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2003年10月13日

静岡県中小家畜試験場にてハム&ベーコンを燻す(その1)

 ホームカミングデーの心地よい興奮と疲れが全く癒えぬままに、朝5時に起きる。本日は、ハム&ベーコン講習会の第二回目だ。舞台は静岡県菊川にある中小家畜試験場。このblogにも「ハム太郎」の名前でコメントを残してくださっている関哲夫さんが、僕の燻製の師匠だ。

 5時半に兄弟分の工藤ちゃんと、その弟分の浅見君が車で迎えに来てくれる。ひどい土砂降りが幸いしてか道は空いており、3時間で菊川着。本日はこれに加えて、居酒屋ライターの神澤さんと、週間少年マガジンに連載されていた「ボーイズbe」の原作者(!)である板橋さん夫妻と一緒だ。ちなみに神澤さんは著書日本酒ソムリエが通う東京のizakayaを上梓されたばかり。これがまたいい本だ。日本酒に興味を持ち始めの女性にお奨めである。


 さて講習の始まりだ。
 あらかじめ、関師匠が10数人分の豚肩ロース肉を、ハム用のピックル液(ソミュール液ともいう)に漬け込んでおいてくれている。これをケーシングで包んで整形し、数時間スモークをかけ、そして70度の温度でゆっくりとボイルをすればハムの出来上がりだ。
 ベーコンはボイルをせず、スモークをやや強めにかけながら温度を上げ、火を通してしまうのだ。師匠も書いておられるが、ピックル液の味が一緒なのに、味わいは全く違ってくる。不思議なのだ。
用意された肉塊たち
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我らがハム太郎、この道20年の関師匠
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(続きは下記↓をクリック)

ケーシングで整形する。
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これが家畜試験場自慢の手製スモーカー。数々のノウハウに裏打ちされた完成度。
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スモーク終了。
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70度に保った湯でボイルして出来上がり。出来たても美味しいが、冷蔵庫で締めると、全く違う味わいになる。

00:17 | Comments (0)

静岡県中小家畜試験場でハム&ベーコンを燻す(その2)

 今回、ハムは関師匠が仕込んでくれていたわけだが、ベーコンは参加者各自が仕込んだ。

この美女が居酒屋・日本酒ライター神澤女史である。
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(続きは下記↓をクリック)


兄弟分の工藤ちゃんと浅見君も、でっけーのを漬け込んできた。
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そしてこれが出来上がりのベーコンだ。この豊かな飴色の風合いを観よ!
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おいらのベーコン。小さいのを3本作った。これ、正解。
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 ケーシングしてスモーカーに肉を入れてからここまで3時間だ。前夜からの疲れと移動の疲れで、かなりヘロヘロだ。でも旨い燻製を作ることが出来たと言う達成感と、なにより肉隗の重みが、疲れを忘れさせてくれる。
 師匠!どうもありがとうございました!!東京へ帰る道のりはひたすらいびきと与太話であった。

00:47 | Comments (1)

2003年10月23日

激旨豆腐に出会った。静岡県浅羽町

 静岡県には、素晴らしい食い道楽人がいる。岩澤さんという県の職員さんなのだが、この人は静岡県内の全酒造に顔が利く方で、相当な飲んべえ&食い道楽。現在は、先日もベーコンを作りに行った中小家畜試験場にて、駿河若シャモという地鶏の育種をしています。この若シャモはおそらく現在最も旨い地鶏である。それはまた今度書くが、今回は岩澤さんにまた素晴らしい食材を紹介してもらったので、そちらを採り上げたい。

 先日のハム・ベーコン講習会で知り合ったのが、静岡県の浅羽町というところの商工会の方だった。この浅羽町の地域食材の動きはとても活発で、目玉は豆腐。原料の大豆は町内の農家さんが自家生産し、その大豆を使って豆乳と豆腐を作り販売をしているのである。メーカーさんはその名も「どんどこあさば」

 特筆すべきなのはその技術。超微粉化という技術を使っていて、大豆をミクロレベルの粉にし、呉汁にするという方式をしているのだ。その粉を湯に溶いて呉汁にする。つまりおからを出さない、大豆成分を丸ごと汁にしてしまうという方式なのだ。実はこの技術自体は結構広まっていて、事例も多いのですが、肝心の旨い豆腐が少ない。粒状感が残って、舌にざらついた食感になったり、くどい甘みが残ったりというように、あまりいい評判を聞かない。元々、微粉にしてしまうことでおからが出ない=産業廃棄物が出ない、という発想で機械メーカが作ったようなものだからかもしれない。

しかし!
この浅羽町の豆腐は、旨い。製法上、絹ごししかできないが、マジで旨い。
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 まず地域の農家が地域の豆腐屋向けに生産している訳だから、手抜きナシの良質の大豆を原料にできる。原料大豆の品種も色々あるが、フクユタカがメインだ。この品種、旨く栽培するととにかく濃厚なタンパクが採れる。それを微粉加工し丸ごと使っている。ちなみに通常の方法で豆乳とオカラを分ければ、豆のエッセンスだけが豆乳に残るので、滑らかだし雑味が入らない。オカラは滓(かす)なので、それ自体の味はじゃまになるわけだ。しかし、良質な大豆を使えば、オカラ部分が入っても味がまったく濁らない!それどころか濃厚さが増し、独特の滑らかさを醸している。味は甘みが強く、豆乳味が濃い。香りも立っている。

ちなみに豆腐も旨いが豆乳がまたメチャ濃厚で旨いのだ!スーパーで売っている豆乳は調整豆乳といって、加工しているものだ。あれをコップ一杯飲んで「まずーい」というイメージを持っている人に試して欲しい。ここの豆乳は、おちょこ一杯分くらいで十分と思ってしまうほどに濃い。そして、なんとも上品。濃くて上品ってすごいことですよ!そのまま飲んでも旨いが、醤油を少し垂らすと、超絶に旨い。これをホワイトソース代わりにしてグラタンにすると、もったいないけど最高である。無論、この豆乳を鍋で熱してニガリを混ぜれば、おぼろ豆腐になる。ちなみに豆乳を買うとパックのニガリが付いてくる。もう言うことないのである。
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 この浅羽町の豆腐、ネットで購入が可能だ。しかも価格が無茶安で、豆腐が1丁150円、豆乳は500mlで380円~480円。原料大豆にはなんと黒豆もあり、この黒豆豆腐はまた違った風味で楽しい。これからの季節、1週間程度は冷蔵庫で持つので、一度に沢山買い込んでも送料分は惜しくないだろう。
 ちなみに今の季節だけ、黒豆の枝豆が収穫できる。ぼくはきっちりいただいた。edamame.jpg
黒豆の枝豆は最近ブームだが、味が濃く、茶豆とは違った風味があって素晴らしい。そうそう、知らない人が結構多いようだから言っておこう。
「枝豆とは、未成熟な大豆のことである。」
これ、知らない人けっこういるんだよね、、、

 ともあれ、旨くて安くて環境にもよい。関心の有る方はぜひ一度取り寄せて頂きたい。スーパーで買う物とは段違いである。

19:11 | Comments (4)

2003年10月25日

西条柿にびっくりした

 本日の朝は、立て続けに遠方から食材が届いた。静岡県からは先日の中小家畜試験場より「駿河若シャモ」の腿肉と胸肉、ササミ、肝が1羽分届いた。これは大御馳走である。塩をもみこんでいただこう。
 それと同じタイミングで届いたのが、広島県東広島市の安芸西条という地域を原産地とする柿で、その名も「西条柿」だ。送り主は、もうこのblogではおなじみの、広島の名門酒造「竹鶴」の杜氏である石川達也さんだ。この柿は主に山陰地方で栽培されている柿で、弾丸形の美しい、きりっと締まった姿形をしている。実はもともとは渋柿であり、ドライアイスを用いてポリ袋に入れ、渋抜きをした形で送られてくる。渋が完全に抜ける日程が書かれているので、その後に袋を開けて食べる寸法だ。
 これまで柿を夢中になって食べたことなどなかったのだが、この柿はヤバイ。袋から出した段階で甘い香りが漂う。皮をむいてかじりつくと、本当にびっくりした。サクリとした歯ざわりと、ヌメリとした滑らかな食感が同時にくる、あの感覚。そしてパッと広がる香りはとても強く、その後に強烈な甘味が口に広がる。甘い!なんと糖度は20度にも達するそうで、これはアールスメロンと同等かそれ以上の甘さだ。明日、糖度計をつかって計ってみよう。
 石川杜氏に電話すると、
「いやいやいや、あ~、広島にも旨いもんはあるっちゅうことで送っといた。」
うわー広島にも旨いもんはあるどころか、旨いもんだらけじゃないか!しかし、おかげさまでまた味のボキャブラリーが増えた。

 西条柿は、掛け値なしに旨い。良いものをいただいた。御馳走様でした。

22:04 | Comments (2)

2003年10月27日

日本で最高峰の地鶏は駿河若シャモである。

jidori00.jpg 断言してもよいのだが、「地鶏」と呼称されている無数の鶏種の中で、現在最も美味しいと思うのは「駿河若シャモ」である。現在は生産農家が限られており、また生育日数が通常のブロイラーと呼ばれる鶏種の2倍、最低でも120日かかるため、極めて知名度が低く入手困難な状況だ。
 しかし、それほど待たずに日本を代表する地鶏品種になるだろう。
 
 この地鶏、静岡県の超絶飲ん兵衛&食道楽である県職員の岩澤さんが送ってくれたものだ。岩澤さんについてはこちらにも書いているが、とにかく静岡県内すべての旨いものに通じており、また酒造や生産者から絶対的に信頼されている方である。
 僕はこの岩澤さんから、
「山ちゃんには静岡の旨いもんをとにかく食わせるから、どんどん世の中に拡めてくれや。」
という任をおおせつかっている。従って飲みかつ食い、そして世に宣伝しなければならないのである。
 すでにこの若シャモについては、岐阜県を代表する名料亭「四鳥」に紹介し、その板長である秀ちゃんからは「こ、こいつは旨い!」と絶賛され、取引が始まっている。その辺のいきさつはここにある通りだが、僕もいささか貢献しているのである。

jidori01.jpgさてこの地鶏だが、特徴としては黒シャモという系統を品種改良して育種したということと、肥育期間を120日~150日まで長く取り、味を濃厚に凝縮させてから肉にするということに尽きる。
 スーパーで普通に売られている鶏肉はブロイラーと呼ばれるものだと言うことはご存知だろう。しかしそれら鶏肉が、工場のような窓も無い環境で育てられているところを実際に見た人はいないだろう。60日~90日くらいの短期間で成育し出荷する。効率を優先しリスクを抑えるために医薬品を多量に投与する。その現場を見ると、おそらく食べる気をなくすこと請け合いだ。
 無論、それが「悪い」と言っているわけではない。僕も、ブロイラーのあの柔らかくボロボロとした食感も嫌いではない。しかし、「鶏を食べる」という時、どうしても想起するのは、平飼いにした地鶏なのだ。駿河若シャモは、それこそ平飼いの環境で育てている農家さんが多いので、ストレスなく育ち、その肉質は適度に噛み応えがあり、そしてとてつもなく濃い味がする。

jidori05.jpg この黒い鶏が、駿河若シャモだ。黒いということは旨いと同義なのか、というくらい「黒○○」というのが多い。黒豚、黒麹焼酎、ウコッケイも黒い鶏だ。ちなみにこの写真は、静岡県中小家畜試験場の芝生で撮影したものだ。かなり大柄な鶏で、肉もかなり採れるので歩留まり率は高い。ガラからは極めて濃厚なスープが採れる。


jidori06.jpgちなみにこの写真に写っているのが、生産農家の中でもトップクラスと言われている鈴木さんだ。彼女は素晴らしい生産農家さんで、何人ものシェフ・板前が名指しで彼女の飼育する鶏を欲しがる。それもそのはずで、鈴木さんは基本的に無投薬。つまり化学薬品を投与しない。飼料によって「嫌なにおいが鼻につく」ことがあるので、デリケートな飼料を配合している。また、出荷に際しては、飼育日数が何日目だから出荷、という選び方はしない。玉子を生む直前のメスが旨いので、お尻を触って玉子の出産間際の鶏を出荷する。「こだわり」とかそう言うレベルではないのだ。そして彼女の鶏は、やはり柔らかい味がして、旨い。
 ちなみに驚くべきことに、彼女は静岡の銘酒「開運」の酒造の娘なのである。僕が手にしているのがその酒だが、なんと12000円もするものである。役得、、、
 ま、それはともかく本日は、岩澤さんが飼育した若シャモだ。しこたまいただくことにするのであった。

jidori03.jpgこの若シャモ、一番旨い食い方は、炭火焼に尽きる。一口大に切った腿・胸・肝に天然塩を摺り込み、しばらく置いてなじませ、炭火をぐわっと起こし、強火で炙る。焼けた端から油がジュウジュウいっている肉片を口に放り込む。炭火で燻されスモーキーになっている肉片を噛むと、控えめな肉汁と若干の酸味、旨み成分が口に広がる。レバーはこれまた最高だ。臭みは一片もない。これには軽く塩を振るだけだ。

jidori04.jpg  クライマックスは、釜飯だ。兄弟分の工藤ちゃんからもらった釜飯用のミニ釜に1合米を仕込み、腿肉で取った濃厚な出汁を米にたっぷり吸わせる。肉は甘辛く煮付け、炊き上がる直前に汁ごと釜にあけ、蒸らす。こうして出来た釜飯は実に最高だった。

jidori02.jpg 添え物はもちろん肉で取ったスープだ。ガラがあればもっと面白いのだが今回はガラなし。このスープがまた絶品なのだ、、、

 ま、この若シャモ、観るより味わってみなければ、旨さのほどはわからないだろう。本当にびっくりの味なのだ。ただし、一般的に入手は困難を極める。売っているところがないからだ。でも、僕はとりあえず岩澤さんと鈴木さんから「欲しいときはいつでも言いな」と言われている特権階級男である。どーしても食べたい人は相談されたい。

01:18 | Comments (6)

2003年10月28日

レモンバーベナのハーブティーで鎮静

 僕の師匠の農園である熊本・阿蘇にあるぽっこわぱ農園から、ハーブティー二種が届いた。レモンバーベナとレモングラスの二種である。これは、ぽっこわぱの研修生であるようぞうちゃんが丹精したハーブ群を用いたもので、僕が先日行った時に一緒に収穫・乾燥させたものだ。
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お茶にも色々あるけれど、蒸しや揉み、そして醗酵といった専門的工程を経ずに作ることが出来るハーブティーは、誰でも作ることができ、敷居が低い。ただしその分、原料のハーブの香りと味が良くなければ、全てが成り立たない。そう言う意味では、やはり農場が丹精したハーブを用いたハーブティーは、家庭菜園ものとは別格の味と香りと思う。
 特にこのぽっこわぱ農園ではバイオダイナミック農法を実践しているため、完全に有機肥料しか使っておらず、化学合成農薬は一切使用しない。土壌のパワーはすさまじく、ハーブに必要な香油成分を満開させる土質である。ハーブに重要なのは油だ。植物の醸す香油成分が最高潮に達する瞬間を見極めて収穫し、すぐさま専用の乾燥機にかけ、水分含有量を落とす。この時、若干の熱をかけるのだが、この見極めが難しい。温度が高すぎたり時間をかけすぎると香油成分が飛んでしまうのだ。ようぞうちゃんはこの辺の試行錯誤の真っ最中とのことだった。
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バーベナを開封し、葉を5,6枚耐熱グラスに入れて熱湯を注ぐ。くすんだ色に乾燥していた葉がみるみる色づき、もともと畑に生えていたような色彩がよみがえる。湯にはレモン色の濃い成分が抽出される。飲んでみると、ほのかに甘い。レモングラスよりも強い成分を感じる。

 バーベナの薬効である「鎮静」が僕を包み込んでいく。こうして遠く離れた阿蘇のふもとの土と、シンクロすることができるのだ。

 なお、ぽっこわぱ農園では野菜の産直を行っている。ハーブティーも所望すれば入ってくるので、リクエストしてみてはいかがだろうか。

08:13 | Comments (0)

2003年10月30日

じゃがいも三種のテイスティング

poteto00.jpg 北海道の某農園から、たまねぎと馬鈴薯(ジャガイモ)が届いた。本日はちょっと疲れがたまったので休暇を摂っている。ちょうど良いので食べ比べをしてみることにした。
 ジャガイモは北海道から男爵とメークインの2種が届いている。これに加えて関西の某所から、現在まだあまり市場に出回っていない新品種インカの目覚めをいただいているので、この3種を食べてみよう。

 3種のじゃがいも、といっても男爵とメークはスタンダードな品種であり、説明は要らないだろう。さてもうひとつの新品種「インカの目覚め」だ。ジャガイモ界(というものがあるのか知らんが)では長らく男爵とメークの二大巨頭体制が続いてきた。本当は「出島」などの副次的な品種も出回っているのだが、スーパーなどでは品種名が表示されることは少なく、単に「じゃがいも」としか書かれていないので、一般の人はあまりよくわからないのではないだろうかと思う。

 しかし最近、この二大巨頭時代が崩れつつある。じゃがいもがあまり売れないというのが根底にあるのだろうが、新品種の売り出しが盛んだ。一昨年あたりからキタアカリをいろんなスーパーで目にするようになった。農業者の間ではもう数年前から「キタアカリが旨い」という情報が飛び交っていたが、生産量が増え、安定供給可能になった一昨年あたりから、本格的に店頭に並ぶようになったわけだ。キタアカリで特筆すべきなのは、芋が美味しそうな淡い黄色であることと、男爵系のホッコリ感と、それまでにはなかったネットリ感が混在する、複雑な肉質にあるだろう。そして味は独特の風味があり濃厚。芋があまり得意でない僕でも、丸ごと加熱してかじりたいという気持ちにさせるものがある。

 キタアカリ以外にも、インカレッドのように皮が赤い(紫っぽい赤色だ)品種もよくみかけるようになった。これは実はでん粉の採取用だったり加工用だったりするのだが、転じて小売にかけてみると、面白い物好きなお客さんが買っていくのである。

 このように百花繚乱とまではいかないが、だんだんと2大巨頭体制から脱しつつあるジャガイモ界に鳴り物入りで登場したのが「インカの目覚め」だ。僕はこの芋をあるJAの人から聞いたのだが、

「とにかく旨いよ。まっ黄色で肉質はきめが細かくて、栗の香りがするんだよ。」

という紹介のされ方に、思わずよだれが出てしまった。残念ながらその時期は収穫の数ヶ月前だったので現物がなかったし、また生産量が極めて少ないため、分けてはもらえなかった。
「そうだな、男爵200ケースに1箱の割合で分けてあげるよ!(笑)」
そりゃ無理だ、、、

ところがこの秋、とある関西の某所から、
「手に入ったよ~」
と連絡あり。無理にお願いをして、5玉だけ送ってもらったのだ。感想は下記に記そう。

 ジャガイモはできるだけ皮をむかずに調理して、後から皮をむくのが望ましい。そうしないと旨みが逃げてしまうからだ。そして、煮るよりは蒸すか焼いて熱を通したほうが美味しい。今日は焼くことにした。最近よく使われるようになったダッチオーブンという鉄鍋があるが、その小型版のフライパンであるスキレットを使う。油はいらない。洗ったジャガイモを並べて蓋をし、弱火でじっくり加熱する。蓋も鋳鉄製で重いので、ぴっちり密閉できるので、食材の水分で蒸しあげることができるという寸法だ。20分ほど火を通し、並べてみた。
poteto01.jpg こうしてみるとインカの目覚めが一際目立つ色なのがわかる。実に食をそそる黄色なのだ。天然塩のみで3種を食べてみる。男爵はホッコリ感と粉っぽさが同居したあの食感だ。メークも適度なネットリ感があるが、この生産者のはメークらしくなく食感と味わいが豊かなメークだと思った。
 さてインカの目覚めであるが、確かに独特の香りがする。香ばしい独特の香りはしかし、栗の香りではないかな。過大に期待していると肩透かしを食らうかもしれない。それより食感が面白い。キタアカリに比べて粉状感が強いのだが適度に粘りもあるので、喉に詰まるということはない。ただ、甘いのでポテトサラダには向くまい。コロッケには良いかもしれない。
 これは非常に面白いけど、売り方が難しいじゃがいもだ。特性を最大限に発揮するためには姿のまま出すのが一番よい。これを一般的な加工用にしてしまうとあまり生きてこないような気がする。もう少し手に入れば、いろいろと料理を試してみるのだが、、、
 ちなみに先日燻したベーコンと一緒に薄切りにしたインカの目覚めを炒めてみたときは、非常に香ばしく美味しかった。油との相性は絶品、焦げ目を軽くつけるのは大正解と言える。

 なんにしても、初めて口にする人には相当インパクトの大きい品種だ。一般に出回るのはおそらく来年からだと思うが、もし店頭で見かけた人は「買い」である。

10:21 | Comments (6)

2003年10月31日

北海道vs淡路島のたまねぎ対決である

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 さてジャガイモの次はたまねぎだ。たまねぎの名産地として知られる淡路島から送って頂いたものと、北海道からのものを食べ比べしてみよう。ま、こういう「対決」的なタイトルは本当はよくないのだろうが、やっぱり比較してみたくなるのが人情というものだ。
 ちなみにたまねぎの栽培時期は本州と北海道では正反対である。本州では猛暑を避ける意味合いもあって秋に播種~定植し、翌年の初夏に収穫。北海道ではこれが逆になり、ちょうど秋の今頃に収穫期を迎える。つまり、今回届いたのはおそらく今年度産のものである。従って今回はそれを差し引く必要がある。
 この画像にある2つがそれで、画面右が北海道、左が淡路島である。産地・時期により品種も変わるので同等条件とは言えない。今回は双方とも品種名がわからないので、とにかく食べてみる。外観はさほど変わりはない。
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皮を剥いてみる。淡路のものは白く(美肌?)、北海道ものは既に緑色の縦線が入っている。ちなみに先を包丁で落とした時、北海道ものはすぐに切り口に白っぽい液が滲み出してきた。
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真ん中の部分2.5cmくらいをスライスし、焼いてテイスティングすることにした。こうして断面をみるとまったく組成が違う。北海道産は淡路島産にくらべ鱗片(りんぺん)が薄く細かい。木で言えば年輪が多いということになる。ここで端っこの部分をスライスし、生で食べてみる。淡路産のものは刺激が少なく柔らかい味である。北海道産のものは、口に入れたとたんに強い刺激がこみ上げてくる。これは硫化アリルという化学物質で、タマネギの細胞が壊れた時に生成されるものだ。北海道ものはまだ貯蔵期間が短いため、成分が落ち着いていないのだろうか。非常に荒々しい強さがある。
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 真ん中の部分を、オリーブオイルをひいたスキレットで焼く。塩胡椒もせず、ただ焦げ目が着くまで焼いて食べる。タマネギの甘みは加熱しないと発生しない。加熱調理をして、そのものの味をみなければならない。
 焼きの最中で、北海道産はプックリと内側の鱗片部が盛り上がってくる。水分が多いため、加熱により膨張しているのだろう。鍋からも水分が蒸散するジュウジュウという音が絶えない。
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焼き上がり。焦げ目の付き方にも差異があることが見て取れる。北海道産は派手に焼き色がついている。
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 テイスティング。良く研いだナイフで縦横に切り分け、内側から試食する。予想通り味には大きな差が出た。あれだけ刺激成分を多く含んでいた北海道産だが、味の濃さという点では淡路産の方が強い。甘みもそうだ。北海道産はやはり水分が多く、細胞組織も柔らかい感じで、歯触りがしっかりしていなかった。淡路島産はどうどうたる甘みと香りと歯触りのバランスを誇っていた。北海道産も最適条件下で貯蔵し、水分含有量を落とし熟成させればまた違ったかも知れない。

 ジャガイモ3つにタマネギ2個分を食べるとさすがに腹一杯になってきた。しかし農産物はやはり面白いものだ。産地×品種×栽培方法という方程式で、無限に味が変わってくるのだ。どれ一つとして同じものが生まれない。今回は平たく言えば淡路島産の方が旨いということになるが、条件が全く違うので、断言するのは的はずれだ。第一、大きな面積を機械を使って集約的に管理していく北海道方式と、小さい面積で丹念に手をかける本州方式では次元が変わる。そして北海道産のタマネギがなくなったら、廃業せざるをえない業者が沢山いるのだ。

 従って食べ比べしてはみたものの、どちらがよいかという話はできないのである。また新しいタマネギが生産者レベルで入手できたら試してみようと思う。

16:56 | Comments (1)

2003年11月02日

山形県のブドウは買いである

budo1.png 山形の超優良農家から、葡萄が送られてきた。彼は山形県北部のとある地域で有名な農家の息子だ。ブドウよりもラ・フランス農家として名高く、僕も少々だが売らせてもらったのだ。彼の家は新宿に本拠のある某高級フルーツショップに独占的に納めている関係があって、彼の名前をおおっぴらに出すことはできない。従ってゲリラ的に販売したのだった。

 山形で講演があった際に彼の農園を訪ねてみた。蔵王を望む静かな大地で、洋ナシと葡萄を作っているだけではなく、立派な「家」を運営していたことが印象に残っている。ちなみに、某スーパーチェーンのバイヤーさんが僕の会社に来た時に、ちょうど彼の葡萄があったので出してみたら、
「この時期になんでこんなに立派で美味しい葡萄が!」
とびっくりされ、ぜひ取引したいと言われたことがある。その話をしたが、やんわりと
「量が採れませんから」
と断られた経緯がある。そんな男だ。ちなみに彼と彼のお父さんに連れて行ってもらった蕎麦屋は絶品だった、、、

 実は、ぶどうの本場は山梨県だと言われることが多いが、最近多くの農産物関係者から、「ブドウの好適地が北上しつつある。これからは山形県がよくなるだろう」ということを聴く。お察しの通り地球温暖化の関係だ。山梨の平均気温が上がり、山形がブドウの栽培好適地になっているということだ。だからといっていますぐに果物王国の王座が移動するわけではないだろうが、山形のブドウは、彼の農場をみる限りではレベルが高い。

 彼から送られてきたのは6種。蔵王乙女、カッタクルガン、ロザリオビアンコ、レディースフィンガー、アリサ、シナノスマイルだ。おそらく聞きなれない名前ばかりだろう。ブドウはやたらに品種が多いのだが、なぜか店頭には巨砲やピオーネ、マスカットといった一部の品種しか並ばない。もっと面白いブドウは一杯あるのだ。例えばカッタクルガンというのは、つややかなライムグリーンの品種で、皮ごと食べられるブドウだ。皮に渋みがなく、かみ締めると皮のサクサク感と実の柔らかさがあいまって非常に美味しい。

budo2.png そんな中、僕が一番好きなのは蔵王乙女だ。レッドクイーンと伊豆錦の交配種で、その名の通り、蔵王山麓で育種されたという。ややあっさり目の味だが、上品で気品のある甘味と酸味が心地よい。彼に電話をすると
「いや~ 今年は天気が悪くって、モノが悪くて申し訳ないです。」
と謙遜する。確かに今年は果樹農家には厳しい年だったが、よく健闘しているではないか。帰り道に寿司 匠に寄って、レディースフィンガーを一房分けてあげた。でも、お気に入りの蔵王乙女は僕が独占で食べるのだ。それだけは譲れないのであった。

00:43 | Comments (3)

2003年11月04日

島バナナ上京!

banana02.jpg 鹿児島の産地から、島バナナが会社に送られてきた。島バナナをご存じだろうか?通常スーパーに並んでいるバナナより数段旨いと私が思っているバナナ品種である。こんなに立派な枝でお目にかかれるとは、幸福至極というものだ。

 ご存じの方には釈迦に説法だが、我々がよく目にするバナナは、キャベンディッシュという品種のものがほとんどである。スーパーに普通に並んでいるアレである。フィリピンのミンダナオ諸島やエクアドルなどで栽培されている。台湾バナナはまた少し品種が違う。実はこのキャベンディッシュは、いってみれば栽培品種であり、品種改良の末に出来たものだ。ちなみにフィリピンなどの栽培地ではこのキャベンディッシュはほとんど食べられていない。完全に輸出用なのだ。キャベンディッシュも確かに旨いし圧倒的なシェアを占めているのだが、これだけがバナナではない。茶色っぽい色のモラードバナナやモンキーバナナなど、多種多様だ。そして純国産種といえるのが、島バナナである。といっても台湾や沖縄にあるものなので、純国産とは言えないかな。

 はっきり言ってこの島バナナ、激・劇・激旨である。通常のバナナの3分の1程度の小さい実を剥くと、プンと香る甘酸っぱい匂い。ネットリとした果実は甘みと酸味があり、キャベンディッシュに比べると強い個性を感じる。そう、全ての点において強いのである。やはり規格化・大型化された栽培方法で作られているのと、沖縄や鹿児島で小規模に栽培されているのでは違うのだろう。
 ではなぜそんな旨いバナナをあまり首都圏で見ないのか、、、それは簡単な話だ。本州に回すほどの量が獲れないのである。沖縄や鹿児島で栽培される島バナナは、収穫の季節が台風の季節と重なる。台風にやられると、パキンと樹ごと折れてしまう。そこでジ・エンドである。なもんで、収穫量は島の人たちで食べる分で終了なのだ。そういう部分もなんとも牧歌的なのだが、極めつけは熟成方法だろう。通常、輸入したバナナは青くて食べられない。食べると死にそうに不味いのだ(僕は食べたことがある。瞬間的に吐き出した。なんともいえない渋みとエグ味が口中に広がり、大変だった。)。それを「室(むろ)」とよばれる部屋に入れ、エチレンガスを噴霧し、一定時間吸収させる。それにより熟成が進み柔らかく甘くなるのだ。
 しかーし、島バナナの熟成はというと、枝を適当な大きさに切って、タコ糸で縛り、軒先に吊るして置くのである。で、茶色い点々(シュガースポット)が斑点状につき出したら、食べごろ。それだけである。最高だ。ビジネスにはとてもならん。そこがいいのだ。

 会社に届いた島バナナはまだ熟成の途上だ。けど、我慢しきれず一つもいだ。皮を剥き、アイボリーの果肉を齧る。爽やかな酸味とフレッシュな香りがパッと散る。そう、キーワードは酸なのだ。決して甘さではない。甘さをコントロールするのは酸味なのだ。さてこの島バナナ、食べごろになるまでこのままの姿でいられるだろうか?

17:19 | Comments (3)

2003年11月06日

島バナナ完熟!

 先日写真で紹介した島バナナが完熟を迎えた。一気に皮が弾け、茶色いシュガースポットだらけになる。みためは悪いが、数メートル先からわかる強い香りが、完熟を伝える。こうなったら後は一気に食べてしまわなければならない。
 もし、本日8時以降に門前仲町にこられる人がいたら、食べさせてあげますよ。他のバナナが食べられなくなること請け合いである。

 ところで先日の枝一本の写真、あれだけの島バナナで一体いくらくらいだと思われるだろうか。
 答えは2~3万円である

09:26 | Comments (6)

2003年11月10日

大根大放出

 会社で、ある小売向け出荷の大根の葉っぱの状態が悪く、返品が20ケースほどあった。1ケースに6~10本入っている。これ、減農薬減化学肥料の美味しい大根である。見栄えを気にしないので有ればまったく問題はありません。
 すでに知り合いの店に箱ごとあげることにしてますが、必要な人がいれば無償でおわけしますよ。なんなら箱ごと。ただし、門仲に来て手渡しでないと難しいですが、、、
 ご連絡下さい。

15:09 | Comments (1)

2003年12月15日

熟成カボスのまろやかさを知ってますか

 実を言うと、僕も知らなかったのだ。

 カボスといえば、鮮やかな緑色で、ちょっと強めの酸味と香りがパッと立つ果実を想像されるだろう。しかし、実はあれはまだ未成熟果。強い酸を前面にだすためにはあの堅さ・熟度で出荷し流通されるが、樹においておけば、熟成が進んで真っ黄色になるのだ

kabosu1-s.jpg ここまで熟成が進むと、果汁はとてもまろやかで、尖った酸味は感じられない。円く、ふくよかで腰の入った香りがする。これがカボスか、と目から鱗が落ちた思いだ。

 このカボスは大分県臼杵(うすき)市の産。ひょんなことから知己を得た後藤さんが送ってくれたものだ。彼女は地元では有名な製薬会社の経営をしている。色んな関係から、このカボスのような、本当に身体によい食材をビジネスに載せていくことが、日本社会に必要なのではないかと真剣に考えているのだ。まろやかな酸味は、全ての料理を引き立てる。塩分や糖を制限されている人の食卓でも、カボスの絞り汁は使うことが出来る。もちろん酸味は立派に塩の代替委になるのだ。

 こういうスタンス、僕は大賛成である。アメリカのファイブ・ア・デイ運動(一日5品のやさいを食べようという健康運動で、それなりに成功を収めている)に例を引くまでもないが、国家が国民の健康を向上しなければ、国が破綻するという危機がいずれ訪れるはずだ。事実、アメリカの成人病患者がこのまま増え続ければ、早晩国家予算を保健医療費で食いつぶしてしまうと言われている。
 健康とは、人間生活の基本であり、それはまず食から生まれるものなのだ。それをヨーク考えてからFTA等を論じるべきである。開放は良い。その後、内部をどのようにすべきか、というビジョンを伴っているならば。ま、そう言う話はいいか。

kabosu2-s.jpg ということで熟成カボス、最高なんである。後藤ちゃんを三顧の礼で迎えるため、寿司 匠に連れて行く。無論、カボスを持って。通常匠では白身や貝に天然塩とスダチを使うのだが、これにカボスを使って貰う。という算段だ。

 結果はいうまでもないだろう。淡泊な平(たいら)貝の握りに一塗りしたカボスのかぐわしさは、貝の切り身を一枚も二枚も高級にしてしまった。文句なしの旨さだ。スダチや若いカボスだと、刺激が強すぎてこうはいかない。単なるアクセントになってしまうのだ。熟成カボスは、りっぱな調味料である。それも、他には望めない麗しい香りのたつ、万能調味料だ。

 匠には大きいのを10玉置いてきたので、今週中に行って「カボスで!」と所望すれば、出してくれるはずだ。その際には、遠い大分県臼杵市を思い浮かべて頂きたい。

2003年12月16日

愛媛みかんの旨いヤツ

 今年はみかんが旨いはずの年だった。みかん(温州みかん)は不思議な性質をもっていて、日本中のみかんの樹が揃って、1年ごとに美味しい年と不味い年を交互に繰り返すのだ。これを「隔年結果」と言う。一般の方はご存知ないだろうが、みかん業界では常識である。

 で、今年は本来はあたり年のはずなのだが、夏の低温期のダメージが後を引き、イマイチだと言われている。たしかに店頭で買うみかんは、優等生的で旨くない。僕のところにも、「美味しいみかん、教えてよ」という声が寄せられた。

 ということで、僕の知っている産地数ヶ所のを食べ比べてみた。正直、今年はやはり例年よりは品質が落ちる。ただ、それをさっ引いて考えた上で、僕の好みに合うところのものを紹介しよう。

■愛媛県西宇和農業協同組合 八協共撰
・特選みかん 3kg箱入り

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 「共撰」というのは、共同選果場の略。みかん産地ではこの共撰単位で物事が決まっていくという、農協の最小クラスターと言っていい共同体だ。愛媛県の早生みかん最大の産地である西宇和の管内にも11もの共撰場がある。その内訳は下記の西宇和農協Webでみられる。
http://www.rakuten.co.jp/ja-nishiuwa/
 この中で、市場で高値で取引されるブランドは、「日の丸」や「川上」だ。ミミにしたことのある人も多いだろう。けど、旨い共撰は他にもある。

 僕がしばらく前に、愛媛の産地で販売に関わらせて頂いた年には、それはもう嫌と言うほど様々な産地の様々なみかんをたべた。その中でもベストと思ったのは、「八協共撰」というところのみかんだ。この八協、地元では「八協のみかんが欲しいなんて、珍しいねぇ」と言われる、どちらかというと小さな共撰さんだ。しかし、ここの生産者の中でも優秀な人たちのほ場を下見し、糖度が13度以上確定している農家さんのみのものを選果している。

 愛媛では、地面を覆う被覆シートの導入が進んでいる。これを使うことにより、水分を切ることができるので、味が凝縮される。そして、太陽光が反射してみかんに当たり、旨くなるという算段だ。八協でも導入が進んでいるはず。
 八協の関係者には僕の名前が割れているかも知れないと思って、会社の名前とかはださずに連絡していたのだが、ばれてしまった。そう、僕は以前にも楽天のフルーツ食べ比べの企画で、西宇和を採り上げたことがあるのだ。その御礼を言われてしまった、、、

 届いた八協みかんは、小玉のSS~Mサイズだ。これはポイントなのだが、小玉のみかんの方が断然味が乗って旨い。スーパーでは何故か無難な大きさのMM~Lが売られることが多いのだが、SやSSサイズのものがあったら、そちらの方が旨いと思った方がよい。

 果たして八協みかんは甘かった!甘いだけではなく、深いコクがある。同時に凝縮された酸がたち、甘みがいっそう際だつ。ただ、昨年にくらべるとややビビッド感が弱い。それは気候の性で仕方がないのだが、、、今年のみかん戦線の中では、贈答に使える美味しいみかんだと思う。

 ちなみに、このみかんはWebショップなどでは買えない。

西宇和農業協同組合 特産センター
(TEL) 0120-478186

に電話をし、「八協の青箱3Kgのみかんが欲しい」と言ってみて欲しい。
ちなみに3Kg で2500円程度だと思う(思う、というのは、僕にはちょっと安く売ってくれたと思うから)。 市価から比べるとかなり高めだ。でも、僕なら水っぽいみかんを10玉食べるより、こちらの1玉を選ぶ。いうまでもないが、ここで宣伝したところで、僕には一銭もはいってこないよ!

という、ジャスト・アン・インフォメーションでした。

2003年12月19日

巨大大根と巨大人参出現。

この写真のスケール感を感じて欲しい。真中にある小さく見える大根が、通常サイズの大根である。
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つまり、この画像には巨大大根と巨大人参が写っているわけなのだ。片手で持ち上げるのがかなり厳しい重さ(おそらく10Kg以上はある)だ。
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 根菜類は、肥料養分があって順調に育てば、かなり底なしにでかくなることはなる。本物の三浦大根は、通常の出荷箱に入りきらないほど大きくなったりする。しかし、これは普通の青首系の大根で、ここまで大きいのはあまりみない。

 これ、千葉の産地から洒落で送られてきたものなんだが、だれも持ち帰る者が居ない。そりゃそうだ電車で持ち帰ると周囲の視線が痛そうだ。ということで、適当に切って持ってかえって、煮大根を仕込んでみることにした。
 皮を剥いて輪切りにしながら、思わず笑ってしまった。

 だって、大きすぎて一つの鍋に一片しか入らないのだ!

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いっておくがミニサイズの鍋ではないぞ。業務用の23センチ・28センチ鍋だ。昆布と醤油三種類(関東の醤油、鹿児島の「ははゆずり」、そして愛知県の3年寝かせたタマリ醤油)だけで煮る。醤油には旨味成分がタップリ含まれているので、大根を煮る時はこれだけでよい。1時間ほど煮て、一晩冷やして煮汁を含ませると、旨そうなベッコウ色に煮上がった。しかし、鍋は大根のみで一杯だ。
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皿に盛ると、いつもテイスティングに使う皿が、大根だけで一杯である。
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 しかし意外や意外。
 食感スカスカかと思いきや、かなり美味しい大根に仕上がっている。
 青首系は、大きくしても味がくずれないものなのだな。勉強になった。ま、とても技術のある生産者のところの大根なんだけどね。

 と、ベトコンの笑いの後には、巨大ネタを提供してみました。

 これから年末にかけて、八百屋やスーパーでは大根・ニンジン・小松菜が最も売れる時期となる。冬は、身体を暖める野菜が旬を迎える。前述の3種はその最たるものだ。ゴボウも含めて根菜と青菜で、コンディションを整えよう。

追伸:
 煮物、あまりに巨大すぎてまだ食べ終わりません、、、2日経過。

2003年12月26日

米国のBSE騒動

 ご存じの通り、米国で初めて、BSEを発症した牛が確認されようとしている。年末に来た、業界激震のビッグニュースだ。

 このニュースでまた、消費者が安心・安全に対して意識を集中するのだろうか。その辺はウォッチしていかなければならないが、そろそろ多くの人が気づき出したのではないだろうか、
「安全な食べ物は安くはならない。」
ということを、、、

 ということを、この食い倒れ日記に書くのはモード違いなので、兄弟blog「俺と畑とインターネット」に書いておきましたので、愚痴とおもって観て下さいな。
http://www.yamaken.org/mt/oreto/

 本当に、新聞紙上でみる以上にインパクトのある事件なんですよ。このBSE騒動。どうなることやら、、、

2003年12月27日

ご立派だ! 無添加・石井食品のラインナップ

ishii-logo.jpg 石井食品に行った。「イシイのオベント君」のアレである。慶應義塾大学の国領二郎先生のご紹介で、社長さんと名刺交換をしたのだが、その後、情報交換ということでうかがう。
 この会社、実に意識の高い会社だ。99年あたりから、全取扱商品に食品添加物の「無添加」を徹底している部分的な無添加ではなく全商品にというのはものすごい。日本酒業界で、埼玉県の名酒造「神亀」が、醸造アルコール添加が当然だった酒造業界において、全仕込み量を「純米」に切り替えたときと同じようなインパクトだ。

 加工食品は、その保存性や食味の観点から、添加物を使わないで作るなどという発想は、夢物語に終りがちだ。しかし石井食品は実行した。それは、バイタリティ溢れる石井社長の、良い意味でのトップダウンの発現と言えるだろう。敬服せざるを得ない。

 ただし、うちの社内の子持ち女性・男性に聞いてみたところ、一様に言うのが、

「無添加はいいけど味がねぇ~。」

なぬ?味はよくないの? そういえばもう10年くらい、レトルトや冷食の商品を食べてないからなぁ、、、と、素晴らしいことに本日は石井食品の商品をお土産にいただいたので、味わってみたい。

■石井食品のおそうざい
今晩のハンバーグ 和風おろし
フリーズ亭 エビ塩 中華丼
丹波の黒豆
無漂白栗きんとん


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 黒豆とくりきんとんは絶品の一言だ。
 黒豆は、工場のある丹波産を使用。豆はプロフェッショナルらしくふっくらと仕上がっている。皮の裂けもほとんどなく、美しい。煮汁の甘さも上品で、くどくない。煮豆が苦手な僕でも旨いと思う。
 栗きんとんは、原材料の確保に奔走されたらしいが、実に秀逸だ。きんとん餡のネットリクリーミーな粘りと、とろけるような芋の甘味が素晴らしい。栗は韓国産だが、無漂白で丁寧に処理されており、香り高く口の中でほどけていく。
 高級料亭のおせち料理との比較ではなく、本当の普及価格帯でここまでのグレードに仕上げているのは、ご立派としか言いようがない。


 さて、定番のハンバーグはどうだろう、何年かぶりに食べてみた。
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 んんん このハンバーグのどこがまずいのだろう?旨いじゃんか。100%鶏肉だから、味わいが淡白ではあるが、妙な人工的風味もなく、優しくふんわりしていて、好ましい味だと思う。
 無論、自分で合挽き肉で作るハンバーグが一番旨いとは思うが、この石井食品のハンバーグは、何と言っても湯煎で5分で出来てしまうのだぞ。嬉しいじゃないか、、、

 そして、中華丼も食べてみた。
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 ご覧いただいてわかるとおり、非常にまっとうな概観。添加剤が使われていないということは、着色もされていないということだ。本当に、素直な色あい。なんだか「おうちで食べるご飯」そのものだ。味は非常に優しい。薄味の出汁で具材を煮ている。白菜、きくらげ、たけのこなどの具材は自然味があり、特にエビはぷりぷり感が強く上物である。普通、こういう商品に入っているエビは、申し訳程度にお飾りとして存在しているだけと言うのが多いが、ここのははっきりと「旨いエビ」と言える。うーむ。これはフリーズ亭という名前どおり冷凍モノなので、こうした自然な味と食感を出せるのだろう。僕には塩味が薄すぎるが、これは高齢者を想定してのもの名のだと思われ、非常に良い。唯一惜しいのが、野菜の味だな。これはいい素材を仕入れることができるかどうかにかかっている。

うーむ
石井食品、素晴らしいではないか!僕は応援するゾ!
それにしても黒豆の食いすぎで口が甘い、、、

2004年01月05日

スパムサンドには脱帽だ。

 このところ、親友の加賀谷とよく会ってお茶をする。彼が月島、僕が木場なので、中間地点の門前仲町で会うことが多い。そして最近のひそかなスポットが、フレッシュネスバーガーだ。

 この日はまず、気持ちの良い陽光を浴びながらと言うことで、よくドラマの撮影現場に使われるリバーシティの大橋のたもとで駄話をしながら、茶を飲む。
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 そしてフレッシュネス。ぼくはファーストフードは嫌いではない。とくに牛丼は大好きだ。ただし、「子供が10歳になるまでにバーガーの味を舌に覚えこませる」などとのたまう某大手ハンバーガーチェーンは大嫌いなので、この先一生食べたいと思わない。
 その大手チェーンに価格競争ではかなわないため、高級志向を目指すのが、他チェーンの戦略となっている。それは正しい。モスバーガーはその仕入担当者さんのお話を聴いたことがあるが、立派な思想がある。
 で、フレッシュネスはモス路線でもなく、独自の商品展開をしていると思う。びっくりしたのは昨年後半に投入された「スパムサンド」だ。
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スパムとは、沖縄やハワイでは当たり前に食べられているあのランチョンミートのことだ。セブンイレブンの傑作おにぎりの一つ、「ソーセージおにぎり」は、「スパムすび」を原型にしていることをご存知の方も多いだろう。そう、スパムとマヨネーズに醤油、ご飯の相性は最高なのだ。
 フレッシュネスの「スパムサンド」は、これを柔らかいフォカッチャ風のバンズで挟んだものだ。具材は厚手のトマト、千切りレタスに半熟目玉焼きに照り焼き系のソースと、手が込んでいる。こいつが、実に旨いのだ、、、半熟の黄身が焼きスパムにからみ、照り焼きソースの甘辛とあわさると、実にこたえられない。この商品を開発した人間がどんな人かは知らないが、素晴らしい一本を獲られてしまった。

 ファーストフードは良いものとは思わない!けど、スパムサンドは好きだ! うーん 困ったもんです。

2004年01月08日

愛媛県の旨いもの ~瀬戸内の穴子は日本最高である~

 踊るうどんに引き続き、愛媛県の旨いものを回想したい。何度も言うが、僕が産湯をつかったのは愛媛県の港町である今治市だ。母親の実家は、今治では有数の企業家的な存在だったらしく、祖父はこの辺でドレメ(ドレスメーカー、つまり洋裁の工場)を最初に立ち上げた人だったそうだ。昔は、その工場の縫い子さんを連れて裏山に上り、たくさん生えていたマツタケをすき焼きにして腹いっぱい食べていたそうだ。その頃に生まれたかった、、、

 さて
 僕は幼き頃の食体験をつぶさに記憶しているのだが、幼少のみぎりに最も好きだったのが、穴子飯だ。瀬戸内では街中で、水揚げされた魚を担いで行商するおばちゃんが沢山いたのだそうだ。そんなおばちゃんから買った魚が食卓を彩っていたわけだ。海はもちろん瀬戸内海である。
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 この海、大型魚はいないが、小型それも雑魚といえるような魚がめっぽう旨い。例えば瀬戸内の鰯(いわし)の刺身を食べたら、江戸前の入梅鰯なんか食べたくなくなると思う。その大きな差が「微細さ」と「香り」だ。瀬戸内の魚は、とにかく味が細やかだ。細胞の組成が通常の10分の1位なんじゃないかと思うくらいに、こまやかな味がする。雑魚の中の雑魚といえる小さなベラを酢漬けにしたものなんて、涙ものの旨さだ。そして、とても美しい香りがする。こればっかりは食べないとわからないと思うが、、、

 たとえば江戸前の寿司ネタのシャコが好きな人がいるだろうか?僕はあんな味気ないバサバサしたものを食べたいと思わない。しかし瀬戸内のシャコは、外観は気味悪くどでかいヤツをさっと塩茹でにするだけで、殻をバリバリと割って、中の瑞々しさがほとばしらんばかりの身にむしゃぶりつくと、甘い甘い汁がジュワっと口に広がり、こっくりとした旨味を感じ、そして甲殻類に独特の香りが鼻腔を上っていくのだ。それで、10匹300円くらいなのだから笑ってしまう。

 そのこまやかさと香りを最も体現しているのが、穴子(あなご)だと独断で言い切ろう。僕が瀬戸内の魚で最も愛するのがこれなのだ。寿司ネタで穴子といえば江戸前と、江戸前寿司の職人は言う。けど、僕は江戸前の穴子が旨いとおもったことがあまりない(もちろん皆無ではないが)。僕の感触では、江戸前は天ぷらに合う。けど、焼きには合わないのではないか。最終的な香りにすこし泥臭さというか、大味な感覚が残る気がする。
 瀬戸内の穴子は、私見だが天ぷらには向かない。味が細やかなので、ダイナミックさが感じられないのだ。しかし、焼くと最高だ。柔らかな甘みと、凝縮された旨味、そして気高い香りがするのだ。思わず抱きしめたくなる穴子、それが瀬戸内あがり。愛媛で旨いものリストを作るとしたときに、間違いなく上位にくるのが「穴子飯」というか「穴子ご飯」なのだ。幼稚園や小学校低学年の頃から、ぼくはこれが食卓に上るのが待ち遠しくて仕方が無かった。大きくなると、なかなか遠方の親族と疎遠になってしまうが、今治との距離も大きくなってしまった。
 しかし、ちょっと前に愛媛で仕事があり、なつかしの叔父・叔母の家を訪問したのだ。もちろん、事前に「頼むから穴子飯を作ってくれ」とお願いして、、、

 叔母が「謙ちゃんが想像してるんと違うかも知れんヨ」と言いながら運んできてくれたそれは、もう見た瞬間から食欲大全開の代物だった。
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↑どーだ!旨そうでしょ?
これ、コツがある。穴子は割いた身を買ってきてよいのだが、その際に頭と骨も所望する。これはスーパーなどでは無理だろうが。そして、その頭と骨をみりんと醤油で炊き、穴子の旨味を完全に濃縮したタレを作るのだ。そしてそれを塗りながら網で身を焼く。タレを飯にツツと一回しかけ、大ぶりの穴子をババンと乗せ、三つ葉を散らす、、、

 これが、僕の愛する穴子飯だ。たいがい、記憶の中の味覚は美化されて、それを超えることはないものだが、叔母ちゃん特製の穴子飯はすこぶるつきの旨さだった!

 残念なのは、これは家庭の味だということで、店でこういうのが出てくるのはマレだ。かまぼことか、じゃこ天とか、いろいろとみやげ物があるが、ぜひともこういう、普通の家庭で出てくるものを旅人に食べさせてあげたいものだ。それが結局のところ、一番美味しいものなのだから、、、

2004年01月11日

ネットリうまうまの米、「ミルキークイーン」を知ってますか

 ご家庭で食べている米、いろいろあると思うが、比較的最近によく見かけるようになったミルキークイーンという品種をご存知だろうか。炊いていない状態の米粒がミルクのように白濁した色味であることからネーミングがついたこの品種、今最もぼくが好きな米だ。昨日、ある友人から届いたので、早速食べてみた。
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 ミルキークイーンは、もち米とうるち米(普通のお米のことね)を掛け合わせた品種。掛け合わせ(交配)は、それぞれの長所を引き出すためになされるものだが、ここでのねらいは「低アミロース化」。アミロースとは、でん粉質の一種で、この含有量が高いほどボソボソ感が強く食感の硬い米となる。このアミロースを低くすればするほど、ネットリ感の強い米になるのだ。
 で、ミルキークイーンは、もともとアミロース値が低いもち米の特質をうるち米に発現するようにチューニングされた品種なのだ。だから、ネットリもちもちの食感と、独特の香りを持っている。冷えても硬くならず、美味しい米なのだ。詳しいことを知りたい方は、

独立行政法人 作物総合研究所 の研究成果のページ

をご覧いただきたい。 僕はこの研究所の所長さんと別件でお話をしたことがある。所長室に行くと、1時間ばかり話をして、5時のチャイムが聞こえたところで、
「さてと、、、」
と、パタンと資料類を閉じて、部屋の片隅にある冷蔵庫を開け、ビール瓶を3本抱えて、
「じゃあ、本音で話しましょうか。」
ということに相成った。そこから2時間半くらいいろんなことをお聞かせいただいた。途中で、
「うちではね、低アミロース小麦ってのも作っていて、これで作ったうどんが旨いんだよ!」
と言って、本当に研究所の給湯室で茹でて食べさせてくれた。これがまた劇ウマだったのだが、、、

 話を元に戻そう。
 ミルキークイーンは素晴らしい品種だが、当然のことながら誰が作っても旨いというものではない。僕はいろんな産地のを、それこそ15種くらい食べてきたが、最も旨い、と思うのは福島県のある生産者団体のものだ。ただし、その生産者団体、生産量が極めて少ないため残念ながらここでは明かせない。残念だ、、、そこのは、ネットリとモッチリ感だけではなく、米の細胞壁の強さというか、しっかりした噛み応えがあり、香り、風味共に素晴らしいものなのだ。洋食にでも和食にでもあわせられるオールラウンダーで、毎食食べても飽きなかった。
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 さて本日はその品種ではなくて、秋田県の有望な若手農業者のミルキークイーンを紹介したい。名前を伊藤裕樹、通称「ひろっきい」という。昨年末に親友の本城しんのすけから紹介され、意気投合した人である。

出羽大内産 伊藤家のお米
総責任者 伊藤裕樹

※伊藤さんのWebより画像引用↑

 彼は、実は週末農家だ。東京ではなんと、経営コンサルタント会社の代表取締役であり、かつ最近流行りのコーチングの専門家である。で、週末や繁忙期になると、秋田県大内町の実家(専業農家)の田んぼに舞い戻り、ご両親と作業をする。関東圏からするとかなり大きな規模で稲作をやっているのだ。で、彼が作ったミルキークイーンを食べてみようと、買い求めてみたわけだ。
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 発送直前に精米してくれているのがとても嬉しいところだ。早速炊いてみた。ミルキークイーンは、通常の米よりも少し水を少なめにしたほうが旨く炊ける傾向がある。僕の愛用しているミニお釜を使って、細心の注意を払いながら炊いてみた。
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 炊き上がり~蒸らしときた段階で、少し水が多かったと認識する。やはりこればかりは都度、新しい米を買うたびに、水加減を試行錯誤する必要がある。
 米だけでかみ締める。あのネットリ感と、程よく強い甘さ、そして女性的な香りが鼻を抜ける。旨い。この米には、若干強めの味のおかずが合う。そこで、兄弟分の工藤ちゃんが作ってくれた自家製ベーコンを厚めに切ってカリカリに焼き、目玉焼きを2個つくり、これをミルキークイーンにのせていただいた。
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 ねっとりした黄身と燻したベーコンの脂が染みた米は、テリテリと輝き、なんともしっかりと旨味をましていった。納得の味である。今度は少し水加減を落として食べてみよう。米を代えるだけで、毎日の朝が楽しみになる、、、

 ひろっきいの米は、通販で買える。興味のある人は試してみては如何だろうか。ただし、ミルキークイーン以外の米は、まだ食べてないゾ。

2004年02月04日

「うすいえんどう」を知ってますか

usuiendou.jpg 出張の合間に料理をする。そうでないと気が狂う。
さて関西の人には表題のような質問をしても「何いうてんの」と笑われるだけだろう。けど、関東の人はおそらくこの名前をほとんど知らないのではないか。

「うすいえんどう」

もちろんえんどう豆の一種だ。さやごと食べる鞘豆とは違い、グリーンピースのように肥大した中の豆を加熱して食べるものだ。関西の「豆ご飯」は、このうすいえんどうを使ったものである。その味わいは、グリーンピースよりも絶対的に繊細で、甘味がある。

 産地として有名なのは和歌山県だ。和歌山の人はこのうすいえんどうの話をすると、急に遠い目つきになって、

「あれをね、卵とじにすると美味しいんよぉ、、、」

などと仰る。これを、和歌山出張のついでに買ってきた。無論、豆ご飯を作るのである。


豆ご飯の作り方はそれほど難しくないが、絶対はずせないポイントがある。

1.豆はご飯と一緒に炊いたほうが、見た目は悪いが旨い。
 ご飯と炊くとどうしても色味が悪くなるので、別に塩湯でして炊きたてご飯に混ぜると言う人も居るが、僕は一緒に炊いたほうが、豆の味がご飯に移って旨いと思う。

そしてもう一つ、これが実に重要なのだが、

2.豆をとった鞘(さや)を茹でてダシをとり、このダシでご飯を炊くこと。
 これを言うと皆びっくりするのだが、、、本当の話である。

==========================================
■鞘から豆をはずす
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むいた豆は、薄めの塩水につけて下味をつける。

■鞘を茹でてダシをとる
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中火でゆっくり煮込んで豆の味を出し尽くす。途中、味見をしてみると、びっくりするような甘い、いいダシが出ているはずだ。

■材料が揃う
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写真の下のグラスに湛えられたダシを見て欲しい。こんなえんどう豆色になるのだ。
これでご飯を炊くだけだ。今回は秋田県「ひろっきー」のミルキークイーンで炊いてみた。

■炊く
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水加減は豆がある分、少し多めにしたほうがいいだろう。それと、鞘からとったダシには当分が含まれているため、ガス火で炊くと焦げやすいので注意。僕のは小型のお釜なのでコゲがしっかりと出来た。

あとは、食べるだけだ

mamegohan2.jpg

ご飯に豆の甘さと緑々しい香りが鼻腔を抜けていく。豆はほくほくとして、淡い味わいだ。決してキラーアプリケーションではないが、本当にほっとする料理なんである。

和歌山県のうすいえんどうは旨い!
ご馳走様でした!

2004年02月05日

和歌山が世界に誇る発酵食品 「なれ寿司」7種を食べ比べた県外人は俺ぐらいだろう。

narezushi.jpg 和歌山ラーメンには付き物の「早寿司」。これは、鯖(さば)の切り身を一口大の押し寿司にしたもので、和歌山のラーメン屋さんにはこれが山と積まれていて、客が会計時に食べた個数自己申告するという、おおらかなスタイルになっている。
 さてこの早寿司、何が「早い」のだろうか。名前には意味がある。早いの反対には遅いがある。そう、実はこれは対語だ。早寿司の対極には、「なれ寿司」があるのだ。

 「なれ」は「熟れ=熟成」の意を持つ。ご存知の方も多いだろうが、寿司とはもともと、魚を長期保存するために発酵させた食べ物であった。魚に塩をし、発酵を促進する米や麹などと一緒に漬け込み、乳酸発酵させたものだ。琵琶湖周辺の名物である「フナ寿司」もルーツは同じだ。

 さて和歌山県の「熟れ寿司」には、当然ながら鯖が使われる。鯖に塩をして下漬けする。これを、ぎゅうぎゅうに押し固めて空気を抜いた飯の上に乗せ、重石を載せて発酵させる。押し固めて重石を載せるのは、空気を出来るだけ抜いて嫌気性発酵させるためだ。この辺の詳しい事情は、僕が敬愛してやまない、東京農大の小泉武夫教授の著書を読んでいただきたい。彼は世界随一の熟れ寿司文化探検家である

 とにかくこうしてできた熟れ寿司は長期保存可能な食品となる。特徴はとてもわかりやすい。「におい」である。とにかく、初心者には手におえないにおいであると言ってよい。僕も発酵食品は大好きで、たいていのものは美味しく食べられる。けれども時々「こいつぁダメだ!」と唸るものに出会うこともある。
 けど、フナ寿司は大好きだし、熟れ寿司も大丈夫なはず、と思っていた。そう、何だかんだ講釈をたれたが、実はいままで手に入らなくて食べたことが無いのである。

 以前、和歌山の農業者さんたちに講演をさせていただいたことがある。その講演後、予算をやりくりして、みなさんがぼくに熟れ寿司を買ってくださると言う。もちろん所望したわけなんだが、、、車を飛ばして老舗といわれるところに行くと、その普通の民家のような店のおっちゃんが「熟れ寿司はちょうど切れてて、早寿司しかない」という。そのときは仕方が無いので早寿司を20本買い求め、電車の中で5本食べ、家で10本食べ、会社に5本だけ「お土産だよぉ」と言って持っていった。

 そんなわけで今回初めて食べたのだ!

 食べさせてくださったのは、名前はいえないが僕の和歌山で最大級に敬愛する友人T氏である。このT氏が、熟れ寿司を食べたいという僕のリクエストを訊いて、なんと5種類の熟れ寿司を用意してくれたのである!買い求めに行ってくれたのは彼の美しい嫁はんである。

みよ!和歌山を代表する(と思われる)熟れ寿司、早寿司のラインナップである!

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この中で本当の熟れ寿司は3本。有名な「弥助寿司」と「丸正(だったかな?)」そして「八つ房」のものである。その他は早寿司だ。

これらの熟れ寿司&はや寿司を買いに行った奥さんがコロコロと笑いながら言う。

「お店の人がね、『あのね、これはとぉっても臭くて、奥さんみたいな若い女の子はよう食べられんと思うよ』って言うんですよぉ。自分が売ってる商品なのにねぇ、、、」

そう、売り込みかけるどころか「大丈夫?ほんまに大丈夫?」と訊かれまくったという代物なのだ。面白すぎる!実はこの熟れ寿司、和歌山で出会う人たちに片っ端から聞いても、20代の人たちは一様に「食べたこと無いんです」という。T氏はかろうじて、おばあちゃんちで作っているのを食べていたそうだが、「やっぱり臭かったですよ」とのことだ。ますます興味深い。

さて何はともあれ食べてみたい。3種の「熟れ」を切ってみる。「弥助」の熟れ寿司を切ろうとビニールをはずす。店の人が「におうからねぇ」と厳重にラップを巻いてくれたそうだ。紙の包みをとると、アセという葉に包まれた棒寿司が出てくる。
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もうこの時点で、あたりには異臭が漂っている。それもそのはずで、空気に触れやすい面は発酵が進んでこんなドロドロ状態である。
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 あたりに漂うのは、匂いというより「臭い」という感じで称したほうがいいだろう。本当に臭い。まさに異臭である。友人T氏は「くっさぁ~」と避難している。これを奥さんが全メーカー分一口大に切り、皿に取り分ける。
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おそらくこんな感じで多種の熟れ寿司、はや寿司を食べ比べると言うのは、和歌山に居てもないことだろうなぁ。なんという贅沢か。

 さて ソファにすわり、T氏と共に思い切って口に運ぶ。瞬間、未曾有の体験が僕を襲った。

すんげぇ 臭いである。

強烈の一言だ。

この瞬間のT氏を写した2枚の写真を見ればそのショックはわかると思う。

■これが、口に入れた瞬間。
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■臭いが鼻に回った瞬間。
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きっとフナ寿司と同じようなすっぱい発酵なんだろうと思ったのだが、淡水魚のフナと海の鯖とでは、動物性蛋白のありようが全く違うらしい。鯖はむちゃくちゃに複雑にしてストロングな臭いを発生させると見える。

しかし、、、臭い臭いというだけではない。非常に高度にして複雑な味がある。いや、まさしくこれは旨い、と3種の熟れを食べて思うようになった。
弥助寿司の熟れは、かなり発酵がキツイ。鯖の切り身を下に当てるとピリっとやばそうな刺激がくるくらいに熟れているのだ!対して八つ房の熟れは非常に上品。発酵臭はするものの、食べやすい。丸正はその中庸の位置か。

ここでびっくりしたことがある。熟れ3種を食べた後に、それぞれのメーカーの早寿司を食べたのだ。ゆっくりかんだ瞬間、T氏と僕は顔を見合わせた。

「味が無い。」

 そう、あまりにストロングな味を咀嚼していたためか、舌の感覚のダイナミックレンジが極限まで拡がった状態が出来上がったのだ。複雑な旨味の織り成す技だ。で、その直後に、発酵を経ていない、シンプルな味付けの早寿司を食べたものだから、味の要素が感じにくくなってしまったのだ。これはT氏も同意見。てことは、やっぱり熟れ寿司って豪華なものなのだ!
 いや本当にびっくりした。

 この熟れ寿司&早寿司、全部ぼくが持ち帰りさせていただいた。その後1週間、毎日食べました。もうこの味、香りに馴れてしまって、刺激がすごく心地よい。ビギナーには進められないが、、、

 もし和歌山を旅することがあったら、ぜひ街の人に聞いて熟れ寿司を買って帰ってみて欲しい。すぐに月と同じくらいの距離に飛び出せることを請合おう。でも、本当に美味しいよ!こういう複雑な旨味を、たまには舌に刺激として与えないと、正常にして繊細な味覚は出来ないと思う。とても高度な味わいだと、この熟れ寿司については断定したいと思う。

2004年02月14日

山形vs福井 名物対決~赤カブの巻

 今月は出張月間なわけだが、その先々で様々な郷土食材を味わう機会に恵まれることになる。北海道帯広と札幌、そして遠く東京にて鱈の白子をいただいたのは先日だが、野菜でとなると中々興味深い。そして、今回ちょっと採り上げたいテーマが見つかってしまった。それは、山形県と福井県の双方で名物になっている「赤蕪(かぶ)」である。

 蕪という作物は、実はむちゃくちゃに種類が多い。店頭に出回っているのがいわゆる中玉から小玉の白いカブばかりなのであまり実感が湧かないかもしれないが、地方にいくと、その地元にしかない品種が多いのだ。中には、「ほんとにカブかぁ?」という形のものも多い。大根のように細長い形であったり、聖護院蕪のように巨大に丸い蕪も、実は各地にある。

 そうした蕪の中でも極めて面白いのが赤蕪だろう。スーパーで赤蕪の酢漬けを売っているのをみて、「着色してるんでしょう?」という人も多いのだが、赤蕪とは天然の紅色素を含んだ蕪である。漬けこむと赤い色素が滲み出て紫がかった深紅の美しい色合いになる。そしてなぜか風味も白い蕪よりも強いことが多い。そして、山形県と福井県には、それぞれが誇る郷土野菜としての赤蕪が存在するのだ。

 山形県で有名なのは、「温海(あつみ)かぶ」と「藤沢かぶ」という品種だ。どちらとも、焼畑で作られるそうだ。その辺、このWebに詳しい↓
http://www.slowfood-yamagata.jp/home/album/20031130.html

 今回は、山形の農業改良普及員さんである一戸女史が連れて行ってくれた、生産者グループがつくった加工食品を販売するイベントにて、「これは買っちゃダメ。あ、こっちが本物。」と教えていただきながら、「藤沢かぶ」をセレクトした。このように、まるで大根のような姿形の赤蕪なのである。

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 対する福井県では、「河内(こうち)蕪」が有名なのであった。これは僕も知らなかったのだが、福井の農業改良普及員さんである土屋さんが、わざわざ手配して取り寄せてくださった。
 なんとこの蕪も焼畑農法で作られる。赤蕪は焼畑でつくると旨いのかなぁ 詳細はこのWebを参照のこと↓
http://info.pref.fukui.jp/nourin/syunfile/syun5/akakabu.html

 この河内蕪、やたらめったらに生産量が少なく、入手は難しいらしい。だから福井県外にはそれほど知られていないということか。土屋さんいわく、
「かなり硬くて、ボリボリと派手な音がします。」
とのこと。それは硬い物好きの俺好みなのであった。

 ご用意いただいたのは上記のWebに書いてある生産者さんの赤蕪漬けである。この飾らぬパッケージが秀逸である。

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さて この二つを食べ比べてみようではないか。

■外観
 外観、といっても漬物になっているものを刻んでしまうので、あまり意味は無いのだが、、、

 山形の藤沢蕪は大根に近い形であり、これを櫛形に切っていただくことにした。画像をみていただければおわかりのとおり、大根のような断面である。
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 福井の河内蕪は、形はオーソドックスな丸型らしい。今回の漬物は最初からカットされている。大きさを観ると小玉のものが使われているらしいが、本来的にはもう少し大きい玉が多いらしい。
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 双方の画像を見ていただければおわかりのように、なぜか双方同じような色である。どちらも深紅というよりは少し紫の入った魅惑的な赤だ。

■食感
 山形の藤沢蕪は、形こそ大根だが、食感は当然ながら蕪である。ただししゃきしゃき感があり、通常の蕪のようなクニョッとした感覚は皆無。代表的な赤蕪の食感と言ってよいだろう。この食感が欲しくて、漬物を食べるのである。
 福井の河内蕪は、土屋さんがおっしゃるようにかなり歯ごたえがあった。それこそバリバリという感じの音で、蕪の細胞壁の強さが感じられる。

■食味
 食味と食感は連動しているのだろうか。藤沢蕪はとても柔らかい味と香りがする。対して河内蕪は非常にワイルド極まりない。辛味が一瞬鼻に抜ける感覚がある。モルツとドライ系ビールのような対比である。無論、味については漬け込み用の調味液に拠るところ大だから、一概には言えないのだが。


 というように食べ比べをするわけだが、、、どっちも旨いんである。素材感を活かし、調味液にはオーソドックスな甘酢のみを使用しているわけで、プレーンな味わいだ。
 どちらがどうのこうのというより、遠く離れた山形と福井で、赤蕪栽培にはなぜか焼畑というのが共通しているということが、非常に面白いではないか。

 そう思いながら、バリボリバリボリ 気づくと蕪4つ分くらい齧っていた俺を発見したのであった。

2004年02月19日

一応宣伝をしておこう。僕が最も旨いと思うトマトを。

g-4.jpg 販売数量が非常にすくないので、実は宣伝を差し控えていたのだが。

 数年前からBIGLOBEのグルメカテゴリで、商材を提供している。僕の顔が出ての販売なので気恥ずかしいのだが、、、

BIGLOBEグルメ 旨極の青果物


 旨極は「うまきょく」と読みます。完全に造語です。週間50ケースしか分けてもらえないのですぐに売り切れてしまう、、、
 今みたら、2月中配送分は売り切れ、3月からの配送分はあと2箱しか残ってませんな、、、

 味は、ええ、この私が、フルーツトマトで最も旨いと思う生産者の一人がここなのですよ。まあ間違いはないです(断言)。

 もし、、、どうしても欲しいって人はメール下さい。無理だったらゴメン。

「なんばんの粕漬け」大ブレイクにつき





いやビックリした。山形県で買ってきたなんばんの粕漬けがあまりに旨かったので、取り寄せるということを書いたら、予想外に「私の分も買って!」という打診をいただいている。コメントに書いてくれるのもあればメールでご連絡もあったりで、今回は20本取り寄せることになりそうである。

 これを受けて、くだんの生産者グループ「まあどんな会」に電話をかけてみた!生産者のラベルに記載されている佐藤洋子さんに、である。

 ご本人が出たのでいきさつを説明する。

「あのぉ、、、粕漬け買ってくれる前に、講演しに来てくれた方?」

と仰るので「そうです」と言うと、もう大爆笑で一瞬にしてツーカーになってしまった。佐藤さんにいろいろ訊いた。

 まあどんな会は、置賜郡の白鷹町というところの生産者の奥様方が、夏の間だけきのこや山菜などを調理加工するグループなのだそうだ。

「スキー場の施設が夏は使われないから、そこで作業するのよ。」

とのことだ。まあどんな会は県の普及員さんにお世話になって立ち上げたそうだが、夏だけなので生産量はどうしても限られてしまうそうだ。そこがまた、マニア心をくすぐるところだ。

 で肝心のなんばんだが、

「あれはねぇ、味噌は全く使ってないの。なんばん(唐辛子)とにんにく、くるみ、ごまなんかを粕と混ぜて寝かせるものなの。」

という。更によだれの出そうな情報を訊いた!

「あれはねぇ、酒粕だから蓋を開けなければ何年でも保つの。寝かせば寝かすほど美味しくなるの!瓶を開けたら、周りがかびやすくなるからダメだけどね。」

なにぃいいいいい
じゃあ5本買って俺は寝かせるぞぉ! なんばん粕漬けの10年ものはどんな味になるんだろう?

 この他にもいろいろな話をしたのだが、最後に佐藤さんが言ってくださった。

「夏には色んな美味しいものがとれるから、団体様で泊まりに来て下さ~い 待ってますよ!」

これは行くしかあるまい!

 食い倒れ日記でこんな展開になるとは思わなかったが、いつか有志で山形旨いもんツアーを開催するというのはどうだろう?
 「まあどんな会」視察&食い倒れの翌日は、山形市内にいき、鈴木製粉の大師匠に入門して一日蕎麦打ち体験をするというコースではいかがなものか?

 なんだかわくわくしてきた。是非もない。今回、初めて僕にメールやコメントを下さる方々の通信を読んで、読者の方々からのダイレクトな声を初めてきいた思いだ。今後も頑張って色んな旨いもん情報を出していきたい。

ああそうそう、肝心のこと。

■なんばんの粕漬け共同購入について

・来週いっぱい、希望を受け付けます。
・価格はなんと!1本350円+送料。送料は20本程度なら1300円くらいなので、それを本数で割ります。
・ただし 商売ではないので、手渡しでしかお渡しできません。都合は別途連絡とりあいましょう。
・それと、いい機会なので、「食い倒れオフ会」を開催しようと思います。寿司匠で握りを堪能した後、晴弘の支那そばを食べに行きましょう。ただ、私の仕事の関係があるので3月中旬以降にさせてください。ちょっと先にはなりますが、この席上で引き渡しも可能。

そんな感じです。

※すでに受付は終了しています!

2004年02月26日

山形「なんばんの粕漬け」明日で締め切りますよぉ

 なんばん粕漬けの共同購入、なんと今のところ、40本オーバーです。
皆さんコメントやメールで「そんなに辛いなら」というので、本当に誰が食べても辛いと思える水準だろうか、と毎日食べているのですが、

やっぱり辛い!

ので、ご安心ください。きっとお気にいると思います。もしイメージと違ってても勘弁してネ!

 明日の夜〆切らせていただき、週末に「まあどんな会」の佐藤さんに連絡します。
やまけんの超繁忙期がまだ続きますので、その間じっくり冷暗所に寝かせておき(笑)、

①しかるべき時期に食倒れオフ会を開催し手渡し
②オフ会とは別に日程調整して手渡し

のどちらかでお渡ししたいと思います。オフ会は人数次第では分割開催(笑)します。
では よろしくです!

2004年03月04日

君は秋田の至宝 「いぶりがっこ」を知っているか?

 大学院生の頃、米作で有名な秋田県大潟村に講演に招かれた事がある。その際、わがままにも「最高級の稲庭うどんといぶりがっこを数か月分送ってくれ」といってみたら、本当に最上級の桐箱入りの稲庭うどん(40cmくらいの長さのものだ)を10キロと、いぶりがっこ5キロを下宿に送ってきてくれた。以後、僕は稲庭うどんについては口がおごってしまって、スーパーなどの商品ではとても満足できない。

 で、「いぶりがっこ」は衝撃的だった。知らない人のために解説すると、「がっこ」とは秋田の方言では「漬物」を意味する。 「いぶり」とは「燻し」のことで、燻製(スモーク)にしたもののことだ。つまり「いぶりがっこ」とは「燻した漬物」と言う意味なのである。
 「なんだそれは」と思う人が居るかもしれないが、これがまた最高なのだ。沢庵(たくわん)の外側がしわしわに燻された色に茶色ずんでいて、うすく切り分けた一切れを口にした瞬間に、口内にスモーキーな香りがブワッと拡がるのだ。以来、気の利いた本格居酒屋で品書きに「いぶりがっこ」があると、必ず頼んで堪能するのであった。

 さて 嬉しいことに、次の年度には僕は秋田でも仕事をすることになりそうだ。その下準備で上京してくださる方に、厚顔にも「いぶりがっこ買ってきてください」とお願いをしてみた。すると予期せぬお返事が返ってきたのだ!

> さて、26日お伺いする際に持参するいぶりがっこですが既にご賞味された御経験
> はあるのでしょうか?
> また、乾いている系や甘い系などお好み等もございますか?

 なぬ? 乾いてる系や甘い系、、、? てことはいろんな系統があるってことかぁ!
ここは地元の人が一番旨いと思うのをもってきていただきたいということでお願いをしておいた!

 そして当日、、、来訪者I氏はニコニコとされながら、ぼくに3種のいぶりがっこを持ってきてくださった。
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「お口に合うかどうかはわかりませんけど、、、」

「いや、でも地元の人がふつうに食べる食べ物が一番美味しいと思いますから!」

と言うと、I氏はなにか複雑な顔をしている。そして驚愕の事実がわかったのだ!

「やまけんさん、実は私の家は両親が農家でして、自分の家でいぶりがっこを作っているので、他のものを食べることが少ないんです」

うええええええ  そういうもんなのぉおおおおお?

しかも驚愕は続く。

「ですから、家の横には いぶりがっこ専用の小屋があるんですよ。」

ここで解説が必要になるだろう。いぶりがっこはどのように作るのか? よく言われるのが「たくわんを燻せばいいんだろう?」ということなのだが、実は順序が逆である。「燻した大根を沢庵にする」のが真なのである。その大根の燻し方だが、小屋のなかに洗濯紐みたいなのを貼り渡してシナッとした大根を引っ掛ける。床の囲炉裏に炭を起こし、ナラやクヌギといった燻し材となる木をくべて、あとは延々と燻すのである。こうして出来上がった強烈な香りの大根を、麹と塩でたくわんに漬け込むのである。

 と、そこまでは僕もしっているのだが、その小屋というのがどういう単位であるのかは知らなかった。村で一つとかそう言うくらいかと思っていたら、、、なんと一家に一軒そんな小屋があるのであった!

「いやぁ うちは4世代同居の農家ですから、、、そんなもんです。いつも自分の家のがっこばかり食べてますから。秋田では外食率が低くて、うちみたいなのがほとんどです。」

なんて羨ましいんだ! 僕はその話を聴いて、がぜん秋田に対する関心が高まった!外食が無いということは、その分、家々の味が多種多様に展開されているはずだ!これは素晴らしい。ぜひ秋田で仕事をしたいと思うのであった。

さて 自分の家のがっこしか食べないI氏ではあったが、僕のために評判のよい漬物屋で、3種のいぶりがっこを買ってきてくれた。
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 2種は醤油の醸造元が製造しているもので、かなり伝統的というかストイックなつくりのもの、もう1種は地元の有名メーカが作っている、かなり調味料を駆使したものだ。どれがどれだかはお分かりだろう。
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 しかし結論からいえば、いつもこんなかんじで申し訳ないけど、「どれも旨い!」である。原材料に甘味料とかアミノ酸とか書かれているのは、やはり味がくっきりしていて食べやすい。これはこれでよい。そしてストイックな方はといえば、とにかく余分な味がない。煙の香りと大根と麹の香りのみ。それが非常に好ましい!写真の皿盛り分に加え、ほぼ3分の1本分をボリボリボリボリボリボリボリと食べてしまったのであった!

実はこのいぶりがっこ、飯とともに喰うのが一般的ではあるが、なんとスコッチウイスキーに合う。いぶりのスモーキーさ加減が、やはりスモーキーなスコッチにびったしマッチするのである。
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いぶりを入手できる方はぜひ試されたい。いや、いぶりは僕が入手しよう。その代わり質のよい上物のスコッチを持参してくれ、、、

ともかく
次年度、秋田にて新しい食い倒れストーリーが始まりそうな予感である、、、

2004年03月05日

山形県 「なんばんの粕漬け」62本届きましたぁ!

本日、山形の「まあどんな会」から、なんばんの粕漬けが届きましたぁ!

みよ、この壮観ななんばん風景を!
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しかも、おまけまでつけてくれました。
青菜漬け、たくわん、凍み餅、わらびの一本漬け!最高だ、、、
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ごめん、このオマケは、日持ちしなさそうなので、私が代表していただいちゃいますね。

さて
1本 350円×2本=21700円(+消費税1085円)
送料が1700円
これを62で割ると1本あたり395円。端数切り上げで1本400円にしてしまってよろしいでしょうか?→皆様

よし、あとはオフ会の設定だけだ!
3月中になんとかしたいなぁ これは別途告知させてください!

まあどんな会の佐藤さんより書面にて:

「素晴らしい方々にめぐり逢った感じがします。どうぞよろしくおねがいします。」

こちらこそ!
ということで、中間報告でしたぁ!

2004年03月15日

極上野菜料理三昧で、極楽休日。

 竹鶴編、一休み。

 長島農園の勝美君から野菜が大量に届いた。勝美君のことは過去ログにも掲載しているので説明の必要はないと思うが、僕が関東近郊で最も信頼している生産者の一人だ。というより悪友といった感じだろうか。

 今回送ってくれた野菜は、春キャベツ2玉、ブロッコリ3個、若堀り筍3本、ルッコラセルバチコ2袋、サラダほうれん草2束、ほうれん草2束、それに深紅のラディッシュだ。僕は外に出ることが多い仕事なので、外食率も週の半々くらいになる。出張シーズンの恐ろしさはご存じの通りだ。だから、まとまった時間がとれるときには必ず自分で料理をして身体と精神の均衡を保つ努力をしているのだ。そうした時にはほぼ必ず彼に「野菜送ってくれ~」という電話をしている。

「なんだよ 料理する時間あるの?」

と言いながらも彼はその時期最高の野菜を送ってくれる。そのために僕はある貢ぎ物を彼ら家族にしているのだ。それは、、、カニである。長島家は、というより彼の奥さんのフランチェスカは、カニが大好きなのだ。フランチェスカはドイツ人で、日本に研修に来た時に勝美君が通訳をし、いたって自然の成り行きで結婚に至ったという人なのだが、とてつもない美人である。そのフランチェスカが日本にきて最も好きになったのがカニなのだ!以来、カニが旨い地域に出張にいくと必ず、長島家にカニを送るようにしている。その代わり、
僕が欲しいと思う時には無条件で野菜を送ってもらっているという関係なのだ。


 さて送られてきた野菜をどうするか。ブロッコリとキャベツは即座に茹でて一玉ずつ平らげてしまう。ブロッコリは新鮮さが命だ。すぐさま軸の根本まで塩ゆでし、ドレッシングで和えて食べてしまう。キャベツも同様だ。

 早堀りの筍は大ごちそうだ。今の時期は高値が付いているのでありがたい。これはすぐさま米のとぎ汁で煮て、筍ご飯にした。筍の味わいを楽しむために、昆布だしと醤油のみの薄味にした。が、それでは芸がないので、秋田県のi氏からいただいた魚醤の塩汁(しょっつる)である「トトミー」を味付けに使う。

炊きあがった筍ご飯は、魚の生臭さが皆無の、実に味わい深いものになっていた。3合炊いたけど、朝飯と夜食で食べきってしまったのであった。


 で、もうひとつ今回のメインはセルバチコというルッコラなのだ。ルッコラはきょうび、よくスーパーでも見かけるようになったが、比較的最近出てきた洋野菜だ。ごまの味がするとよく言われるが、それにはなんとなく抵抗感がある。ルッコラはやはりルッコラの薫りがすると言って欲しいのだ。しかし、通常出回っているのは栽培品種。今回のセルバチコというのは野生に近い品種だ。葉の形状も全く違っている。栽培品種のルッコラはカブの葉のように丸っこいが、このセルバチコはタンポポのようなギザギザ葉である。

そして最大の違いは味だ。とにかく濃い。そして薫りも半端なく強い。ルッコラは元来、辛い菜っぱなのだ。セルバチコの株元をかじると、ビリッとした辛さが舌を刺す。おそらくこの刺激が強すぎるところが、栽培品種では和らげられたのだろうが、サラダ以外の料理に使う時には、このセルバチコの方が個性が強く、よい気がする。最近は種も手にはいるようになったので、園芸家の方はぜひ育ててみるといいだろう。化学肥料を使わずに鶏糞などで育てることを強くお奨めする。薫りと味の強さがまったく別物になるからだ。

 さてルッコラをどう料理するか、、、じつはこのblogの読者でもあり、つい先日遭遇して友人となったReitaro女史は、こんな旨そうな生ハムサラダに仕立て上げたみたいである
 僕は面倒なことはあまり考えずに、パスタにバラッとかけるのがよろしい。ちょうど、このblogの読者であるKAPPAちゃんからいただいた、高知県のフルーツトマトがあるので、これを使って豪勢なトマトソースを作りパスタにしてしまおう。ちなみにフルーツトマトには僕は異様にうるさい。商売してるからね、、、ちょうど現在、熊本は八代の塩トマトというのを販売しているくらいである。でも、このKAPPAちゃんからいただいた高知のフルーツトマトは絶品であった。

うーむ、、、 素直に極上でしたわ。フルーツトマトはそのまま食べるのがもちろん旨いが、ソースにするとこれまた最高である。「そんなのもったいない」という人は物を知らぬ人である。トマトは熱を加えると旨みと酸味が活性化して美味しくなるのである。

それと、なんともいいタイミングで僕の敬愛するフレンチの名店「カストール」のWebにて、藤野シェフの手によるブロッコリパスタのレシピが掲載されている!これは作るしかないでしょう!ということで本日のブランチはパスタ二種で決まりである。

うまいことに長島君からの野菜セットの中にイタリアンパセリが一束入っていた。これとニンニクを刻み鍋に投入しオイルを熱する。

このオイルを鍋二つにとりわけ、一つには大きく刻んだトマトを投入して熱する。味付けは塩のみだ。フルーツトマトは複雑な味が凝縮されているので、手をかけない方が旨い。

ブロッコリは寸胴にしょっぱいくらいの塩湯を作り、しなしなになるまで茹でる。歯触りが全くのこらないくらいにクタクタに煮てしまうのがよいのだ。軸の堅い皮をむき、細かく刻んでオイルに投入し、加熱しながら香り付けにベルモットを少々加えた(これは藤野シェフのレシピではないが、、、)。

あとはスパゲティーニを堅めに茹で、鍋に投入してサルターレ(ソースを吸わせるようにあおる)して完成である。ちなみに僕はパスタを茹でる時には、だいたい230gくらい茹でてしまう。だって好きなんだもーん。

フルーツトマトのソースに、手でちぎったルッコラセルバチコの刺激的な辛みと薫り、濃い味が絡み合ってすさまじく美しい。ブロッコリのソースに絡められたパスタは、こちらは非常に優しく、思いがけなく深いコクがある。ニンニクオイルによってブロッコリが攻撃的性格になっている。230gの麺はすぐさま僕の胃の腑に収まってしまったのであった。

イタリアンパセリは大量に刻んでしまったので、昨晩から水に戻して茹で上げておいた大正金時豆のサラダに加えた。

こんなふうに、僕の休日は、料理をしまくって野菜を食いまくる一日となるのが常である。ああ、いい一日だった、、、

ちなみに長島農園の野菜を食べたいという人もいるだろうが、申し訳ないが通常、個人向け宅配は応じていない。どうしてもという人は、これも僕の友人がやっている、三浦半島の旨いもんを販売しているクック&ダインで買い求めることができる!
、、、もしくは、僕の家に食べに来てください。

2004年03月27日

お茶の季節がやってくる

01chakan.jpg あまりここでは書いてこなかったが、僕は日本茶についても仕事をしてきた。そのせいか、あまりに口がおごってしまい、飲んでいるお茶は10グラム1000円以上するものばかりだ。でも、だいたい5グラムで1煎のスバラシイ体験が出来ると思えば、ちょっとこだわったコーヒーを飲むのと同じ程度の話である。日本では不思議なことに、日本茶の価値が低い。これは非常に不思議な話だ。実は、日本茶とは、日本人がその本質を最も知らない飲み物なのではないかと思う。

 静岡県静岡市に葉桐という製茶会社がある。お茶(煎茶)は生産農家が茶葉を作り、4月以降それを収穫し、荒茶とよばれる段階まで生産者が仕上げて、問屋に納品される。問屋で最終的な工程を経て、消費者が飲める姿になり、販売されるのである。葉桐はその最終段階に位置する会社だが、日本で唯一と言って良い、トップレベルの煎茶商品を輩出するメーカである。
 僕は大学院生の頃、ふとしたことからこの会社の顧問(!)になり、社員さんに指導をした。僕が静岡県によく足を運ぶのはこれがおおもとのきっかけだ。当然、最高級のお茶をたくさんいただくことになり、口がおごってしまったのである。当時大学院にいた同期生は、僕のお茶をたくさん飲んでいるはずだ。あの頃は煎れるのが下手だったが、、、

 その葉桐から、茶が届いた。もちろんまだ新茶には早すぎるので、昨年度のお茶であるが、お茶については完全に密封をして冷温保管されているので、鮮度は問題ない。それどころか、最適な条件下で保存されれば、酸化することなく熟成がすすみ、古酒と同じように味わいが深くなる。これはまだまだ知られていないことだ。
 で、今回届いた茶はこれだ。

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ちょっと見でわかると思うが、安い深蒸し茶のように粉々になっているのではなく、濃緑の太い針のような茶である。こうした茶を「伸び」という。これに対応するのが「蒸し」で、ようするに深蒸し茶のことだ。
 昨今、プロモーションのせいで「深蒸し茶が旨い」と喧伝されているが、深蒸しとは蒸し時間を長くすることである。ただし適切なタイミングを超えて蒸しすぎると、茶葉の香りや味は損なわれやすい(と僕は思っている)。そして悪いことに、茶葉の品質が悪いことを隠すために深蒸しにし、色が濃く出るようにした茶も多いのだ。なお誤解のないように言っておくが、旨い深蒸しもある。高いレベルの茶葉で中蒸し程度の蒸し加減にしたものには旨い茶が多い。でも個人的にはそういうのにはあまり出会うことがないのが残念だ。

 僕は圧倒的に伸び茶のファンである。自分では絶対に伸びのお茶しか買わない。そして、僕が買うお茶は、生産者さんも決まっていることが多い。それは静岡の安部川上流域で生産をしている築地勝美さんだ。その茶作りについては、僕が昔つくったコンテンツがあるので、関心があれば見て欲しい。

 伸びのお茶は、湯冷ましをして煎れるとうまく出る。急須(万古焼きがお奨めだ)に一回、たぎった湯を注ぎ、十分に温まったら湯飲みに移す。湯飲みはお猪口(ちょこ)より少し大きめくらいの、小さなものがいいだろう。伸びのお茶は、がぶがぶ飲むものではないからだ。それは飲めばわかる。で、その湯を捨てて、再度急須に湯を注ぎ、湯飲み1杯分を計る。その間に空いた急須に5g程度の茶を入れる。ここに、湯飲みの湯を注ぐのだが、湯飲みの端を触り、「ビリっ」とこない程度の温度まで70度くらいさめていることを確認して入れよう。これが重要だ。お茶には苦み成分のタンニンがあり、高い温度だとそれが溶出する。逆に70度くらいだと、タンニンが押さえられて旨み成分のアミノ酸が出るのだ。

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 さて後はじっくり待つだけだ。このとき急須を回したり振ったりする流儀もあるが、僕の茶の師匠である葉桐清一郎社長からは

「味がいやらしくなるから、しない」

と言われている。ま、好きずきだろう。で、茶葉がうるんで開いてきて、色づいてきたら、小さな湯飲みに最後の一滴まで振り絞る(←これが重要)。

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 そうして出た茶は、淡い色で、深蒸し茶に慣れた人には物足りないかもしれない。しかし、口に含んでみると、深蒸し茶の何倍も、何十倍も濃い旨みに驚くこと間違いない。こうして出された茶にはイノシン酸が大量に溶出しており、さながらダシを飲んでいる気分になるのだ。そしてその旨みが去った後、喉の奥から香り成分が戻り香として漂ってくる。
、、、これが至福の時なのだ。

 ちなみにこうして出した茶は、2煎くらいで使命を終える。

「感動できる茶は2煎までだよ。」

2回煎れたら茶葉を捨ててしまうということだ。事実、1煎目と2煎目の差でさえ、はっきりしている。

 今日送られてきた茶は、葉桐の若手お茶コーディネータである高橋ちゃんが、

「このお茶がなんだか当ててみてください!」

と送ってきたものだ。おそらく、茶葉の繊細さ、味の濃さ、さわやかさからいうと、
「とうべっとうのミル芽茶」
ではないかと思う。とうべっとうというのは先の生産者、築地勝美さんの茶畑の中でも一番よい茶がとれる山の斜面のことだ。答えは如何に?

 葉桐は卸なので、茶を個人で買うことは原則できない。しかし、新茶の季節になったら限定で個人向け販売をしてくれる。たまには茶に1000円以上出して旨いものを飲みたいという人のために、ここでもその際には告知することにしよう。

 ああ、それと、オフ会でも恥ずかしながら、私の手前でよければ振る舞うことにしましょう。

2004年04月01日

秋田県が世界に誇る魚醤のニューウェーブ 「トトミー」

 新年度だ。今年度、秋田県の仕事ができるかもしれないということは以前に書いたが、その担当者さんが僕にわざわざ送ってくださった調味料がある。それが、秋田県が世界に誇る魚醤「しょっつる」である。

 魚醤とは、魚を原料とした醤油である。タイのナンプラーやベトナムのニョクマムが有名だが、何を隠そう日本でもいにしえから作られている。しょっつる以外にも、北陸ではイカを原料にした「いしり」がある。魚醤を作るのは、実はそれほど難しくない。僕はまだ試したことがないが、個人的に日本有数の食い倒ラーと尊敬する壇太郎氏などは、自家製魚醤を多数ものにしておられる。彼曰く「メヒカリの魚醤が旨い」とのことだ。基本的には魚に強めの塩をし、桶などに漬け込む。程なく発酵し、塩液が滲み出てくる。数ヶ月してこなれてきた頃に使えるようになるということだ。

 さて秋田県のしょっつるは、ハタハタを原料に漬けられるものであったが、ハタハタ漁の乱獲で漁規制がかかってしまい、現在は違う魚種で代用されているはずだ。どちらにせよ旨い。

 で、送ってもらったのはかのようなものだ。

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魚ミーと書いてなぜ「トトミー」と読むのかは全く不明である。
このトトミーの販売元は男鹿半島にある諸井醸造という、非常に伝統的なメーカさんだ。
メーカさんのWebはないようだが、秋田県のプロジェクトで、代表的な県産調味料であるしょっつるをもっと現代的にアレンジしてみようということでできたのが、このトトミーらしい。

■ご参考→http://www.bic-akita.or.jp/sinjigyo/cgi-bin/sien/newsitem.cgi?6

 このトトミー、ここ1ヶ月いろんなものに使ってみた。結論としては、ナムプラーやニョクマムと比べ、より和のテイストとして使い勝手がよい!

 僕はタイ料理が好きなので、ナムプラーは常備している。それと比較してみると、魚の香りの強さは同等だが、加熱調理とくに煮るとその香りが飛び、何とも言えぬ風味が残る。かつ、塩のエッジが効いているので、素材の旨みと味のアタックの強さの双方が前面に出てくる。従って、野菜の煮物の隠し味にかなり使える。また、炊き込みご飯の味のアタリに使うと、非常に決まる。逆に、炒め物に使うと魚醤としての特性(香り)が強くでるので、好きな人にはたまらないだろう。嫌いな人はゴメンナサイ。

 このトトミー、おそらく首都圏では販売されていないだろう。こんど秋田訪問した際には、地元スーパーで価格を見てみようと思う。

 秋田県への上陸に期待がふくらむ今日この頃なのであった、、、

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 と、このエントリをアップした瞬間、秋田県の伊藤さんより「トトミー」の意味について連絡が!

> 秋田の一部地方では魚を方言で「トト」「ドド」などと呼ぶことがあり、それを援
> 用したネーミングです。
> 主に乳幼児語から派生系の方言かと思われます。(猫をニャンニャンと呼ぶ類で
> す・・・)

なんとそういうことでしたか、ということで、下記コメントに書いてくれている志乃ちゃん、大正解!

さらに
> トトミーの原料は「ハタハタ・イワシ・コウナゴ」のブレンドということです。
> そして、昆布でアレンジしているというものです。

ということであった。ご訂正ありがとうございました!

2004年04月11日

高知県・鰹の魚醤 「びーみ」はオリエンタル・リー・ペリン・ソースだ!

 先日の白魚が届いたのと同じ午前、もう一つ小さな小包が届いた。差出人は愛媛大学の社会学講師である野崎賢也ことノザケンだ。開けてみると、Machintoshのオプティカルマウスの箱だ。
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俺はマック使いではなくなったんだけどなぁ、と思って箱を開けてみると、中身は鰹(かつお)を発酵させて作った魚醤「びーみ」であった。
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 そう、先日紹介した秋田県の魚醤「ととみー」のエントリに彼が書いている通り、高知県では鰹で魚醤を醸しているのである。基本的には魚を塩漬けにして発酵させると魚醤ができるわけで、様々な魚種の魚醤があってもよい。鰹で作るということになると、大型回遊魚らしいこってりとした味になるのではないだろうか、と想像していたが、実物が来たのであった!ありがとよ、のざけん。

 このびーみ、ノザケンが何に使っているかというと、

「カツオベースやから、かなり和風につかえる。炊き込みとかでも違和感ないと思う。
でも、おれは、オリーブオイル+にんにくで、青菜炒め(菜花とか最高)。それのスパゲッティ。貝のダシのスパにも行けるよ。アンチョビ替わりに使う。」

なるほど!アンチョビのあの塩辛っぽい風味は、実は魚醤との類似性が強い。パスタの味付けには実にマッチしそうな話である!

 ということで、早速試してみることにしたのであった。

 ちょうど春先の今時分に出回り始めた山菜「うるい」がある。これは山形出身の食い倒れオフ会参加者であるコバヤシいわく「地元では『ぎぼうし』と呼ぶ」というものだ。岩手県でも生産されているが、まあ基本的には山菜なので、市場に出回るのは栽培されたものだと考えた方がいい。つまり、自然に生えているものより個性は弱い。けど、それでもこの「うるい」というネーミングと、姿形の美しさ、そしてネギのように汎用的な使いやすさ、加熱するとトロリとした触感になると頃など、実に僕が好きな食材なのである。
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 これに加えて、これもオフ会参加者であるkappaちゃんが差し入れてくれた、真正の徳谷トマトを加えて和風のパスタにしよう。魚醤の癖の強さと徳谷トマトの味の濃さを考慮して、パスタはパワフルなソースに合うディチェコのリングィーネにする。

 オイルで青森田子町のにんにくに火をいれ、うるいの根本部分を焼きつける。トマトをくし切りにして投入し、アルデンテよりだいぶ前の段階でリングィーネの湯を切り、具材のパンに投入する。この前に一気に強火で加熱しながら「びーみ」を振りかけた。魚醤特有のひねた香りが広がるか、と思ったら、そんなこともない。落ち着いた香りがする。ふううん、、、と思いながらサルターレし、アルデンテに仕上げて皿に盛る。
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 一巻き食べてみてびっくりした。これが魚醤か?たとえて言うなら、リー・ペリン・ソースのような味ではないか!魚醤臭さがほとんどない、練られた深い旨みだ。大型回遊魚らしい、骨太な味と香りがする。これはちとびっくりである。実に美味。
 びーみを検索してみると、なんと「株式会社びーみ」というところがこれを作っているのであった!
■株式会社びーみ
http://www.vimi.co.jp/index.html

その解説を読んでみると、なんと! 僕が敬愛する、発酵学者であり、そして全世界的胃袋の先駆者である東京農大の小泉武夫教授が開発に携わっているという。どこでもこんなことやってるんだな、先生、、、

 パスタの旨さはもちろんうるいと徳谷トマトの旨さがあってこそのものだが、こいつはイケル!ということは、トトミーなどの他の魚醤もこのようにアンチョビ代わりに使えるはずである。これから、この手法をパスタを食べる都度に試していこうと思った週末なのであった。

のざけん、さんきゅ。

2004年04月23日

北海道はカレーの新開拓地か!? 「唯我独尊」のカレールーを味わった

 とある会社のD氏の訪問を受けた。実に丁寧な方で、しばらく仕事関係のいろんなことについて話をしたが、ふと食い倒れの話になった。彼は北海道の富良野にかなり長期間滞在し、バイトをしていた時期があったという。そのバイト先がカレーと燻製で有名な「唯我独尊」という店だったそうだ。
 実はこの店の名前、訊いたことがある。夕張のメロン農家にして、僕の人生至上最高の蕎麦
を食べさせてくれた岩崎農場の亜紀さんが、札幌のデパートの物産展で

「これこれ この唯我独尊のカレーが美味しいのよぉ」

と言っていたのだ。その時は「ふうん」と素通りしてしまった。まだ店舗で食べたことがないから、実感がわかなかったのだ。

 しかしこれで二回目である。人生に二回、向こうの方からやってきた。僕の人生哲学なんだが、 『向こうから来るものはとりあえず乗っておけ』 というのがある。来社されたDさんも「本当に美味しいカレーなんです」とおっしゃる。

「バイトをしていたときずっとオヤジさんとサシでやってましたから、いまだに親交があります。本当に美味しい。しかもルーだけ販売しているので、買うことができるんですよ!」

なるほど、バイトしていた人が店の陰口をたたくことはよくあるが、このように褒めそやすということは、本当に旨いに違いない!しかも味にうるさい岩崎農場の若女将ご推薦である。これはそのルーを買いに行かなければならないだろう!

、、、と思っていたら、、、その後別件で外出し、席に戻ると、なんと僕が留守中にD氏がルーを持ってきてくださっていた!

「北海道のアンテナショップが銀座にありますので、そこで買ってきました!ぜひお食べ下さい!」

この方、社会人の鑑である。いつか何らかの形で報いることができたらと思う。

 これは早速食してみなければなるまい!ということで、退社後、夜10時半からカレーを作ったのであった。

「唯我独尊」の公式Web

ルーの写真がこれ↓だ。

説明書きには、3倍に溶かすと書いてある。

この漆黒のカタマリがルーなのであった。固さは買ったばかりの紙粘土くらいで、しっとりとしている。よく練り込まれたルーだ。なかなかソソル外観である。ホームページなどをみると「黒いカレー」という言葉がよく出てくる。タマネギ炒めでこの黒さを出すらしいが、相当な苦労をしているだろうな。

 このルー自体の味をみたいので、タマネギ・ジャガイモ・ニンジン・牛肉で、ルー以外の調味料を何も入れないという、極めてオーソドックスなカレーにしてみた。やってみると難しいもので、ついついいろんなものを投下してしまいそうになるのである。うーむ

具を煮ている間にそのスープでルーを伸ばす。漆黒の闇色が、だんだんと茶色くカレー色になっていく。

具に火が通ったところでルーを投入した。あとは少し火を通して味を落ち着かせるだけだ。

と思っていたら、高校以来の親友から電話。結構重い話で1時間以上話し込んでしまう。
うおっもう1時ではないか! 腹は死にそうに空いている。大急ぎでカレーを温め、ご飯を盛りつける。急いでいたため、大阪で会得したはずのしゃもじ技を実践しそびれた!

、、、急いで食べたいがため、きったない盛りつけである。写真を載せるのがハズカシイ、、、
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※ちなみにこの木のスプーンは、blog仲間のreitaroさんからオフ会時に頂いたものだ。ありがとうございました!

 ちなみにこのカレールー、絶品な香りがする。インドカレーではないのだが、スパイス類と野菜が溶け合った旨味たっぷりの香りがするのダ!匙で一口いただく。

「うーむ これは予想以上に旨い!

ホンネである。まったく予想していたより旨い!他に何も調味料を入れていないのに旨い。
野菜をソフリット化するまでとことん炒めた甘み、かなり刺激的な辛さ(汗がぽたぽたになる)、しかしどこか漂う優しい味。塩気もかなりきっちりしており、北国らしさを感じる。このルー、いくらなんだろう? これ食べちゃったらもう他の固形ルーは買えない、、、

 これに対抗できるのは、インドカレー「デリー」の具の入っていないレトルトソースくらいなものであろう。

 北海道のカレーと言えば帯広「インデアン」しか眼中になかった。

 しかも、「北の国から」の舞台・富良野という、ある種ミーハーな土地柄。
 関係ないけど、北の国からの順君役の吉岡秀隆は僕の高校時代の同期生だ。
 ということであまり富良野にいいイメージはなかった(←何でじゃ)

 しかーし! 考え方を180度改めました! 富良野はスゴイ!こんなカレーを生み出した店がある。 よし、いずれ富良野を攻めよう。ラベンダーなんか食べられないからどうでもいい。このカレーのためだけに行こうではないか。

 北海道は広い!そしてなぜかしら旨いカレーにことかかない土地柄のようだ。スープカレーでもなんでもいいが、このように旨いカレーがまだまだ点在している気がする。改めて気持ちを引き締めるのであった。

 Dさん、本当にありがとうございました。いつか富良野ガイドしてください!

魅惑的な香り 南国愛しの”ばんしろう”

IMG_3501.jpg トレーニングを終えて終業間近のイトーヨーカドー木場店に入り、催事場を抜けようとすると、沖縄フェアをやっていた。シークワァサーやパパイヤなどが売っている。へぇええと思いながら通ると、、、なんと、「ばんしろう」が売っているではないか!そういう季節か!びっくりしてすぐさま買い物かごに入れた。

 「ばんしろう」とは、鹿児島以南で栽培可能な「グァバ」のことだ。なんで「ばんしろう」というのかはわからない。沖縄では「バンシルゥ」と言うらしいが、鹿児島の奄美大島では、僕が訊く限りでは「ばんしろう」と言っていたと思う。

 ずっと前の話だが、奄美大島に旅行に行った時、現地ガイドの人が地元の直売所に連れて行ってくれた。その時、棚にならんでいる3コ150円のばんしろうを買い求めてその場でゴシゴシと拭いてかじりついた。

 瞬間、トロピカルな突風が僕の四肢を駆け抜けた! なんて南国チックな強烈な香りなんだろう! この香りを表現する言葉は他にはない。 パッションフルーツやパパイヤ、マンゴーの香りを旨く表現できないのと同じで、グァバの香りも「グァバの香りだ!」としか言いようがない。熟したものは皮も果肉も柔らかく、イチジクの外皮に歯を突き立てるようなもっちりとした感触。果肉の中には球形の種が無数に入っているが、バリバリと噛み砕いて食べられてしまう。そして強烈な香りと甘み。天然の酵素が一杯に入っているんだろうな、という味だ。

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 ゴルフボールより一回り大きい実が4コ入りで580円。高いのは運送費だな。まだ熟していない実が3つ。これからゆっくり熟させていただくとしよう。なにせこのばんしろうと出会うことになった旅行はほろ苦い思い出とともにある。だんだんそのほろ苦さが、これまた人生のご馳走だと思えるようになってきた。

2004年05月06日

君は情熱の宮崎マンゴーを見たか食べたか!?

 14:30 情報追加しました!
 トロピカルフルーツって、なんて素晴らしいんだろう。日本の果物には望むべくもないエキゾチックにして衝撃的な色鮮やかさと味と香り。タイでフレッシュのマンゴスチンやライチを食べて涙し、台湾でパパイヤを食べまくり涙してきた。先日とりあげたグァバも然り。しかし、、、一番好きなトロピカルフルーツ、それはマンゴー。この世であれほどショッキングに高貴で旨い果実は無いんじゃないだろうか。

 このマンゴー、日本のスーパーなどに並べられるのはほとんどが輸入品だ。ペリカンマンゴーやアップルマンゴーなど、様々な熱帯・亜熱帯の国からやってくる。とにかく温度が高くなければ旨いマンゴーはできないのである。しかし、輸入品はそのほとんどが、輸送の関係上、まだ未熟な果実を収穫して船の上で追熟させている。それはそうだ、完熟させた方が旨いけど、それでは船旅には絶対的に耐えられない。しかしそんな追熟マンゴーでも十分に旨いと、思っていた。

 しかし2年前に台湾で食べたマンゴーにはビビッた。そう、自然に完熟したマンゴーである。台湾ではそれこそ、パイナップルもマンゴーも日本における冬のみかんと同じような感覚でわんさか出てくるのだ。政府関連の催しで講演に招待されて行ったのだが、ティータイムで皿に山盛りになったトロピカルフルーツが出てきて、僕は狂喜乱舞してしまったのだ。もちろんマンゴーの皿もある!その濃厚なオレンジ色、トロトロとした甘い香りがブワッと立ち上っている!
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この様を不思議そうに見ていた向こうの女子大生が、「こっちではマンゴーはいくらでもあるから、この皿ごとたべてもいい」というようなことを英語で言うておったのだった!この瞬間、俺はこの娘に求婚して台湾に永住しようかと思ったのであったが思いとどまり、皿の上のマンゴーを半分くらいは一人で食べたのであった。この時のマンゴーの味は忘れられない。本当に味も香りも濃厚、濃厚。噛むまでもなくジュースが惜しみなくジュワッと湧き出て、とろけるのだ。
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 台湾では屋台の八百屋でもマンゴーが安く売っていた。検疫さえなければ持って帰ったのだが、、、うーむ持って帰ればヨカッタ。ちなみにこの時の女子大生は後日、日本に遊びに来た。その時何かがあったのか無かったのかは、やっぱりナイショなんであった、、、

 さてこのように長いことマンゴーは熱帯または亜熱帯での完熟物に限る!と思っていたのだが、どっこい国内のマンゴーも実に旨いということがわかったのであった。というか、もしかするとこんなに高貴なマンゴーは日本にしかないかもしれない。
 それはアップルマンゴー。マンゴーの中でも鮮烈な紫紅色の皮になるアーウィンという品種だ。沖縄や鹿児島、宮崎で生産されている。沖縄産も有名だが、宮崎にも熱心な生産者グループがあり、県も生産に力を入れている。

 そして、宮崎には友がいる。友というか、弟分というか、僕を大切にしてくれる、ある農協職員のN君だ。N君は仕事の関係でうちの会社を訪れ、その後、このblogでも紹介した人形町の劇旨焼き鳥&釜飯の「鳥長」で飲んだ。そして、兄弟分の盃を交わしたのだ。その後、彼が上京する時にはウチに泊まり、僕も宮崎では彼の家に泊めてもらうという仲になった。
 彼はその農協の中でも生産者から信頼されており、旨いものに関しては信頼すべき情報が集まる。そんな彼が昨年、「アニキ、旨いもん送るよ!」と言って届けてくれたのが、宮崎県産のアップルマンゴーだったのだ!

 このマンゴーは、なんと樹上で完熟したものである。実がなり始めたら、生産農家はその一つ一つにゴムのネットをかける。マンゴーは完熟すると樹から落ちる。地面に落ちたらグシャっとなりオシマイである。だから一つ一つにネットをかける。そうすることで、木から落ちるとそのままネットにびよ~んと吊されることになる。それを収穫していくのである。頭がイイんである。そんなわけだから、収穫したら火急的速やかに食べるべきである。

「アニキ、今年のマンゴーは昨年度よりも旨いって、生産者が言ってました!雨が降らなかったから、その分、樹にストレスがかかって甘みが増してるみたいですよぉ。一番いい生産者の、一番デカイ等級のものを送りますから!」

と言って彼は4玉も送ってくれた。

ちなみにこのアップルマンゴー、1玉いくらだかご存じだろうか。


答え。 1玉 3000円である!

ぐわああああっ

もう何も言えない。こんどNが上京してきたら、寿司匠でたらふく食べさせたあとに、更にムニロでパスタを3皿くらい食べさせ、メインには羊のロースト400gを食わせないと借りを返せないだろう。

これが、宮崎のJAのパッケージである。いつも思うが、JAが作るパッケージはダサイ。うーん何とかならんだろうか。俺にデザインプロジェクト任せてくれないかなぁ。

今回の生産者は西俣さんという方だ。大きく「秀」マークが付いているが、秀・優・良の順によい等級である。従って最高級品である。

マンゴーは輸入物に比べてもずしっと重い。水分含有量が違うのだ。輸入品はかなり水分が減少しているから、熟してもこんなにズシッとはこない。つまり、ジュースがタップリ含まれているということだ。

 マンゴーのさばき方、だが、それほど難しくはない。まず、ヘタの部分を少し落とす。もったいないから本当に少しだ。

この皮の切れ目から、よく切れるピーラーで皮を薄く剥いてゆく。そうすると、真っ赤な皮の下から、色っぽいオレンジ色の果肉が覗くのである。

完全に皮を剥いたら、中心の扁平の種をさけるように3分割する。つまりは魚を三枚におろすようなもんだと思えばいい。ただしこの作業時、手が果汁でドロドロになるので、撮影できんかったのであしからず。

 あとは柔らかい実を一口サイズにカットして食べるだけである。

このありがたいマンゴーを、山本家の親族一同でいただいた。一口頬張った途端、さすがに皆の口から賛嘆が漏れる。

「味が濃い!」

そう、味が、香りが濃いのだ。そしてなみなみと湧き出てくる果汁の甘さよ。これは本当に高貴な果実だ。一玉3000円はダテではない。

みんなでむさぼり食べた。種の周りの実もすべてしゃぶった。電光石火でマンゴーは消えた。
ああ、このマンゴーが一つ500円ならば、僕は10玉買い込んで一人で食べるだろうに、、、

 このマンゴー、弟分のためにも宣伝したいのだが、農協で産直やっていないようだ。入手できるんだろうか、、、おそらく、傷もなく綺麗な品は高いが、そうでない規格外品などは安く手に入るんじゃないかと思うのだが、、、
 またその方法がわかったら、書き込もう。とにかく、国産のマンゴーは絶品に旨い!特に今年の宮崎ものはお奨めできる。CD一枚我慢して買ってみてくれ!自分へのご褒美をしても、たまにはいいではないか、、、

この後、弟分より連絡あり。

「マンゴー宅配の件ですが、現在、㈱Aコープ西都店にて承っております。
■連絡先 0983-43-5172(代表) 
・振込先等詳細は受付嬢(?)が説明致します。

生産者は指定できないのでゴメンナサイ。でも美味しいのが行くと思います。
ちなみに大きさに係わらず食味は同じなので、小さいのを頼めばそんなに高すぎると言うこともありません。また、ミニマンゴーといった小ぶりな物(ビワよりチョット大き目)もありますョ!」

とのことでした!

2004年05月16日

銘豚の掛け合わせ~金華豚とフジロックから生まれたナンバーワン豚を取り寄せた。

 銘柄豚ブームである。背景にはBSE問題や鶏インフルエンザ等の問題もあるだろうが、それだけではなく豚の旨さ自体に注目が集まるほど、嗜好にあわせた食味の銘柄豚の生産が実現してきているからだろう。

 豚の性能は、非常に乱暴に言ってしまえば品種特性(血統)と餌の組み合わせで決まってしまう。もちろん、豚はデリケートな生き物なので、飼養管理(飼い方、である)の巧拙によって大きな差が出るが、品種特性を熟知した人が育てた豚はやはり素晴らしい。

 さて明日16日は、三浦半島の長島農園で、ダッチオーブンを使った料理大会「クックオフ」が開催されるのである。主催は、以前にも紹介した、三浦半島のマニアックな旨いものを紹介しているBtoCサイト 「クック&ダイン」 だ。 ちなみに長島農園の野菜もここで買うことができる。このクック&ダインの大将であるヤマグチさんは、最近有名になった鉄鍋であるダッチオーブンの公認インストラクターであり、筋金入りの料理好きの食いしん坊兄ちゃんである。この人の声掛けで集まった10数組のダッチャー(ダッチオーブン愛好家)が、ひたすら自分の料理をつくり、できあがったらみんなで食べ合うという、至極平和な集まりがクックオフである。

 山口さんからダッチを2つ(10インチディープとスキレット)買った僕ももちろん参戦している。 第3回に僕が作ったのは、長島家の鶏を赤ワインで煮込み、手打ちパスタで食べた。

今回はどうしようかと悩んでいたのだが、煮込みは飽きたのでローストをやりたいと思った。

 そこで静岡県中小家畜試験場のハムの師匠である関さんに相談すると、

「おう、それなら最高の豚肉があるよ!全国食味コンクールで1位をとった豚だよ! なんと中国の金華豚の血が25%はいった優秀な血統なんだよ。」

というお返事が! おお、こいつはぜひ!ということで、生産・販売を行っているとある業者さんに肩ロース1.5Kgを注文した。そしてそいつがこれだ、、、

 金華豚は、最近これも有名になってきたが、高級中華食材の金華ハムの素となっている豚肉だ。霜降りが入る、癖のない柔らかな肉だというが、僕もハムではない金華豚の肉を食べたことはさすがにない。
 実はこの金華豚、日本でも飼育されている。静岡県御殿場市が、中国と姉妹都市契約を結んで、何人かの生産農家での飼育に取り組んでいるのだ。年間で数百頭しか出荷されない、現段階では希少価値の高い豚だ。

 この金華豚と、もうひとつ静岡の銘柄豚であるフジロックを掛け合わせたのが今回の豚だ。ジューシーで、実に旨いらしい。たしかに断面をみても、しまりのあるいい感じの肉だ。

明日のために塩をして、余分な水分を抜く。でも、軽く一枚くらい切って食べてみたいな、、、ちゅうことでソテーしてみた。


この写真ではわからないだろうが、肉のジュースがほとばしっている。本当にジューシーだ!脂も適度にのり、臭みがなく溶けるような食感だ。肉を噛みしめると旨味を湛えた肉汁がジュワっと来る。旨い!


明日はこれをシンプルにダッチで焼く。当初はパイナップルジュースに漬けて、風味をつけて肉を軟らかくしておこうかと思ったが、これだけ旨い豚には必要ないので辞めた!今回はシンプルにいくことにした。

 ということで、これから寝て、明日早くに起きて三浦に出かける。首尾はまた後日報告ということで、、、

2004年05月17日

金華豚とフジロックの掛け合わせ銘柄豚は、凄まじく旨かった!

 さて昨日のエントリにて紹介した豚をダッチオーブンで調理してたべたのだが、、、期待を大幅に上回る驚愕の味だった!ので報告しよう。

 コメントで何人かが心配してくださっていた通り、雨になってしまったので、三浦半島でのダッチオーブン大会は中止になったのだ。う~む残念。でも食材は買い込んでしまっているので、親友のしんのすけ宅にて急遽、室内ダッチ大会をすることになった。豚は1.5Kg買ってあるのでさすがに一人じゃ食いきれん。ちょっとホッとしたのであった。

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 さて金華豚とフジロックの掛け合わせ豚(まともな名前がついてないのである)の肩ロースブロックには、強めの塩をまんべんなくすり込んでおいてあるだけだ。本当は、タンパク質の消化分解酵素を持つパイナップルジュースに漬け込んで風味と柔らかさをつけよううかと思ったのだが、試食段階でその必要がなさそうだということがわかったので、本当にシンプルにローストするだけに方針転換。その代わりに、ソースだけ少し手をかけることにした。

 本城家で早速調理にとりかかる。プレヒートした12インチダッチに豚肉塊を投入し、外側をこんがりと焼き付ける。この時点で「おいしそぉ~う」という黄色い声が飛び交う。そりゃそうだ朝からなにも食ってない人ばかりだもんね。

 肉に焼き色が付いたら、本来的なダッチの使い方であれば、下の炭火に加えて上蓋にも炭を載せ、上下から火を入れる。この時に蓋を閉めれば、重い鉄の蓋で圧力がかかった状態になり、蒸し焼きとなる。ただし水分がこもるのでポットローストのようになる。今回は外側をカリッとさせたいので、蓋なし。ちょうど、しんのすけ亭にはガス火で300度まで出る強いオーブンがあるので、蓋をはずしたダッチごと放り込んで加熱することにした。

 ソースはパイナップル&マスタードクリームソースにした。ソースの材料担当である加賀谷に買ってきておいてもらったパインジュースを使ったのである。豚肉には酸味を足してやるとよい。アメリカでよくリンゴを豚の付け合わせにしたり、クランベリーなどのベリー類をソースによく使っているのもその理屈だ。今回はパインの酸味と甘み、そしてマスタードの酸味と尖った辛みで、旨味の濃い豚肉に方向性を与えることにした。

まずタマネギとニンニクをバターで蒸し煮し、味のベースを作る。

白ワインを瓶の半分くらい注いで、3分の1になるまで煮詰める。

そこに100%のパイナップルジュースをタップリ注ぎ、これも3分の1になるまで煮詰める。

そこに生クリーム1カップを投入し、同じく3分の1になるまで煮詰め、最後に粒マスタードをドカンと大さじ5杯ほど入れてなじませ、塩こしょうで味を調える。この間、豚から出た脂を少し足し、コクを入れた。これでソースの完成。

豚は20分ほど火を入れて余熱で蒸らす予定だったのだが、火を停めたと思ったら別のボタンを押していたため、余分に5分ほど火が入ってしまった!うわっ と思ってすぐ取り出し、アルミホイルに包んで肉汁を落ち着かせるためのベンチタイムを置く。

 ソースの最終調整をし、肉が落ち着いたかなぁというところで包丁を入れる。

理想的には中央部がロゼ色になって欲しかったが、中まで火が通ってしまっているようである。ああ、、、空白の5分が痛かった、、、

 ちょっと堅いんじゃないかな、と思ったが、香りを嗅いでやってきた志乃ちゃんと文ちゃんに一口ずつ食べてもらうと、、、

「お、おいしぃいいいい! 何コレ、すっごく美味しい~!」

という反応が来る。なに!?大丈夫なのかも!

ということで肉を切り分け、ソースをかけてみんなに供する。僕自身この段階では端肉しか口にしていない。

 食べてみて驚いた!なんちゅう柔らかさとジューシーさ、そして旨味のある豚肉なんだろうか。そして風味がとても穏やかである。これはいい飼い方をされた豚だなぁ、、、
 ソースをまったりと濃い目の味にしたのだが、豚の旨味はきっちりと伝わってくる。とにかく柔らかい!火の通しすぎということは無かった。旨味たっぷりの肉ジュースがタップリと含まれていて、噛むとジュワッとしながらやわらかく歯で引きちぎれる。特に肩ロースの脂身周りの、サシが多量に入った部分の柔らかさは特筆ものだ。そして、昨今のはやりの豚のように味に特有の癖がないのが素晴らしい。前にも書いたように僕はあっさり淡泊な味の銘柄豚は、逆に味気ないと思っていたのだが、この豚はそんなことはない。ねっとりとまとわりついてくる旨味は、ソースなしの単体で食べると、たっぷりとしたコクが乗っている。上々である。

 居合わせたみんなが肉に殺到し、またたくまに無くなる。後から来るひと用にとっておいた半身も 「もう食べちゃおうよ!」 という一言ですぐさま無くなってしまった。

 この豚肉、かなり問い合わせが多い。この豚を育種した静岡県中小家畜試験場のハム師匠である関さんによれば、また出荷頭数もそれほど多くないということだ。

 どうしても欲しい~ という人は、下記の肉屋さんに相談してみるといいだろう。「とんきい」というこ名前の肉屋さんだが、生産者さんが直営・直売をしている、すばらしい豚肉屋さんだ。

■ ポークショップ とんきい
注:このWebで通常販売している商品とは違うので、電話をして「金華豚の血がはいっているヤツ、欲しいんですけど」と相談すること。僕の名前を出しても安くはなりません。

 しかし、この豚を生み出した静岡県中小家畜試験場はスゴイ!駿河若シャモも素晴らしいが、この豚にはマジでびびった!ハム師匠の関さん、貴方は素晴らしい!本当にどうもありがとうございました。

山形物産展でうるいを買った。その翌日、「まあどんな会」からわらびが届いた。

 先日急告したとおり、Kappaから急報があり、急遽東京駅八重洲地下街の北プラザで開催されている山形物産フェアに足を運んだわけだった。

 まあどんな会の佐藤さんに連絡して聞いてみたところ、どうも山形フェアではなく、まあどんな会の地元である白鷹町のフェアらしい。佐藤さんがお世話になっているという山田さんも出ているらしいと言うことで、是非お会いしたいと思い、仕事関係を処理しまくりながら走った。16時に自転車で家を出て、まず日本橋の税務署にいき、設立に関わる書類一式の提出。すぐさま築地にある都税事務所でおなじく書類提出。16時半である。地下鉄なんかより自転車の方が全然早いではないか。東京八重洲口に35分につくことが出来た。

 さて催事場にくると、おおこれか、確かにやっている!

 並んでいるのは、そば、みそ、せんべい、酒、まんじゅう、ちまき、そして山菜!である。
うるいは、栽培ものにくらべてとにかくデカイ! そしてそのとなりには山ウドがある。これも天然ものだ。


 こんなにふんだんにあって一束300円とやすい。買うところで買えばむちゃくちゃに高いんだゾ。早速レジに並ぶ。レジで白鷹町のはっぴをきている人たちに、

「俺、白鷹町ファンです!」

と言うと、みな優しくしてくれる。中でも、レジ係をしているけど、実は東京在住、有名なお裾分け系お取り寄せのWebサイトを運営している伊藤淳子さんが、いろいろと教えてくれた。
(伊藤さん、コメントどうもありがとう!)

「こんど田植えもやるんですよ!白鷹町、最高です!」

こんなふうに地元にとけ込みながらおつきあいしている人がいる、そんな魅力的な町なのだなぁ、、、白鷹町!

農協の山田さんが戻っていらしたので、軽くお話を伺う。まあどんな会のファンなのだと言うと、

「ああ、なんばんを60本買ってったのはあなたですか!おかげで在庫がなくて今回はなんばんもってこれませんでした(笑)」

とのことだった!

 いろいろ情報を仕入れたのだが、なんばんの粕漬けに使うなんばん(とうがらし)は、赤色のものらしい。青いものを使うのかと思っていたが違った。当然ながら、このなんばんは地元白鷹のものを使わないと味が出ないそうだ。なあるほど。

 まあどんな会は、春から秋までレストランをやっている。夏は予約制になってしまうそうだ。10人くらいまとまればいいらしいのだが、このblog読んで旨そう、と思った人がいたら、一緒に行きませんかね。とりあえずすでに4人はいるんですが。

 さてイベントから帰って翌日、まあどんな会の佐藤さんから山菜がどっさりと届いた!

「わらびをあく抜きしたものと、こごみ、ミズ、山菜の冷や汁、それとアイコを入れといたからね。」

え、アイコってなんですか?

「山菜の王様だよぉ。おいしいんだよぉ、、、」

残念ながらどれがアイコだかわからん。おそらくこれだろう。

とにかくおひたしにするだけで旨いらしいので、そうさせていただこう。早速たべたわらびの一本漬けは、マジで旨かった!とろりととろける食感。そしてアクは完全にぬけているのに旨みはたっぷりである。

 山形のお母ちゃん、どうもありがとう、、、これから山菜づくしである。

2004年05月18日

冷蔵庫フル・オブ・蟹!カニ!かに!

 一世を風靡した映画「ブルース・ブラザース」が大好きだ。
 今は無きジョン・ベルーシとダン・エイクロイドの二人が恰好よくブルースを歌うのだが、彼らは映画だけではなく大まじめに演奏活動をしていた。僕も大好きな彼らの大ヒットアルバムが
「Briefcase Full of Blues 」
ブリーフケース・フルオブ・ブルース
つまり 「ブルースで満杯の鞄」 
っちゅうアルバムである。いや、別にいきなり音楽の話題になるわけではない。
 
 北海道から届いたずしっと思い段ボール5キロ箱を開封して、一言しか出なかったのだ。

「冷蔵庫 フルオブ カニ。」

 おかげで冷凍庫の中身をいきなり掃除しまくってしまった。入りきらん!しかも、小さなカニではない。どでかいカニの半身がどどーんと4ハイくらい入っているのだ!すごい昼下がりなのであった、、、

 どういうことかというと、仲良くしていただいている北海道のとある企業の社長さんとそこで働く、漁師の娘さんのコンビが、僕を驚かそうと、カニをおくってくださったのである。

 その漁師の娘さんが最高なのである。

「私の故郷では、カニは数十キロ単位で買うものです。2キロくらい、とかいうと、『冷やかしにきたのか』って怒られるんですよ!」

「私はカニは幼少の頃から食べ飽きてしまったので、あまり食べません。私が死ぬ前に食べたいと思うのは卵ご飯です。あ、鶏の卵ではなくて、イクラとかマスコとかタラコですよぉ」

「北海道といえばカジカっていう魚が有名なんですけど、私は食べませんよ。私は鍋はメンメかタラしか食べません。だいたい美味しくないですよ!」

(以下略。行数にして優に300行くらいのメールをいただいたのだ。)
などなどなどなどなど、全文引用してしまいたくなるほど抱腹絶倒な解説メールが来た!

そして数日後、蟹が送られてきたのである、、、

冷蔵庫 フルオブ カニ。

冷凍庫を開けるとエイリアンが横たわっているようである。シュールな光景だ、、、

さっそく解凍して食べてみる。足からどでかい身がすぽっと抜け、汁がしたたる。あわてて口に運ぶと、ブリブリぶるんぶるんする身がモロッと割れ、そしてカニエキスたっぷりの汁がジョルッと流れ出る。

「すっげー旨い蟹だぁ、、、」

実は冷凍ってことで質が落ちるんじゃないかと思っていたのだ。

「北海道からですと、東京まで2日はかかりますので冷凍にします。でも、宅配期間のみの冷凍ですので味は落ちませんよ」

とおっしゃっていたが、まさしくその通りであった!
この大量のカニ、高校時代に和太鼓のグループを組んでいた無二の親友達との会でさっそく食べさせて頂いた。

カニは、ズワイ、タラバ、アブラの三種の混合である。

こんなのが

こんなふうになって

こんなんなのである!

 我々も高校時代に立ち返って、黙々と食った。もう言語感覚が麻痺しているんだが、もう形容する言葉がない。こんなに旨い蟹をこんなにたらふく食べられるなんて、、、カニだけで腹一杯である。カニの残骸がこんなになった。

北海道万歳、Y社長さん、鈴木さん、本当にありがとうございました!

2004年05月19日

ブルームきゅうりが旨くなる季節だ。

IMG_4148.jpg 友人のタクが祝いを持ってきてくれるというので、江東区のカリスマ八百屋である八百周の前で待ち合わせた。店先をのぞくとオヤジが声をかけてくる。

「おうヤマちゃん、ブルームキュウリがはいったよ!」

ブルームきゅうりとは、白く粉を吹いたようなキュウリだ。白い粉をブルームといい、成熟果の表面にうっすらと出てくる粉のことだ。これを農薬と勘違いする人が多く、ブルームレスきゅうりという粉なしきゅうりが最近では主流だ。

「うまいのはやっぱりこのブルームが出る方だよ!ブルームレスはカボチャ接ぎ木してるから、その分、皮が硬くて旨くないんだヨ」

解説すると、野菜の苗を強くしたり、病気への耐性をつけるために、別の品目の根っこに接ぎ木する技術がある。きゅうりはなすに接ぎ木することによって、ブルームが押さえられるのである。しかし、オヤジの言うとおり、皮が固くなり、きゅうり特有の微細な香りも押さえられてしまう。でも、今の若い人たちは、おそらくその違いがわからないだろう。幼少のころからすでにブルームレスしか食べていない可能性が高いからだ。

IMG_4150.jpg

「このきゅうりは千葉の農家さんが作っていて、市場でも個選品として出てるんだよ、でも出たら全部俺が買っちゃうんだけどね!」

 個選とは、沢山の農家さんの収穫物を農協ブランドで一括して出荷する「共選」とは対局で、少なくても個人農家のものとして出荷する方式だ。技術がたかく、「あの人のはおいしい」という評判があれば、個選として出すことになるのだ。オヤジが目をつけているのだから、この人は相当に旨いのだろう。

4本買い求め、その場でタクと一本ずつかじる。

「シャリッ」

と軽い歯ごたえの後、水気が口の中に飛び散る。何ともいえない緑の香りと、淡い甘さと瑞々しさが拡がる。文句なしの旨いキュウリだ。

IMG_4152.jpg

「旨いなぁ、このきゅうり!味があるよ」 とはタクの感想だ。

僕は、ブルームレスきゅうりに一種の苦みとえぐみを感じてしまう。それがこのブルームキュウリには全くない。透明感のある空が限りなく拡がっていくような、いいキュウリだ。

 残り二本はタクにみやげに持たせ、帰り道に再度八百周によって10本買い求めた。

「いつも出てるとは限らないから、買える時にかっちゃうほうがいいよ!」

 全くその通りだ。今年も夏野菜の季節がそろそろやってくる。夏野菜は基本的には身体を冷やす効能がある。だから冷え性の人は沢山食べ過ぎてはいけない。が、この清々しさは、すべての人に味わってもらいたいものだ。

2004年05月31日

緊急連絡 ブルームキュウリ食べたい人いるかい?

 ブルームキュウリが旨い、というエントリを書いたが、本日朝、長島農園から10Kg箱に一杯のきゅうりが送られてきてしまった。

IMG_4619.jpg


「やまけん、うちのは勿論ブルームですよ!食べてみて!」

どうもありがとう!長島農園のキュウリが旨いのはよーく知ってるぜ!

 さて、どうやったって鮮度が命のキュウリを、僕一人で消費しきることができない。そこで、手渡しできるひとには少しずつお分けしたいと思う。

本日下記場所にて落ち合える、ゲットできるという方はメールください。(コメントくれても見られないかもしれないからメールでお願いします)

・16時40分~17時までの間もしくは、18時~18時半に、池袋のメトロポリタンホテル周辺にて
・23時以降 木場周辺にて。
・もしくは明日の午後に木場周辺。

かなりタイトなんですが、来てくれると言う人にはお分けしたいので。

ではでは。

2004年06月01日

静岡の伸び新茶の4種飲み比べをした。

 先日、埼玉の実家に帰った時に、おふくろにお茶を煎れてもらい、飲む。その茶、何かがオカシイ。「このお茶、結構安いのよ」と言っているのに、妙に味が濃い。もしや、、、と思って袋の裏を見ると「茶加工品(アミノ酸等)」と表示されている!
 、、、何のことだと思われるかもしれないが、これはいわゆる「化学調味料」である。安いお茶であればあるほど、化学調味料を添加して旨みを人工的に醸し出しているケースは多い。皆さんも今自分が飲んでいるお茶をひっくり返してみてみるといいだろう。まあ、化学調味料がいちがいに悪い!と言うわけではないし、そんな茶はダメだというつもりもない。けど、自分のおふくろにはきちんとしたものを飲んでほしい。

「けどねぇ、普通の人にはいいお茶がどこで売ってるかなんてわからないものよ。」

とおふくろは言う。そうかもしれない。確かに今、お茶専門店で茶を買う人も少なくなり、大半はスーパーマーケットで購入する人が多い。そうなると、大メーカの商品ということになってしまい、「よい茶」を買うことは出来ない。
 僕にとっての「よい茶」とは、美味しいということは当然だが、できればブレンド内容と産地、茶の品種が明確になっているものだ。「静岡茶」とか「鹿児島茶」などと銘打たれていても、その中身は農家によって千差万別。それが製茶問屋で微妙な配合にブレンドされる過程で、味の方向性が決まり、販売されるわけだ。もちろん通常の小売店ではなかなかそこまでの情報は出てこない。だから、信頼できる小売店で買うということが必要になるだろう。僕の場合は、長年おつきあい頂いている製茶メーカの葉桐から直接買い求めているのだが、それはイリーガルな形で、通常はしてもらえない。

 実は以前、この葉桐のお茶の紹介をしたときにも、「一般で買えるところはないのか?」と問い合わせをいただいた。そこで一般の人でもすばらしいお茶を買える店として、無店舗でお茶の小売りを行っている「錦園」を紹介した。その後のレスをいただいてないので満足されたかどうかはわからないのだが、、、

日本茶専門店 錦園石部商店
http://www.nishikien.com/

 この錦園は、理系の技術職から脱サラしてお茶屋さんになってしまったという超こだわり系お茶やさんである。細身の身体でオフロードバイクを駆って、静岡市で最高のお茶がとれる「本山」の工場に通う彼と、何回も遭遇したことがある。実際に生産者の畑や、製茶工場まで通い、その年の本当にいいコンディションの茶葉を仕入れる。これができる小売業者が、この日本にどれだけいるだろうか?
 そうして仕入れた茶葉を、最終段階の調整(「合組(ごうぐみ)」)をし、かつブレンドする。ブレンドというとよいイメージがないかもしれないが、通常販売されている茶で、2種類以上のブレンドをしていないお茶は、ごくごく少数である。むろん、ブレンドの内容もいろいろある。とにかく安いお茶にするための水増しブレンドもあれば、よいお茶をより美味しく飲むために行う前向きなブレンドもある。石部さんが行うブレンドは勿論後者だ。ある香りの茶と、ある味の特性をもつ茶をブレンドすれば、相乗効果ですばらしい茶商品になる。そのためには、茶葉の特性に対する深い理解と想像力、そして経験と絶対的な味覚が必要になる。石部さんは、信頼に足る人だ。

 で、母の普段使い用には、この錦園の特選(1000円/100g)と、玉川横沢(1500円/100g)を試しに飲んでみて、ということで送っておいた。その際に、石部さんから連絡があった。

「お買いあげありがとうございました。ヤマケン用にも面白いお茶をいくつか送りますのでお楽しみに」

そうして数日後、送られてきたのだ。銘柄名が書いておらず、A,B,C,Dとだけシールの張られたブツが、、、明らかに試されている、、、気合いをいれてテイスティングしなければと言うことである。

 お茶のテイスティングも、基本的にはワインや日本酒と同じようなものだが、プロの味覚を総動員したテイスティングには所詮素人の僕はまったく敵わない。一度、葉桐の専務さんに、静岡の茶市場に連れて行っていただいたことがある。テーブルの上にめぼしい産地の茶葉が並び、白い磁器の器に茶葉を入れ、湯を注ぎ、その茶葉を網ですくって香りを嗅ぐだけである程度の判断をしていた。まさにプロである。
 ま、そこまでのテイスティングは無理だが、茶道具を総動員してやってみるだけやってみることにしたのであった。

(続く)


2004年06月04日

東北を代表する山菜・「みず」を秋田県食い倒れ水先案内人からいただく

(12:50 内容追加しました。)

 秋田県を旅行して食事をすると、必ずと言っていいほど食卓に上る山菜がある。「みず」である。蕗(フキ)のような外観、合成着色料でも使っているのではないかと思うような派手なライトグリーンの見た目と違う、実に地味な渋い味わいの山菜である。
 しかし山菜の名前って不思議だ。「ミズ」って、水のことか?と最初に思ってしまったし、それ以外にも「しどけ」とか「うるい」、「あえこ(あいこ)」など、由来を知りたくなってしまう名前が多い。無論それらは、美しい名前だ。

 さて、今年深くコミットすることになる秋田県庁にお勤めのイトウ氏より、ご連絡をいただいた。

「昨日の朝に、実家(河辺町:秋田県のほぼ中心地点)の脇にある沢筋で「みず」と「うるい」をゲットしました。
 家の中でお茶飲んで「さあいくぞ」と言ってから、ものの25分位で山菜採りは終了しました。私は、一人ではできないので、実家の両親に教えを乞うていますが、なんだか、あまりに手軽なので拍子抜けしました。

伊藤の家に戻ってから、伊藤の祖母・義母に話を聞くと、家の周りにも「みず」はいっぱいあるということでした。

食べ方とか処理の仕方はご存じのことと思って、昨日、早速クール便で送ってあります。モノ持ちを考えて葉っぱを採らずにおいたので、ゴミになりますが御勘弁ください。

伊藤の家では、甘口だし醤油とショウガの千切りの漬けダレに浸して、お浸し風(一夜漬け?)にアレンジして食べました。」

そして送られてきたのがこれだ!

 たっぷり3Kgくらいの堂々とした太さのミズ。葉付きのものでこんなに太いのは初めて観た。けど、いつも秋田の食卓でみかけるミズと違って、あの鮮やかな緑色ではなく、山中に地味に生えているような色そのままだ。どうやったらあんなに際だったグリーンになるのだろうか?

 幸いなことに伊藤さんから、調理方法の解説ページを教えて頂く。初めて知る山菜の下ごしらえ方法の数々。情報取得については本当にいい時代になったもんだぁ。

■保存版 山菜の下ごしらえ&調理法
http://www4.dewa.or.jp/hatt/sansai.html

 書かれている通りに、ミズの葉をプチプチととる。これが結構面倒である。根本からしごいて一気にとろうとすると、食べる茎部までもブチっととれてしまうからだ。1Kg分をはずすのに結構な時間がかかってしまった。
 葉をとって鍋に入る長さに切った(何せ40cmくらいある立派なものなのだ)ものがこれだ。

 これを、沸騰した湯にさっと30秒ほど通すと! なんとなんと! ダイナミックに色が変わったのである!

 これかぁ、、、このどぎついばかりの鮮やかなグリーンは、やっぱり自然由来だったのかぁ、、、目の前で起こった錬金術に、実に納得である。

 さてこの湯通し状態になったみずを冷水で冷やした後は、おひたしにしてもよし、煮物にしてもよいとのことだ。僕は、Webにも書かれていた「みずのたたき」を作ってみた。
 太いミズの根元部分には、トロンとした粘りがある。ここを包丁の背でたたき、細かくしてニンニク味噌と和えるのだそうだ。ちょうど青森の田子町のニンニク味噌がある。それに山形まあどんな会のなんばん粕漬けを混ぜてみる。

こんな単純な一品が、びっくりするほどに旨い! 新鮮なミズは、かみしめると ザキっという強い歯触り、そしてトロンと汁が染み出してくる。癖はほとんどないが、甘い香りがニンニク味噌に絡み、その後、なんばんの辛みがウワっと湧いてくる。 、、、身体の中に秋田の清涼な風が吹いた気がした。

 さて、このエントリを読んでくださった、農産物業界の大先輩であるアマナイさんから、連絡があった。

「やまけんちゃん、僕は青森出身で、ミズは大好きなんだよ。それでね、ミズの扱い方、間違ってるよ。ミズは、包丁で切っちゃダメ。手でちぎるようにするのが一番。あと、フキのように繊維があるから、皮をむくとイイよ。手でちぎるときにむけるから。あと、ミズには赤ミズと青ミズがある。君が食べたのは赤ミズの方だね。どっちも美味しいから、今度は青森にも食べにおいで!」

 なるほど!アドバイスありがとうございました!

 こんなに地味に美しく、野に在って都の人間の心を豊かにする山菜に、今年は会いに行こうと思う。

2004年06月17日

極上プリンの休日~ プリンは皮が命だ!

 僕が気の向いた時に、青果物の商品を提供しているオーガニックサイバーストアというWebショップがある。実はここが飛ぶ鳥を落とす勢いである。最近ではYahoo!ショッピングのデザートランキングで上位をとり続けるほどにスイーツの取り扱いに成功していると聞く。

ここを観て欲しい。1位、3位、6位、7位が同社の商品だ。(6月17日現在)

観てみると、相当にこだわった商品ばかりだ。ネット上では販売できないだろ?というような商品を、メーカーと共に開発し、極安の配送料金で消費者に届ける仕組みが完備されている同店ならではのことだ、、、と、もっとももらしくうなずいていたら、同店のカリスマバイヤー池田さんから連絡が!

「やまけんちゃ~ん、こんどうち、すっごく旨いプリンを売るんですよ。食べたい?」

 食べたい食べたい、そんなの食べたくないわけないでしょう~頼むから送って下さい。

「ああ~ そうね、じゃあリコメンド記事書いてくれます?」

むむっ?リコメンドか、、、でも美味しくないものを美味しいとは書けませんよ!

「大丈夫、絶対に美味しいプリンです!」

 そんなやりとりの後、大阪のスイーツ専門店「Paff」からプリンが6つ送られてきたのであった。その名も「極上まろやかプリン」。北海道十勝平野の酪農家からの牛乳とクリームを用いた逸品だそうだ。

 綺麗な小さな容器に入ったプリンは、薄いクリーム色の、みるからに繊細そうな顔立ちをしている。少し強めに容器を振るとプユプユと可愛らしく揺れるが、表面は安定したまま。実はここにかなりのノウハウが入っているとみた!

 プリンというのは宅配を考えると、非常に難しい商品。何故かというと、焼きを強めにして堅くすれば、形が崩れないけれども、この商品のように「滑らか」と言い切るためには、クリームを多用し、トロトロの食感に仕上げなければならない。でも、そうすると配送時にドロンドロンになってしまい、自宅についた時点では目も当てられなくなっている可能性が、、、そう言うこともあり、プリンって宅配には難しい食べ物なのである。

 しかし!さすがはオーガニックサイバーストアとPaff。この問題にきっちりと解答を出してきた。その秘密は「皮」! 
 これは単に好みの問題なんですけど、プリンで一番好きな部分って、僕はカップの一番上の、空気とふれあっている表面にできた薄い皮の部分なんですよね。熱に当たって、さらに空気に触れていることで水分が抜けて、味がすご~く濃くなってる。僕は先ず蓋をとったら、この皮の部分を薄~くすくって食べるのが最大の楽しみなのよ。いや、フェチっぽくてすみません。

 でもこの商品のように滑らかさを売りにするプリンだと、そういう皮ってできないんじゃないかと思ってたんだが、、、それは杞憂だった。表面には火が通っており、うっすらと味の濃い層ができている!

思わずその部分だけをすくって食べてみた。当たり前だがウマイ、、、クリームの旨味が加熱され、皮になり、むちゃくちゃ濃厚。この皮だけ5メートル四方分食べたい。

 そして、この皮がきちんと衝撃安定剤になっているため、皮の下にはトロントロンの滑らかなクリームペーストが保持されているワケである。これがなんと言っても一番主役のプリン生地だ。

 スプーンを入れると、中にはタップリのバニラビーンズが。このバニラビーンズ、マダガスカル島で収穫された天然のバニラだそうだが、贅沢にもつぶつぶだらけなのであった。まったりと甘いリッチな香りが口中にずっと残る旨さだ。
 そしてその滑らかクリーム生地の最下層には!品のいいカラメルソースがひたひたに入っているのであった!本品のカラメルは上品な感じでしつこくなく、生地の旨さをサポートするに徹している。

 こんな風に書いていても、食べるのは一気呵成。思わず一度に3つも食べてしまった、、、

 クリームと卵の旨味を凝縮するのと、衝撃安定の役目の双方を満たした皮、トロットロのクリーム生地、強い香りで存在感をアピールするバニラビーンズ、そして品の良いコクを与えるカラメル。最高ではないか!これで6つ1500円(+送料)はリーズナブルといってもいいな。でも、食感がライトなので、あっという間に食べてしまうのが難点か!?

 旨いプリンを、どうもごちそうさまでした!

2004年06月18日

生トリ貝の季節は今しかないゾ

 匠~オーパのゴールデンコースは、いと楽し。匠で食べられる、この初夏の季節しかないネタと言えば、生のトリ貝だ。

「あいよ 生トリ貝! 煮きり塗ってあるからそのまま食べてねっ!」

 その蠱惑的なトロトロ感の伝わってくる外観、堪らない。

口に運ぶと、とろり、シャクリとした歯触りと、柔らかな甘み、旨みが煮きりと絡んで舌にまとわりついてくる。身が、とても甘い。

「これはこの季節しかないからね!」

このネタ一貫だけ食べに来ていいかね、加藤ちゃん? 最近はネタが早い内に切れてしまうことが多い。あったらすぐに頼んだ方がいいのはこの生トリ貝と、入梅の最高なイワシだ。

しかし、僕の分は残しておいて欲しい。

2004年06月21日

スパイスの聖地 上野アメ横「大津屋商店」のカレーレシピを教わった! その1

 先日、僕が10年くらい連載を書いている農業雑誌「農耕と園芸」を出版している誠文堂新光社から、「ハーブスタイル」という雑誌というかムックが創刊された。季刊誌なので年4回の販売となる。

 ごらんの通りの地味な装丁なのだが、なかなか販売好調らしい。ハーブを使った生活・料理ネタを紹介している入門編的性格のムックだ。

 で、なんで紹介しているかというと、、、ここで連載というか、写真日記的アホらし連載が始まったのだ!その名も「スパイスボーイズ」! 俺はもう33歳なのに、なぜボーイズ? その趣旨がまたアホらしい。

「やまけんがさ、スパイス売ってる店に突撃して、レシピ聴いて、バカ辛い唐辛子とかで玉砕すんの。その様を写真日記にしてマンガにしちまおうよ!」

これを、老舗出版社である誠文堂新光社(「天文ガイド」や、真空管アンプ専門誌「MJ」のような気品ある雑誌を出している名門である)の編集者である御園氏が言うのだ。そんないい加減な企画でいいんだろうか。

「でもさぁ、取材費でスパイス買うから、好きに使ってくれていいんだぜ!」

おお、これでぐらっときた。

「じゃあさ、アメ横の大津屋っていうスパイス専門店があるんだけど、あそこで俺が好きなスパイス買ってイイか?」

「うん、原稿料は出さないけど材料費は出るから、それでいいよ。」

ちゅうことで連載開始と相成ったのであった。で、すでにこのムック、販売されている。正直、あまりに恥ずかしいのでそのページはここには載せない。そんなことよりも、大津屋である。
今回は、僕が被写体となる企画だったので、なんとプロのカメラマンが僕のような、全く写真ばえない素人を激写してくれた。こっぱずかしいったらありゃしない。誠文堂からは、「雑誌に掲載していない画像は載せてもイイよ」という寛大なお許しを得たので、プロが撮影した写真でゴージャスリッチにお送りしよう。

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 さて、カレー好き、スパイス好きのマニアの間ではアメ横「大津屋」は有名な店である。雑多な店が軒を連ねるアメ横の中にひっそりとたたずむ外観。店頭には豆類などの乾物が並んでいるため、一目みただけではそこがスパイス販売のメッカであるとはわからない。


■インド食材専門店 大津屋商店
http://www.ohtsuya.com/

上野アメ横 (株)大津屋商店
東京都台東区上野4-6-13
TEL03-3834-4077 FAX03-3834-4078
お問い合わせ専用電子メールアドレス
info@ohtsuya.com


しかし!
一歩店内に入ると、みたこともない食材・スパイス類がガバッと並んでいるのである!これを目当てに来るアジア系外国人も多く、モノが本物であることが伺える。

ホールスパイスからミックススパイスまで何でも並んでいる。

僕が話をしている人が、この店の二代目となる竹内さんだ。家族経営なので若旦那という感じである。スパイス屋だけあって、
「毎日カレー食ってます」
とのことだ。

 この大津屋、国内のスパイス輸入商社やメーカから、サンプル商品のテスト販売を請け負ったりすることもあるくらいの店であり、スパイスマニアからは熱い視線を贈られている超マニアスペースなのだ。しかし、ここで働く人たちはとても優しく、全然マニアックではない普通の人たちだ。ちょっとびっくりした。

 僕も過去、ここでスパイスを何回か買ったことがある。とにかく鮮度がよく安い! これはみな見落としがちなことだが、スパイスは生鮮品だ。香り成分は揮発性なので、購入して置いておくと、ただの色つきの粉になってしまう。しかし、スーパーで市販されている瓶入りのスパイス類は高くて、買うのにためらうことが多い。ふんだんに使うのがちと惜しくなってしまうのである。
 ところが大津屋では、だいたい200g程度入っているパウダースパイスが400円程度で買える。ホールも勿論ある。素晴らしいのはナッツ類で、カシューナッツやアーモンド、殻を剥いたピスタチオなどの生のホールが手に入る。ここで重要なのは「生」ということだ。安く売っているのはローストしたものがほとんどで、これだとすぐに酸化してしまいがちだ。ナッツの脂が酸化したものには猛烈な毒が発生することもあるので、お勧めできない。しかしここでは生のホールが、しかも安く手に入る。僕が知る中では最もリーズナブルだ。これからバジリコのペーストを作る季節だが、僕は大量に使うナッツ類はここで仕入れる予定である。

 スパイスだけではなく、その周辺素材も沢山販売している。例えばインド料理には絶対に必要な油である「ギー」は、オリジナル商品が置いてある。カレーのコクのある風味を出すにはこのギーが必須だが、なかなか置いてなかったり、高かったりする。写真の商品はでっかいやつで900円程度、半分くらいのだと600円くらいで買え、全然使い切らないのでリーズナブルだ。

また、香りのよい長粒米(インディカ米)であるジャスミンライスなんぞも販売している。これがインド系のサラサラのカレーにばっちりマッチするのである!

 この日の企画としては、とにかく大津屋のお母ちゃんがいつも家庭で作っているレシピを教えて貰い、その通りに作ってみるということになっている。そのために買い求めなければならないスパイス類が下記である。

■ホールスパイス
カルダモン
シナモンスティック
ベイリーフ
クローブ

■パウダースパイス
クミン
コリアンダー
ターメリック
カイエンヌペッパー
ガラムマサラ

■そのほか
マンゴーチャツネ
ホールトマト缶
ヨーグルト
鶏肉(モモ)
カシューナッツ
アーモンド
ジャスミンライス

バジルシードのジュース
などなど、、、

そして、、、これに加えて、特選素材があるのダ!

「ええとですねぇ、、、長胡椒ってのがあるんですよ。」

インドではよく使われている長い胡椒、本当に長い! 松ぼっくりのような細かい模様が外側についており、見た目はちょっと気持ち悪い。

「生で噛んでみます?」

といって袋を開けてくれた。正直、俺は噛みたくない!けど、カメラマンはすでにセットアップ済みである。うーん しょうがない、、、

口に入れて噛む。かなり硬い!「ガリっ」という硬質な音と共に、衝撃的な刺激成分が俺の脳内物質を大量に分泌させた。駆けめぐる胡椒の香り。かぐわしい、確かにかぐわしい!しかしあのブラックペッパーの香り成分を50倍くらいにした香りの塊が鼻孔を抜けてゆき、その後にすさまじい辛みが味蕾を直撃した!

「ヒー!」

の顔の写真は、雑誌掲載されているので残念ながらここではみせられん。が、とにかくすさまじいパワフルな香辛料だ。

「これ、やっぱカレーに入れるんですかね?」

「う~ん、僕は使ったことないからわかんないですね、、、」

そんなもん、俺に食べさせないでくれ!

ま、しかし、この長胡椒を使って、カレーを作ることになったのだ。スパイス類をたんまり買い込んで、大津屋・竹内ファミリーに別れを告げる。目指すは編集者・御園氏の愛の新居(湯島)である。

(後編・カレー作り編へと続く)

2004年06月22日

スパイスの聖地 上野アメ横「大津屋商店」のカレーレシピを教わった! その2

 (その1から続く)

 さて御園家に付く。デザイナーズマンションか?と思わんばかりの綺麗なマンション一室である。真空管アンプ専門誌を出している出版社の編集者らしく、かっちょいい真空管アンプが鎮座ましましている。YMOを聴きながら、撮影と調理を開始した。

 今回はなんと言っても、スパイスのメッカである大津屋商店のオリジナルレシピを教えて貰ったのが最高の収穫だ。できるだけ記憶に忠実に、レビューを再現していこう。撮影はすべて、新進気鋭のカメラマン・青柳君だ。「CAPA」などのカメラ専門誌にも登場する彼により、クオリティ高い画像をお届けできるのが嬉しい。被写体は俺なのでクオリティ低いけどゴメン。

■スパイス一覧

上段左からクローブ、カルダモン、シナモン、そして問題の長胡椒。
中段左からターメリック、カイエンヌペッパー、クミン。
下段左からガラムマサラ、コリアンダー。


そしてこれも特選素材!左がカレーリーフというハーブの一種。ベイリーフのように使うが、香りがカレーの風味を増す。右が激辛の唐辛子、、、


以下、解説をしていくが、分量は4人前見当で、適当だ。レシピの分量は参考程度。ちびちび味見をして自分のよい塩梅を見つけて下さい。


■ジャスミンライスをセットする。

さっと研いで、水を少なめにして炊飯器にセットする。本当は鍋で炊く方がいいらしいが面倒なので。オイルコーティングしていないレーズンを適量入れる。

■鶏肉を準備

もも肉の皮を剥き、余分な脂肪を捨て、肉の筋繊維に沿って食べやすい大きさに切り分ける。筋繊維に沿わせて切る方が、歯触りが残って美味しい。下味は特につけなくてよい。インドではこれを焼いたりせず、生のままカレーに投入する。それによって味がすぐに染みこむようだ。

■タマネギをみじん切りにする

タマネギ大一個をみじんに。それほど細かくなくていい。インドではすり下ろしタマネギを炒めたりもするが、ここではみじん。

■ニンニク、ショウガはすりおろしておく

ニンニクは3かけ、ショウガは親指2本分くらいか。ケチると旨くないぞ。控えめな味のカレーはなんとも頼りない。ドンと濃い目でいこう。

■ギーを熱し、スタータースパイスを投入

インド料理に欠かせぬ油脂、ギーを投入。ラードのように固まっているのが溶け、黄金色の海になる。ここに、香り出しをするスタータースパイス群を投入する。

クローブ、カルダモン、シナモン、そしてカレーリーフを投入する。
なぜ油の中に投入するかおわかりだろうか?スパイスの香り成分は、水には溶けない。油にしか溶け出さないのだ。だから、油を控えめにしたカレーやパスタは旨くない。カレー食った翌日は走ることにして、思い切り油を使おう。スパイス群が焦げないように弱火でじっくり熱を通し、油に香りを移す。あ、そうだここで唐辛子も入れる。唐辛子の辛み成分も、油に溶けるのである。


■スタータースパイスが薄く色づいてきたらタマネギ、ニンニク、ショウガを投入。


 油が少ないとここで焦げ出すので注意。

 弱火にして、蓋をして蒸し煮する。料理研究家の辰巳芳子さんがおっしゃるように、「蒸し煮は素晴らしい。」蓋をすることで、素材の水分のみでの加熱調理ができる。蓋を開けると、水蒸気がブワッと出る。この状態でタマネギが薄く色づくまで火を入れよう。

■ジャスミンライス炊きあがり。

水分はできるだけ飛ばしておこう。


■スパイス類投入

先のパウダースパイスを投入していく。大体4人分だと、すべて大さじ1.5杯と考えればいいらしい。唐辛子の量だけは好みに応じて加減した方がいい。カイエンヌペッパーは結構辛い。

僕はそれぞれのスパイスを大目に入れた。この辺になると凶悪に旨そうな香りが立つ。そうそう、特選素材の長胡椒は、ミルで細かく挽いてこの段階で投入した。あのすさまじい香りも一役かっているはずだ。


■トマト投入

缶詰のホールトマトを手でつぶしたものを投入する。トマトを入れると味がとたんに日本人好みになる。

■ヨーグルト投入

無糖のヨーグルトを投入。200ml程度かと思うが、これが水分だと思って調整して欲しい。この段階で味見して辛すぎるようだったら、ヨーグルトをどさどさ入れて中和しよう。インド料理にヨーグルトは必須です。

かなりカレーらしくなってきました。ここで塩を少なめに投入して味のベースを決めます。


■鶏肉投入

ここでもも肉の投入です。鍋があふれそうになってきた。ちなみに鍋は合羽橋商店街で買い求めたアルミ鍋です。熱伝導がよいチープなやつ。

ミックススパイスであるガラムマサラを加える。先に入れると香りが飛んじゃうのだ。

塩加減をみて、必要なら加えること。もうかなり完成に近い。

■盛りつけ、完成

ジャスミンライスにカレーをかけて完成。もう~早く食いたい!

どう?やっぱりプロが撮ると決まるね! なんだか料理研究家になった気分でしたよ。

 

インドカレーだから水分が多め。だから、米は水分すくなくパラパラに炊いた方がいい。

長胡椒の香りとかカレーリーフがどこに利いているのかを見極めようとしたが無理!スパイス群の相乗効果で香りが増幅されているので、とにかく芳醇な香りと味が口中に炸裂する!そして辛い!カイエンヌペッパーに、生唐辛子を入れたので、かなりすごいことになった!でも旨い!でも辛い!でも旨い!でも辛い!(以降ループ)

辛さは、バジルシードジュースで中和すると非常によいな。

編集者御園氏とカメラマン青柳君もご相伴。いや、マジで旨いでしょ。やっぱり大津屋レシピ、最高ですわ。ところどころヤマケン流にアレンジしましたけど、ベースが決まってるから旨い。これでパーティがあっても大丈夫ですな。

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 大津屋商店は素晴らしい店だ。アメ横にいくと、一見ぶっきらぼうそうに見える店の人が恐いかもしれないが、全然そんな心配はない。スパイス類も、使い方をきけばよい。レシピも教えて貰おう。大津屋の皆さんはそれに応えてくれる方達だ。

 近日中に、このスパイスボーイズの連載の第二弾、タンドリーチキン編をお送りできるはずだ。お楽しみに、、、

2004年07月07日

シンコの季節だぜ!

IMG_0841.jpg結婚式があけて初めての開店日。寿司処 匠に行く。ネタも全て新しくリフレッシュで一番いいタイミングだ。

「どうだい ゆっくり休めたかよ?」

「いや、まだ引っ越しが終わんないんだ。」

お疲れさんである。

と、ネタケースを覗くと、なにやら小さい切り身が、、、

IMG_0841.jpg

シンコだ!

「なんだよ もう出てきたか!」

「今年初のシンコ! すっごい手間かかるから限定だけどね!」

もう今年もそんな季節になってしまったのだな。嬉しい。この日は、昔、関連会社で一緒に仕事をしていた山崎君と、その同僚の牧野ちゃんとの久しぶりの飯である。一通りコースを食べた後、シンコと対峙する。

「悪いねぇ、シンコは手間がかかるから、コースには入らないんだ。」

そう、シンコは、魚自体はそれほど高くない(出回り時期は高価だが)のだが、膨大な手間がかかる。だから、とてもじゃないが3500円のコースには入れられない。そして単品では、結構な値段だ。

 それでも頼む価値がある。大体いまから1ヶ月の間、大きさが変わってくる。出回り当初の今は、実は味としてはあっさりしすぎていて物足りないくらい。人間でいえば12才くらいか。半月ほどもう経って16才くらいになった頃が、僕には美味しいと思える。けど、味の問題じゃない。

「シンコを食べた」

というのは、粋かどうかの話なのだ。

小さい切り身を加藤ちゃんが、技巧を凝らして握り始めた。

katochan.jpg

「これだけはヤマケンサイズは勘弁してよ。」(加藤ちゃん)

そして出てきたシンコだ。

IMG_0841.jpg

豪勢なことにシンコ6枚くらいつけてくれている(日によって変わるので何枚ヅケかで文句を言わぬこと)。

 即座に口に放り込む。小さな身から淡いコハダ味と香り、酸が感じられる。まだ味は乗っていない。けれど、これが粋というものだ。12才の処女の味を存分に味わってしまった。うーん

 こうやって書くと、またみんな頼むからすぐに無くなってしまうのだろうなぁ。シンコは、先にも書いたとおりムチャクチャに手間がかかる。匠には今、板前が加藤ちゃんしかいないから、なおさらだ。なので、見つけたら即、注文だ。

 わりとネタが単調になる夏の寿司を彩る、粋なオンナの味を楽しもう。

2004年07月12日

メロンの季節。食い倒ラーは半割が基本だ。

 農産物関連の仕事をしていると、よく「いいねえヤマケンちゃん、仕事で旨いもん沢山食べてるんだろ?」と羨ましがられる。しかし、本当にそう思うか?現実はそんなに甘くないんだぞ。だって商品なんだから、無尽蔵に食べられるはずがないではないか、、、

 というのはウソである。ゴメンナサイ、やっぱり一般の人からは想像がつかないような単位でいい物が届き、そして信じられないような食べ方をしていると思う。

 ここんところ、かなりの頻度で食べているのがメロンだ。今年はすでに3品種のメロンを食べ尽くしている。

まず6月の早い時期に出てくるのが、熊本の八代で、フルーツトマトを取引させていただいている鶴さんのところから、「肥後グリーン」という品種が送られてくる。

「やまけんちゃーん、送っとくけんね」

と、6玉くらい(!)ドカーンと届くのである。だからこの間に僕と会う人は、お裾分けに預かる可能性が高く、ラッキーである。肥後グリーンは、読んで字のごとく熊本県産のメロン品種だ。濃い甘さはないが爽やかな味で、食感も独特な粒状感があって旨い。そしてリーズナブルな価格なので、好ましい品種だ。これを、お尻が少し柔らかくなるまで追熟させて、半割にしてガブガブ食べるのである。本当にモウシワケナイのだが、僕にとってもうメロンとは、最低でも半割で食べるものだ。4分の1以下に切ったメロンは、それはもう僕にとっては小さいメロンという認識になってしまった。ああ、僕はこのblogではスノビズムとは無縁のところに居たいと思っていたのだが、メロンに関しては間違いなくスノッブだな。

 ところでメロンは品種がやたら多いのだが、皆さん分別して買っておられるだろうか。いわゆるマスクメロンといわれるのは「アールス」という品種だ。静岡県産のいわゆるクラウンメロンというブランドが有名で、こればかりは築地の市場でも別だてでセリ取引を行うほどだ。このアールスに関しては、生産者により味のレベルが違うので、生産者番号というもので取引が行われる。千疋屋などの店頭でマスクメロンを観ると、3桁の番号があるので、観てみよう。これが生産者ナンバーだ。

 しかし、アールスは高い。そこで、アールスとは別品種のメロンというのが沢山ある。例えばアンデスという品種がある。このネーミングの由来は、ペルーなどのアンデス山脈と思われがちだが、実は味のばらつきが少ないので、どれを買っても「安心です」メロンの略だったりする。このアンデス系品種でも相当いろんなのがあって、20年以上前に出回っていた品種と、現在出回っている品種は違う。はっきり言って昔の品種の方が旨い。作りやすく改良された結果、食味は落ちてきている。茨城の一部の生産者団体では、これをよしとせずに初期の品種を作っている。

 最近味がかなり安定してきているのがアムスだろう。アムスもアールスに負けず、コストパフォーマンスの高い品質が期待できるメロンだ。先日は埼玉県の深谷市で、生協など向けにトマトとメロンを栽培する吉田みっちゃんからアムスが送られてきた。みっちゃんは僕と同い年の生産者で、気持ちのいい仲間だ。

「もう熟してると思うけど、お好みで割って食べてね。」

割ってみると、お尻部分が少しとろりとしていて、僕好みの熟度だ。もちろん半割でいただく。

このアムスがまた旨い。アールスほどではないが高貴な香りが立ち、ジューシーだ。この吉田みっちゃんの畑では、化学肥料をほとんど使用しない。そのせいか、非常に凝縮された濃い甘さを感じるのに、嫌みが全くない。素晴らしい。進物に使いたいと思い頼んだのだが、「もう終わっちゃうよ」ということで確保ができなかった。

 そう、メロンの時期はとてつもなく短いのだ。旨いと思って一週間後にまた買おうと思っても、同じ生産者のは買えなかったりする。生産者が違えば味も違う。だから、メロンは博打なのだ。

 そして先日、夏の極めつけメロンが届く。北海道の友人の夕張キングメロンだ。ここは通販で数千玉が売り切れてしまう超人気の生産農家だ。残念ながら名前は出すなと言われたので、ここでは書けない。栽培しているのは夕張キングメロンだが、「夕張メロン」というのは夕張市農協の商標なので、農協に参加していない場合は名乗れない。だから、友人は夕張メロンとはいわずに販売をする。しかし、おそらく日本でトップクラスに食い込む旨さだ。


 ここのメロンは、樹上で完熟させて、宅配便ですぐさま送るという方式をとっている。これは農協出荷外の意欲的な農家にしかできない。通常は流通段階でのロスを配慮して、まだ完熟しない段階で出荷するからだ。この友人は、あくまで樹上で完熟した物にこだわる。そりゃそうだ 自然完熟と、早めに摘んだものを追熟させるのでは味が全く違う。箱が家に届いた段階で、強烈なフレグランスが香る!宅配便の配達員も「いい香りですねぇえええ」と羨むのである!

 二玉届いたうちの一つは、彼がちょうどよいという熟度。もう一つは、熟しすぎかもしれないという段階のもの。それが段ボールにマジックで書かれている。これは、僕の好みをよく分かってくれているのだ。実は北海道の人たちは「堅めのメロンが好き」。本州の人間はどちらかというと、トロトロしている果肉が好きな傾向にあるのだが、、、なので、北海道では果肉がしっかりしたメロンでないと受け入れられないのだ。なので、彼が自信を持って送ってくるのは、ちょっと硬めのメロンだ。

当然このメロンも半割で食べるのダ。今年の果肉は僕にとってもちょうど良い柔らかさだ。スプーンを入れるとジュワッとジュースが染み出てくる。彼のメロンは、皮の近辺まで甘く実に最高。これを、スプーンで舐めるように削いで惜しみながらいただく。

 今年はまた明日か明後日くらいに夕張群からメロンが届く。今度はキングメロンという王様品種ではない、新しめの品種だ。僕はキングが好きなのだが、「いやこちらも旨いゾ」という若手生産農家さんからの挑戦状だ。

 しっかり半割で味わうこととしよう。この間、僕に会う予定の人はラッキーかも知れない。

2004年07月16日

さらなるキングメロンの夜

 夕張のキングメロン半割のエントリを書いたら、どどっと「メロン食わせろ」メール攻撃を受けてしまった。タイミングさえ合えば食べさせてあげたいのだが、何しろ届いた当日か翌日には食べないといけないデリケートなメロンなので、ナカナカ難しい。

 先日は、いつも僕がメロンをお願いしているI氏が紹介してくれた、同じ町内でメロンを生産している寺島君からキングメロンが送られてきた。彼は20代後半にして一家を背負って立つメロン農家。パワーあふれるナイスガイで、「やまけんさん、来年は俺のメロンも食べてください」と約束してくれていた。それを忘れずに果たしてくれたのである。オトコの価値は、長期に渡る約束を守ることだな、やっぱり。

「トロトロに熟したメロンが好きって言うことだったんで、そういう玉を送りました。」

というとおり、熟度的には僕にちょうど良いものだった。半割にした食べると、友人I氏のメロンと若干違う傾向。味の濃さ、香り、糖度ともにバランスがとれていて。非常に旨いメロンである!やはりキングメロンは最高ダ!

しかし感想を伝えると、

「いや、今年のメロンは会心作が一つも出ません。北海道はずーっと雨で日が出てきてないので、メロンはかなり大変な状況なんです。だから、不本意なんですよ、、、」

こればかりはハウスを建てようがなんだろうが、人知ではいかんともしがたい。そんな悪コンディションの中、よくぞここまでのメロンを育て上げたと思う。

しかし、熟が進んでいるので、こいつもまた俺が一人で食べることになるのかと思っていたら、ちょうど親友の加賀谷と金子から連絡が来る。

「いま広尾に二人で居るんだけど、遊ぼうよ」

「いや それだったらメロンがあるから木場まで来いョ!」

「おおおぉおおおお 行きますよ社長大将!」

ということで二人が拙宅を襲撃。慶びの表情である。
ちなみに加賀谷は食い倒れ党広報担当。金子は何回も紹介しているが、僕のイラストを描いてくれた張本人で、週刊少年ジャンプのデジタル漫画を連載中だ。
このリンク先の、一番右の「トラベル&トラブル」が彼の作品だ。是非観て欲しい。)

 半割分を二つにカットして出してやると、二人とも驚愕の表情。

「こんなデカイの食べていいの?ほんと?」

「いや、俺はいつも半割を食べてるから小さいよ」

「ヤマケン、社長になると人格が変わるんだな、、、」

変わんねーヨ! 前からメロンはこういう食べ方だいっ!

さすがに出張疲れで微熱があり頭が痛かったのだが、親友二人と馬鹿話をし、メシをつつく内に元気も復活してきた。寺沢家のメロンはまだ出荷が続くようだ。是非食べてみたいという人には連絡先を教えようと思うのでメールで連絡してください。

2004年07月20日

これぞ絶品 ホンモノの賀茂ナスをふんだんに食べる

 昨今、「京野菜」といえばなにやら美味しいイメージがあるので、人気が高い。テレビでも、京都の農家とレストランのシェフとの交流を描く番組がかなり出ており、素材と料理の関係もまた一つ時代が移ったという感がある。
 しかし、京野菜というのも一つのブランドであり、もっと細かく観ていくと、結局栽培をする人が誰かというところに尽きる。また、商標としての京野菜と、伝統的な種を守り続けて播種しつづける京野菜農家とを同列に語るのも、どこか片手落ちのような気がする。

さて
京都大学農学部の偉いセンセイとして教鞭をとっておられる大石から、賀茂茄子が届いた。大石は、学生時代からの付き合いである。当時の京都大学には、このblogでも数回紹介している、関西の農業ネットワーカー「のざけん」が居て、僕と密な情報交換をしていたのだが、大石も当時から強力な磁場を形成していた人間だ。彼は京都大学で、周辺農家の畑に援農にいくサークルを率いていたのだ。そして今や、京都大学で農学原論を教えるセンセイである。

 この大石、上賀茂にある生産者さんの母屋を借りて起居している。かなり古い木造建築で、生産者さんご一家は新居の方に住んでいるのだが、古い方を大石とその妻子一家が借りているのである。この家が、古くてひなびていて、実に最高なのだ。
 その生産者さんというのが、上賀茂にあることからおわかりの通り、京野菜の、特に賀茂茄子を得意とする農家で、田鶴さんという。最近いろんな雑誌に出たりしているのでご存じの方もいるだろう。この田鶴さん、京都を代表する料亭である「○亭」(←店名は二文字、といえばおわかりだろう)に賀茂茄子を卸している農家さんだ。無論、茄子以外にも、豆、ししとうなどの伝統的な種をずっと守り続けている、ホンモノの京野菜農家だ。

大石曰く

「賀茂ナスも最近はかなり出回っているみたいで、京都駅の新幹線コンコースに土産品として並んでいたのにはのけぞった。うちの田鶴さんに言わせると『今でこそ賀茂ナス言うて騒がれてるけど、ブームになる前は、賀茂ナスの種を自家採取できちんと残して作り続けてきた農家は、この賀茂でも2軒くらいしかなかった』とか。うち1軒はうちの田鶴さんのことね。
 だから「ホンマ物」(笑)の賀茂ナスには微妙な特徴がいくつかあるという話。まあ品種改良されてないから、ばらつきも大きいし、絶対的な特徴ではないんだけどね。
 今じゃ、種屋や苗屋で賀茂ナスを買えるんだけど、品種改良されていない原種のおもしろさってあると思うから、そういった種は守っていって欲しいよな。」

とのことである。うーむなるほど、賀茂ナスといって店頭にならぶものは多々あれど、原種に近い物を保存している農家は少ないはずだ。その貴重な賀茂ナスを分けて頂いた。至福である!

 実はこの賀茂ナス、数年前に大石家に泊まりに行った時に食べたことがある。飲んだくれた翌日、大石が母屋に分けてもらいに行ったら、「ちょうど○亭に納品するところだから、余ったのあげるわ」と、数個の茄子をいただいたのだ!

「この茄子、なんにするなぁ」(大石)

「3コもあるからなぁ、、、1コは伝統的な田楽にするとして、後2つは、、、思い切って麻婆茄子でも作るかぁ!」(ヤマケン)

「! な、なに?? 賀茂ナスをマーボー茄子にしちゃうのぉ、、、?(汗)」(大石)

そして強引に麻婆茄子を作ってしまった。当然ながらムチャクチャ旨かった!けど、大石は最後まで「賀茂ナスを麻婆なんて勿体ない、、、バチが当たるわ」といいながら食べていた。懐かしいなあ、大石よ!

 さてよく切れる包丁でスパッと一気に切る。断面にはうっすらと心室が分かれているのがみえる。

 今回は大石も「やまけんに贈ったら何にするかわからん」と思ったのか、できあいの田楽味噌も同封してくれた。思わず笑ってしまったが、性懲りもなく1つは茄子のパスタに贅沢に使ってしまった。スマンな、使い方まちがっとるかな?

 茄子を半割にして格子状の刻みを入れ、ダッチオーブンのフライパンであるスキレットに油を満たし、じんわりと揚げる。中まで火を入れてこんがりと揚げるのには少々時間が必要だ。

茄子と油の相性は最高だ。この照り輝きは非常に美しいではないか。

同封されていた田楽味噌でいただく。山椒の葉っぱがないのが悔しい。用意しておくべきであった。

大石が書いている「ほんまもんの賀茂ナスにある特徴」がなんなのか、僕は知らない。けど、包丁を入れずとも、茄子の心室に沿ってさっくりと自然に箸で割ることができる。この肉離れのよさは、米茄子では味わえない。そして、果肉のトロリとした食感と、立ちのぼる魅惑的な茄子の上品な舞妓さんのような香りは、賀茂ナスしか持ち合わせない美的な特質である!

「うーーん 旨いなぁ、、、」

一人ぼやきながら食べる。本当に綺麗な味だ。これはホンモノの京野菜だな、、、こういうものを食べるときは、僕はアクをわざと抜かない。アクこそが味だと思うからだ。そしてこの賀茂ナスからは、実にきっちりと、独特の「味」が伝わってきた。毒にも薬にもならない野菜が多い中、野太さと上品さを併せ持つ野菜を生み出せるのは、土地の恩恵と、代々伝わる営みを継承していく生産農家の意志そのものだ。

 今年もいいものをいただいた。大石、どうもご馳走様でした。

追伸:
 掲載内容の確認した時に大石に「ほんまもんの特徴」を訊いた。 ふうむなるほど という内容。しかしもう食っちゃったから確認のしようがない、、、

2004年07月27日

比内地鶏タレコミ情報である。

 比内地鶏のきりたんぽ鍋のエントリに呼応して、とある畜産関係者から、比内地鶏に関する情報が寄せられた。かなり取り扱い注意情報かも知れないのだが、、、面白いから載せてしまおう。もし内容の真偽について論のある方は、メールください。コメントだと収集つかなくなると困るのでご勘弁。

曰く、

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(1)実は比内地鶏がこの時期安心して食べれるの様になって、まだ10年たたないのだ。
 比内地鶏はキリタンポとセットのため出荷時期が米の収穫期に偏っていて秋しか食べれない地鶏だったのです。10年前に私が秋田県に出張した際(1月)、県庁にて食べれる店を紹介してくれとお願いしたところ、自信がないといって断られました。ためしに秋田駅前の比内地鶏の看板のお店で頼んだところ、見事にブロイラーが出てきました。店主いわく「鶏がいないのでブロイラーに地鶏の肉汁を付けて出しています。指摘を受けたのは初めてです」という信じられない体験をしました。
 その時の秋田県の生産量は約3~5万羽。現在の1/10。今の生産量は36万羽です。ただし、6月に行った時ですらタクシーの運ちゃん曰く、今でも安心してお連れできるのは、㈱秋田ひない屋(27万羽を取扱い)のお店だけ、チェーン店等は避けるべしとの怖い話を聞きました。有名地鶏の宿命でしょうか。


(2)売られている比内地鶏にはメスしかいないのを知ってますか。これが生産者等のこだわりのようです。
 平均170日、卵を産み始める寸前の一番美味い時期に出荷するから値が高いのです。本物の比内地鶏が美味い理由はここにあります。美味いはずです。オスは雛の時に捨ててしまいます。県の試験場ではオスの利用を推進しているがなかなかうまくいかないと嘆いていました。

(3)実は比内地鶏という品種は何種類もいるというのも最近になって知りました。
 「比内鶏」という品種は天然記念物ですから食べれません。県が開発したのが、比内鶏×ロードアイランドレッドで、これを秋田比内地鶏と呼びます。それ以外の組み合わせが多数あり、半分が比内鶏であれば比内地鶏と呼んでいるようです。つまり発育をよくするため(太る鶏)に色々かけているようです。当然味は秋田比内地鶏が一番とのこと(県畜産試験場談)です。ですから食べる前に、「これは秋田比内地鶏ですか」と聞くのが通だとのこと(なかなかやるなとくるわけだな)。

(4)比内地鶏の推進は民間が行なった。
 県は比内地鶏については原種の維持以外はほとんどノータッチのようです。県が関わっていたときは生産量を伸ばす事ができなかったというのが本当のところ。ただし、比内町だけは町をあげて推進している。取組みは見事だね。庁舎が比内鶏の形をしているのは面白い。

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ふううん
なるほどぉ

比内地鶏については色んなところでみかけるが、掘り下げていくと奥行きがドーンと出てくるのだな、、、次回はぜひ「秋田ひない屋」に行ってみたいなぁ。

2004年07月28日

夕張TAメロンのカクテルを水澤君に創ってもらった。

 北海道の夕張郡周辺で名産の赤肉メロンには、色々な品種がある。僕が一番好きなのは、ここでも何回か書いた「キングメロン」という品種だ。正直、これに勝る品種に出会ったことがない。しかし、キングは収穫時期も限られるので、用途によって生産者が使い分けているのが現状だ。

 僕の友人のI氏は、キングを比較的早めに収穫し、7月後半からはTAメロンという品種を収穫している。キングより2周りくらい小ぶりになるこの品種は、果肉がしっかりしているのだが、昨年までいただいた感じでは、なんだが人工的な味と香りがし、僕としては「美味しくない」という評価を彼に返していた。

 そして今年、満を持しての自信作が送られてきた。ほとんど期待せずに中身を割り、食べてみたところ、これまでの評価を全く変えざるを得ない味と香りに進化していた!

「今年は雨が続いて日照が不足し、最悪のコンディションです。後半、少し陽が出て、取り戻しましたが、、、」

とI氏が言っていたのだが、どうしてどうして。こんなに旨くなるのであれば、来年からはTAも注文しようと思ってしまった。

 さて今回、TAメロンは3玉送られてきた。

「できればオーパの水澤さんにカクテルを創って欲しいんですよ。」

これを先日のオーパ常連BBQの日に水澤君にお願いし、快諾を得ることが出来た。予め1玉を予習用に持参し、後日、僕も飲ませてもらうために、メロンの半割をもっていった。

なぜ半割か? それは、寿司処 匠の加藤ちゃんが半分食べたからである、、、

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 最近のオーパは、競技会優勝フィーバーから少し落ち着いたとはいえ、いつも9時頃には満杯である。あまり忙しいと頼みづらいのだが、水リンはニコッと笑って出迎えてくれた。

「いや、本当に美味しいメロンですね。こういうメロンを使う場合は、素材の味を活かしたカクテルでないと勿体ないので、シンプルに考えてみました。」

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■メロンのシャンパンカクテル

・メロン果肉10分の1程度をミキサーで滑らかになるまでかける。
・レモンまたはライムで酸味をプラスする。
・ボストンシェイカー(大きいグラスのシェイカー)に氷と、ミキシングしたメロンジュースを入れ、シェイク。メロンを冷やすのが目的。
・ロンググラスにメロンジュースを6分目くらいに注ぎ、冷たいシャンパンを満たし、軽くステアする。

※聞き書きなので分量等は適当です。
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味は、、、まずいはずがない! シャンパンのアルコール分がメロンの香りで押さえられて、フレッシュジュースのような味わいなので、スルスルと飲んでしまう。これは、どんどん女性に飲ませたい(笑)カクテルだ、、、

 もしこのカクテルを所望されたい場合は、水澤君に「食い倒れ日記にあった、夕張メロンのカクテルを!」と言ってみて欲しい。ま、メニューにはないものだから通常は飲めないと思うけど、あまりに要望が多かったら、きっとメロン取り寄せになるだろうな。

 今日あたり、また一杯やりにいってみよう。

2004年08月01日

夏といえばナス! 長島農園の茄子3種

(0:17に焼きなす追記しました)

 夏野菜の代表的な一つ、茄子。この茄子にも、日本中にオリジナル品種が沢山ある。一度そういうのを集めてみたいと思うのだが、収拾がつかなくなりそうだ。ちなみに茄子に対する美意識が最も強いのは、山形県か新潟県だと思う。それこそ10種ではきかないほどに品種があり、それを使い分けしているお国柄だ。

 昨日、長島農園の勝美君から電話が来た。

「やまけん、その名も『やきなす』っていう品種のナスがあるんだけど、知ってる?」

知らん知らん。全く知らん!と思ったら、新潟の地ナス品種なのだが、どうにかして入手してしまったらしい。

「かなり大きくなるんだけど、焼きナスにするとペロンと皮がむけて、美味しいんだよ!とりあえず送るから食べてみて!」

そして本日、届いた。

10Kg段ボールに一杯、キュウリとナスが届いた。ナスは4種入っている。

左から通常の中ナス、やきなす、米ナス、そして右端が「やきなすのちょっと獲り遅れておおきくなっちゃったヤツ」だそうだ。大きさの違いがわかるだろう。とにかくこの「やきなす」はデカイ。割ってみるともっとわかりやすいだろう↓

■やきなす

■普通の中なす

早速このやきなすを焼きなすにしてみる。強い火に直接あてて表面を万遍なく焦がす。中の水分が膨張してパンパンに膨らみ、ブシュっと破裂する。コンロが汚くなるけど、グリルなんか使わない方が旨くできる。

ちなみに焼きなすを美味しく作るためには、この後、水に漬けて冷やしたりしないことだ。バットに取って、熱いままに皮を剥いて、うちわなどで扇いで冷ます。水で冷やすと、なすの旨味が全て無くなってしまうのだ。

勝美君の言うとおり、皮は簡単にスプーンの先でスルスルと剥ける。実が大きいので、大量に焼きナスを摂取出来るぞ!ちょっと嬉しい気分。なすの汁を少し舐めてみると、甘い!これに、讃岐のスタンダード醤油である鎌田醤油店のダシ醤油、ショウガすり下ろしで食べる。まだ生暖かいので、冷蔵庫でひんやりさせてからね。

たしかreitaroさんが焼きなす好きだったよなぁ、、、分けてあげたいが忙しいので無理だな。残念。

残りも大量にあるので、揚げナスの南蛮漬けを作る。これは僕が最も好きなナス料理だ。ナスを揚げて、南蛮ダレに漬けるだけ。南蛮ダレは、酒と砂糖、昆布だしと醤油、そして唐辛子を火にかけ、沸騰直前で火を止めて酢を加えたものだ。これをタッパーに入れ、揚げたてのナスをバンバン入れていく。

ベランダにあるバジルとイタリアンパセリを加え、ナスでギュウギュウになったタッパーを冷蔵庫でキンキンに冷やす。熱いうちはまだ旨くないのだ。ナスがトロリとし、タレを吸ってからが旨い。

 ということで本日はまだこの2品、食べていない。夜にルンルンしながら食べるのである。ちなみにこの「やきなす」、いつものごとく、クック&ダインという三浦の旨いもん販売サイトで購入可能だ。勝美君のところは、基本的には消費者への直販をしていないので、欲しい方はこちらからドーゾ。

 勝美君、いつもご馳走さん!

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(追記)

 さて、夜、焼きなすを食った! 俺はこんなに旨い焼きなすを食べたことがないっ!まじで旨い。汁は甘く、実はトロトロしており、ショウガ醤油との相性が抜群である。いやちょっと、本当にすごい。もし僕が今、自分用の畑を持っていたら、来年から絶対に植えるな。

 あんまり旨かったので、明日の朝飯用にもう2本焼いてしまった。巨大な茄子なのだが、焼きなすにするとぺろりと食べてしまうのである。
 皮を剥いているとイタリアの友人デザイナーから連絡が来た。帰国するので何か欲しい物はあるか?というので、生ハムとパルミジャーノ・レッジャーノを頼んでおいた。彼女は、僕の会社のロゴマークをデザインしてくれた人で、ミラノでデザイン修行をしていたのだ。ああ、楽しみだ。いや、生ハムとチーズが、ではないよ!話をするのが楽しみなんだよ!(汗)

2004年08月12日

絶品ブドウをどうぞ。 神奈川県藤沢市 飯島農園の「竜宝」

 いや、タイで食べ過ぎた。日本でなぜか食欲が前のようにわいてこない。しばらくは自粛モードだな、と思いつつ、昨晩は匠~オーパ、そして本日は無二路にいく。愛媛大学の盟友のざけんが上京してうちに宿泊していて、「俺も連れてけ」というので仕方がないのであった。

 と思ってたら、朝一番に宅配便が。中身は飯島農園のブドウである。

 飯島農園は、僕の農業の師匠だ。師匠が何人か居るのだが、大学で畑を創っていた6年間で最も近しい存在だった方達だ。僕の在籍したSFC(湘南藤沢キャンパス)の土地で昔から専業農業を営んできた、ベテランである。その飯島農園の横で僕は畑を拓いたのだが、最初から手取り足取り教えて頂き、ついには畑の土地を借していただくことになり、以来10年、僕の創った畑サークル「八百藤」にはなくてはならない方となっている。

 ちなみに飯島農園はホームページがある。僕が在学中に、息子のやっくんにマックを買わせて、インターネットを始める手伝いをした。その後、なんと奥さんの愛子さんがPC上手になり、今ではデジカメで写真を撮影して、blogを書いているのである!

■飯島農園
http://iifarm.com

※Webの「野菜のしおり」というところをクリックしてみて欲しい。それがblog本体である。

 農家さんのblogはまだ少ないので、貴重な存在である。さすがSFCの横に在する農園である。

 で、この飯島農園のブドウが絶品なのである。市内や県内の品評会で金賞獲りまくりで、ほとんど直売で売り切れてしまう。直売所には、飯島農園の果物の旨さを知っている人が遠くから車で回に来るので、売り切れてしまうのだ。なので、市場に出荷する分はほとんどない。僕が出会う農家さんはみな一流なのかと思うのだが、、、運が強いな、オレ。

 届いたのは、「藤稔(ふじみのり)」と「竜宝(りゅうほう)」だ。

こちらが「藤稔」。

 固さがしっかりしており、粒の揃いもよく、味は濃くて上品。甘さと香りのバランスがよくとれている。今年は例年より糖度も載っていて旨い気がする。

こちらが「竜宝」。実は僕はこっちが好き。

身が柔らかいので、届いた時には少し裂果しているのがあるのだが、それだけ水分を多く湛えていて、魅惑的な香りと甘さなのだ。先の「藤稔」が生徒会長だとすれば、「竜宝」は知らない土地から転校してきた、近寄りがたい危険な香りのする転校生という風情だ。

 今年は積算気温と日照が多かったのせいか、果実は大当たりだ。ぶどうも旨い。ただ、毎年のように気温が上昇していっているので、現在好適地と言われているところではあまりいいブドウが確保できなくなって居るとも訊く。藤沢は現在の気候を保って欲しいものだ。

 飯島農園ではブドウの他にこれまた絶品の梨を販売している。
梨の方の販売情報は下記の通りだ。
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5キロ箱
幸水 3L 10~12個 3950円
    2L 13~14個 3700円
     L 15~16個 3200円

豊水 2L 10~12個 3450円
     L 13~14個 2950円

他に10キロ箱もあります。あと送料が関東近辺で900円かかります。よろしくお願いします。
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ブドウの情報は、メールなどで連絡して確認してみてほしい。その際、ヤマケンのblogを観たと伝えてください。「え、何のこと?」と言われるかもしれないが(笑)

ぶどうは早くしないと季節が終わる。梨はまだ出回っている。いずれもお早めに。

2004年08月13日

タイのエビ味噌チャーハン 「カオパッ・カピ」

 タイでの最終日、帰り便の飛行機が朝の6時発だったので、朝の3時に空港に向かうことになった。その晩は食い納めということで相当に食材を買い込んだのだが、バンコクの庶民の味方であるスーパーマーケットBIG・Cで、目に付いた弁当や惣菜をいくつか買っておいた。
 その中でも「おお!」と思ったのが、カオパッ・カピの弁当である。カオは米、パッは炒めるなので、カオパッと言えばチャーハンである。カピというのはエビを発酵させた調味料で、中国では蝦醤(ハージャン)というエビ味噌だ。

 このエビ味噌、よく中華などの隠し味に使われているのだが、例えば青菜炒めにこいつをもろに投入すると、日本人的には強い刺激臭があり、「臭い」と思う人が多いため、あまり正面切って使っているところは少ない。僕も高校生の時、色んな国の調味料を集めるのが好きで、池袋西武の地下食品売り場でこいつを見つけて買ったものだ。しかし、あまりの強い味に、ほとんど使わなかったので、オフクロに怒られた。

 しかし、タイのカピは若干マイルド。これならかなり色んな料理に使える。そして、このカピをチャーハンの味付けにしてしまったのが、このカオパッカピなのである。タイで買った弁当はこんな感じのプレゼンテーションだ。

カピチャーハンの周りに色んな具が載る。上からかけるナンプラーベースのタレも付いてきていて、かなり盛りだくさん、かつ旨い! 意外なお得感に舌鼓を打った。実はこれが、今回旅行最後のタイ料理だ。この後、フォーシーズンズホテルが用意してくれたブレックファストボックスを空港で食べたのだが、フォーシーズンとは思えないひどいシロモノだった、、、

さて
このカオパッカピが旨かったので、作ってみた。色々レシピ調べたが、つまりはカピをまぶしたチャーハンである。なんのことはない。

 タイで買い込んできた食材で、市場で一番グレードの高いタイ米があるので、炊く。タイ米特有の、鍋で沸騰した湯に米を入れて炊く方法を試したが、超ばっちり旨く炊けた

 次に、中華鍋に油を敷き、カピを入れて炒める。ペースト状の調味料を炒める習慣があまり日本にないので奇異に感じられるかも知れないが、香り成分は油にしか溶けないので、こうした方が旨い。マーボー豆腐を作る時も豆板醤や甜麺醤を油で炒めるのも、このためだ。

 さて油とカピがなじんだらタイの赤タマネギのみじん切りと少量の砂糖とご飯を投入してあおる。タイ米はパラパラとしているので、フライパンにあまり焦げ付かず、焼きめしにしやすい。最後にナンプラを少量、鍋肌からジュワッとかけて数回あおって皿に取る。別のフライパンで卵を目玉焼きにし、カオパッに載せる。タップリのパクチーをかけて完成とした。

なんか、割とサマになってるような、、、目玉焼きの黄身に火が通りすぎてしまったが、ほんとはもっと半熟にする。

食ってみた。

 旨い! 旨いじゃん!

もしかして俺って天才? と思ったが、よく考えてみれば、食材さえ揃えば間違いなく旨くできるんだな。タイ料理は、仕込みが命であると知った。しかしまぁ、これでレパートリーの幅が拡がった。調味料類は半年分くらいあるので、ゆっくり楽しむとしよう。

2004年08月20日

フィリピンのスパゲッティはロメスパらしい

フィリピンのスパゲッティはロメスパだった!

昨晩、第2回オフ会in無二路に参加してくれた、食い倒れ党員の「むつむつ」からメールがあった。

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ところで、私事ですが夏休みを利用してフィリピンに行って参りました。
やまけんさんは、行かれた事はありますか?(もしご存知でしたらすいません)

そこでおどろいたのはスパゲティです!

ファーストフードやスーパーのフードコート、レストラン。
当然のようにある「スパゲティ」

しかもその味が…  甘いんですよー

DSCF0673.jpg

なにやら使っているケチャップが、バナナケチャップというもの。
何と言うか、不味いのではなく、日本では味わったことの無い味でした。
あれはあれでアリかなー。

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うおおおおおおおお
面白そうダぁあああああああ

これ、日本で食べられないかな? あと、バナナケチャップってどんなものだ?
情報求む。

2004年09月01日

京屋酒造の6種類の焼酎をBarオーパの水澤氏に試飲していただいた!

 僕が出向?しているblog 「焼酎百景 酒草子」に、表題記事をアップしてあります。


■焼酎百景 酒草子
http://blog.e-shouchu.com/index.html
「日本一の技能を持つバーテンダーに京屋の焼酎6種をテイスティングをしてもらった!」


以前お知らせした「のんべえ川柳」企画も順調に川柳が集まっているようだ!みんな凄いなぁ、俺、川柳なんて書けないよ。腕に自信のある方、プレミア焼酎が当たるから応募してみてね。

 昨日は、季刊「やさい畑」に連載中の野菜食べ比べ企画で、都内某農園の調理場をお借りして、某食材(発刊まで秘密です)を13種類食べ比べ。もう、死にそう。一つの食材を食い比べると、どんなに好きな食材でも嫌になりますな。

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そうだ、こちらも宣伝しておこう、
私が執筆している、野菜の食べ比べ記事が、ほぼ巻頭企画になっています。

■やさい畑 秋号

注目の食べ比べ企画はなんと、大根! 大根12種、食べ比べましたよぉ、、、死ぬかと思った。大根の生(スティック)、おろし、煮大根、甘酢漬けという4種の食べ方×12種類!

、、、これだけのテイスティングをやっている企画はありませんね、ほんと。

 最近、こういうテイスティング企画をやっている雑誌もちらほらと出てきましたが、野菜については、他の追随を許さない自信あり。なぜなら、野菜について他品種を集める場合、産地や時期をきちんと適切に設定する必要がある。また、種苗会社に頼むのか、個人農家に頼むのか、はたまたJAなのか等でかなり苦労します。この家の光という出版社はJAの出版部なので、その辺がスムーズに進むわけです。

 また、スタッフも一流を揃えてます。農家の立場では、練馬の専業農家である加藤さんや、三浦の長島君。プロの園芸師としては、テレビの園芸講座で著名な、恵泉女学園の藤田先生。これに加えて、料理研究家さんなどに来て頂いているわけです。

 それをとりまとめ&ライティングするのが僕、、、これはまあ、一流かどうかはわからんが。

 なので、他紙で同様の企画をしようと思っても、難しいでしょうね。ふっふっふ。東京農大や、農業関係者の中でもかなり話題になっているみたい。よし、よし。

 てな感じで、今日も一日頑張りましょう。

2004年09月21日

BSEに関して今、感じておくべきこと

沖縄行の最中から、また色々と農業をめぐる業界に動きがでている。

BSE問題で米国産牛肉の輸入をめぐり火花が散っているが、政治の水面下では着地に向けた地ならしが相当に進んでいる。しかし、この経緯と内包する意味については、決してこの国の一般紙からは伝わってこない。これは相当に腹立たしいことなのだが、、、

姉妹blog 「俺と畑とインターネット」 に下記エントリを書いているので、関心のある人は読んでおいて下さい。

■BSEに関して今、感じておくべきこと
http://www.yamaken.org/mt/oreto/archives/000458.html

悦楽の日々から、仕事モードへ。これもまたいいもんです。

2004年10月01日

秋のルビーといえばこいつだ! 北海道の秋味イクラをたっぷり食す


まだ僕には暑いと感じる日が続くが、店頭には秋の食材が出回るようになってきた。この時期、エメラルドといえば、先日の鳥長のエントリにも書いた銀杏だが、それではルビーといったらなんだろう?

深紅の赤い玉といえばそう、イクラだ! ここのところ、イクラには非常にツキがあって、寿司匠の生イクラやしんのすけから多量に分けてもらったりして、かなり食べる機会が多い。

そして先日、その決定版といえるものが家に到着したのである。

「やまけんさ~ん うちの夫が釣ってきた秋味(鮭)のイクラを送りますよ!」

というのは、北海道某所のパワフルハッスル女性エンジニアのSさんである。農産物関連の仕事でご一緒したのが縁で、いろいろと美味しいものを送ってきて下さるのだ。超長文のメールとともに、、、

「昨夜から、夫が恒例の秋味釣りに出かけて戻ったのが夜の9:30頃、収穫は立派なお腹を持ったのが2本、立派じゃないお腹のが2本、鱒が1本初回としてはまあまあかな。」

北海道では、川を遡上する鮭は権利関係があるので釣ってはならない。そこで違反にならない場所で獲るのだそうだ。詳しくは分からないがそういうことらしい。ちなみに今年は川が一面黒々になるくらいにスゴイ量の鮭が遡っているらしい。


「イクラ造りの過程です。

①玉を筋から外す
これが面倒、網を使ってやります。

②飽和塩水を作る
熱湯にしてどんどん塩を入れてとかします。
昨夜は1.0キロ以上は使ったと思います。

③塩水を冷ます

④冷ました塩水に卵をつける
この時間が微妙、我が家は4.5分です。

それでざるにあけてふきんを載せて乾かないように
して、冷蔵庫に保存します。3日くらいで食べれます。でも、私は翌日には食べてます(笑)

醤油漬けはもっと簡単

①玉を筋から外す

②ボールに酒と醤油を半々で入れる
日本酒は上等な方が美味しい。料理酒は甘くなるので使いません。醤油は我が家は昆布醤油です。

④卵を入れてそのまま冷蔵庫
3日くらいで食べれます。

ほら、食べたくなってきたでしょう?」

うううううううううううう 食いたい~ 

ということでお送り頂いたのである! 100円ショップで買ったという、中で水切りできる二重構造のタッパーが3つ。イクラ丼にしたら8杯分くらいか!

これ、比較対照がないのでわかりにくいが、粒が非常に大きい!寿司匠で食べるサイズよりも、一回りデカイ感じだ。黒醤油につかっているためダークルビーな色だが、その方が僕には食欲をそそる。

こいつを早速ご飯にドサッと乗せてみる。かねてよりやってみたかった、ご飯よりイクラの多いイクラ丼である。

思い切ってイクラとご飯をどかんと口に放り込む。ゆっくり噛んでみると、歯に

「プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ、、、(以下略)」

と連続爆発的炸裂感を感じる。そしてネットリと濃いイクラ汁がドロリと口に拡がる。その濃さと対照的に味は実にあっさりとしている。塩蔵のひねた香りは、もちろん皆無だ。激烈にうんまい!

これにわさびをたっぷり溶かし込んで思い切り掻っ込む。わさびのヅンとくる刺激にむせびながら、口の中に拡がる旨味をたっぷりと味わう。この慶びがあと何回分もある。それがまた、慶びだ、、、

このイクラ、通風とかになったら食べられないから、健康な今のうちにガンガン食べておこうっと。あ、その発想がいかんのか。

Sさんどうもごちそうさまでした!

ジャガイモ百花繚乱。最適な食べ方をお教えしよう

僕のもう一つのblogである「俺と畑とインターネット」にたまにコメントをつけてくれる十勝やっち君は、その名の通り北海道の十勝で農場を営む若き専業農家だ。
先般、狂乱怒濤の帯広出張編をやった時には、飲みに参加しにきてくれた

そのやっちから連絡が来た。

「今年もジャガイモの季節ですよ。昨年やまけんさんがいいって言ってた『インカのめざめ』あります。それと、十勝コガネ、メークイン、スタールビー、あと北紫、それにさやかもつけて送りますよ!」

おおおおおおおおお

すばらしい!
読者のみなさんはあまりジャガイモ品種をご存じないだろう。ちかじか僕の連載する雑誌でジャガイモ特集があるのでそこで詳しくは述べたいが、、、
メークインはご存じの通りだろうが、その他は聞いたことがない品種だろう。例えば十勝コガネはフライに向く品種だ。

大玉になり、扁平で扱いやすい。煮ても揚げてもとても旨い!その他、十勝やっちに説明してもらおう。

■インカのめざめ

インカのめざめは何にしても美味しいはずです。楽しんで下さい。

■北紫

紫色のは北紫という品種で、インカパープルよりアントシアニンが多く含まれるものです 恐らく流通には出回っておりませんので入れておきます。

メークとさやかはフライには向きません。コフキいもにするかレンジでチンしたほうが美味しく飯上がれます。僕のイチオシはメークのコフキいもです!主産地といわれる十勝でも私の家は気候的に涼しく、更に畑の輪作から土作りを最適にしてるためかメーク特有の風味が濃くなっています。今年は猛暑のためかそれにばらつきがありますがメーク好きにはたまらないですよ。

■さやか

さやかはマヨネーズが合うのでサラダがベストです。さやかは打撲や腐れにつよく、内部障害・変形.緑化もめったにないという素晴らしいいもです さらに話題のシストセンチュウ抵抗があり市場にでても肉が白いのでこれからシェアは増えるでしょう ただしホクレンが値崩れを嫌ってるのと種いもとしては大きくなり過ぎるためなかなか増産出来ないみたいです

ところで北海黄金でフライドポテトは食されたことあります?実は黄金が一番フライドポテトが合うんですよ 十月頃に収穫するので暇見てはお送りします。

と、このようなラインナップに加えて、最近の品種であるスタールビーも入れてくれた。


せっかくこれだけ送ってもらったので、それぞれに最適な方法で食べたい。メークインは煮物、サヤカはその白い肌とタンパクな風味を活かしたポテトサラダがよい。その他の芋は全て、フライドポテトで食べると、風味の違いが一目瞭然だ。ちょうどこの日、バードコートの野島さん宅に招かれていたので、5種をフライドポテトにすることにした。

ちなみに、収穫したてのポテトはそのままフライドポテトにすることが出来る。ある程度低温貯蔵したものはフライには向かない。でん粉が糖化して、焦げやすくなるからだ。なので、一般のレシピには、「家庭でフライドポテトをする時には、下ゆでしましょう」などと書いているものもある。しかし下ゆでなどすると旨味が抜けて旨くも何ともなくなる。収穫したての新じゃがが出回るこの時期は、迷わずフライドポテトにチャレンジすべきだ。

カットの仕方は串切りが基本。一番厚い部分が1センチ程度になるようにカットしよう。

これだけ品種が並ぶと壮観だ。

これらをまず低温で一度揚げする。それを油切りしてしばらく置いて、その後180度以上の高温にした油で短時間に表面をカラッと揚げる。揚げすぎは水分が抜けて美味しくないので禁物だ。

こうしてできたフライドポテトには、塩をふってそのまま食べるので十分。あまりに美味しいのでびっくりするだろう。マクドナルドのポテトに慣れた口にはショッキングなほどに豊かな味なのだ。

この時期にしか味わえない、家庭でのフライドポテトをぜひ味わってみて欲しい。十勝やっちの芋紹介については後日もっと詳細にレポートしたい。

2004年10月03日

山形の秋を堪能する! 里芋と秘伝エダマメ

山形県が誇る美人農業改良普及員である一戸さんと高橋さんより、嬉しい小包が届いた。数日前に一戸さんからこんなメールが送られてきたのだ。

ところで、秘伝大豆の枝豆がおいしくなったので、そちらに送ろうと思うのですが、今週は会社の方にいらっしゃいますか?返事をいただければ、すぐ送ります。ただ、今年の秘伝は、一昨年のよりも、なにやら甘みが足りない感じがします。感動するところまでいかないと言うか・・・いえ、(^^;)私はひとどんぶり食べますが。

やったぁ ぜひぜひぜひ、と日時を指定させて頂いたのである。すると高橋さんからもこんなメールが。

今日、うちの一戸と一緒に秘伝豆とさといもをとってきました。 山形の自慢の味をお楽しみくださいませ。

そしてとうとう一戸さんより、

秘伝送りました。明日の午前中着の予定です。 試作中の黒豆枝豆と、里いも、新米も入れました。 黒豆、秘伝は、ちょっと実入り過ぎで硬い感じです。

そして届いたのがこいつだ!

なんとなんと、大量の秘伝に加えて山形が誇る銘柄米「はえぬき」、そしてコシヒカリの新米。そして黒豆エダマメと里芋のセットである。嬉しいなぁ、、、
前にも書いたと思うが、改良普及員という仕事は生産者とふれあう仕事なので、どこの農家さんが一番上手い!という情報をよく知っている。仕事で商品を扱うJAの職員さんよりも、商売に直接はタッチしない分、おそらく純粋に旨い不味いの話ができる立場なのだろう。

ちなみに山形といえば、今年前半から数度来訪して、今年度には県の農産物マーケティングの仕事をするという話が進んでいた。しかし僕はまだ今年度、山形に足を踏み入れていない。「あれ?」と思った読者の方もいらっしゃるだろう。
実は、その話をしていた担当者さんが異動になってしまったのだ。担当者異動で、それまでの路線がガラッと変わってしまうというのは良くある話だが、その後なしのつぶてである。こういうのは非常にやる気を削がれる話で、「ああ そういうことならもうどうでもいーよ」という気になってしまうものだ。

しかし、、、こう言う時にやはり救いになるのは、女性なのである。いや、変な意味ではなく、女性らしいこういった心遣いが、一気に心を柔らかくせしめるのだ。

秘伝は、一戸さんが言うように少し実がパンパンに入りすぎて、超大粒。でも、しっかりした味の豆なので大丈夫だろう。早速に茹でて食べよう。

この見事な産毛をみて欲しい。秘伝は、いわゆる茶豆の系譜ではないらしく、あの茶豆特有の香りはあまりしない。しかしこれは王道を行くエダマメである。実に端麗、高貴、そして伸びやかに育った中学生という感じの堂々さを感じるのだ。


早速茹でる。いい豆が手に入った時は、濃いめの塩水で茹でるだけで、ゆであがってからの塩は振らないのが僕の流儀だ。それと、ゆであがってから水にとることはしない。旨味が逃げるからだ。ザルにあげてうちわであら熱を取る。

さやから実を外すと、この艶やかな、そして大ぶりな豆が顔を覗く。立派な豆だ。噛みしめると、存在感のあるしっかりとした食感と、清々しい香り、純粋な植物性タンパク質の風味を感じる。茶豆の香りはあまりしないので癖がない。本当に「生一本」といった感じの、清冽な味だ。

たしかにこれは丼一杯食べられてしまう。芋を煮る傍らで、もくもくとひたすら食べてしまった。

この秘伝エダマメを使った青豆豆腐というのがあるらしいので、いずれ食べてみたいのだが、とにかくいろいろと料理のバリエーションが利くのが大豆のいいところだ。

あ、皆さんわかってますよね?エダマメは大豆の若いやつですからね! これ、けっこう知らない人が多い。エダマメをそのまま畑で放っておくと大豆になるんですよぉ。

そしてこの日のメインは芋煮汁なんであった、、、(続く)

2004年10月05日

山形の秋を堪能する! 里芋と「はえぬき」に芋煮会に想いをはせる

 山形の秋の風物詩といえば芋煮会だ。里芋をベースにした鍋を野外でつくり囲むというものだ。

 僕は実際に芋煮会には参加したことがないので、ぜひ一度本場で味わってみたいと思っているのだが、、、一戸さんから芋煮鍋のレシピを教えてもらったので、これでチャレンジしてみたわけである。

 届いた里芋はなかなかに見事。今年は夏場の雨が少なかったので里芋には厳しい環境だと思うのだが、一戸さんの手紙にも『今年のイチオシは里芋かな』とあった。

 一戸さんが教えてくれた芋煮のやりかたは下記である。

《 いも煮 》 皮をむいたサトイモを箸が通るまでゆでる。 ゆで汁はとりかえないで、酒(どぼどぼ)、砂糖(好き好きで)、しょうゆ、平こんにゃく(箸でブスブス刺して味がしみやすくしておき、手でちぎる)を加えて煮る。 牛肉(バラで、たっぷりあるとおいしいです)を入れる。 最後に斜めに切ったねぎを加えて、火が通ったら出来上がり!

極めて簡単。しかし、ここで重要なのは、里芋をゆでたネトネトの汁を捨てずに、これに味を付けていくというところだろう。日本料理ではよくゆで汁をすてて出汁を含ませるが、芋煮にするにはこれがいいのだろう。

芋は適度に切り分ける。薄皮を金タワシでこそぐ。大ぶりの芋は半分か4分の1に断ち割った。美しく白い断面が色っぽい。

さて一戸レシピでは里芋とこんにゃく、ネギと牛肉というのが具の構成だ。

しかし、、、

ここで私、食い倒れ党首は告白しなければならないことがある。

読者の皆さん、どうか心して聞いて欲しい。


実は私は、この世でコンニャクだけは食べることが出来ません

よく「嫌いなものないでしょ?」と訊かれるのだが、、、コンニャクだけはどうしてもダメなんすよ。オフクロ曰く、「アンタが物心つくまえに、すき焼きに入れたシラタキが好きで毎回一玉食べてたの。ある日、それが調子に乗って二玉食べて、気持ち悪くなって戻しちゃったのよね。それ以来食べられないみたいよ」とのことだ。そう、これは物心つく前からのトラウマなのだ。だから申し訳ないけどコンニャクフルコースとかには、僕は参加できない。食わず嫌いじゃなくて、何回もトライしてダメなので勘弁して欲しい。

ということで、芋煮の具もコンニャクは使わないのであった。肉とネギだけだと寂しいので、勝手ながら油揚げと舞茸(栽培もの)を加えました。

芋を煮ると、ヌタヌタのネットリ液が出てきて、粘着質な汁になる。

これに具と調味料を加えてできあがりだ。牛肉は結構はり込んだ。

 出汁を入れないで旨いのだろうか、と思ったが、薄味ながら味わい深い。これはやはり野外料理だな。うっすらと肌寒くなった頃に野外でこの汁をすすり、芋を囓り、牛肉の濃い出汁に舌鼓を打つ。当然、酒が進む。どうせならヤカンででもお燗をつけたのをやりたい。吟醸なんかではなく、食中にいける純米酒を熱めに燗づけし、グビッとやるのだ。

 ふと思い出したように里芋を割ると、この断面の美しさだった。

ねっとりほっくりとした里芋は「丹精」という言葉がお似合いだ。次回は濃いめの出汁で煮含めてみよう。

 この芋煮に併せて、一緒に送って頂いた銘柄米「はえぬき」を炊く。一年以上前から僕は、炊飯器を使わず業務用アルミ鍋でご飯を炊いている。
これが一番旨い米が炊けるからだ。米の一割増の水で20分浸水し、最初から強火でガンガンと炊く。水分が少なくなってきたら弱火に落とし、プチプチという音が聞こえたら最後に一気に火力を上げて少しのコゲを作り、火を停める。10分蒸らすとご飯がふっくらと艶やかに炊きあがる。

 初めての米を炊く時は、とにかく水加減の見当がつかない。ずっと食べ続けている米と同じだと思うとまったく違うことになりがっかりするものだ。通常、この時期の新米だと水分含有量が多いはずなので、いつもより水分を落とす。しかし今年の「はえぬき」はしっかりした硬度があるので、いつも通りの水分量でよかったかもしれない。しかし、一口含むと、キリッと切り立つ、端麗な味わいである。コシヒカリのような華美な味ではなく、一本筋の通った、凛とした細身の美人といった風情の味だ。細身だがコシはしっかりしている。これは山形の漬け物と食べたいなぁ、と思う味だ。

 この時期にいただく新米は本当に有り難い。ごちそうさまでした→一戸さん、高橋さん

 願わくば、いつか本場の山形での野外芋煮会に参加したいものだと、遠くを想うのであった。

2004年10月10日

炸裂! タンドリーチキン60本の巻

 3ヶ月ほど前に、「ハーブスタイル」(誠文堂新光社刊)という雑誌を紹介した。その名の通りハーブに溢れたライフスタイルを模索するというか何というかの季刊誌だ。その辺の中規模以上の書店にいけば最新号が売っていると思う。

 で、この雑誌に、「スパイスボーイズ」というばかげた連載が掲載されている。そう、ボーイズというには少し行き過ぎた僕や編集者のミソノ氏が、スパイス料理をその道のプロに教わり作ってみるという企画だ。企画自体はまともだけど、紙面がよくある写真漫画的に作られているのと、テキストを僕が書くのではなく悪ノリ編集者のミソノ氏が書くので、とてつもなくアホらしい頁に仕上がっているのだ。ほんっとに恥ずかしいんだけど宣伝しない訳にはいかないので、書店でみかけたら笑って欲しい。


 さてその連載の今回のテーマは、「タンドリーチキン」なのであった。いつものごとくミソノ氏&カメラマンとアメ横を訪れ、スパイスの殿堂である大津屋商店に向かう。インド料理マニアなら知らない人のいない、ここで揃わぬスパイスはないという店だ。

 にこやかに迎えてくれた竹内ファミリーが、この日のためにとっておいてくれたスパイスは、なんと世界有数の辛さを誇るトウガラシ、ハバネロのパウダーである。

「いやじつはこれはまだ商品じゃないんです。メーカーがサンプル品をうちに置いていったんですよ。」

「なんでまだ商品になっていないんですか?」

「『危険だから』だそうです、、、」

なんでも、このパウダー、眼に入ったりしたら失明の危険があるらしいのだ!大津屋商店でも実はこのパウダーを試食した人は居ないらしい。
、、、そう、今日この日、僕が初めての実験台になるわけだ。今回のバカ連載の紙面の目玉は実はこのハバネロを舐める僕、である。

 ハバネロは世界一辛いトウガラシといわれている。辛さを表す単位をスコビルというのだが、メキシコの有名なトウガラシであるハラペーニョの10倍辛いそうだ。これまた有名なタバスコペッパーというトウガラシが50000スコビルだそうだが、ハバネロは300000スコビルというオソロシイ数字を叩き出している。とにかく辛いんである。
 その辺が細かくびっしりと書かれた説明書きが、ご丁寧にもこのサンプルについてきている。

まあ、ここまで来たら舐めてみるしかない。嫌がる大津屋2代目と共に、舐めてみた。どんな辛さだったかは、この顔を見て察して欲しい。

更に、同行のミソノ氏がこのトライアルを動画に収めている。ブロードバンド回線で、かつ暇な人はどーぞ。

■ハバネロ舐めて悶絶するやまけんの動画(18MB)

さて企画自体はそういうイロモノだけではなく、タンドリーチキンなのである。大津屋特製のレシピをいただき、作ってみるという算段だ。

■タンドリーチキンの材料

鶏肉:
・手羽元
・もも肉
※とりあえずどの部位でもいい。けど、食べやすさ、作りやすさ、美味しさ、そして安さから手羽元を推奨します。

スパイス類:
・クミン
・ガラムマサラ
・チリペッパー(今回はハバネロを使用したが、普通ならカイエンヌペッパーだ)
・タンドリーカラー(食紅)

その他:
・無糖ヨーグルト(適量)
・レモン
・ショウガ
・ニンニク
・塩
・胡椒

あー ちなみに大さじ何杯とかそういうのは割愛!そんなの守っても旨くないから、大体味見ながらやってみてください。それと、これは通常2日がかりです。最低でも6時間はタンドリーペーストにチキンをつけないと意味がないの
で、前日の夜から仕込むようにしましょう。

まず、鶏肉に下味を付ける。塩を多めに万遍なく振り、レモン汁を多めに絞り、これをよく揉み込む。

塩味をつけて余分な水分を抜くことと、そして酸味をつけることがポイントだ。鶏肉は淡泊な味で酸味成分がないため、柑橘などで足してやらないと単調な味になってしまうのである。これで1時間ほど寝かせると、水分が出てくるのでそれを手でしごいて次の工程へ。

タンドリーペーストを作る。無糖ヨーグルトにニンニクのすり下ろしとショウガのすり下ろしを、「ドカッ」と入れる。

「あ~ そんなにいれるの?」

とミソノ氏が叫ぶくらいに、だ。タンドリーチキンは上品な味つけにしては面白くない。ドカンといこう、ドカンと。

そうしたら、スパイス類を足していこう。

基本、ヨーグルト500mlにクミン、ガラムマサラは大さじ山盛り一杯ずつくらいと考えていいだろう。

チリペッパーについては何とも言えない。

辛いの好きな人はタップリ加えて欲しい。

そしたらタンドリーカラー(食紅)をちょっとずつ加える。少量でかなりキツイ色がつくので気をつけよう。色合いだが、インド料理なんだから、けっこう派手目に赤くなるくらいでいいと思うゾ。

これに塩を加えて味を調える。鶏肉に下味がついているので、それほど濃くなくてよい。

そうしたら、このタンドリーペーストを鶏肉にからめる。

ここではボウルに入れているが、ある程度の量があるなら、ビニール袋に入れるのが一番いいと思う。

この状態で最低でも6時間は寝かしておこう。

さて6時間以上経ったら、いよいよ焼きに入る。焼きは何でやるか?そもそもタンドリーチキンのタンドリーとは、インド料理には欠かせない金属製の壺の釜である。この釜の中に炭を燃やし、オーブンにしてナンやチキンを焼くのである。でも日本の家庭でタンドリーなんて買うわけにはいかないので、他の道具を利用するしかない。

フライパンで焼くのは×である。すでに実験済みなのだが、水分が飛ばずパリッと焼けない。オーブンで焼くのも、火力がおとなしすぎてうまくいかない。一番いいのは、、、魚焼き用のグリルである。これの網をとってしまい、鉄板のうえにアルミホイルを敷く。そのうえにチキンを並べて焼くのである。

直火の強火で焼くと、チキンの外側がパリッと焼ける。しかも、手羽元ならば中心に骨があるので、わりと早く、ジューシーさが残るように焼けるのである。これはノウハウだな。そうそう、焼く時に、鶏肉についているペーストは、あまり拭う必要はない。ペーストが焼けるとのヨーグルトの水分がぬけて、スパイス風味の濃い良い衣になるのだ。

こんな感じでバッチリ焼けるのである。

このご家庭でもできるタンドリーチキン、結論からいうと最高に旨かった。

タンドリーペーストはクミン・ガラムマサラ・ペッパーと3種のスパイスしか使っていないのに、複雑玄妙な味わいである。ヨーグルトに加えてレモンを利かせることで、酸味が適度に補充され、食をそそる。ニンニクとショウガをこれでもか!と利かせたのは正しかった。かなり香ばしく風味が出ている。そして肝心のハバネロの辛さだが、とてもいい感じに辛い!汗が出てくるが、一心不乱に食い進んでしまった。カメラマンとミソノ氏も無言でしばし食べまくる。

と、こんな感じだったのだ。この詳細版というかアホらしバージョンが、紙面には載っていると思って欲しい。ただ、レシピはもうすこし厳密なものが載っているので、レシピをきっちり知りたい人はどうぞ買ってね。


さてこの取材から1ヶ月半後、ある集まりでタンドリーチキンを60本作ることになった。60人集まるということで、60本。手羽元の調達からかなり凄まじい話になりそうである。折しも仕事が超繁忙期だったので、3日がかりで少しずつ作っていった。

まず一日目、鶏の手羽元65本を調達。これに塩をし、レモン(5個分)を絞り、ビニール袋で3つに分けて下漬けをする。

2日目、ヨーグルト1.5リットル分のタンドリーペーストを作る。大型ボウル一杯分のペーストを作る際、リニアにスパイスの分量を等倍すればいいというものではない。分量が多くなると、味のアタリがつくポイントは全く変わってくるのだ。なので、スパイスはドカドカ、ニンニクもドボドボ、指を入れて舐めまくって味のアタリをつける。これを、汁気を絞った鶏肉のビニールに入れて、揉み込みながら冷蔵。

3日目、よく漬かった鶏肉を取り出し、自分で編み出した魚焼きグリルと電気オーブンに並べる。一回25本程度焼けるので、3回転くらいで焼き上がる寸法だ。

しかしここで計算が狂った。グリルは強火の近火なのですぐに焼けるのだが、オーブンは210度にしてもじりじりとしか焼けない。しかも、肉から大量に汁が染み出してくる。この廃液だけでも相当な量が出てくるので、途中でこの肉汁を捨ててやらないと、焼きじゃなくて煮になってしまう。これが今回の廃液である、、、↓

鶏の脂がどっぷり入ったこの汁、なにかに使えないもんだろうか、、、

さて四苦八苦しながらも焼き上がりはなかなかのものだ。

換気扇は前回、冷房をガンガン効かせても汗が噴き出してくる。どんどん焼いて、段ボール箱に油紙を敷いて詰めていった。

どうにか60本焼き終えて会場入りに間に合った。食べた人は口々に「美味しい!」と言ってくれた。

このタンドリーチキン、手間はかかるが、技術的には難しいものはまったくない。材料もそれほど高くないし。スパイスはアメ横大津屋で買えば100gで400円程度で済む。100gなんて普通使い切れないよ。ぜひこのタンドリーチキン、もてなし料理にしてみて欲しい。僕はもう、会得した。

2004年10月18日

ぐあっ 無茶苦茶 旨い! 伊藤家の今年度の新米はサイコーだ

 先日、秋田で稲刈りのお手伝いをしながら2日間でほぼ一升の米を食べてきたのは、報告したとおりである

 その伊藤裕樹(ひろっきい)の家から、早速新米が到着した!届いたのは必殺・激殺のミルキークイーンである。これは僕らが刈ったものではないと思うのだが、ひろっきいのおじさんが、作業にいく道すがら、

「今年の米は気象条件からも現在の稔りの状況からみても、昨年度よりは確実に旨いはずだよ。」

と太鼓判を押していた。そのミルキーである。

昨年度までの袋から、中が覗けるように窓の付いた新タイプの米袋に、5Kgの新米が入っている。米びつにしているタッパーに入れると、何とも言えないくすんだ乳白色の色合いが、ミルキークイーンの名を思い起こさせるのだ。おお、新米よ、、、

早速に炊いてみる。新米なので、水分含有量が高いはず。いつもより少し水を少なめにして一時間きっちり吸水させ、いつも通りのアルミ鍋で強火で炊く。炊きあがりを見極め、蒸らしを入れて蓋を取ると、キラキラと輝くまばゆいご飯が炊けていた。

本日おかずはイワシの丸干しとサンマのみりん干し、長島農園のネギと豆腐のみそ汁、これまた長島農園のハヤトウリの浅漬け、そして十勝やっちのインカの目覚めと沖縄のポーク缶の炒め物である。

まずおかず無しでご飯を一口いただいて もうこの時点で驚愕の旨さである

なんだこりゃぁああああ

昨年度産米を軽く二回転半程度は上回るモッチリ感と粘り、そして粒の立った噛みごたえが快感で快楽! 風味はミルキーの餅米香が押さえられており、通常のうるち米と同様な日本人好みの香りだ。

旨い、文句なしに旨い!

先日、山形の一戸さん・高橋さんから送られてきた「はえぬき」も、一本ピンと背筋の伸びた端麗な味わいがあったが、こちらのミルキーはどちらかといえば芳醇、それに強い印象をもたらす食感があり、インパクトが強い。お米ってなんて多様な顔を持つ食べ物なのだろう。感動してしまった。

今日、用意したおかずで一番米と相性がよかったのはみそ汁だ。ご飯とみそ汁だけでも良かったくらい。逆に、ポーク缶とインカの目覚めを炒めたものは、味が濃く洋風だったため合わない。しみじみと、ご飯っちゅうのは和食の基本なんだな、と思った。いや違うな、ご飯をベースに組み立てられた食事のあり方が和食なのだな

また、日本の伝統食があっさりとしたもの中心である理由もこうして新米を噛みしめてみるとよっくわかる。それが合うのだ

いや
本当にいい季節である。皆さん米を、ご飯を食べましょう。今この時期に、ご飯を食べずにどうする?

ひろっきい、ご馳走さんでした。
こうなったら全国の米を食い比べてみたいもんだ。どっちかというと野菜が専門なので、米はそれほど含蓄がないんだよね、、、旨い米作ってる農家さん、読んでたらぜひメール下さいネ。

2004年10月20日

来たぞ高相場 野菜は壊滅的だ、、、

予想通り台風による農業被害が酷い。野菜の高相場も大変なところまで来てしまった。

とうとう、16玉入りのレタスが市場卸値1万円という高値になってしまったのだ。

という話を、兄弟blog 「俺と畑とインターネット」書いたので、関心あればどうぞ。

2004年10月21日

大技炸裂 奈良漬けにチャレンジするぞ!

前の前のエントリで扶桑鶴さんを出したのには実は意味がある。先日、僕のオフィスに、周囲を幻惑させる香りが染み出ている箱が届いたのだ。段ボール箱の中身は、、、4Kg 入りの酒粕である!

この圧倒的な存在感(持って帰るの重かった、、、)を醸し出す酒粕をどうするか? 自家製の奈良漬けを作ろうという魂胆なのである。

僕も33歳、イイ年になってきて、昔は好まなかったものを美味しいと思うようになってきた。漬け物、特に本漬け、古漬けという、発酵食品としての王道の熟成した漬け物の味わいが溜まらなく好きになってきた。それでも奈良漬けはあまり美味しいものに出会わずにここまで来たのだ。

それがこの初夏、40度を超す猛暑の中、素晴らしく旨い奈良漬けに出会ったのだ。blog読者にしてアメリカ在住の読者、のぶかなさんが帰国している時、今のところ僕の中では日本最強のご飯の友である「なんばんの粕漬け」(山形県白鷹町 まあどんな会の手作り)を所望されたので、引き渡しのためにオフィスに来てもらったのだ。

(最近の読者さんはその辺の事情もしらないだろうな。あまりに旨いんで、このblogで68本共同購入したという、すごいご飯の友なんですよ!過去ログその1  か その2 をどうぞ。)

 過ごしやすいアメリカからいきなり日本の蒸し暑さの中、清楚な佇まいののぶかなさんは、なんとご実家から白瓜の粕漬けを持ってきてくれた。

「義母が作っているんですが、とても美味しいんですよ」

と、かなりの分量を分けて下さったのだ。その時は実は「ん~奈良漬けかぁ、、、」と思っていたのだが、家に帰って切り分け、食べてみてびっくりした

なんだこりゃ旨い~ いままでこんな奈良漬けくったことないぞ!

ということでのぶかなさん経由で、のぶかなさんの義母さんに造り方を教わったのである。

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<材料>
白瓜 4kg
塩 適量

酒粕 (練り粕) 4kg
砂糖 1.5kg *最後に容器の上に振りかける分を取り分けておく
焼酎 少々

<作り方>
1. 白瓜は種を取り、その穴に1/3量の塩を入れて全体にまぶし
一昼夜置く。
2. 水気を切って、半日ほど天日で干す。
(ここでしっかり水気を切っておくことが、漬けてからカビないコツ)
3. 酒粕と砂糖を混ぜて、干した白瓜を漬ける。
4. 漬け込んだら、残りの砂糖をふりかけて、焼酎を少々振りかける。
5. ラップをぴっちりかけて冷暗所に寝かす。
1ヶ月後くらいから食べれます。
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なんとなんと。練り粕ってのが必要なのね。早速、竹鶴の石川杜氏に連絡した。

まず、酒を搾ったときにできるのが板粕、それを桶などで寝かせて(常温にて)軟らかくなったものが練り粕である。 竹鶴では、6月頃にそれを掘って(重労働)、袋詰めする。前にも話した通り、粕の売れ行きは好調なので、詰めた端から売れてしまう。ということで、ほんの少しならともかく、在庫はない。ないと言っておいて自慢するのも嫌味だが、うちの粕はかなりのもんだぞ。まあ、来年まで待っていなさい。

なんだよぉ~ 来年まで待てるか!
ちゅうことで、昨日のエントリにも登場した扶桑鶴の大畑専務に相談。

「いいですよ、やまけんさんの分、確保します」

やったぁ!!! 大畑さん最高です! そんで送ってもらったのが先の練り粕なのである。この粕、すばらしい香りだ!舐めてみると、米の味と甘さ、そして酒の風味がたまらない。このまま焼き魚に塗って食べてもイイくらいだ!これに漬け込めば、人為的に失敗しても食えるものが出来る気がする。

次ぎに困ったのが、肝心の白瓜である。 白瓜(しろうり)って、一般の人は余り知らないだろう。漬け物用のウリなので、晩春から夏までの一時期に、限られた店頭にしか出回らないのだ。で、タイミング的にもう間に合わない。長島農園や、茨城の生産者団体さんに連絡しても「もうないよ~」とのことだ。

「ウリだったら、まあハヤトウリが獲れるかな。」

というのが長島君の弁だった。よし、ハヤトウリでやろうということになったが、そのタイミングで台風が襲ってきた!

「やまけん、台風でやられちゃうから、今日送っておいた!ものは小さいけど、台風で全部だめになるから、我慢して!」

ということで送ってきてくれたのだ。感謝!

こいつを塩漬けにし、さらに水気を切るため天日に干す。こうしておかないとカビが生えたりするそうだ。湿気が多い日が続くので丸2日間干した。このハヤトウリを粕床に漬け込む。

粕床だけど、タッパーなどでヤルのがいいのだろうけど、満足に保存する場所がない。なので、ビニール袋で代用!砂糖と焼酎と混ぜた酒粕をビニールに入れ、下漬けしたハヤトウリを漬け込む。あとは待つだけである。

アメリカでハヤトウリで試したのぶかなさんからは、「ちょっと失敗~(涙)」という報告が上がってきている。さて、僕の奈良漬けは成功するか否か? 答えは1ヶ月先に明らかになる、、、

2004年10月25日

富良野の名店「唯我独尊」のカレー全国出店情報 名古屋・小倉・仙台編

 富良野のカレー&ソーセージの名店「唯我独尊」がこのところ色んな地域で催事に出店している。この全国行脚は、水先案内人のD黒さんによれば以前からやっているとのことなのだが、今年はまた凄まじいペースである。先々週までは、このblogでもお伝えしたように、横浜と大阪にてやっていたのだ。ああ、いいなあ、、、俺も食いたい、、、

そう思っていたら、宮田マスターから連絡があった!

「山本さん、先日は告知頂いてありがとうございました!」

「おお!マスター!忙しそうですねぇ、、、富良野市議の仕事はできるんですか???」

「いやぁ きっちりやってますよ!それでね、また色んなところに行くことになったんで、ご連絡です!」

おおおおおおおお
また東京に来るのか、来るのか! 全身全霊で駆けつけるゾ!


「今回はですね、名古屋と小倉と仙台に行きますよ!」

、、、?


んん?


それって関東にはかすりもしないじゃん!


「えぇ 今回は関東には行かないんですよぉ、、、」

なんと! 宮田マスター、わしのblogに他地域への出店情報を掲載するためだけに連絡してきたのである! ぐわぁああああ 蛇の生殺しとはこういうことを言うのだ、、、


けど許す。

名古屋、小倉、仙台の皆さん、おめでとう!日程は下記の通りです!

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■唯我独尊出店情報

名古屋: JR高島屋 10月27日~1日 (全日)
小倉: 井筒屋 11月3日~14日 (3~7は確実)
仙台: 藤崎 10月29~11月10日 (8.9.10のみ)

※ ()は、宮田マスターが居る日です。
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いいなぁ、、、このblogみて駆けつけた人は宮田マスターに、

「やまけんが『何で東京に来ないんだよぉ』と恨めしがっていた」

と伝えて下さい、、、  お食い逃しなく!

2004年10月27日

北の国から鮭届く 解体と漬け込みの朝

 本日は午前中は勝手にお休みなのである。なぜかというと、網走から鮭が一本届くのである!

 先日、奈良漬けを仕込んだ訳だが(まだ1週間しか経ってないけど)、台風の影響で奈良漬け用の野菜が入手できず、粕が余っている。それならばと思い立ち、先日イクラを送って下さった、網走の美人キャリアウーマンSさんに「鮭を粕漬けにするから送ってくれ~」とお願いしたのである。

「おやすいご用!うちじゃ10本以上山漬けにしたばかりだから」

と、送って頂けることになった!ちなみに山漬けとは、鮭に強めに塩を抱かせて重しを載せて漬ける、いわゆる塩鮭の仕込みのことだ。

包丁を研ぎながら待っていたら、宅配が来た!竹鶴の石川杜氏からの西条柿とともに、テーブルの上に3箱も積まれてしまった。

さて、これが鮭一本だ!

おもわず釣りキチ三平のごとく、ポーズをとってしまった。でかい!

さすがに鮭を一本さばくのは初めてだ。半身だったら買うこともあったが、一本ちゅうのはかなりなボリュームである。とうてい僕一人で食べきれる量ではないが、鮭の素晴らしいところは、冷凍できるということだろう。さばいて半分を粕漬けにして、半分は冷凍するつもりである。

まず、ウロコとりである。僕は魚の皮が大好きで、パリパリに焼いて食べるのは堪えられない。この時ウロコがついていると興ざめしてしまう。Sさんも、

「さばくまえにウロコを綺麗にとらないと!」

と言われたので、まずはなまくらの包丁でウロコをこそいで取る。

ものすごい量のウロコ片がビシビシと台所を飛び交う。結局工程の中で最も時間がかかったのはこのウロコ取りだ。

さてウロコをふき取った後、包丁を入れて2枚におろす。鮭は骨がついていたままの方が好きなので、2枚おろしにするのだ。僕の持っている中でも一番でかい牛刀を背中からいれて割っていく。

中からはきれいなサーモンピンク(これこそ!)の身が覗く。鮭の身は割れやすいので注意が必要だ。

二枚におろして、頭部を切り離し、頭を二つに割る。包丁をよく研いでおけば、力をほとんど入れずに断ち割ることが可能だ。頭部からはカマの部分を切り離しておく。ここが一番ご馳走だもんね。

あ、書きながら思いだしたけど、ハラスの部分をとっとくのワスレタ、、、

二枚におろした身のほうは、あとはもう切り身にするだけだ。

しかし、静かに興奮する。いつもそうなのだが、店に売っている、人の手の入った食品をこの手で作るということは、何とも言えない醍醐味がある。魚屋やスーパー店頭で並んでいる鮭の切り身を、自分で作り出すというのはオツなものだ。

自分でさばいた切り身が、片方で10切とることができた。これが、今回の鮭の全容である。切り身に頭部、カマなども見えるだろう。大きなバット一杯になってしまった。

次ぎに、いよいよ粕漬けである。Sさんからはいつものごとく、詳細な説明メールが届いている。

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鮭は身を食べるのはオスの方が美味しいといわれています。と言う事で、
「粕にして食べるならオンタ送るか?」 と父が言うので
「そうしてよ」 と言っておきましたので送ったのはオンタ(オス)です。

実家から聞いてきたレシピです。(料理さんのレシピと違って漁師レシピですからあてになるかな?参考程度にしてね)

①魚は山漬けを使う。
②粕は少し酒でのばす。
注)魚が甘口の場合は粕に少し塩を混ぜる。
③切り身にした鮭にぬったくる
④2,3日冷蔵庫でなじましてから焼いて食べる。
注)山漬け:ガッチリと塩し更に重石をかって少し
水分を抜いた漬け方

なーんだ、簡単じゃん。でも、失敗するのは鮭の本来の塩加減によるようですよ。こりゃ難しいですね。それで、失敗しないコツを教わってきたので、面倒でなければチャレンジしてみてください。

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母が言うには、
「粕にする時は、一度さばいた鮭をそのまま一切れ焼いて食べて、塩加減見てからじゃないとダメ」
だそうです。
でも、この塩加減が難しいですよね?漁師は長い間のカンで解っていますからね。目安としては、焼いて食べてみて
「こりゃ、甘口だな、このまま食べた方が美味しいな」と思ったら少し粕に塩を混ぜるそうです。
「結構しょっぱいな」と思ったらそのまま粕にするのだそうです。
でも、甘口が好きで、粕にザラメを混ぜるところもあるそうです。
※どちらにしても、鮭が甘いと失敗するそうです。

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なるほど つまりここで一切れ焼いて食べて塩加減を計らないといけない。ま、そう思って朝飯を食わずにいたのである。飯を炊き、一緒に送ってきて下さった布海苔(ふのり)を洗い、みそ汁を作り、そして鮭を焼く。

鮭は、焼き初めからジュウジュウと油が滲み出て、派手な音を立てている。裏面も、皮目もバリッと焼き、食卓へ。


うおおおおおおおおおおおお
たまらん!実に旨そうである。この立ち上る強い香気を皆さんにも届けたい!堪らず口に運ぶと、鮭独特の香りと、甘さを含んだ塩気が弾ける!急いでメシをかきこみ頬張り噛みしめる。白米の甘みと鮭の風味と塩気が混ざって、気が遠くなる旨さだ!

そしてこの皮目の旨そうな色を観よ!身から外してバリバリのそれをご飯に載せて食う!本当に最高である。この皮だけ2平方メートル分食べたいぜ俺は!

あんまり旨いので続けてカマの部分も焼いてしまう。


カマには塩が強く、結果これだけでメシをもう一杯食べてしまった!んー

しかし、いっしょに食べた布海苔のみそ汁はこれがまた絶品だ!

乾燥ものではなく生だからか、磯の香りが強い!でも、それがすえたような香りではなく、爽やかなのだ!

このみそ汁、鮭、白米の三点セットで俺は生きていけると、力強く思った。和食って本当に素晴らしい!

で、結論として鮭の塩加減は、焼いて食べるのにちょうどよい。つまり粕漬けにするには少し甘いということがわかったので、酒粕に塩を加え、砂糖も混ぜ、この粕衣で鮭の切り身を漬け込む。いくつかに分けて漬け込み、冷蔵庫でしばらく寝かせるのである。

いや
本当に楽しみだ、、、

今回さばいて実感したが、鮭は捨てるところがない。頭も汁にすれば旨いし、軟骨はナマスにして食べることができる。長いこと日本の食卓に上り続ける理由がよく分かる。このblog読んでいる一人暮らしの皆さんもぜひチャレンジして欲しい。

というのも、
新潟の地震を観ていると、ライフラインが確保できない時に、どのようにしてメシを食べるかが問われるような気がするのだ。そのためには料理の技術が絶対不可欠だろう。魚をさばくというのはそれほど難しいことではない。料理人のようにやる必要はないからだ。どんな形でも切りさえすれば食えるんだから。

保存食を作るということは、コンビニやスーパーでしか食料を買わないライフスタイルへのテーゼだ。スローライフなんていいながらカフェに行くんじゃなくて、まずは鮭!と心に刻む昼餉であった。

Sさんどうもありがとうございました!またよろしくですぅ、、、

2004年10月29日

フライドポテト好敵品種 「ホッカイコガネ」を食べたいか!?

今回は新しい試みをやるぞ!抽選で10名様なのでよーく観ておくように!

北海道の帯広で農業を営む「十勝やっち」君のことは何回か採りあげた。僕が帯広の農協に行った時にわざわざ会いに来てくれた読者さんだ。で、先日彼から、色とりどりのジャガイモが届いたのをレポートしたのをご記憶だろうか。

■ジャガイモ百花繚乱。最適な食べ方をお教えしよう
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/000470.html

このとき、十勝コガネという、フライドポテトに旨い品種を送ってきてくれたのだが、彼曰く

「実はこれから収穫されるホッカイコガネが一番美味しいです!」

とのことだった。そう、ホッカイコガネという芋は、フライドポテトに最適化された品種で、玉が扁平で大きく、でっかいフライドポテトにカットすることが家庭でも可能。そして、でん粉の含有量を表すでん粉価が高いにもかかわらず、熱を加えても崩れることがない。ということは、ホクホクしているのにしっかりした食感という美質が両立する、希有な芋なのだ!

 この辺の、ジャガイモに関する知識は、実はもうすぐ発売される季刊誌「やさい畑」(家の光協会刊)http://www.ienohikari.or.jp/yasai/index.htmlの冬号に執筆しているので、もし関心のある人は買って読んで頂きたい。かなり充実の内容になっているのでお奨め号だ。なんと今号では、じゃがいも15種類を食べ比べしているのですよ。

 話が逸れたけど、十勝やっち、そのホッカイコガネ俺にも食わせろ!!!それだけじゃなくて、消費者向け販売してみたら?と話をしたのである。そうしたら、

「じゃあ、10名様くらいに、ホッカイコガネとメークインを合わせて5Kgくらいで販売しましょうか。」

という申し出があったのだ! おおっこういうパターンは食い倒れ日記でも初めてかも!

覚えている人も多いだろうが、以前、山形の「なんばんの粕漬け」という超絶絶品辛いご飯の友を、このWebで共同購入したことがあって、70本くらい買い入れた。おいらはあんまりこのWebで商業的なことをやりたくないのでその後あまり同様のことはやらなかったけど、今回は十勝やっちの好意に対する御礼お手伝いということで、受付をすることにしたい。

この絶品じゃがいも「ホッカイコガネ」とメークインのセット、10セット限定。十勝やっちは全く商売っ気がないらしく、芋の価格は1000円以下である。しかし、ご存じの通り、北海道からだと送料が無茶苦茶高いので、僕の方で下記のようにアレンジした。

■十勝やっちのジャガイモ販売!
内容:ホッカイコガネ2.5Kg+メーク2.5Kg
荷姿:泥付きの芋をビニールに入れて段ボール詰め
※泥土は芋にとっては皮膚と同じ。洗ってしまうと保存ができません!スーパーなどで泥を落として売っているのは鮮度上はよくない!ので泥付きで送ります。
送料込み価格:
・関西以東:2020円
・関西から先:2220円
決済方法:着払い

いかがなものだろうか?
店頭にはあまり出回らないホッカイコガネを入手するチャンスだ。それと、一緒に入ってくるメークインだが、十勝やっち曰く

「ちなみに僕のイチオシはメークのコフキいもです!ジャガイモの主産地といわれる十勝でも私の家は気候的に涼しく、更に畑の輪作から土作りを最適にしてるためか、メーク特有の風味が濃くなっています。今年は猛暑のためかそれにばらつきがありますがメーク好きにはたまらないですよ!」

とのことだ。僕は食べたが、確かに煮ても蒸かしても風味が濃い!香りがこんなに強いメークは初めてだった。

申し込み方法だが、下記の方法でお願いします。

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・netfarm@mail.goo.ne.jpあてに下記のメールを送って下さい。
サブジェクト(表題)欄に「ジャガイモ希望」
本文には適当にアピール!
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かなりの申し込みになるかもしれないので、そしたら抽選にしまーす。仕事の邪魔にならないように、僕の仕事用メールには送らないでね。

では、北の国、十勝やっちの畑の画像を楽しみながらどうぞ!

2004年11月03日

おおお 甘い~なんちゅう甘さなんだろうか、、、 広島県 西条柿は極上甘味だ!

 竹鶴酒造の石川達也杜氏から、昨年に引き続き、西条柿が届いた!

広島が誇る酒蔵の街、西条市の名産品である西条柿は、樹になっているままでは食べられない渋柿である。それを、ドライアイスやアンモニアなどと封入して、渋を抜く。渋を抜いたその甘さは、通常の柿を遙かに上回る強い甘味であり、初めて食べた人はびっくりすること間違いない。

で、箱にはきっちりと食べ頃が記されている。この日付にならないとシブが完全に抜けないということだ。

箱を開けると、厚いビニールで密封された柿が並ぶ。この中に渋を抜くガスが封入されているのだ。

面白ものだなぁ、、、かつては焼酎に漬けておくなどしてシブをとったらしい。渋を抜くというのは化学反応なのだろうけど、俺にはようわからん。先人の知恵というか、何がなんてもこの柿を食ってやる!という意地が素晴らしいではないか!

26日まで待って柿を取り出す。

縦長の実は、上からみるとこのように可愛らしい特徴的な姿形をしている。同じ西条出身の編集者であるカンキさんによると、

「ズクズクに熟させて食べてね!それが一番美味しいから!」ということなので、まさに今、ズクズクにさせているところだ。写真は、そのズクズクの一歩手前。

このなめらかな断面、色っぽいではないか!

種がすくなく食べやすいのもこの柿の特徴だ。半分に断ち割ると熟した部分とまだ堅い部分とのコントラストが美しい。スプーンでこそげてデロデロの果肉を口に運ぶと、、、

甘~い!
糖度20度まで行ってるかわからないけどとにかく甘い!ビックリするくらいだ。この甘さ果糖だから、しつこい嫌味のある甘さではない。強いインパクトとキレのいい、舌に残らない甘さだ。これぞ粋な甘さといえる。

この柿、生ハムみたいな塩気の強いものと併せても良さそうだ。柿ナマスにするとちょっと甘過ぎかな。などと思いながら、日々甘さを増していく柿にそのままかぶりついているのであった。

タツヤン、ごちそうさまでした!

北の国からホンモノのシシャモが来る!川魚のような繊細な香りにすぐさま降参しました!

 関東に住む僕が、居酒屋などで口にする「シシャモ」が、実はホンモノのシシャモではないことが多いということは知っていた。で、ホンモノのシシャモがどんな味かということも、帯広で歓待を受けた時に味わってはいた。

しかし、本物のシシャモを、漁師が選り抜きに選り抜いて塩梅したものを食べるのは、これが初めてだった。


「10月13日にシシャモ漁が解禁されますので、東京でもホンモノを食べて頂く会を開催します。『居酒屋ししゃも屋』と題して、ししゃものフルコースを味わって頂きます!」

という連絡が近江さんから届いた。漁師・近江正隆さんは、しんのすけが引き合わせてくれた方で、実は3年前から盛んに「すごいシシャモがあるぞ!」と進めてくれていたものだ。でもいつもタイミングが合わず、食べず仕舞いだったのだ。見かねたのだろう、しんのすけが「今度近江さんが来るから、一緒に飯を食おう」と、六本木の隠れ家的な飯処(この店は残念ながら公開できない)で引き合わせてもらった。

第一印象は、

「この穏やかな人が、本当に漁師なのかぁ?」

ということだ。荒くれ漁師というようなイメージがみじんもない、思慮に満ちた文系の人、というのがイメージだった。控えめに笑いながらとつとつと話す彼の人生は相当に波乱に満ちていたらしい。なにせ東京でサラリーマンをしていたのに、辞めて北海道に渡り、漁師になったのだ。漁師は極端によそ者の闖入を嫌う。彼の苦労は並大抵ではなかっただろう。その辺の話は、楽天に出店している彼のWebをご覧いただきたい。

■漁師・近江正隆さんのWebショップ
http://www.rakuten.co.jp/shishamo/

落ち着いて訥々と語る彼はしかし、戦略家でもあるなと感じた。理に適った方向性をとり、、その理の通りに仕事をしていると思う。別れ際、「とにかくまだ食ったことがないんで楽しみにしてます」と言うと、「美味しいことには地震があります」と微笑んで帰っていった。

そのシシャモを食べる機械がようやく来たのだ!

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びっくりしたことに、居酒屋ししゃも亭の会場となったのは、日本橋の僕の借りているオフィスから50メートルという近さの、居酒屋駒八という店だった。どうやらオーナーが北海道の人らしく、貸し切りになっていた。会場には35人くらいだろうか、座卓についてししゃもを待っている人たちで溢れていた。


「え~ それでは始めさせていただきます」

と、近江さんのの発声で、会が始まった。

この日はとにかくししゃもづくしである。その合間に、北海道の幸も並ぶ。品書きにはししゃものフルコースが書かれていた。

ししゃもの骨酒
鰍(カジカ)のとも和え
秋鮭のちゃんちゃん焼き
本ししゃも刺し二種
天日干しししゃも二種
本シシャモの天ぷら
イクラご飯
ししゃもとナラ茸の三平汁


シシャモ骨酒は、炙ったシシャモを少し漬けていたのだろうか、蓋をとるとダシの濃い香りが漂う。

一口啜ると、シシャモからこんなダシがとれるのか!と驚く旨味が酒に滲み出てでいる。

カジカのとも和え、鮭のチャンチャン焼きは近江さんレシピだそうだ。

特にチャンチャン焼きは、通常は鮭に味噌を塗って鉄板で焼くのだが、彼のは醤油で焼くのだそうだ。

焼けた鮭をほぐしてスクランブル状になったのを食べ、骨酒を楽しんだ。

「皆さん、次ぎに観ていただくのが、今年のとれたてのししゃもです。昨日出漁して私が獲ってきました。今はオスが旨いので、今日はオス中心で楽しんでいただきます。」

と言って出てきたのがこれだ!

ししゃもってこんなに綺麗な姿形の魚だったのか、、、と意外に思ってしまったが、おそらく北海道、特に海の近くに住んでいる人たちにとっては当たり前なのだろうな。

「これからこのししゃもを刺身にしたものをお出しします。まずは醤油もわさびもつけずに一口、食べていただけますか。」

と運ばれてきたのが、小さなシシャモを綺麗におろした刺身である。本当にししゃもかよ?という典雅な佇まいだ。

近江さんの言にならい、美しい切り身を一つ、何も漬けずにそのまま口に運ぶ。噛んだ瞬間、瓜のようなシトラスのような香りが漂う。そう、川魚の雄である鮎は、頭からかじり付いた時にスイカのような香りが弾けるが、それと同じ系統の香りがするのだ!

「これを味わって欲しくて刺身にしました。繊細な味の魚なんですよ、、、」

いやまったく!本当に繊細な味わいと風味である。思わず3切れを何もつけずに口に運んでしまった。

そして、真打ちの「焼きシシャモ」である。大きいオスししゃもと、若シシャモの天日干しだ。絶妙な加減の塩水に漬け、干したという。この塩梅が漁師の腕なのだ。

頭から囓る。骨っぽさはほとんど感じない。瓜の風味は薄くなるが、焼きのちょっとスモークっぽい香りと適度な塩気、そしてあくまで上品な旨味が拡がる。そう、ししゃもって上品なのだ!ちょっとビックリ。無造作に焼いてバクバク食べるようなものではないような、本当に繊細な味わいである。

途中、箸休めというか何というか、あのニューウェーブジャガイモであるインカの目覚めのポテトサラダが出てきた。

「インカの目覚めはご存じの通り、栗の風味のする面白いジャガイモなんですが、これを少し貯蔵しました。貯蔵することで甘みが増すので、美味しくなるんです。これを年明けくらいに販売したいと思っています。」

なるほど。実は本日、インカの目覚めの主生産地として有名な帯広の幕別町のJAのノムさんから、「インカを貯蔵するとうんめえぞ!今度食わしてやるよ!」と電話があったところだ。今年は、インカの貯蔵が結構出回りそうな気配なんである。

さてその後、ししゃもの天ぷらとイクラご飯と、充実の〆に向かい始める。

しかし僕がノックアウトされたのは、若シシャモを使った三平汁だ。

通常は塩鮭でつくられる、北海道を代表する汁物である。これを薄塩じたてのシシャモで作るのだ。これが秀逸!大根と人参の甘みがししゃものダシを旨く引き立てている。これこそ乙な味と言えるだろう。

この会に集まった人たちがまた曲者揃いで面白かった。酒を飲み、笑いながらシシャモを食べた。近江さんはその人いきれの間を縫って、静かに話をして廻っていた。最後まで静かな佇まいという印象が残る人だった。

楽天のショップで販売している今年度産のシシャモ、今年こそ買い逃さないように気を付けようと思う。

十勝やっちのジャガイモ「ホッカイコガネとメークイン」当選者は誰だ!?

 先日のエントリで告知したように、北海道の農家「十勝やっち」の栽培する、フライドポテト最適品種「ホッカイコガネ」と「メークイン」のセットには、沢山の人から応募をいただいた!やっぱり仕事とは違うメールアドレスに投稿してもらってよかった、、、

僕の知っている人もいたり、力のはいったコメントがあったりであったが、選ぶのは十勝やっちに一任した。結果だが、ここで公表はしません。十勝やっちから直接メールで当選者にはお知らせが行きますので、しばらくしても何も来ない方は、残念!

ちなみにこのホッカイコガネ、フライドポテトに最適であると言ったが、もちろんそれ以外にも使い道は多々ある。煮るとホッコリしているのに煮くずれにくいという性質があり、かなり使い勝手がいいのだ。なので、当選者は、ぜひいろいろと料理を試して、感想をここに書き込んでいただきたい!

で、来年のシーズンには、十勝やっちに少なくとも100箱くらいはここで販売してもらおうではないか。

ヨロシクお願いしますね。

2004年11月13日

岩崎農場のトマトジュースを、オーパの水リンにブラッディマリーにしてもらった夜。

 前のエントリに書いたように、北海道の岩崎農場が松屋銀座の北海道展に出店している。金曜日までは岩崎ひでのり氏が一人でやっていて、昨日金曜日から嫁さんの亜紀ちゃんがジョイン。店じまい後に会うことになったのである。岩崎氏いわく

「あれだなぁ、あの寿司を食べに行きたいなぁ、、、」

そうだろうなぁ、、、僕の日記をみる友人のほとんどが、寿司匠または無二路に行きたいと言うんだよね。今回は、北海道の海の幸を味わい尽くしているプロフェッショナル農家に、江戸前の寿司をぶつけるチャンスである。なんと都合のいいことに、僕は岩崎農場のメロンを匠の加藤ちゃんに少し分けて上げたことがあるのだ。

「俺、メロン大好きっ!」

という加藤ちゃんに、今日は生産者が来るから。と伝えておいたら、目がぎらぎらしていた!

「今日はサービスしちゃうよぉ~」

ほんとにすごかった。最近のピカイチの握りを食べた。

ススキノの一流店を知っている岩崎夫妻もビックリしていたのである。

「お、おいしい! 東京で寿司なんて、、、っておもってたのにぃ、、、」

亜紀ちゃん、寿司はね、技術なんだよ、、、なんちゃって。

匠では偶然にも、大阪の親友ガイチと、沖縄編をコーディネートしてくれた卓が居た。なんだかなぁ、、、楽しすぎる。

一通り食べて加藤ちゃんの熱い「メロン欲しい光線」を浴びながら店を出て、Barオーパに向かう。この店も本当に最近は混みすぎてゆっくり飲む気にならないことが多いのだが、終電ちょっと前ということもあって団体がお帰りに。ちょうどカウンターに座ることができた。

さて
この日はお題があるのだ。今回、松屋銀座に岩崎農場が出しているのは、生の中玉トマト、ルバーブジャム、そしてトマトジュースだ。このトマトジュース、中玉トマト「レッドオーレ」をそのままジュースにしたもので、極めて糖度が高くフルーティ。あまりこういうこだわり系のトマトジュースを飲んだことのない人にはびっくりされそうな味なのである。

「これをオーパの水澤さんにカクテルにしてもらいたいなぁ、と思って持ってきました。」

おお!これは、以前のエントリで、彼のメロンをカクテルにしてもらった時と同じパターンである!

「かしこまりました、ブラッディマリーをつくらせていただきます。」

水澤君にっこりわらって大きめのシェイカーを取り出す。ウォッカには、トウガラシの入ったチリウォッカを使用。挽きたての胡椒も少々はいる。制作過程をじっと見つめる岩崎氏。

軽めにシェイクし空気が入ると、トマトジュースは赤からピンクに色が変わる。ご家庭にミキサーがあるなら、真っ赤なトマトの皮を湯むきしてミキサーにかけて試してみると一目瞭然だ。この日も柔らかいピンク色のブラッディマリーができあがった。

「あらぁ、あんな少ししかシェイクしてないのにこんなにピンクになるのか、シェイクの技術ってすごいねぇ、、、」

と岩崎氏が唸っている。

岩崎農場のトマトジュースでつくったブラッディマリー、一口のんで驚愕!

「濃い!すんごい濃いぞ!」

一緒につくってもらった川端卓とお連れさんがビックリしている!そう、トマトジュースが濃いので、酒が少しだけ負ける結果になっている。シェイカーに少し残ったカクテルを味見した水澤君も「うわぁ、濃いトマトジュースですね、、、」とビックリしていた。

しかし、旨い!僕はわざわざトマトジュースを飲む気にはならないんだが、こうしてカクテルにすると別物である。

ご満悦の岩崎氏。しかし、前のblogで僕がルバーブジャムのことをことさらに書いたせいか、ジャムが大量に売れて、トマトジュースの方の動きがじゃっかん鈍いらしい。

「一リットルで重いから持って帰りたくないんだろうね。」

まあそんなこといわずに持って帰ってやって下さい。僕も飲みましたが、高い水準のトマトジュースになっている。今日はこれでトマトソースを作ろうかと思っているくらいだ。

松屋銀座の北海道物産展は月曜日までやっている。ぜひ岩崎農場のブースを訪れ、励まして上げてもらいたい。

この後さらにカクテルをのみ、酩酊しながら帰った夫妻。頑張れよ!北海道人!

2004年11月18日

京屋焼酎blogにて「へベスロンド」のカクテル二種公開中。

僕が運営を担当している、宮崎の芋焼酎メーカー・京屋酒造のblogにて、新記事公開。宮崎県にしかない「へベス」という柑橘を使ったリキュールで、創作カクテルを作ってみようという趣旨。

■焼酎百景 酒草子
http://blog.e-shouchu.com/archives/2004/11/bar_abby.html

僕もよく行く六本木の名バー「Abby」の店主である今村さんに作ってもらった。オーパとはまた違う趣のバーなのである。酒好きの方はぜひご覧下さい。

2004年11月24日

休日は裏山にトリュフを採りに行こう! 三浦半島で日本のトリュフを大量に採ってフレンチを堪能した!





「ヤマケン、なんか三浦でトリュフがごろごろしているらしいから、採りに行きましょう!」

と、長島農園の勝美君から連絡があった。こういう面白そうなことがあると必ず電話をかけてくるのがヤツである。

日本の山林でもトリュフが採れるということは、以前から知ってはいた。それで町おこしの起爆剤にしようとしている事例があったりするが、まだ大々的に実現したところはないはず。安定的に採れない要因があるのだろうし、味についてもホンモノとは若干違うのではないか、と推測していた。しかしそうはいってもトリュフである。折しもこれからのジビエの季節がトリュフ大活躍の場ではないか!これは食い倒れ党首としては行くしかないだろう。

ちなみに今回の案内をしていただけるのは、神奈川県のキノコ研究家であるSさんである。

「これから採りに行く場所は、絶対に内密にしてください」

と言われているので、場所は書けない! 三浦市内だということだけでご勘弁いただきたい。

「でも、実は皆さんの近所でも採れるはずなんですよ。その生育条件さえ分かっていれば、案外お近くに見つけられるはずです」

とSさんは仰る。13時半に声をかけていただいた10人くらいで集合し、まずはA4サイズのプリントを配布され、講義。

以下、Sさんに教わったこと。

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・トリュフとは正式にはセイヨウショウロ属菌と言う。チャワンタケというキノコの仲間が地下に潜って円くなったきのこである。

・ブナ科の樹(スダジイ、シラカシ、コナラ等)かカバノキ科(イヌシデ等)、マツ科(クロマツ等)などの樹木の下に発生します。

・重要なのは、「攪乱地(かくらんち)」に発生しやすいということ。攪乱地とは、造成される等で一度掘り返されたりして、攪乱された土地という意味。従って、古くから人の手が入っていない山奥などには逆に発生しにくい。案外、都会の公園なんかでも、樹があって攪乱地であれば獲れるかも。

・ちなみにフランスで食べられている黒トリュフはペリゴールという品種だが、残念ながらこれと全く同じものが日本で獲れるというわけではない。日本を含む東アジアでよく獲れるのは、学名T. indicum 和名イボセイヨウショウロという品種である。ただしこれも強い香りを発する。
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ということなんである!日本であろうとどこあろうと、条件が整えば発生するのであった!

まあしかし、品種が違うと言うことで、合点がいく。我々の業界でいえば、アールスメロンという高級品種と、アンデスメロンの違いという感じか。でも、アンデスメロンも実に旨い。だからそれくらいの気持ちで採取すればいいな、という感じだ。

「では、知識がついたところで現地に行きましょうか。」

と車で集合場所のとある公園から5分。車がビュンビュン走る公道のすぐ脇にある森林に分け入っていく。分け入ると言っても、数十年前にデベロッパーが植林をした造成地である。つまり、攪乱されているということだ。


これをずんずんと進んでいくのかと思いきや、公道から5分も歩かないうちに佐々木氏の足が止まった。

「さて、この辺で獲れるんです。足下の落ち葉をどけて、地面を見つめてください。トリュフは土中ではなく地表に出ていますので、すぐに分かるはずです。絶対に地面を掘らないように!掘ってしまうと翌年には発生しませんよ。」
と言うので、目をこらす。長島勝美君がすぐ横で興奮した声で「あ、ほんとだ有ったあった!」とはしゃぐ。マジ?

あったぁ! この写真の真ん中に写っている、動物の糞のような丸いのがそれである。

これかよぉ、、、と感慨に浸る間もなく、落ち葉をどかしただけでゴロゴロとしているのである。

「おおおお 次々に見つかるじゃん!トリュフ犬なんていらないじゃん!」

と一同もう狂乱である。

学者肌のSさんは、資源として取り尽くされては困ると践んだのだろう、開始10分後くらいには「はい、もう終了!しゅーうーりょーうー!」と声をかけて皆を引き戻した。菌が生えているシロには、基本的に人が入って荒らすのは困るのだ。

改めてみると、このゴツゴツしたマツボックリ状の物体がトリュフなのである。

Sさんが小刀で二つに割る。すると断面にはマーブル模様が入っているのがわかる。

「このマーブル模様が見分け方の決め手です。よく似た感じのキノコがありますが、割ってみてください。こういう模様があれば大体トリュフです。」

やたらとマニアックなキノコ辞典のような海外の本を引っ張り出し、僕らが採取したイボセイヨウショウロの写真を見せてくれる。いや、実に面白い!

何が面白いって、条件さえ合えば、このトリュフが都会の町中にもあるかもしれないのだ。痛快だな!

Sさんに御礼を言って解散。なんと、埼玉の川越からわざわざ駆けつけたキノコマニアの方もいらっしゃった、面白い一団であった。


さて
勝美君と、シエラザードへ行く。シエラザードは長島農園の野菜を購入し料理に使っているフレンチレストランである。横須賀には珍しいきっちりとした素晴らしい料理を出す店だ。以前のこのエントリをみていただきたいのだが、ここのジビエは旨いし、見た目も麗しい!このblogの写真の中でも最も旨そうに撮れているエントリだと思う。


さて
伊崎シェフに見せると、「おお~ほんとうだ!」と興奮。

トリュフはまずこのごわごわの外側をナイフで剥く。剥いた皮も薫り高いので、容器に入れて油を注げば、トリュフの香りがオイルに移るという。
さてこの美しいトリュフの薄切りをみていただきたい!

この断面にあるマーブリングが、トリュフの証である。なんて美しいのだろう!

ちなみに、一つのトリュフはあまり香りが漂ってこないが、もう一つの色が濃い方は、プンプンとトリュフ香が立ち上ってくる!

トリュフといえば、卵との相性が抜群によいことで有名だ。なので、まあ今回は味見ということで、トリュフを刻み込んだオムレツを焼いてもらう。

「昔、ホテルに勤務していた頃以来だなぁ、オムレツなんて」といいながら、フライパンをポンポンと叩き丸め込んでいく。

大量にトリュフの入ったオムレツができあがる。同じ量をフランス産のトリュフでやったらどうなっちゃうんだろう?かなり怖~い、、、

さて味はどうか? 濃い色の成熟したトリュフからは、間違いなくあの芳香が立ち上った!ペリゴール種とは香りの性質は違うのだろうが、でもトリュフの香りだと言うことはきちんとアイデンティファイできる!

「いやぁ、すごいね、粗刻みのトリュフを噛みしめると、ブワって香りが立ち上るね。これ、一日目でこんなに薫るんだから、もっと熟成させたら大変なことになりそうだね!」

トリュフは米をしいた密閉容器にふんわりとおいておく。米のおかげで水分調節ができるのだ。これは、シエラザードにプレゼント。

いや、面白い!間違いなくホンモノのトリュフであった!先に挙げた条件が満たされる場所で有れば、身の回りにトリュフが落ちているかも知れないぞ!ぜひ皆さん、お近くの公園や林の中を散策してみてください。

繰り返し注意しますが、掘り返してはダメ!次年度に発生しなくなります。地表に顔を出しているケースが多いので、それを採るに留めること。

シエラザードではこのオムレツの他に、今年初の野鴨などをさんざん食べたので、これはまたアップしますね、、、いや、いい一日だった!

※当然ながら、トリュフが採れるかどうか、そしてそれらしきものがあったとしても、食べるかどうかというのは個人の責任でお願いします。もし何かあっても責任はとれませんので悪しからず。

2004年12月06日

君は「葱商」を知っているか!? 千住葱商「葱茂」の特上葱をこれでもかと鍋で堪能した一日だった!

12月6日朝、やっと書き上がりましたぁ、、、先週はマジで忙しすぎ。

冬と言えば鍋、鍋と言えば、主役の具材は魚や肉だとしても、どうしても欠かせないものがある。そう、葱(ねぎ)だ。
関西でも最近では食卓に上るようになっている、白く太い軟白部分が優美な長葱。僕の家では必ず納豆の薬味用に葱を常備しているし、無論薬味以外にも焼いたり似たりと、かなり汎用性の高いマストアイテムである。

さて
「葱商(ねぎしょう)」という業種をご存じだろうか。文字通り葱だけを扱う流通業者のことである。
流通に関わる者として、僕もその存在をうっすらと知っては居た。長葱のみが上場され取引される市場が東京の下町・千住にあるということ。そこで取引される葱は選り抜かれたものばかりで、業務筋にしか並ばず、小売店で見かけることはない。しかし、そんな特殊市場をこの眼で見たことはなかったのだ。

「やまけんさん、葱商の安藤さんを紹介しますよ。」

と声をかけてくれたのは、このところ1週間とおかずに会っているバードコートの野島さんだ。実は今年の初頭、バードコートを舞台に、雑誌「やさい畑」食べ比べの連載向けのテイスティング会をしたのだ。テーマはもちろん長葱。主立った種苗会社の葱を10種集め、葱を煮る・焼く・生の三種で食い比べをしたのだ。その時に安藤さんが駆けつけ、テイスティングに参加してくれた。実に的を得た、的確なコメントをくれた安藤さんが持参した千住葱は、ここだけの話だが10種の種苗会社のどの葱とも違う、プロの業務用に特化された凄みのある品質だったのである。

その後、彼の店である「葱茂(ねぎしげ)」に遊びに行こう、行こうと思っていながら足が伸びなかった。そして今回、野島さん宅で大・鍋パーティーをしようということになり、その主役として、安藤さんが極上の千住葱を持ち込んでくれるということに相成ったのである。

「鶏肉だけさばいちゃって、葱茂に行きましょう。ここから10分くらいのとこです。」

と、ダアン、ダアンと中華包丁で奥久慈シャモ2羽分をぶつ切りにしながら野島さんが言う。

「やっぱりねぇ、葱の質が明らかに他と違うんですよ。実はこれから、僕の師匠の和田さんの店(銀座バードコート)と、大阪の「あやむや」さんっていう店にも葱を送ることになったんですね。これもみんな食べてみて即決だったんです。『値段はどうでもいいから、いいものを送ってくれ』ってね。プロはそういうモンなんですよ。」

ふうん、すごいなぁと思いながらバードコートの包丁類をみていたら、なんと「葱茂」の刻印入りの菜切り包丁を発見!


「の、野島さん、何すかこれ!?かっちょいい、、、」

「あぁ、それは安藤さんが取引先さんにあげてる菜切り包丁でね。僕らみたいに肉を切るのが主だと、使う包丁は刃が厚いんで野菜は切れない。薄刃の菜切り包丁だと、繊維を壊さないですっと切れるんですよぉ」

うーん 俺もこの包丁欲しい!

3Kgの鶏肉をさばいて、葱茂へ行く。千住のToposから裏通りに入ってすぐの住宅街の中に、一階がガレージになっている3階建ての瀟洒な家がある。

なんとここが葱商「葱茂」なんである!

「こんちわぁっす」

おお、安藤さん!半年以上ぶりの再会である。

この人はなぜかいつも黒いファッションに身を包んでいる。どの写真観てもそうなんだよな。とりあえず葱商っていう格好ではない感じだ。

20畳くらいのガレージスペースで、もう大半の出荷を終えたのだろう、段ボールが一山残っているだけである。

ちなみに彼は葱市場の「仲卸」である。市場は卸と仲卸から成っている。卸が大きなハコを持っていて、そこに全国から集荷し、仲卸に対してセリを行う。

この卸売市場、県や市町村が開設する公設市場と、民間の市場がある。公設市場の方が様々な保護があったり、規模が大きかったりするのだが、民営の市場にはそこにはないおもしろさがある。その一つがこの「専門性」だろう。千住の場合は長葱専門だが、まだまだ枝豆専門の市場など様々な民営専門市場があるのだ。

で、仲卸の彼は、卸のところに集まった長葱をセリで買い求め、顧客に販売していくというのが業務になる。通常の仲卸は、スーパーや飲食店に卸すわけだから数十種類の品目を販売するわけだが、安藤君は長葱だけ!である。従って、どこで買う長ネギよりも圧倒的に高品質でなければならない。そしてその通り、千住の葱市場には、とにかく最高品質の葱が集まってくるようになっている!埼玉の越谷などの近郷産地の葱農家から、本当にいい品質の葱がけが上場されるのだ。プライドの高い農家ばかりだそうで、「出来が悪かったら一切出さない、つまりその年の1回分の儲けは捨ててしまう」という。ちなみに葱は生育に6ヶ月くらいかかるので、年に二回のチャンスしかないのだ。このように、業務用のプロが目利きをする市場に、農家のプライドを賭けた逸品が集まる。そうでなければ専門市場が生き残っていけるハズがない。

「いやぁ、おかげさまで忙しいですよ。貧乏暇無しってね。じゃ、やまけんさんにおれんちの扱い品を観てもらわなくちゃね。」

と言いながら、ガレージ奥にある冷蔵倉庫の扉を開けた。5度くらいの冷気が流れ出てくる向こうに、宝の山がみえた!

「もう、取引が大体終わってるから少ないけど、朝一番で来てもらうと、葱で埋もれてるよ!」

観てのとおり一本の麻縄で数十本の葱を縛ってまとまりにしている。これが葱取引の単位なのだそうだ。

「でも、別に本数が決まってるわけではないんです。その辺は持ち込む生産者さんによってなんだか違うんですよねぇ(笑) で、今日の鍋にはこっちの極上品を持っていきますよ!」

と言う、これが極上品だそうだ!

「まぁ、まだ霜にあたってないからこれからもっと美味しくなるんですけどね。今日のところはこれでいいでしょう!」

この葱束、持ってみたらかなりズシッと来る。15Kgくらいはあるだろうか。商売柄、葱の等階級の決め方に興味があったので訊いてみた。この箱を観て欲しい。

葱茂が出荷する葱は、金・銀・銅というグレード分けがされている。等級はおそらく肌のキメの細かさ、巻きの多さなどが評価の対象になるのだろう。これに加えて葱の太さを極太・太・中・細・極細と分けている。

「僕らみたいな焼き鳥屋だと、肉の間に葱を刺していくようになりますから、あまり太いのは不都合になります。」(by野島さん)

ということだから、これは使う目的によって最適なものが選ばれるのだろう。

冷蔵庫から出してきた、画面手前が極上品、奥が僅差だが質が落ちるものだという。その差は僕にもよく分からなかった。長葱に賭ける人たちだけがわかる品質差なのだろうか。

ちなみに葱の味は、この根を食べることで確認できる。根が付いた泥葱が売ってたら、だまされたと思って洗って食べてみて欲しい。葱の香りが強く拡がるのにビックリするはずだ。

プロの視点から選ぶ葱というのがどんなものなのか、安藤さんに訊いてみた。動画なので。データ量が多い(20MB弱)ので大変だろうが、関心のある人は観て頂きたい。


■安藤さんの語る「いい葱」とは

その1 (動画 18.9MB)
その2 (動画 17.4MB)

さてこの葱商「葱茂」の取引先は、ほとんどが業務用である。プロの飲食店向けということだ。八百屋には出回らないのである。

「普通の葱から比べたら高いですもん。プロにしかわからない価値ってのがあるんだと思います。焼いた時の中身の甘さ、トロ味の強さ。蕎麦の薬味にした時には、ほんの少量でもビリッと強く効き、香りが高いこと。市販のモノに比べて1本から採れる薬味の量が全然違うこととかね。そして何より、保ちがいいんですよ、保ちが。」

という彼の扱う最上級葱だが、なんと僕ら一般の人でも買えるチャンスがある!

「お歳暮用に、この箱にバンと千住葱を詰めて、2500円(送料別)で発送致します!」

2500円+送料なら、気の利いたお歳暮としては安い!いや、葱だろ?と思われる方も多いだろうが、まあここの葱で鍋をすれば分かるはずだ。モノが違う。おいら、御遣い物にすることにしたぞ。

なんとここで、安藤さんと僕は昭和46年生まれの同い年であることが判明!なんだよ早く言ってくれよ。以下、安藤「君」と呼称することに。一気に距離が近くなった。

「じゃあ、鍋食べに行きましょう!」

3人で葱、鶏肉、スープを持って野島家に移動する。今日は野島一家、バードコートの力ちゃんと常連客軍団、千住大橋ちかくにある田中屋の若旦那ノブちゃんという布陣だ。

ワインで乾杯しながら、最初に繰り出されてきたのは絶品豆腐と千住葱のマリアージュだ!

「実はこの日のために、川越の小野食品からいろいろとプレミア物の豆腐を頼んでるんですよぉ!」

小野食品は、今や超有名になってしまった埼玉県川越市の豆腐屋だ。
http://www.nt-slowfood.org/fooder/tan_01.html
バードコートでもここの「なごり雪」という、ムースのようなスペシャル豆腐に高知の塩にオリーブオイルをかけて供するが、豆の強い香りとなめらかな舌触りが実に最高。その小野食品がいろんな豆腐を生み出しているのだ。

青大豆を使った緑色の豆腐のおぼろ・絹・木綿。白大豆と半々にマーブル状に仕上げたものなど、おそらく行列しても買えそうにないものばかりだ!

緑豆のおぼろ豆腐はもう絶品!限りなく甘く、舌がとろけてしまいそうだ。

木綿豆腐にタップリの千住葱を上に載せて食べる。ちなみに薬味として小口切りにする際、僕がまな板で切っていたら安藤君がチッチッチとやんわり制止する。

「葱をまな板で切ると押しつけられて繊維がこわれちゃうんですよ。だから、プロは小脇に抱えてシャッシャッシャッと切るんだね。」

なんと!そういうことかぁ、、、こだわる蕎麦屋などでは数本の葱を抱えてこうするのだそうだ。納得!

こうして刻まれた薬味としての千住葱は、とにかくヅンと辛みと刺激が鼻に抜ける!蕎麦屋がこれを使うのも納得である。しかし、小野豆腐の繊細な香りと甘みを殺すことはなく、引き立てている。

「この辛みの強さが、加熱した時に甘みに変わるんですよ!」

と安藤君が自信満々に言う!それを確認するために、今日は鍋料理も彼の葱を活かす物ばかりだ。

田中屋のノブちゃんが色んな魚の頭とカマを持ってきてくれる。半割にして鍋にして、、、最後の出汁は最高に旨いはずだ!

「俺は魚はいやっていうほど食べてるから、もういらないんだけど、、、鶏食べようと、鶏!」

と言いながら、どんどん頭を割っていく。

ちなみにこの写真右上の大皿に載っているのは鯛のカシラ。小さくみえるだろうが通常サイズ。ということは、左上の赤い頭のアコウダイは土鍋に入らないくらいの凄まじい大きさなのだ。

高級魚ハタのカマとカシラと千住葱を鍋に。蒸し物にすると最高に旨いプルプルネットリ濃厚なハタだが、これを淡い出汁で煮ると上品かつ芳醇!魚の旨さと、煮た葱のこれまたネトッとした中身の旨甘さが合わさると、こいつは何にも代えられない!

そして生粋の江戸っ子ノブちゃんが、お江戸の鍋「ねぎま」を作ってくれる。

「まぐろはさっと火を通すだけでいいから!すぐ食べてねー!」

という声に大殺到する箸たちよ!(↓ヤラセではありません)

「う、旨い!」

刺身で食べる用のマグロの、しかも中トロ部分を、やんわりしゃぶしゃぶと加熱すると、脂が溶け出す融点になり旨味も増す!マグロと葱の相性は言うまでもない!ねぎまってこんなに旨かったのか!

「もう面倒だからマグロブロックで煮ちゃうよ。」

うわっデカイまぐろである。この遠海魚の出汁と葱が絡むと実にきっぷのいい味になるのはなぜなんだろう?。


ほのかにピンク色を残したまぐろと葱を口に放り込むと、肉のような食感と旨味を感じた後にサクリ、ネットリとした葱の風味が、脂気を中和しほどよい旨さ感覚をつくってくれる。

もうみんな鍋・皿に大殺到である。

合わせた酒は、神亀酒造の「仙亀」。精米歩合を上げずに醸した純米は、どしっとして複雑な味がする食中酒だ。やっぱり純米だよなぁ。

「いや実はね、ネギ焼酎ってのを作ったんですよ!呑んでみて!」

な、なぬ?ネギ焼酎だと???それが本当に、酒造メーカと組んで安藤君がつくっちまったらしいのだ。

ネギ焼酎「やっちゃ場」。やっちゃばとは市場のことだ。んー 味についてはコメントは差し控えておこう。ネギの香りと風味がする。ん~、、、話題にはなるよな、これ、、、

「鶏食おうよ、鶏!」

というノブちゃんの声で、奥久慈地鶏の水炊きが始まる!昨晩からとっておいてくれたガラスープで、地鶏のぶつ切りとネギを煮込んでいくのダ!


レア加減に煮て引き出して食べる地鶏はやっぱり最高。ネギとの相性、、、いうまでもないよなぁ。

その他、本当に旨いもんが乱れ飛んだのだ。


(↑これ、例のトリュフオムレツね)

そして最後の〆はやっぱり雑炊!鶏スープと魚スープを足して雑炊にする。ネギタップリ。

ぐおおおおおっ 本日最大級の旨さ!

思わず鍋にもう一杯作ってしまっても、即座に無くなる旨さであった!

こうして千住ネギを堪能する目的は、多角的な料理法にて(鍋だけだけど)様々な検討を重ねられ、出席者全員の胃袋を満たしたことで達せられたのであった。

さて
この葱茂の極上千住葱が、一般の人でもお歳暮用に買える!ということは先述したとおりだ。2500円(送料別)で特製の箱にギッシリと入れて送ってくれる。
※送料は最初込みだったのですが、相場が一気に高くなったので、送料別にさせていただきますとのことです!申し訳ないがお問い合わせ下さい!

「もしヤマケンさんのblog経由で20人分以上売れたら、『葱茂』の刻印入り菜切り包丁を一本ヤマケンさんにあげますよ。」

なにぃいいいいいいいいい
欲しいぃいいいいいいいいいいい!

みなさんどうか私に葱専用菜切り包丁を入手させて下さい(笑)

というのは冗談ですが、本当にお歳暮用に使えるので試してみて欲しい。大晦日にこれで鍋というのもいいし、蕎麦の薬味にはプロの太鼓判がついている。関西の人にはようやく馴染みが出てきたくらいの長葱だが、こういう一級品を食べて判断して欲しいと思う。そうそう、銀座「バードランド」と大阪の「あやむや」では今、葱茂の葱の扱いが始まったはずだ。常連さんはめざとくねぎまと食べて頂きたい。

お歳暮用の問い合わせは下記へ。

■葱茂
http://www.senjunegi.com/
〒120-0034 東京都足立区千住1-7-6
有限会社葱茂
電話 03-3381-0160
ファックス 03-3881-0108
担当葱商 安藤将信あて
お問合せメール:info@senjunegi.com
※注文時に「やまけんのWebを観て」と一言お願い!

ちなみに葱が旨くなるのはまだこれから。霜に当たると、野菜は甘みを増すのだ。今年は暖冬なのでまだそこまでいっていないのだが、晦日に向けて待ち遠しいではないか!

安藤ちゃん、伝統の千住葱の灯をこれからもともし続けてくれ!

2005年02月15日

京屋焼酎blogにて、日本酒伝道師・工藤ちゃんの焼酎講座を掲載

今度の静岡オフ会に、日本酒のお燗番(おかんばん)として参加してくれるのは、僕の弟分でこれまでにも数回このblogに登場している工藤ちゃんだ。

彼は純米酒の世界では有名なある居酒屋のマネージャとしてキャリアを積んだ後、自分の道を行くために退店し、独自の活動を続けている。その彼が、とうとう自分の伝家の宝刀を抜く。ぜひ楽しみにされたい。

で、その工藤ちゃんに、僕が協力している芋焼酎メーカ「京屋酒造」のblogに登場してもらった。

■こだわ