてハヤシライスを食べればよいのだ。さすればカレーが重なることはない。」

おおっ そんなことは考えてもみなかった! なんと素晴らしい啓示だろうか!? 実は昨晩、本格派インドカレーを食べ終わり床に就き、ひそかに悩んでいたのだ。
「インディアンカレーは実に旨いのだが、あそこのハヤシライスも食べてみたい、、、でもカレーも食べたい、、、どおしよう!?」
この悩みが一挙に解消されるのである。あとは、肉まんやら何やらを詰め込んだ胃袋にカレーとハヤシが入るのか?という点だけであるが、そんな心配はないことは読者の皆様はご存知だろう。

osaka04.jpgピッコロカレー店内は、渋く光るカウンター席と、8席の丸イスで構成される純喫茶風の調度だった。ビーフカレー、チキンカレー、シーフードカレーが品書きされている。ビーフが旨いと聴いているので、ビーフを頼む。店番の女性がまず別皿に白菜の浅漬けを出す。大阪のカレーの付け合せは面白いなぁ、インディアンカレーでもキャベツの甘酢漬けがでるし。業務用アルミ鍋に一人分のルーを入れ、熱を通す。ご飯を盛ってその上にたっぷりと濃い茶褐色のルーをかけ、それは供された。

■ピッコロカレー
・ビーフカレー 980円

濃い。
とにかく濃厚なプレゼンテーションである。茶褐色というか暗褐色のルーは、見るからに煮込まれ度の高さと深さを感じさせる。スプーンで軽く混ぜ、口に運ぶ。インディアンのようなパッと散るような辛味はない。見た目通りの濃厚でねっとりとした芳香が立つ。牛肉はスネか肩を長時間煮込んでいるようで、やわらかい身がゴロゴロと入っている。これもおそらくバラ肉をつかってトロリと仕上げているインディアンとは対照的だ。無論これはこれで好ましい。美味しいカレーだ。量的にも価格相応に盛りがよく、満足いく。皿を舐めるようにいただいた。これは、家庭で食べる日本風カレーを、限りなくプロフェッショナルに拡張したカレーだ。そのため、実に心地よく懐かしく、期待を裏切らない味だと言える。いい店を見つけた。


しかし
と、地下街を「インディアンカレー」に向かって歩きながら自問した。俺が求めていたカレーはあのピッコロカレーだろうか、と。昨晩から俺の魂が欲していたのは、鋭くエッジの立った、風が通り抜けてゆくあの感覚ではなかったか、と。

 と、格好つけてみたが、単にインディアンカレーにも行きたいだけである。ここ1ヶ月半の内に3回目だ。いや、今後もできることなら大阪にきたら必ず寄りたいのだが。今日はしかし、カレーではなく、前回隣の人が食べていて気になったハヤシライスを頼んでみよう。エッジの立ったカレーはまた次回だ。
 ちなみにカレー780円に対してハヤシは600円と安い。スパイスや手間がカレーよりかかっていないのだろうか。カウンター中央の飯櫃(めしびつ)のまん前に座る。これまでも観察していたのだが、この飯櫃前にいるのが店のチーフである。山田と名札に書かれた、20代後半っぽいそのチーフは「いらっしゃいませ」を言うとき、愛想笑いのひとつもない。かといって不快な無愛想感を漂わせているわけでもない。そして飯櫃から適量のご飯を皿に盛り、カレーをレードル一杯分、綺麗にかけて供する手際は、どうみてもプロフェッショナルである。このカレーかけはどんなに店が混んでも彼一人が担当している。

osaka09.jpgハヤシが出てくる。なんとも初めて見る色彩である。オレンジに近いトマト色、玉葱は櫛型カットが大量にのっている。そしてグリーンピース6粒。うーむ適度なチープ感が漂っている。このハヤシは山田チーフではなく奥の厨房でソースがかけられて出てくる。さて、どのような味だろうかと一口食べて、驚いた。カレーで感じたあの甘さが、ハヤシだとストレートに出てきている。甘い。無論、好ましい甘さである。玉葱のプンとする香りが鼻腔を抜ける。ハヤシのソースはこれもまたねっとりしており、口中に適度な摩擦感を感じさせながら甘味を発しつづける。う、、、旨い!こんなハヤシライスは初めてなのだった。
 無論カレーとは違って辛味は一切ないのだが、なぜかあの「エッジ」を感じる。それは、完成度といってもいいかもしれない。全く、隙や脇の甘さがないのだ。それも味だけではなく全体の世界観を通じて、である。これはびっくりした。

その世界観の礎を発見した。さきほど触れた飯櫃である。osaka07.jpgこの飯櫃、単なる業務用のガス飯釜かと思ったが違う。本当に飯櫃なのだ。ステンレスの胴の中に、キャンバス地のような布の飯袋をいれ、そこに炊き立ての飯を詰めて保温しているようだ。これに気が付いて感動してしまった。大体どこのカレー屋でも、業務用ガス釜から直接飯を盛っている光景を見る。でもこの店では、飯櫃ひとつにもこだわりを見せている。そう思いながら見ていると、貴重な場面に出くわした。飯を使い切って、新たな飯を充填するシーンだ。奥から新しい飯釜を持ってきて、入れ替えをするところだった。残念ながらハヤシを食べ終わってしまい時間が経っているので席を立たざるを得なかったが、なんだかこの店の世界観を構成する重要なポイントを発見したような気持ちになった。

 大阪は、善い。顧客を喜ばせるためのプロフェッショナリティとサービス精神に満ち溢れている。仕事がうまくいったこともあり、気持ちよくのぞみ号に乗り込み、帰郷して、これを書いている。あー、旨かった。

20:46 | Comments (4)

2003年11月03日

静岡駅周辺の旨いもん 「堪三」

 SAVAさんからリクエストがあったので、静岡駅周辺の旨い店をお教えしよう。ちなみにSAVAさんは、高知県出身のカメラウーマンでありアーティストであり、よくわからない楽しいねーちゃんである。

 静岡県は、お茶の仕事や畜産関連でいきまくっているので、知っている店は多い。ただしその多くは山の中だったりするのだが、、、そんな中、駅から歩いていける距離に素晴らしい店がある。ちょっと値は張るが、その価値がある店だ。ぜひ参考にして欲しい。
 以下は過去に書いた記事で、まだ日の目を見ていなかったものだ。ちょうどよいのでここに収録したい。

やまけんの出張食い倒れ日記

「静岡伝説の職人の店で襟を正した。の巻」

 ずいぶん久しぶりになってしまった。ここのところ大変な繁忙だったのである。途中になっている九州編などちょい面倒で更新していないのだが、、、しかし!超絶美味いもんに出会ってしまった時にはついつい書いてしまう!本日も大変な店に出会ってしまったのである。
 読者の皆様からは「どうでもいいけど場所とかきちんと書いといてくれないと、出張とか行ってもわからない」というお声をいただいている。ので、今回はきっちりと記しましょう。

 この出張食い倒れ日記でも数回、静岡の旨い店を紹介しているが、そういうところを元々私が知っていたわけではない。私の静岡での導師は、おそらく日本最高レベルのお茶メーカーである「葉桐」の専務である。この葉桐との付き合いを書き出すと5万字くらいかかるので辞めておくが、とにかく茶も一流なら、食にかける情熱と旨い店を嗅ぎ出す嗅覚も超一流なのがこの専務なのだ。その専務が言う。
「やまけん君、いい店があるから、次に仕事で静岡に来る時は前日の夜からおいで!」
わざわざ携帯にかけてきてくれるのだからこれはただ事ではない。超繁忙のスケジュールを力技でこじ開け、静岡に前泊をしてその専務と落ち合ったのであった。
 静岡駅に19時に着き、市内繁華街のはずれの道を5分ほど歩くと、夏場には敬遠したくなるアンコウ鍋の店があり、その横に小さな、趣味のいい玄関口を持つ店があった。

牛味 「堪三」(かんざん)
静岡市昭和町10-9
054-273-3773
18:00~20:00(夜のみ営業)

 薄藍色の暖簾をくぐるり店内に入ると、10名程度が座れるL字ウンターと6人がけくらいの奥座敷のみの小さな店である。すでに7割方埋まっているカウンターに腰をかけると、ごま油の香りとパチパチと油がはぜる音が聞こえてくる。
 実はこの店が何を売りにしている店なのか、この時点では全く知らなかったのだ。
「牛味って書いてあったけど、天ぷらやなのだろうか???」
と専務に聞くとニヤッと笑い、「俺もここで何が出てくるのか、いつもわからないんだ。とにかくお任せなの。」とのこと。

 店の大将は50前後。眼光するどいが良く笑ってくれる北川さんと、女性が一人。僕はビール、専務は迷わず「お茶!」。なんとこの店の厨房にはこの葉桐の専務が書いた「お茶の入れ方十ヶ条」が貼ってあるのだそうだ。店の女性の煎れた煎茶を飲ませてもらったが、確かに上手に煎れてあった!
 突き出しはカニときゅうりの三杯酢だが、オレンジの何ともいえない味の珍味がまぶされている。大将に聞くと「柿。」柿を粗くおろしたものを加えているのだ。絶妙な味の突き出しで、もう一鉢頼もうとしたら刺身が出てきてしまった。静岡らしく新鮮そのものの鰯と鯛、中トロ。私は食べるペースが速いのだが、刺身を楽しんでいるうちにすぐ天ぷら用の和紙をひいた皿がでた。まずはオクラ、みょうがと夏の旬味が揚がり、旨味たっぷりのさいまきエビが添えられる。ちなみに、天ぷらで美味しい海老はやっぱりさいまきだなぁと思う。そしてそのむこうではなんと客前にある火鉢の網の上に、生きアワビがどさっと載せられた。俺の手前の鉢には松茸がどっさりと炙られている。やがて火のとおりがころあいとなった段階で、甘く火の入ったアワビの切り身と肝(これがめっぽう旨い)、そして松茸の盛り合わせにすだちが添えられてきた。この段階ですでにしみじみと幸せを噛み締める俺だった、、、

 しかし!!! ここまではほんの序の口だったのダ!

 実はこの大将、この「食い倒れ日記静岡とんかつ編」で軽く触れた、清水市の伝説の名店「かつ好」が一時期新業態店として出店していた牛舌の炭火焼店の板前を勤めた方だったのである。この牛タン店は実は今でもある。が、そこで出される料理の味は、北川さんの在籍時からすると比べることさえ罪だという。とにかくこの北川さんの技の最大の発揮ポイントは、、、やはり肉!なのである。

 そう、北川さんが焼き始めたのはまぎれもない牛舌。市販の薄いスライスではなく、ふっくらと厚みをもたせたタンである。炭火に脂が落ちて炎が上がり、タンをさっと舐める。旨そうな焦げ目を十分につけた後、皿に盛ってくれる。その芳醇な香りにしばし、我を忘れる。この香りは、低温冷蔵庫で2週間以上熟成させないと出ない香りだ。口に運び、一噛みするとほぼ抵抗なく繊維が割れ、ゴージャスな肉汁が染み出てくる。そしてあの香りだ。牛肉は香りで食べるものだ。そして香りは脂から立ち上る。旨いなぁ、、、
 と、北川さんがすき焼き鍋を用意している。マツタケと牛肉、糸こんにゃくという豪勢なすき焼きだ。うーむこれも食いたいと思っていると、北川さんが「これは向こうのだよ」と、カウンターの対面にいるお客さんグループを目で指して、微笑する。後ろ髪を引かれていると、僕ら用の牛肉を出す。やたらとサシの入ったロース肉だ。牛の格付け上、A4は確実に獲っている上肉だ。これを厚めに切り分け、やおら網で焼く。そして、あの香りがやってくる。供された肉をいただく。これも見事に熟成されたロースだ。とろりと溶けていくあの感覚。そして甘味と香り。牛肉のもつ複雑な味の組成が、分解されていくのだ。
 この後ご飯と香の物、フルーツが出て、北川さんとしばし歓談す。気さくな人だが、仕事には厳しい。仲居の女性は3人いるそうだが、そうとうに厳しくしているらしい。葉桐の専務はそれをいつも観ている。もちろんいじめではない。理由を述べながら怒る。だから、女性はみな、辞めない。今日いる女性はお腹に赤ちゃんができているそうだが、「ぎりぎりまで働かせてください」と言っているそうだ。

 これだけの店が、なぜ話題にならないのだろうか?非常に不思議。静岡名店の1店。都内で1万円以上の飯を食べるくらいなら、ここにきて食事をしてみてはどうだろうか。感動することは間違いない。

12:34 | Comments (1)

2003年11月05日

静岡駅周辺のうまいもん その3

 過去に書いた静岡編の一番最初の記事を掲載し忘れていた。SAVAさん、これだけあれば困らないと思いますよ。感想よろしく。

2002年3月22日

 たった今、新幹線で静岡に向かっている。本日はあるお茶産地の生産者グループに対して実施しているコンサルの最終報告会である。
 静岡には、農業関連の仕事をしている知人が多く、そうした人が私を講師として呼んでくれたり、コンサルの仕事を紹介してくれるため、接点が多い。また、そうした知人がほとんど全て食に関心の深いため、県外人である私に静岡の美味い物をこれでもかというほど食べさせてくれる。おかげで、静岡についてはその辺の人よりは通じていると思う。

 静岡というと、ほとんどの人が反射的に「お茶」を思い浮かべるだろう。事実、私の仕事としての静岡との関わりはお茶関連のものが多い。私がまだ大学院生だった頃、静岡市内にあるお茶メーカーとお付き合いができた。深蒸し茶全盛のこの時代に、あえて若蒸し(業界では「伸び」と